JP2006187766A - ガス処理装置およびガス処理用カートリッジ - Google Patents

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芳昭 金子
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Abstract

【課題】被処理ガスの湿度環境に関係なく均一で高密度の電界形成が可能で、被処理ガスの流通時における圧力損失が少なく、処理効率が高いガス処理装置等を提供する。
【解決手段】ガス処理装置1は、誘電物質で覆われた金属電極で構成された電極対を構成する接地側電極4a,4b,4cおよび高圧側電極5a,5bと、各接地側電極と各高圧側電極との間に備えられた誘電体部材6a,6b,6c,6dと、上記電極対および誘電体部材が内部に設置されるプラズマ処理室1bとを有している。電極対4a,4b,4c,5a,5bの少なくとも一方の電極と誘電体部材との間に空隙15が形成されている。誘電体部材6a,6b,6c,6dは、被処理ガスの実質的全量が誘電体部材内を誘電体部材に対して垂直な方向に流通するように、プラズマ処理室1b内に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種の工業的処理工程から排出される揮発性有機化合物(以下、VOC[Volatile Organic Compounds]という。)を含むガスを、大気圧プラズマ分解方式で無害化するガス処理装置およびガス処理用カートリッジに関する。
VOCは、有機溶剤を使用する塗装工程等で発生する、トルエン、キシレン、MEK(メチルエチルケトン)等の有害化学物質である。かつては、VOCは、大気中に放出されていたのが実情であったが、近年、環境汚染物質排出移動登録(PRTR)制度が施行されるなど、環境への負荷物質であるVOCの低減が社会的にも求められるようになり、VOCの無害化技術が広く検討されている。VOC無害化技術としては、例えば光分解、触媒分解、強制燃焼などの方式があるが、装置の大型化や運転コストの増加、有害物質の発生、処理効率等の問題があり、近年これらの課題を克服する技術として、放電利用型のVOC無害化技術が注目されている。放電利用型は、大気圧下で放電を発生させ、その放電によりVOCを処理するもので、放電方式によって、無声放電方式、沿面放電方式、パルスコロナ放電方式、誘電体充填方式等に分類される。
誘電体充填方式では、誘電体に電圧を印加することによって、誘電体同士の間隙に、大気圧下(例えば常圧下)でグロー放電を誘起させ、プラズマを発生させる。そして、処理対象ガスであるVOCをプラズマが発生している間隙に通し、プラズマの酸化作用でVOCを分解し、二酸化炭素や水に分解する。このため、誘電体充填方式では、誘電体表面に均一に高密度の電界を形成することが重要であり、そのための技術がいくつか開示されている。
まず、一対の電極間に、光触媒をコートした多孔質形状のセラミックスを挟持し、電極とセラミックスとの間に、緩衝材を配した空気浄化装置が開示されている(特許文献1参照)。この技術によれば、緩衝材を配置することにより、空間放電場内に設置されたセラミックスの表面に沿った面状の放電が発生し、コロナ放電開始電圧と火花放電開始電圧との電圧差が大きくなり、安定した放電を行うことができる。また、電極を誘電体で覆うことにより、火花放電を防止する技術も開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されているように緩衝材を配置した場合には、高湿度ガスを流通させると挟持されたセラミックス表面に水分が付着し、セラミックス表面に均一で高密度の電界を形成することが非常に困難となる。また、特許文献2に開示されているように電極に誘電体を被覆した場合には、電極と電極間に挟持されたセラミックスとが接触しているため、電極接触点近傍にのみに電界が集中し、火花放電防止は可能だが、処理効率が低下してしまう問題点がある。
そこで、そのような問題点を解消し得る技術として、誘電体を被覆した一対の電極間にゼオライト等の担持体を介挿し、担持体と電極との間に被処理ガスが流通する空間を設けたプラズマ発生装置が開示されている(特許文献3参照)。
特開2002−253658号公報 特開2004−105811号公報 特開平11−347342号公報
特許文献3に開示された構成では、電極と平行となる方向にガスを流通させている。そのため、プラズマ生成部の容積を増やすためには、誘電体を被覆した電極と担持体とを交互に積層する必要があり、電極構造が複雑化してしまう。また、電極と担持体との間に高密度で安定した電界を形成するためには、電極と担持体との間の距離を数mm程度にする必要があり、その間の空間を被処理ガスを流通させる場合には大きな圧力損失を生じてしまう。また、電極と平行となる方向にガスを流通させていることから、多孔質形状の担持体を使用した場合でも、ガスは担持体の孔内よりも電極と担持体との間の空間を優先的に流通してしまう。すると、担持体孔内を流通するガスの量が少なくなってしまうため、担持体に吸着材や触媒担持ゼオライトを用いた場合であっても、担持体孔内をガス処理のために有効に活用することができないという問題点がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、被処理ガスの湿度環境に関係なく均一で高密度の電界形成が可能で、被処理ガスの流通時における圧力損失が少なく、処理効率が高いガス処理装置およびガス処理用カートリッジを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のガス処理装置は、誘電物質で覆われた金属電極で構成され、高電圧が印加されるとグロー放電を誘起させる少なくとも一対の電極と、被処理ガスが内部を流通可能な形状に形成され、該一対の電極の間に備えられた誘電体部材と、前記一対の電極および前記誘電体部材が内部に設置されるプラズマ処理室と、を有し、前記一対の電極間にグロー放電を誘起させて大気圧下で前記プラズマ処理室内にプラズマを生成した状態で、前記被処理ガスを前記プラズマ処理室内に導入することによって、前記被処理ガスの処理を行うガス処理装置において、前記一対の電極の少なくとも一方の電極と前記誘電体部材との間に空隙が形成されており、前記誘電体部材は、前記被処理ガスの実質的全量が前記誘電体部材内を流通するように、前記プラズマ処理室内に配置されていることを特徴とする。
上記本発明によれば、被処理ガスの湿度環境に関係なく均一で高密度の電界形成が可能で、被処理ガスの流通時における圧力損失が少なく、処理効率が高いガス処理装置およびガス処理用カートリッジを提供することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るガス処理装置の一実施形態を示す概略構成図である。
ガス処理装置1は、処理対象物質である被処理ガスG1を導入するガス導入口2を有するガス導入部1aと、ガス導入部1aから流入する被処理ガスG1をプラズマ処理するプラズマ処理室1bと、プラズマ処理室1bでプラズマ処理された処理済ガスG2を系外に排出するガス排出口3を有するガス排出部1cとを有している。そのようなガスの流れ方向に関してガス導入部1aの上流側には、被処理ガスG1をガス導入部1aに送り込むファン11が設けられている。
プラズマ処理室1bには、ガスの流れ方向の上流側から順に、接地側電極4a、誘電体部材6a、高圧側電極5a、誘電体部材6b、接地側電極4b、誘電体部材6c、高圧側電極5b、誘電体部材6d、接地側電極4cが設けられている。さらに、接地側電極4a,4b,4c及び高圧側電極5a,5bと誘電体部材6a,6b,6c,6dとの間には空隙15が設けられている。なお、本発明においては、少なくともいずれか1つの空隙15が存在すればよい。例えば、図1のように空隙15は、誘電体部材6a,6b,6c,6dと接地側電極4a,4b,4cとの間、または誘電体部材6a,6b,6c,6dと高圧側電極5a,5bとの間の少なくとも一方に設ければよい。また、空隙15の距離は、印加する電圧や被処理ガスの湿度状態により適宜選択すればよいが、0.5mm未満であると高湿度下で放電が不安定になりやすく、1.6mm以上であるとプラズマ生成に大きな印加電圧が必要となるため、0.5mm〜1.5mm程度であることが好ましい。これらの各部材は、被処理ガスG1の全量が通過するように、プラズマ処理室1bの断面の全域に渡って配置されている。図1においては、誘電体部材6a,6b,6c,6dは、被処理ガスG1が、誘電体部材6a,6b,6c,6dの空隙15を形成する面に対して垂直な方向に流通するように、プラズマ処理室1b内に配置されている。
また、各電極4a,4b,4c,5a,5bは、それぞれ、図2に示される各電極4a,4b,5aのように、誘電体14が被覆された複数の金属電極13で構成されている。各接地側電極電極4a,4b,4cおよび各高圧側電極5a,5bにおいて、複数の金属電極13は互いに間隔をおいて配置されており、これにより各接地側電極電極および各高圧側電極は、被処理ガスG1が複数の金属電極13の間を流通可能な通気孔を形成している。
接地側電極4a,4b,4c(以下、「接地側電極4a等」と略称する場合がある。)および高圧側電極5a,5b(以下、「高圧側電極5a等」と略称する場合がある。)は、誘電体14が被覆された複数の金属電極13で構成されており、接地側電極4a,4b,4cは適宜の手段によって接地され、高圧側電極5a,5bは交流の高圧電源12に接続されている。接地側電極4aと高圧側電極5a、接地側電極4bと高圧側電極5a、接地側電極4bと高圧側電極5b、および接地側電極4cと高圧側電極5bはそれぞれ対向して対を成しており、高圧電源12から高圧側電極5a,5bに高圧の交流電圧が印加されると、大気圧下でそれらの電極対の間にグロー放電が誘起させられてプラズマが生成する。各電極対の間に備えられている各誘電体部材6a〜6dは、それらの間に生成したプラズマに晒される。
なお、ガス処理装置1が備える高圧側電極と接地側電極の数は、処理対象物質や必要な処理率によって適宜変更することができる。高圧電源12には50Hzや60Hzの商用周波数から、高周波(MHzオーダー)の範囲までの周波数のものが使用可能であり、出力電圧が数kV〜数10kVの範囲のものを用いるのが一般的であるが、本実施形態のガス処理装置1に用いることができる高圧電源はそれに限定されるわけではない。
図2は、図1に示した接地側電極、高圧側電極、および誘電体部材を有するカートリッジを示す概略斜視図である。
カートリッジ7は、接地側電極4a等と、高圧側電極5a等と、誘電体部材6a,6b(以下、「誘電体部材6a等」と略称する場合がある。)とが一体的な形態に構成されたパッケージであり、ガス処理装置1のプラズマ処理室1b内に着脱自在に搭載できる。このため、カートリッジ7は、一定時間使用後や、性能劣化の程度に応じて、適宜交換可能である。ガス処理装置1のプラズマ処理室1b内には、カートリッジ7を着脱自在に保持する保持部(不図示)が設けられている。ただし、このようなカートリッジ方式を採用するかどうかは任意である。
高圧側電極5a等および接地側電極4a等は、例えば、誘電体14が被覆された複数の棒状の金属電極13で構成されている。金属電極13の外径は1〜2mm程度であることが好ましい。金属電極13の材質としては、例えばステンレス、銅、真鍮、アルミニウム、鉄、タングステン等が用いられる。金属電極13を覆う誘電体14は、比誘電率の高いセラミックスを用いることが好ましく、例えばアルミナ、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、チタン酸バリウム等の誘電物質が用いられる。また、誘電体14の膜厚は、印加する電圧により絶縁破壊を起さない膜厚を適宜選択すればよいが、放電開始電圧を抑制するためには、100〜500μm程度であることが好ましい。
その被覆方法としては、チューブ状のセラミックス内に金属電極13を挿入する方法や金属電極13にセラミックスコーティングを施す方法等が考えられるが、金属電極13と誘電体14との空隙で放電による電力効率の低下が生じうることを考慮すると、セラミックスコーティングによる方法を採用することが好ましい。なお、誘電体14を被覆した金属電極13の形状は、誘電体部材6a等を保持でき、誘電体部材6a等に均一に電圧を印加でき、かつ被処理ガスG1が大きな圧力損失を受けずに通過できるように、適切に選定される。
図3は図2に示したカートリッジの変形例を示す斜視図である。図2に示したカートリッジのように誘電体14で被覆された棒状の金属電極13で構成された接地側電極4a,4bに代えて、図3に示すように、ガス流通が可能な通気孔が形成された形状(格子状、多孔質状、パンチングボード等)の金属電極13の表面に誘電体14としてセラミックコーティングを施して構成した接地側電極4d,4eを用いてもよい。
次に、誘電体部材6a等の構造について説明する。誘電体部材6a等の基本構造は多孔質形状の誘電体基材からなる。具体的には、ハニカム形状セラミックス、セラミックス粒子焼結体等の誘電体基材が挙げられるが、特にセラミックスからなる誘電体基材を骨格部とし、内部に3次元状に、かつ、網目状に形成されている流路を有するものが、強度が強くかつ圧力損失が少ない点で好ましい。
また、誘電体基材は、誘電体基材よりも比誘電率の高い強誘電膜で覆われていることが、小さな印加電圧でプラズマの発生が可能となり、誘電体の発熱が抑えられる点で好ましい。誘電体基材に使用する材料としては、比誘電率が50以下であるアルミナや酸化ジルコニウム等が望ましく、また強誘電膜材料としては、比誘電率1000以上であるチタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム等が望ましい。また、処理効率をさらに向上させるために、強誘電膜の表面に被処理物質を吸着・保持可能な吸着材、さらには処理反応を促進する触媒を被覆することが好ましく、それに使用可能な材料としては、ゼオライトやγ−アルミナ等の吸着材、白金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、二酸化マンガン、銀等の貴金属がある。
次に、本実施形態のガス処理装置1の動作について説明する。図1を参照すると、VOCを含有する被処理ガスG1が、ファン11により、ガス導入部1aからプラズマ処理室1b内の誘電体6a等に順次流入させられる。接地側電極4a等と高圧側電極5a等との間には、高圧電源12によって電圧が印加されており、これらに挟まれている誘電体部材6a等の表面上及び孔内に放電が発生して、大気圧下(例えば常圧下)でプラズマが生起されている。誘電体部材6a等の孔内に流れ込んだ被処理ガスG1は、プラズマに接触しながらプラズマによって酸化・分解されて、無害化される。無害化された処理済ガスG2はガス排出部1cに移行し、ガス排出口3を介してガス処理装置1の外に排出される。
上述したように、本実施形態のガス処理装置は、接地側電極4a等及び高圧側電極5a等と誘電体部材6a等との間に空隙15が設けられ、かつ高圧側電極5a等および接地側電極4a等が誘電体14で被覆した金属電極13で構成されているため、上記のガス処理動作の間、被処理ガスの湿度環境に関係なく、火花放電の発生を抑制し、かつ電極近傍への放電集中を生じさせることなく、誘電体部材6a等の表面に均一に高密度の電界を形成することが可能となり、ガス処理を高効率に行うことが可能となる。
また、本実施形態のガス処理装置は、被処理ガスG1をカートリッジ7の誘電体部材6a等の平面(図2に示すXY平面に平行な面)に対して垂直に流通させる構成となっており、そのほぼ全域において被処理ガスG1の実質的全量が流通する。すなわち、カートリッジ7は、被処理ガスG1が、誘電体部材6a等の空隙15を形成する面に対して垂直な方向に流通するように、プラズマ処理室1b内に配置されている。そのため、電極と担持体との間の狭い空間に被処理ガスを流通させている従来技術に比べて、被処理ガスG1がカートリッジ7を流通する際に生じる圧力損失を少なくすることができる。
さらに、本実施形態の構成によれば、プラズマ処理室1b内を流通する被処理ガスG1の実質的全量が誘電体部材6a等を流通することから、誘電体部材6a等の孔内空間をガス処理に有効に活用することが可能である。誘電体部材6a等の孔内空間は表面積が非常に大きいことから、被処理ガスG1がその孔内空間を通過する際には孔内空間に生成したプラズマに接触する機会がその分だけ多くなる。そのため、電極と担持体との間の狭い空間に被処理ガスを流通させ、担持体の表面でガス処理のほとんどを行う従来技術に比べて、被処理ガスG1の処理効率を向上させることができる。特に、誘電体部材6a等に吸着材や触媒を被覆したものを用いた場合には、その孔内の吸着材や触媒に被処理ガスG1が接触する機会も多くなることから、それらの吸着材や触媒の機能がより有効に活用されるため、処理効率をさらに向上させることができる。
本発明によるガス処理の効果を、以下の実施例によって、より具体的に説明する。なお、以下の実施例は一つの例示にすぎず、本発明の内容を限定するものではない。
図4は、実施例1,2および比較例1,2に用いたガス処理装置の概略構成を示す図である。実施例1,2および比較例1,2に共通して、ガス処理装置101のガス導入口には、被処理ガスを充填した被処理ガスボンベ114が流量調節器115を介して接続されている。ガス処理装置101のプラズマ処理室の室内容積は121cm3である。符号107は空隙を示している。ガス処理装置101のガス排出口は、パイプを介して分析装置116(ガステック社製のガス検知管)に接続されている。被処理ガスは相対湿度80%の5ppmアンモニアガスであり、流量調節器115を調節してその流量を1000リットル/分とした。
実施例1における各電極および誘電体部材の構成は、上記の実施形態で説明したものより多少簡略化されており、高圧電源112が接続された高圧側電極105の両側に、接地側電極104a,104bが高圧側電極105との間に各々誘電体106a,106b(外寸110mm×110mm×5mm)を挟んで配置されている。接地側電極104a,104bはステンレス棒(φ1mm)をアルミナチューブ(外径φ2mm、内径φ1mm)に挿入した構成であり、高圧側電極105はタングステン棒(φ1mm)をアルミナチューブ(外径φ2mm、内径φ1mm)に挿入した構成である。誘電体部材106a,106bと高圧側電極105との間には0.5mmの空隙が設けられている。誘電体部材106a,106bは、多孔質アルミナ基材上に、強誘電膜としてチタン酸バリウム(比誘電率εr=4000)を塗布し、1250℃で焼成後、吸着材としてハイシリカゼオライトを塗布して製作した。強誘電膜の厚みは20μm、吸着材塗布量は35w%、誘電体部材106a,106bにおける流路間隙は平均1mmであり、その空孔率は80%である。
実施例2では、誘電体部材106a,106bと接地側電極104a,104bの間に0.5mmの空隙107を設けた。その他の条件は実施例1と同じである。
比較例1では、接地側電極104a,104bとして、アルミナチューブで被覆されていないステンレスロッド(φ1mm)を用いた。比較例2では、高圧側電極105および接地側電極104a,104bと誘電体部材106a,106bとが接触しておりそれらの間に空隙が無い構造とした。比較例1,2におけるその他の条件は実施例1と同じである。
実施例1,2および比較例1,2について、ガス処理装置101を使用して、上記の被処理ガスの無害化処理を行った。図5に各例の主要条件および結果の一覧表を示す。なお、処理率の定義は図5中に示した通りである。
比較例1では、接地側電極104a,104bにアルミナチューブで被覆をしていないステンレスロッドを用いているため、高湿度下では均一に高密度の電界を安定して形成することが不可能であることから、実施例1,2に比べて処理能力(処理率)が劣っている。比較例2では、高圧側電極105および接地側電極104a,104bと誘電体部材106a,106bとが接触しておりそれらの間に空隙が無い構造になっているため、高湿度下では電極近傍に電界が集中してしまうことから、実施例1,2に比べて処理能力(処理率)が劣っている。
以上説明したように、本発明によれば、誘電物質で覆われた金属電極で構成された一対の電極の少なくとも一方の電極と誘電体部材との間に空隙が形成されているので、ガス湿度に影響されずに高密度の電界を均一に形成することができ、被処理物質の処理効率を向上させることが可能となる。また、誘電体部材が、処理ガスの実質的全量が誘電体部材内を誘電体部材内に対して垂直な方向に流通するようにプラズマ処理室内に配置されているので、処理ガスの流通時の圧力損失を少なくすることができる。さらに、プラズマ処理室1b内を流通する被処理ガスG1の実質的全量が誘電体部材6a等を通過することから、誘電体部材6a等が多孔質形状である場合に誘電体部材6a等の孔内空間をガス処理に有効に活用することが可能である。
本発明のガス処理装置およびガス処理用カートリッジは、VOCや臭気物質を処理することができることから、汚染された土壌から放出される臭気物質の処理や、人が集まる屋内収容空間、家庭等の居室、自動車内、その他脱臭を必要とする空間におけるガス処理に広く用いることができる。
本発明に係るガス処理装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図1に示した接地側電極、高圧側電極、および誘電体部材を有するカートリッジを示す概略斜視図である。 図2に示したカートリッジの変形例を示す斜視図である。 本発明の各実施例および各比較例に用いたガス処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の各実施例および各比較例の主要条件および結果の一覧を示す表である。
符号の説明
1 ガス処理装置
1b プラズマ処理室
4a,4b,4c 接地側電極
5a,5b 高圧側電極
6a,6b,6c,6d 誘電体部材
7 カートリッジ
13 金属電極
14 誘電体
15 空隙

Claims (8)

  1. 誘電物質で覆われた金属電極で構成され、高電圧が印加されるとグロー放電を誘起させる少なくとも一対の電極と、
    被処理ガスが内部を流通可能な形状に形成され、該一対の電極の間に備えられた誘電体部材と、
    前記一対の電極および前記誘電体部材が内部に設置されるプラズマ処理室と、
    を有し、前記一対の電極間にグロー放電を誘起させて大気圧下で前記プラズマ処理室内にプラズマを生成した状態で、前記被処理ガスを前記プラズマ処理室内に導入することによって、前記被処理ガスの処理を行うガス処理装置において、
    前記一対の電極の少なくとも一方の電極と前記誘電体部材との間に空隙が形成されており、
    前記誘電体部材は、前記被処理ガスの実質的全量が前記誘電体部材内を流通するように、前記プラズマ処理室内に配置されていることを特徴とするガス処理装置。
  2. 前記誘電体部材は、前記被処理ガスが前記誘電体部材の前記空隙を形成する面に対して垂直な方向に流通するように、前記プラズマ処理室内に配置されている、請求項1に記載のガス処理装置。
  3. 前記誘電体部材は多孔質形状に形成されている、請求項1または2に記載のガス処理装置。
  4. 前記一対の電極および前記誘電体部材は一体的なカートリッジの形態に構成されており、
    前記プラズマ処理室内には前記カートリッジを着脱自在に保持する保持部が設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載のガス処理装置。
  5. 金属電極と該金属電極を覆う誘電物質とで構成され、高電圧が印加されるとグロー放電を誘起させる少なくとも一対の電極と、被処理ガスが内部を流通可能な形状に形成され、該一対の電極の間に備えられた誘電体部材とが一体的な形態に構成され、
    前記一対の電極の少なくとも一方の電極と前記誘電体部材との間に空隙が形成されているガス処理用カートリッジ。
  6. 前記誘電体部材は多孔質形状に形成されている、請求項5に記載のガス処理用カートリッジ。
  7. 前記ガス処理用カートリッジは、大気圧下で前記一対の電極間にグロー放電を誘起させてプラズマを生成した状態で前記被処理ガスをプラズマ処理室内に導入することによって前記被処理ガスの処理を行うガス処理装置の前記プラズマ処理室内に着脱自在に設置されて用いられ、
    前記ガス処理用カートリッジは、前記被処理ガスの実質的全量が前記誘電体部材内を流通するように前記プラズマ処理室内に配置される、請求項5または6に記載のガス処理用カートリッジ。
  8. 前記ガス処理用カートリッジは、前記被処理ガスが前記誘電体部材の前記空隙を形成する面に対して垂直な方向に流通するように前記プラズマ処理室内に配置される、請求項7に記載のガス処理用カートリッジ。
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