JP2006202171A - 保守費配分システム及び保守費配分方法 - Google Patents

保守費配分システム及び保守費配分方法 Download PDF

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徳幸 薗田
Hiroyuki Koubu
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Abstract

【課題】 複数のプラントに対して保守費用を的確に求めて配分できる保守費配分システムを提供する。
【解決手段】 プラント毎の保守割合と保守費との関係をする把握手段と、把握手段で把握した保守割合と保守費との関係に基づいて複数のプラント全体の運用として支障を与えない状態の故障率の保守費を各プラントに対して全体の保守費の範囲内で導出する保守費導出手段とを備え、プラント毎に保守費の割合に対する保守割合、即ち保守を行った頻度を把握し、保守費と保守を行う頻度の関係を予測して、プラント全体の運用として支障を与えない状態の各プラントの保守費を全体の保守費の範囲内で導出する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数のプラントに対して保守費を配分するシステム及び方法に関し、特に、複数の発電プラントにより電力を供給する際に限られた保守費で電力の供給に支障が生じないようにしたものである。
電力会社は、形態の異なる複数の発電所(発電プラント)により発電を行って電力の需要に対処しているのが一般的である。例えば、ガスタービンによる火力や水力、原子力の発電所をベースの電力源として運転し、石炭や天然ガスを燃料とした火力の発電所の運転の負荷を変動させて需要に応じた発電を実施している。また、運用形態も様々であり、毎日運転、所定周期毎の運転、季節的な運転等がある。
発電プラントには様々な機器があり保守点検は不可欠なものであり、定期点検や自主的な点検等が常に行われている。通常保守費は、プラント毎に予算を計上し、全体の予算を積み上げて電力会社全体の保守費を算出するようになっている。各発電プラントの機器は、停止したときのリスクや過去の保守状況による故障予測により保守点検予算(保守費)が決められ、プラント毎に適正な保守計画が作成されている(例えば、下記特許文献1、2参照)。
電力会社では、複数の発電プラントに対して全体の保守費の総予算が予め決められているため、プラント毎に計上された予算の合計が全体の保守費を超えることが考えられる。このような場合は、個々の案件について保守の妥当性を再検討したり点検の優先度を個々に検討する等して予算の範囲で保守点検が行えるようにしている。
このように、発電所における保守費の配分はその時の事情や状況によって変更されるものであり、電力会社全体としてのシステムは確立されていないのが実情である。
特開2002−123314号公報 特開2003−99119号公報
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、複数のプラントに対して保守費を的確に配分することができる保守費配分システム及び保守費配分方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、複数のプラントに対して保守費を配分する保守費配分システムであって、プラント毎の保守割合と保守費との関係を把握する把握手段と、把握手段で把握した保守割合と保守費との関係に基づいて複数のプラント全体の運用として支障を与えない状態にする所望状態の保守費を各プラントに対して全体の保守費の範囲内で導出する保守費導出手段とを備えたことを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第1の態様では、プラント毎に保守費の割合に対する保守割合、即ち保守を行った頻度を把握し、保守費と保守を行う頻度の関係を予測して、プラント全体の運用として支障を与えない状態の各プラントの保守費を全体の保守費の範囲内で導出するので、複数のプラントに対して保守費を的確に求めて配分できるようになる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、保守費導出手段には、導出された保守費を複数のプラントに配分する機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第2の態様では、的確に求められた各プラントの保守費を配分することができる。
本発明の第3の態様は、第1または2の態様において、複数のプラント全体として運用に支障を与えない状態にする所望状態は、各プラントの運転停止のリスクを加味して全体として運用に支障を与えない状態であることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第3の態様では、運転停止のリスクを加味した状態で保守費を的確に求めて配分することができる。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、保守費導出手段には、プラントの運用状態、プラントの運用形態、プラントを構成する機器の形態を加味してリスクを求める機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第4の態様では、プラントの運用状態、プラントの運用形態、プラントを構成する機器の形態に基づいてリスクを求めることができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4のいずれかの態様において、保守割合と保守費との関係は、故障割合と保守費との関係であることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第5の態様では、保守費に応じた故障割合を基に的確な保守費を導出して配分することができる。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、保守費導出手段には、故障割合と保守費との関係により保守費と運転停止のリスクの関係を求める機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第6の態様では、保守費に応じた故障割合を基に運転停止のリスクを求め的確な保守費を導出して配分することができる。
本発明の第7の態様は、第5または6の態様において、プラントの故障率は、プラントを構成する機器の故障率を積算して求められることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第7の態様では、プラントを構成する機器の故障率を基に的確な保守費を導出して配分することができる。
本発明の第8の態様は、第5〜7のいずれかの態様において、プラントの故障割合には最大限の割合が予め決められていることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第8の態様では、故障率の最大限の割合が規定され、所望の割合以下の故障率に維持する保守費を導出することができる。
本発明の第9の態様は、第8の態様において、保守費導出手段には、保守費を導出する過程でプラントの故障割合が予め定められた最大限の割合を越えた際には条件を変えて故障割合と保守費との関係を導出する機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第9の態様では、保守費を導出する過程で所望の割合以下の故障率に維持するように保守費を導出することができる。
本発明の第10の態様は、第1〜9のいずれかの態様において、プラントは発電設備であり、プラントを構成する機器は発電所の機器であることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第10の態様では、発電プラントの保守費を的確に導出して配分することができる。
本発明の第11の態様は、第10の態様において、発電所の運用状態は、連続運転用、断続運転用、時期可変運転用に分けられると共に、発電所の運用形態は、ベース電力用、補助発電用、ピーク時発電用とに分けられ、保守費導出手段には、運用状態及び運用形態に応じて運転停止のリスクを加味し、保守割合と保守費との関係を導出する機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第11の態様では、運転状態として連続運転用、断続運転用、時期可変運転用に分けてリスクが求められると共に、運用形態として、ベース電力用、補助発電用、ピーク時発電用とに分けてリスクが求められ、運用状態及び運用形態に応じて運転停止のリスクを加味して保守割合と保守費との関係をもとめ、複数の発電所の全体で的確な保守費を導出して各発電所に配分することができる。
本発明の第12の態様は、第11の態様において、保守費導出手段には、運転停止のリスクは、保守が終了する都度運転停止のリスクを変更する機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システムにある。
かかる第12の態様では、保守の履歴によりリスクを変更して常に最新の情報に基づいて保守費を導出して配分することができる。
上記課題を解決する本発明の第13の態様は、複数のプラントに対して保守費を配分する保守費配分方法であって、プラント毎に保守費に対する故障率の割合の相関を求め、プラント全体での故障率が最小となる状態のプラント毎の保守費を求め、プラント全体の保守費の範囲内でプラント毎に保守費を配分することを特徴とする保守費配分方法にある。
かかる第13の態様では、プラント毎に保守費の割合に対する保守割合、即ち保守を行った頻度を把握し、保守費と保守を行う頻度の関係を予測して、プラント全体での故障率が最小となる状態のプラント毎の保守費を全体の保守費の範囲内で導出して配分するので、複数のプラントに対して保守費を的確に求めて配分できるようになる。
本発明の第14の態様は、第13の態様において、保守費に対する故障率の相関は、プラント毎の運転停止のリスクが加味されていることを特徴とする保守費配分方法にある。
かかる第14の態様では、プラント毎の運転停止のリスクを加味して複数のプラントに対して保守費を的確に求めて配分できるようになる。
本発明によれば、複数のプラントに対して保守費を的確に求めて配分できる保守費配分システム及び保守費配分方法とすることが可能になる。
本願発明は、複数の発電所(発電プラント)を有する電力会社で、電力会社全体の保守費を複数の発電プラントに対して配分する保守費配分システムである。各発電プラントにおける機器の過去の保守履歴と故障実績に基づいて機器毎に寿命や停止した時のリスクを予測し、機器毎の寿命やリスクの管理を発電プラント毎に行い、発電プラントが停止した時のリスクを加味して発電プラントにおける故障率と補修費との相関を把握する。つまり、過去の保守履歴から保守費をどの程度かけると、故障が発生する率がどの程度低下して運転に支障を与えないか、といった関係を発電プラント毎に把握し、電力会社として保守費をどの発電プラントにどれくらいの額で配分したら運転停止のリスクが少なく(電力の供給に支障をきたすことなく)できるかをシステム化して的確な予算配分を行うものである。
リスクは、発電プラントが連続運転用であるか、断続運転用であるか、時期可変運転用であるか等に分けて求められると共に、ベース電力用であるか、補助発電用であるか、ピーク時発電用であるか等に分けて求められる。各発電プラントの保守管理システム・定期点検記録システム・運転データ等から発電プラント個々の機器の状態を把握し、故障時の影響などをデータ化してリスクの評価を行う。更に、個々の機器から発電プラント全体のリスク評価を行う。この発電プラント全体のリスク評価と故障率と保守費との相関から定義した故障回復率により、限定した予算枠に収まり、且つ故障率の回復が最大となるように保守費を複数の発電プラントに最適に配分するものである。
具体的には、電力会社全体の複数の発電プラント、または、個々の発電プラントの保守費と運用リスクを定量的に評価し、低廉な保守コストと低い運用リスクが同時に実現できる最適な保守計画を導出する。
各発電プラントでは、リスクを対応づけて保守の状況をデータベース化したもの(リスクベースメンテナンス:RBM)が把握されている。RBMの評価の結果、設備保守履歴、過去の故障率の情報、各機器の保守費(検査費)等の各機器の故障の起こりやすさ、被害の大きさ、検査に要する費用等の情報を利用することで、発電プラント全体、複数の発電プラント全体での保守費及びリスクを正確に評価して最適な保守計画を算出する。
以下図面に基づいて本発明の保守費配分システムの実施形態例を具体的に説明する。
図1には発電プラントの形態例を説明する概略系統、図2には本発明の一実施形態例に係る保守費配分システムの全体機能を表す概略ブロック、図3には本発明の一実施形態例に係る保守費配分システムの処理フロー、図4には本発明の一実施形態例に係る保守費配分システムの動作状況を表す概要ブロック、図5乃至図10には図4中における各機能の詳細状況説明、図11には各発電プラントへの予算配分状況を表すグラフを示してある。
図1に基づいて電力会社が所有する発電プラントの形態例を説明する。一つの発電所は、一つもしくは複数の発電プラントで発電が実施され、一つの発電プラントにも発電手段を複数備えた複合設備等が存在することもある。以下の説明では、一つの形態の発電プラントにおける最小発電システム単位を一つのユニットと称して説明してある。
図1(a)に示したAユニット1は、燃料炊きのボイラ2を備え、過熱器3、再熱器4で得られた蒸気が蒸気タービン5に送られ、蒸気タービン5の作動により発電機6で発電が行われる。蒸気タービン5で仕事を終えた蒸気は復水器7で凝縮され、並列に設けられた3台の給水ポンプ8a、8b、8cによってボイラ2に給水される。
図1(b)に示したBユニット11は、燃料炊きのボイラ12を備え、過熱器13、再熱器14で得られた蒸気が蒸気タービン15に送られ、蒸気タービン15の作動により発電機16で発電が行われる。蒸気タービン15で仕事を終えた蒸気は復水器17で凝縮され、給水ポンプ18によってボイラ12に給水される。
図1(c)に示したCユニット21は、ガスタービン22を備え、圧縮機23で圧縮された空気と燃料とが燃焼器24で燃焼され、燃焼器24からの燃焼ガスがタービン25に送られる。タービン25の作動により発電機26で発電が行われる。タービン25で仕事を終えた排ガスは排熱回収ボイラ27で熱回収されて大気に放出され、排熱回収ボイラ27で得られた蒸気が蒸気タービン28に送られる。蒸気タービン28の作動により発電機28aで発電が行われる。蒸気タービン28で仕事を終えた蒸気は復水器29で凝縮され、給水ポンプ30によって排熱回収ボイラ27に給水される。
電力会社では、例えば、図1に示したユニットを用い、ベース電力、負荷変動に対する電力、ピーク時の電力等の発電に使用して必要な電力を供給している。勿論、図示例は一例であり、実際の発電所は、水力や原子力等の種々の形態の発電所を備えている。
各ユニットは多数の機器により構成され、定期的に、または随時に必要な保守が実施されている。電力会社としての保守費は、各ユニットの必要保守費を積算して総額が決められるが、本実施形態例では、ユニットの故障率(リスク)と保守費との相関を把握して限られた予算を最適に配分する。
例えば、図1(a)に示したAユニット1は、給水ポンプ8を3台備えているので、例えば、機器(給水ポンプ8)一つ一つの故障に対するリスクは小さいものであり、図1(b)に示したBユニット11は、給水ポンプ18が1台であるので、例えば、機器(給水ポンプ18)の故障に対するリスクは大きいものである。また、図1(c)に示したCユニット21は、ガスタービン22と蒸気タービン28との複合設備であるので、例えば、機器(給水ポンプ30や排熱回収ボイラ27の構成機器)の故障に対するリスクは中程度と考えることができる。
図2に基づいて本実施形態例の保守費配分システムの全体構成を説明する。
図2に示すように、保守配分システム31は、積上げ手段32、把握手段としてのユニット毎故障率導出手段33、保守費導出手段としての故障率保守費相関導出手段34、予算配分手段35、評価手段36を備えている。データベース(DB)として、保守費・故障率DB37、リスク評価DB38、絶対条件DB39を備えている。
積上げ手段32は、各ユニットにおける機器の保守に必要な費用を積上げる機能を有している。ユニット毎故障率導出手段33は、ユニット毎に機器のトータルの故障率を導出する機能を有している。故障率保守費相関導出手段34は、トータルの故障率や過去の保守状況等によりユニットにおける故障率と保守費との相関、即ち、どの程度の保守費でどの程度故障が生じるかの予測を行う機能を有している。予算配分手段35は、ユニットにおける故障率と保守費との相関に基づいて故障率とリスクとの関係を把握し、電力会社全体としてのリスクを考慮して各ユニットへの予算を配分する機能を有している。評価手段36は、個別のユニットの重要性やリスクのしきい値等を評価し、絶対条件が満たされていないときに条件を変更して(保守の状況等を変更して)再度、予算とリスクとの関係を最適化する機能を有している。
保守費・故障率DB37には、過去の保守履歴や故障の状態、決められた点検周期、推奨点検周期等がデータベース化され、RBMの情報が把握されている。リスク評価DB38には、保守履歴等に基づいた故障の起こりやすさ情報や、点検・修繕情報等に基づいた故障の推定情報や、点検周期、部品交換周期等に基づいた故障の推定情報等がデータベース化され、また、運転形態、運用状態、運転形態毎のリスクの重要性等がデータベース化され、リスクの評価を行うための情報が把握されている。絶対条件DB39は機器毎のリスクのしきい値やユニット毎のリスクのしきい値等がデータベース化され、最低限のリスクの許容を判断するための情報(許容できる最大限の故障率)が把握されている。
図3に基づいて本実施形態例の保守費配分システムの概略の処理フローを説明する。
図3に示すように、保守費・故障率DB37には各プラントでの保守費や故障率が随時記憶され、保守費と機器の状態との関係がデータ化されている。積上げ手段32は保守費・故障率DB37のデータに基づいて機器の保守費を積上げて演算しユニット毎故障率導出手段33に情報を送る。ユニット毎故障率導出手段33ではユニット毎の故障率を導出し、ユニット毎の故障率を故障率保守費相関導出手段34に送る。故障率保守費相関導出手段34では、ユニット毎の故障率とユニット毎の保守費との相関を導出し、ユニット全体の保守費・故障率(リスク)を把握する。
電力会社全体での保守費の総額であるトータル予算が入力されると共に、各プラントで要求される保守費である要求予算が入力される。予算配分手段35では、各ユニットにおけるユニット全体の保守費・故障率(リスク)の相関と、トータル予算と、要求予算とを勘案し、与えられたトータル予算の範囲での保守計画を最適化する。この時、評価手段36において絶対条件DB39からの機器毎のリスクのしきい値やユニット毎のリスクのしきい値等に基づいて保守計画が評価され、許容できる最大限の故障率を超えている機器やユニットがある場合には条件を再度入力して予算配分を再導出する。最適な配分が決定した後実際に予算の配分を行った計画を確定し、保守の実績として結果に応じた保守費等のデータを更新して記憶する。
図4に基づいて本実施形態例の保守配分システムを具体的に説明する。
図4に示すように、ユニットレベル保守計画最適化のブロック41には、ユニットの総保守費またはユニットの許容リスクが入力され、保守履歴データが入力される。保守履歴データは、保守(検査)に係る費用と故障発生時の被害の大きさが加味されたデータであり、保守(検査)の種類と保守費(検査費)と、各機器及び各部位の損傷時の停止日数及び修理額とである。
また、ユニットレベル保守計画最適化のブロック41には、各機器保守費・故障率データのブロック42からのデータが入力される。各機器保守費・故障率データのブロック42では、各機器、部位の経年変化を最適な方法で推定する(各種リスク評価を用いた経年故障率決定)。つまり、各機器の経年故障率、保守を行ったときの故障復帰度を電力会社で入力する。また、ユニットレベル保守計画最適化のブロック41には、保守費の総額の目標が指示される。
例えば、図5に示したように、(a)前述したRBMのシステムによるメーカー提出の故障の起こりやすさを評価・修正する。これは、例えば、ボイラのようにRBMより故障の起こりやすさを推定できる機器に適用される。また、(b)余寿命診断結果、過去の故障履歴を基に故障率を算出する。これは、例えば、ボイラ、タービン、発電機・電気設備、計算機・制御装置のように余寿命診断結果、故障履歴より故障率が推定できる機器に適用される。(c)例えば、2年に一回という推奨部品交換時期や、過去の故障率統計から推定して2年経過すると故障率を50%とする等のルール化を行う。これは、例えば、タービン、発電機・電気設備、計算機・制御装置、補器類のように点検周期、推奨交換時期等から故障率が推定できる機器に適用される。
ユニットレベル保守計画最適化のブロック41に各種の情報が入力されると、与えられた保守費の上限の範囲でユニットレベルでの保守計画を最適化する。即ち、図6に示したように、各部位の故障率からユニット全体の故障率・リスクを算出し、また、ユニット全体の保守費を算出する。つまり、例えば、図1(a)に示したユニットの場合、並設された3台の給水ポンプ8の故障率の合計、再熱器4、過熱器3の故障率を積上げ、ユニットの故障率とする。各機器の故障率からユニット全体の故障率を算出し、ユニット故障率に平均停止日数と停止時の損失を乗じてユニット全体のリスクを算出する。これらにより、ユニット全体の保守費を算出する。
次に、ユニット全体の保守費とリスクとの合計を最小化する、または、ユニット全体のリスクを許容値以下にする、または、ユニット全体のコストを許容値以下にするように、各部位毎の保守内容を最適化する。最適化の結果として、定期時期、保守費、ユニット故障率、部位毎の保守の有無が導出される。
このようにして、ユニット全体(複数機器)での保守計画が最適化され、図7に示したように、ユニット全体の保守費・故障率(リスク)が把握される。即ち、ユニット故障率とユニット保守費との相関が導出される。導出の過程で、許容値の関係から保守費目標や補償率目標を適宜変更し、ユニット全体の保守費と故障率の関係を評価し、図8に示したような結果を得る。
ユニットレベル保守計画最適化のブロック41で求められたユニット故障率は、全社保守計画最適化のブロック43で積上げられ、与えられた保守費の上限の範囲で全社レベルでの保守計画が最適化される。つまり、各ユニットの重要度(リスク)が考慮され、即ち、図9に示したように、全社における複数のユニットに対し、ユニット故障率とリスク(重要度)との関係が把握され、限られた保守費が各ユニットに配分される。つまり、図10に示すように、年度毎に、保守費合計、ユニット故障率、ユニット毎の保守費が最適結果として導かれる。
そして、例えば、図11に示すように、全体予算が配分され、リスクが大きいユニットには要求より多い予算が配分され、リスクが小さいユニットには要求よりも少ない予算が配分され、リスクが中程度のユニットには要求よりやや多い予算が配分されて、電力会社としての予算が最適に配分される。尚、図11中点線が要求の予算を示してあり、実線が実際に配分された予算を示してある。
上述した保守費配分システムは、複数のプラントに対して保守費を的確に求めて配分できる保守費配分システムとなる。
尚、上述した実施形態例では、複数の発電プラントに対して保守費を最適に配分するシステムについて説明したが、発電プラントに対する保守費の配分に限らず、その他のエネルギープラントに対する保守費の配分等にも適用することが可能である。
本発明は、複数のプラントに対して保守費を的確に求めて配分できる保守費配分システム及び保守費配分方法の技術分野で利用することができる。
発電プラントの形態例を説明する概略系統図である。 本発明の一実施形態例に係る保守費配分システムの全体機能を表す概略ブロック図である。 本発明の一実施形態例に係る保守費配分システムの処理フローチャート。 本発明の一実施形態例に係る保守費配分システムの動作状況を表す概要ブロック図である。 図4中における各機能の詳細状況説明図である。 図4中における各機能の詳細状況説明図である。 図4中における各機能の詳細状況説明図である。 図4中における各機能の詳細状況説明図である。 図4中における各機能の詳細状況説明図である。 図4中における各機能の詳細状況説明図である。 各発電プラントへの予算配分状況を表すグラフである。
符号の説明
1 Aユニット
2、12 ボイラ
3、13 過熱器
4、14 再熱器
5、15、28 蒸気タービン
6、16、26 発電機
7、17、29 復水器
8、18、30 給水ポンプ
11 Bユニット
21 Cユニット
22 ガスタービン
23 圧縮機
24 燃焼器
25 タービン
27 排熱回収ボイラ
31 保守配分システム
32 積上げ手段
33 ユニット毎故障率導出手段
34 故障率保守費相関導出手段
35 予算配分手段
36 評価手段
37 保守費故障率DB
38 リスク評価DB
39 絶対条件DB
41、42、43 ブロック

Claims (14)

  1. 複数のプラントに対して保守費を配分する保守費配分システムであって、
    プラント毎の保守割合と保守費との関係を把握する把握手段と、
    把握手段で把握した保守割合と保守費との関係に基づいて複数のプラント全体の運用として支障を与えない状態にする所望状態の保守費を各プラントに対して全体の保守費の範囲内で導出する保守費導出手段と
    を備えたことを特徴とする保守費配分システム。
  2. 請求項1において、保守費導出手段には、導出された保守費を複数のプラントに配分する機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システム。
  3. 請求項1または2において、複数のプラント全体として運用に支障を与えない状態にする所望状態は、各プラントの運転停止のリスクを加味して全体として運用に支障を与えない状態であることを特徴とする保守費配分システム。
  4. 請求項3において、保守費導出手段には、プラントの運用状態、プラントの運用形態、プラントを構成する機器の形態を加味してリスクを求める機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システム。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、保守割合と保守費との関係は、故障割合と保守費との関係であることを特徴とする保守費配分システム。
  6. 請求項5において、保守費導出手段には、故障割合と保守費との関係により保守費と運転停止のリスクの関係を求める機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システム。
  7. 請求項5または6において、プラントの故障率は、プラントを構成する機器の故障率を積算して求められることを特徴とする保守費配分システム。
  8. 請求項5〜7のいずれかにおいて、プラントの故障割合には最大限の割合が予め決められていることを特徴とする保守費配分システム。
  9. 請求項8において、保守費導出手段には、保守費を導出する過程でプラントの故障割合が予め定められた最大限の割合を越えた際には条件を変えて故障割合と保守費との関係を導出する機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システム。
  10. 請求項1〜9のいずれかにおいて、プラントは発電設備であり、プラントを構成する機器は発電所の機器であることを特徴とする保守費配分システム。
  11. 請求項10において、発電所の運用状態は、連続運転用、断続運転用、時期可変運転用に分けられると共に、発電所の運用形態は、ベース電力用、補助発電用、ピーク時発電用とに分けられ、保守費導出手段には、運用状態及び運用形態に応じて運転停止のリスクを加味し、保守割合と保守費との関係を導出する機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システム。
  12. 請求項11において、保守費導出手段には、運転停止のリスクは、保守が終了する都度運転停止のリスクを変更する機能が備えられていることを特徴とする保守費配分システム。
  13. 複数のプラントに対して保守費を配分する保守費配分方法であって、
    プラント毎に保守費に対する故障率の割合の相関を求め、プラント全体での故障率が最小となる状態のプラント毎の保守費を求め、プラント全体の保守費の範囲内でプラント毎に保守費を配分することを特徴とする保守費配分方法。
  14. 請求項13において、保守費に対する故障率の相関は、プラント毎の運転停止のリスクが加味されていることを特徴とする保守費配分方法。
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