JP2006216551A - 自動車用垂直型ヘッドライト - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の異なる光ビームを放射できる自動車用ヘッドライトのための照明装置を提供する。
【解決手段】自動車用ヘッドライトであって、シールド(C)を備える第1の光源(S1)が、楕円リフレクタ(R1)の内部焦点(Fi)の前方に配置され、リフレクタ(R1)が、第1の光源(S1)から第1のビームを生成し、第2の光源(S2)が、楕円リフレクタ(R1)の内部焦点(Fi)の後方に配置され、楕円リフレクタ(R1)の壁の一側にカットアウト(1)があり、光軸が楕円リフレクタ(R1)とほぼ平行なレンズ(2)が、リフレクタ(R1)の前方に配置され、レンズ(2)の焦点3が、楕円リフレクタ(R1)の外部焦点(Fe)に近接し、垂直型リフレクタ(R2)が、カットアウト(1)側に配置され、第2の光源(S2)から、レンズ(2)によって遮断されない第2の光ビームを生成する。
【選択図】図1
【解決手段】自動車用ヘッドライトであって、シールド(C)を備える第1の光源(S1)が、楕円リフレクタ(R1)の内部焦点(Fi)の前方に配置され、リフレクタ(R1)が、第1の光源(S1)から第1のビームを生成し、第2の光源(S2)が、楕円リフレクタ(R1)の内部焦点(Fi)の後方に配置され、楕円リフレクタ(R1)の壁の一側にカットアウト(1)があり、光軸が楕円リフレクタ(R1)とほぼ平行なレンズ(2)が、リフレクタ(R1)の前方に配置され、レンズ(2)の焦点3が、楕円リフレクタ(R1)の外部焦点(Fe)に近接し、垂直型リフレクタ(R2)が、カットアウト(1)側に配置され、第2の光源(S2)から、レンズ(2)によって遮断されない第2の光ビームを生成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車用ヘッドライト、特に、リフレクタの焦点の近傍に配置されるのが好ましい少なくとも1つの光源に対応した少なくとも1つのリフレクタを含む、いわゆる「垂直型」ヘッドライトに関する。
本発明においては、垂直型ヘッドライトとは、正しく自動車に取り付けられた場合、幅よりも高さの寸法の方がかなり大きいヘッドライトを指す。垂直型ヘッドライトはまた、自動車に取り付けられ場合、基本的に垂直方向となり、たとえ自動車のボディに垂直に取り付けられなかった場合でも、幅よりも高さの寸法の方がかなり大きい。
このような垂直構造は、通常は、ヘッドライト(ヘッドライトが複数ある場合には、主ヘッドライト)のリフレクタの配置によって実現され、リフレクタ自体も、自動車に取り付けられた時に高さが幅よりも大きくなるように、ヘッドライトに配置される。
このような垂直型ヘッドライトは、第1に、光学性能の面で新しい可能性をもたらし、第2に、オリジナルのスタイルが得られるため有利である。
欧州特許第0933585号に、対応するリフレクタの光軸を横断するように光源が配置されたヘッドライトが開示されており、このリフレクタは垂直型である。
上記したように、「垂直型」リフレクタという表現は、ヘッドライトが自動車に取り付けられた場合に、リフレクタが基本的に垂直方向に延在することを意味し、リフレクタの表面が、そのリフレクタの焦点の近傍に位置する光源から放射される光線を、実質的に水平方向に反射するようになっている。
欧州特許第0933585号によるヘッドライトにより、水平面よりも下側のビームがシャープにカットオフされ、かつヘッドライトの光軸に沿って、十分な範囲をもつビームが可能となった。
また欧州特許第1433999号に、楕円リフレクタの壁部がカットアウトを備え、その楕円リフレクタの光軸を横断するように光源が配置された垂直型ヘッドライトが開示されている。レンズが、楕円リフレクタの前方に配置され、垂直型リフレクタが、楕円リフレクタの反対のカットアウト側に配置されている。
この垂直型リフレクタは、楕円リフレクタに受容された光源から放射された光を、レンズによって遮断されない光ビームにするようにデザインされている。しかし、この光学系には、改善の余地があることが分かった。
従って、本発明の目的は、垂直型リフレクタを備えるヘッドライトによって得られる利点を維持したまま、優れた光学性能、特に同じ光学系から、ビームパターンが異なる複数のビームを生成できるようにした自動車用ヘッドライトを提供することにある。
本発明の第2の目的は、寸法、特に深さを浅くすることができ、動作が単純な垂直型ヘッドライトを提供することにある。
本発明は、少なくとも1つのリフレクタおよび少なくとも1つの光源を有し、複数の異なった光ビームを発生する自動車用ヘッドライトの照明装置を提供するものである。
この照明装置では、シールドを備える第1の光源S1が、その光軸が楕円リフレクタR1の光軸(YY)に対して実質的に平行になるように、楕円リフレクタR1の内部焦点Fiに近接して、その前方に配置されており、このリフレクタR1は、第1の光源(S1)から第1のビームを生成するようにデザインされている。
ここに記載するシールドとは、光源が直接放射した光の一部を遮断する1つの要素または一群の要素であって、特に光源に用いられるものであり、キューポラとも呼ばれる。「楕円型」リフレクタは、車両用ヘッドライトの分野では、共通の意味で理解され、理論的かつ光学的な意味での厳密な楕円形を指すものではない。この考えは、楕円や放物線などの本明細書に用いる全ての用語にも適用される。
また、この照明装置では、第2の光源S2が、特にその光軸が、楕円リフレクタR1の光軸(YY)と実質的に平行になるように、楕円リフレクタR1の内部焦点Fiに近接して、その後方に配置されており、楕円リフレクタR1の壁部が、平面、特に照明装置が車両に取り付けられた時に、実質的に水平になる平面の一側に、カットアウト1を備えている。この平面は、第1の光源S1の幾何学的な軸を通るか、または楕円リフレクタR1の光軸(Y‐Y)と実質的に平行である。このカットアウトは、ノッチまたは凹部を意味し、図面に例示されている。
この照明装置では、さらに、楕円リフレクタR1の光軸と実質的に平行、または一致する光軸を備えたレンズ2が、この楕円リフレクタR1の前方に配置されている。このレンズの焦点3は、楕円リフレクタの外部焦点Feに近接しており、垂直型リフレクタR2が、楕円リフレクタR1の主部分の反対側のカットアウト1側に配置されている。
この垂直型リフレクタR2が、レンズ2によって実質的に遮断されない第2の光ビームを、楕円リフレクタR1に受容された第2の光源S2から生成するようにデザインされている。
この垂直型リフレクタR2は、このリフレクタの高さに沿って連続的に配置された、少なくとも3つのゾーンを有するのが好ましい。この3つのゾーンとは、楕円面部分であるカットアウト1に最も近接した第1のゾーンR21と、複数のファセットからなる第2のゾーンR22と、放物面部分である第3のゾーンR23とである。
「光源」は、ハロゲンランプ型のフィラメントランプとして機能する場合には、ランプの1または複数のフィラメントを指す(通常は円柱と一体である)。
「直接シールド」は、「キューポラ(cupola)」または「バッフル(baffle)」と呼ぶこともできる構成要素である。つまり、この光源(ここでは第1の光源)に近接して配置された要素であって、光源から直接放射された光の一部を、別のゾーンに向かうように、別の方向に向け直すためにその光を反射させる。
直接シールドは、通常は、ランプのバルブの内側の光源の直近に配置された要素であって、その光源に向く表面が光を反射させる。通常はランプと一体化されたバッフルは、ロービーム型のカットオフでビームをカットオフするために使用されることが知られている。
本発明では、このバッフルを、第1の光源によって放射される光が、垂直型リフレクタに到達しないようにするために用いられる。従って、このバッフルは、まず、第1の光源S1から、垂直型リフレクタR2に向かう光線を遮断する手段として用いられる。この手段は、このような光線を反射させ、吸収しないのが好ましく、これにより、S1からリフレクタR1に向かう光線の光束回収部としても機能する。
従って、本発明は、2つのタイプのリフレクタを組み合わせた車両用照明装置に関する。具体的には、楕円モジュールなどに見られるタイプのレンズを備えた楕円リフレクタと、好ましくは同じ焦点を共有する垂直型リフレクタである。
従って、楕円リフレクタは、第1のタイプのビーム、特にカットオフされたビームを生成するために第1の光源、およびレンズと協働することができ、一方、垂直型リフレクタは、全く異なったビーム、例えばハイビーム型のカットオフされていないビームを生成するために、第2の光源と協働することができる。
従って、本発明における光学系は、機能を切り替えるための可動部品が全く不要で、コンパクトな、ロービーム/ハイビーム型の2機能モジュールを実現することができる。それぞれのリフレクタは、同じモジュールで、極めて正確に異なる2つのビームを調整できるように対応する光源に専用となっている。
続いて、光源の向きがその光軸と実質的に平行な場合、同一車両の右ヘッドライトと左ヘッドライトの光源を、同様に取り付けできるという利点を有することにも留意されたい。
1つのランプに、2つのフィラメントを用いるタイプでは、2つの光源S1およびS2を、本発明に従って組み合わせることが好ましく、これにより、楕円リフレクタ内に1つのランプを取り付けるための開口が、1つのみで済み、コンパクトにすることができる。このような例として、H4(商標)またはDFCS(商標)として知られているランプを挙げることができる。
光源S1およびS2の少なくとも1つの光軸、特に2つの光軸が、実質的に水平面に位置しているのが好ましい。
垂直型リフレクタR2の全てのゾーンは、第2の光源S2の近傍に位置する焦点を有するのが好ましい。
垂直型リフレクタR2の第1のゾーンR21は、第2の光源に集束する楕円面であると有利である。このゾーンは、特に第2のビームの快適帯を増大させる。「快適帯」とは、幅を画定する光ビームの最も外側のゾーンと、光ビームの照度の最大点との間に位置する中間の光部分を意味する。
垂直型リフレクタの第2のゾーンR22は、少なくとも1つの中心ファセットz1、少なくとも2つの中間ファセットz2、および少なくとも2つの外側ファセットz3を有すると有利である。
従って、特に第2のビームの幅に寄与する1つ、および好ましくは2つの中心ファセット、特に、第2のビームの快適帯に寄与する少なくとも2つまたは4つの中間ファセット、および特に第2のビームの最大化に寄与する2つまたは4つの外側ファセットを備えることができる。
ファセットの数が多くなればなる程、より良質で、標準的な均一の光ビームを発生することができるが、リフレクタのデザインはより複雑になる。ファセットの合計数は、6〜12の間が適当であると思われる。ファセットは、セレーションで互いに画定してもよく、しなくても良い。
第3のゾーンR23は、垂直型リフレクタR2の全体によって生成される最大ビームの画定に寄与すると有利である。
本発明の一実施形態によると、楕円リフレクタR1によって反射されて、本照明装置によって放射される光ビームが、カットオフされたビーム、特にロービーム型となるように、楕円リフレクタR1の外部焦点Feの近傍に、シールド5が設けられている。
このシールドは、楕円リフレクタR1の焦点、またはその後方に配置することができる。シールドの上縁は、リフレクタの光軸を通る水平面よりも下に位置しているのが好ましく、具体的には、0mm〜2mm下方、特に0.5mm〜1.8mm下方、または0.7mm〜1.7mm下方、例えば約1.5mm下方に位置している。この寸法の選択は、楕円ミラーの定義によって異なる。このようなシールドの構成は、有害でない追加的な光束部分の回収を可能にするため有利である。
ここで、「シールド」は、光源によって直接放射された光、およびリフレクタで反射された間接的な光の両方の一部を遮断できるものである。
シールドは、垂直母線を有する円柱の一部からなり、楕円リフレクタの像面湾曲に従って、前方を向く凹面を回転させることができる。シールドは、異なる幾何学的な定義による面、例えば平面にすることもできる。シールドの形状の選択は、楕円ミラーに対応するレンズの色収差によって決めることができる。
従って、円柱部分の半径は変化し、像面湾曲に従って、R=xでは15mmであり、R=無限では30mmである。
オプションとして、シールドが、光源と、そのシールドとの間に配置された追加の光学素子に関連する。この追加の光学素子は、シールドの光学的に有効な縁に近傍しており、光源からシールドの方向に放射される光線を、シールドの光学的に有効な縁よりも、上に向け直す少なくとも1つの反射面を有する。
この追加の光学素子は、その前縁が、シールドの光学的に有効な縁に面したプレートの形態にすることができる。このプレートは、実質的に平面であって、上方に曲げられた1つの反射面を有する。この光学素子は、シールドに機械的に固定しても良いし、シールドの一体部分として形成しても良い。
この光学素子は、「ベンダー」と呼ぶことができる。このベンダーは、方向を変えなければ消散してしまう光線をレンズに向かって好適に戻すようにデザインされている。
このレンズは、その焦点が、シールドがある場合には、その後方にくるように配置することができる。具体的には、このレンズの焦点を、シールドの上縁と同じ高さであって、楕円リフレクタの外部焦点の後方、約0.5mm〜2mm、例えば約1.5mmの位置にすることができる。この距離は、レンズの焦点距離、および楕円の定義によって異なりうる。
レンズの焦点は、外部焦点と同じ位置にすることもできる。このレンズの構成では、レンズの焦点が外部焦点の後方に位置するため、シールドがある場合には、カットオフよりも上の最大光束の回収を最適化することができる。
第2の光源S2から放射されて垂直型リフレクタR2によって反射される、場合によっては、楕円リフレクタR1の助けも借りる第2のビームは、好ましくは、カットオフされていないハイビーム型のビームである。
垂直型リフレクタによって生成されるビームは、光軸の各側に対して、15度以下、または約15度のビーム角を有するのが好ましい。楕円リフレクタによって生成されるビームは、光軸の各側に対して、約35度〜45度のビーム角を有する。
一般に、第1の光源S1の光軸を通る平面は、実質的に水平であり、楕円リフレクタR1は、この平面よりも上に位置し、垂直型リフレクタR2は、この平面よりも下に位置する。
楕円リフレクタR1のカットアウト1は、第1の光源S1の中心Oまたは上縁O’と、バッフルのそれぞれの縁を通る2つの傾斜面の交差によって実質的に画定される開口角を有するのが好ましい。
次に本発明を、添付の図面に例示した限定目的でない例に基づいて説明する。図1〜図3は、分かり易くするために、模式的にノンスケールで示してある。
図1〜図3に示すように、自動車用のヘッドライトPは、バッフルCを備える第1のフィラメント(第1の光源)S1、および第2のフィラメント(第2の光源)S2を備えるH4型のデュアル・フィラメント・ランプを有する。2つのフィラメントは共に、単純にするために、円柱状の光源と一体になっている。
光源S1は、楕円リフレクタR1の内部焦点Fiに近接して、その前方に配置されている。「楕円リフレクタ」とは、表面が内部焦点Fiと外部焦点Feの2つの焦点によって画定されたリフレクタを意味し、この表面は、正確な楕円でなくても良い楕円である。
光源S2も、内部焦点Fiに近接して、その後方に配置されている。2つの光源の向きは、光軸(YY)に対して平行である。光源S2は、光軸(YY)の僅かに下の水平面に位置し、光源S1は、光軸(YY)を通る水平面に位置しているのが好ましい。
図3に示すように、バッフルC1は、その2つの縁C1およびC2が、垂直軸を中心に対称となるように配置されている。
楕円リフレクタR1の壁部は、光軸Y‐Yを通る平面の一側に、カットアウト1を有する。カットアウト1は、点Oを通るフィラメントS1の中心軸(またはその近傍)またはフィラメントS1の上縁O’を通る軸と、バッフルCの縁C1およびC2を通る断面と実質的に一致している。
これらの切断面は、7.5度傾斜している。この例では、角度値は7.5度であるが、特に、使用するバッフルのタイプによって数度異なることがある。カットアウト1は、フィラメントS2によって放射された光が、最大限、楕円リフレクタR1の主部分の反対側の垂直型リフレクタR2に向かうようにしてある。
楕円リフレクタR1の光軸は、ヘッドライトの光軸Y‐Yと一致している。
光軸が、光軸Y‐Yと平行または一致しているレンズ2が、光を伝播する方向に、リフレクタR1の前方に配置されている。レンズ2の直径は、約50mmとすることができる。レンズ2は、短いエクステンションが好ましい(「エクステンション」とは、レンズとR1の外部焦点Feとの間の距離を指す)。
本発明は、60mmまたは70mmの大きな直径のレンズにも適用できる。
レンズ2の焦点3は、リフレクタR1の外部焦点Feの近傍、または同一点にある。レンズの焦点3は、距離d、具体的には約1.5mm、楕円リフレクタR1の外部焦点Feの下に位置するのが好ましい。
レンズ2の光軸4は、光軸Y‐Yよりも下側に位置しているのが有利である。具体的には、レンズ2の光軸4と光軸Y‐Yとの間の垂直距離hは、約1.5mmであり、これにより、リフレクタR1からの光束をより多く回収することが可能となる。
ヘッドライトの補助部品、特にリフレクタ、レンズ、光源、および他の部品を保持するための補助器具、および密閉ガラスは、良く知られているため図示していない。
図1〜図3に示している例では、ヘッドライトPは、ロービームとハイビームの2つの機能を有するようにデザインされている。
いわゆるすれ違いビームであるロービームは、S1で放射された光がR1で反射され、レンズ3を通過するビームである。所要のカットオフを実現するために、リフレクタR1で反射した光の一部を遮断できるシールド5が、S1とレンズ3との間に配置されている。
このシールド5は、外部焦点Feの近傍に位置している。このシールド5は、任意の好適な手段によって保持された金属などの不透明なプレートからなっている。像面湾曲のために、シールド5は、平面であって、要求されるカットオフの水平面に対して、逆転した像と一致するプロフィールを有する。
シールド5の上縁が、光軸Y‐Yを通る水平面よりも、距離dすなわち約1mm下に位置しているのが好ましい。シールドの寸法は、最大でも、リフレクタR1の楕円の水平開口と同じである。
光源S1のスイッチをオンにすると、ヘッドライトは、現行の欧州および米国の法規に従ったロービーム、すなわち、15度のV傾斜でカットオフされたビームを放射する。図4は、ヘッドライトを装備した車両から、25m離れた位置で測定したロービームの等照度曲線を示している。
垂直型リフレクタR2は、楕円リフレクタR1の主部分の反対側であるカットアウト1側に配置されている。光軸Y‐Yを通る垂直面と、この垂直型リフレクタR2の交差部分は、このリフレクタの下約3分の2(ゾーンR22およびR23に相当)が、内部焦点Fiに近い焦点を有する放物線の弧に近い曲線の弧であり、このリフレクタの上3分の1(ゾーンR21に相当)が、楕円に近い曲線である。
垂直型リフレクタR2は、光軸(Y‐Y)の中心に位置する光源S2の像を、無限遠、すなわちヘッドライトを装備した車両から、数10mの距離にある自動車の視野に送るようにデザインされている。
加えて、垂直型リフレクタR2は、ビームを集中させて、そのビームが、光軸Y‐Yの各側に、15度以下または約15度のビーム角で反射するようにデザインされている。
この垂直型リフレクタは、楕円型の反射面である第1のゾーンR21と、2つの中心ファセットz1、その中心のファセットの両側に位置する4つの中間ファセットz2、および中間ファセットの両側に位置する最後の2つの外側ファセットz3とからなる第2のゾーンR22と、放物線型の表面である最も下の第3のゾーンR23を有する。
この3つのゾーンの組み合わせは、ハイビーム型のカットオフのないビームを生成するために、フィラメントS2によって放射された光を回収する。例えば、ゾーンR22とR23は、リフレクタR2の約3分の2の高さを占め、ゾーンR21は、リフレクタR2の約3分の1の高さを占めている。
図5および図6は、垂直型リフレクタの各ゾーンが、完全なハイビームの生成にどのように係わっているかを例示している。図6は、欧州法規に従った完全なハイビームである。完全なハイビームは、図5に示した部分ビームの重ね合わせからなっている。
図5Aは、S2によって放射され、次いで、垂直型リフレクタR2の第2のゾーンR22によって反射された光線のアイソルックスを示している。このリフレクタ部分は、要求されるハイビームの幅、範囲、および最大の全てに、同時に寄与していることが分かると思う。
図5Bは、S2によって放射され、次いで、リフレクタR2の第1のゾーンR21によって反射された光線のアイソルックスを示している。このリフレクタ部分は、ビームの快適帯および範囲に寄与していることが分かると思う。
図5Cは、S2によって放射され、次いで、リフレクタR2の第3のゾーンR23によって反射された光線のアイソルックスを示している。このリフレクタ部分は、特に、道路で必要な最大ビームに寄与していることが分かると思う。
最後に、図5Dは、S2によって放射され、次いで、リフレクタR1によって反射された光線のアイソルックスを示している。この光線は、いわゆる第2の光束であり、R1の表面は、ロービーム用にデザインされているが、これらの光線もハイビームに寄与しうる。
本発明は、ロービーム型とハイビーム型の2つのビームを生成できるヘッドライトだけではなく、2つの機能のあらゆる組み合わせにも適用できる。
本発明によると、シールドを傾けたり機械部品を一切動かすことなく、フィラメントのスイッチを切り替えて、容易に機能を切り替えることが可能となり、信頼性とコンパクトさの両面で、非常に有利である。
1 カットアウト
2 レンズ
3 レンズの焦点
4 レンズの光軸
5 シールド
C バッフル
C1、C2 バッフルの縁
Fe 外部焦点
Fi 内部焦点
d 楕円リフレクタの外部焦点からレンズの焦点までの距離
h レンズの光軸と光軸Y‐Yとの間の垂直距離
O 第1の光源の中心
O’ 第1の光源の上縁
P ヘッドライト
R1 楕円リフレクタ
R2 垂直型リフレクタ
R21 第1のゾーン
R22 第2のゾーン
R23 第3のゾーン
S1 第1の光源
S2 第2の光源
Y‐Y 楕円リフレクタの光軸
z1 中心ファセット
z2 中間ファセット
z3 外側ファセット
2 レンズ
3 レンズの焦点
4 レンズの光軸
5 シールド
C バッフル
C1、C2 バッフルの縁
Fe 外部焦点
Fi 内部焦点
d 楕円リフレクタの外部焦点からレンズの焦点までの距離
h レンズの光軸と光軸Y‐Yとの間の垂直距離
O 第1の光源の中心
O’ 第1の光源の上縁
P ヘッドライト
R1 楕円リフレクタ
R2 垂直型リフレクタ
R21 第1のゾーン
R22 第2のゾーン
R23 第3のゾーン
S1 第1の光源
S2 第2の光源
Y‐Y 楕円リフレクタの光軸
z1 中心ファセット
z2 中間ファセット
z3 外側ファセット
Claims (18)
- 少なくとも1つのリフレクタと1つの光源を備え、複数の異なる光ビームを放射できるヘッドライト型の自動車用照明装置であって、
直接シールド(C)を備える第1の光源(S1)が、その光軸が楕円リフレクタ(R1)の光軸(YY)と実質的に平行になるように、前記楕円リフレクタ(R1)の内部焦点(Fi)に近接して、その前方に配置されており、前記楕円リフレクタ(R1)は、前記第1の光源(S1)から第1のビームを生成するように設計されており、
第2の光源(S2)が、その光軸が前記楕円リフレクタ(R1)の光軸(YY)と実質的に平行になるように、前記楕円リフレクタ(R1)の内部焦点(Fi)に近接して、その後方に配置されており、
前記楕円リフレクタ(R1)の壁部が、平面、特に前記照明装置が車両に装備された時に実質的に水平となる平面の一側に設けられたカットアウト(1)を備えており、
前記楕円リフレクタ(R1)の光軸と実質的に平行、またはその光軸と一致する光軸を備えたレンズ(2)が、このリフレクタ(R1)の前方に配置されており、このレンズ(2)の焦点3が、前記楕円リフレクタ(R1)の外部焦点(Fe)に近接しており、
垂直型リフレクタ(R2)が、前記楕円リフレクタ(R1)の主部分の反対側の前記カットアウト(1)側に配置されており、この垂直型リフレクタ(R2)が、前記楕円リフレクタ(R1)に受容された第2の光源(S2)から、前記レンズ(2)によって、実質的に遮断されない第2の光ビームを生成するように設計されていることを特徴とする自動車用照明装置。 - 垂直型リフレクタ(R2)が、この垂直型リフレクタ(R2)の高さまで連続的に配置されている、カットアウト(1)に最も近接した楕円面部分である第1のゾーン(R21)、複数のファセットからなる第2のゾーン(R22)、および放物面部分である第3のゾーン(R23)の少なくとも3つのゾーンを有することを特徴とする、請求項1記載の自動車用照明装置。
- 2つの光源(S1)、(S2)を組み合わせて、デュアル・フィラメント型の単一ランプとしてあることを特徴とする、請求項1または2記載の自動車用照明装置。
- 垂直型リフレクタ(R2)の第1のゾーン(R21)が、第2の光源(S2)に集束する楕円面であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 垂直型リフレクタ(R2)の第2のゾーン(R22)が、その垂直型リフレクタ(R2)の高さ方向に実質的に配置された複数のファセットを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 垂直型リフレクタ(R2)の第2のゾーン(R22)が、少なくとも1つの中心ファセット(z1)、少なくとも2つの中間ファセット(z2)、および少なくとも2つの外側ファセット(z3)を有することを特徴とする、請求項5記載の自動車用照明装置。
- 第3のゾーン(R23)によって生成される光ビームが、垂直型リフレクタ(R2)全体によって生成される光ビームの最大の光ビームに寄与していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 楕円リフレクタ(R1)によって反射されて前記照明装置によって放射される光ビームがカットオフされたビーム、特にロービーム型となるように、前記楕円リフレクタ(R1)が、その楕円リフレクタ(R1)の外部焦点(Fe)の近傍にシールド(5)を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- シールド(5)が、光源(S1)とそのシールド(5)との間に配置された追加の光学素子に関連しており、前記追加の光学素子が、前記シールド(5)の光学的に有効な縁の近接し、かつ前記光源(S1)から前記シールド(5)の方向に放射される光線を、前記シールドの光学的に有効な縁よりも上に向け直す少なくとも1つの反射面を有することを特徴とする、請求項8記載の自動車用照明装置。
- 第2の光源(S2)から放射され、次いで垂直型リフレクタ(R2)によって反射され、場合によっては楕円リフレクタ(R1)の助けも借りる第2のビームが、カットオフされていないハイビーム型のビームであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 光源(S1)、(S2)の少なくとも1つの光軸が、実質的に水平面に位置することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 垂直型リフレクタ(R2)の全てのゾーンが、第2の光源(S2)の近傍に位置する焦点を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 垂直型リフレクタ(R2)によって生成されるビームが、光軸(YY)の各側に約15度以下のビーム角を有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 楕円リフレクタ(R1)によって生成されるビームが、光軸(YY)の各側に約35度〜40度の範囲のビーム角を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 光源(S1)、(S2)の1つの光軸を通る平面が実質的に水平であり、楕円リフレクタ(R1)がこの平面よりも上に位置し、垂直型リフレクタ(R2)がこの平面よりも下に位置していることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 楕円リフレクタ(R1)のカットアウト(1)が、直接シールド(C)の一方の縁と、第1の光源(S1)の中心または上縁を通る傾斜面と直接シールド(C)の他方の縁と、第1の光源(S1)の中心または上縁を通る傾斜面の交差によって実質的に画定されている開口角を有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 光源(S1)、(S2)が、H4型またはDFCS型のデュアル・フィラメント・ランプからなることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の自動車用照明装置。
- 前記自動車用照明装置が、ロービームとハイビームの2つの機能を果たす光学モジュールであることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の自動車用照明装置。
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