JP2006179241A - 固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電に伴う発電要素の膨張・収縮に伴い発生する歪み・応力を緩和する固体電池を提供すること。
【解決手段】発電要素と、発電要素の側面と接触する保護層とを有し、発電要素は、順次に積層された下部電極層、電解質層および上部電極層を有し、保護層は、電子絶縁体からなり、かつ下部電極層の側面および上面周縁部を被覆し、電解質層の下面周縁部は、保護層の上面の少なくとも一部を被覆している固体電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、順次に積層された下部電極層、電解質層および上部電極層を有する発電要素を含む固体電池に関する。
固体電池は、例えば図3に示すような構成を有する。図3の固体電池は、基板31と、その上に設けられた発電要素30からなり、発電要素30を構成する下部電極層33、電解質層34および上部電極層35は、上方に形成される薄膜ほど面積が小さくなっている(例えば特許文献1参照)。このような固体電池は、それぞれ薄膜状の下部集電層32、下部電極層33、電解質層34、上部電極層35および上部集電層36を順次に形成することにより作製される。なお、基板31が導電性を有する場合には、下部集電層32が省かれる場合もある。
また、図4に示すような構成を有する固体電池も提案されている。図4の固体電池は、基板41と、その上に設けられた発電要素40からなり、発電要素40を構成する下部電極層43、電解質層44および上部電極層45は、全て同じ大きさを有する(例えば特許文献2参照)。このような固体電池も、それぞれ薄膜状の下部集電層42、下部電極層43、電解質層44、上部電極層45および上部集電層46を順次に形成することにより作製される。
また、図5に示すような構成を有する固体電池も提案されている。図5の固体電池では、基板51に、下部集電層52と上部電極層用集電層56とが形成されている。下部集電層52の上面には、下部電極層53が形成され、下部電極層53は、電解質層54で覆われている。下部集電層52の一部は露出しており、露出部は外部端子との接続部となる。上部電極層55は、電解質層54と上部電極層用集電層56とが短絡するように、両者のそれぞれ上面を覆っている(例えば特許文献3参照)。
特開平10−284130号公報 特開2002−42863号公報 米国特許第5538625号明細書
特許文献1に記載の構成では、上方に形成される薄膜ほど面積が小さくなるので、充放電に使用される下部電極層33の反応面積は、上部電極層35の面積と同程度に小さくなってしまう。
特許文献2に記載の構成では、下部電極層43、電解質層44および上部電極層45の大きさが同じであるので、各層の側面が面一に揃っている。その上、各層の厚さはそれぞれ数μm程度と薄いため、側面に沿ったリーク電流が流れやすく、電池特性に不良が生じる虞がある。
特許文献3に記載の構成では、電解質層54を挟んで、下部電極層53の上面周縁部と上部電極層55とが対向している。このような状態で、放電もしくは充電放電に伴って下部電極層53あるいは上部電極層55が膨張または収縮を行うと、下部電極層53の上面周縁部には歪みや応力が集中しやすい。そのため、発電要素を構成する下部電極層53、電解質層54および上部電極層55のいずれかに亀裂が入る虞がある。特に、破線X1およびX2で囲まれた領域、すなわち下部電極層53の上面周縁部や、そこに隣接する電解質層54には亀裂が入りやすい。
特に電解質層54が割れると、下部電極層53と上部電極層55とが短絡する可能性が高くなる。また、上部電極層用集電層56と下部集電層52とが電解質層54を挟んで隣接するため、電池性能を上げるために電解質層54を薄く形成すると、容易に短絡してしまう虞がある。
本発明は、これらの問題を解決することを目的とするものであり、下部電極層と上部電極層とが十分な対向面積を有し、発電要素に亀裂が生じにくく、かつ、発電要素の側面に沿ったリーク電流が抑制された、高性能な固体電池を提供することを目的とする。
本発明は、まず、発電要素と、発電要素の側面と接触する保護層とを有し、発電要素は、順次に積層された下部電極層、電解質層および上部電極層を有し、保護層は、電子絶縁体からなり、かつ下部電極層の側面および上面周縁部を被覆し、電解質層の下面周縁部は、保護層の上面の少なくとも一部を被覆している、固体電池に関する。
本発明は、また、発電要素と、発電要素の側面と接触する保護層とを有し、発電要素は、順次に積層された下部電極層、電解質層および上部電極層を有し、保護層は、電子絶縁体からなり、かつ下部電極層の側面ならびに電解質層の側面および上面周縁部を被覆し、上部電極層の下面周縁部は、保護層の上面の少なくとも一部を被覆している、固体電池に関する。
上記のような構造においては、下部電極層の側面および上面周縁部を被覆する保護層が、リーク電流を抑制するとともに、電池の放電もしくは充放電反応に伴って発電要素に発生する歪みや応力を緩和する、あるいは歪みや応力に対する耐破壊強度が向する。
保護層には、電子絶縁性を有する樹脂、金属酸化物、ガラスなどを用いることができるが、これに限定されない。
保護層の弾性率は、電解質層の弾性率よりも小さいことが望ましい。このように保護層の弾性率を制御する場合、発電要素に発生する歪みや応力を緩和する効果が大きくなるからである。また、保護層は、ゴム弾性を有する材料からなることが望ましく、ゴム性状高分子を用いることが特に望ましい。ゴム弾性を有する材料を用いることにより、発電要素に発生する歪みや応力を緩和する効果が顕著となるからである。
保護層には、電子絶縁性を有するイオン伝導体を用いることもできる。イオン伝導体を用いることにより、下部電極層の上面周縁部と上部電極層の下面周縁部との間でもイオンの授受が行われるため、固体電池の特性が向上する。
イオン伝導体は、無機イオン伝導体でもよいが、ポリマー電解質などの有機イオン伝導体の方が、弾性率が小さい点で望ましい。有機イオン伝導体としては、ポリエチレンオキシドやその誘導体が、弾性率が小さい点で特に望ましい。
電解質層は、有機固体電解質からなるものでもよいが、厚さ数μm以下の薄膜状へ形成が容易で、かつこれによるエネルギー密度の向上が容易となる観点から、無機固体電解質からなることが望ましい。無機固体電解質としては、少なくともLi、PおよびOを含むリン化合物が望ましい。
なお、発電要素の大きさ、下部電極層、電解質層および上部電極層の厚さ、保護層の厚さなどは、特に限定されない。
本発明によれば、電池の放電または充放電反応に伴って発電要素、特に下部電極層に発生する歪みや応力が保護層によって緩和されること、あるいは歪みや応力による耐破壊強度が向上することから、発電要素、特に下部電極層や電解質層が割れるのを防止することができる。よって、放電特性や充放電サイクル特性に優れた、信頼性の高い、高性能な一次固体電池もしくは二次固体電池を得ることが可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
実施形態1
図1は、本発明の一実施形態に係る、基板11と、その上に設けられた発電要素10と、発電要素10の側面と接触する保護層17と、を有する固体電池100の断面図である。保護層17は、電子絶縁体からなる。基板11上には、薄膜状の下部集電層12が形成されており、その上面に、それぞれ薄膜状の下部電極層13、電解質層14および上部電極層15からなる発電要素10が形成されている。下部集電層12の寸法は、下部電極層13の寸法よりも、大きく形成されており、保護層17の下面は、下部集電層12の上面に接触している。なお、下部集電層12の寸法を、より小さく形成して、保護層17の下面を基板11に接触させてもよい。
保護層17は、下部電極層13の側面および上面周縁部を被覆している。一方、下部電極層13の上面に形成されている電解質層14の下面周縁部は、保護層17の上面の一部を被覆している。すなわち、下部電極層13の上面周縁部と電解質層14の下面周縁部との間に、電子絶縁体からなる保護層17の一部が介在した状態である。このような状態は、下部電極層13を形成した後、保護層17を形成し、次いで、電解質層14を形成することで得られる。
上記のような構造においては、上部電極層15が下部電極層13と同等以上の面積を有する場合でも、電子絶縁体からなる保護層17の存在により、発電要素の側面に沿ったリーク電流は抑制される。よって、電解質層14の上面に、下部電極層13との対向面積が最大になるように、上部電極層15を形成することができ、下部電極層13に含まれる活物質の有効活用が可能である。
また、上記のような構造の固体電池が放電、または充放電を行うと、下部電極層13が膨張または収縮を行うため、発電要素には歪みや応力が発生する。このような歪みや応力は、下部電極層13の側面および上面周縁部に集中する傾向がある。しかし、保護層17が、下部電極層13の側面および上面周縁部を覆うように配置されているため、発生した歪みや応力は保護層17により緩和される。あるいは、下部電極層13の側面および上面周縁部を被覆する電子絶縁体の厚みが増すことで、耐破壊強度が高まるため、短絡が生じにくくなる。
歪みや応力を緩和する効果を高める観点から、保護層17の弾性率は、電解質層14の弾性率よりも小さいことが望ましく、電解質層14に対して、例えば1/2以下に小さいことが望ましい。保護層17の弾性率を小さくすることで、下部電極層53の上面周縁部への歪みや応力の集中は大きく抑制され、発電要素を構成する下部電極層53、電解質層54および上部電極層55のいずれかに亀裂が入る虞も大きく低減する。
保護層17を構成する電子絶縁体としては、特に限定はないが、樹脂または、窒化物、炭化物、硫化物、硼化物、フッ化物、隣化物、あるいはこれらの混合材料などが挙げられる。電子絶縁体は、特にゴム弾性を有する材料(特に樹脂)であることが望ましい。
ゴム弾性を有する材料としては、ゴム性状高分子が好ましく、ゴム性状高分子としてはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなどが望ましい。ゴム弾性を有する材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
保護層17を構成する電子絶縁体は、イオン導電性を有しても良い。保護層17がイオン導電性を有する場合、下部電極層13の上面周縁部と電解質層14の下面周縁部との間に介在する保護層17の一部でもイオンの移動が可能となるため、固体電池の特性が向上する。
保護層17として、ポリマー電解質などの有機イオン伝導体を用いる場合、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドの誘導体などの有機イオン伝導体が、弾性率が小さい点で特に望ましい。有機イオン伝導体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
下部電極層13および上部電極層15は、それぞれ正極活物質および負極活物質の一方および他方を含む。正極活物質および負極活物質には、二次電池の活物質として知られている材料を、特に限定なく用いることができる。
正極活物質としては、例えばリチウム含有遷移金属酸化物、バナジウム酸化物、クロム酸化物、チタン硫化物などが挙げられる。また、リチウム含有遷移金属酸化物としては、リチウムコバルト系酸化物(LiCoO、LiCoPOF)リチウムニッケル系酸化物(LiNiO)、リチウムマンガン系酸化物(LiMnP0、LiMn)、リチウム鉄系酸化物(LiFePO、LiFePOF)、LiMO(Mは、Ni、Co、 Fe、Al、Mg、Mnなどから選ばれた少なくとも2種)などが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質としては、例えば金属もしくは半金属、酸化物、窒化物、酸窒化物、SiB、MgSi、炭素、CuP、FeS、FeSbなどが挙げられる。また、金属もしくは半金属としては、リチウム、珪素、アモルファス珪素、アルミニウム、銀、錫、アンチモンなどを用いることができ、酸化物としては、SiO、SnB0.50.5、SnBPO、SnO、Fe、CoO、WO、LiSrTi14、MoO、LiTi12、TiO、Nb、WO、Taなどを用いることができ、窒化物としては、Li2.6Co0.4N、LiFeN、LiMnNなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電解質層14は、特に限定されないが、無機固体電解質からなることが望ましい。無機固体電解質としては、少なくともLi、PおよびOを含むリン化合物が望ましい。例えばリン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素で置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Auなどから選ばれた少なくとも1種)などが挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Gaなどから選ばれた少なくとも1種)なども好ましく用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
下部集電層12および上部集電層16には、それぞれが隣接する電極の電位において安定な電子導電体であれば、特に限定なく用いることができる。例えば、金属、合金、金属酸化物などを用いることができる。金属や合金としては、例えばAu、Pt、Cu、Ni、Co、Tiなどを用いることができる。また、金属酸化物としては、酸化錫、酸化インジウム錫などを用いることができる。
図1の構造において、保護層17は、下部電極層13の上面周縁部の幅w1の領域を被覆している。また、電解質層14は、保護層17の上面内周縁部の幅d1の領域を被覆している。さらに、保護層17の上面は、下部電極層13の上面より高さh1だけ上方に位置する。
ここで、幅w1は、0.01mm〜5mmであることが望ましい。幅W1が小さすぎると、リーク電流や発電要素の亀裂を抑制する効果が小さくなり、幅W1が大きすぎると、下部電極層13の有効利用面積が小さくなる。また、幅d1は、(W1+0.01)mm〜(W1+5)mmであることが望ましい。幅d1が小さすぎると、リーク電流を抑制する効果が小さくなり、幅d1が大きすぎると、電解質層14の原料が無駄になる。また、高さh1は、0.005mm〜1mmであることが望ましい。高さh1が小さすぎると、リーク電流や発電要素の亀裂を抑制する効果が小さくなり、高さh1が大きすぎると、電池容量が低下することなる。
下部集電層12、下部電極層13、電解質層14、上部電極層15、上部集電層16および保護層17は、それぞれ、通常の厚膜もしくは薄膜形成プロセスにより、容易に形成することができる。本発明に適用可能な厚膜もしくは薄膜形成プロセスとしては、HP(ホットプレス)、プラズマ焼結、通電焼結法、ゾル−ゲル法の他、CVD法(chemical-vapor-deposition)、蒸着法、スパッタリング法などの真空形成法、鍍金技術、スピンコート法、スクリーン印刷や、インクジェット、吹き付けなどの印刷技術を用いた塗布法を挙げることができる。また、所望のパターンニングを行う手段としては、金属、樹脂もしくは油脂などを用いたマスク法や、フォトリソグラフィを用いることができる。
また、保護層17がポリテトラフルオロエチレンなどのゴム弾性を有する材料からなる場合には、スパッタ法ような厚膜もしくは薄膜形成法や、あらかじめシート状に形成したポリテトラフルオロエチレン等を熱融着法で貼り付けることで保護層17を設けることができる。ただし、これらの方法に限定されるわけではない。
さらに、保護層17がポリエチレンオキシドなどの有機イオン伝導体からなる場合には、あらかじめ溶媒と混合し、ディスペンサー、コーター、ブレード法などの塗布法を用い、下部電極上に所望の厚みに形成した後、溶媒を乾燥するか、あらかじめシート状に形成したポリエチレンオキシドを、熱融着法で貼り付けることで保護層17を設けることができる。ただし、これらの方法に限定されるわけではない。
なお、図1では、上部電極層15の上面に、薄膜状の上部集電層16が形成されているが、上部集電層16は必須ではなく、上部電極層15が上部集電層を兼ねても良い。また、基板11が導電体である場合には、下部集電層12も、必ずしも必要ではない。さらに、基板11上に下部集電層12を形成する場合には、図1の構造の固体電池を形成後、薄型化のために基板11を除去してもよい。
なお、基板11としては、金属、樹脂、半導体、ガラス、酸化物、セラミックス材料などを用いることができるが、これらに限定されない。また、金属としては、例えばAl、Cu、Ti、ステンレス鋼(SUS)、コバールなどを用いることができ、樹脂としては、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを用いることができ、半導体その他の基板としては、Si、SiO、MgO、NaCl、チタン酸ストロンチウム、アルミナ、サファイア基板などを用いることができる。特に、金属基板を用いる場合、活物質と基板との反応防止のために、基板表面に、酸化物、フッ化物、窒素化物などの反応防止膜を形成しても良い。いずれの基板も表面が平滑であることが望ましく、表面粗さRaが5μm程度以下であることがさらに好ましい。
実施形態2
図2は、本発明の一実施形態に係る、基板21と、その上に設けられた発電要素20と、発電要素20の側面と接触する保護層27と、を有する固体電池200の断面図である。保護層27は、電子絶縁体からなる。基板21上には、薄膜状の下部集電層12が形成されており、その上面に、それぞれ薄膜状の下部電極層23、電解質層24および上部電極層25からなる発電要素20が形成されている。下部集電層22の寸法は、下部電極層23の寸法よりも、大きく形成されており、保護層27の下面は、下部集電層22の上面に接触している。なお、下部集電層22の寸法を、より小さく形成して、保護層27の下面を基板21に接触させてもよい。
保護層27は、下部電極層23の側面ならびに電解質層24の側面および上面周縁部を被覆している。一方、電解質層24の上面に形成されている上部電極層25の下面周縁部は、保護層27の上面の一部を被覆している。すなわち、電解質層24の上面周縁部と上部電極層25の下面周縁部との間に、電子絶縁体からなる保護層27の一部が介在した状態である。このような状態は、電解質層24を形成した後、保護層27を形成し、次いで、上部電極層25を形成することで得られる。
図2の構造において、保護層27は、電解質層24の上面周縁部の幅w2の領域を被覆している。また、上部電極層25は、保護層27の上面内周縁部の幅d2の領域を被覆している。さらに、保護層27の上面は、電解質層24の上面より高さh1だけ上方に位置する。
ここで、幅w2は、0.01mm〜5mmであることが望ましい。幅W2が小さすぎると、リーク電流や発電要素の亀裂を抑制する効果が小さくなり、幅W2が大きすぎると、下部電極層23の有効利用面積が小さくなる。また、幅d2は、(W2+0.01)mm〜(W2+5)mmであることが望ましい。幅d2が小さすぎると、リーク電流を抑制する効果が小さくなり、幅d2が大きすぎると、上部電極層25の原料が無駄になる。また、高さh2は、0.05mm〜1mmであることが望ましい。高さh2が小さすぎると、リーク電流や発電要素の亀裂を抑制する効果が小さくなり、高さh2が大きすぎると、電池容量が低下することになる。
上記のような構成の固体電池においては、電解質層24が下部電極層23に発生した歪みや応力による影響を受けるが、保護層27が下部電極層23の側面ならびに電解質層24の側面および上面周縁部を被覆しているため、歪みや応力は緩和される。そのため、発電要素の他の部分と同様に、電解質層24に亀裂が入る虞も低減する。
また、電解質層24の上面に、下部電極層23との対向面積が最大になるように、上部電極層25を形成することができ、下部電極層23に含まれる活物質の有効活用が可能である。
さらに、保護層27を構成する電子絶縁体がイオン導電性を有する場合には、下部電極層23の上面周縁部と電解質層24の下面周縁部との間に介在する保護層27の一部でもイオンの移動が可能となるため、固体電池の特性が向上する。
従って、図2に示す構造の固体電池であっても、実施形態1の固体電池とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、実施形態2に係る基板21、下部集電層22、下部電極層23、電解質層24、上部電極層25、上部集電層26および保護層27は、それぞれ実施形態1で説明した基板11、下部集電層12、下部電極層13、電解質層14、上部電極層15、上部集電層16および保護層17と、同様の材料を用い、同様の方法で形成することができる。
以下に具体的な本発明の実施例について記載する。
(i)基板の作製
ステンレス鋼基板(SUS304基板)(サイズ60mm×60mm×0.01mm)の両面に、厚さ3μmのSiO膜を形成した。そして、SiO膜を有する基板の両側に、図1で示す構造の電池を1セルずつ作製した。この両面2セルの電池を1ユニットとし、合計5ユニット(10セル)作製した。
(ii)下部集電層の形成
第一工程として、開口部45mm×45mmのメタルマスクを基板に装着し、TiターゲットおよびAuターゲットを用いたスパッタリング法により、SiO膜上に、厚さ1μmのTi層と厚さ2μmのAu層との積層膜からなる下部集電層を形成した。スパッタリングの放電ガスにはArを用い、そのガス圧は8mTorrとした。
(iii)下部電極層の形成
第二工程として、開口部20mm×20mmのメタルマスクを下部集電層の中心と合わせて装着し、LiとCoを蒸発源に用いた蒸着法により、下部集電層上に、LiCoOからなる厚さ7μmの下部電極層を形成した。Liは抵抗加熱により蒸発させ、Coは電子ビームにより蒸着させて、下部集電層上に供給した。また、製膜雰囲気には酸素ガスを80sccmで流通させ、基板温度は450℃とした。
(iv)保護層の形成
第三工程として、リチウム塩であるLiTFSI(リチウムトリフルオロメタンスルホンイミド:lithium trifluoromethanesulfonylimide)と、ポリエチレンオキシド(PEO)と、溶媒としてのアセトニトリルとを混合した溶液を、ディスペンサーを用い、下部電極層の側面および上面周縁部を覆うように、塗布し、真空乾燥して、保護層を形成した。乾燥後のPEOを含む保護層の厚さは10μm、h1は3μm、幅は5mmであった。また、保護層で覆われた下部電極層の上面周縁部の幅(W1)は0.5mmであり、下部電極層の上面中央の19mm×19mmの領域は露出していた。
こうして得られた保護層は、リチウム塩を含んだPEOからなるイオン導電体であり、リチウムイオン伝導性を有する。
(v)電解質層の形成
第四工程として、開口部30mm×30mmのメタルマスクを下部電極層の中心と合わせて装着し、LiSiPOを焼結させたターゲットを用いたスパッタリング法により、下部電極層および保護層上に、Li3.5Si0.50.5からなる厚さ2μmの電解質層を形成した。その結果、下部電極層の上面中央の19mm×19mmの領域と、PEOからなる保護層は、完全に電解質層によって覆われた。スパッタリングの放電ガスにはArとOとの混合ガスを用い、そのガス圧は10mTorrとした。混合ガス中のArとOとの流量比は、Ar:O=90:10であった。
(vi)上部集電層兼、上部集電層の形成
第五工程として、開口部25mm×25mmのメタルマスクを電解質層の中心と合わせて装着し、Liを蒸発源に用いた抵抗加熱蒸着法により、電解質層上に、Liからなる厚さ4μmの上部電極層兼、上部集電層を形成した。
(i)基板の作製
ステンレス鋼基板(SUS304基板)(サイズ60mm×60mm×0.01mm)の両面に、厚さ3μmのSiO膜を形成した。そして、SiO膜を有する基板の両側に、図2で示す構造の電池を1セルずつ形成した。この両面2セルの電池を1ユニットとし、合計5ユニット(10セル)作製した。
(ii)下部集電層の形成
第一工程として、開口部45mm×45mmのメタルマスクを基板に装着し、TiおよびAuターゲットを用いたスパッタリング法により、SiO膜上に、厚さ1μmのTi層と厚さ2μmのAu層との積層膜からなる下部集電層を形成した。スパッタリングの放電ガスにはArを用い、そのガス圧は8mTorrとした。
(iii)下部電極層の形成
第二工程として、開口部20mm×20mmのメタルマスクを下部集電層の中心と合わせて装着し、LiとCoを蒸発源に用いた蒸着法により、下部集電層上に、LiCoOからなる厚さ7μmの下部電極層を形成した。Liは抵抗加熱により蒸発させ、Coは電子ビームにより蒸着させて、下部集電層上に供給した。また、製膜雰囲気には酸素ガスを80sccmで流通させ、基板温度は450℃とした。
(iv)電解質層の形成
第三工程として、開口部20mm×20mmのメタルマスクを装着したまま、LiSiPO焼結ターゲットを用いたスパッタリング法により、下部電極層上に、Li3.5Si0.50.5からなる厚さ2μmの電解質層を形成した。その結果、下部電極層の上面は、完全に電解質層によって覆われた。スパッタリングの放電ガスにはArとOとの混合ガスを用い、そのガス圧は10mTorrとした。混合ガス中のArとOとの流量比は、Ar:O=90:10であった。
(v)保護層の形成
第四工程として、リチウム塩であるLiTFSI(リチウムトリフルオロメタンスルホンイミド:lithium trifluoromethanesulfonylimide)と、ポリエチレンオキシド(PEO)と、溶媒としてのアセトニトリルとを混合した溶液を、ディスペンサーを用い、下部電極層の側面および電解質層の上面周縁部を覆うように、塗布し、真空乾燥して、保護層を形成した。乾燥後のPEOからなる保護層の厚さは10μm、h2は10−9=1μm、幅は5mmであった。また、保護層で覆われた電解質層の上面周縁部の幅(W2)は0.5mmであり、電解質層の上面中央の19mm×19mmの領域は露出していた。
こうして得られた保護層は、リチウム塩を含んだPEOからなるイオン導電体であり、リチウムイオン伝導性を有する。
(vi)上部集電層兼、上部集電層の形成
第五工程として、開口部25mm×25mmのメタルマスクを電解質層の中心と合わせて装着し、Liを蒸発源に用いた抵抗加熱蒸着法により、電解質層および保護層上に、Liからなる厚さ4μmの上部電極層兼、上部集電層を形成した。その結果、電解質層の上面中央の19mm×19mmの領域と、PEOからなる保護層は、完全に上部集電層によって覆われた。
《比較例1》
(i)基板の作製
ステンレス鋼基板(SUS304基板)(サイズ60mm×60mm×0.01mm)の両面に、厚さ3μmのSiO膜を形成した。そして、SiO膜を有する基板の両側に、図3で示す構造の電池を1セルずつ形成した。この両面2セルの電池を1ユニットとし、合計5ユニット(10セル)作製した。
(ii)下部集電層の形成
第一工程として、開口部45mm×45mmのメタルマスクを基板に装着し、TiおよびAuターゲットを用いたスパッタリング法により、SiO膜上に、厚さ1μmのTi層と厚さ2μmのAu層との積層膜からなる下部集電層を形成した。スパッタリングの放電ガスにはArを用い、そのガス圧は8mTorrとした。
(iii)下部電極層の形成
第二工程として、開口部20mm×20mmのメタルマスクを下部集電層の中心と合わせて装着し、LiとCoを蒸発源に用いた蒸着法により、下部集電層上に、LiCoOからなる厚さ7μmの下部電極層を形成した。Liは抵抗加熱により蒸発させ、Coは電子ビームにより蒸着させて、下部集電層上に供給した。また、製膜雰囲気には酸素ガスを80sccmで流通させ、基板温度は450℃とした。
(iv)電解質層の形成
第三工程として、開口部19mm×19mmのメタルマスクを下部電極層の中心と合わせて装着し、LiSiPOを焼結させたターゲットを用いたスパッタリング法により、下部電極層上に、Li3.5Si0.50.5からなる厚さ2μmの電解質層を形成した。スパッタリングの放電ガスにはArとOとの混合ガスを用い、そのガス圧は10mTorrとした。混合ガス中のArとOとの流量比は、Ar:O=90:10であった。
(v)上部集電層兼、上部集電層の形成
第四工程として、開口部18mm×18mmのメタルマスクを電解質層の中心と合わせて装着し、Liを蒸発源に用いた抵抗加熱蒸着法により、電解質層上に、Liからなる厚さ4μmの上部電極層兼、上部集電層を形成した。
《比較例2》
(i)基板の作製
ステンレス鋼基板(SUS304基板)(サイズ60mm×60mm×0.01mm)の両面に、厚さ3μmのSiO膜を形成した。そして、SiO膜を有する基板の両側に、図2で示す構造の電池を1セルずつ形成した。この両面2セルの電池を1ユニットとし、合計5ユニット(10セル)作製した。
(ii)下部集電層の形成
第一工程として、開口部45mm×45mmのメタルマスクを基板に装着し、TiおよびAuターゲットを用いたスパッタリング法により、SiO膜上に、厚さ1μmのTi層と厚さ2μmのAu層との積層膜からなる下部集電層を形成した。スパッタリングの放電ガスにはArを用い、そのガス圧は8mTorrとした。
(iii)下部電極層の形成
第二工程として、開口部20mm×20mmのメタルマスクを下部集電層の中心と合わせて装着し、LiとCoを蒸発源に用いた蒸着法により、下部集電層上に、LiCoOからなる厚さ7μmの下部電極層を形成した。Liは抵抗加熱により蒸発させ、Coは電子ビームにより蒸着させて、下部集電層上に供給した。また、製膜雰囲気には酸素ガスを80sccmで流通させ、基板温度は450℃とした。
(iv)電解質層の形成
第三工程として、開口部20mm×20mmのメタルマスクを装着したまま、LiSiPO焼結ターゲットを用いたスパッタリング法により、下部電極層上に、Li3.5Si0.50.5からなる厚さ2μmの電解質層を形成した。その結果、下部電極層の上面は、完全に電解質層によって覆われた。スパッタリングの放電ガスにはArとOとの混合ガスを用い、そのガス圧は10mTorrとした。混合ガス中のArとOとの流量比は、Ar:O=90:10であった。
(v)上部集電層兼、上部集電層の形成
第四工程として、開口部20mm×20mmのメタルマスクを装着したまま、Liを蒸発源に用いた抵抗加熱蒸着法により、電解質層上に、Liからなる厚さ4μmの上部電極層兼、上部集電層を形成した。
《比較例3》
(i)基板の作製
ステンレス鋼基板(SUS304基板)(サイズ60mm×60mm×0.01mm)の両面に、厚さ3μmのSiO膜を形成した。そして、SiO膜を有する基板の両側に、図5で示す構造の電池を1セルずつ形成した。この両面2セルの電池を1ユニットとし、合計5ユニット(10セル)作製した。
(ii)下部集電層の形成
第一工程として、下部集電層用の開口部30mm×30mmおよび上部電極層用集電層用の開口部20mm×20mmを有するメタルマスクを基板に装着し、TiおよびAuターゲットを用いたスパッタリング法により、SiO膜上に、厚さ1μmのTi層と厚さ2μmのAu層との積層膜からなる下部集電層を形成した。スパッタリングの放電ガスにはArを用い、そのガス圧は8mTorrとした。
(iii)下部電極層の形成
第二工程として、開口部20mm×20mmのメタルマスクを下部集電層の中心と合わせて装着し、LiとCoを蒸発源に用いた蒸着法により、下部集電層上に、LiCoOからなる厚さ7μmの下部電極層を形成した。Liは抵抗加熱により蒸発させ、Coは電子ビームにより蒸着させて、下部集電層上に供給した。また、製膜雰囲気には酸素ガスを80sccmで流通させ、基板温度は450℃とした。
(iv)電解質層の形成
第三工程として、開口部40mm×40mmのメタルマスクを、下部電極層の全体と下部集電層の一部およびSiO膜の一部が開口部内に入るように装着した。そして、LiSiPOを焼結させたターゲットを用いたスパッタリング法により、下部集電層の一部、下部電極層の全て及びSiO膜の一部を覆うように、Li3.5Si0.50.5からなる厚さ2μmの電解質層を形成した。スパッタリングの放電ガスにはArとOとの混合ガスを用い、そのガス圧は10mTorrとした。混合ガス中のArとOとの流量比は、Ar:O=90:10であった。
(v)上部集電層兼、上部集電層の形成
第四工程として、開口部45mm×25mmのメタルマスクを、下部電極層の全体と上部電極層用集電層の一部が開口部内に入るように装着した。そして、Liを蒸発源に用いた抵抗加熱蒸着法により、電解質層および上部電極層用集電層上に、Liからなる厚さ4μmの上部電極層兼、上部集電層を形成した。その結果、下部電極層の全面が、電解質層を介して、上部電極層と対向した。
以上のように作製された図1〜図5に示す構造を有する5種類の電池、各々10セルずつに関し、充放電サイクル試験を実施した。充電電位の上限は4.3V、放電電位の下限は3Vとし、50サイクル後のセル特性を測定した。尚、1サイクルは0.2Cで測定した。
初期の放電容量に対する50サイクル後の放電容量の割合を、10セルの平均値で求め、百分率で表1に示す。また、短絡の発生の有無についても表1に示す。短絡が発生した場合には、5セルのうちの最も寿命の短かかったセルの短絡発生サイクル数を示した。なお、比較例2、3では、それぞれ10セルの全てが短絡したため、50サイクル後の放電容量の初期の放電容量に対する割合は測定できなかった。
Figure 2006179241
表1に示すように、図1、図2の構造を有する実施例1、2の固体電池は、いずれも50サイクル後の放電容量の初期の放電容量に対する割合が大きく、充放電サイクルに伴う劣化が小さかった。また、短絡の発生も見られなかった。
一方、図4、図5の構造を有する比較例2、3の固体電池では、初期充放電で短絡が発生した。短絡が発生した箇所を解析したところ、図4の構造を有する比較例2の固体電池では、発電要素の側面でリーク電流が流れていることが解った。また、図5の構造を有する比較例3の固体電池では、下部電極層の上面エッジ部分(図5中の破線X1で示す領域内)および下部集電層の上面エッジ部分(図5中の破線X2で示す領域内)で、上部電極層と下部電極層とが短絡していた。
破線X1内での短絡は、充放電に伴う下部電極層の膨張および収縮により、電解質層が破壊されたことによると考えられる。また、破線X2内での短絡は、上部電極層と下部電極層との間に介在する厚さ2μmの電解質層において、絶縁破壊が生じたものと考えられる。
また、図3の構造を有する比較例1の固体電池では、図1、図2の構造を有する実施例1、2の固体電池に比較して、初期の放電容量に対する50サイクル後の放電容量が小さく、充放電サイクルに伴う劣化が大きかった。これは、図3の構造においては、図1、図2の構造に比べて、下部電極層に対向する上部電極層の面積の比率が小さいことから、下部電極層内で、Liの濃度分布が不均一となり、混成電位が発生したためと考えられる。即ち、所定の電圧まで充放電した際、下部電極層でのLi拡散が十分早くないために、下部電極層の一部では、電位が所定値以上になるまで過充電(Li原子の引出し)、あるいは所定値以下になるまで過放電(Liイオンの挿入)されることで、正極の劣化が促進されたものと考えられる。
なお、上記の実施例においては、PEOを用いて、保護層を作製したが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等を用いる場合、ポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体をターゲットとし、これをスパッタリング法によって真空プロセスで保護膜に形成してもよい。
例えば、実施例1の第三工程において、下部電極層の上面中央の19mm×19mmの領域を覆うように第1メタルマスクを配置し、さらに、下部電極層を中心として開口部が29×29mmである第2メタルマスクを配置し、上記のようなスパッタリングを行うことで、実施例1とほぼ同様の電池を作製できることを確認している。
本発明は、小型で信頼性の高い固体電池が要求される機器に適用可能であり、特に半導体基板等の基板に搭載される小型の薄膜固体電池に適用することが好ましい。また、本発明は、活物質としてリチウムを利用する固体電池に好適であるが、固体電池の種類はこれに限られない。
本発明の実施形態1に係る固体電池の断面図である。 本発明の実施形態2に係る固体電池の断面図である。 従来の固体電池の断面図である。 従来の別の固体電池の断面図である。 従来の更に別の固体電池の断面図である。
符号の説明
100、200、300、400、500 固体電池
10、20、30、40、50 発電要素
11、21、31、41、51 基板
12、22、32、42、52 下部集電層
13、23、33、43、53 下部電極層
14、24、34、44、54 電解質層
15、25、35、45、55 上部電極層
16、26、36、46 上部集電層
56 上部電極層用集電層
17、27 保護層

Claims (9)

  1. 発電要素と、前記発電要素の側面と接触する保護層とを有し、
    前記発電要素は、順次に積層された下部電極層、電解質層および上部電極層を有し、
    前記保護層は、電子絶縁体からなり、かつ前記下部電極層の側面および上面周縁部を被覆し、
    前記電解質層の下面周縁部は、前記保護層の上面の少なくとも一部を被覆している、固体電池。
  2. 発電要素と、前記発電要素の側面と接触する保護層とを有し、
    前記発電要素は、順次に積層された下部電極層、電解質層および上部電極層を有し、
    前記保護層は、電子絶縁体からなり、かつ前記下部電極層の側面ならびに前記電解質層の側面および上面周縁部を被覆し、
    前記上部電極層の下面周縁部は、前記保護層の上面の少なくとも一部を被覆している、固体電池。
  3. 前記保護層の弾性率が、前記電解質層の弾性率よりも小さい、請求項1または2記載の固体電池。
  4. 前記保護層が、ゴム弾性を有する、請求項3記載の固体電池。
  5. 前記保護層が、有機イオン伝導体からなる、請求項3記載の固体電池。
  6. 前記ゴム弾性を有する保護膜が、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体およびポリテトラフルオロエチレンよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4記載の固体電池。
  7. 前記有機イオン伝導体が、ポリエチレンオキシドならびにその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項5記載の固体電池。
  8. 前記電解質層が、無機固体電解質からなる、請求項1または2記載の固体電池。
  9. 前記無機固体電解質が、少なくともLi、PおよびOを含むリン化合物からなる、請求項8記載の固体電池。
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