JP2006216731A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遠視野像が単峰でガウシアン形状である窒化物半導体レーザ素子において、長期信頼性の確保および素子特性歩留まりの改善を得ることである。
【解決手段】 窒化物半導体レーザ素子100は、n型GaN基板101上に順に、n型GaNコンタクト層102、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層103、n型GaNガイド層104、GaInN多重量子井戸活性層105、p型Al0.2Ga0.8Nキャリアバリア層106、p型GaNガイド層107、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層108、p型GaNコンタクト層109、絶縁層113、p型電極112を積層し、リッジストライプ110が形成されて露出した露出面のリッジストライプ110以外の少なくとも一部に、不純物を添加したGaN層111を形成した構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リッジストライプを有する実屈折率型の窒化物半導体レーザ素子に関する。
窒化物半導体からなる半導体レーザ素子は、光ディスクの信号読み取り部品用(光ピックアップ)光源として情報記録装置に搭載されるなどの利用法がある。例えば、光ピックアップ用光源として、窒化物半導体レーザ素子を用いる場合、その必要とされる特性の中に、放射される光強度分布の形状(遠視野像)があり、実用上、その遠視野像は単峰でガウシアン形状であることが望ましい。
しかし、従来の窒化物半導体レーザ素子では、リッジストライプ内で発生した光がリッジストライプ外の光導波領域に漏れ出し、その領域で導波してしまうことがある。その結果、遠視野像に小さな揺らぎ(リップル)が発生することが多かった。その解決のための手法として、例えば、特許文献1が開示されている。本公報では、リッジストライプ外に漏れ出した光が遠視野像に影響を与えないようにするために、漏れ出した光を吸収するための層をリッジストライプ外に形成する技術が公開されている。その光を吸収する層として、例えば、TiO2、Nb25、RhO、Cr23、Ta25、SiCなどの絶縁層、Si、Zr、Nb、Ti、Niなどの金属層、InzGa1-zN(0<z<1)の半導体層を用いている。
特開2002−237661号公報
しかしながら、特許文献1の窒化物半導体レーザ素子のうち、光吸収層としてTiO2、Nb25、RhO、Cr23、Ta25、SiCなどの絶縁層、Si、Zr、Nb、Ti、Niなどの金属層を用いた場合は、半導体レーザ素子を長期間高温動作させると光吸収層を構成する元素の拡散や、光吸収層自体の分解による不安定性により素子特性が劣化するなどの影響があり、結果として長期の信頼性が十分ではなかった。
また、特許文献1の窒化物半導体レーザ素子のうち、InGaNの半導体層を用いる場合でも、組成などの作製ばらつきによる素子特性歩留まりの低下や、InGaNの結晶性低下に起因する層の変質から、光吸収特性の変化による素子特性の不安定性があるといった問題があった。
本発明は、遠視野像が単峰でガウシアン形状である窒化物半導体レーザ素子において、長期信頼性の確保および素子特性歩留まりの改善を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の窒化物半導体レーザ素子は、窒化物半導体層のリッジストライプが形成された面であってリッジストライプ以外の少なくとも一部に、不純物を添加したGaN層を形成することを特徴とするものである。
また本発明の窒化物半導体レーザ素子は、リッジストライプが形成されて露出した露出面のリッジストライプ以外の少なくとも一部に、不純物を添加したGaN層を形成することを特徴とするものである。
これらの構成によると、不純物を添加したGaN層が、リッジストライプ外に漏れ出した発光に対する吸収層としてはたらいている。
上記の窒化物半導体レーザ素子において、前記不純物がMgであることにより、窒化物半導体レーザ素子内で発光した光が効率良く吸収される。
また、前記不純物の濃度は1×1020cm-3以上5×1021cm-3以下であることが望ましい。
濃度が1×1020cm-3よりも低いと、十分に発光を吸収することができない。一方、濃度が5×1021cm-3より高いと、GaN層の結晶性が非常に悪化してしまい、結晶としての安定性が十分でなくなり、窒化物半導体レーザ素子の長期信頼性に対して悪影響を与えることとなり、好ましくない。
前記GaN層の層厚は、概ね、100nm以上であることが望ましい。100nmよりも薄いと、十分に漏れ光を吸収することができず、十分な効果を得ることができない。一方、厚い分には特に制限はないが、概ね1μm程度あれば本発明の効果を得るためには十分である。
また、前記GaN層は、前記リッジストライプの側面から1μm以上100μm以内の位置に少なくとも離れて形成されることが望ましい。
GaN層がリッジストライプの近傍、例えば、リッジストライプの側面から1μmより近い領域に形成されていると、ストライプ内でレーザ発振に寄与する発光に対しても吸収層として働いてしまい、レーザ素子特性が悪化するように影響を与えてしまう場合がある。一方、100μmより離れた領域に形成する場合は、ストライプ外に漏れ出した発光を効率良く吸収することができないため好ましくない。
また、前記窒化物半導体層の前記リッジストライプが形成された面又は前記露出面がAlGaNであることが望ましい。
これは、本発明では、活性層で発光した光のうち、リッジストライプ外に漏れ出した光をGaN層で吸収することになるが、その漏れ出した光は、屈折率の関係でAlGaN層からGaN層へ伝播しやすくなるため、AlGaN層に接して、吸収層として働くGaN層を形成することにより、GaN層で効率良く光を吸収することができるからである。
また、前記GaN層が、前記リッジストライプが形成された後に作製されていることにより、本発明の効果をより良く得ることができる。
それは、リッジストライプ形成前にGaN層を作成する場合、活性層から染み出した光を吸収するためには活性層近傍にそのGaN層を形成する必要があるが、結果として、リッジストライプ内に吸収層として機能するGaNを含む構造となってしまうため、レーザ特性自体を悪化させることとなってしまい好ましくない。
本発明によると、不純物を添加したGaN層が吸収層としてはたらくので、遠視野像にリップルが生じることなくガウシアン形状で単峰となる。また、本素子を高温動作信頼性試験に投入しても、十分な信頼性を得ることができる。そして、素子の作製歩留りは十分に高い。
以下に、本発明の窒化物半導体レーザ素子について説明する。なお、本明細書において窒化物半導体とは、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成されるものである。また、窒化物半導体の窒素元素の内、約10%以下(ただし、六方晶系であること)がAs、P、Sbの何れかの元素に置換されていてもよい。また、窒化物半導体中にSi、O、Cl、S、C、Ge、Zn、Cd、Mg、Beがドーピングされていてもよい。
実施の形態1
図1は、本実施の形態で示す窒化物半導体レーザ素子100の模式断面図である。窒化物レーザ素子100は、n型GaN基板101上に順に、n型GaNコンタクト層102、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層103、n型GaNガイド層104、GaInN多重量子井戸活性層105、p型Al0.2Ga0.8Nキャリアバリア層106、p型GaNガイド層107、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層108、p型GaNコンタクト層109、p型電極112が積層されて構成されている。
なお、GaInN多重量子井戸活性層105は、In0.02Ga0.98Nからなる障壁層とIn0.15Ga0.85Nからなる井戸層からなり、障壁層、井戸層、障壁層、井戸層、障壁層、井戸層、障壁層と繰り返し、3つの井戸層を含む多重量子井戸構造となっている。これらの井戸層や障壁層には不純物を添加してもしなくてもよい。ただ、不純物、例えば、Siを添加することにより、活性層105からの発光強度を強くすることができる。
p型GaNガイド層107、p型クラッド層108、およびp型コンタクト層109は、その一部が除去され、共振器方向に延伸したストライプ状のリッジ110が形成されている。そして、リッジストライプ110が形成された面であってリッジストライプ110以外の少なくとも一部に、不純物を添加したGaN層(以下、GaN不純物添加層と記すことがある)111が形成されている。
また、p型電極112とGaN不純物添加層111およびリッジストライプ110との間には、リッジストライプ110の頭頂部を除いて、絶縁膜113が設けられている。さらに、n型GaN基板101の積層構造を形成した側と反対側には、n型電極114が形成されている。
以下に、半導体レーザ素子100の製造工程について説明する。まず、n型GaN基板101上に、MOCVD装置(有機金属気相成長法)により、n型GaNコンタクト層102、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層103、n型GaNガイド層104、GaInN多重量子井戸活性層105、p型Al0.2Ga0.8Nキャリアバリア層106、p型GaNガイド層107、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層108、p型GaNコンタクト層109を形成する。なお、これらの半導体層成長後、p型層の抵抗が高い場合には、熱処理等を施すことにより、抵抗を下げることができる場合がある。
次に、形成した半導体層側にリッジストライプ110を、ドライエッチングの手法を用いて形成する。エッチングのマスクとして、窒化物半導体を積層した表面に、例えば、フォトリソグラフィーの技術を用いて幅2μmのストライプ状のSiO2を形成し、RIE装置等により、p型コンタクト層109、p型クラッド層108、および、p型GaNガイド層107の一部をエッチングにより除去して、共振器方向に延伸した幅2μmのストライプ状のリッジ110を形成する。
次に、フォトリソグラフィーの技術を用いて、GaN不純物添加層111を形成しない領域にマスクとしてSiO2を形成する。具体的には、リッジストライプ110の頭頂部、側面部、および、先のドライエッチング処理により窒化物半導体の一部を除去して露出させた窒化物半導体層、本実施形態では、p型Al0.2Ga0.8Nキャリアバリア層106の表面であってリッジストライプ110の側面部から2μmの距離を除く領域にSiO2を形成する。
その後、例えば、MOCVD装置によりGaN不純物添加層111を形成する。本実施形態では、層厚300nm、不純物としてMgを1×1021cm-3の濃度で添加した層とした。
そして、エッチング処理によりSiO2層を除去することにより、必要部以外のGaN層を除去した後、リッジストライプ110の頭頂部以外の領域に、SiO2およびTiO2からなる絶縁層113を形成し、リッジストライプ110の頭頂部のp型コンタクト層109に接するようにPd/Mo/Auの積層構造からなるp電極112を真空蒸着装置やスパッタ装置等を利用して形成する。
そして、n型GaN基板101の半導体層を形成した面と反対の面に、Hf/Al/Mo/Pt/Auの積層構造からなるn型電極114を形成する。また、次工程のチップ分割工程において、良好な端面を形成するために、n型電極114を形成する前に、n型GaN基板101を裏面側から一部研磨やエッチングにより除去し、層厚を薄くし、チップ分割を容易にしておくことも可能である。
そして、基板に半導体レーザ素子構造が形成されたウエハにスクライブ等のチップ分割工程を実施し、各半導体レーザ素子を得ることができる。なお、チップ分割の工程において、半導体レーザ素子の共振器端面の形成後、その端面に誘電体多層膜によるHRコーティングやARコーティングを施してもよい。このようにして得られた窒化物半導体レーザ素子100は、ステムにハンダ等を用いて接着し、電極に金属ワイヤーを接続することにより、最終的に、通電による素子動作が可能である状態になる。
この窒化物半導体レーザ素子100の素子特性を評価したところ、遠視野像はリップルが生じることなくガウシアン形状で単峰であった。また、本素子を高温動作信頼性試験に投入しても、十分な信頼性を得ることができた。そして、素子の作製歩留りは十分に高かった。
これは、GaN不純物添加層111が、リッジストライプ110外に漏れ出した発光に対する吸収層として安定した特性で歩留りよく作製できていることと同時に、長期信頼性においても非常に安定した層となっていることを示しているものと考えられる。
なお、GaN不純物添加層111は、窒化物半導体レーザ素子100で発光した光の吸収層として機能するため、リッジストライプ110内やリッジストライプ110直下に存在すると、ストライプ内のレーザ発振に必要な発光までも吸収してしまうため、窒化物半導体レーザ素子100の特性を悪化させてしまうことになる。よって、GaN不純物添加層111は、リッジストライプ110内およびリッジストライプ110直下には存在させない形で形成する必要がある。
また、上述したように、GaN不純物添加層111は、窒化物半導体レーザ素子100内で発光した光を吸収する特性があるが、リッジストライプ110の近傍に存在すると、同様に、ストライプ内のレーザ発振に必要な発光の一部に対して、吸収層として働いてしまう場合があり、レーザ特性に影響を与える場合がある。よって、好ましくは、リッジストライプの側面から1μm以上離れた位置に形成されていることが望ましい。
一方、GaN不純物添加層111の形成する位置としては、リッジストライプからあまりにも離れていると、リッジストライプ110外に漏れ出した発光を効率良く吸収することができないので、概ね、リッジストライプ110の側面部から100μm以内の領域に形成することが好ましい。
また、GaN不純物添加層111は、窒化物半導体レーザ素子100内で発光した光を吸収する特性を有する必要があることから、その不純物はMgであること望ましく、その濃度は1×1020cm-3以上5×1021cm-3以下であることが望ましい。濃度が1×1020cm-3よりも低いと、十分に発光を吸収することができない。一方、濃度が5×1021cm-3より高いと、GaN層の結晶性が非常に悪化してしまい、結晶としての安定性が十分でなくなり、窒化物半導体レーザ素子100の長期信頼性に対して悪影響を与えることとなり、好ましくない。
なお、Mgの濃度を、5×1020cm-3以上5×1021cm-3以下とすると、GaN不純物添加層111自体の抵抗が高くなり、この層だけで十分な絶縁性を保つことができ、絶縁層113を不要とすることもできる。5×1020cm-3以下の場合は、GaN不純物添加層111は比較的低抵抗の状態となり、リッジストライプ部に電流を集中させるためには、絶縁層113が存在する方が良好であり素子特性は安定する。5×1021cm-3以上の場合は、GaN不純物添加層111の結晶性が非常に悪化し、リーク電流を発生し得る状態となってしまうため、この場合も、素子特性を安定させるためには、絶縁層113を形成することが望ましい。
また、GaN不純物添加層111の層厚は、概ね、100nm以上であることが望ましい。100nmよりも薄いと、十分に漏れ光を吸収することができず、十分な効果を得ることができない。一方、厚い分には特に制限はないが、概ね1μm程度あれば本発明の効果を得るためには十分である。
また、窒化物半導体レーザ素子100において、リッジストライプ110を形成するために除去された窒化物半導体層の表面にAlGaNが露出しており、その露出面にGaN不純物添加層111を形成することにより、より高い光吸収効果を得ることができる。これは、活性層105で発光した光のうち、リッジストライプ110外に漏れ出した光をGaN不純物添加層111で吸収する必要があるが、その漏れ出した光は、屈折率の関係でAlGaN層からGaN層へ伝播しやすくなるため、効率良く、GaN不純物添加層111で光を吸収することができるからである。
また、GaN不純物添加層111が、リッジストライプ110が形成された後に作製されていることにより、本発明の効果をより良く得ることができる。
GaN不純物添加層111は、活性層105近傍に形成する必要があるが、リッジストライプ110形成前にGaN不純物添加層111を形成する場合、大きく、次の2つの手法が考えられる。1つは、窒化物半導体の各層を連続的に成長する中の1層として、GaN不純物添加層111を形成する場合であるが、発光に対する吸収層として機能するには、活性層105の近傍に形成する必要がある。しかし、この手法では、後に形成するリッジストライプ110内、或いは、その直下に、GaN不純物添加層111が含まれる形となってしまう。この場合、レーザ発振に必要なストライプ内の発光に対しても吸収としてこのGaN不純物添加層111が寄与してしまうため、レーザ素子特性が悪化してしまい、好ましくない。
もう1つの手法としては、窒化物半導体の各層を形成する過程で、活性層105近傍の層を形成する際に、GaN不純物添加層111を形成し、一度、成長中断を行い、後にリッジストライプ110を形成するであろう位置に存在するGaN不純物添加層111を除去した上で、残りの窒化物半導体層を再成長する手法が考えられる。この手法では、リッジストライプ110の近傍には、GaN不純物添加層111は存在しなくなり、レーザ発振に必要なリッジストライプ110内の発光に対しての影響は無くなるが、窒化物半導体の再成長により、窒化物半導体層に欠陥等が入りやすく、素子の十分な信頼性を得ることが難しくなる。以上のことから、GaN不純物添加層111を、リッジストライプ110が形成された後に作製されていることにより、本発明の効果をより良く得ることができると言える。
なお、本実施形態では、SiO2をマスクとした上で、GaN不純物添加層111を形成し、GaN不純物添加層111のうち、リッジストライプ110直上などの不要部分に形成された部分を除去して、GaN不純物添加層111を作製している。この工程については、例えば、リッジストライプ110形成後、窒化物半導体の選択成長の技術を用いて、GaN不純物添加層111を形成することにより、リッジストライプ110外のエッチング露出面にのみGaN不純物添加層111を形成することもできる。これは、ウエハ表面上に段差が形成されている場合、段差の頂部および側面よりも段差の底部に先に窒化物半導体が成長しやすいという特徴を利用したもので、本手法を用いることにより、より容易に、必要な位置にのみ、GaN不純物添加層111を形成することができる。
実施の形態2
本実施の形態では、先の実施の形態とは異なる手法による本発明の窒化物半導体レーザ素子を説明する。
図2は、本実施の形態で示す窒化物半導体レーザ素子200の模式断面図である。本素子における構造の特徴は、リッジストライプ110を形成した後、絶縁層113を形成し、その層上に覆いかぶさるように本発明による技術であるGaN不純物添加層111を形成していることにある。以下に、その作製について説明する。
まず、実施の形態1と同様に窒化物半導体の積層構造を作製する。そして、実施の形態1と同様に、窒化物半導体の積層構造を形成した側にリッジストライプ110を、ドライエッチングの手法を用いて形成する。エッチングのマスクとして、窒化物半導体を積層した表面に、例えば、フォトリソグラフィーの技術を用いて幅2μmのストライプ状のSiO2を形成し、RIE装置等により、p型コンタクト層109、p型クラッド層108、および、p型GaNガイド層107の一部をエッチングにより除去して、共振器方向に延伸した幅2μmのストライプ状のリッジ110を形成する。
そして、絶縁層113となるZrO2からなる層を、吸収層となるGaN不純物添加層111を、後に形成するp電極112との密着性を良好とするための層として、TiO2からなる層115を順にスパッタ法により形成する。その後、SiO2をエッチングにより除去して、リフトオフによる手法にて、リッジストライプ110の頭頂部を露出させる。なお、この場合、ZrO2からなる絶縁層113の層厚は、60nmとした。また、吸収層となるGaN不純物添加層111は、層厚300nm、不純物としてMgを8×1020cm-3の濃度で添加した層とした。
そして、リッジストライプ110の頭頂部のp型コンタクト層109に接するようにPd/Mo/Auの積層構造からなるp電極112を真空蒸着装置やスパッタ装置等を利用して形成する。
その後、先の実施形態と同様に、n電極114を形成し、チップ化工程、コーティング工程を経て、レーザチップを作製し、通電可能なように実装した上で、素子特性を評価した。その結果、先の実施形態と同様に、遠視野像はリップルを生じることなくガウシアン形状で単峰であった。また、本素子の高温動作信頼性試験に関しては、実施の形態1で示した素子に比べて、若干、劣っていたが、使用上、十分な信頼性を得ることができている。そして、素子の作製歩留りは十分に高かった。
本実施形態にて示した構造、手法によれば、実施の形態1で示した構造、手法よりも簡易に本発明の効果を得ることができる。しかし、本手法では、GaN不純物添加層111を形成する上で、リッジストライプ110にかぶせるような形での形成となるので、結果として、リッジストライプ110の近傍に形成する状態となってしまう。このため、リッジストライプ110内のレーザ発振に寄与する発光にまで、吸収として働いてしまい、レーザ素子特性を悪化させる要因となってしまう。その対応として、例えば、GaN不純物添加層111とリッジストライプ110の間に絶縁層113を挿入することにより、その影響を低減させるような構造が必要となる。なお、本実施形態で示した構造では、リッジストライプ110の側面近傍に吸収層が存在していることから、例えば、ストライプ幅が2μm程度より狭くなった場合には、レーザ発振の高次モードに対しての吸収層としての役割も果たすことになり、レーザ特性の1つであるキンクレベルの改善にも効果を得ることができる。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、単体の半導体レーザ装置、ホログラムレーザ装置、駆動もしくは信号検出等の処理のためのICチップと一体化してパッケージされたオプトエレクトロニクスIC装置、導波路あるいは微小光学素子と一体化してパッケージされた複合光学装置などに応用可能である。更に、これらの装置を備えた光記録システム、光ディスクシステムや、紫外から緑色領域の光源システムなどに応用可能である。
本発明の窒化物半導体レーザ素子の模式断面図である。 本発明の窒化物半導体レーザ素子の模式断面図である。
符号の説明
100 窒化物半導体レーザ素子
101 n型GaN基板
102 n型GaNコンタクト層
103 n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層
104 n型GaNガイド層
105 GaInN多重量子井戸活性層
106 p型Al0.2Ga0.8Nキャリアバリア層
107 p型GaNガイド層
108 p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層
109 p型GaNコンタクト層
110 リッジストライプ
111 不純物を添加したGaN層
112 p型電極
113 絶縁膜
114 n型電極
115 TiO2

Claims (9)

  1. 基板上に、n型クラッド層と活性層とp型クラッド層とを含む窒化物半導体層が積層され、前記窒化物半導体層の一部が除去されてリッジストライプが形成される実屈折率型の窒化物半導体レーザ素子において、
    前記窒化物半導体層の前記リッジストライプが形成された面であって前記リッジストライプ以外の少なくとも一部に、不純物を添加したGaN層を形成することを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記窒化物半導体層の前記リッジストライプが形成された面がAlGaNであることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 基板上に、n型クラッド層と活性層とp型クラッド層とを含む窒化物半導体層が積層され、前記窒化物半導体層の一部が除去されてリッジストライプが形成される実屈折率型の窒化物半導体レーザ素子において、
    前記リッジストライプが形成されて露出した露出面の前記リッジストライプ以外の少なくとも一部に、不純物を添加したGaN層を形成することを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  4. 前記不純物がMgであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記不純物の濃度が1×1020cm-3以上5×1021cm-3以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 前記GaN層の層厚は、100nm以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 前記GaN層は、前記リッジストライプの側面から1μm以上100μm以内の位置に少なくとも離れて形成されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  8. 前記露出面がAlGaNであることを特徴とする請求項3〜7の何れかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  9. 前記GaN層が、前記リッジストライプが形成された後に作製されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009212521A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Sharp Corp 放熱特性が改善された半導体レーザ

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