JP2006196751A - 化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の電気二重層キャパシタに較べて、蓄電容量密度の大きい電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】 化学修飾カーボンナノチューブ繊維からなる分極性電極を用いる。化学修飾カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタは、カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタと比べて約1.3倍大きく、また、活性炭を分極性電極とした電気二重層キャパシタと較べて約1.4倍大きい。
【選択図】 図4
【解決手段】 化学修飾カーボンナノチューブ繊維からなる分極性電極を用いる。化学修飾カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタは、カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタと比べて約1.3倍大きく、また、活性炭を分極性電極とした電気二重層キャパシタと較べて約1.4倍大きい。
【選択図】 図4
Description
本発明は、蓄電量の大きな電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、電極と電解液との界面に形成される電気二重層を利用して蓄電するため、化学反応を利用して蓄電する2次電池に較べて、急速な充放電に耐えることができる。このため電気二重層キャパシタは、例えば、燃料電池自動車やハイブリッド自動車の蓄電システム、特に自動車の減速時に散逸させる運動エネルギーを回収する回生エネルギー蓄電システムに必要不可欠となっている。
一方、電気二重層キャパシタの単位体積当たりの蓄電量、すなわち、蓄電容量密度は2次電池に較べて小さく、同等の蓄電量を得るためには容積がより大きくなってしまうことが難点であり、このため、電気二重層キャパシタの蓄電容量密度を向上することが重要課題となっている。
一方、電気二重層キャパシタの単位体積当たりの蓄電量、すなわち、蓄電容量密度は2次電池に較べて小さく、同等の蓄電量を得るためには容積がより大きくなってしまうことが難点であり、このため、電気二重層キャパシタの蓄電容量密度を向上することが重要課題となっている。
電気二重層キャパシタは、電気二重層を形成できる電極、すなわち分極性電極と、電解液と、電解液のイオンのみを通過させるセパレータと、分極性電極の電荷を集電して取り出す集電極とからなり、背面に集電極を有する一対の分極性電極をセパレータを挟んで対向させた構造体に電解液を封入した構造を有する。
従来の分極性電極には活性炭がもっぱら用いられている。活性炭は、炭素を成分とする原料を炭化して整粒し、さらに賦活して製造される。活性炭は、極めて多くの細孔を有すし、これらの細孔の表面が電気二重層を形成するので、蓄電容量密度が現在知られている材料の中で最も大きい(非特許文献1参照)。
しかしながら、電気二重層キャパシタの蓄電容量密度は、2次電池と較べていまだ小さく、電気二重層キャパシタの蓄電容量密度のさらなる増大が求められている。
しかしながら、電気二重層キャパシタの蓄電容量密度は、2次電池と較べていまだ小さく、電気二重層キャパシタの蓄電容量密度のさらなる増大が求められている。
ところで、上述のように、従来は分極性電極として活性炭がもっぱら利用されているが、蓄電容量密度を増大するために活性炭の比表面積(単位重量当たりの表面積)を増やすと、かさ密度が極端に減少するという(非特許文献2参照)活性炭の性質のために、これ以上の比表面積の増大による蓄電容量密度の増大は困難な状況にある。このような状況の中で、本発明者らは既に、活性炭と同様に炭素を成分とする材料であるが、活性炭のように無定型炭素ではなく、ナノサイズの炭素構造体(以後、カーボンナノ構造体と呼ぶ)である、カーボンナノチューブ、及び/又は、コイン積層型カーボンナノグラファイトを分極性電極として使用すると、蓄電容量密度を、活性炭を分極性電極とした場合よりも大きくできることを見いだした(特許文献1参照)。
ところで、活性炭を分極性電極とした電気二重層キャパシタにおいて、炭素の表面に導入された官能基、特に含酸素官能基は電気二重層を形成する化学的、及び、電気化学的活性度が高く、キャパシタの蓄電能力に大きな役割を果たしていることが報告されている(非特許文献3,4参照)。
特願2003−368356号
岡村廸夫著、"電気二重層キャパシタと蓄電システム"p77、図3−12、日刊工業新聞社、2001年2月第二版
田村英雄監修、"電子とイオンの機能化学シリーズ Vol.2 大容量電気二重層キャパシタの最前線"p40、株式会社エヌ・ティー・エス 2002年1月 初版第一刷
A.Yoshida,I.Tanahashi and A.Nishino:Carbon,28,611(1990)
門間聰之,逢坂哲弥,Xingjiang Liu:電気化学及び工業物理化学,64,143(1988)
菊池英一,瀬川幸一,多田旭男,射水雄三,服部英,共著"新しい触媒化学"第二版 p186〜p190 三共出版
ところで、活性炭を分極性電極とした電気二重層キャパシタにおいて、炭素の表面に導入された官能基、特に含酸素官能基は電気二重層を形成する化学的、及び、電気化学的活性度が高く、キャパシタの蓄電能力に大きな役割を果たしていることが報告されている(非特許文献3,4参照)。
本発明者らは、カーボンナノ構造体と、カーボンナノ構造体の表面に導入された含酸素官能基を有する、化学修飾カーボンナノ繊維(本発明者らによる本願と同日出願の”化学修飾カーボンナノ繊維及びその製造方法”を参照)を分極性電極とすることにより、従来にない高蓄電容量密度の電気二重層キャパシタが実現できることを見いだし、本発明に到った。
上記目的を達成するために、本発明の化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタは、分極性電極と電解液を用いる電気二重層キャパシタにおいて、分極性電極が化学修飾カーボンナノ繊維から成ることを特徴とする。
化学修飾カーボンナノ繊維は、カーボンナノチューブと、カーボンナノチューブの表面に導入したカルボニル基及び/又はエーテル基からなることを特徴とする。また、化学修飾カーボンナノ繊維は、カップ積層型カーボンナノフィラメントと、カップ積層型カーボンナノフィラメントの表面に導入したカルボニル基及び/又はエーテル基からなることを特徴とする。
また、化学修飾カーボンナノ繊維は、コイン積層型カーボンナノフィラメントと、コイン積層型カーボンナノフィラメントの表面に導入したカルボニル基及び/又はエーテル基からなることを特徴とする。
この構成によれば、従来にない高蓄電容量密度の電気二重層キャパシタが得られる。
化学修飾カーボンナノ繊維は、カーボンナノチューブと、カーボンナノチューブの表面に導入したカルボニル基及び/又はエーテル基からなることを特徴とする。また、化学修飾カーボンナノ繊維は、カップ積層型カーボンナノフィラメントと、カップ積層型カーボンナノフィラメントの表面に導入したカルボニル基及び/又はエーテル基からなることを特徴とする。
また、化学修飾カーボンナノ繊維は、コイン積層型カーボンナノフィラメントと、コイン積層型カーボンナノフィラメントの表面に導入したカルボニル基及び/又はエーテル基からなることを特徴とする。
この構成によれば、従来にない高蓄電容量密度の電気二重層キャパシタが得られる。
この作用効果は以下のように推定される。
化学修飾カーボンナノ繊維は、カーボンナノチューブ等のカーボンナノ構造体をカルボニル基及び/又はエーテル基で化学修飾したものであり(本発明者らによる本願と同日出願の”化学修飾カーボンナノ繊維及びその製造方法”を参照)、カルボニル基は、炭素と酸素の2重結合による状態と、炭素原子の電子が酸素原子側に強く引きつけられたイオン性結合状態とが共存した共鳴状態を有するので、化学修飾カーボンナノ繊維は大きな電気分極を有している。この電気分極は、電気二重層の分極をより大きくするものと考えられ、また、カーボンナノ構造体はグラファイト端(edge)密度が活性炭に比べて大きい(特許文献1参照)ので、電気分極による効果とカーボンナノ構造体の構造的特徴による効果とが組み合わされて、従来にない高蓄電容量密度が実現できると推定される。
化学修飾カーボンナノ繊維は、カーボンナノチューブ等のカーボンナノ構造体をカルボニル基及び/又はエーテル基で化学修飾したものであり(本発明者らによる本願と同日出願の”化学修飾カーボンナノ繊維及びその製造方法”を参照)、カルボニル基は、炭素と酸素の2重結合による状態と、炭素原子の電子が酸素原子側に強く引きつけられたイオン性結合状態とが共存した共鳴状態を有するので、化学修飾カーボンナノ繊維は大きな電気分極を有している。この電気分極は、電気二重層の分極をより大きくするものと考えられ、また、カーボンナノ構造体はグラファイト端(edge)密度が活性炭に比べて大きい(特許文献1参照)ので、電気分極による効果とカーボンナノ構造体の構造的特徴による効果とが組み合わされて、従来にない高蓄電容量密度が実現できると推定される。
本発明の化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタによれば、電極の単位面積当たりの蓄電容量が従来の電気二重層キャパシタよりも大きい。
以下に、実施例に基づいて本発明の化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタの実施の形態を詳細に説明する。なお、電気二重層キャパシタは、分極性電極と、電解液と、電解液のイオンのみを通過させるセパレータと、分極性電極の電荷を集電して取り出す集電極とからなり、背面に集電極を有する一対の分極性電極をセパレータを挟んで対向させた構造体に電解液を封入した構造を有している。本発明の電気二重層キャパシタは上記の構成の電気二重層キャパシタであり、分極性電極が化学修飾カーボンナノ繊維から成ることが従来技術と異なる。上記の電気二重層キャパシタの構成は周知
であるので説明を省略する。
であるので説明を省略する。
初めに、本発明の化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタの分極性電極に用いる化学修飾カーボンナノ繊維の製造方法について説明する。尚、本発明者らによる本願と同日出願の”化学修飾カーボンナノ繊維及びその製造方法”も参照されたい。
本実施例では、カーボンナノ繊維としてカーボンナノチューブを用いた。
カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザー蒸着法、CVD法などで大量に合成でき、その方法は周知であるので説明を省略する。
カーボンナノチューブを酸化剤中で酸化することにより、カーボンナノチューブ表面にカルボニル基及び/又はエーテル基を導入した。酸化剤として気相N2 Oを用い、500℃、30分の酸化を行った。酸化条件は、500℃、30分が最適であり、これ以上の温度では、カーボンナノチューブがCO2 ガス(炭酸ガス)となって消失してしまい、これ未満の温度では、カーボンナノチューブが酸素と反応しなかった。
本実施例では、カーボンナノ繊維としてカーボンナノチューブを用いた。
カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザー蒸着法、CVD法などで大量に合成でき、その方法は周知であるので説明を省略する。
カーボンナノチューブを酸化剤中で酸化することにより、カーボンナノチューブ表面にカルボニル基及び/又はエーテル基を導入した。酸化剤として気相N2 Oを用い、500℃、30分の酸化を行った。酸化条件は、500℃、30分が最適であり、これ以上の温度では、カーボンナノチューブがCO2 ガス(炭酸ガス)となって消失してしまい、これ未満の温度では、カーボンナノチューブが酸素と反応しなかった。
次に、作製した化学修飾カーボンナノ繊維(以下の説明では、化学修飾カーボンナノチューブ繊維と呼ぶ)の走査電子顕微鏡像を示す。
図1は、作製した化学修飾カーボンナノチューブ繊維の走査電子顕微鏡像を示す図であり、(a)は酸化前のカーボンナノチューブの像、(b)は酸化後のカーボンナノチューブ、すなわち、化学修飾カーボンナノチューブ繊維の像を示す。
図1(b)のカーボンナノチューブは、図1(a)のカーボンナノチューブと比べて、著しくカーボンナノチューブの表面の像コントラストが一様でないことがわかる。これは、酸化によってカーボンナノチューブの表面に酸素が導入され、その表面の導電性が減少し、走査電子線の電子が帯電(charge up)したためである。すなわち、カーボンナノチューブの表面に酸素が導入されたことがわかる。
図1は、作製した化学修飾カーボンナノチューブ繊維の走査電子顕微鏡像を示す図であり、(a)は酸化前のカーボンナノチューブの像、(b)は酸化後のカーボンナノチューブ、すなわち、化学修飾カーボンナノチューブ繊維の像を示す。
図1(b)のカーボンナノチューブは、図1(a)のカーボンナノチューブと比べて、著しくカーボンナノチューブの表面の像コントラストが一様でないことがわかる。これは、酸化によってカーボンナノチューブの表面に酸素が導入され、その表面の導電性が減少し、走査電子線の電子が帯電(charge up)したためである。すなわち、カーボンナノチューブの表面に酸素が導入されたことがわかる。
図2は、作製した化学修飾カーボンナノ繊維のフーリエ変換赤外吸収測定結果を示す図であり、横軸は波数(cm-1)、縦軸は吸光度(任意メモリ)である。図から、1650−1850cm-1のカルボニル基の赤外吸収ピーク位置、及び1150−1250cm-1のエーテル基の赤外吸収ピーク位置に赤外吸収が見られることから、導入された酸素は、カルボニル基及びエーテル基を形成していることがわかる。
図1、図2から、作製した化学修飾カーボンナノチューブ繊維は、カーボンナノチューブの表面にカルボニル基及び/又はエーテル基を有することがわかる。
図3は、カーボンナノチューブの炭素が酸素と結合した状態を示す模式図である。図において、=Oはカーボンナノチューブの炭素1個と二重結合した酸素とからなるカルボニル基を示しており、>Oはカーボンナノチューブの炭素2個と結合した酸素とからなるエーテル基を示している。なお、図を見やすくするため、カーボンナノチューブの平面外形に沿った部分の官能基のみを図示しているが、もちろん側壁全面に亘って均一な密度で官能基が導入されている。
カーボンナノチューブは、規則正しい六員環配列構造を有するグラファイト層からなり、グラファイト層の最外殻電子状態はπ電子状態であり、導電性は有していても電気分極は小さい。酸化により、グラファイト層の炭素−炭素結合手の一部が切断され、切断された炭素の結合手と酸素とが化学結合し、及び/又は、グラファイト端のダングリングボンドと酸素とが化学結合する。化学結合の形態には、二通りがあり、1個の炭素と1個の酸素が結合した場合には、C=Oであるカルボニル基、及び、2個の炭素と1個の酸素が結合した場合には、C−O−Cであるエーテル基が形成され、上記の作製条件ではカルボニル基とエーテル基とが混在して形成される。このうち、カルボニル基C=Oは、炭素と酸
素の2重結合による状態と、炭素原子の電子が酸素原子側に強く引きつけられたイオン性結合状態とが共存した共鳴状態を有するので、カルボニル基を有するカーボンナノチューブは、その表面に大きな電気分極を有するようになる。カルボニル基を導入したカーボンナノチューブは次のような効果を生ずる。カルボニル基を導入したカーボンナノチューブを電気二重層キャパシタの分極性電極として用いた場合には、カーボンナノチューブのグラファイト端密度が高い(特許文献1参照)ことと、カルボニル基の電気分極が電気二重層の分極密度を大きくする効果とが組み合わされ、従来よりも蓄電容量が大きい電気二重層キャパシタを実現できる。
素の2重結合による状態と、炭素原子の電子が酸素原子側に強く引きつけられたイオン性結合状態とが共存した共鳴状態を有するので、カルボニル基を有するカーボンナノチューブは、その表面に大きな電気分極を有するようになる。カルボニル基を導入したカーボンナノチューブは次のような効果を生ずる。カルボニル基を導入したカーボンナノチューブを電気二重層キャパシタの分極性電極として用いた場合には、カーボンナノチューブのグラファイト端密度が高い(特許文献1参照)ことと、カルボニル基の電気分極が電気二重層の分極密度を大きくする効果とが組み合わされ、従来よりも蓄電容量が大きい電気二重層キャパシタを実現できる。
次に、作製した化学修飾カーボンナノチューブ繊維を用いて、化学修飾カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタを作製した。
以下に作製方法を説明する。ポリテトラフルオロエチレン樹脂をバインダーとして、化学修飾カーボンナノチューブ繊維とエタノールとを所定の比率で混合し、乳鉢で良く混練してスラリーを作製し、このスラリーを鋳型に入れて110℃、2時間の真空乾燥によって板状に成型した。この板から1cm×1cmの大きさで切り出したものを分極性電極とした。
ポリプロピレン不織布をセパレータとして、上記2枚の分極性電極を対向させ、電解液として1モル%濃度のH2 SO4 水溶液を用い、真空中で1時間放置して、分極性電極に電解液を含浸させた。なお、集電極と分極性電極は接着剤を用いずに、圧着によって接触させた。
なお、静電容量の比較のために、カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタ、及び、活性炭を分極性電極とした電気二重層キャパシタを、分極性電極の材料が異なる点を除いては、上記と同一の方法で作製した。
以下に作製方法を説明する。ポリテトラフルオロエチレン樹脂をバインダーとして、化学修飾カーボンナノチューブ繊維とエタノールとを所定の比率で混合し、乳鉢で良く混練してスラリーを作製し、このスラリーを鋳型に入れて110℃、2時間の真空乾燥によって板状に成型した。この板から1cm×1cmの大きさで切り出したものを分極性電極とした。
ポリプロピレン不織布をセパレータとして、上記2枚の分極性電極を対向させ、電解液として1モル%濃度のH2 SO4 水溶液を用い、真空中で1時間放置して、分極性電極に電解液を含浸させた。なお、集電極と分極性電極は接着剤を用いずに、圧着によって接触させた。
なお、静電容量の比較のために、カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタ、及び、活性炭を分極性電極とした電気二重層キャパシタを、分極性電極の材料が異なる点を除いては、上記と同一の方法で作製した。
次に、静電容量の測定方法を説明する。充電電流密度1.0mA/cm2 で1voltまで充電し、その後、放電電流密度0.1〜1.0mA/cm2 の範囲の種々の一定電流密度で放電させ、放電電流を放電時間で積分して全放電電荷量を求め、全放電電荷量と充電電圧とから放電容量を求めた。
図4は、作製した化学修飾カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタと、カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタと、活性炭を分極性電極材料とした電気二重層キャパシタとの、単位電極面積あたりの放電容量の比較を示す図である。図には測定した比表面積も示している。比表面積は、冷却した試料にN2 ガスを流して吸着させ、吸着平衡圧から表面積を求めるBET法(非特許文献5参照)を用いた。
図から、各々の電気二重層キャパシタの単位面積あたりの放電容量を比較すると、本発明の化学修飾カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタは、カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタと比べて約1.3倍大きく、また、活性炭を分極性電極とした電気二重層キャパシタと較べ約1.4倍大きいことがわかる。
この結果は、化学修飾カーボンナノチューブ繊維の官能基が放電容量を増大させることを実証し、また、化学修飾カーボンナノチューブ繊維のカーボンナノチューブ構造体の構造的特徴による効果と官能基による効果とが組み合わされて、従来にない高蓄電容量密度が実現できることを実証したものである。
図から、各々の電気二重層キャパシタの単位面積あたりの放電容量を比較すると、本発明の化学修飾カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタは、カーボンナノチューブ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタと比べて約1.3倍大きく、また、活性炭を分極性電極とした電気二重層キャパシタと較べ約1.4倍大きいことがわかる。
この結果は、化学修飾カーボンナノチューブ繊維の官能基が放電容量を増大させることを実証し、また、化学修飾カーボンナノチューブ繊維のカーボンナノチューブ構造体の構造的特徴による効果と官能基による効果とが組み合わされて、従来にない高蓄電容量密度が実現できることを実証したものである。
本発明の化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタによれば、従来の電気二重層キャパシタよりも蓄電容量密度が大きいので、電子機器のバックアップ電源、モバイル通信機の電源、あるいは、燃料電池自動車やハイブリッド自動車の蓄電システム、特に自動車の減速時に散逸させる運動エネルギーを回収する回生エネルギー蓄
電システムに使用すれば、有用である。
電システムに使用すれば、有用である。
Claims (4)
- 分極性電極と電解液を用いる電気二重層キャパシタにおいて、分極性電極が化学修飾カーボンナノ繊維から成ることを特徴とする、化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタ。
- 前記化学修飾カーボンナノ繊維は、カーボンナノチューブと、カーボンナノチューブの表面に導入したカルボニル基及び/又はエーテル基からなることを特徴とする、請求項1に記載の化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタ。
- 前記化学修飾カーボンナノ繊維は、カップ積層型カーボンナノフィラメントと、カップ積層型カーボンナノフィラメントの表面に導入したカルボニル基及び/又はエーテル基からなることを特徴とする、請求項1に記載の化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタ。
- 前記化学修飾カーボンナノ繊維は、コイン積層型カーボンナノフィラメントと、コイン積層型カーボンナノフィラメントの表面に導入したカルボニル基及び/又はエーテル基からなることを特徴とする、請求項1に記載の化学修飾カーボンナノ繊維を分極性電極とした電気二重層キャパシタ。
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