JP2006182836A - 電気絶縁性難燃性熱伝導材およびそれを用いた熱伝導シート - Google Patents

電気絶縁性難燃性熱伝導材およびそれを用いた熱伝導シート Download PDF

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Norihiro Shimizu
紀弘 清水
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敬司 高野
Shogo Hagiwara
尚吾 萩原
Masao Koga
優夫 古賀
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Abstract

【課題】 発熱体への装着加工時の作業性に優れ、良好な熱伝導性と難燃性、電気絶縁性、引張特性を有する電気絶縁性難燃性熱伝導材およびそれを用いた熱伝導シートを提供する。
【解決手段】 高分子樹脂材料中に難燃剤、熱伝導性電気絶縁剤および脱水剤を含む電気絶縁性難燃性熱伝導材である。高分子樹脂材料が(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合してなるアクリルゴムであることが好ましく、アクリルゴムがエチレン単量体単位0.1〜2.9質量%、架橋席モノマー単位0〜10質量%と(メタ)アクリル酸エステルモノマー99.9〜87.1質量%からなる電気絶縁性難燃性熱伝導材である。難燃剤が水酸化アルミニウム、熱伝導性電気絶縁剤がアルミナおよび/または結晶性シリカであることが好ましく、脱水剤が酸化カルシウムであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、良好な熱伝導性と難燃性、電気絶縁性、および引張特性を有し、かつ、柔軟性に優れている電気絶縁性難燃性熱伝導材およびそれを用いた熱伝導シートに関する。
電気絶縁性難燃性熱伝導材は、例えば、電気、電子部品などの発熱体と放熱品(放熱板や筐体パネル等といったヒートシンクとなる部品)の間に介在し、電気、電子部品からの発熱を放熱させる用途に用いられている。電気、電子部品に限らず、発熱体及び放熱体の表面は平滑でないことが多く、この種の用途に用いられる熱伝導材は柔軟性を有することが求められている。
この種の用途には従来から、シリコーン(オルガノポリシロキサン)を基材にして、その基材中に熱伝導性フィラーを分散させてなる熱伝導材(特許文献1参照)が利用されているが、シリコーンは高価であるだけでなく、主成分であるシリコーンポリマーの他にシリコーンオリゴマー(二量体、三量体などの低重合体)が含まれている。そのため、このシリコーンオリゴマーが揮発してモーターやリレーなどの電気接点部分に接近すると、電気接点部分からの電気エネルギーを受けてシロキサンなどの絶縁物に変化することがあり、この種の絶縁物が電気接点部分に堆積することが原因で、接点抵抗の上昇や接点不良といった電気接点障害を招く恐れがあった。さらにこのようなシリコーンオリゴマーは環境ホルモンの懸念がある。
そこで、これらの課題を解決するために、アクリル系ポリマーにハロゲンを含まない難燃剤と前記難燃剤より粒径の大きい熱伝導性フィラーを有する熱伝導性難燃性感圧接着剤(特許文献2参照)や基材となる合成樹脂中に、加熱に伴って水蒸気を放出する金属化合物の水和物を添加、混合した熱伝導材(特許文献3参照)などが検討されている。
しかしながら、前者はその粘着性により熱伝導材を発熱体へ装着し加工する際の作業性に劣るなどの問題があり、後者は成形加工時の熱により放出される水蒸気などにより約20〜50μm程度の気泡が発生し、熱伝導性が十分でないばかりかその気泡により電気絶縁性や引張特性に劣るものであった。
特開昭58−214209号公報 特開2002−294192号公報 特許第2992285号公報
本発明者らは、前記課題を解決すべく、高分子樹脂材料中に難燃剤、熱伝導性電気絶縁剤および脱水剤を含む電気絶縁性難燃性熱伝導材が、適度な粘着性を有し、発熱体へ装着、加工する際の作業性に優れるだけでなく、良好な熱伝導性と柔軟性、電気絶縁性、引張特性および難燃性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)高分子樹脂材料中に難燃剤、熱伝導性電気絶縁剤および脱水剤を含む電気絶縁性難燃性熱伝導材、(2)高分子樹脂材料が(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合してなるアクリルゴムである(1)の電気絶縁性難燃性熱伝導材、(3)アクリルゴムがエチレン単量体単位0.1〜2.9質量%、架橋席モノマー単位0〜10質量%、(メタ)アクリル酸エステルモノマー99.9〜87.1質量%からなる(2)の電気絶縁性難燃性熱伝導材、(4)架橋席モノマーが(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能なエポキシ基を有する1種または2種以上のモノマーである(3)の電気絶縁性難燃性熱伝導材、(5)(メタ)アクリル酸エステルモノマーが2−エチルヘキシルアクリレートである(2)〜(4)のいずれか1つの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(6)アクリルゴムが乳化重合により得られる(2)〜(5)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(7)難燃剤が水酸化アルミニウムである(1)〜(6)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(8)熱伝導性電気絶縁剤がアルミナおよび/または結晶性シリカである(1)〜(7)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(9)高分子樹脂材料100質量部当たり、難燃剤を100〜300質量部、熱伝導性電気絶縁剤を50〜250質量部含む(1)〜(8)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(10)難燃剤の平均粒径が0.5〜200μmである(1)〜(9)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(11)熱伝導性電気絶縁剤の平均粒径が0.5〜200μmである(1)〜(10)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(12)脱水剤が酸化カルシウムである(1)〜(11)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(13)高分子樹脂材料100質量部当たり、脱水剤を3〜25質量部含む(1)〜(12)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(14)熱伝導率が0.3W/m・K以上である(1)〜(13)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材、(15)(1)〜(14)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材を使用した電気、電子部品、(16)(1)〜(14)のいずれかの電気絶縁性難燃性熱伝導材をシート状に成形した熱伝導シート、(17)(16)の熱伝導シートを使用した電気、電子部品である。
本発明で得られる熱伝導材は、柔軟かつ安価で環境ホルモンなどの懸念が無く、発熱体への装着加工時の作業性に優れまた良好な熱伝導性と難燃性、電気絶縁性、引張特性を有するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される高分子樹脂材料は、特に制限されるものではないが、天然ゴムやIIR、BR、NBR、HNBR、CR、EPDM、FKM、Q、CSM、CO、ECO、CMなどのゴムが好ましく、中でもアクリルゴムがより好ましい。
また、前記アクリルゴムに必要に応じて天然ゴムや合成ゴムとして、上記のIIR、BR、NBR、HNBR、CR、EPDM、FKM、Q、CSM、CO、ECO、CMなどを含むことができる。
本発明に使用されるアクリルゴムの具体例としては、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メチルペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、シアノメチルアクリレート、1−シアノエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、1−シアノプロピルアクリレート、2−シアノプロピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、4−シアノブチルアクリレート、6−シアノヘキシルアクリレート、2−エチル−6−シアノヘキシルアクリレート、8−シアノオクチルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステルより選ばれた1種または2種以上のモノマーを共重合させたポリマーを1種または2種以上を混合することにより得られる。
モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましく、柔軟性と粘着性の観点から炭素数が2〜12個のアルキル基を有する(メタ)アクリルアクリレートが好ましい。炭素数が1以下であると柔軟性に劣り好ましくなく、12以上だと不必要な粘着性により加工性が劣り好ましくない。柔軟性と加工性の点から好ましいモノマーは、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートより選ばれた1種または2種以上ブレンドすることであり、より好ましいモノマーとしては2−エチルヘキシルアクリレートである。
本発明に使用されるアクリルゴムは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを99.9〜87.1質量%含むことが好ましく、99.7〜92.5質量%含むことがより好ましく、99.6〜94.5質量%含むことがさらに好ましい。
本発明に使用されるアクリルゴムは、難燃性や耐熱性の観点からエチレン単量体単位を0.1〜2.9質量%含むことが好ましく、0.2〜2.5質量%含むことがより好ましい。
本発明に使用されるアクリルゴムに用いられる架橋席モノマーとしては、柔軟性、耐熱性の点からグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を含むものが好ましい。
また、本発明に使用されるアクリルゴムは、耐熱性を付与するためこれらの架橋席モノマー単位を0〜10質量%含むことが好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.2〜3質量%含むことがさらに好ましい。架橋席モノマー単位が10質量%を超えると耐熱性が得られず好ましくない場合がある。
本発明に使用されるアクリルゴムには、本発明の目的を損なわない範囲で上記の単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させたものでも良い。
共重合可能な他の単量体としては、メチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレートなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。
さらに、1,1−ジヒドロペルフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,7−トリヒドロペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロデシル(メタ)アクリレートなどの含フッ素アクリル酸エステル、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有アクリル酸エステル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの第3級アミノ基含有アクリル酸エステル、メチルメタクリレート、オクチルメタクリレートなどのメタクリレート、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテルなどのビニルおよびアリルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、プロピオン酸ビニル、アルキルフマレートなどのエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
本発明に使用されるアクリルゴムは、上記の単量体を乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの公知の方法により共重合することにより得られるが、好ましくは重合熱制御の観点から乳化重合が望ましい。
本発明に使用されるアクリルゴムは、公知の加硫剤および加硫促進剤を任意の割合で添加することができ、アクリルゴム中に0〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部添加するものである。加硫剤が10質量部を超えると柔軟性が付与できなくなり好ましくない場合がある。
本発明に使用される難燃剤としては、特に限定されるものではないが、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、水酸化錫などから選ばれた1種または2種以上の熱伝導性が良好でハロゲンを含まないものが好ましい。中でも、性能と安価で入手し易いことなどから水酸化アルミニウムを使用することが好ましい。
また、必要に応じて前述の熱伝導性を有しハロゲンを含まない難燃剤以外の、ハロゲンを含まない難燃剤を添加することができる。その具体例としては、「ノンハロゲン系難燃材料による難燃化技術」(2001年、(株)エヌ・ティー・エス発行)記載のものなどが挙げられる。
本発明に使用される難燃剤は、高分子樹脂材料への分散性や耐水性を向上させるために、カップリング処理、ステアリン酸処理、シリカ被覆処理などの表面処理を行っても良い。
難燃剤として使用される粉末の平均粒径は、0.5〜200μmである。平均粒径が0.5μmより小さいと熱伝導材の柔軟性に劣り好ましくなく、200μmを超えると難燃性に劣る上に混練りの際にニーダー内部の回転刃を磨耗させるため好ましくない。柔軟性と難燃性のバランスから、より好ましい粒径は1〜30μmである。
また、難燃剤の粒子形状は、球状、針状、フレーク状など様々であり、特に限定されるものではないが、充填性の点では球状が好ましい。
難燃剤として使用される化合物の種類、平均粒径、形状は、各々単独のものを使用しても2種以上組み合わせて使用しても良い。
本発明に使用される難燃剤の配合量としては、高分子樹脂材料100質量部当たり、100〜300質量部含むことが好ましい。高分子樹脂材料100質量部当たり難燃剤が100質量部未満であると難燃性、熱伝導性が十分に得られず、300質量部を超えると柔軟性、耐熱性が低下し好ましくない。難燃性、熱伝導性および柔軟性、耐熱性の観点から難燃剤は、高分子樹脂材料100質量部当たり、150〜250質量部が好ましく、より好ましくは170〜220質量部である。
本発明に使用される熱伝導性電気絶縁剤は、特に限定されるものではないが、金属酸化物(例えば、Al、SiO、TiO、MgO、NiO、Fe、CuOなど)粉、金属窒化物(例えば、BN、AlN、Siなど)粉、金属硼化物(例えば、TiBなど)粉、金属炭化物(例えば、SiCなど)粉、結晶性シリカ、非晶性シリカなどの中から選ばれる1種または2種以上のものが好ましく、中でもアルミナ(Al)や結晶性シリカが好ましい。
本発明に使用される熱伝導性電気絶縁剤は、高分子樹脂材料への分散性や耐水性を向上させるために、カップリング処理、ステアリン酸処理、シリカ被覆処理などの表面処理を行っても良い。
熱伝導性電気絶縁剤の平均粒径は、0.5〜200μmである。平均粒径が0.5μmより小さいと熱伝導材の熱伝導性が低下し好ましくなく、200μmを超えると混練りの際にニーダー内部の回転刃を磨耗させるため好ましくない。平均粒径は1〜100μmが好ましく、4〜70μmがより好ましい。
また、熱伝導性電気絶縁剤の粒子形状は、球状、針状、フレーク状など様々であり、特に限定されるものではないが、充填性の点では球状が好ましい。
熱伝導性電気絶縁剤として使用する化合物の種類、平均粒径、形状は、各々単独のものを使用しても2種以上組み合わせて使用しても良い。
本発明に使用される熱伝導性電気絶縁剤は、高分子樹脂材料100質量部当たり、50〜250質量部含むことが好ましい。高分子樹脂材料100質量部当たり、熱伝導性電気絶縁剤が50質量部、未満であると十分な熱伝導性が得られず、250質量部を超えると柔軟性、耐熱性、難燃性が低下し好ましくない。熱伝導性および柔軟性、耐熱性、難燃性の観点から、熱伝導性電気絶縁剤は、高分子樹脂材料100質量部当たり、75〜200質量部が好ましく、80〜190質量部がより好ましい。
本発明に使用される脱水剤としては、水分を吸収ないし吸着するものであれば特に制限されるものではないが、酸化カルシウム、シリカゲル、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、酸化バリウム、酸化ベリリウム、酸化ストロンチウム、活性白土などを挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上のものを用いることが好ましい。中でも、性能と安価で入手が容易であることから酸化カルシウムが好ましい。
本発明に使用される脱水剤は、高分子樹脂材料100質量部当たり、3〜25質量部含むことが好ましい。3質量部未満であると作業性、熱伝導性、電気絶縁性、引張特性、難燃性が不十分であり、25質量部を超えると耐熱性が不十分であり好ましくない。作業性、熱伝導性、電気絶縁性、引張特性、難燃性、耐熱性の観点から、4.5〜20質量部が好ましく、4.8質量部〜15質量部の範囲にあるとより好ましい。
本発明の電気絶縁性難燃性熱伝導材は、熱伝導率の観点から0.3w/mk以上の熱伝導率があることが好ましく、より好ましくは0.5w/mk以上であり、0.75w/mk以上であるとさらに好ましい。
本発明の電気絶縁性難燃性熱伝導材は、実用に供するに際してその目的に応じ、充填剤、シランカップリング剤、可塑剤、老化防止剤、安定剤、滑剤、補強剤、粘着付与剤、着色剤、例えば顔料や染料を添加して成形、加硫を行うことができる。
また、要求される熱伝導材の物性から、2種類以上を混合して使用することも可能である。
本発明では、通常、高分子樹脂材料用として使用されている可塑剤を添加することができる。例えば、エステル系可塑剤、ポリオキシエチレンエーテルなどのエーテル系可塑剤、この他にエーテル・エステル系可塑剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、各種の可塑剤を使用することができる。
可塑剤の添加量としては、高分子樹脂材料100質量部当たり、50質量部程度まで添加することができる。50質量部を超えて添加すると可塑剤が熱伝導材表面にブリードしてくるだけでなく難燃性も低下し好ましくない。30質量部未満であると外観や難燃性の観点で好ましい。
本発明では、老化防止剤を添加することができる。例えば、アミン系、イミダゾール系、カルバミン酸金属塩、フェノール系、ワックスなどが挙げられるが、中でもアミン系老化防止剤が好ましい。
老化防止剤の添加量は、高分子樹脂材料100質量部当たり、0.5〜10質量部程度添加することができる。
本発明の電気絶縁性難燃性熱伝導材の形状については、特に限定されるものではなく、適用箇所に応じた形態に適宜加工して利用することができる。例えば、汎用性を高くするためには、熱伝導材をブロック状、シート状などの形態に成形しておき、使用時に適用箇所に応じて所望の形状に切削、切断して利用するようにすれば良い。あるいは、適用箇所に応じた形状の金型内で成形して、そのまま利用できるようにしても良い。
熱伝導材を配置するに当たっては、適当な接着剤や両面テープで貼り付けても良いし、2つの部品間に挟み込んでも良いし、場所によっては単に設置するだけでも良い。また、接着剤や両面テープがあらかじめ熱伝導材に貼着されていても良く、このような場合、粘着面を被覆している剥離シートを剥がすだけで、熱伝導材を簡単に所望の箇所へ貼り付けることができる。
本発明の電気絶縁性難燃性熱伝導材を混練、成形、加硫する機械としては、特に制限されるものではなく、通常、ゴム工業で用いるものを使用することができる。
本発明の電気絶縁性難燃性熱伝導材を使用した電気絶縁性難燃性熱伝導シートの成形は、特に制限されるものではなく、通常、ゴム工業で用いるものを使用することができるが、特にプレス成形、押出成形、カレンダー成形などの成形方法が好ましい。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
「生ゴムの製造」
生ゴムAの製造:内容積40リットルの耐圧反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート11kg、部分けん化ポリビニルアルコール4質量%の水溶液17kg、酢酸ナトリウム22g、グリシジルメタクリレート50gを投入し、撹拌機であらかじめよく混合し、均一懸濁液を作製した。槽内上部の空気を窒素で置換後、エチレンを槽上部に圧入し、圧力を5kg/cmに調整した。さらに撹拌を続行し、槽内を55℃に保持した後、別途注入口より、t−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を圧入して重合を開始させた。反応中槽内温度は55℃に保ち、6時間で反応が終了した。生成した重合液にホウ酸ナトリウム水溶液を添加して重合体を固化し、脱水および乾燥を行って生ゴムAとした。
生ゴムBの製造:グリシジルメタクレートの投入量を500gとした以外は、生ゴムAと同様な方法で共重合体の生ゴムBを得た。
生ゴムCの製造:エチレン圧入時の圧力を40kg/cmに調整し重合を開始させた以外は、生ゴムAと同様な方法で共重合体の生ゴムCを得た。
「分析試験方法」
共重合体の生ゴムをロールで薄通しした後、トルエンに溶解し、核磁気共鳴スペクトルを採取し、各成分を定量した。核磁気共鳴スペクトルの採取は、日本電子製JNMα−500を用いた。
生ゴムA、B、Cの共重合体組成分析結果を表1に示す。
Figure 2006182836
「実施例1〜16、比較例1〜4」
上記方法で得た各生ゴムを表2に示す配合組成により、加圧ニーダー及びロールを用いて溶融ブレンドし(条件は、加圧ニーダー50℃、10分、ロール50℃、15分)、厚さ2mmのシートに分出した後、プレス加硫機で150℃20分のプレス加硫を行ない、厚さ2mmの熱伝導材を得た。この熱伝導材を、さらにギヤーオーブン内で170℃4時間の熱処理を行い物性試験に供した。
Figure 2006182836
「物性試験方法」
引張強さ、伸び:JIS K 6251に準拠して測定した。
硬度:JIS K 6253に準拠してタイプEデュロメーターを用い測定した。
耐熱性:JIS K 6257に準拠し、130℃200時間曝露後の硬度を測定することにより求めた。
熱抵抗:熱伝導材をTO−3形状に切断し、これをTO−3型の銅製ヒーターケースと銅板との間にはさみ、厚さが元の熱伝導材の90%になるように圧縮してセットした後、銅製ヒーターケースに電力15Wをかけて15分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板との温度差を測定し、式、熱抵抗(℃/W・mm)={温度差(℃)/電力(W)}/厚み(mm)、により算出した。
熱伝導率:熱抵抗と同様に、式、熱伝導率(W/m・K)=電力(W)×厚み(mm)/(試料面積(m)×温度差(℃))、により算出した。
気泡:熱伝導材をカッターで切断し、超深度形態観察顕微鏡(キーエンス社VK−8500)を用い観察した。
電気特性:JIS C 2107の条件で電圧を10kVとし(耐電圧;10kV、1分間に耐える)、通電しなかったものを合格、通電したものを不合格とした。
難燃性:UL規格94Vに従い燃焼試験を実施した。
密度:JIS K 7112に準拠して測定した。
熱伝導材の物性測定結果を表3に、実施例2、実施例5及び比較例2についての熱伝導材の断面顕微鏡写真を図1〜3に示す。
Figure 2006182836
表2に示すように、実施例と比較例の対比から、本発明の電気絶縁性難燃性熱伝導材は、良好な熱伝導性と柔軟性、引張特性を有している。さらに、電気絶縁性、難燃性も優れていることが判る。特に、脱水剤である酸化カルシウムを有していない比較例2(図3)の熱伝導材は、実施例2(図1)及び実施例5(図2)の熱伝導材の断面写真や表2の密度の比較からも明らかであるように、大きな気泡が多く含まれ、熱伝導性、電気絶縁性、難燃性、引張特性に著しく劣ることが判る。
本発明の電気絶縁性難燃性熱伝導材およびそれを用いた熱伝導シートは、電気絶縁性が必須である電気、電子部品などの発熱体と放熱品(放熱板や筐体パネル等といったヒートシンクとなる部品)との間に介在し、電気、電子部品からの発熱を放熱させる用途に用いられる。電気、電子部品に限らず、発熱体及び放熱体の表面は平滑でないため、本発明の電気絶縁性難燃性熱伝導材およびそれを用いた熱伝導シートの柔軟性、熱伝導性を活かし幅広い用途に適用できる。
実施例2の熱伝導材の断面顕微鏡写真(スケール200.000μm) 実施例5の熱伝導材の断面顕微鏡写真(スケール200.000μm) 比較例2の熱伝導材の断面顕微鏡写真(スケール200.000μm)

Claims (17)

  1. 高分子樹脂材料中に難燃剤、熱伝導性電気絶縁剤および脱水剤を含む電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  2. 高分子樹脂材料が(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合してなるアクリルゴムである請求項1に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  3. アクリルゴムがエチレン単量体単位0.1〜2.9質量%、架橋席モノマー単位0〜10質量%、(メタ)アクリル酸エステルモノマー99.9〜87.1質量%からなる請求項2に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  4. 架橋席モノマーが(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能なエポキシ基を有する1種または2種以上のモノマーである請求項3に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  5. (メタ)アクリル酸エステルモノマーが2−エチルヘキシルアクリレートである請求項2〜4のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  6. アクリルゴムが乳化重合により得られる請求項2〜5のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  7. 難燃剤が水酸化アルミニウムである請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  8. 熱伝導性電気絶縁剤がアルミナおよび/または結晶性シリカである請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  9. 高分子樹脂材料100質量部当たり、難燃剤を100〜300質量部、熱伝導性電気絶縁剤を50〜250質量部含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  10. 難燃剤の平均粒径が0.5〜200μmである請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  11. 熱伝導性電気絶縁剤の平均粒径が0.5〜200μmである請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  12. 脱水剤が酸化カルシウムである請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  13. 高分子樹脂材料100質量部当たり、脱水剤を3〜25質量部含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  14. 熱伝導率が0.3W/m・K以上である請求項1〜13のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材を使用した電気、電子部品。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気絶縁性難燃性熱伝導材をシート状に成形した熱伝導シート。
  17. 請求項16に記載の熱伝導シートを使用した電気、電子部品。
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