JP2006194730A - エバネッセント波励起蛍光検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面にエバネッセント波を生じさせる透光性板体の表面側に多数のプローブを固定し、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応を、液層において従来の方法で蛍光検出する場合には、背景ノイズにより検出感度やS/N比が低く、また、蛍光色素により蛍光標識された測定対象物をプローブと反応させる前に、過剰の蛍光色素を除去する目的でゲルろ過精製を行う工程が必要であった。
【解決手段】 これを解決するために、本発明では、上記の方法において、液層に黒色着色剤、例えば墨汁等の、微粒子が主成分である顔料系着色剤を添加して着色するエバネッセント波励起蛍光検出方法を提案する。
【選択図】 図1
【解決手段】 これを解決するために、本発明では、上記の方法において、液層に黒色着色剤、例えば墨汁等の、微粒子が主成分である顔料系着色剤を添加して着色するエバネッセント波励起蛍光検出方法を提案する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エバネッセント波励起蛍光検出方法、特に、表面にエバネッセント波を生じさせる透光性板体の表面側に多数のプローブを固定し、液層において、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応を蛍光検出する方法に関するものである。
光の全反射面に生じ、距離に対して急激に減衰するエバネッセント波(近接場光)を利用して蛍光標識された測定対象物を励起し、その蛍光を検出することにより、測定対象物の反応等を測定する方法や装置が従来から知られている。
例えば、特許文献1、2は、細胞や生体組織の遺伝子発現態様を解析したり、抗原抗体反応を解析したりする試料チップ解析方法又は解析装置に関するもので、特許文献1には、入射される光を全反射して導波可能な導波板の端面から光を照射して、それが全反射する際に生じるエバネッセント波により、被解析用試料を標識した蛍光物質を励起し、その蛍光像により被解析用試料を解析する方法及び装置が記載されている。また特許文献2には、入射される光を導波可能な基板上に多数の試料を固定した試料チップを保持する試料チップ保持部材を試料チップの長手方向及び長手直交方向へそれぞれ移動する第1及び第2移動装置と、白色光源と、試料チップの試料に反応させる被検試料に標識された蛍光物質を励起させる波長の光を選択する出力側フィルタ部材と、透過光を各光照射部材に導入する光ファイバー束と、一対の光照射部材間の試料チップに相対して設けられ、試料チップの試料と反応した被検試料に標識され励起した蛍光物質から発光を選択的に透過する受光側フィルタ部材と、透過した所定エリア毎の発光に応じた電気信号を出力する受光装置とから構成された試料チップ解析装置が記載されている。
特開2002−22744号公報
特開2003−172701号公報
以上のようなエバネッセント波により蛍光物質を励起し、その蛍光を検出する方法において、表面にエバネッセント波を生じさせる透光性板体の表面側に設置したプローブと蛍光標識された測定対象物との反応を、液層において直接的に検出しようとした場合には、次のような問題が発生する。
即ち、表面にエバネッセント波を生じさせる透光性板体の表面側に液層が存在する場合には、透光性板体から表面側にしみ出たエバネッセント波が、プローブと反応した測定対象物の蛍光標識物のみならず、プローブと反応しないで液層内を浮遊して透光性板体に近接している蛍光標識物も励起して蛍光を発生させたり、また測定対象物自体から発生する自家蛍光が外乱光となって、背景ノイズとしての光強度を上昇させ、検出感度やS/N比の低下を引き起こしてしまう。
上述した特許文献1、2に記載された発明を始めとして、従来は、このような問題点に対しての対策を考慮していない。
また従来の方法では、蛍光色素により蛍光標識された測定対象物をプローブと反応させる前に、過剰の蛍光色素を除去する目的でゲルろ過精製を行う工程が必要であった。
本発明は、このような課題を解決することを目的とするものである。
本発明は、このような課題を解決することを目的とするものである。
以上の課題を解決するために,本発明では、表面にエバネッセント波を生じさせる透光性板体の表面側に多数のプローブを固定し、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応を、液層において蛍光検出する方法において、液層に黒色着色剤を添加して着色するエバネッセント波励起蛍光検出方法を提案する。
そして本発明では、上記発明において、黒色着色剤は、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応後に添加したり、又はプローブと蛍光標識された測定対象物との反応開始と同時又はそれ以前に添加することを提案する。
また本発明では、以上の発明において、黒色着色剤は、例えばカーボンブラック等の、微粒子が主成分である顔料系着色剤とすることができ、この顔料系着色剤として墨汁を使用することができる。
さらに本発明では、以上の発明において、透光性板体の表面側上方に液層乾燥防止用板体を設置し、この液層乾燥防止用板体は非透光性に構成することを提案する。
以上の本発明によれば、添加した黒色着色剤により液層が黒色に着色されることにより背景ノイズを低減し、S/N比を向上することができる。
そのため蛍光色素により蛍光標識された測定対象物をプローブと反応させる前に過剰の蛍光色素を除去するためのゲルろ過精製を行う工程を省略することが可能となる。
透光性板体の表面側上方に液層乾燥防止用板体を設置する場合には、この液層乾燥防止用板体は、着色等により非透光性に構成することにより、液層乾燥防止用板体を通しての外乱光の侵入を防止し、更にS/N比を向上することができる。
次に本発明を、実施例を示す図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明を適用するエバネッセント波励起蛍光検出による解析装置を模式的に示す概略図である。
符号1はスライドグラス等の透光性板体であり、この透光性板体1の端面に対応させて光照射部2を配置している。符号3は白色光源であり、この白色光源3から出射した白色光は、励起光フィルター4を介して光ファイバー5に入射し、この光ファイバー5を通して上記光照射部2に至る構成としている。
図1は本発明を適用するエバネッセント波励起蛍光検出による解析装置を模式的に示す概略図である。
符号1はスライドグラス等の透光性板体であり、この透光性板体1の端面に対応させて光照射部2を配置している。符号3は白色光源であり、この白色光源3から出射した白色光は、励起光フィルター4を介して光ファイバー5に入射し、この光ファイバー5を通して上記光照射部2に至る構成としている。
上記透光性板体1の表面側には、周囲に側壁部6を構成して液層7を保持可能とし、その上側に液層乾燥防止用板体としてのカバーグラス8を載置可能としている。このカバーグラス8と側壁部6は黒色に着色する等により非透光性に構成している。
一方、上記透光性板体1の背面側には、対物レンズ9と受光フィルター10を介して蛍光検出用のCCDカメラ11を配置している。
以上の構成において、透光性板体1の表面側には、予め多数のプローブ12を固定化し、蛍光標識された測定対象物13を、バッファーと共に液層7でプローブ12と反応させる。
こうして所定の反応時間経過後、上記光照射部2から透光性板体1に励起光を照射し、全反射により透光性板体1の表面側に生じるエバネッセント波により励起された上記蛍光標識の蛍光の輝度値を、透光性板体1の背面側において、対物レンズ9、受光フィルター10を介してCCDカメラ11で測定するのであるが、本発明では、この際、液層7に黒色着色剤を添加して着色する。
こうして本発明では、添加した黒色着色剤により液層が黒色に着色されることにより背景ノイズを低減し、S/N比を向上することができる。そこで、次に、このような本発明の効果を示す実験結果を例として説明する。
糖鎖構造解析において、透光性板体1としてのスライドグラス上に多数のレクチンを固定化したマイクロアレイを作製し、蛍光標識した糖タンパク質と、レクチンとの相互作用の反応を、上述した解析装置により、液層において蛍光検出する実験を行った。
(実験結果−1)
まず、蛍光標識した糖タンパク質を含む反応液に、容量割合で10%の墨汁を添加し、これをスライドグラス上に供給して反応させた場合の、スライドグラス上のレクチンが存在していない背景の輝度値、即ち背景ノイズと、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値を測定した。このように、この実験では、墨汁は、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応開始時には、添加された状態となっている。
上述したとおり、従来の方法では、蛍光色素により蛍光標識された測定対象物13をプローブ12と反応させる前に、過剰の蛍光色素を除去する目的でゲルろ過精製を行う必要があるので、この実験においては、ゲルろ過精製工程を行った場合と、省略した場合の両方につき測定を行い、その夫々につき、墨汁を添加した場合と添加しない場合の両方について測定を行った。表1は反応開始2時間後の測定値、及び表2は反応開始20時間後の測定結果を示すものである。尚、これらの表1、表2並びに後述する表3中に記載されたバックグラウンド輝度値は背景ノイズを示す。
まず、蛍光標識した糖タンパク質を含む反応液に、容量割合で10%の墨汁を添加し、これをスライドグラス上に供給して反応させた場合の、スライドグラス上のレクチンが存在していない背景の輝度値、即ち背景ノイズと、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値を測定した。このように、この実験では、墨汁は、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応開始時には、添加された状態となっている。
上述したとおり、従来の方法では、蛍光色素により蛍光標識された測定対象物13をプローブ12と反応させる前に、過剰の蛍光色素を除去する目的でゲルろ過精製を行う必要があるので、この実験においては、ゲルろ過精製工程を行った場合と、省略した場合の両方につき測定を行い、その夫々につき、墨汁を添加した場合と添加しない場合の両方について測定を行った。表1は反応開始2時間後の測定値、及び表2は反応開始20時間後の測定結果を示すものである。尚、これらの表1、表2並びに後述する表3中に記載されたバックグラウンド輝度値は背景ノイズを示す。
これらの表1、表2に示す測定結果から次のことがわかる。
表1(反応開始2時間後)に関して
a.背景ノイズは、ゲルろ過精製工程を行った場合において、12/100に低下すると共に、ゲルろ過精製工程を行わなかった場合においては、3/100というように大きく低下している。
b.ゲルろ過精製工程を行った場合において、墨汁を加えると、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値と背景ノイズとの比(S/N比)は、加えない場合と比較して、最大7.4倍(197.03/26.49…レクチン2,0.125mg/mL)向上した。
c.ゲルろ過精製工程を省略した場合において、墨汁を加えると、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値と背景ノイズとの比(S/N比)は、加えない場合と比較して、最大27倍(127.68/4.73…レクチン2,0.25mg/mL)向上した。
表2(反応開始20時間後)に関して
a.背景ノイズは、ゲルろ過精製工程を行った場合において、18/100に低下すると共に、ゲルろ過精製工程を行わなかった場合においては、5/100というように大きく低下している。
b.ゲルろ過精製工程を行った場合において、墨汁を加えると、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値と背景ノイズとの比(S/N比)は、加えない場合と比較して、最大5.6倍(152.66/27.36…レクチン2,0.5mg/mL)向上した。
c.ゲルろ過精製工程を省略した場合において、墨汁を加えると、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値と背景ノイズとの比(S/N比)は、加えない場合と比較して、最大21倍(79.89/3.79…レクチン2,0.5mg/mL)向上した。
表1(反応開始2時間後)に関して
a.背景ノイズは、ゲルろ過精製工程を行った場合において、12/100に低下すると共に、ゲルろ過精製工程を行わなかった場合においては、3/100というように大きく低下している。
b.ゲルろ過精製工程を行った場合において、墨汁を加えると、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値と背景ノイズとの比(S/N比)は、加えない場合と比較して、最大7.4倍(197.03/26.49…レクチン2,0.125mg/mL)向上した。
c.ゲルろ過精製工程を省略した場合において、墨汁を加えると、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値と背景ノイズとの比(S/N比)は、加えない場合と比較して、最大27倍(127.68/4.73…レクチン2,0.25mg/mL)向上した。
表2(反応開始20時間後)に関して
a.背景ノイズは、ゲルろ過精製工程を行った場合において、18/100に低下すると共に、ゲルろ過精製工程を行わなかった場合においては、5/100というように大きく低下している。
b.ゲルろ過精製工程を行った場合において、墨汁を加えると、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値と背景ノイズとの比(S/N比)は、加えない場合と比較して、最大5.6倍(152.66/27.36…レクチン2,0.5mg/mL)向上した。
c.ゲルろ過精製工程を省略した場合において、墨汁を加えると、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値と背景ノイズとの比(S/N比)は、加えない場合と比較して、最大21倍(79.89/3.79…レクチン2,0.5mg/mL)向上した。
以上の測定結果から、次のことがわかる。
a.ゲルろ過精製工程を行った場合や省略した場合のいずれにおいても、液層に墨汁を加えることにより、背景ノイズを大幅に低減して、S/N比を向上することができるので、レクチン−糖タンパク質の結合力が、より弱い反応においても検出が可能となる。
b.背景ノイズの低減とS/N比の向上は、特に、ゲルろ過精製工程を省略した場合に顕著であることから、本発明においては、このゲルろ過精製工程を省略することが可能である。従って、操作の簡略化と共に、より、ありのままの状態における測定が可能となり、微量のため精製の困難な測定対象物など、適用範囲が格段に広がった。
c.a、bにおいて、より弱い結合を検出できることから経時的な輝度変化などの測定が従来より容易になり、反応状態をリアルタイムでより精度よく解析することが可能となる。
a.ゲルろ過精製工程を行った場合や省略した場合のいずれにおいても、液層に墨汁を加えることにより、背景ノイズを大幅に低減して、S/N比を向上することができるので、レクチン−糖タンパク質の結合力が、より弱い反応においても検出が可能となる。
b.背景ノイズの低減とS/N比の向上は、特に、ゲルろ過精製工程を省略した場合に顕著であることから、本発明においては、このゲルろ過精製工程を省略することが可能である。従って、操作の簡略化と共に、より、ありのままの状態における測定が可能となり、微量のため精製の困難な測定対象物など、適用範囲が格段に広がった。
c.a、bにおいて、より弱い結合を検出できることから経時的な輝度変化などの測定が従来より容易になり、反応状態をリアルタイムでより精度よく解析することが可能となる。
(実験結果−2)
次に、この実験では、表1及び表2に係る実験とは異なり、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応開始時には墨汁は添加しておらず、反応後の測定直前に、液層に容量割合で1〜50%、具体的には1%、10%及び50%の墨汁を添加した場合の、スライドグラス上のレクチンが存在していない背景の輝度値、即ち背景ノイズと、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値を測定した。尚、この実験では、ゲルろ過精製工程を行っている。その結果を表3に示している。
次に、この実験では、表1及び表2に係る実験とは異なり、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応開始時には墨汁は添加しておらず、反応後の測定直前に、液層に容量割合で1〜50%、具体的には1%、10%及び50%の墨汁を添加した場合の、スライドグラス上のレクチンが存在していない背景の輝度値、即ち背景ノイズと、レクチン−糖タンパク質の結合量を反映した部分の輝度値を測定した。尚、この実験では、ゲルろ過精製工程を行っている。その結果を表3に示している。
この表3に示す測定結果から、反応後に墨汁を添加した場合においては、次のことがわかる。
a.背景ノイズは、1%、10%及び50%の夫々につき、43/100、41/100及び36/100と低下しており、それに伴ってS/N比が向上している。
b.墨汁添加量が1%と低い場合にも、背景ノイズの低減効果が得られる。
c.墨汁添加量50%における24時間静置後のデータから、長時間経過しても背景ノイズの低減効果に悪影響がない。
a.背景ノイズは、1%、10%及び50%の夫々につき、43/100、41/100及び36/100と低下しており、それに伴ってS/N比が向上している。
b.墨汁添加量が1%と低い場合にも、背景ノイズの低減効果が得られる。
c.墨汁添加量50%における24時間静置後のデータから、長時間経過しても背景ノイズの低減効果に悪影響がない。
(実験結果−3)
上記の実験において、糖タンパク質を蛍光標識する蛍光色素が不純物に非特異的に結合したものを使用した場合、墨汁を添加しない場合と、墨汁を容量割合で50%添加した場合のCCDカメラの撮像画像を図2に示す。尚、(a)は墨汁を添加しない場合、(b)は墨汁を添加した場合である。
上記の実験において、糖タンパク質を蛍光標識する蛍光色素が不純物に非特異的に結合したものを使用した場合、墨汁を添加しない場合と、墨汁を容量割合で50%添加した場合のCCDカメラの撮像画像を図2に示す。尚、(a)は墨汁を添加しない場合、(b)は墨汁を添加した場合である。
(実験結果−4)
図3に示されるように蛍光色素が不純物に非特異的に結合したものを使用した場合には、測定しようとするプローブのスポット以外の部分に、不純物に起因する輝点がノイズとして表れ、これらが測定の妨害になっているが、墨汁を添加した場合には、これらの輝点のノイズが消失するため、精度良く測定ができることが分かる。
図3に示されるように蛍光色素が不純物に非特異的に結合したものを使用した場合には、測定しようとするプローブのスポット以外の部分に、不純物に起因する輝点がノイズとして表れ、これらが測定の妨害になっているが、墨汁を添加した場合には、これらの輝点のノイズが消失するため、精度良く測定ができることが分かる。
これらの実験−2〜実験−4から、反応後に墨汁を添加した場合においても、測定時の背景ノイズが低減してS/N比が向上し、相互作用の、より定量的な解析を可能とした。
(実験結果−5)
図3は、マウスの臓器由来の糖たんぱく質を含む粗抽出液をサンプルとし、糖鎖構造を網羅的に解析するため、スライドグラス上に固定したレクチンアレイによる実験を行った結果を示すものである。この実験では、蛍光標識後のゲルろ過精製工程を省略したサンプルにおけるレクチン(プローブ)との反応を5%の墨汁を添加して測定し、これを、墨汁を添加せずに、従来方法通りにゲルろ過精製工程を行った蛍光標識サンプルにおけるレクチンとの反応を測定した結果と比較している。
図3は、マウスの臓器由来の糖たんぱく質を含む粗抽出液をサンプルとし、糖鎖構造を網羅的に解析するため、スライドグラス上に固定したレクチンアレイによる実験を行った結果を示すものである。この実験では、蛍光標識後のゲルろ過精製工程を省略したサンプルにおけるレクチン(プローブ)との反応を5%の墨汁を添加して測定し、これを、墨汁を添加せずに、従来方法通りにゲルろ過精製工程を行った蛍光標識サンプルにおけるレクチンとの反応を測定した結果と比較している。
この実験では、サンプルに墨汁を5%添加することで、従来の方法では背景ノイズが高く測定が殆ど不可能であったゲルろ過精製工程を省略した状態での蛍光標識されたサンプルにおけるレクチンとの反応を、精製したサンプルと同等か、それ以上に感度よく測定することができた。このことから、本発明を適用すれば、微量な生体試料を粗抽出液のままでハイ・スループットに解析可能となることが分かった。
(実験結果−6)
図4は、図1に示す解析装置を用い、蛍光標識した測定対象物として糖鎖を含む反応液を用い、レクチン(プローブ)との相互作用を液層において測定した結果を示すものである。蛍光標識した糖鎖は、蛍光標識した糖たんぱく質と比べて検出感度が著しく劣る傾向にあり、従来法においてはゲルろ過精製工程を行っても検出は困難であった。そのため定量的な測定を行うには糖鎖を含む反応液を高濃度にする必要があるが、同時に背景ノイズも上昇するため、測定は不可能であった。
本実験の結果より、200nMの高濃度糖鎖を含む反応液において、従来法では輝度値が測定可能最大値を超えるため、得られる画像が真っ白になりスポットを確認することができなかった。しかしながら、墨汁を容量で10%添加した反応液を用いることにより、レクチン−糖鎖結合量を反映した輝度値を測定できた。この実験結果より、感度の低い糖鎖を用いた経時的な解析も、高濃度反応液に墨汁を添加することで容易になった。
図4は、図1に示す解析装置を用い、蛍光標識した測定対象物として糖鎖を含む反応液を用い、レクチン(プローブ)との相互作用を液層において測定した結果を示すものである。蛍光標識した糖鎖は、蛍光標識した糖たんぱく質と比べて検出感度が著しく劣る傾向にあり、従来法においてはゲルろ過精製工程を行っても検出は困難であった。そのため定量的な測定を行うには糖鎖を含む反応液を高濃度にする必要があるが、同時に背景ノイズも上昇するため、測定は不可能であった。
本実験の結果より、200nMの高濃度糖鎖を含む反応液において、従来法では輝度値が測定可能最大値を超えるため、得られる画像が真っ白になりスポットを確認することができなかった。しかしながら、墨汁を容量で10%添加した反応液を用いることにより、レクチン−糖鎖結合量を反映した輝度値を測定できた。この実験結果より、感度の低い糖鎖を用いた経時的な解析も、高濃度反応液に墨汁を添加することで容易になった。
本発明は、以上のとおり、表面にエバネッセント波を生じさせる透光性板体の表面側に多数のプローブを固定し、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応を、液層において蛍光検出する方法において、液層に黒色着色剤を添加して着色することにより、背景ノイズを低減し、S/N比を向上することができる。
そのため蛍光色素により蛍光標識された測定対象物をプローブと反応させる前に過剰の蛍光色素を除去するためのゲルろ過精製を行う工程を省略することが可能となり、工程の簡素化を図ることができる。
またこのことから操作の簡略化と共に、より、ありのままの状態における測定が可能となり、微量のため精製の困難な測定対象物への適用等、適用範囲を格段に広げることが可能となる。
更に、透光性板体の表面側上方に液層乾燥防止用板体を設置する場合には、この液層乾燥防止用板体は、着色等により非透光性に構成することにより、液層乾燥防止用板体を通しての外乱光の侵入を防止し、更にS/N比を向上することができる。
以上のことから、本発明では応用範囲として、微量生体サンプルを用いた測定、糖鎖を含むサンプルでの解析などを挙げることができ、その他の用途としても産業上の利用可能性大である。
1 透光性板体
2 光照射部
3 白色光源
4 励起光フィルター
5 光ファイバー
6 側壁部
7 液層
8 カバーグラス
9 対物レンズ
10 受光フィルター
11 CCDカメラ
12 プローブ
13 測定対象物
2 光照射部
3 白色光源
4 励起光フィルター
5 光ファイバー
6 側壁部
7 液層
8 カバーグラス
9 対物レンズ
10 受光フィルター
11 CCDカメラ
12 プローブ
13 測定対象物
Claims (6)
- 表面にエバネッセント波を生じさせる透光性板体の表面側に多数のプローブを固定し、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応を、液層において蛍光検出する方法において、液層に黒色着色剤を添加して着色することを特徴とするエバネッセント波励起蛍光検出方法
- 黒色着色剤は、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応後に添加することを特徴とする請求項1に記載のエバネッセント波励起蛍光検出方法
- 黒色着色剤は、プローブと蛍光標識された測定対象物との反応開始と同時又はそれ以前に添加することを特徴とする請求項1に記載のエバネッセント波励起蛍光検出方法
- 黒色着色剤は顔料系着色剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエバネッセント波励起蛍光検出方法
- 顔料系着色剤は墨汁であることを特徴とする請求項4に記載のエバネッセント波励起蛍光検出方法
- 透光性板体の表面側上方に液層乾燥防止用板体を設置し、この液層乾燥防止用板体は非透光性に構成したことを特徴とする請求項1に記載のエバネッセント波励起蛍光検出方法
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