JP2006210546A - 露光処理用基板保持盤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
セラミックス材料を低反射材料として用いる場合、素材自体の反射率は低くても、加工によって高くなることがある。この加工によって高くなった反射率を素材のもつ反射率に戻した露光処理用基板保持盤を提供する。
【解決手段】
少なくとも基板保持側表面がセラミックスからなり、その基板保持側表面の彩度指数b*がプラスであり、明度指数L*が70以下で、かつ面粗度Raが0.6μm以下である露光処理用基板保持盤であり、好ましい態様において、基板保持側表面の光波長250〜550nmの範囲における全反射率は13%以下であり、また、基板保持側表面の彩度指数b*はプラスであり、セラミックスの主成分は、炭化硅素またはアルミナである。
【選択図】 なし
セラミックス材料を低反射材料として用いる場合、素材自体の反射率は低くても、加工によって高くなることがある。この加工によって高くなった反射率を素材のもつ反射率に戻した露光処理用基板保持盤を提供する。
【解決手段】
少なくとも基板保持側表面がセラミックスからなり、その基板保持側表面の彩度指数b*がプラスであり、明度指数L*が70以下で、かつ面粗度Raが0.6μm以下である露光処理用基板保持盤であり、好ましい態様において、基板保持側表面の光波長250〜550nmの範囲における全反射率は13%以下であり、また、基板保持側表面の彩度指数b*はプラスであり、セラミックスの主成分は、炭化硅素またはアルミナである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、半導体素子や液晶ディスプレイを製造するための露光装置等の露光処理用基板保持盤に関し、特にウェハなど露光処理用基板を透過した照明光の反射によって露光、アライメントまたはフォーカス調整の精度を損なうことのない露光処理用基板保持盤に関するものである。
従来、セラミックス素材に要求される特性としては、耐熱性等の熱的特性、強度などの機械的特性や耐食性などの科学的特性、および伝導性などの電磁気的特性が挙げられる。近年、電子部品、半導体製造装置用部品および各種測定装置などにおいては、黒色など彩度の低い光学的特性をもったセラミックスが要求されてきている。これは、僅かな塵埃でもこれらの部品の精度や特性に大きく影響するため、黒色など彩度の低い材質の場合には、これらの塵埃の存在をいち早く見いだすことができ、また、部品が摩耗したり、破損した場合、その部位を識別することが容易であるからである。
これに加え近年、このような分野においては、レーザー、紫外線および可視光等の光を露光しあるいは測定する目的の装置が多く、このような装置に用いられる部材は、不要な光の反射(乱反射を含む)や透過を嫌う場合が多く、光の反射や透過が少ない材料が必要とされる場合が多い。
半導体素子や液晶ディスプレイを製造するための露光装置のウェハチャック等の露光処理用基板保持盤には、これまでアルミナ系の金属からなる母材にアルマイトメッキを施したものや、ステンレスやアルマイトセラミックからなる母材にTiC等の被覆を施したものが用いられていた。このような基板保持盤にウェハなど基板(以下、単に「基板」と呼ぶことがある)を保持させて、露光用の照明光あるいはアライメントやフォーカス調整用の照明光を照射された照明光の一部が基板を透過して基板保持盤に到達し、その一部が基板保持盤の表面で反射され露光精度低下の原因の一つとなっている。
半導体素子や液晶ディスプレイを製造するための露光装置のウェハチャック等の露光処理用基板保持盤には、これまでアルミナ系の金属からなる母材にアルマイトメッキを施したものや、ステンレスやアルマイトセラミックからなる母材にTiC等の被覆を施したものが用いられていた。このような基板保持盤にウェハなど基板(以下、単に「基板」と呼ぶことがある)を保持させて、露光用の照明光あるいはアライメントやフォーカス調整用の照明光を照射された照明光の一部が基板を透過して基板保持盤に到達し、その一部が基板保持盤の表面で反射され露光精度低下の原因の一つとなっている。
例えば、半導体素子や液晶ディスプレイを製造するための露光装置の基板保持盤では、アルミニウム系の金属からなる母材に、アルマイト処理を施した物や、SiC焼結体、HIP(Hot Isostatic Pressing、熱間静水圧圧縮法)処理したアルミナ焼結体、HIP処理したTiC焼結体のような比較的光の反射が少ない黒色系セラミックス材料を用いたり、光を乱反射させるために表面を粗く加工した物を用いた事例が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4参照)。
特開平5−205997号公報
特開平5−254922号公報
特開平8−12416号公報
特開平9−45753号公報
しかしながら、高性能化の要求は更に厳しくなり、前述のような方法を用いても十分な低反射率が得られなくなってきている。また、サンプル素材の反射率では十分に低い反射率であっても、露光処理用の基板保持盤として使用するために加工された面においては、サンプルで測定された低反射率が実現出来ていないため、液晶ガラスの露光装置等の板状の透明被処理物であるガラス基板に入射した照明光の一部分が、露光処理用の基板保持盤の表面によって反射されて、再び前記基板の特定箇所に入射し、レジストの不要な部分が露光されたり、アライメントやフォーカス調整の精度を低下させる問題を発生させている。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ね、反射率の低いセラミックスを露光処理用基板保持盤に用いた場合、前記反射率の低いセラミックスであっても、面の仕上げ状態により反射率を変化することを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、特にウェハなど露光処理用の基板を透過した照明光の反射によって露光、アライメントまたはフォーカス調整の精度を損なうことのない露光処理用基板保持盤を提供することにある。
本発明の露光処理用基板保持盤は、少なくとも基板保持側表面がセラミックスからなり、該基板保持側表面の彩度指数b*がプラスであり、明度指数L*が70以下で、かつ面粗度Raが0.6μm以下であることを特徴とする露光処理用基板保持盤である。
また、本発明の露光処理用基板保持盤には、次の好ましい態様が含まれている。
(a) 前記基板保持側表面の光波長250〜550nmの範囲における全反射率が13%以下であること。
(b) 前記基板保持側表面を構成するセラミックスの結晶粒径が3μm以上であること。
(c) 前記セラミックスの成分が、炭化硅素またはアルミナであること。
(d) 前記露光処理用基板保持盤が、Fe2O3、Mn2O3、Cr2O3、CoO、TiO2、CuO、NiO、TiC、SiCおよびCからなる群から選ばれた少なくとも1つの添加物を含むこと。
(e) 前記基板保持盤に載置される基板が、照明光が照射される基板であること。
また、本発明の露光処理用基板保持盤の製造方法は、少なくとも基板保持側となる表面が、彩度指数b*がプラスであるセラミックスからなる母材に基板保持パターンを加工した後、その加工面を遊離砥粒を用いて研磨することを特徴とする露光処理用基板保持盤の製造方法である。
(a) 前記基板保持側表面の光波長250〜550nmの範囲における全反射率が13%以下であること。
(b) 前記基板保持側表面を構成するセラミックスの結晶粒径が3μm以上であること。
(c) 前記セラミックスの成分が、炭化硅素またはアルミナであること。
(d) 前記露光処理用基板保持盤が、Fe2O3、Mn2O3、Cr2O3、CoO、TiO2、CuO、NiO、TiC、SiCおよびCからなる群から選ばれた少なくとも1つの添加物を含むこと。
(e) 前記基板保持盤に載置される基板が、照明光が照射される基板であること。
また、本発明の露光処理用基板保持盤の製造方法は、少なくとも基板保持側となる表面が、彩度指数b*がプラスであるセラミックスからなる母材に基板保持パターンを加工した後、その加工面を遊離砥粒を用いて研磨することを特徴とする露光処理用基板保持盤の製造方法である。
本発明の露光処理用基板保持盤は、光の反射率が低く、かつ繰り返し使用される基板保持盤としては耐摩耗性に優れ、密度が低く高ヤング率であるために自重や移動による慣性力による歪みが発生しにくく基板の処理精度を低下させない等の優れた特性を有し、電子部品、半導体製造装置用部品、液晶製造装置用部品、各種測定装置等の精密部材として有用である。
以下、本発明の露光処理用基板保持盤について、具体的に詳細に説明する。
本発明の露光処理用基板保持盤は、半導体素子や液晶ディスプレイ用ガラス板等の、薄い平状をなす被処理物である露光処理用の基板を、処理装置内で保持するために用いられる保持盤を言う。また、面粗度Raは、JIS B0601(2001)で定義される算術平均粗さのことを言う。
本発明の露光処理用基板保持盤は、少なくとも基板保持側となる表面がセラミックスからなる母材で構成されている。
本発明の露光処理用基板保持盤は、半導体素子や液晶ディスプレイ用ガラス板等の、薄い平状をなす被処理物である露光処理用の基板を、処理装置内で保持するために用いられる保持盤を言う。また、面粗度Raは、JIS B0601(2001)で定義される算術平均粗さのことを言う。
本発明の露光処理用基板保持盤は、少なくとも基板保持側となる表面がセラミックスからなる母材で構成されている。
本発明において用いられる反射率の低いセラミックスを用いた基板保持盤は、面粗度Raが0.6μm以下であることが必須である。これまで一般的に材料の反射率は、面粗度が粗いほど低いと言われていたが、これは人間の目で見た場合、鏡のように綺麗に物が映る表面が反射率が高いと感じているためである。しかしながら、本発明で問題にしている反射率は、正反射だけでなく人間の目では感じにくい乱反射光を全て含めた全反射量を問題にしており、人間の目で感じ取れる反射率とは若干異なるものである。特に、面粗度の粗い面においては、正反射が少なく乱反射量が多いために反射率が低く感じやすいが、ある材料の光の反射量は基本的にその材料の光の屈折率と密接な関係があり、材料特有の数値であり、面粗度は前述のとおり正反射量と乱反射量のバランスが変化するだけで、全反射量は変化しない。
しかしながら、このセラミックス材料における光の反射量について詳細に検討した結果、全反射量は面粗度と密接な関係にあることを発見した。
全反射率は、面粗度が小さいほど材料特有のある反射率に落ち着き、この面粗度が大きくなるほど全反射率は大きくなる。これは、面粗度の粗い面においては、その面を生成するために行った加工と密接な関係がある。セラミックス材料の場合、一般的にダイヤモンドやアルミナ、あるいは炭化珪素等の硬質砥粒を用いた砥石や遊離砥粒を用いて加工する。このとき、大きな粒径の砥粒を用いるほど面粗度は粗くなり、小さな砥粒を使用することにより、より面粗度を小さく出来ることは知られている。このとき、大きな砥粒で生成される面は大きな加工力で材料表面の破壊を行うために、セラミックス材料の場合、材料表面近傍にはマイクロクラックなどの加工変質層が存在することが知られている。
全反射率は、面粗度が小さいほど材料特有のある反射率に落ち着き、この面粗度が大きくなるほど全反射率は大きくなる。これは、面粗度の粗い面においては、その面を生成するために行った加工と密接な関係がある。セラミックス材料の場合、一般的にダイヤモンドやアルミナ、あるいは炭化珪素等の硬質砥粒を用いた砥石や遊離砥粒を用いて加工する。このとき、大きな粒径の砥粒を用いるほど面粗度は粗くなり、小さな砥粒を使用することにより、より面粗度を小さく出来ることは知られている。このとき、大きな砥粒で生成される面は大きな加工力で材料表面の破壊を行うために、セラミックス材料の場合、材料表面近傍にはマイクロクラックなどの加工変質層が存在することが知られている。
この加工変質層は、大きな砥粒を使用するほど深く、大きな欠陥を発生させる。セラミックス材料に欠陥が存在すると、光が照射されたときに、材料表面で反射される光と内部に入射する透過光に分かれる。セラミックス材料の内部に入射した光は、減衰しながらセラミックス結晶内部を進み結晶粒界にあたる。このとき、粒界の異方性により、光はここでも反射と透過に分かれる。これを繰り返して反射されて材料内部から反射光として出てくる光もある。欠陥の無い場合は材料特有の反射率となるが、結晶内に欠陥が存在した場合、ここでも光は反射と透過を行うこととなり、結果的に反射光が増えることとなる。このことにより欠陥の多い材料では反射率が高くなると想定される。
この反射率を達成するために、反射率の低い材料で前述の欠陥の量と大きさを勘案すると、面粗度算術平均粗さで少なくとも面粗度Raが0.6μm以下であることが必要がある。望ましくは面粗度Raは0.5μm以下であり、更に望ましくは面粗度Raは0.4μm以下である。
材料表面の加工変質層や材料欠陥を緩和したり取り除いたりする方法としては、再度焼結温度付近の温度域で10時間から100時間かけてエージングをする方法や、加工変質層を形成しにくい#600以上の砥石で加工する方法、鋳物や銅、錫などの定盤を用いて遊離と粒でラップ加工を行う方法や、パターンが形成されている場合は遊離砥粒を用いて布やブラシでバフ研磨を行う方法などが挙げられる。
材料表面の加工変質層や材料欠陥を緩和したり取り除いたりする方法としては、再度焼結温度付近の温度域で10時間から100時間かけてエージングをする方法や、加工変質層を形成しにくい#600以上の砥石で加工する方法、鋳物や銅、錫などの定盤を用いて遊離と粒でラップ加工を行う方法や、パターンが形成されている場合は遊離砥粒を用いて布やブラシでバフ研磨を行う方法などが挙げられる。
光の反射の量は、JIS K 7105に規定する全反射率を用いる方法を採用することができる。本発明のようにセラミックス材料(焼結体)を適用する分野においては、乱反射を含む全ての光の反射を嫌う用途であり、全反射率を用いて評価することが最も適している。全反射率とは、正反射成分と拡散反射成分とを、球状の積分球を使用して合わせて測定したものであり、ここではJIS K 7105に従って測定した。
通常、レーザー光や紫外線を使用する装置に使用する部材で、低反射率を必要とする部材においては、ブラッククロームメッキ処理品やブラックアルマイト処理品が使用される。これらの処理品の全反射率は、ブラッククロームメッキ処理品では、光波長200〜950nmにおいて5〜7%であり、また、ブラックアルマイト処理品では光波長200nmから650nmにおいて6〜8%であり、700〜950nmでは10〜60%となる。全反射率は、低ければ低いほど光の反射を防止することができるので好ましいが、一般的に光波長200〜550nmの範囲で全反射率が13%以下であれば、上記光の反射を嫌う装置の部材においても実用上問題無く用いることができる。全反射率は、11%以下であればより好ましい結果を得ることができる。液晶などの特に透明度の高いガラスに露光する装置においては、特に全反射率が低いことが求められ、同分野に使用する材料としては、全反射率が10%以下であることが好ましい。好ましい全反射率を得るためには、以下に示すような焼結雰囲気の制御や添加剤を付与することで達成することが可能である。
本発明の露光処理用基板保持盤は、その基板保持側表面の彩度指数b*がプラスであることが重要である。彩度指数b*がゼロ以下では、550nm以下の短波長での反射率が高くなる。そのため、彩度指数b*は、好ましくは0を超え30以下の範囲である。彩度指数b*が30を超えると、反射率が全波長において高くなり易いため、反射率が高くなる恐れが生じることがある。
本発明の露光処理用基板保持盤は、その基板保持側表面の彩度指数b*がプラスであることが重要である。彩度指数b*がゼロ以下では、550nm以下の短波長での反射率が高くなる。そのため、彩度指数b*は、好ましくは0を超え30以下の範囲である。彩度指数b*が30を超えると、反射率が全波長において高くなり易いため、反射率が高くなる恐れが生じることがある。
また、本発明の露光処理用基板保持盤は、その基板保持側表面の明度指数L*が70以下であることが必要である。明度指数L*が70を超えると、過度に明る過ぎて反射率が高くなり好ましくない。明度指数L*は、好ましくは60以下である。
彩度指数b*は、国際照明委員会で規格化された測定方法で求められる値である(CIE 1976(L*a*b*))。なお、日本工業規格ではJIS Z 8729(1980)に当たる。ここで、L*は明度、a*とb*は彩度を表し、それぞれ以下のような意味を持つものである。
a*=+60、b*=0 :純赤
a*=−60、b*=0 :純緑
a*= 0 、b*=+60 :純黄
a*= 0 、b*=−60 :純青
L*max=100、a*=0、b*=0 :真っ白
L*max=0 、a*=0、b*=0 :真っ黒
このように明度と彩度が調整されたセラミックスは、例えば、炭化珪素や窒化アルミニウム、アルミナチタンカーバイド等をアルゴン、ヘリウム、窒素、真空等の非酸化性雰囲気中で焼成することによって得ることができ、また、酸化アルミニウムや酸化ジルコニウム等の酸化物の場合は、彩度を低くするための無機添加物を加えて得ることができる。
a*=+60、b*=0 :純赤
a*=−60、b*=0 :純緑
a*= 0 、b*=+60 :純黄
a*= 0 、b*=−60 :純青
L*max=100、a*=0、b*=0 :真っ白
L*max=0 、a*=0、b*=0 :真っ黒
このように明度と彩度が調整されたセラミックスは、例えば、炭化珪素や窒化アルミニウム、アルミナチタンカーバイド等をアルゴン、ヘリウム、窒素、真空等の非酸化性雰囲気中で焼成することによって得ることができ、また、酸化アルミニウムや酸化ジルコニウム等の酸化物の場合は、彩度を低くするための無機添加物を加えて得ることができる。
明度と彩度を調整するために用いられる無機物の好ましい例としては、Fe2O3、Mn2O3、Cr2O3、CoO、TiO2、CuO、NiO、TiC、SiCおよびC等が挙げられる。特に彩度指数b*をプラスにするためには、Fe2O3、Mn2O3、Cr2O3、TiC、SiCおよびCが好ましく使用される。
ここで、アルミナ以外の無機物の存在を測定する方法としては、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析(Inductivelt Coupled Plasma Atomic Emission)等の公知の方法を使用することができる。
本発明において、セラミックス(アルミナ質焼結体)の平均結晶粒子径は、3μm以上であることが好ましい。平均結晶粒子径は、より好ましくは3μm以上20μm以下である。粒界を減らしポアの存在自体を減らすために、結晶粒径をある一定以上に保つことが効果的であるからである。平均結晶粒径を大きくするには、例えば、焼結温度を高くすることで可能であるが、SiやTi等のアルミナの粒成長を促進する添加剤により平均結晶粒径を大きくすることも可能である。しかしながら、平均結晶粒径が20μmよりも大きくなりすぎると強度等機械的物性が低下するので、Mg等でスピネルによるピン留め効果で平均結晶粒径を制御することが望ましい。平均結晶粒径の測定方法については後述する。
本発明において、少なくとも基板保持盤側となる表面が低反射率のセラミックスで構成されていれば、露光処理用基板保持盤としての性能を満足できる。表面のみセラミックスとしたときの母材としては特に限定されるものではないが、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの比較的軽量で剛性の高い金属の表面にセラミックス部を溶射したり、薄板状のセラミックス表面を接着やネジ止めにより固定することができる。また、金属を母材に用いるときには機械の発熱による温度上昇で、線膨張係数の違うセラミックスと金属とのバイメタル効果により基板保持盤の平面度が狂うような場合は、インバーと呼ばれる低熱膨張の金属を用いることが望ましい。また、表面は低反射率のセラミックスであることが必須であるが、基板保持盤の剛性を高めるために、炭化珪素や窒化珪素といったアルミナよりも剛性の高いセラミックスとしてもよい。
上述したような素材を用いた素材を基板保持盤として使用する場合、基板を基板保持盤上に固定するために、静電気や真空が利用されている。どのような場合も、基板を外すときに接触面積が多いと、吸着力が低下するのに時間を要するようになるため、接触面積は出来るだけ少なく、かつ、特に真空の場合には吸着力により基板を歪ませる恐れがあるので、基板を保持していない部分の長さは短い程良い。これを両立させるためには、出来るだけ小さい面積の基板保持部を、小さなピッチで並べることが望ましい。
本発明では、少なくとも基板保持側となる表面がセラミックスからなる母材に基板保持パターンを加工した後、その加工面を遊離砥粒を用いて研磨することにより、露光処理用基板保持盤を得ることができる。
この基板保持部のパターン加工は特に限定されるものではないが、細軸の砥石で溝を形成しても良いし、パターンの形状にマスキングした基板保持盤を、サンドブラストなどによって加工するなどの方法がある。
本発明では、少なくとも基板保持側となる表面がセラミックスからなる母材に基板保持パターンを加工した後、その加工面を遊離砥粒を用いて研磨することにより、露光処理用基板保持盤を得ることができる。
この基板保持部のパターン加工は特に限定されるものではないが、細軸の砥石で溝を形成しても良いし、パターンの形状にマスキングした基板保持盤を、サンドブラストなどによって加工するなどの方法がある。
これらのパターン加工を行ったときには、セラミックス材料の場合、必ず前述の加工変質層が存在することになる。パターンを傷つけずに表面の加工変質層のみ取り除くために、遊離砥粒を用いてフェルトや不織布、織物や編物等の布地を重ね合わせた物や、ゴムやウレタン等の樹脂や木片等を加工したホイールやパット、ブラシなどの軟質物でバフ研磨することが可能である。研磨に遊離砥粒を用いる場合、特に限定されるものではないが、例えば、以下のような方法で実施することができる。
遊離砥粒としては、ダイヤモンドやアルミナ、炭化珪素などの一般に市販されている砥粒を使用することが出来る。研磨加工の効率を高くするためには、加工初期は硬度が高く、加工効率の良いダイヤモンドの10〜50μm程度のパウダーを使用し、徐々に遊離砥粒の粒径を小さくしてゆき、最終的に10μm以下の砥粒で仕上げることが出来る。また、加工効率は劣るが、より加工変質層の少ない面に仕上げる為には、非加工物との硬度の差が少ない、アルミナや炭化珪素、シリカおよびセリアなどの粒子を使用することも出来る。
本発明の露光処理用基板保持盤は、液晶やELのようなディスプレー用のTFTやカラーフィルター製造や、薄型コンピューターに使用されるガラス基板へCPUを製作するための露光などに好適に用いることが出来る。
以下、本発明の露光処理用基板保持盤を実施例に基づいて説明する。なお、実施例の物性の測定と評価は以下のように行った。
(1)面粗度Raの測定
粉末を冷間静水圧装置(Cold Isotatic Press)を用いて、1ton/cm2の条件で成形し、その成形体をφ25×L25mmの円柱に加工し、焼結した。得られた焼結体を厚さ5mmに切断し、平面部を、#200の砥石にて切り込み深さ0.02mmで、焼結面から0.3mm除去した後に、サンドブラストにて#200のアルミナ砥粒を用いて粗面化を行ったものを、ダイヤモンド砥粒を用いてバフ研磨し、これを試料として用いた。面粗度は、JIS B0601(2001)の算術平均粗さを、東京精密製の表面粗度測定器SURFCOM1400Dを用いて測定を行った。測定は、試料の任意の位置を5回測定し、その平均値を面粗度とした。この測定の目的は、粗加工によって付けられた凹凸を小さくすることではなく、表面層を取り除くことであるため、粗加工により付けられた局部的な凹凸が除去できれば、大域的には粗さ曲線がうねっていることは問題ではないことから、測定条件は次のようにした。測定長さ0.4mm、カットオフは波長0.08mmでガウシアンを用い、測定速度0.15mm/秒、傾斜の補正には最小二乗直線補正を用いた。
粉末を冷間静水圧装置(Cold Isotatic Press)を用いて、1ton/cm2の条件で成形し、その成形体をφ25×L25mmの円柱に加工し、焼結した。得られた焼結体を厚さ5mmに切断し、平面部を、#200の砥石にて切り込み深さ0.02mmで、焼結面から0.3mm除去した後に、サンドブラストにて#200のアルミナ砥粒を用いて粗面化を行ったものを、ダイヤモンド砥粒を用いてバフ研磨し、これを試料として用いた。面粗度は、JIS B0601(2001)の算術平均粗さを、東京精密製の表面粗度測定器SURFCOM1400Dを用いて測定を行った。測定は、試料の任意の位置を5回測定し、その平均値を面粗度とした。この測定の目的は、粗加工によって付けられた凹凸を小さくすることではなく、表面層を取り除くことであるため、粗加工により付けられた局部的な凹凸が除去できれば、大域的には粗さ曲線がうねっていることは問題ではないことから、測定条件は次のようにした。測定長さ0.4mm、カットオフは波長0.08mmでガウシアンを用い、測定速度0.15mm/秒、傾斜の補正には最小二乗直線補正を用いた。
(2)全反射率の測定
面粗度Raを測定した円柱状焼結体を、日立製作所製分光光度計U3210型を用いて、光波長を250nmから550nmに変化させ、反射光を積分球で捕集測定を行い、その範囲で最も大きな測定値を反射率とした。
面粗度Raを測定した円柱状焼結体を、日立製作所製分光光度計U3210型を用いて、光波長を250nmから550nmに変化させ、反射光を積分球で捕集測定を行い、その範囲で最も大きな測定値を反射率とした。
(3)平均結晶粒径の測定
面粗度の測定で使用した試料と同じものの平面部を鏡面仕上げし、焼結した温度より50℃低い温度で3時間サーマルエッチングした。走査型電子顕微鏡を用いてそのサンプルを観察し、任意の点5カ所で2000倍の写真を撮った。画像処理装置を用いて、撮影した写真の結晶粒子の平均円相当径を求めた。なお、一枚の写真当たり、10cm2以上の面積について平均円相当径を求め、5枚の写真の平均円相当径を平均結晶粒子径とした。
面粗度の測定で使用した試料と同じものの平面部を鏡面仕上げし、焼結した温度より50℃低い温度で3時間サーマルエッチングした。走査型電子顕微鏡を用いてそのサンプルを観察し、任意の点5カ所で2000倍の写真を撮った。画像処理装置を用いて、撮影した写真の結晶粒子の平均円相当径を求めた。なお、一枚の写真当たり、10cm2以上の面積について平均円相当径を求め、5枚の写真の平均円相当径を平均結晶粒子径とした。
(4)彩度の測定と再度指数b*と明度指数L*
厚み5mmの円柱状焼結体の両面を平面研削盤にて、#600の砥石を用いて研削加工し測定サンプルとした。測定装置は、株式会社ミノルタ社製の色差色彩測定装置CM−2002を用いた。測定は、入射光の一部がサンプルに吸収され、反射、散乱した残光を積分球で捕集、検出した。光源は、キセノンランプを使用し、積分球に設置された2個の分光器で測光し、400〜700nmの波長光を10nm単位で分光し、演算し、標準光源D65で観察視野2°の条件で測定された物体色としてm、その絶対値がL*a*b*表色系で求められる。本測定では、反射散乱光の全てを検出するSCI(Specular Component Include)モードで測定し、JIS規格の標準白色板を基準色とした。本測定方法は、JIS Z 8722(1982)およびJIS Z 8103(計測用語)、8105(1982)(色に関する用語)8120(1986)(光学用語)に定義されている。
厚み5mmの円柱状焼結体の両面を平面研削盤にて、#600の砥石を用いて研削加工し測定サンプルとした。測定装置は、株式会社ミノルタ社製の色差色彩測定装置CM−2002を用いた。測定は、入射光の一部がサンプルに吸収され、反射、散乱した残光を積分球で捕集、検出した。光源は、キセノンランプを使用し、積分球に設置された2個の分光器で測光し、400〜700nmの波長光を10nm単位で分光し、演算し、標準光源D65で観察視野2°の条件で測定された物体色としてm、その絶対値がL*a*b*表色系で求められる。本測定では、反射散乱光の全てを検出するSCI(Specular Component Include)モードで測定し、JIS規格の標準白色板を基準色とした。本測定方法は、JIS Z 8722(1982)およびJIS Z 8103(計測用語)、8105(1982)(色に関する用語)8120(1986)(光学用語)に定義されている。
(実施例1)
純度99.99%のαアルミナ粉末10kg、無機物としてFe2O3 350g、MnO 150g、イオン交換水(溶媒)30kg、酸化マグネシウム150g、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)50g、バインダーとしてポリビニルアルコールの10重量%溶液3000g、および可塑剤としてポリエチレングリコール#400 200gを、ボールミルにて、24時間湿式にて攪拌混合してスラリーを調製した。このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し、平均粒径60μmの顆粒を製作した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、成形圧1.0ton/cm2の荷重でラバープレス成形し、直径20mm、高さ10mmの円柱状成形体を製作した。次に、このようにして得られた円柱状成形体を、大気中で1600℃の温度で3時間焼結した。この焼結体を、円筒研削盤にて、直径15mm、平面研削盤にて、高さ5mmに加工を施し、この加工平面を、更に#200のアルミナ粒子にてサンドブラストを用いて粗面化加工を行った。この加工面について20μmのダイヤモンドパウダーを用いて布製バフで表面に光沢がでるまで加工を行った。このときの彩度指数b*は3.5で、明度指数L*は39であった。また面粗度Raは0.48μmであり、全反射率は11%であった。結果を表1に示す。この試験片の表面にレジスト膜を塗布した透明ガラス基板を載置してパターンを露光したところ、二重露光によるパターンの線切れ等の問題は起こすことなく、きれいな矩形断面のパターンを形成することができた。
純度99.99%のαアルミナ粉末10kg、無機物としてFe2O3 350g、MnO 150g、イオン交換水(溶媒)30kg、酸化マグネシウム150g、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)50g、バインダーとしてポリビニルアルコールの10重量%溶液3000g、および可塑剤としてポリエチレングリコール#400 200gを、ボールミルにて、24時間湿式にて攪拌混合してスラリーを調製した。このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し、平均粒径60μmの顆粒を製作した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、成形圧1.0ton/cm2の荷重でラバープレス成形し、直径20mm、高さ10mmの円柱状成形体を製作した。次に、このようにして得られた円柱状成形体を、大気中で1600℃の温度で3時間焼結した。この焼結体を、円筒研削盤にて、直径15mm、平面研削盤にて、高さ5mmに加工を施し、この加工平面を、更に#200のアルミナ粒子にてサンドブラストを用いて粗面化加工を行った。この加工面について20μmのダイヤモンドパウダーを用いて布製バフで表面に光沢がでるまで加工を行った。このときの彩度指数b*は3.5で、明度指数L*は39であった。また面粗度Raは0.48μmであり、全反射率は11%であった。結果を表1に示す。この試験片の表面にレジスト膜を塗布した透明ガラス基板を載置してパターンを露光したところ、二重露光によるパターンの線切れ等の問題は起こすことなく、きれいな矩形断面のパターンを形成することができた。
(実施例2)
実施例1で作成したサンプルを、更に6μmのダイヤモンドパウダーを用いて布製バフで加工を行った。この加工面の彩度指数b*は3.5、明度指数L*は32、面粗度Raは0.12μmであり、全反射率は6.5%であった。結果を表1に示す。この試験片の表面に透明ガラス基板を載置してパターンを露光したところ、二重露光によるパターンの線切れ等の問題は起こすことなく、きれいな矩形断面のパターンを形成することができた。
実施例1で作成したサンプルを、更に6μmのダイヤモンドパウダーを用いて布製バフで加工を行った。この加工面の彩度指数b*は3.5、明度指数L*は32、面粗度Raは0.12μmであり、全反射率は6.5%であった。結果を表1に示す。この試験片の表面に透明ガラス基板を載置してパターンを露光したところ、二重露光によるパターンの線切れ等の問題は起こすことなく、きれいな矩形断面のパターンを形成することができた。
(比較例1)
実施例2で作成したサンプルを、再度、#200のアルミナ粒子にてサンドブラストで粗面化加工を行った。このときの彩度指数b*は3.5、明度指数L*は41、面粗度Raは1.02μmであり、全反射率は15.5%であった。結果を表1に示す。
実施例2で作成したサンプルを、再度、#200のアルミナ粒子にてサンドブラストで粗面化加工を行った。このときの彩度指数b*は3.5、明度指数L*は41、面粗度Raは1.02μmであり、全反射率は15.5%であった。結果を表1に示す。
(比較例2)
純度99.99%のαアルミナ粉末10kg、無機物としてFe2O3 350g、CoO 150g、イオン交換水(溶媒)30kg、酸化マグネシウム150g、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)50g、バインダーとしてポリビニルアルコールの10重量%溶液3000g、および可塑剤としてポリエチレングリコール#400 200gを、ボールミルにて24時間湿式にて攪拌混合してスラリーを調製した。このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し、平均粒径50μmの顆粒を製作した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、成形圧1.0ton/cm2の荷重でラバープレス成形し、直径20mm、高さ10mmの円柱状成形体を製作した。次に、このようにして得られた円柱状成形体を大気中で1600℃の温度で3時間焼結した。この焼結体を、円筒研削盤にて、直径15mm、平面研削盤にて、高さ5mmに加工を施し、この加工平面を、更に#200のアルミナ粒子にてサンドブラストを用いて粗面化加工を行った。この加工面について20μmのダイヤモンドパウダーを用いて布製バフで加工を行い、更に6μmのダイヤモンドパウダーで仕上げのバフ研磨を行った。このときの彩度指数b*は−4.2、明度指数L*は48、面粗度Raは0.32μmであり、全反射率は17.8%であった。結果を表1に示す。
純度99.99%のαアルミナ粉末10kg、無機物としてFe2O3 350g、CoO 150g、イオン交換水(溶媒)30kg、酸化マグネシウム150g、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)50g、バインダーとしてポリビニルアルコールの10重量%溶液3000g、および可塑剤としてポリエチレングリコール#400 200gを、ボールミルにて24時間湿式にて攪拌混合してスラリーを調製した。このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し、平均粒径50μmの顆粒を製作した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、成形圧1.0ton/cm2の荷重でラバープレス成形し、直径20mm、高さ10mmの円柱状成形体を製作した。次に、このようにして得られた円柱状成形体を大気中で1600℃の温度で3時間焼結した。この焼結体を、円筒研削盤にて、直径15mm、平面研削盤にて、高さ5mmに加工を施し、この加工平面を、更に#200のアルミナ粒子にてサンドブラストを用いて粗面化加工を行った。この加工面について20μmのダイヤモンドパウダーを用いて布製バフで加工を行い、更に6μmのダイヤモンドパウダーで仕上げのバフ研磨を行った。このときの彩度指数b*は−4.2、明度指数L*は48、面粗度Raは0.32μmであり、全反射率は17.8%であった。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で成形したものと同様の円柱状成形体について、真空中にて1550℃の温度で3時間焼結をした。このようにして得られた焼結体を円筒研削盤にて、直径15mm、平面研削盤にて高さ5mmに加工を施し、この加工平面を、更に#200のアルミナ粒子にてサンドブラストで粗面化加工を施した。この面を20μmのダイヤモンドパウダーを用いてバフ加工を行った。この加工面の彩度指数b*は2.7、明度指数L*は45、面粗度Raは0.52であり、反射率は9.2であった。結果を表1に示す。この試験片の表面にレジスト膜を塗布した透明ガラス基板を載置しパターンを露光したところ、二重露光によるパターンの線切れ等の問題は起こすことなく、きれいな矩形断面のパターンを形成することができた。
実施例1で成形したものと同様の円柱状成形体について、真空中にて1550℃の温度で3時間焼結をした。このようにして得られた焼結体を円筒研削盤にて、直径15mm、平面研削盤にて高さ5mmに加工を施し、この加工平面を、更に#200のアルミナ粒子にてサンドブラストで粗面化加工を施した。この面を20μmのダイヤモンドパウダーを用いてバフ加工を行った。この加工面の彩度指数b*は2.7、明度指数L*は45、面粗度Raは0.52であり、反射率は9.2であった。結果を表1に示す。この試験片の表面にレジスト膜を塗布した透明ガラス基板を載置しパターンを露光したところ、二重露光によるパターンの線切れ等の問題は起こすことなく、きれいな矩形断面のパターンを形成することができた。
(比較例3)
純度99.99%のαアルミナ粉末10kg、イオン交換水(溶媒)30kg、酸化マグネシウム150g、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)50g、バインダーとしてポリビニルアルコールの10重量%溶液3000g、および可塑剤としてポリエチレングリコール#400 200gを、ボールミルにて24時間湿式にて攪拌混合してスラリーを調製した。このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し、平均粒径60μmの顆粒を製作した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、成形圧1.0ton/cm2の荷重でラバープレス成形し、直径20mm、高さ10mmの円柱状成形体を製作した。次に、このようにして得られた円柱状成形体を大気中で1600℃の温度で3時間焼結した。このようにして得られた焼結体を、円筒研削盤にて、直径15mm、平面研削盤にて、高さ5mmに加工を施し、この加工平面を、更に#200のアルミナ粒子にてサンドブラストを用いて粗面化加工を行った。この加工面について20μmのダイヤモンドパウダーを用いて布製バフで加工を行い、更に6μmのダイヤモンドパウダーで仕上げのバフ研磨を行った。このときの彩度指数b*は4.8、明度指数L*は91、面粗度Raは0.18μmであり、全反射率は83.2%であった。結果を表1に示す。この試験片に実施例1と同様にレジスト膜を塗布した透明ガラス基板を載置してパターン露光を行ったところ、二重露光によりパターンが痩せて線切れを起こしてしまった。
純度99.99%のαアルミナ粉末10kg、イオン交換水(溶媒)30kg、酸化マグネシウム150g、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)50g、バインダーとしてポリビニルアルコールの10重量%溶液3000g、および可塑剤としてポリエチレングリコール#400 200gを、ボールミルにて24時間湿式にて攪拌混合してスラリーを調製した。このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し、平均粒径60μmの顆粒を製作した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、成形圧1.0ton/cm2の荷重でラバープレス成形し、直径20mm、高さ10mmの円柱状成形体を製作した。次に、このようにして得られた円柱状成形体を大気中で1600℃の温度で3時間焼結した。このようにして得られた焼結体を、円筒研削盤にて、直径15mm、平面研削盤にて、高さ5mmに加工を施し、この加工平面を、更に#200のアルミナ粒子にてサンドブラストを用いて粗面化加工を行った。この加工面について20μmのダイヤモンドパウダーを用いて布製バフで加工を行い、更に6μmのダイヤモンドパウダーで仕上げのバフ研磨を行った。このときの彩度指数b*は4.8、明度指数L*は91、面粗度Raは0.18μmであり、全反射率は83.2%であった。結果を表1に示す。この試験片に実施例1と同様にレジスト膜を塗布した透明ガラス基板を載置してパターン露光を行ったところ、二重露光によりパターンが痩せて線切れを起こしてしまった。
本発明の露光処理用基板保持盤は、電子部品、半導体製造装置用部品、液晶製造装置用部品および各種測定装置等の精密部材として有用であり、特に、半導体素子や液晶ディスプレイを製造するための露光装置等に好適に用いられる。
Claims (7)
- 少なくとも基板保持側表面がセラミックスからなり、該基板保持側表面の彩度指数b*がプラスであり、明度指数L*が70以下で、かつ面粗度Raが0.6μm以下であることを特徴とする露光処理用基板保持盤。
- 基板保持側表面の光波長250〜550nmの範囲における全反射率が13%以下であることを特徴とする請求項1記載の露光処理用基板保持盤。
- 少なくとも基板の保持側表面を構成するセラミックスの結晶粒径が3μm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の露光処理用基板保持盤。
- セラミックスの主成分が、炭化硅素またはアルミナであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の露光処理用基板保持盤。
- Fe2O3、Mn2O3、Cr2O3、CoO、TiO2、CuO、NiO、TiC、SiCおよびCからなる群から選ばれた少なくとも1つの添加物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の露光処理用基板保持盤。
- 基板保持盤に載置される基板は、照明光が照射される基板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の露光処理用基板保持盤。
- 少なくとも基板保持側となる表面が、彩度指数b*がプラスであるセラミックスからなる母材に基板保持パターンを加工した後、その加工面を遊離砥粒を用いて研磨することを特徴とする露光処理用基板保持盤の製造方法。
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