JP2006199834A - 光硬化性熱分解性組成物およびその用途 - Google Patents

光硬化性熱分解性組成物およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のセルロースエーテル類を含む光硬化性熱分解性組成物は、熱分解時の発熱や炭素の残留など、熱分解性において改善すべき問題点があった。本発明は、セルロースエーテル類をバインダー樹脂として用いる従来の光硬化性熱分解性組成物に替わる、より熱分解性に優れた光硬化性熱分解性組成物を提供することである。
【解決手段】本発明の光硬化性熱分解性樹脂組成物は、式(1)で表わされる繰り返し単位(a)と、式(2)で表される繰り返し単位(b)とからなり、繰り返し単位(a)のモル比が0.35〜0.99であり、繰り返し単位(b)のモル比が0.01〜0.65であるポリウレタン樹脂、光硬化性モノマー、溶剤からなることを特徴とする光硬化性熱分解性樹脂組成物である。

Description

本発明は、フォトレジスト等に利用できる光硬化性熱分解性組成物に関し、さらに詳しくは該組成物を用いた無機粉末ペースト、例えばPDP(プラズマディスプレイパネル)やFED(フィールドエフェクトディスプレイ)の製造に用いられる導電性ペースト、誘電体ペースト、隔壁材ペースト、蛍光体ペースト、ブラックマトリックスペースト、封着材ペースト、として好適な光硬化性熱分解性無機粉末ペーストおよびそれを用いたシートに関するものである。
次世代の大型TV用ディスプレーとして、PDP(プラズマディスプレイパネル)が最有力視されている。非特許文献1には、PDPの製造工程とその各工程に用いられる主だった材料について詳しく記載されている。一般的なPDPの構造では、前面ガラス基板上にプラズマ放電用のバス電極とブラックマスクを形成し、その上に誘電体層が形成される。また背面ガラス基板上にはアドレス電極を形成後、誘電体層、隔壁(バリアリブ)、蛍光体層が形成される。これらの各部位は、従来は非光硬化性の各種ペーストをスクリーン印刷などにより塗布してパターンを形成してきたが、PDPがより高繊細化するに従い、フォトリソグラフィーを用いてパターニングする方法が次第に一般的になってきた。例えば、隔壁(バリアリブ)の形成では、隔壁材ペーストを塗布後乾燥して隔壁材層を形成し、その上にフォトレジストやドライフィルムレジストを載せ、UV光照射と現像によりレジスト層をパターニングし、サンドブラストにより隔壁材層をパターニング(レジスト未硬化部分を研磨剤で削り取る)する方法が既に一般的になっている。
特許文献1には主にバインダー樹脂、光硬化性モノマー、水からなる光硬化性組成物が開示されている。これは例えばPDPの隔壁(バリアリブ)を成形する際のフォトレジスト等として用いることができ、バインダー樹脂にはセルロースエーテル類などが用いられている。隔壁のパターニング用のフォトレジストやドライフィルムレジスト以外の部位でのフォトリソグラフイーの利用はやや遅れていたが、例えば特許文献2には無機粉末、バインダー樹脂、光硬化性モノマーからなる誘電体シートが開示され、バインダー樹脂にはセルロースエーテル類等が用いられている。また特許文献3には隔壁、電極、抵抗体、誘電体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックスを形成できる光硬化性ペーストとそのペーストから形成される光硬化性シートが開示されている。これらの光硬化性ペーストは主にバインダー樹脂、光硬化性モノマー、溶剤、無機粉末からなり、バインダー樹脂にはセルロースエーテル類が用いられている。さらに特許文献4には低融点ガラス粉末、バインダー樹脂、光硬化性モノマーからなる光硬化性ガラスペーストが開示されている。この低融点ガラスペーストを用いて隔壁、電極、抵抗体、誘電体、カラーフィルター、ブラックマトリックス等を形成でき、バインダー樹脂にはセルロースエーテル類が用いられている。これらの方法ではペーストやシート自体が光硬化性である。ペーストやシート自体が光硬化性である利点は、例えば隔壁の形成を例に取ると、光硬化性ペーストや光硬化性シートはフォトマスクを通してUV露光により硬化後、水や溶剤で洗浄し未硬化部分を除去することでパターニングできるので、従来のサンドブラスト法による隔壁のパターニングよりもより微細で精密な加工が容易にできる点にある。
これらの特許文献においては、バインダー樹脂としてセルロースエーテル類が用いられている。これらバインダー樹脂は露光、現像後に焼成工程によりほぼ完全に除去されねばならないが、セルロースエーテル類はこの焼成工程において急激な発熱により隔壁、電極、抵抗体、誘電体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス等を熱劣化させ易い、あるいは焼成時に炭化し隔壁、電極、抵抗体、誘電体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス等の性能を低下させ易いなどまだ改善すべき点があった。
一方、本発明者らは特許文献5において、本発明に用いられるポリウレタン樹脂がセラミックスのバインダー樹脂に使えることを開示しているが、光硬化性樹脂組成物、光硬化性ペーストや光硬化性シートの発明には至っていなかった。
特開平11−202486号公報 特開2003−197112号公報 特開2002−328467号公報 特開2000−29210号公報 特開平12−355618号公報 勝谷康夫著 「PDP用材料の技術動向」日立化成テクニカルレポー ト NO.33(7)、9−16、1999年
従来のセルロースエーテル類を含む光硬化性熱分解性組成物は、熱分解時の発熱や炭素の残留など、熱分解性において改善すべき問題点があった。本発明は、セルロースエーテル類をバインダー樹脂として用いる従来の光硬化性熱分解性組成物に替わる、より熱分解性に優れた光硬化性熱分解性組成物を提供することである。また、焼成時に炭素の残留がより改善された光硬化性熱分解性無機粉末ペースト、およびそれを用いたシートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の櫛形ジオールとポリオキシアルキレングリコールとをジオール成分とするポリウレタン樹脂を含有する光硬化性熱分解性組成物が、熱分解性において優れることを見出し、本発明を完成させた。
尚、本願での光硬化性熱分解性組成物とは組成物を乾燥(脱溶剤)後に光重合可能な光を照射することで、光硬化性モノマーが光重合して硬化し溶剤に不溶となり、この硬化物をおよそ350℃〜600℃で加熱することにより熱分解する組成物のことである。
すなわち、 本発明の光硬化性熱分解性組成物は、
(Z)下式(1)
Figure 2006199834
(式中、Aは、両末端に水酸基を有するポリオキシアルキレングリコール(化合物A)HO−A−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、 Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)で表わされる繰り返し単位(a)と、
下式(2)
Figure 2006199834
(式中、Dは、分子内に炭素数4〜21の炭化水素基(1価基)を少なくとも2個以上有する櫛形ジオールHO−D−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)で表される繰り返し単位(b)とからなり、繰り返し単位(a)のモル比が0.35〜0.99であり、繰り返し単位(b)のモル比が0.01〜0.65であるポリウレタン樹脂、
(Y)光硬化性モノマー、および
(Z)溶剤
を含有することを特徴としている。
前記櫛形ジオールHO−D−OHとしては、下式(3)
Figure 2006199834
(式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基または窒素含有炭化水素基であり、R2およびR3は、炭素原子数4〜21の炭化水素基であり、R1、R2およびR3中の水素の一部または全部はフッ素、塩素、臭素または沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。
YおよびY’は、水素、メチル基またはCH2Cl基であり、YとY’は同じでも異なっていてもよい。ZおよびZ’は、酸素、硫黄またはCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。nは、Zが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄またはCH2基の場合は0である。また、n’は、Z’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄またはCH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい。)で表わされる櫛形ジオール(化合物D)、または
下式(4)
Figure 2006199834
(式中、R5は、炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R2およびR3は、炭素原子数4〜21の炭化水素基であり、R5、R2およびR3中の水素の一部または全部はフッ素、塩素、臭素または沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。
Y、Y’およびY”は、水素、メチル基またはCH2Cl基であり、YとY’は同じでも異なっていてもよい。ZおよびZ’は、酸素、硫黄またはCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。R4は、全炭素原子数が2〜4のアルキレン基であり、kは、0〜15の整数である。nは、Zが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄またはCH2基の場合は0である。また、n’は、Z’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄またはCH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい。)で表わされる櫛形ジオール(化合物D’)を用いることができる。
また、前記光硬化性熱分解性組成物にさらに無機粉末を含有する光硬化性熱分解性無機粉末ペーストである。
また、前記光硬化性熱分解性無機粉末ペーストをフィルム状に成形後、溶剤を乾燥させて得られる光硬化性熱分解性無機粉末シートである。
本発明の光硬化性熱分解性組成物は、熱分解時の発熱による劣化や炭素の残留などの問題を生じないという利点がある。
以下、本発明のペースト組成物を詳細に説明する。
(X)ポリウレタン樹脂
本発明で用いられる(X)ポリウレタン樹脂は、式(1)
Figure 2006199834
(式中、Aは、両末端に水酸基を有するポリオキシアルキレングリコール(化合物A)HO−A−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、 Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)で表わされる繰り返し単位(a)と、
下式(2)
Figure 2006199834
(式中、Dは、分子内に炭素数4〜21の炭化水素基(1価基)を少なくとも2個以上有する櫛形ジオールHO−D−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基である。)で表される繰り返し単位(b)とからなり、繰り返し単位(a)のモル比が0.35〜0.99であり、繰り返し単位(b)のモル比が0.01〜0.65である(ただし、両者の合計を1とする。)。
前記式(1)で表された繰り返し単位(a)中のAは、ポリオキシアルキレングリコールである。特にアルキレン基の炭素数2〜6のポリオキシアルキレングリコールが、好適に用いられる。より具体的には、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール(PPG)、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
この化合物Aの分子量は、数平均分子量(Mn)で好ましくは400〜100,000、より好ましくは400〜20,000、さらに好ましくは900〜9,000の範囲内にある。数平均分子量が400以上で、バインダーとして十分な特性の樹脂が得られる。また、数平均分子量が100,000以下なら、充分な重合反応が行える。
該ポリオキシアルキレングリコール(化合物A)として、2種類以上のポリオキシアルキレングリコールを組み合わせて用いてもよい。例えば、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコールを組み合わせて用いることも可能である。またグリコール類の20重量%までなら、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの低分子量グリコールを、他のポリオキシエルキレングリコール類と併用してもよい。
式(2)で表された繰り返し単位(b)中の櫛形ジオールHO−D−OHは、分子内に炭素原子数4〜21の1価炭化水素基を少なくとも2個以上もつジオール類である。1価の炭化水素基はジオール分子の骨格に複数個が側鎖としてグラフトしており、この形状から櫛形ジオールと称している。上記の1価の炭化水素基の例としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基が挙げられる。
櫛形ジオールの1価炭化水素基は、メチレン基、エーテル基、チオエーテル基、ポリエーテル基等を介して骨格に結合している。櫛形ジオールの骨格は炭化水素のみからなっていてもよいが、エーテル基(−O−)、ポリエーテル基や3級アミノ基(−N(R)−)などの極性基を骨格にもつジオールも好適に用いられる。 例を挙げれば、特開平10−298261号やUS−4426485号に示されている様なエーテル基(−O−)、ポリエーテル基(−O−CHCH−O−など)を骨格に有するジオールや、式(3)、(4)に記載されているような3級アミノ基を骨格に有するジオールなどを利用することができる。
櫛形ジオールの炭化水素基は極性が低く、極性のある溶剤中では炭化水素基同士の相互作用により、ポリウレタンの高分子鎖間に疎水的相互作用が生じ、そのために比較的分子量の低いポリウレタンでも印刷に必要な粘度が得られると考えられる。また櫛形ジオールは、ポリウレタンのポリマー骨格内に固定された可塑剤(内部可塑剤)としての効果もあると考えられる。このような櫛形ジオールの効果は式(3)、(4)に記載されているような3級アミノ基を骨格に有するジオールにおいて特に顕著である。櫛形ジオールの製造方法は、特開平11−343328号や特開平12−297133号などに詳しく記載されている。
上記のジイソシアナート化合物(化合物B)は、鎖状脂肪族ジイソシアナート類、環状脂肪族ジイソシアナート類および芳香族ジイソシアナートよりなる群から選ばれたのジイソシアナート化合物である。ジイソシアナートは、全炭素原子数が(NCO基の炭素原子を含めて)3〜18のジイソシアナート類を用いることがより好ましい。
鎖状脂肪族ジイソシアナート類は、NCO基の間を直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基で繋いだ構造をもつポリイソシアナート化合物であり、具体例としては、メチレンジイソシアナート、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、1-メチルエチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナート、2-メチルブタン-1,4-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート(通称HMDIと略す)、ヘプタメチレンジイソシアナート、2,2'-ジメチルペンタン-1,5-ジイソシアナート、リジンジイソシアナートメチルエステル(通称LDIと略す)、オクタメチレンジイソシアナート、2,5-ジメチルヘキサン-1,6-ジイソシアナート、2,2,4-トリメチルペンタン-1,5-ジイソシアナート、ノナメチルジイソシアナート、2,4,4-トリメチルヘキサン-1,6-ジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナート、ウンデカメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、トリデカメチレンジイソシアナート、テトラデカメチレンジイソシアナート、ペンタデカメチレンジイソシアナート、ヘキサデカメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート等のジイソシアナートなどが挙げられる。
環状脂肪族ジイソシアナート類は、NCO基の間を繋ぐアルキレン基が環状構造をもつポリイソシアナート化合物であり、具体例としては、シクロヘキサン-1,2-ジイソシアナート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアナート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアナート、1-メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアナート、1-メチルシクロヘキサン-2,6-ジイソシアナート、1-エチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアナート、4,5-ジメチルシクロヘキサン-1,3-ジイソシアナート、1,2-ジメチルシクロヘキサン-ω,ω'-ジイソシアナート、1,4-ジメチルシクロヘキサン-ω,ω'-ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート(通称IPDIと略す)、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメチルメタン-4,4'-ジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタン-4,4'-ジイソシアナート、2,2'-ジメチルジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアナート、3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアナート、4,4'-メチレン-ビス(イソシアナトシクロヘキサン)、イソプロピリデンビス(4-シクロヘキシルイソシアナート)(通称IPCIと略す)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、水素化トリレンジイソシアナート(通称H−TDIと略す)、水素化4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナート(通称H−MDIと略す)、水素化キシリレンジイソシアナート(通称H−XDIと略す)、ノルボルナンジイソシアナートメチル(通称NBDIと略す)等のジイソシアナートなどが挙げられる。
芳香族ジイソシアナート類は、NCO基の間をフェニレン基、アルキル置換フェニレン基およびアラルキレン基などの芳香族基または芳香族基を含有する炭化水素基で繋いだポリイソシアナート化合物であり、具体例としては、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアナート、1-メチル-2,4-フェニレンジイソシアナート(2,4-TDI)、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアナート(2,6-TDI)、1-メチル-2,5-フェニレンジイソシアナート、1-メチル-3,5-フェニレンジイソシアナート、1-エチル-2,4-フェニレンジイソシアナート、1-イソプロピル-2,4-フェニレンジイソシアナート、1,3-ジメチル-2,4-フェニレンジイソシアナート、1,3-ジメチル-4,6-フェニレンジイソシアナート、1,4-ジメチル-2,5-フェニレンジイソシアナート、m-キシレンジイソシアナート、ジエチルベンゼンジイソシアナート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアナート、1-メチル-3,5-ジエチルベンゼン-2,4-ジイソシアナート、3-メチル-1,5-ジエチルベンゼン-2,4-ジイソシアナート、1,3,5-トリエチルベンゼン-2,4-ジイソシアナート、ナフタリン-1,4-ジイソシアナート、ナフタリン-1,5-ジイソシアナート、1-メチルナフタリン-1,5-ジイソシアナート、ナフタリン-2,6-ジイソシアナート、ナフタリン-2,7-ジイソシアナート、1,1-ジナフチル-2,2'-ジイソシアナート、ビフェニル-2,4'-ジイソシアナート、ビフェニル-4,4'-ジイソシアナート、1,3-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、3,3'-ジメチルビフェニル-4,4'-ジイソシアナート、ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアナート(MDI)、ジフェニルメタン-2,2'-ジイソシアナート、ジフェニルメタン-2,4'-ジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート(XDI)等のジイソシアナートなどが挙げられる。
上記ポリウレタン樹脂の製造方法は特開平11−343328号や特開平12−297133号などに詳しく記載された製造方法を参照して、適宜製造することができる。上記ポリウレタン樹脂は重量平均分子量が1万〜100万、より好ましくは5万〜50万の範囲のものが適当である。重量平均分子量がこの範囲にあれば、組成物の粘度が好適であり、また塗布やスクリーン印刷等の加工時の糸引きはほとんど起こらない。
(Y)光硬化性モノマー
本発明に用いる(Y)光硬化性モノマーの種類は特に限定するものではない。分子内に2個以上の硬化性の官能基をもつ低分子化合物やオリゴマー(プレポリマー)が利用できる。例えばポリエーテル(メタ)アクリレート系モノマー、ウレタン(メタ)アクリレート系モノマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系モノマー、エポキシ(メタ)アクリレート系モノマーなどを利用することができる。
これ等の中で特にエポキシ(メタ)アクリレート系モノマー(例えばエチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレートなど)やウレタン(メタ)アクリレート系モノマー(例えばペンタエリスリトールトリアクリレートイとソホロンジイソシアネートの反応物など)が好適である。
(Z)溶剤
本発明に用いる(Z)溶剤の種類は特に限定するものではない。バインダー樹脂や光硬化性モノマーが溶解する溶剤であれば利用することができる。例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、テルピネオールなどのアルコール類、ベンセン、トルエン、キシレン、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノールなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、水、およびこれらの混合溶剤などが利用できる。
また溶剤として、単官能性の光重合性モノマーを使用してもよい。このモノマーは単官能性のためそれ自体では十分には光硬化できないが、光硬化性モノマーと共重合することで光硬化することができる。比較的低粘度のため、溶剤として用いて、組成物の粘度を塗布可能な程度に低減することができる。(メタ)アクリル酸、各種モノアクリレート類、N置換アクリルアミド類、スチレンなどが例として挙げられる。
光硬化性熱分解性組成物
本発明の光硬化性熱分解性組成物は、その100重量%中に(X)ポリウレタン樹脂を1〜40重量%、(Y)光硬化性モノマーを1〜50重量%、(Z)溶剤を10〜98重量%含んでいる。ポリウレタン樹脂が1重量%以上あればバインダー樹脂として十分である。ポリウレタン樹脂が40重量%以下であれば組成物は十分塗布が可能である。その他の成分として光重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、可塑剤、消泡剤、シランカップリング剤など公知の添加剤を少量配合してもよい。また従来のバインダー樹脂であるセルロースエーテル類、アクリル系ポリマーやポリビニルアルコール等を本発明のポリウレタン樹脂と合わせて使用することもできる。
この光硬化性熱分解性組成物は、フィルム状に成形して溶剤を乾燥させ、ドライフィルムレジストとして用いることもできる。またこの光硬化性熱分解性組成物に各種無機粉末を混合して光硬化性熱分解性無機粉末ペーストとして用いることもできる。更にこの無機粉末ペーストをシート状に成形して溶剤を乾燥させて光硬化性熱分解性無機粉末シートとして用いることもできる。どれも、光により硬化すること、熱分解性がよいことが共通の特徴である。
光硬化性熱分解性無機粉末ペースト
本発明の光硬化性熱分解性無機粉末ペーストは、一般的にその100重量%中に上記光硬化性熱分解性組成物を10〜90重量%、無機粉末を10〜90重量%含んでいる。光硬化性熱分解性組成物がこの範囲にあると、無機粉末の硬化性、特に焼成後に十分な無機粉末の皮膜を形成することができる。
その他の成分として可塑剤、消泡剤、分散剤など公知の添加剤を少量含んでいてもよい。無機粉末の種類は、導電性ペースト、誘電体ペースト、隔壁材ペースト、蛍光体ペーストなどペーストの種類により異なり、低融点ガラス粉末、導電性金属粉末、セラミックス粉末、蛍光体粉末などがある。無機粉末の粒子径は一般的には100μm以下が好ましい。
ここ低融点ガラスとは、板ガラスが熱変形しない温度で融着できるガラス、あるいは板ガラスの耐熱温度より低い温度で融着できるガラスを意味する。この低融点ガラスのTgは600℃以下であり、好ましくは400℃以下であり、より好ましくは350℃以下250℃以上である。このような低融点ガラスは、一般的には、封着用ガラス、シール用ガラス、半田ガラス、誘電体ガラス、隔壁材ガラスなどとして使用されている。また導電性ペーストのガラスとしても用いられる。このガラス粉末の粒子径は100μm以下がより好ましく、更に好ましくは1〜50μmである。粒子径が100μm以下であれば焼成後に十分に緻密な皮膜が形成できる。
ペーストの調製方法は特に限定するものではない。例えば、上記光硬化性熱分解性組成物と無機粉末を3本ロールミル等で混練し、光硬化性熱分解性無機粉末ペーストを得ることができる。以下に主な光硬化性熱分解性無機粉末ペーストについて述べるが、勿論本発明は以下のペーストに限定されるものではない。
導電性ペースト
本発明を導電性ペーストとして用いる場合には、そのペーストの100重量%中に前記光硬化性熱分解性組成物10〜90重量%、導電性金属粉末10〜90重量%、低融点ガラス粉末0〜50重量%を含んでいる。低融点ガラスを用いなくとも導電性ペーストは製造できるが、導電性皮膜の強度を高めるために通常は50重量%以下の範囲で加えることが好ましい。導電性金属粉末としては金、銀、ニッケル、銅、アルミニウムなどの金属粉末を用いることができる。
低融点ガラス粉末は特に限定されるものではない。PDP等に用いられる導電性ペースト用低融点ガラス粉末を好適に用いることができる。例えば、P−SnO系ガラス、P−SnO−B系ガラス、PbO−B系ガラス、V5−BaO−ZnO−B系ガラス、V5−BaO−ZnO−TeO2系ガラスなどが好適に用いられる。
誘電体ペースト
本発明を誘電体ペーストとして用いる場合には、そのペーストの100重量%中に前記光硬化性熱分解性組成物を10〜90重量%、誘電体ガラス粉末を10〜90重量%、誘電体ガラス以外の無機フィラー(アルミナ、石英など)を0〜10重量%含んでいる。
誘電体ガラス粉末が10重量%以上あればでは、十分な絶縁性と透明性が得られる。また誘電体ガラス粉末が90重量%以下であれば、ペーストは均一な塗布が可能である。
より好ましい組成は、ペースト100重量%中で誘電体ガラス粉末が40〜70重量%、誘電体ガラス以外の無機フィラー(アルミナ、石英など)が0〜5重量%、光硬化性熱分解性組成物が30〜60重量%である。
ペーストに用いるガラス粉末は、特に限定されるものではない。PDP用に用いられる誘電体ガラス粉末は、好適に用いることができる。この誘電体ガラスとは、PDPの誘電体層形成に用いられるガラスであり、誘電体層の焼成温度(通常は400-600℃、好ましくは530〜580℃)で欠陥がなく高い耐電圧性を示す膜が形成できるガラスである。前記誘電体ガラスのTgは通常600℃以下、300℃以上であり、好ましくは500℃以下、390℃以上である。例えば、PbO−B−SiO−ZnO−CaO系ガラス、PbO−B−SiO−ZnO−BaO−CaO−Bi系ガラス、ZnO−Bi−B−SiO−CaO−SrO−BaO系ガラスなどが好適に用いられる。
無機フィラーはなくてもよいが、ペーストの流動性や熱膨張係数を調整するために適量加えることができる。フィラーの種類は特に限定されるものではなく、PDP用に用いられる誘電体用フィラーは好適に用いることができる。例えば、アルミナ、α―石英、チタニア、ジルコニアなどである。
隔壁材ペースト
本発明を隔壁材ペーストとして用いる場合には、そのペーストの100重量%中に、前記誘電体ガラス粉末を10〜90重量%、および前記誘電体ガラス以外の前記無機フィラー(アルミナ、石英など)を0〜10重量%、前記光硬化性熱分解性組成物を10〜90重量%含んでいる。
誘電体ガラス粉末が10重量%以上あれば十分な絶縁性と透明性とが得られる。また誘電体ガラス粉末が90重量%以下であればペーストを均一に塗布できる。
より好ましい組成は、ペースト組成物100重量%中に誘電体ガラス粉末が40〜80重量%、誘電体ガラス以外の無機フィラー(アルミナ、石英など)が0〜5重量%、前記光硬化性熱分解性組成物が20〜60重量%である。
ガラス粉末としては、低融点ガラスであれば特に限定されず、PDP用に用いられる隔壁材ガラス粉末を好適に用いることができる(以下、隔壁材ペースト組成物に使用されるガラス粉末を「隔壁材ガラス」ともいう。)。前記隔壁材ガラスとしては、例えば、PbO-B23-SiO2系ガラス、BaO-ZnO-B23-SiO2系ガラス、ZnO-Bi23-B23-SiO2系ガラスなどが好適に用いられる。
ガラス以外の前記無機フィラーも、特に限定されるものではない。PDP用に用いられる隔壁材用フィラーは、好適に用いることができる。例えば、アルミナ、α―石英、チタニア、ジルコニアなどを用いることができる。
蛍光体ペースト
本発明を蛍光体ペーストとして用いる場合は、その100重量%中に、蛍光体粉末を10〜90重量%、前記光硬化性熱分解性組成物を10〜90重量%を含んでいる。蛍光体粉末が10重量%以上あれば十分な発光強度が得られる。また蛍光体粉末が90重量%以下であればペーストを均一に塗布できる。より好ましい組成は、ペースト組成物100重量%中に蛍光体粉末が30〜70重量%、前記光硬化性熱分解性組成物が30〜70重量%である。
前記蛍光体粉末は特に限定されるものではなく、PDP用に用いられる蛍光体粉末を好適に用いることができる。前記蛍光体粉末としては、例えば、青色蛍光体であればBaMgAl1424:Eu、BaMgAl1017:Eu、SrMg(SiO42:Euなどが、赤色蛍光体であれば(Y,Gd)BO3:Eu、Y23:Eu、Y(P,V)O4:Eu、(Y,Gd)23:Euなどが、緑色蛍光体であればZn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、YBO3:Tbなどが好適に用いられる。
これらの各種ペーストは目的の基板上に目的の厚みで塗布、乾燥し、フォトマスクなどを用いて露光し光硬化させ、水や有機溶剤を用いて洗浄することで目的のパターンの無機粉末の硬化物を得ることができる。塗布方法は特に限定するものではなく、ロールコーター、バーコーター、スクリーン印刷などの公知の方法が利用できる。露光方法は特に限定するものではなく、通常のUV硬化装置等を用いることができる。この硬化物を350℃以上、好ましくは400〜600℃で熱分解することにより、目的の成形体(導電体、誘電体、隔壁、蛍光体など)を得ることができる。焼成時の雰囲気は空気中でも窒素などの不活性気体中でも構わないが通常は空気中で焼成される。
光硬化性熱分解性無機粉末シート
本発明の光硬化性無機粉末シートは、前記光硬化性無機粉末ペーストをPETフィルムなどのベース樹脂上に塗布してフィルム状に成形後、溶剤を乾燥させて形成されたシート状の光硬化性組成物である。シートの厚みは1〜100μm、より好ましくは5〜50μmである。このシートを目的とする基板の上に貼り付けた後、ベース樹脂を剥離すると基板上に光硬化性の皮膜が形成される。
光硬化性無機粉末ペーストがペーストを基板上に塗布後、溶剤を乾燥させて光硬化性の皮膜を形成するのに対して、光硬化性無機粉末シートは予め溶剤を乾燥させて得られたシート状の光硬化性組成物を基板上に貼り付けることで光硬化性の皮膜を形成する。皮膜としての特性は同じであるが、溶剤の乾燥工程を省略できる利点がある。
このシートは目的の基板上に貼り付けられ、フォトマスクなどを用いて露光し光硬化させ、水や有機溶剤を用いて洗浄することで目的のパターンの無機粉末の硬化物を得ることができる。この硬化物を350℃以上、好ましくは400〜600℃で熱分解することにより、目的の成形体(導電体、誘電体、隔壁、蛍光体など)を得ることができる。焼成時の雰囲気は空気中でも窒素などの不活性気体中でも構わないが通常は空気中で焼成される。
以下に主な光硬化性無機粉末シートについて述べるが、勿論本発明は以下のシートに限定されるのもではない。
光硬化性熱分解性誘電体シート
PET樹脂フィルムの上に、ロールコーター、アプリケーター、バーコーター等を用いて、光硬化性誘電体ペーストを全面に塗布し、溶剤を乾燥させる。厚みは2〜500μmが適当である。次に熱風乾燥機等で80〜150℃で溶剤を乾燥させ、厚みが1〜100μm程度の誘電体層を形成する。
以下実施例を用いて詳細に説明するが、勿論本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
[櫛形ジオール1の合成]
500mlの丸底フラスコにマグネチックスターラー、温度計および滴下ロートを設置し、2−エチルヘキシルアミン(関東化学)64.6gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換した。オイルバスでフラスコを60℃に加熱し、攪拌しながら、滴下ロートから2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(旭電化、アデカグリシロールED518、エポキシ価220)220.0gを40分かけて滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を80℃に上げて、フラスコを10時間加熱した。続いて、オイルバスの温度を120℃に上げて、真空ポンプを用いて、3mmHgの真空度で少量の未反応物を減圧留去した。2−エチルヘキシルアミン1モルに対して2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが2モルの比率で付加した櫛形ジオール1(OH価からの平均分子量532)を収率90%で得た。
[ポリウレタン樹脂1の合成]
1000mlのSUS製セパラブルフラスコに市販のPEG#6000(三洋化成、数平均分子量8,630)を200g仕込み、窒素シール下で150℃にて溶融した。これを攪拌しながら減圧下(3mmHg)で3時間乾燥した。残留する水分は200ppmであった。70℃まで温度を下げ、フラスコ内を1気圧の窒素で満たした。酸化防止剤としてBHT(ジ−ter−ブチルヒドロキシトルエン)を300ppm加えた。フラスコ内を攪拌しながら、櫛形ジオール1を1.90g、ヘキサメチレンジイソシアナート(東京化成)を4.36g仕込んだ(NCO/OH=0.97mol/mol)。触媒としてDBTDLを0.05g添加すると、10分程で急激に増粘した。攪拌を止めて、70℃で2時間反応させた。120℃に温度を上げて30分間一定温度に保ち、その後フラスコから生成物を取り出した。生成物の重量平均分子量は20万であった。
取り出した生成物を小片に裁断後放冷した。これを液体窒素で冷却し、小型の衝撃型電動ミルで粉砕した。粉砕物を篩にかけ、粒子径が600μm以下の粉末をポリウレタン樹脂1として得た。粉末の平均粒子径は400μmであった。
[光硬化性熱分解性組成物1の製造]
200mlのガラス製セパラブルフラスコに下記の原料を仕込み、60℃に加熱しながら1時間攪拌して溶解し、光硬化性熱分解性組成物1を得た。
ポリウレタン樹脂1 10g
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート(ナガセケムテックス製DM−811、光硬化性モノマー)
20g
N−メチルピロリドン(溶剤) 80g
チバガイギー社製IRUGACURE−369(光重合開始剤)
1g
[誘電体ペースト1の製造]
35gの上記の光硬化性熱分解性組成物1と、誘電体ガラス粉末(PbO−B−SiO−CaOガラス)65gを混練し、誘電体ペースト1を得た。
[誘電体層の形成]
上記の誘電体ペースト1をスクリーン印刷で、ソーダガラス基板上全面に塗布した。これを真空乾燥機中80℃で溶剤を乾燥した。この基板の上にフォトマスクを載せ、ウシオ電器社製UV硬化装置で、高圧水銀灯の光を100mW/cmのUV照射することにより硬化させた後、イオン交換水で洗浄し未硬化部分を除去し、目的のパターンを得た。
この基板を空気中550℃で30分間焼成し、膜厚40μmの誘電体層を形成した。
触針式表面粗さ計を用いて表面粗さRaを測定したところ0.15μmと平坦な表面であった。膜は透明で濁りはなかった。
《実施例2》
[光硬化性熱分解性組成物2の製造]
200mlのガラス製セパラブルフラスコに下記の原料を仕込み、60℃に加熱しながら1時間攪拌して溶解し、光硬化性熱分解性組成物2を得た。
ポリウレタン樹脂1 10g
ペンタエリストールトリアクリレートとイソホロンジイソシアネートの反応物(共栄社化学製UA−306I、光硬化性モノマー)
20g
メタノール(溶剤) 80g
チバガイギー社製DAROCUR−1173(光重合開始剤)
1g
[誘電体ペースト2の製造]
35gの上記の光硬化性熱分解性組成物2と、誘電体ガラス粉末(PbO−B−SiO−CaOガラス)65gを混練し、誘電体ペースト2を得た。
[誘電体層の形成]
上記の誘電体ペースト2をスクリーン印刷で、ソーダガラス基板上全面に塗布した。これを真空乾燥機中80℃で溶剤を乾燥した。この基板の上にフォトマスクを載せ、ウシオ電器社製UV硬化装置で、高圧水銀灯の光を100mW/cmのUV照射することにより硬化させた後、メタノールで洗浄し未硬化部分を除去し、目的のパターンを得た。
この基板を空気中550℃で30分間焼成し、膜厚40μmの誘電体層を形成した。
触針式表面粗さ計を用いて表面粗さRaを測定したところ0.25μmと平坦な表面であった。膜は透明で濁りはなかった。
《比較例1》
ポリウレタン樹脂の替わりにエチルセルロースを用いた以外は実施例1と同様にして光硬化性熱分解性組成物3を得た。
35gの上記の光硬化性熱分解性組成物3と、誘電体ガラス粉末(PbO−B−SiO−CaOガラス)65gを混練し、誘電体ペースト3を得た。
これを真空乾燥機中80℃で溶剤を乾燥した。この基板の上にフォトマスクを載せ、ウシオ社製UV硬化装置で、100mW/cmのUV光照射により硬化させ、イソプロパノールで洗浄し未硬化部分を除去し、目的のパターンを得た。
この基板を550℃で30分間焼成し、膜厚40μmの誘電体層を形成した。
触針式表面粗さ計を用いて表面粗さRaを測定したところ1.0μmと凹凸の多い表面であった。表面にひび割れがあり、耐圧性の低下が予想された。また凹凸と残量炭素のために透明性が損なわれていた。この凹凸はセルロースエーテルの急激な燃焼熱によると考えられる。このように、エチルセルロースを用いたペーストでは不透明で凹凸の多い表面となるが、本発明のポリウレタン樹脂を用いると透明で平坦な表面が得られた。
PDP(プラズマディスプレイ)の隔壁、電極、抵抗体、誘電体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス等の形成に用いることができる。またFEDの蛍光体の形成や電子部品の電極の形成に用いることができる。またフォトレジストに用いることができる。

Claims (5)

  1. (X)下式(1)
    Figure 2006199834
    (式中、Aは、両末端に水酸基を有するポリオキシアルキレングリコール(化合物A)HO−A−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、 Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)で表わされる繰り返し単位(a)と、
    下式(2)
    Figure 2006199834
    (式中、Dは、分子内に炭素数4〜21の炭化水素基(1価基)を少なくとも2個以上有する櫛形ジオールHO−D−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)で表される繰り返し単位(b)とからなり、繰り返し単位(a)のモル比が0.35〜0.99であり、繰り返し単位(b)のモル比が0.01〜0.65であるポリウレタン樹脂、
    (Y)光硬化性モノマー、および
    (Z)溶剤
    を含有することを特徴とする光硬化性熱分解性組成物。
  2. 前記櫛形ジオールHO−D−OHが、下式(3)
    Figure 2006199834
    (式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基または窒素含有炭化水素基であり、R2およびR3は、炭素原子数4〜21の炭化水素基であり、R1、R2およびR3中の水素の一部または全部はフッ素、塩素、臭素または沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。
    YおよびY’は、水素、メチル基またはCH2Cl基であり、YとY’は同じでも異なっていてもよい。ZおよびZ’は、酸素、硫黄またはCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。nは、Zが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄またはCH2基の場合は0である。また、n’は、Z’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄またはCH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい。)で表わされる櫛形ジオール(化合物D)、または
    下式(4)
    Figure 2006199834

    (式中、R5は、炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R2およびR3は、炭素原子数4〜21の炭化水素基であり、R5、R2およびR3中の水素の一部または全部はフッ素、塩素、臭素または沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。
    Y、Y’およびY”は、水素、メチル基またはCH2Cl基であり、YとY’は同じでも異なっていてもよい。ZおよびZ’は、酸素、硫黄またはCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。R4は、全炭素原子数が2〜4のアルキレン基であり、kは、0〜15の整数である。nは、Zが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄またはCH2基の場合は0である。また、n’は、Z’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄またはCH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい。)で表わされる櫛形ジオール(化合物D’)であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性熱分解性組成物。
  3. 前記光硬化性熱分解性組成物100重量%中に(X)ポリウレタン樹脂1〜40重量%、(Y)光硬化性モノマー1〜50重量%、(Z)溶剤10〜98重量%を含む請求項1または2に記載の光硬化性熱分解性組成物。
  4. 請求項1または2に記載の光硬化性熱分解性組成物に、さらに無機粉末を含有することを特徴とする光硬化性熱分解性無機粉末ペースト。
  5. 前記光硬化性無機粉末ペーストをフィルム状に成形後、溶剤を乾燥させて得られた光硬化性熱分解性無機粉末シート。
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