JP2006212686A - スイッチのバネ材用ステンレス鋼箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】 繰り返しの屈曲に対して耐疲労特性に優れたスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔を提供する。
【解決手段】 厚さ30μm〜80μmに冷間圧延されたステンレス鋼箔の圧延表面において、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)が、圧延方向と同一方向の十点平均粗さRz(B)より大であり、かつ、Rz(A)を0.6μm以下にしたスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔である。さらに、このRz(A)/Rz(B)を2以下にしたスイッチのバネ用材ステンレス鋼箔である。本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔は、主としてドーム型スイッチ、またはブリッジ型スイッチ用のバネ材として実施すると、繰り返しの屈曲に伴う耐疲労特性を向上させることができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、各種のスイッチのバネ材として用いられるステンレス鋼箔、特に、携帯電話機等の各種電子機器のスイッチ部材として用いられ、その耐久性が強く要求されるバネ材用のステンレス鋼箔に関するものである。
携帯電話機等の電子機器においては、各種の操作を行うために小型の押しボタンスイッチが設けられている。これらの押しボタンスイッチには、押しボタンを押圧することにより変形させて固定接点と接触させるようにした、いわゆる接点部材としての機能を備えたドーム型バネが用いられている。このようなバネの材質としては、従来からステンレス鋼であるSUS301が使用されている。
近年、急速に普及している携帯電話機等に用いられている押しボタンスイッチに用いられるこの種のバネ材は、SUS301からなる薄板を厚さ30μm〜80μmに冷間圧延し、この冷間圧延したステンレス鋼箔に導電性を向上させるためにAgメッキ等の表面処理を施した後、プレス加工等により所望のドーム状、あるいはブリッジ状(箱型)に加工することにより製造されている。
特に携帯電話機においては、メール情報の入力や送信操作等にともなう押しボタンスイッチの押圧操作回数が頻繁に発生する。このため、携帯電話機に用いられるバネ材は、100万回以上のスイッチの押圧操作に耐えることができる耐久性の高いバネ材が要求されている。
携帯電話機等の電子機器に用いられるバネ材等について、耐久性、特に繰り返しの屈曲による耐疲労特性を向上させるために、従来から下記の対策が実施されている。
(1)バネ材用薄板の表面に、めっき層等の表面処理を施して耐久性を向上させる。
(2)バネ材用薄板を冷間圧延するときに、繰り返しの屈曲に対して優れた耐疲労特性が得られるような表面形状を得るようにする。
上記(1)の対策については、特開2004−27325号公報、特開2004−263274号公報等により提案されている。例えば、特開2004−263274号公報には、ステンレス鋼箔の表面にニッケルメッキ層を形成し、このニッケルメッキ層の上に銅メッキ層を形成し、さらにこの銅メッキ層の上に銀メッキ層を形成することにより、メッキ剥がれを防止することが提案されている。また、上記(2)の対策に関しては、下記の特許文献1、特許文献2等が提案されている。
特開2001−58203号公報(第2頁〜第3頁、図3) 特開2003−123586号公報(第2頁〜第4頁)
上記特許文献1には、フレキシブルプリント回路基板等の可撓性配線部材に使用される優れた屈曲性を有する圧延銅箔の提供を目的として、冷間圧延により形成された表面において、オイルピットの深さを2.0μm以下にした圧延銅箔が提案されている。さらに、特許文献1には、「屈曲性に影響を及ぼす因子は、銅箔の屈曲部位におけるオイルピットの頻度や平均的な深さではなく、オイルピットの最大深さhであることを見出した」ことが記載されている。また、最終冷間圧延により圧延した銅箔の厚さは18μm以下であることが望ましい、と記載されている。
上記特許文献2には、スイッチの打鍵回数の増加に対して耐久性の増加に優れたドーム型金属バネの提供を目的として、硬度Hvを500〜650のステンレス鋼の薄板から成形したドーム型金属バネが提案されている。
上記特許文献1に記載の発明は、繰り返しの屈曲に対する圧延銅箔の疲労特性を向上させるために、冷間圧延時に圧延表面に形成されるオイルピットの深さが影響することを見出してなされたものであるが、バネ用ステンレス鋼であるSUS301を対象にしてなされた発明ではない。各種の押しボタンスイッチのバネ材として使用されるステンレス鋼箔は、例えば、携帯電話機においてはドーム型スイッチのバネ材として使用される。このようなドーム型スイッチは、100万回以上の押しボタンの操作を行っても、バネ材に疲労破壊等が生じない耐久性が要求されている。このように、バネ用ステンレス鋼箔の繰り返しの屈曲による耐久性を向上させるためには、冷間圧延したステンレス鋼箔の表面に、疲労破壊の起点となるオイルピットがほとんど形成されていないか、オイルピットが形成された場合においても、疲労破壊の起点とならない極めて微細な凹部が形成されるようにすれば、この微細なオイルピットは、繰り返しの屈曲を行っても疲労破壊の起点にはならないと考えられる。
上記特許文献2に記載の発明は、耐久性に優れたドーム型金属バネを得るためには、硬度の高い材料を用いるとこのバネ材の破断寿命を長くすることが可能になることに着目してなされたものである。しかし、ドーム型金属バネの耐久性、特に破断特性に優れたバネ材を得るためには、冷間圧延したバネ材の表面の性状、特に、繰り返しの屈曲により破断の起点となるオイルピットが極力発生していない状態にすることが重要である。特許文献2に記載の発明においては、耐久性を向上させるために金属バネ材の表面に要求される性状等の特性については開示されていない。
そこで、本発明の目的は、冷間圧延したステンレス鋼箔についてその圧延表面の性状を改良することにより、繰り返しの屈曲に対して優れた耐久性を備えたスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔を提供することにある。
本発明は、厚さ30μm〜80μmに冷間圧延されたステンレス鋼箔の圧延表面において、
圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)が、圧延方向と同一方向の十点平均粗さRz(B)より大であり、かつ、前記Rz(A)が0.6μm以下であるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔である。
さらに、本発明は、前記Rz(A)/Rz(B)が2以下であるスイッチのバネ用材ステンレス鋼箔である。
また、本発明は、厚さ30μm〜80μmに冷間圧延されたステンレス鋼箔の圧延表面において、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)が0.6μm以下であり、かつ、圧延方向と同一方向に延びる凸状筋が複数条形成されているスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔である。
さらに、本発明は、前記凸状筋は圧延方向と直交する方向の長さ30μm〜40μm当たりに、少なくとも1筋以上形成されているスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔である。
さらに、本発明は、ドーム型スイッチ、またはブリッジ型スイッチの接点部材として用いられるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔である。
本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔に適用できるステンレス鋼の材質としては、冷間圧延時の加工硬化により、バネ材として高い硬度および引張強度を得ることができるオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS301材、およびSUS304材を適用することができる。本発明は、特にバネ材としての特性が優れているSUS301材を用いることがより望ましい。
なお、本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔において、その厚さを30μm〜80μmに限定する理由は、次の通りである。
すなわち、厚さが30μmより小さいと、携帯電話機等の電子機器に用いるスイッチ用バネ材として繰り返しの屈曲に耐えられる十分な強度を得ることができず、かつ、押しボタンの操作時の感触(クリック感触)が柔らかくなり、快いボタン操作(打鍵)の感触が得られなくなるからである。また、その厚さが80μmを超えると、押しボタンの操作時に強い押圧力を必要とするようになって、同様に、軽やかなボタン操作の感触が得られなくなるからである。
さらに、本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔において、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(以下、Rz(A)という)が、圧延方向と同一方向の十点平均粗さRz(以下、Rz(Bという)より大とし、かつ、前記Rz(A)を0.6μm以下にした理由は、次の通りである。
すなわち、圧延方向と直交する方向のRz(A)が、圧延方向と同一方向のRz(B)より大であることは、圧延表面の微細な凹凸は圧延方向と直交する方向の方が、圧延方向と同一方向より密に形成されていることを示す。しかし、本発明者は冷間圧延実験等により、このRz(A)を0.6μm以下にすれば、圧延表面にオイルピットによる微細な凹部が形成されないか、形成されたとしても極めて微細な凹部であり、これらの凹部はバネ材としての繰り返しの屈曲に対して、破断の起点にはならないことを見出したからである。
さらに、このRz(A)/Rz(B)を2以下の圧延表面の性状を備えるようにすると、圧延表面に破断起点となるようなオイルピットがほとんど形成されないことを見出した。
さらに、本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔を冷間圧延するときに、その仕上げ圧延工程において、表面粗さRaが0.06μm〜0.1μm程度のワークロールを用いて、各圧延パスの加工率を10%以上に設定して圧延すると、圧延方向と同一方向に延びる凸状筋が複数条形成され、この凸状筋は圧延方向と直交する方向の長さ30μm〜40μm当たりに、少なくとも1筋以上形成されていることを見出した。この凸状筋はワークロールの表面に形成されている研磨筋が冷間圧延時に圧延表面に転写されたことにより生じたものと考えられる。この凸状筋の突出高さは、粗さ曲線の平均線から0.3μm〜0.5μm程度突出していた。本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔は、この凸状筋によっても、繰り返しの屈曲に対して優れた耐久性を発揮することができると推測される。
本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔は、次の効果を有している。
(1)本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔は、 厚さ30μm〜80μmに冷間圧延された圧延表面において、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)が、圧延方向と同一方向の十点平均粗さRz(B)より大であり、かつ、前記Rz(A)を0.6μm以下としている。これにより、冷間圧延した圧延表面には、オイルピットがほとんど形成されていないか、あるいは形成されたとしても極めて微細なオイルピットであるため、繰り返しの屈曲を行っても、疲労破断の起点となる凹部が存在しないので、繰り返しの屈曲による耐久性(耐疲労特性)が向上すると推測される。このため本発明は、100万回の繰り返し打鍵操作を行なってもキレツ等の疲労破壊が発生しないスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔を提供することができる。
(2)本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔は、さらに前記したRz(A)/Rz(B)が2以下であるため、冷間圧延した圧延表面には、オイルピットがほとんど形成されていないバネ材用ステンレス鋼箔を得ることができると推測される。
(3)さらに、本発明スイッチのバネ材用ステンレス鋼箔の圧延表面には、圧延方向と同一方向に延びる複数条の凸状筋を有している。この凸状筋の突出高さは0.2μm〜0.5μmと微小であるが、この凸状筋のために、繰り返しの屈曲による耐久性が一層向上すると推測される。
上記(1)〜(3)により、本発明は、携帯電話機等の電子機器に用いられるドーム型スイッチ、またはブリッジ型スイッチのバネ材として使用すると、100万回以上のスイッチ操作を行っても疲労破壊が発生しないスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔を提供することが可能になる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔は、携帯電話機等の電子機器に用いられている各種押しボタンスイッチのバネ材として使用される。この押しボタンスイッチの一例であるドーム型スイッチSの構成を図1に示す。図1において、回路基板1等には、固定接点2、3が設けられている。これら固定接点2、3の上方部には、ステンレス鋼箔をドーム状に成形したバネ材4が配設され、固定接点3とバネ材4とは接触状態で固定されている。断面形状が円弧状のバネ材4の上方には、スイッチ内部に埃等が入ることを防止するために合成樹脂製のシート部材5等がスペーサ6を介して設置されている。シート部材5の上部には、押しボタン7が設置されている。図1においては、1個のドーム状に形成したバネ部材4を用いたドーム型スイッチ例を示したが、携帯電話機においては、シート状のステンレス鋼箔にバネ部材4に相当するドーム状に形成したバネ部を多数個成形したドーム型スイッチも実用化されている。
図1に示す構成のドーム型スイッチにおいて、押しボタン7を押圧すると、ドーム状のバネ材4は屈曲してその円弧部4aが下方に押し下げられて、円弧部4aの内側面と固定接点2とが接触して、固定接点2と3とが導通することになる。そして、押しボタン7の押圧操作を開放すると、円弧部4aはそのバネ力により元の位置に戻って、固定接点2と3の導通は遮断されてスイッチ機能を発揮する。このため、バネ材4は可動接点となる。
なお、円弧状のバネ材4と固定接点2との電気伝導性を向上させるために、バネ材4の表面には銀メッキ層等が形成されている。このように、バネ材4はドーム型スイッチSの接点部材としての機能も備えている。
なお、ドーム型スイッチに用いられるバネ材の形状としては、図2に示すようなブリッジ型バネ材8も用いられている。ブリッジ型バネ材8は、横方向に穿孔した2条のスリット8a、8b間のステンレス鋼箔部8cを、円弧状に成形して可動接点としたものである。本発明のバネ材用のステンレス鋼箔は、上記のようなバネ材4やブリッジ型バネ材8として使用される。
図1および図2に示すドーム型スイッチに用いられるバネ材4、8の厚さは、30μm〜80μmに冷間圧延したステンレス鋼箔であるSUS301、SUS304を用いることができる。本発明は、バネ材として機械特性が優れているSUS301−EHを用いることが望ましい。
本発明は、特に、携帯電話機の押しボタンスイッチ部材を構成するバネ材として用いられるステンレス鋼箔であって、少なくとも100万回の繰り返しの屈曲を行っても疲労破壊が生じないバネ材に対する要求を解決するために、下記の技術的思想(1)、(2)に着目してなされたものである。
(1)冷間圧延した圧延表面は、オイルピットがほとんど含まれていないか、例えオイルピットが発生したとしても、繰り返しの屈曲を行なっても疲労破壊の起点にはならない極めて微小なオイルピットが含まれているような性状にする。このためには、圧延表面の表面粗さ、特に、十点平均粗さRzを適切な値にするとよい。
(2)上記(1)に基づいて、冷間圧延した圧延表面にオイルピットがほとんど発生しないステンレス鋼箔を得るための冷間圧延方法、特に、多段圧延機を用いてステンレス薄板を厚さ30μm〜80μmのステンレス鋼箔に圧延する方法を改善する。
本発明者は、上記技術的思想(1)、(2)に基づいて種々の圧延テスト等を行なった結果、厚さ30μm〜80μmに冷間圧延したステンレス鋼箔の圧延表面において、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)が、圧延方向と同一方向の十点平均粗さRz(B)より大であり、かつ、前記Rz(A)を0.6μm以下の特性を備えると、繰り返しの屈曲に対する疲労強度が優れているバネ材を得ることができることを見出した。
さらに、圧延表面において、このRz(A)/Rz(B)が2以下の特性を備えようにすると、圧延表面に疲労破壊の起点になるオイルピットをほとんど有していないスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔を得ることができることを見出した。
また、本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔において、冷間圧延した表面に上記した性状を備えるためには、ステンレス鋼からなる薄板の仕上げ圧延工程を、12段圧延機等の多段圧延機を用いて、次のように圧延することにより可能であることを見出した。
(1)多段圧延機による冷間圧延は、粗圧延工程、中間圧延工程、仕上げ圧延工程による圧延を行なって、厚さ30μm〜80μmに冷間圧延したステンレス鋼箔を得る。そして、この仕上げ圧延工程においては、中間圧延工程により圧延したコイルを複数パスからなる仕上げ圧延工程により目標とする鋼箔の厚さに圧延するが、この複数パスからなる仕上げ圧延工程の1パス当たりの加工率は、少なくとも10%以上にして圧延する。なお、この加工率とは、各圧延パスにおいて圧延前の厚さをA、圧延後の厚さをBとすると、(A−B)/A×100により表される数値(%)である。
このように、仕上げ圧延工程の各圧延パスの加工率を10%以上に設定して圧延すると、ロール表面が直接被圧延材の表面に接触した状態、すなわち、ワークロールの表面と被圧延材の表面との間に圧延油が介在しない状態で圧延を行なうことができる。これにより、被圧延材の表面には圧延油に基づくオイルピットがほとんど発生しないか、発生しても、極めて微細なオイルピットのみが発生するようにすることが可能になる。
(2)仕上げ圧延工程における最終圧延パスの加工率は、15%以上、望ましくは、15%〜18%に設定して圧延する。従来のステンレス鋼箔の仕上げ圧延工程の最終圧延パスにおいては、その加工率は数%以下に設定していたが、15%以上にすることにより、上記のように、ロール表面が直接被圧延材の表面に接触した状態、すなわち、ワークロールの表面と被圧延材の表面との間に圧延油が介在しない状態で圧延を行なうことができるので、被圧延材の表面には圧延油に基づくオイルピットがほとんど発生しないか、発生しても、極めて微細なオイルピットのみが発生した本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔を製造することができる。
(3)仕上げ圧延工程に使用する圧延ロール(ワークロール)は、その平均表面粗さRaを0.06μm〜0.1μm程度に研磨したワークロールを使用して圧延する。これにより、上記(1)〜(3)の条件で冷間圧延を行うことにより、圧延表面に、圧延方向と同一方向に延びる凸状筋が複数条形成される。しかも、この凸状筋は、圧延方向と直交する方向の長さ30μm〜40μm当たりに、少なくとも1筋以上、その突出高さは0.2μm〜0.5μmとなる。この微細な凸条筋は、繰り返しの屈曲に対する耐疲労特性をさらに向上させる作用を行なうと推測することができる。
(実施例1)
材質がステンレス鋼のSUS301−EHからなる薄板コイルの4種(サンプル1〜4)について、中間圧延工程を行なった後、12段圧延機を用いて数パスの圧延を含む仕上げ圧延を行なって、目標の鋼箔の厚さになるように冷間圧延した。このときの圧延幅は各サンプルとも350mmとした。そして、最終の仕上げ圧延パスを終了した鋼箔コイルについて、歪み除去の焼鈍処理を行なった後、圧延方向の両端部を所定の幅ほど除去した。続いて、これら4種の鋼箔コイルについて、それぞれ任意の箇所からサンプルを採取し、これらサンプルについて、その圧延表面の十点平均粗さRz、および機械的特性として引張り強さと硬度(Hv)を測定した。なお、この圧延表面の十点平均粗さRzについては、各サンプルについて、圧延方向と直交する方向のRz(Rz(A))と、圧延方向と同一方向のRz(Rz(B))を測定した。
この冷間圧延のテストにおいて、4種のサンプル1〜4の圧延条件を図3に示す。なお、冷間圧延に使用したワークロールは、ロール径が28mmのロールを使用した。また、このワークロールの表面をダイヤモンド砥石により研磨したとき、その軸方向の表面粗さRaは、サンプル1とサンプル2は0.08μm、サンプル3とサンプル4は0.06μmにしたワークロールを用いた。
図3に示すように、サンプル1は圧延前の板厚120μmを複数の圧延パスを経て目標とする厚さ39μmに圧延したことを示している。同様に、サンプル2は板厚145μmを49μmに、サンプル3は板厚130μmを39μmに、サンプル4は板厚145μmを49μmに冷間圧延したことを示す。また、各サンプル1〜4について、最終の圧延パスの加工率は、それぞれ15.2%、15.5%、0.26%、0.20%に設定して圧延したことを示す。なお、図3には示していないが、サンプル1と2については、各圧延パスの加工率は10%以上に設定した冷間圧延を行なった。また、サンプル3と4については、最終の圧延パスの3パス前〜最終の圧延パスの各圧延パスの加工率は、10%より小さい値に設定して冷間圧延を行なった。
実施例1により圧延テストを行なった4種のサンプル1〜4について、圧延表面の十点平均粗さRz(A)、Rz(B)と、引張り強さおよび硬度(Hv)を測定した結果を図4に示す。なお、十点平均粗さRzの測定には、接触式表面粗さ測定機((株)ミツトヨ製MST−502)を用いて測定した。
図4に示す実施例1の結果から、次の事項が明らかになった。
(1)サンプル1と2(本発明例)に示すように、最終の圧延パスの加工率を15.2%、および15.5%と、サンプル3と4に示す従来のステンレス鋼箔の加工率より高く設定すると、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)は0.56μmと0.52μmになり、圧延方向と同一方向の十点平均粗さRz(B)(0.30μm、0.28μm)より大きくなる結果が得られた。また、Rz(A)/Rz(B)は、約1.8程度になった。
(2)比較例となるサンプル3と4においては、最終の圧延パスの加工率を0.20または0.26と従来のステンレス鋼箔の加工率とほぼ同じ程度に設定すると、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)は0.30μmと0.46μmになり、圧延方向と同一方向の十点平均粗さRz(B)は、0.26μmと0.44μmになった。また、Rz(A)/Rz(B)は、1.1〜1.2程度になった。
(3)機械的特性である引張り強さについては、各サンプル1〜4とも1800N/mm以上、同じく硬度(Hv)については550Hv以上の値が得られた。一般に、スイッチのバネ材に要求される引張り強さは1700N/mm以上、硬度(Hv)は550Hv以上の値が要求されているので、サンプル1〜4ともに引張り強さと硬度(Hv)については、スイッチのバネ材としての条件を満たしていることが明らかになった。
(実施例2)
上記実施例1で冷間圧延したサンプル1〜4について、デジタルスコープを用いて圧延表面の性状を観察した。このデジタルスコープにより倍率500倍で撮像した写真図を図5〜図8に示す。なお、図5〜図8はそれぞれサンプル1〜サンプル4に対応し、紙面の左右(横)方向が圧延方向になっている。図5〜図8に示す圧延表面を拡大した写真図から、次の事項が明らかになった。
(1)本発明例である図5と図6に示すサンプル1と2の圧延表面には、オイルピットと思われる斑点はほとんど観察されなかった。撮像ポイントを変えてさらに数箇所の圧延表面について撮像しても同様な結果が得られた。このように、圧延表面にオイルピットと思われる斑点が発生していない理由は、前記のように、仕上げ圧延工程の各圧延パスの加工率は10%以上、特に最終の圧延パスの加工率を15%と高く設定して冷間圧延を行なったために、圧延時にワークロールと被圧延材との間に圧延油が介在しない状態で圧延されるために、オイルピットが発生しなかったと推測することができる。
(2)さらに、図5と図6に示すサンプル1と2においては、圧延方向と同一方向に連続して延びる微小な凸条筋Tが多数条形成されていることが判明した。この凸条筋Tは、冷間圧延に使用したワークロールの表面に形成されている研磨筋が被圧延材であるステンレス鋼箔の圧延表面に転写され、さらに、最終の仕上げ圧延パスの加工率を15%と高く設定したことにより、微小な凸条筋Tが多数条形成されたものと考えられる。
(3)一方、図7と図8に示すサンプル3と4の圧延表面には、圧延方向とほぼ直交する方向に延びるオイルピットと思われる斑点Pが多数観察された。この斑点Pは、最終圧延パスおよびその前の数パスの加工率を10%以下と低い値に設定して圧延したために、圧延時にワークロールと被圧延材との間に圧延油が介在した状態で圧延されるために、この圧延油によりオイルピットと思われる凹部状の斑点Pが発生したものと推測される。おれにより、図4に示すように、圧延方向と直交する方向のRz(A)と同じく同一方向のRz(B)との比には大きな差が生じなかったものと考えられる。
(実施例3)
上記した実施例1により圧延表面の十点平均粗さRz(A)、Rz(B)を測定したときに、各サンプル1〜4について、その圧延表面の粗さ曲線の状態を解析した。この圧延表面の粗さ曲線を図9A、図9B〜図12A、図12Bに示す。図9〜図12に示す粗さ曲線は、それぞれサンプル1〜4に対応し、圧延方向と直交する方向、および圧延方向に対して15°傾斜させた方向の粗さ曲線を示している。そして、図9A、図10A、図11A、図12Aは、それぞれサンプル1〜4について圧延方向と直交する方向の粗さ曲線を示し、図9B、図10B、図11B、図12Bは、同じくサンプル1〜4について圧延方向に対して15°傾斜させた方向の粗さ曲線を示している。
図9A、図9B〜図12A、図12Bに示す圧延表面の粗さ曲線の状況から、次のことが明らかになった。
(1)サンプル1と2において、圧延方向と直交する方向の粗さ曲線(図9A、図10A)では、圧延表面から上方に突出する微細な凸状部の方が、圧延表面から下方に窪んでいる微細な凹状部Vの数より多く形成されている。さらに、粗さ曲線全体から見て、この上方に突出する微細な凸状部の突出高さの方が、下方に突出する微細な凹状部の深さより大きくなっている。さらに、粗さ曲線からこの微細な凹状部Vの深さは0.004μm〜0.006μm、幅は2μm〜4μmと推測され、極めて微細な凹状部であった。
(2)同じく、サンプル1と2においては、圧延方向と同一方向の粗さ曲線(図9B、図10B)には、図5および図6に示す凸条筋Tがこの粗さ曲線上に山型形状Mとして測定されている。この山型形状Mは、圧延方向に対して15°傾斜させた方向の表面粗さを測定したために観察されたものである。そして、粗さ曲線からこの山型形状Mの突出高さは0.2μm〜0.4μmと推測された。さらに、この凸条筋Tは、圧延方向と直交する方向の長さ30μm〜40μm当たりに、少なくとも1筋以上形成されていることが判明した。
(3)一方、比較例であるサンプル3と4において、圧延方向と直交する方向の粗さ曲線(図11A、図12A)では、圧延表面から下方に突出する微細な凹状部P1、P2、P3、・・・が多数箇所にわたって測定された。この微細な凹状部P1、P2、・・・の深さは0.1μm〜0.24μm、幅は2μm〜5μmと推測され、サンプル1、2で測定された凹状部の深さと比較して極めて深い凹状部であった。
(4)さらに、サンプル3と4においては、圧延方向と同一方向の粗さ曲線(図11B、図12BA)においても、圧延表面から下方に鋭く窪む微細な凹状部P11、P12、P13、・・・が多数箇所にわたって測定された。
(5)上記したサンプル3と4の粗さ曲線に示している凹状部P1、P2、・・・、P11、P12、・・・は、明らかに圧延時に圧延油により発生したオイルピットであると推測することができる。
上記した実施例1〜実施例3の結果から、冷間圧延したステンレス鋼箔の圧延表面の性状を下記のように特定すると、この圧延表面にはオイルピットがほとんど形成されないか、形成されたとしても極めて微細のものであると推測することができる。
(1)冷間圧延されたステンレス鋼箔の圧延表面において、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)が、圧延方向と同一方向の十点平均粗さRz(B)より大にする。さらに、このRz(A)とRz(B)の比であるRz(A)/Rz(B)を2以下、望ましくは、2〜1.2に特定するとよい。
この理由は、オイルピットは圧延表面において圧延方向と直交する方向の向きに発生し易いので、オイルピットが発生すると、圧延表面の面粗さは、圧延方向と同一方向に顕著に影響する。このため、Rz(A)/Rz(B)が1以下であると、オイルピットが多く形成されていることを示す。従って、実施例1〜実施例3の結果から、Rz(A)/Rz(B)を2以下、望ましくは、2〜1.2に特定すると、圧延表面にはオイルピットがほとんど形成されないか、形成されたとしても極めて微細のものであると推測することができる。
(2)圧延表面において、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)は、0.6μm以下にする。この理由は、Rz(A)が0.6μmより大であると、圧延表面の凸部が大きすぎて、繰り返し屈曲性に悪影響を及ぼすと推測されるからである。さらに、Rz(A)を0.6μm以下にすると、圧延方向に形成される微小な凸状筋Tは、冷間圧延時にワークロールと被圧延材とに介在する圧延油を排出する作用を行ってオイルピットの形成を防いでいると推測することができる。
(実施例4)
上記した実施例1により仕上げ圧延して得たサンプル1〜4について、プーリー式の極薄板寿命試験機((株)東京衡機製造所製TACK−3型)を用いて、繰り返しの曲げ応力を与えたときの寿命試験、すなわち、疲労破断が発生したときに曲げ応力を与えた回数を求めるテストを行なった。
この寿命試験においては、サンプル1〜4から幅3mm、長さ120mmのテスト用試料を作成した。このとき、各試料の長手方向が圧延方向になるようにした。そして、この試料をプーリーの外周面に沿わせた状態にして試料に繰り返しの曲げ応力を負荷したときに、試料が破断したときの曲げ応力を与えた回数を求めた。なお、サンプルに与える曲げ応力は、プーリーの径を変えることにより、1316N/mm、1418N/mm、1551N/mm、1643N/mmの4種の応力について寿命試験を行った。
図13は、実施例4による寿命試験結果をS−N曲線として表した線図を示す。図13において、横軸は繰り返しの曲げ回数、縦軸は各サンプル1〜4に与えた曲げ応力を示している。図13に示すS−N曲線から、次の事項が明らかになった。
すなわち、本発明例であるサンプル1と2では、1418N/mmの曲げ応力を繰り返して100万回与えても疲労破断が発生しない。一方、比較例であるサンプル3と4においては、1316N/mmの曲げ応力を繰り返して与えたときに、40万回〜70万回で破断が発生する場合があることが判明した。
以上の結果から、本発明の圧延表面の性状を備えたステンレス鋼箔は、繰り返しの屈曲に対する耐疲労特性は、比較例であるサンプル3と4のステンレス鋼箔と比較して、確実に向上することが明らかになった。
(実施例5)
実施例1により仕上げ圧延して得たサンプル1〜4に、電気メッキにより、厚さ0.2μmのNiからなる下地メッキ層、この下地メッキ層の上に厚さ1.2μmのAgメッキ層を形成した。そして、メッキ層を施したこれらサンプル1〜4から、直径4mmのドーム型バネをプレス加工により成形した。そして、打鍵式寿命試験機を用いてこれら各ドーム型バネに100万回の打鍵荷重を繰り返して与え、各サンプル表面のクラックの発生状況を観察した。なお、この打鍵式寿命テストにおいては、ピーク荷重は1.52〜1.55N、クリック率は48%にした。
実施例5による打鍵式寿命テスト結果を図14に示す。図14に示す実施例5によるテスト結果から、次のことが明らかになった。
本発明例であるサンプル1と2のステンレス鋼箔から成形したドーム型バネは、100万回の打鍵式寿命テストを行なっても、ドーム型バネの表面にはキレツの発生は認められなかった。一方、比較例であるサンプル3と4のステンレス鋼箔から成形したドーム型バネは、100万回の打鍵テストでキレツの発生が認められた。
上記のような打鍵テスト結果が得られた理由は、次の通りであると推測できる。
すなわち、本発明例であるサンプル1と2の圧延表面には、図5〜6に示すように、冷間圧延時にオイルピットがほとんど発生していないか、あるいは発生していたとしても、前記したように極めて微細なオイルピットであるため、100万回の打鍵テストを行なってもキレツが発生しなかったと推測できる。一方、比較例であるサンプル3と4には、図7〜8等に示すように、オイルピットが発生しているために、これらのオイルピットが繰り返し打鍵テストにおいて破断の起点になって、100万回の打鍵テストによりドーム型バネにキレツが発生したものと推測できる。
なお、上記した本発明のスイッチのバネ用ステンレス鋼箔は、例えば、次の工程を経てスイッチのバネ材として製造することができる。
(1)1mm程度のコイル状のステンレス薄板を粗圧延工程、中間圧延工程を経て、多段式圧延機を用いた仕上げ圧延工程により、所定の厚さのコイル状に冷間圧延する。本発明はスイッチのバネ材用のステンレス鋼箔であるため、この所定の厚さはスイッチの仕様に応じて30μm〜80μmになるように冷間圧延する。
(2)続いて、冷間圧延したコイル状のステンレス鋼箔を脱脂工程において、圧延した鋼箔の表面に付着している圧延油等を除去する。次に、このコイルを熱処理(焼鈍)工程において、この圧延した鋼箔に残留している加工歪を除去するために所定の温度に加熱する焼鈍処理を行う。
(3)焼鈍処理を施したコイル状鋼箔は、圧延方向と直交する幅が所定の寸法になるようにスリットしてコイル状に巻き取る。
(4)所定の幅寸法にスリットされたコイル状鋼箔は、メッキ工程において、耐食性と電気導電性を向上させるためにメッキ処理が施される。このメッキ工程では、電気メッキ等によりコイル状鋼箔の表面に、下地メッキ層としてNiメッキ層を形成し後、表面メッキ層としてAgメッキ層を、それぞれ所定の膜厚になるように形成する。
(5)メッキ処理を施したコイル状鋼箔は、加工工程においてプレス機等を用いて、図1〜2に示すようなドーム型バネ材、あるいはブリッジ型バネ材として加工する。
本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔を適用したドーム型スイッチの構成例を説明するための断面図である。 同じく、本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔をブリッジ型バネとして実施したときの形状例を示す平面図である。 本発明のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔と比較例のステンレス鋼箔を製造するために、その仕上げ冷間圧延工程における圧延条件の一例を説明するための図である。 図3に示す冷間圧延の条件で圧延して得られたステンレス鋼箔について、圧延表面の十点平均粗さRz、引張り強さ、および硬度を測定した結果を示す図である。 本発明例によるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延表面をデジタルスコープにより500倍で観察した結果の写真図である。 同じく、本発明例による他のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延表面をデジタルスコープにより500倍で観察した結果の写真図である。 本発明の比較例となるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延表面をデジタルスコープにより500倍で観察した結果の写真図である。 本発明の比較例となる他のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延表面をデジタルスコープにより500倍で観察した結果の写真図である。 本発明例によるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延表面の表面粗さを接触式表面粗さ測定機により測定したときに、圧延方向と直交する方向の粗さ曲線を示す線図である。 同じく、図9Aの本発明例によるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延方向と同じ方向の粗さ曲線を示す線図である。 同じく、本発明例による他のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延方向と直交する方向の粗さ曲線を示す線図である。 同じく、図10Aの本発明例による他のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延方向と同じ方向の粗さ曲線を示す線図である。 同じく、本発明の比較例となるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延方向と直交する方向の粗さ曲線を示す線図である。 同じく、図11Aの本発明の比較例となるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延方向と同じ方向の粗さ曲線を示す線図である。 同じく、本発明の比較例となる他のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延方向と直交する方向の粗さ曲線を示す線図である。 同じく、図12Aの本発明の比較例となるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、圧延方向と同じ方向の粗さ曲線を示す線図である。 本発明例および比較例となるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、繰り返しの屈曲による寿命試験を行なった結果を、S−N曲線として表した線図である。 本発明例および比較例となるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔について、打鍵式寿命テストを行なった結果を説明するための図である。
符号の説明
1 :回路基板
2、3:固定接点
4 :バネ材
4a:円弧部
7 :押しボタン
8 :ブリッジ型バネ材
8a:スリット
S :ドーム型スイッチ















Claims (5)

  1. 厚さ30μm〜80μmに冷間圧延されたステンレス鋼箔の圧延表面において、
    圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)が、圧延方向と同一方向の十点平均粗さRz(B)より大であり、かつ、前記Rz(A)が0.6μm以下であることを特徴とるスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔。
  2. 前記Rz(A)/Rz(B)が2以下であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔。
  3. 厚さ30μm〜80μmに冷間圧延されたステンレス鋼箔の圧延表面において、圧延方向と直交する方向の十点平均粗さRz(A)が0.6μm以下であり、かつ、圧延方向と同一方向に延びる凸状筋が複数条形成されていることを特徴とするスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔。
  4. 前記凸状筋は、圧延方向と直交する方向の長さ30μm〜40μm当たりに、少なくとも1筋以上形成されていることを特徴とする請求項3に記載のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔。
  5. ドーム型スイッチ、またはブリッジ型スイッチの接点部材として用いられることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のスイッチのバネ材用ステンレス鋼箔。
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