JP2006216578A - 圧電発電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 煩雑な素子構造を採らずまた比較的簡単な手法で、変形による素子破壊の発生を抑制できる圧電発電素子を提供すること。
【解決手段】 走査型電子顕微鏡観察により平均粒径0.01μm以上、0.1μm以下の範囲のセラミックスで形成されている圧電セラミックス層に対電極を配置し、分極処理した圧電セラミックス素子に、分極方向と異なる外力を与え電荷を発生することを特徴とする圧電発電素子。
【選択図】 図3

Description

本発明は、圧電発電、靴の中敷(インソール)に配置する携帯自立電源(発電機)などに用いられる圧電発電素子に関する。
圧電体は外部応力印加により、極性結晶が歪み、歪みに比例した電荷を発生させる。この種の応用として荷重センサ、マイクロホンなどが知られている。圧電発電はこれらセンサからの微弱な信号を積極的に電気エネルギーとして取り出す試みであり、特に近年、次の要請により開発が注力されつつある。
(1)携帯端末の普及による自立分散電源への要求
(2)特にバッテリーライフの長寿命化
(3)セキュリティー(深夜の歩行時の歩行認識点灯用電源や自転車識別表示)
これら用途に用いられる圧電素子は、
(1)圧電ポリマー(ポリフッ化ビニリデン)
(2)圧電セラミックス(PZT:ジルコン酸チタン酸鉛系)
である。ちなみに板状の2枚の圧電セラミックス素子を分極を逆向きにして接合した層状の圧電セラミックス板で形成されたインソールの提案がある(特許文献1参照)。
圧電ポリマーは、その柔軟性の点から外力による変形→破壊に至る故障は生じにくい。しかし、変形構造内の応力分布は圧縮/引張りの両者が存在し、発生電荷の相殺がある。これは、せっかく発電したにもかかわらず、効率良く取り出せない問題である。
圧電セラミックスを用いる場合、シム材にセラミックスを接着した構造が用いられる。
その特徴は
(1)簡便構造、
(2)片方の応力のみ機械―電気変換されることにより効率良く電気信号として取り出すことが可能、
(3)圧電ポリマーと比較し、長期保存性に優れている、
点である。従って、セラミックスを用いるほうが好ましい。
しかしながら、問題点として、変形による素子破壊がある、従来例としては許容内の変形にとどめるための新たな構造を付加している、用途を限定する、など実使用において制限があった。
ガスデポジション法により平均粒径0.08μm〜1.2μmのセラミックス粉体を用いてセラミックス誘電体膜を形成すると、基板に対して強固な接着力を有する緻密な膜形成を行うことができるとの提案がある(特許文献2参照)。しかしながら、該提案では得られるセラミックス膜の機械的強度に関する具体的な数値などの記載は見られない。本発明者は上記粒径範囲のセラミックス粉体を用いて成膜したところ概ね平均粒径0.01〜0.8μmの粒組織が得られたが、本発明から明らかなごとく、このような粒組織では圧電発電素子の好適な機械的強度は得られない。
また、渦巻き型圧電セラミックス素子はアクチュエータ(電気入力を力に変換)として、特許文献3に記載されている。
また、圧電発電において、特許文献4、5では、複数の短冊を平板に配置させた素子が記載されている。
また、特許文献6では2枚のセラミックスを積層した構造が示されている。
従来の圧電発電は単版やそれを複数枚配置したもの、積層したものが用いられてきた。
この構造は、図2に示すように、圧電セラミックスに上部、下部の対向電極を形成し、分極処理を行ない圧電素子としている。
その発電機構は図示した分極方向に対し、ほぼ同じ方向の外力が加えられ、(矢印が向き合っている場合もある、大事なのは分極軸と直行する方位からは外力が与えられない。)この外力に対し、圧電セラミックス素子が応力を受け、圧電G定数に比例した電圧を発生させる。
それに対して、素子の破壊応力以上の外力が加わった場合、素子の破壊を招く。この対策として応力変形量を制限する構造的な工夫が施されたり、素子の機械強度を増す対策(特願2003−378829号明細書)が取られており、具体的には、粒径0.01μm以上、0.1μm以下でかつ相対密度95%以上の組織を提供しうるものであり、このような組織は従来の熱固相反応では生成せず、それとは異なるガスジェットデポジション法(粒子吹き付け法)にて作製することを開示するものであり、これによれば破壊強度を飛躍的に向上させた圧電セラミックス膜を金属製シム材上に形成することができる。
しかし、構造的工夫は素子が煩雑になり、使用形態に制限を与える。
また、圧電発電とは異なるが、渦巻き型アクチュエータはPZTスラリーを成形し、焼成することで作製できたが、小型化が困難であり、また電極作製も難しく、優れたアクチュエータ特性を示すものの、実用に供さなかった。
また、一般論として、圧電素子の分極方向と異なる方向に応力を印加するという概念は従来知られている(例えば引用文献7、8、9)が、これは、圧電セラミックス層が走査型電子顕微鏡観察により平均粒径0.01μm以上、0.1μm以下の範囲という小粒組織の集合体からなるセラミックスで形成されている圧電素子に関するものではなく、また、その耐機械的強度向上、破壊防止という観点からのものでもない。
特開2001−204507号公報 特開2001−152360号公報 特許第2693291号公報 特開2001−339963号公報 特開平5−39661号公報 特開平2002−76467号公報 特開平2002−76467号公報 特開平8−114408号公報 特開平9−298324号公報 特開平11−191646号公報
本発明は、圧電発電素子の一応用として、靴底に挿入するインソールを想定している。我々の日々の動作の中で、歩行という行為は必要不可欠であり、1日あたり約1万歩から10万歩の歩行をしているという報告がある。この運動の一部を圧電発電に用いることで、日常生活のエネルギー循環に復帰できるものと考えられる。
前述の破壊を防ぎ、且つ入力エネルギーを最大に利用するためには、圧電セラミックスの破壊強度を飛躍的に向上させる必要がある。セラミックスの破壊強度は構成するセラミックスの粒径に大きく依存する。特に粒界破壊においては、粒界に沿って亀裂が進展するので、粒界の三重点に亀裂進展を防ぐ第2の成分を偏析させたりする試みがなされている。しかしながら、圧電セラミックスの場合、この第2成分の偏析は圧電性能を劣化させるため好ましくない。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、特願2003−378829号明細書記載の技術を改善し、煩雑な素子構造を採らずまた比較的簡単な手法で、変形による素子破壊の発生を抑制できる圧電発電素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、外部応力変換機構を付与し、圧電素子の単位面積あたりの発電効率を向上させること、及び、集積化により線状、面状に集積化させ、利用範囲を広めることを目的とする。
さらに、本発明の目的は、新規な構造で、単位体積当たりの発電効率を向上させ、更に応力変形に伴う破壊を、特殊な構造的工夫を講じなくとも、素子自身が自己制限するような圧電発電素子を提供することにある。
さらにまた、本発明の目的は、特に、圧電性能の優れた材料組成を提供し、また、近年、鉛が環境規制物質に挙げられ鉛を含まない材料が望まれておりセラミックスは酸化物であり使用規制は厳しくないが今後は厳しくなるものと想定される中、それに応える技術を提供し、また、従来、素子が厚さサブミリメートルのオーダーで用いられてきたのに対し、膜状にすることで資源の有効活用に貢献し、従来の微粒子組織からなる圧電セラミックスでは得られなかった性能を保証できる緻密体を提供し、また、この好ましい素子を簡便な方法で作製する作製法を提供し、特に、簡便かつ高速な膜形成可能な手法にて本素子を提供することにある。
上記課題を解決するため研究したところ、セラミックス膜の機械的強度はセラミックスの粒組織に依存し、シム材上に積層される圧電セラミックス膜から構成される圧電発電素子はセラミックスの粒組織として平均粒径0.01μm乃至0.1μmの範囲内であれば好ましい機械的強度が得られることを先に見出したが、さらに機械的強度の向上、耐久性の向上を目途として検討を重ね、本発明に至った。
すなわち、上記課題は、本発明の(1)「走査型電子顕微鏡観察により平均粒径0.01μm以上、0.1μm以下の範囲のセラミックスで形成されている圧電セラミックス層に対電極を配置し、分極処理した圧電セラミックス素子に、分極方向と異なる外力を与え電荷を発生することを特徴とする圧電発電素子」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(2)「前記圧電セラミックス層を形成するセラミックスの相対密度が95%以上であることを特徴とする請求項1に記載の圧電発電素子」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(3)「前記圧電素子が短冊を丸めた、いわゆる渦巻型の形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電発電素子」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(4)「前記セラミックスの組成がジルコン酸チタン酸鉛系組成からなることを特徴とする前記(1)乃至(3)項のいずれかに記載の圧電発電素子」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(5)「前記セラミックスがチタン酸バリウムを主成分とする組成からなることを特徴とする前記(1)乃至(3)項のいずれかに記載の圧電発電素子」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(6)「前記セラミックスがニオブ酸カリウム系組成からなることを特徴とする前記(1)乃至(3)項のいずれかに記載の圧電発電素子」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(7)「前記圧電セラミックス層の膜厚が0.5μm以上、30μm以下の範囲であることを特徴とする前記(1)乃至(6)項のいずれかに記載の圧電発電素子」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(8)「圧電セラミックス粒子に運動エネルギーを与え、基板に衝突させて成膜してなるセラミックス層を渦巻状導電性支持基板上に形成し、上部電極を形成してなることを特徴とする前記(1)乃至(7)項のいずれかに記載の圧電発電素子」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(9)「前記(8)項に記載の圧電発電素子を電気的に並列接続し、1次元的に集約したことを特徴とするライン型圧電発電素子」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(10)「前記(9)項に記載のライン型圧電発電素子を平面状に集約したことを特徴とする平面型集積化圧電発電素子」により達成される。
さらにまた、上記課題は、本発明の(11)「圧電セラミックス層に対電極が配置された圧電発電素子の製造方法であって、該圧電発電素子は、前記(1)項乃至(9)項のいずれかに記載の圧電発電素子であり、ジルコン酸チタン酸鉛系組成、チタン酸バリウムを主成分とする組成、又はニオブ酸カリウム系組成からなるセラミックスを用い、該セラミックスの粒子に運動エネルギーを与え、基板に衝突させて成膜して圧電セラミックス層を形成する工程を有することを特徴とする圧電発電素子の製造方法」により達成される。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかであるように、本発明によれば、非常に小型、高効率変換可能な圧電発電素子が提供され、破壊に至る前に外力を自己制限でき、信頼性の高い素子が提供され、そして、この素子をライン状に集積、またはこのライン集積素子を面状に配置させることにより平面集積型圧電発電素子が提供されるという極めて優れた効果が発揮される。
また特に、圧電セラミックス層が平均粒径0.01μm以上、0.1μm以下の範囲のセラミックスで形成されていることにより、従来のものに比して破壊強度が格段に優れた圧電セラミックス膜を有する圧電発電素子を得ることができ、上述の靴底の中敷のみならず、いろいろの用途に対応することができるという極めて優れた効果が発揮される。
また、該圧電セラミックス層を形成するセラミックスの相対密度が95%以上であることにより、緻密な組織を有し、より破壊強度の優れた圧電セラミックス膜を有する圧電発電素子を得ることができるという極めて優れた効果が発揮される。
また、圧電性に優れた材料からなる圧電発電素子を得ることができ、さらにまた、鉛を含有しない環境規制に対応した圧電発電素子を得ることができ、また、120℃以上では動作しない材料(チタン酸バリウム)でも効果的に用いることができ、あるいは耐熱性材料(ニオブ酸カリウム系組成)を採用することにより、それ以上の温度でも動作するなど高い動作環境下でも安定した性能を示す圧電発電素子を提供することができるという極めて優れた効果が発揮される。
さらに、該圧電セラミックス層の膜厚が0.5μm以上、30μm以下の範囲であることから、応力に対し効率の良い圧電発電変換が可能になるという極めて優れた効果が発揮される。
さらに、圧電セラミックス層をセラミックス粒子に運動エネルギーを与え、基板に衝突させて成膜することから、簡便、かつ高速な膜形成法で、緻密な組織体が得られ、故に、破壊強度が格段に優れた圧電セラミックス膜を有する圧電発電素子を得ることができるという極めて優れた効果が発揮される。
また、非常に小型、高効率変換可能な圧電発電素子が提供され、破壊に至る前に外力を自己制限でき、信頼性の高い素子が提供され、この素子をライン状に集積、またはこのライン集積素子を面状に配置させることにより平面集積型圧電発電素子が提供でき、かつ、上記のような優れた特性の圧電発電素子を得るための煩雑でなく、確実な製造法が提供されると云う極めて優れた効果が発揮される。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明による相対密度95%以上、かつ粒径0.01μm以上、0.1μm以下の組織は従来の熱固相反応では生成せず、それとは異なるガスジェットデポジション法(粒子吹き付け法)にて作製するものである。これによれば破壊強度を飛躍的に向上させた圧電セラミックス膜を金属製シム材上に形成することができ、インソールに用いるなど、自立電源素子として提供することができるほか、いろいろな用途に応じることが可能な圧電発電素子を提供することができる。
ここで、相対密度とは理論密度に対する相対値である。理論密度については、岡崎清著「セラミックス誘電体工学 第4版」P.24に詳しい。まず、XRDから格子体積を求める。次に化学式より格子の質量を求め、質量割る体積で密度が算出される。
本発明により各種圧電セラミックス粉、平均粒径0.8μmを気流に乗せ、20m/sec以上の速度まで加速させた後、基板に衝突させることにより、セラミックス粒子の堆積膜、もしくは構造体を形成することが可能である。粒子の基板衝突時における運動エネルギーからの他へのエネルギー変換がなされ、一部の粒子は破壊され、元の粒子径より微細な粒径の構造物が出来る。
この様にして作製した構造物は、相対密度95%以上の緻密体である。衝突時の粒子破壊は酸化物セラミックスの場合、特に結晶構造中の酸素原子の離脱が発生し、この酸素欠損が、従来の分域壁移動の際のピン止め作用も一部呈する。部分的に酸素欠損を補償するために、セラミックス構造物形成後、600℃以上の熱処理を大気中にて施すことにより、圧電性を出現させる。
本発明における上記ジルコン酸チタン酸鉛系材料は公知の三成分系も含まれる。また、鉛を含まない材料系として、チタン酸バリウムを主成分とするセラミックス組成とはバリウムの一部をアルカリ土類元素で置換させたもの、チタンをハフニウム、ジルコニウムで置換したものを含むことを意味する。また、上記ニオブ酸カリウム系組成とは、カリウムの代わりにアルカリ金属で置換させた組成や、ニオブを一部タンタルに置き換えても良い。また、ニオブ酸カリウム系組成とチタン酸バリウム系組成の固溶体からなる組成物も含まれる。
本発明における圧電セラミックス層の膜厚は0.5μm以上、30μm以下の範囲であることが好ましい。圧電セラミックスの形態としてはバルク、膜の2種に大別できる。バルクセラミックスの欠点は機械的強度に劣ることが挙げられる。また応力の相殺により結果として電極構造や配線方法が煩雑になり易い。一方、シム材に貼り合わせた素子では応力の相殺がないため好適であり、さらに貼り合わせでなく直接膜形成することで接合工程が省略できる。また応力の厚さ方向の分布は最表面が大きく、従って基板に僅かな圧電膜が堆積していれば十分であり、応力に対し効率の良い圧電発電変換が可能になる。
渦巻状の圧電発電素子(以下、単に圧電素子と記す)と、その分極方向と外力の関係を図3に示す。
ライン型集積例を図4及び5に示す。
これを複数配置することで平面型ができる(図6参照)。
(外力変換機構)
図3に示す外力が圧電セラミックスに作用したとき、分極方向とは異なる剪断歪みを生じる。この時、圧電体は最も圧電定数の高いg15(圧電定数のテンソル表記)にて、電荷発生するので、従来より大きな電荷を発生する。従来はg31、で約4倍ほど高い。
短冊の長辺長が渦巻きの周長に対応するので、より高集積化が成されている。すなわち、従来の短冊を非常に長くし、かつ効率の高い歪方向に変換する機能を本素子は備えている。
(外力の自己制限機構)
渦巻きの変形を見積もった場合、第1周と空間を持って第2周が存在する。変形はこの空間の閉塞により終了するため、空間の割合を設計することで、強度設計が可能になり、また外力による素子破壊を防ぐことが可能になる。
(ライン型集積化)
渦巻き中心に開口部を設け、支持棒を通すことにより、複数の圧電素子を固定する。圧電素子には電荷取り出し用の対電極があるので、電気的接続に、この支持棒を用いることが、集積化の簡便さの点から望ましい。
導電性の支持棒に第1の圧電素子を挿入し、対電極1のみ接続する。対電極2には接触しないように何らかの絶縁を施す必要があり、中心貫通穴と僅かなギャップをもって対電極2が形成されていれば簡便である。
素子間は樹脂などの絶縁体が配置されている。
また、対電極2どうしを、外部リードで接続することで、ライン集積化圧電発電素子ができる。
以下に本発明におけるセラミックス組織の破壊強度の試験方法、圧電セラミックス層を形成するセラミックスの平均粒径の算出方法、圧電セラミックス層の膜密度の算出方法を示す。
破壊強度の試験方法(従来品との比較で行った)
円筒形筺体に積層素子(セラミックス/シム材)長さ20mm、幅5mmを巻きつけ、セラミックス破壊に至る円筒直径を比較する。すなわち、従来のジルコン酸チタン酸鉛セラミックスでの場合、板厚100μm、シム材(42アロイ)100μmで、破壊直径:150mmである。本発明ではこの破壊直径の1/5以下を判定○とした。
平均粒径の算出
上記圧電セラミックス層の膜断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。SEM粒径観察は観察倍率が5万倍以上、252ピクセル/インチの解像度で画像保存、画像処理ソフト(フォトショップ)にてコントラスト、ブライトネスを調整後、画像拡張し測長した。なお、希塩酸を用い、温度60℃、浸漬時間120秒以下で前処理した。SEMによる写真撮影と写真インターセプト法より50個以上のサンプリングを行い、相加平均より算出した。
膜密度の算出
上記圧電セラミックス層の膜堆積後、研摩により膜厚を均一化し、ダイシングソーにて基板と一体切りだしを行い、アルキメデス法にて密度を算出し、基板密度を差し引き(補正し)膜密度を求める。
[実施例1]
シム材としてステンレスシート(厚さ100μm)、セラミック組成として堺化学社製PZTを用い、図2に示すガスジェットデポジション装置により、次の条件でPZTセラミックス膜を形成し、次いで熱処理および分極処理を行った。
キャリアガス:He、粒子速度:70m/sec、PZT膜厚:10μm、熱処理:600℃、1時間、
分極条件:直流電界:60kV/cm、温度:200℃、時間:30分。
得られたPZTセラミックス膜について、上述の測定法により平均粒径、膜密度、破壊直径を測定し評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
粒子速度を85m/secとする以外、実施例1と同様にしてPZTセラミックス膜を形成し、熱処理および分極処理を行った。得られたPZTセラミックス膜について実施例1と同様、平均粒径、膜密度、破壊直径を測定し評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
粒子速度を20m/secとする以外、実施例1と同様にしてPZTセラミックス膜を形成し、熱処理および分極処理を行った。得られたPZTセラミックス膜について実施例1と同様、平均粒径、膜密度、破壊直径を測定し評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
セラミックス組成を(Ba,Sr)(Ti,Zr)O3、粒子速度を50m/sec、分極条件を直流電界:60kV/cm電界空冷、温度:150℃とする以外、実施例1と同様にしてセラミックス膜を形成し、熱処理および分極処理を行った。得られたセラミックス膜について実施例1と同様、平均粒径、膜密度、破壊直径を測定し評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
セラミックス組成を(K,Na)NbO3−BaTiO3、分極条件の温度を250℃とする以外、実施例3と同様にしてセラミックス膜を形成し、熱処理および分極処理を行った。得られたセラミックス膜について実施例1と同様、平均粒径、膜密度、破壊直径を測定し評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
セラミックス組成をPNN−PZ−PT、粒子速度を60m/sec、セラミックス膜厚を0.5μm、分極条件を直流電界:40kV/cm電界空冷、温度:70℃とする以外、実施例1と同様にしてセラミックス膜を形成し、熱処理および分極処理を行った。得られたセラミックス膜について実施例1と同様、平均粒径、膜密度、破壊直径を測定し評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006216578
表中、比較例1は破壊直径が30mm以上となり×である。
[実施例6]
(PZT成膜)
渦巻き加工した厚さ50μmのステレスシートを支持基板(兼、対電極1として使用)として、PZTの成膜を行なう。
渦巻き形状は、幅100μm、スペース100μm、周回数:2周
最大外周径:300μm(図3参照)実施例1−2の条件で厚さ100μm堆積する。
(対電極2の形成)
樹脂に包埋後、ステンレスシートとは反対面を研磨し、PZT堆積膜表面を露出すると同時に、PZT膜厚を50μmになるように研磨調整する。
スクリーン印刷でAg/Pd電極を印刷した後、乾燥させ、包埋樹脂除去後、600℃、10分の熱処理によりPZT特性の向上処理と焼付け電極の形成を実行する。
分極処理を行ない、圧電発電素子が作製できる。
[実施例7](ライン型組み付け)
(対電極2の部分トリミング)
実施例6で示す工程で得た素子の対電極2の中心穴に対し、電気的接触を生じないように、周知の方法でトリミング処理を行なう。
(素子の集積化支持)
ステンレス線(線径50μm)を中心穴を利用して、素子、絶縁シート、対電極2と電極リードする金属箔、絶縁シートを繰り返しの1単位として所望する集積数を実装する。挿入した金属箔間を接続し、ステンレス線、金属箔からなる2端子の取り出しが可能になる。
これを円筒に樹脂で包埋することで、完了する。
実施例で用いたガスジェットデポジション装置の概略図である。 従来の圧電発電機構を示した図である。 渦巻状の圧電発電素子と、その分極方向と外力の関係を示した図である。 ライン型集積例を示した図である。 ライン型集積例を示した他の図である。 複数配置した平面型例を示した図である。
符号の説明
10 ガスボンベ
20 ガス搬送管
30 エアロゾル形成槽
40 エアロゾル搬送管
50 真空槽
51 X−Y−Zθステージ
52 基板ホルダ
53 マスクパターン
54 ノズル
60 真空排気装置

Claims (11)

  1. 走査型電子顕微鏡観察により平均粒径0.01μm以上、0.1μm以下の範囲のセラミックスで形成されている圧電セラミックス層に対電極を配置し、分極処理した圧電セラミックス素子に、分極方向と異なる外力を与え電荷を発生することを特徴とする圧電発電素子。
  2. 前記圧電セラミックス層を形成するセラミックスの相対密度が95%以上であることを特徴とする請求項1に記載の圧電発電素子。
  3. 前記圧電素子が短冊を丸めた、いわゆる渦巻型の形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電発電素子。
  4. 前記セラミックスの組成がジルコン酸チタン酸鉛系組成からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電発電素子。
  5. 前記セラミックスがチタン酸バリウムを主成分とする組成からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電発電素子。
  6. 前記セラミックスがニオブ酸カリウム系組成からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電発電素子。
  7. 前記圧電セラミックス層の膜厚が0.5μm以上、30μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の圧電発電素子。
  8. 圧電セラミックス粒子に運動エネルギーを与え、基板に衝突させて成膜してなるセラミックス層を渦巻状導電性支持基板上に形成し、上部電極を形成してなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の圧電発電素子。
  9. 請求項8に記載の圧電発電素子を電気的に並列接続し、1次元的に集約したことを特徴とするライン型圧電発電素子。
  10. 請求項8に記載のライン型圧電発電素子を平面状に集約したことを特徴とする平面型集積化圧電発電素子。
  11. 圧電セラミックス層に対電極が配置された圧電発電素子の製造方法であって、該圧電発電素子は、請求項1乃至10のいずれかに記載の圧電発電素子であり、ジルコン酸チタン酸鉛系組成、チタン酸バリウムを主成分とする組成、又はニオブ酸カリウム系組成からなるセラミックスを用い、該セラミックスの粒子に運動エネルギーを与え、基板に衝突させて成膜して、圧電セラミックス層を形成する工程を有することを特徴とする圧電発電素子の製造方法。
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