JP2006195001A - 光反射板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 タンデム型押出発泡成形装置1を用いて、熱可塑性樹脂を含む成形材料を溶融し、溶融された成形材料に、超臨界状態の不活性ガスを混合し、高分散状態で溶解させた後、ダイ4から発泡させながら押し出して、マイクロセルラーフォームを押出発泡成形する。次いで、得られたマイクロセルラーフォームを、圧縮または延伸することにより、光反射板を得る。
【選択図】 図1
Description
サイドライト方式では、液晶ディスプレイの側面に光源が配置されるとともに、液晶ディスプレイの背面には、反射板、導光板および拡散板が、順次、液晶ディスプレイに近接するように配置されている。そして、光源から照射される光は、導光板中を反射しながら伝播され、かつ、反射板によって反射され、その後、拡散板から液晶ディスプレイに向かって均一な平面光として出射され、それによって、液晶ディスプレイの全面が、均一に照明される。
本発明の目的は、光反射板を、簡易な方法により、安定して効率よく製造することのできる、光反射板の製造方法、および、その製造方法により製造された光反射板を提供することにある。
また、本発明の光反射板の製造方法では、前記熱可塑性樹脂が、ポリメチルメタクリレート、ポリエステルまたはポリカーボネートであることが好適であり、前記不活性流体が、超臨界状態の二酸化炭素または超臨界状態の窒素であることが好適である。
また、本発明の光反射板は、400〜700nmの波長において、平均反射率が90%以上であることが好適である。
図1において、このタンデム型押出発泡成形装置1は、押出機2と、ガス供給部3と、ダイ4と、圧縮ローラ60と、巻取ローラ61と、これら各部を制御するためのCPU5とを備えている。
第1押出機6は、シリンダ9、および、そのシリンダ9内に2本のスクリュー10(図1では1本のスクリューのみが現われている。)を備える二軸押出機から構成されており、さらに、駆動モータ11、ホッパ12およびヒータ13などを備えている。
シリンダ9は、筒状部材からなり、そのシリンダ9内に内装される2本のスクリュー10の軸方向一端部(押出方向(成形材料の移動方向)上流側端部)を、回転可能に軸受支持している。
駆動モータ11は、シリンダ9におけるスクリュー10の軸方向一端部において、図示しない減速装置などを介して、2本のスクリュー10の軸方向一端部にそれぞれ連結されている。
ヒータ13は、シリンダ9における外周面に、スクリュー10の軸方向に沿って複数のブロックごとに設けられている。シリンダ9内には、CPU5に接続される図示しない温度センサが設けられており、この温度センサによって検知された検知温度に基づいて、ヒータ13がブロック単位で温度制御される。
連結部7は、第1押出機6の押出口15に接続される出口部16と、第2押出機8の次に述べるシリンダ22の供給口26に接続される入口部17と、これら出口部16および入口部17を接続する接続管18とを一体的に備えている。
第2押出機8は、第1押出機6と大略同様の構成とされ、シリンダ22、および、そのシリンダ22内に2本のスクリュー23(図1では1本のスクリューのみが現われている。)を備える二軸押出機から構成されており、さらに、駆動モータ24およびヒータ25などを備えている。
また、このシリンダ22におけるスクリュー23の軸方向一端部には、連結部7の入口部17が接続される供給口26が形成されている。また、このシリンダ22におけるスクリュー23の軸方向他端部(押出方向(成形材料の移動方向)下流側端部)には、成形材料をダイ4に向けて押し出すための押出口27が形成されている。
駆動モータ24は、シリンダ22におけるスクリュー23の軸方向一端部において、図示しない減速装置などを介して、2本のスクリュー23の軸方向一端部にそれぞれ連結されている。
なお、シリンダ22内には、CPU5に接続される図示しない圧力センサが設けられている。
ガスタンク28には、不活性流体として、たとえば、不活性ガス(後述)が貯蔵されている。また、ガスタンク28は、ガス供給ライン31を介して定量供給ポンプ29に接続されている。
ガスノズル30は、図2に示すように、ノズル部32と、ノズル部32に螺合されるジョイント部33とを備えている。
また、先端筒部34の筒内先端部には、段差状のばね受け部37が、中間筒部35の筒内先端部には、段差状の係止部38が、後端筒部36の筒内上端部には、ねじ溝が形成される螺着部39が、それぞれ形成されている。
このノズル部32では、ジョイント部33がノズル部32に接続された状態において、ジョイント部33におけるガス導入孔43が開口される先端縁部47が、中間筒部35の筒内のボール42上において、ボール42およびボール受け部41が移動可能な間隔を隔てて、係止部38と対向配置される。
一方、不活性ガスが供給されるときには、先端縁部47におけるガス導入孔43の開口部からの不活性ガスの噴射力によって、ボール42およびボール受け部41がばね40の付勢力に抗してばね40側に押圧され、ボール受け部41が係止部38に係止されるとともに、先端縁部47におけるガス導入孔43の開口部とボール42との間に隙間が形成される。これによって、不活性ガスは、その間から中間筒部35内に流入し、ボール受け部41およびボール42と中間筒部35の内周面との隙間を介して、先端筒部34内に流入し、先端筒部34の先端から流出される。
そして、このようなガス供給部3おいて、ノズル部32は、シリンダ9のノズル接続口48に、先端筒部34および中間筒部35が、シリンダ9の内周面49の近傍まで埋設されるようにして接続されており、ノズル接続口48における先端筒部47の先端からシリンダ9の内周面49までの間には、先端筒部34からシリンダ9に供給される超臨界状態の不活性ガスを、シリンダ9内の成形材料に分散させるための多孔質部材50が埋設されている。
また、この多孔質部材50は、ノズル部32の先端筒部34の先端の開口径よりも大径に形成されており、その一端面が、先端筒部34の先端と接触され、その反対側の他端面がシリンダ9の内周面49と略面一となるように配置されている。
押出通路52は、シリンダ22の軸方向に沿う貫通孔として形成されており、その上流側端部がシリンダ22の押出口27に接続され、その下流側端部が大気に開放される開放口54として形成されている。
また、ダイ4には、図示しないヒータおよび温度センサが内蔵されており、これらがCPU5に接続されている。これによって、温度センサによって検知される検知温度に基づいて、ヒータがCPU5によって温度制御されることにより、このダイ4が温度調節されている。
次に、このタンデム型押出発泡成形装置1によって、成形材料を押出発泡成形して、マイクロセルラーフォームを成形し、これを圧縮することにより、光反射板を製造する方法について説明する。
成形材料は、主として熱可塑性樹脂のペレットからなり、その他、目的および用途によって、添加剤が配合される。
これら添加剤のなかでは、好ましくは、無機粒子を配合する。無機粒子は、光の透過を抑制することができる。無機粒子としては、たとえば、酸化チタン、カオリン、シリカ、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが用いられる。無機粒子の平均粒子径は、たとえば、0.5〜5.0μmである。
そして、ホッパ12からの成形材料の投入とともに、CPU5によって、定量供給ポンプ29を駆動制御して、所定量の不活性ガスを、ガスタンク28から、ガス供給ライン31を介してガスノズル30に送り、その所定量の不活性ガスを、ガスノズル30から多孔質部材50を介してシリンダ6内に、超臨界状態で、連続的に供給する。
なお、CPU5による定量供給ポンプ29の駆動制御によって供給される超臨界状態の不活性ガスの供給量は、成形材料の種類や、目的とするマイクロセルラーフォームの物性により、適宜決定すればよいが、たとえば、シリンダ9内において混合される成形材料および不活性ガスの合計に対して、5重量%以下、好ましくは、3重量%以下となるように設定される。
また、第2押出機8においては、CPU5によって、駆動モータ24を、2本のスクリュー23が所定の回転速度(たとえば、1〜200回転/分、好ましくは、10〜150回転/分)で回転するように駆動制御するとともに、ヒータ25を、第2押出機8のシリンダ22内が、第1押出機6のシリンダ9内の温度よりも低く、かつ、溶融温度よりも高い温度であって、押出方向に従って順次ブロックごとに低くなるような温度(成形材料(樹脂)の種類にもよるが、たとえば、押出方向最上流側温度が80〜300℃、好ましくは、80〜200℃で、押出方向最下流側温度が70〜280℃、好ましくは、70〜170℃)に温度制御する。
そして、ダイ4に流動されてきた、不活性ガスが溶解されている成形材料は、押し出し前後、つまり、開放口54の通過前後の圧力差が5〜40MPa、好ましくは、15〜30MPaとなるように、押出通路52を通過して、開放口54から、所定の形状で大気圧下に連続的に押し出される。
また、圧縮ローラ60においては、CPU5によって、図示しないヒータを、ローラの表面温度が、ダイ4の温度よりも低い、たとえば、成形材料の溶融温度より30〜100℃低く、好ましくは、30〜50℃低くなるように温度制御する。
その後、このようにして成形された光反射板は、圧縮によりシート状となっており、巻取ローラ61によって巻き取られる。
なお、平均セル径は、たとえば、SEM写真の単位面積において、セル直径を平均して、その平均直径をセル数で割ることにより求めることができる。
セル密度=N(3/2)/(10-4×√S)3 (個/cm3)
N:セル数
S:測定面積(μm2)
また、発泡倍率は、成形材料の真比重を、マイクロセルラーフォームの水置換法での比重で割ることにより求めることができる。
そして、このマイクロセルラーフォームを、圧縮ローラ61で圧縮すると、セルが扁平して、400〜700nmの波長において、平均反射率90%以上、さらには、平均反射率95%以上の優れた光反射性能を有する光反射板を得ることができる。
また、得られた光反射板の厚みは、3mm以下、好ましくは、0.5〜2.0mmである。
なお、上記の方法では、第1押出機6および第2押出機8を、二軸押出機として構成したが、たとえば、1本のスクリューを備える単軸押出機として構成することもできる。
また、上記の方法では、第1押出機6および第2押出機8を備えるタンデム型押出発泡成形装置1を用いたが、たとえば、1台の押出機を備えるシングル型押出発泡成形装置を用いることもできる。
また、上記の方法では、マイクロセルラーフォームを、1対のローラからなる圧縮ローラ60により圧縮したが、複数対のローラを用いて、多段圧縮してもよく、さらには、ローラによる圧縮に限らず、たとえば、金型プレスを用いて、シート状のマイクロセルラーフォームを、間歇的に圧縮することもできる。また、押し出したシート状のマイクロセルラーフォームを数枚積層して、圧縮することもできる。
また、圧縮および延伸は、マイクロセルラーフォームを押出発泡成形した後、連続して圧縮または延伸することが、生産性の観点から好ましいが、たとえば、一旦、巻取ロール61で巻き取った後、再度巻き出して、圧縮または延伸することもできる。
また、上記の方法により得られる光反射板は、液晶ディスプレイ装置に用いられる以外にも、特に限定されることなく、各種の照明装置において、広く用いることができる。
上記したタンデム型押出発泡成形装置1を用い、押出発泡成形条件を下記のように設定して、ポリメチルメタクリレートのペレットを押出発泡成形した。得られたマイクロセルラーフォームは、長手方向に連続するシート状であって、その厚みが2.0mm、平均セル径が4.5μm、セル密度が2.9×109個/cm3、発泡倍率が1.5倍であった。また、得られたマイクロセルラーフォームのSEM写真(倍率1000、加速電圧:20kV)を図3に示す。
(押出発泡成形条件)
第1成形機:ホッパ投入量20kg/h、スクリュー回転速度100回転/分、ヒータ温度(シリンダ内温度)240℃、シリンダ内圧力20MPa
不活性ガス:超臨界窒素ガス、ガス供給量(ガス濃度)3.0重量%
第2成形機:スクリュー回転速度20回転/分、ヒータ温度(シリンダ内温度)最上流側210℃、最下流側198℃、シリンダ内圧力15MPa
ダイ:ダイ温度195℃、圧力差24MPa
次いで、圧縮ローラの圧縮条件を下記のように設定して、得られたマイクロセルラーフォームを圧縮することにより、光反射板を得た。
(圧縮条件)
圧縮ローラ:ローラ表面温度120℃、圧縮率50%
実施例2
実施例1と同様の押出発泡成形条件で、実施例1と同様のマイクロセルラーフォームを得た後に、圧縮ローラの代わりに金型プレスを用いて、得られたマイクロセルラーフォームを圧縮することにより、光反射板を得た。
その後、得られた光反射板の380〜760nmの波長における拡散反射率を、硫酸バリウムの微粉末を固めた白板の拡散反射率を100%とした相対値として、分光光度計(島津製作所製UV−3100PC、積分球付付属装置ISR−3100)を用いて測定した。その結果を、図5に示す。
4 ダイ
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂を含む成形材料を溶融する溶融工程、
溶融する前記成形材料に不活性流体を混合する混合工程、
不活性流体が混合された溶融状態の前記成形材料を、ダイから発泡させながら押し出して、マイクロセルラーフォームを成形する押出工程、および、
前記マイクロセルラーフォームを圧縮または延伸する圧縮延伸工程を備えていることを特徴とする、光反射板の製造方法。 - 前記圧縮延伸工程において、前記マイクロセルラーフォームの厚みが、圧縮前または延伸前100%に対して、圧縮後または延伸後に10〜70%となるように、前記マイクロセルラーフォームを圧縮または延伸することを特徴とする、請求項1に記載の光反射板の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリメチルメタクリレート、ポリエステルまたはポリカーボネートであることを特徴とする、請求項1または2に記載の光反射板の製造方法。
- 前記不活性流体が、超臨界状態の二酸化炭素または超臨界状態の窒素であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の光反射板の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の光反射板の製造方法において、押出工程にて、平均セル径が10μm以下で、セル密度が109個/cm3以上のマイクロセルラーフォームを成形した後、圧縮延伸工程にて、前記マイクロセルラーフォームを厚み3.0mm以下に圧縮または延伸することによって、得られることを特徴とする、光反射板。
- 400〜700nmの波長において、平均反射率が90%以上であることを特徴とする、請求項5に記載の光反射板。
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