JP2006206975A - 焼結ギヤ部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 焼結後の矯正や熱処理後の後加工を不要とできる焼結ギヤ部材の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 圧粉体21の成形工程及び焼結圧粉体に熱処理を施す熱処理工程を経て、上面23bに複数の歯部25が整列状態に形成された焼結ギヤ部材を製造する方法であって、成形工程において、圧粉体21の全体は、歯部25のピッチ線が曲率半径R1の凹円弧状C1を為すように湾曲して成形される。
【選択図】 図2
【解決手段】 圧粉体21の成形工程及び焼結圧粉体に熱処理を施す熱処理工程を経て、上面23bに複数の歯部25が整列状態に形成された焼結ギヤ部材を製造する方法であって、成形工程において、圧粉体21の全体は、歯部25のピッチ線が曲率半径R1の凹円弧状C1を為すように湾曲して成形される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複数の歯部が整列状態に形成されたギヤ部材を焼結により製造するのに好適な方法に関する。
例えばラックのような、一の面に複数の歯部が整列状態に形成されたギヤ部材は、このギヤ部材と組み合わせられる被動部材を歯部の整列方向に進退自在に駆動するための各種装置に広く用いられている。
図7は、焼結により製造されたラックの一例であって、このラック101はその本体103が、略平坦状に形成された底面103aと、この底面103aに対向する上面103bとを備えた略直方体状に形成されており、上面103b側に複数の歯部105が長手方向に亘って整列して形成されている。
図7は、焼結により製造されたラックの一例であって、このラック101はその本体103が、略平坦状に形成された底面103aと、この底面103aに対向する上面103bとを備えた略直方体状に形成されており、上面103b側に複数の歯部105が長手方向に亘って整列して形成されている。
このようなラック101が従来の方法により製造される様子を図8に基づいて説明すると、まず、図8(a)に示されるように、図示しない成形金型を用いて原料粉末を加圧成形する成形工程を経て圧粉体121が製作される。
この圧粉体121は、その本体123の略平坦状に形成された底面123aに対向する上面123b側に、複数の歯部125が長手方向に亘って整列して形成されるものである。
次に、圧粉体121は、図示しない焼結炉に投入されて焼結される焼結工程に供給され、焼結圧粉体141が製作される(図8(b)参照)。
このとき、図8(b)に示されるように、焼結圧粉体141の本体143の底面143a側と、歯部145が形成された上面143b側との表面積が相違すると共に体積膨張量も異なるため、焼結圧粉体141は、上面143b側を凸とする湾曲変形を生じる。
この圧粉体121は、その本体123の略平坦状に形成された底面123aに対向する上面123b側に、複数の歯部125が長手方向に亘って整列して形成されるものである。
次に、圧粉体121は、図示しない焼結炉に投入されて焼結される焼結工程に供給され、焼結圧粉体141が製作される(図8(b)参照)。
このとき、図8(b)に示されるように、焼結圧粉体141の本体143の底面143a側と、歯部145が形成された上面143b側との表面積が相違すると共に体積膨張量も異なるため、焼結圧粉体141は、上面143b側を凸とする湾曲変形を生じる。
このため、焼結圧粉体141に焼き入れ・焼き戻し等の熱処理を行って熱処理圧粉体181を製作する熱処理工程に先立ち、図8(c)に示されるように、焼結圧粉体141を、上面143bから底面143aに向かうA方向に押圧する矯正工程を設けて矯正圧粉体161を製作することが一般に行われる。
そして、この矯正工程により、焼結工程で生じた湾曲変形がある程度矯正された後に、矯正圧粉体161が熱処理工程に投入される。
そして、この矯正工程により、焼結工程で生じた湾曲変形がある程度矯正された後に、矯正圧粉体161が熱処理工程に投入される。
ところが上記のような製造方法においては、焼結工程で生じた湾曲変形は、一旦は矯正工程によりある程度矯正されるものの、A方向にかなり大きな力で加圧されるため、矯正圧粉体161の内部に高い残留応力を生じてしまう。
従って、矯正圧粉体161を図示しない熱処理炉に投入して熱処理工程に供した場合、図8(d)に示されるように、前記残留応力の影響により、熱処理圧粉体181が、本体183の上面183b側を凸として再び大きく湾曲変形されてしまう。
従って、矯正圧粉体161を図示しない熱処理炉に投入して熱処理工程に供した場合、図8(d)に示されるように、前記残留応力の影響により、熱処理圧粉体181が、本体183の上面183b側を凸として再び大きく湾曲変形されてしまう。
このように湾曲変形された熱処理圧粉体181を、後加工を施さないまま被動部材と組み合わせてしまうと、熱処理圧粉体181の歯部185と、被動部材の歯部との噛み合いが不十分となり、異音を発生したり、歯部185が早期に摩耗・破損してしまうといった不都合を生じる。
このため、従来は、熱処理圧粉体181に切削等の後加工を施して図7に示されるようなラック101を製造していたのが実状であった。
このため、従来は、熱処理圧粉体181に切削等の後加工を施して図7に示されるようなラック101を製造していたのが実状であった。
しかし、熱処理圧粉体181の湾曲変形を切削等の後加工により修正することは、加工自体が困難であることはもとより、製造コストの大幅な増大も招来することとなる。
上述したような変形を低減するため、例えば特許文献1にあっては、端面部に歯部を有する焼結ギヤ部材を製作する場合に、フランジ部端面に歯部を有する焼結ギヤ部材の裏端面に、焼結ギヤ部材を使用する際に相手歯車と噛み合うことがない裏面歯部を設け、その裏面歯部を歯部の歯形とほぼ相似形とし、且つ歯部の歯先面と裏面歯部の歯底面を互いに対向させた焼結ギヤ部材の製造方法も提案されている。
特開2002−5266号公報
上述したような変形を低減するため、例えば特許文献1にあっては、端面部に歯部を有する焼結ギヤ部材を製作する場合に、フランジ部端面に歯部を有する焼結ギヤ部材の裏端面に、焼結ギヤ部材を使用する際に相手歯車と噛み合うことがない裏面歯部を設け、その裏面歯部を歯部の歯形とほぼ相似形とし、且つ歯部の歯先面と裏面歯部の歯底面を互いに対向させた焼結ギヤ部材の製造方法も提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている製造方法においては、焼結ギヤ部材の機能には全く寄与しない裏面歯部を裏端面に設けるため、成形金型が複雑とならざるを得ず、製造コストの増大を回避することが困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、焼結後の矯正工程で圧粉体内部に生じる残留応力を低減できると共に、熱処理後の切削等の後加工を不要とできる焼結ギヤ部材の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、焼結後の矯正工程で圧粉体内部に生じる残留応力を低減できると共に、熱処理後の切削等の後加工を不要とできる焼結ギヤ部材の製造方法を提供することを目的としている。
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、請求項1記載の焼結ギヤ部材の製造方法は、圧粉体の成形工程及び焼結後の圧粉体に熱処理を施す熱処理工程を経て、一の面に複数の歯部が整列状態に形成された焼結ギヤ部材を製造する方法であって、前記成形工程は、前記歯部のピッチ線を曲率半径R1の凹円弧状となるように前記圧粉体の全体を湾曲させて成形することを特徴とするものである。
また、前記曲率半径R1は、前記圧粉体が前記熱処理工程を施されるまでの間での、前記圧粉体の前記歯部の整列方向の中央における曲率半径方向の変形量に基づいて決定されることが望ましい(請求項2)。
また、前記曲率半径R1は、前記圧粉体が前記熱処理工程を施されるまでの間での、前記圧粉体の前記歯部の整列方向の中央における曲率半径方向の変形量に基づいて決定されることが望ましい(請求項2)。
請求項1記載の発明によると、成形工程により製作される圧粉体は、歯部のピッチ線が、予め、曲率半径R1をもって、その後の焼結工程及び熱処理工程による変形方向と逆方向の凹円弧状に成形されるので、焼結工程及び熱処理工程による湾曲変形が相殺され得ると共に、焼結後の矯正が軽度なもので足りるので、圧粉体内部の残留応力が低減され得る。
また、請求項2記載の発明によると、成形工程により得られた圧粉体に焼結工程及び熱処理工程を施される間の変形量を実験により求め、この得られた変形量に基づいて曲率半径R1を決定すれば、焼結工程及び熱処理工程による湾曲変形が精度良く相殺され得ると共に、焼結後の矯正を一層軽度にすることができるので、圧粉体内部の残留応力が更に低減され得る。
また、請求項2記載の発明によると、成形工程により得られた圧粉体に焼結工程及び熱処理工程を施される間の変形量を実験により求め、この得られた変形量に基づいて曲率半径R1を決定すれば、焼結工程及び熱処理工程による湾曲変形が精度良く相殺され得ると共に、焼結後の矯正を一層軽度にすることができるので、圧粉体内部の残留応力が更に低減され得る。
本発明に係る焼結ギヤ部材の製造方法によれば、焼結工程及び熱処理工程における変形を相殺することが可能となるので、焼結後の矯正による残留応力を著しく低減できると共に、熱処理後の切削等の後加工が不要となり、製造コストを著しく低減することができる。
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態により製造されたラック1(焼結ギヤ部材)を示すものであり、このラック1は、本体3が、略平坦状に形成された底面3aと、この底面3aに対向する上面3bとを備えた略直方体状に形成されると共に、上面3b側に複数の歯部5が長手方向に亘って整列して形成されている。
図1は、本実施形態により製造されたラック1(焼結ギヤ部材)を示すものであり、このラック1は、本体3が、略平坦状に形成された底面3aと、この底面3aに対向する上面3bとを備えた略直方体状に形成されると共に、上面3b側に複数の歯部5が長手方向に亘って整列して形成されている。
このラック1は、本実施の形態においては、以下のように製作される。
まず、図2に示されるように、図示しない成形金型を用いて原料粉末を加圧成形する成形工程を経て圧粉体21が製作される。
この圧粉体21は、その本体23の底面23aに対向する上面23b側に、複数の歯部25が長手方向に亘って整列して形成されるが、複数の歯部25のピッチ線が、上面23bを凹側とする曲率半径R1の円弧C1を為すように成形される点が、従来の製造方法と大きく相違している。
まず、図2に示されるように、図示しない成形金型を用いて原料粉末を加圧成形する成形工程を経て圧粉体21が製作される。
この圧粉体21は、その本体23の底面23aに対向する上面23b側に、複数の歯部25が長手方向に亘って整列して形成されるが、複数の歯部25のピッチ線が、上面23bを凹側とする曲率半径R1の円弧C1を為すように成形される点が、従来の製造方法と大きく相違している。
ここで、曲率半径R1は、上面23bの中央から歯部25のピッチ線の両端点を結ぶ線までの距離がD1となるように決定される。
なお、D1は、後に詳述するように、図8(a)における圧粉体121が焼結工程及び熱処理工程を施される間に生じる変形量に基づいて決定される。
なお、D1は、後に詳述するように、図8(a)における圧粉体121が焼結工程及び熱処理工程を施される間に生じる変形量に基づいて決定される。
次に、圧粉体21は、図示しない焼結炉に投入されて焼結される焼結工程に供給され、焼結圧粉体41が製作される。
このとき、図3に示されるように、焼結圧粉体41の本体43の底面43a側と、歯部45が形成された上面43b側との表面積が相違すると共に体積膨張量も異なるため、これら底面43aと上面43bとは依然として円弧状を為すものの、焼結圧粉体41は、図2におけるD1が小さくなる方向に変形される。
すなわち、焼結圧粉体41の複数の歯部45のピッチ線は、上面43bを凹側とし、R1よりも大きな曲率半径R2を有する円弧C2を為し、この結果、上面43bの中央から歯部45のピッチ線の両端点を結ぶ線までの距離は、D1よりも小さいD2となる。
このとき、図3に示されるように、焼結圧粉体41の本体43の底面43a側と、歯部45が形成された上面43b側との表面積が相違すると共に体積膨張量も異なるため、これら底面43aと上面43bとは依然として円弧状を為すものの、焼結圧粉体41は、図2におけるD1が小さくなる方向に変形される。
すなわち、焼結圧粉体41の複数の歯部45のピッチ線は、上面43bを凹側とし、R1よりも大きな曲率半径R2を有する円弧C2を為し、この結果、上面43bの中央から歯部45のピッチ線の両端点を結ぶ線までの距離は、D1よりも小さいD2となる。
次に、焼結圧粉体41には、サイジング・コイニング等の矯正工程が施され、図4に示されるような矯正圧粉体61が製作される。
但し、本実施の形態における矯正工程で焼結圧粉体41に加えられる加圧力は、前述した従来の製造方法における矯正工程で焼結圧粉体141の湾曲変形を矯正するために加えられる加圧力に比較すると極めて小さなものであり、焼結圧粉体41の湾曲量までも矯正しようとするものではないため、矯正圧粉体61の複数の歯部65のピッチ線は、曲率半径R2とほぼ等しい曲率半径R3を有する円弧C3を為し、上面63bの中央から歯部65のピッチ線の両端点を結ぶ線までの距離D3も、図3におけるD2から殆ど変化しないで維持される。
従って、矯正圧粉体61の内部の残留応力は、図8(c)に示される矯正圧粉体161の残留応力に比べて非常に低くなっている。
但し、本実施の形態における矯正工程で焼結圧粉体41に加えられる加圧力は、前述した従来の製造方法における矯正工程で焼結圧粉体141の湾曲変形を矯正するために加えられる加圧力に比較すると極めて小さなものであり、焼結圧粉体41の湾曲量までも矯正しようとするものではないため、矯正圧粉体61の複数の歯部65のピッチ線は、曲率半径R2とほぼ等しい曲率半径R3を有する円弧C3を為し、上面63bの中央から歯部65のピッチ線の両端点を結ぶ線までの距離D3も、図3におけるD2から殆ど変化しないで維持される。
従って、矯正圧粉体61の内部の残留応力は、図8(c)に示される矯正圧粉体161の残留応力に比べて非常に低くなっている。
そして、矯正圧粉体61は、図示しない熱処理炉に投入され、焼き入れ・焼き戻し等を行う熱処理工程に供されて熱処理圧粉体81が製作される。
このとき、熱処理圧粉体81の本体83の底面83a側と、歯部85が形成された上面83b側との表面積が相違すると共に体積膨張量も異なるため、熱処理圧粉体81は、図4におけるD2が更に小さくなる方向に変形され、この結果、図5に示されるように、熱処理圧粉体81の底面83a及び上面83bは共にほぼ平坦面となる。
このとき、熱処理圧粉体81の本体83の底面83a側と、歯部85が形成された上面83b側との表面積が相違すると共に体積膨張量も異なるため、熱処理圧粉体81は、図4におけるD2が更に小さくなる方向に変形され、この結果、図5に示されるように、熱処理圧粉体81の底面83a及び上面83bは共にほぼ平坦面となる。
ここで、本発明の効果を確認するために行った検証実験の結果について説明する。
この検証実験により製作されたラック1の主要諸元は、以下の通りである(図1参照)。
長手方向の幅W: 124mm
歯部5の数: 38
歯部5のモジュール: 1.0
歯部5の圧力角: 20°
底面3aから歯部5の歯先までの高さt1:14.8mm
底面3aから歯部5の歯底までの高さt2:12.5mm
この検証実験により製作されたラック1の主要諸元は、以下の通りである(図1参照)。
長手方向の幅W: 124mm
歯部5の数: 38
歯部5のモジュール: 1.0
歯部5の圧力角: 20°
底面3aから歯部5の歯先までの高さt1:14.8mm
底面3aから歯部5の歯底までの高さt2:12.5mm
まず比較例として図8(a)に示されるような圧粉体121を100個製作し、この圧粉体121に、焼結工程及び熱処理工程を施して熱処理圧粉体181を得た(なお、矯正工程は行っていない。)。
得られた熱処理圧粉体181は、図6に示されるように、本体183の上面183b側を凸として湾曲変形されており、この底面183aの最下部から底面183aの中央までの高さD101の30個の平均値は0.26mmであった。
得られた熱処理圧粉体181は、図6に示されるように、本体183の上面183b側を凸として湾曲変形されており、この底面183aの最下部から底面183aの中央までの高さD101の30個の平均値は0.26mmであった。
次に、実施例として図2に示されるような圧粉体21を300個製作した。
この際、図2におけるD1の値を、上述したD101の値(0.26mm)に一致させるべく、成形金型は、D1の値が0.30mmとなるように設計した。
これは、圧粉体21を成形金型から離型した際のスプリングバック量を0.04mm見込んだからである。
この際、図2におけるD1の値を、上述したD101の値(0.26mm)に一致させるべく、成形金型は、D1の値が0.30mmとなるように設計した。
これは、圧粉体21を成形金型から離型した際のスプリングバック量を0.04mm見込んだからである。
そして、成形工程、焼結工程、矯正工程及び焼き入れ工程を順次経て、300個の熱処理圧粉体81を得る過程で、図2における圧粉体21のD1及びR1の平均値、図3における焼結圧粉体41のD2の平均値、図4における矯正圧粉体61のD3の平均値をそれぞれ測定したところ、
D1の平均値:0.26mm
R1の平均値:6324.8mm
D2の平均値:0.15mm
D3の平均値:0.15mm
が得られ、スプリングバック量として0.04mmが妥当であることと共に、D2とD3との間に変化は生じないことが確認できた。
D1の平均値:0.26mm
R1の平均値:6324.8mm
D2の平均値:0.15mm
D3の平均値:0.15mm
が得られ、スプリングバック量として0.04mmが妥当であることと共に、D2とD3との間に変化は生じないことが確認できた。
また、得られた熱処理圧粉体81の本体83の底面83a及び上面83bは共にほぼ平坦面となり、特に切削等の後加工を施さなくても、この熱処理圧粉体81をラック1として用いる上で、実用上、問題のないレベルであることが確認できた。
以上説明した通り、本実施の形態によれば、成形工程を経て製作される圧粉体21は、歯部25のピッチ線が、予め求められた変形量D101に基づいて決定された曲率半径R1をもって、その後の焼結工程及び熱処理工程による変形方向と逆方向の凹円弧C1を為すように成形されるので、焼結工程及び熱処理工程による湾曲変形を精度良く相殺することができる。
従って、焼結後の矯正が軽度なもので足りるので、矯正圧粉体61の内部の残留応力を大幅に低減できると共に、熱処理後の切削等の後加工が不要となり、ラック1の製造コストを著しく低減することが可能となる。
従って、焼結後の矯正が軽度なもので足りるので、矯正圧粉体61の内部の残留応力を大幅に低減できると共に、熱処理後の切削等の後加工が不要となり、ラック1の製造コストを著しく低減することが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能なものである。
具体的には、本発明は、ラックに限らず、傘歯車やハイポイドギヤ等のように、端面部に歯部を備えた焼結歯車であれば適用することが可能である。
具体的には、本発明は、ラックに限らず、傘歯車やハイポイドギヤ等のように、端面部に歯部を備えた焼結歯車であれば適用することが可能である。
焼結後の矯正工程で圧粉体内部に生じる残留応力を低減できると共に、熱処理後の切削等の後加工を不要とできる焼結ギヤ部材の製造方法を提供できる。
1 ラック(焼結ギヤ部材) 21 圧粉体 23a 圧粉体21の底面 23b 圧粉体21の上面 25 圧粉体21の歯部 41 焼結圧粉体 61 矯正圧粉体 81 熱処理圧粉体 C1 歯部25のピッチ線が為す円弧 D1 上面23bの中央から歯部25のピッチ線の両端点を結ぶ線までの距離 D2 焼結圧粉体41の上面43bの中央から歯部45のピッチ線の両端点を結ぶ線までの距離 D3 矯正圧粉体の上面63bの中央から歯部65のピッチ線の両端点を結ぶ線までの距離 R1 円弧C1の曲率半径
Claims (2)
- 圧粉体の成形工程及び焼結後の圧粉体に熱処理を施す熱処理工程を経て、一の面に複数の歯部が整列状態に形成された焼結ギヤ部材を製造する方法であって、
前記成形工程は、前記歯部のピッチ線を曲率半径R1の凹円弧状となるように前記圧粉体の全体を湾曲させて成形することを特徴とする焼結ギヤ部材の製造方法。 - 前記曲率半径R1は、前記圧粉体が前記熱処理工程を施されるまでの間での、前記圧粉体の前記歯部の整列方向の中央における曲率半径方向の変形量に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の焼結ギヤ部材の製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010502844A (ja) * | 2006-09-12 | 2010-01-28 | ミーバ ジンター オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 非円形の歯付きベルトプーリ又はスプロケットを製造するための方法 |
JP2012115863A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-21 | Toyota Motor Corp | 円板部材の製造方法およびサイジング金型 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2064425B1 (de) * | 2006-09-12 | 2018-10-24 | Miba Sinter Austria GmbH | Verfahren zur herstellung von unrunden zahnriemenrädern oder kettenrädern |
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