JP2006184178A - 塗料の着色力を評価する方法およびそのためのユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 基準塗料となる白塗料を用いずに、塗料の着色力を評価する方法およびそのためのユニットを提供する。
【解決手段】 本発明は、塗料の着色力を評価する方法であって、(i)白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を測定する工程、(ii)塗料を白色被塗物および黒色被塗物に塗布して薄膜を形成する工程、(iii)白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚を測定する工程、(iv)白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率を測定する工程、ならびに(v)アルゴリズムに基づいて着色力を評価する工程を含んで成り、当該アルゴリズムでは、白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率、白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚、ならび白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率から算出される数値に基づいて着色力を評価する方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗料の着色力を評価する方法およびそのような着色力評価方法を実施するユニットに関する。より詳細には、本発明は、基準となる白塗料(本明細書において「基準塗料」ともいう)を用いず、評価の対象となる塗料のみを実質的に用いる着色力評価方法およびそのためのユニットに関する。
一般的に、塗料の調色(または色合せ)は、原色の単一顔料の幾つかを混ぜ合わせることによって行っている。得られる塗料の着色力(または塗料の色合いもしくは色調)を評価する方法としては、一般的には、相対法(いわゆる白チンチング法)と絶対法とが考えられる。相対法は、図3にその手順を示すように、評価に用いる塗料の他に基準となる白塗料を用いている(例えば非特許文献1および非特許文献2を参照)。この方法では、着色力を評価するに先立って、評価に用いる塗料と白塗料とを精秤した後、それらを攪拌により混合して均一な混合物を得る必要がある。そして、得られた混合物を被塗物に塗布した後、乾燥させて測色が実施される。それに対して、絶対法では、基準となるような白塗料を用いておらず、評価の対象物のみを被塗物に塗布して測色が実施される。
絶対法では、ある程度の透明性が評価対象物に要求されるため、隠蔽力が強くて透明性の低い塗料に対しては、被塗物を完全に隠蔽した状態で評価を実施する相対法が一般的に適している。従って、従来から、塗料の着色力を評価する方法としては相対法が用いられてきた。
しかしながら、相対法では、着色力評価の基準となる白塗料を厳密に管理する必要がある上、絶対法と比べて、基準となる白塗料を使用毎に攪拌、精秤する必要があり、また、一般に塗布後に乾燥工程が必要であり、結果的に測色までに時間を要してしまう等の問題点があった。特に、基準となる白塗料の管理は重要であり、白塗料の管理が不十分であると、評価基準が一定しないために、得られる着色力評価の信頼性が低下してしまうことになる。また、相対法では、白塗料との混合の際に攪拌が不十分であることに起因して着色力評価の信頼性が低下してしまう可能性があった。
ISO787/24−1985 JIS K 5101−3−4:2004
従って、本発明の課題は、塗料の着色力を白塗料を用いずに評価する絶対法であって、そのような絶対法を塗料の着色力評価に好適に用いた方法を提供する。また、本発明の課題は、そのような方法を実施するためのユニットを提供することも含んでいる。
本発明は、塗料の着色力を評価する方法であって、
(i)白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を測定する工程、
(ii)塗料を白色被塗物および黒色被塗物に塗布して薄膜を形成する工程、
(iii)白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚を測定する工程、
(iv)白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率を測定する工程、ならびに
(v)アルゴリズムに基づいて着色力を評価する工程
を含んで成り、
当該アルゴリズムでは、白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率、白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚、ならび白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率から算出される数値を評価指標として着色力を評価する方法を提供する。また、本発明では、そのような着色力評価法を実施するためのユニットも提供される。
本発明の方法は、基準となる白塗料を用いず、評価の対象となる塗料のみを実質的に用いた着色力評価法であり、評価に用いる塗料を薄膜化(そのため必要に応じて希釈化)させているので、塗料に対して従来不適当と考えられていた絶対法を好適に用いることが可能となっている点で特徴を有する。
また、本発明の方法は、着色力評価の指標となる数値の算出に適したアルゴリズムを用いている点でも特徴を有している。
本発明の方法およびユニットは、絶対法が用いられていることに起因して、相対法で必要とされる白塗料を管理する手間およびコストが省ける上、基準となる白塗料に左右されることなく評価でき、評価の信頼性が高いという利点を有している。また、相対法と比べて、精秤工程および乾燥工程が不要となるため、測色工程までの時間が短くなり、着色力評価に要する時間が結果的に短くなるという利点も有している。例えば、相対法では着色力の評価に一般的に約50分要していたのに対して、本発明の着色力評価法では、その半分以下の時間で評価できる。
発明を実施するための形態
以下において、本発明の着色力評価法および着色力評価ユニットを詳細に説明する。
本明細書で用いる「塗料」は、媒体に溶解した形態のものであれば、特に限定されるものではなく、溶剤型であっても水性であってもよい。また、着色力を発現する基となる、塗料中に含まれる顔料としては、一般的な無機顔料や有機顔料であってよい。
本明細書で用いる「着色力」は、塗料自体の色合い又は色調の程度を表しているので、着色力は、そのような塗料自体の色合い又は色調の程度だけでなく、塗料中に分散する顔料の性質をも表している。また、「着色力」の評価指標としては、以下で説明するKubelka−Munk(クベルカ・ムンク)理論の吸収係数(K)を用いている。
図1に、本発明の着色力評価法のフローを示す。まず、工程(i)では、白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を測定する。従って、評価に用いる塗料が塗布されることになる白色被塗物および黒色被塗物を最初に用意する。白色被塗物および黒色被塗物は、薄膜化が促進されるように、塗料が塗布される面が実質的に平滑性を有するような板状部材であることが好ましい。また、そのような白色被塗物および黒色被塗物は、半永久的に傷がつかないように、ガラス、タイル板または硬質プラスチック等から形成されることが好ましい。
なお、白色被塗物と黒色被塗物とを別々に用意しなくても、例えば1つの板状部材が白色と黒色とに色分けされたような被塗物を用意してもよい。
本発明の方法の工程(i)の分光反射率の測定は、塗料業界で分光反射率を測定するのに一般的に用いられているような方法であれば、いずれの方法で行ってもよい。なお、光の波長が300nm〜830nm程度の光源を用いることが好ましい。
工程(ii)では、評価に用いる塗料を白色被塗物および黒色被塗物上に薄膜が形成されるように塗布する。従って、評価に用いる塗料は塗布によって薄膜化するものであることが好ましい。例えば、塗料の粘度が、20〜25℃の温度の下、好ましくは0.1Pa・s〜1Pa・sとなっており、より好ましくは0.1Pa・s〜0.5Pa・sとなっている。薄膜の膜厚は、工程(v)のアルゴリズムで用いるために結果的には工程(iii)で測定されるものであるが、約0.5μm〜約5μmとミクロン・オーダーの範囲に予めしておくことが好ましい。薄膜の形成には、塗膜の形成に用いられる、一般的な塗装方法を適用することができ、例えば、器具として、アプリケーターやスピンコーターを使用することができる。
本発明の評価方法では、薄膜の表面のみならず薄膜の下地となる白色被塗物および黒色被塗物で光反射が生じるように、ある程度の透明性が要求される。従って、本発明の評価方法は、薄膜を形成するに先立って、塗料を希釈する工程を更に含んでいてもよい。希釈に用いられるものは、塗料を希釈するのに一般的に用いられる材料であれば、特に限定されるものでなく、例えばワニス、水、溶剤または分散剤等が挙げられる。希釈により達成される塗料中の顔料濃度は、乾燥して得られた塗膜相当で、好ましくは5〜40重量%であり、より好ましくは5〜20重量%である。なお、希釈に際しては、均一な塗料を得るべく攪拌操作を必要とするが、塗料を単に薄める操作にすぎず、いわゆる相対法で評価塗料と基準塗料とを均一に混合するのに必要とされる攪拌操作ほど手間のかかるものではない。
なお、本発明で実施する「希釈」は、塗料を塗布して得られた薄膜が、光を通過させる程の透明性を有するために行うものであるため、希釈を行わずに透明性を有する薄膜が得られる場合には、希釈工程を特に必要としない。
次に工程(iii)について説明する。工程(iii)では、光学的手法を用いて薄膜の膜厚が測定される。具体的には、例えば光干渉法によって、白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の膜厚が算出される。その原理を以下にて説明する。
図2に薄膜中の光の挙動を示す。図2に示すように、薄膜に入射した光の一部は、表面で正反射方向に反射される[(1)]。薄膜中に進入した光は、下地となる被塗物および薄膜表面で繰り返し反射され、薄膜中を往復する。その際、薄膜表面にて光の一部は空気層に放出される[(2),(3)・・・・]。このような場合、nを屈折率、Xを薄膜の膜厚とすると、薄膜中で光が1往復する際の光路長は、2nXと近似して表される(θ≒0)。この光路長2nXが光の半波長の奇数倍の場合、(1),(2),(3)・・・は互いに打ち消し合い、偶数倍の場合には、(1),(2),(3)・・・は互いに強め合うことになる(なお、空気層→薄膜表面→空気層の反射、および薄膜→被塗物表面→薄膜の反射を固定端反射と仮定する)。従って、λを光の波長、m=1,2,3・・・とすると、2nX=λ(2m−1)/2を満たすλで反射率は極小となり、2nX=λ(2m)/2を満たすλで反射率は極大となる。以上より、以下の数式(数1)が導かれる。このような式を用いて得られた膜厚は、工程(v)のアルゴリズムで用いられることになる。
Figure 2006184178
なお、薄膜の膜厚の測定は、レーザー光による直接的な方法や干渉光を用いる間接的な方法等の光学的手法を用いた、従来よく知られている方法により行うことができる。
次に工程(iv)について説明する。工程(iv)では、白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率が測定されることになる。「白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜」としては、工程(ii)で形成した薄膜が用いられる。この分光反射率は、分光反射率を測定するのに一般的に用いられている方法であれば、いずれの測定方法を用いて求めてもよい。光の波長が300nm〜830nm程度の光源を用いることが好ましい。
本発明の方法は、最終的には工程(v)において、アルゴリズムに基づいて塗料の着色力を評価する。
このアルゴリズムは、白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率、白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚、ならび白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率から算出される数値を評価指標として着色力を評価することを特徴としている。具体的には、アルゴリズムは以下の理論(または方法)および計算式に基づいている。
Kubelka−Munkの理論に基づくと、厚さXの薄膜が、反射率Rgの被塗物の上に密着して置かれた時の反射率をRとし、下地となる被塗物の影響が出ない程度に薄膜を十分な厚さにした時の反射率をRとすると、薄膜の散乱係数Sは次の式により求められることになる。
Figure 2006184178
下地の被塗物が白色および黒色の場合に算出される散乱係数Sはそれぞれ同一となるはずであるので、次の式が得られる(いわゆる「湊の方法」)。
Figure 2006184178
上記の式(数3)において、Rg1,Rg2,RおよびRは、上述の工程(i)〜(iv)で得ることができるので、X=Xとすると、未知数はRだけとなる(S=の部分は無視する)。従って、この式をRについてまとめると以下の数式(数4)が導かれることになる。
Figure 2006184178
この式より、Rを求めることができるので、数3の数式に対してR,Rg1,RおよびXまたはR,Rg2,RおよびXを代入して散乱係数Sを求めることができる。
が求められ、これより散乱係数Sを得ることができると、以下のKubelka−Munkの式より吸収係数(K)を求めることができる。
Figure 2006184178
本発明では、このようして算出される吸収係数(K)を評価指標として着色力を評価する。
吸収係数(K)は、その値が高いほど、塗料中に含まれる顔料の分散の程度がより高いことを示しており、その値が低いほど、塗料中に含まれる顔料の分散の程度がより低いことを示している。
本発明では、着色力評価のみならず、それを実施するためのユニットをも提供する。そのようなユニットは、
塗料を白色被塗物および黒色被塗物に塗布して薄膜を形成する手段、
白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率、ならびに白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率を測定する手段、
白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚を測定する手段、ならびに
着色力を評価するアルゴリズムを含むプログラム
を含んで成り、
当該アルゴリズムでは、白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率、白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚、ならび白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率から算出される数値を評価指標として着色力を評価することを特徴としている。
本発明のユニットにおいて、薄膜を形成する手段は、塗膜の形成に用いられる、一般的な塗装方法を適用することができ、例えば、器具として、アプリケーターやスピンコーターを使用することができる。これらの器具はモーター等により自動的に塗膜が形成できるように設置されていることが好ましい。
なお、着色力を評価するには塗料にある程度の透明性が要求されるために、本発明のユニットが、塗料を希釈する手段を更に有していてもよい。この希釈手段は、一般的な塗料を希釈するのに一般的に用いられるものであればいずれの手段であってもよい。例えば、希釈手段はスポイト状部材であり、溶剤等を塗料に添加できるようになっていることが好ましい。
本発明のユニットにおいて、白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率、ならびに白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率を測定する手段は、分光反射率を測定するのに一般的に用いられるような分光器(即ち分光反射率計など)であれば、いずれの種類の分光器であってもかまわない。
測定された分光反射率は、本発明のユニットのプログラムが実行されることによってデータ解析(即ちアルゴリズム処理)されることになる。従って、測定された分光反射率は、プログラムで処理されるように、例えばA/Dコンバーターによってデジタル信号に変換されることが好ましい。
本発明のユニットにおいて、薄膜の膜厚を測定する手段は、本発明の方法で説明したような光学的手法を用いて測定する手段であることが好ましく、具体的には、例えば光干渉法を用いて膜厚を測定する光学式膜厚計である。しかしながら、本発明のユニットに用いられる膜厚測定手段は、光学式膜厚計に限らず、一般的に用いているものであれば、いずれの手段を用いてもよい。
上述したように、本発明のユニットに用いられるプログラムはアルゴリズムを含んでいるが、そのようなアルゴリズムは、本発明の着色力評価方法で説明したアルゴリズムと同様の特徴を有するので重複する説明は省略する。
本発明のユニットは、薄膜の形成、分光反射率および膜厚の測定、ならびにデータ解析(即ちアルゴリズム処理)をそれぞれ自動的に行うことが好ましい。これにより、操作性がよく、着色力の評価に要する時間が比較的短いユニットが提供されることになる。
以上、本発明の1つの実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は理解されよう。
1つの実施形態において、本発明の着色力評価方法を実施して、Kubelka−Munkの式の吸収係数(K)を得た。また、比較例として、従来技術の相対法を実施した。
[1]評価に用いた塗料
用いた塗料は、顔料として酸化鉄、および水溶性アクリル樹脂を含む塗料(実施例1および比較例1)と、顔料としてフタロシャニンブルー、および水溶性アクリル樹脂を含む塗料(実施例2および比較例2)との2種である。なお、これらの塗料については、分散時間の着色力への影響を見るため、顔料分散時間を変えたものをそれぞれ用意した。
[2]本発明の実施例
<1>本発明の着色力評価ユニット
実施例に用いた着色力評価ユニットのスペックを表1に示す。このような着色力評価ユニットを用いることによって、以下の分光反射率の測定工程、塗布工程およびデータ解析工程をそれぞれ自動的に行った。
Figure 2006184178
<2>本発明の塗料の調製工程
水を用いて塗料を希釈し、表2に示すような顔料濃度に調製した。得られた塗料の粘度は、約0.5Pa・s(25℃)であった。
Figure 2006184178
<3>本発明の塗布工程ならびに膜厚および分光反射率の測定工程
(1)ガラスから成る白色被塗物(W100mm×L150mm)および黒色被塗物(W100mm×L150mm)を用意した。
(2)白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を分光器で測定した。
(3)白色被塗物および黒色被塗物に塗料を塗布して薄膜を形成した。
(4)光干渉法を用いて、薄膜の膜厚を測定した。測定された膜厚は、実施例1および実施例2の双方とも1.1μmであった。
(5)白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率を分光器で測定した。
<4>本発明のデータ解析工程
着色力評価ユニットに内蔵されているプログラムを実行することにより、Kubelka−Munkの式の吸収係数(K)を算出した。
[3]比較例(相対法)
基準となる白塗料と評価に用いる塗料とをディスパーで攪拌することにより混合した。比較例1では白塗料と評価塗料との重量比が1:18となるように、また、比較例2では白塗料と評価塗料との重量比が1:7となるように、それぞれの塗料を混合した。その後、JIS規格(JIS K 5101−3−4:2004)に基づいて着色力を評価した。
[4]結果
実施例および比較例の結果を表3および表4に示す。表中の分散時間の増加に連れ、実施例および比較例の双方で着色力の評価指標の値が増加している。これらは分散時間が長くなることにより、顔料がよく分散されて着色力が向上していることを示すものである。本発明の実施例は、従来からの方法である相対法と同様の傾向を見せていることにより、着色力の評価ができているものと判断される。
また、評価時間について見てみると、比較例の相対法では、計量に5分、攪拌に10分、塗布に1分、セッティングに10分、乾燥・測色に20分の合計46分かかっていたのに対し、本発明の方法では、計量に2分、攪拌に4分、塗布および測色に2分の合計8分間で評価することができた。
Figure 2006184178
Figure 2006184178
塗料の着色力を評価する本発明の方法およびそのような方法を実施するユニットは、吸収係数(K)から塗料の着色力を評価するので、実施例のように、吸収係数(K)を評価指標として顔料の分散の程度を評価することができる。即ち、塗料を調製する際、顔料の分散工程の終点を判断することができる。従って、基準となる吸収係数(K)を予め定めておけば、本発明の方法およびユニットで得られた吸収係数(K)に応じて、原料塗料に混ぜ合わすべき顔料の量を簡易かつ迅速に決定できることが意図される。
図1は、本発明の着色力評価方法のフローを示す。 図2は、薄膜中の光の挙動を模式的に示す。 図3は、相対法のフローを示す。

Claims (7)

  1. 塗料の着色力を評価する方法であって、
    白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を測定する工程、
    塗料を白色被塗物および黒色被塗物に塗布して薄膜を形成する工程、
    白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚を測定する工程、
    白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率を測定する工程、ならびに
    アルゴリズムに基づいて着色力を評価する工程
    を含んで成り、
    該アルゴリズムでは、白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率、白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚、ならび白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率から算出される数値に基づいて着色力を評価することを特徴とする方法。
  2. 薄膜を形成するのに先立って、塗料を希釈する工程を更に含んで成る、請求項1に記載の方法。
  3. 光学的手法を用いて薄膜の膜厚を測定することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 塗料の着色力を評価するユニットであって、
    塗料を白色被塗物および黒色被塗物に塗布して薄膜を形成する手段、
    白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率、ならびに白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率を測定する手段、
    白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚を測定する手段、ならびに
    着色力を評価するアルゴリズムを含むプログラム
    を有して成り、
    該アルゴリズムでは、白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率、白色被塗物および黒色被塗物に形成された薄膜の膜厚、ならび白色被塗物および黒色被塗物を下地にした薄膜の分光反射率から算出される数値に基づいて着色力を評価することを特徴とするユニット。
  5. 塗料を希釈する手段を更に有して成る、請求項4に記載のユニット。
  6. 薄膜の膜厚を測定する手段は、光学式膜厚計であることを特徴とする、請求項4または5に記載のユニット。
  7. 塗料の着色力を評価するのに用いる、請求項4〜6のいずれかに記載のプログラム。
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