JP2006178119A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な構成でニップ部の長さを大きくさせて定着工程を高速化できると共に、ホットオフセットを防止することのできる定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 定着装置11は、A方向に周回される環状のフィルム部材12の外周面12aの一部とその外側に配置した加圧ローラ13との間のニップ部Nに、未定着のトナー像Tを転写させた記録媒体21を供給して、トナー像Tを定着させると共に、ニップ部NよりもA方向下流側の媒体分離部でフィルム部材12と記録媒体21とが分離されるものであって、ニップ部Nにおけるフィルム部材12の内周12b側を支持する裏当部材15が加圧ローラ13の表面13aに沿う面状に形成され、ニップ部NよりもA方向の上流位置に、フィルム部材12を加熱する管状発熱体16が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に使用され、記録媒体上に形成された未定着のトナー像を加熱及び加圧して定着させる定着装置及び定着装置を備える画像形成装置に関する。
一般に、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、未定着のトナー像を転写させた記録媒体を定着装置へ導き、トナー像を記録媒体に定着させて永久画像とする。
このような定着装置としては、所定の温度に保たれる加熱ローラと、この加熱ローラに圧接配置される加圧ローラとからなるものが知られている。
この定着装置においては、加熱ローラを回転駆動させると共に加圧ローラを従動させ、トナー像を転写させた記録媒体が、定着ローラと加圧ローラとが圧接するニップ部に挟み込まれて搬送される。
トナー像を転写させた記録媒体は、転写面が定着ローラに対向されるようにニップ部に送り込まれ、ニップ部を通過する間に加熱・加圧され、熱により溶融したトナー像が記録媒体に定着される。
ところで複写機、ファクシミリ等の画像形成装置においては、印刷効率の向上が強く要請されており、これに伴い、近年の画像形成装置では画像形成工程の高速化及び定着工程の高速化が図られている。
しかし、定着工程を高速化させると、上述した加熱ローラと加圧ローラとを圧接させる定着装置においては、トナー像を転写させた記録媒体の加熱・加圧時間を確保するために、ニップ部の長さも大きくする必要がある。
従って、加熱ローラと加圧ローラの径を大きくせざるを得ず、加熱ローラの熱容量が増大し、所定の定着温度まで加熱されるのに要する時間(いわゆるウォームアップ時間)が長くかかってしまう。
一方、ニップ部の長さを大きくすることなく記録媒体に十分な熱量を与えようとすると、加熱ローラの設定温度を高くする必要があるが、電力消費量が増大する上、加熱ローラの耐久性の観点からも好ましくない。
上述した問題を解決するため、特許文献1に記載の定着装置においては、低熱容量線状ヒータを備えた加熱手段と加圧ローラとを備え、加熱手段に形成されたほぼ平坦な当接面が、周回可能に形成されたフィルム部材を介して加圧ローラと対向されている。
これにより、加圧ローラとフィルム部材との接触部分に大きな長さのニップ部を形成させると共に、フィルム部材は、加熱手段と駆動ローラと従動ローラとで張架されている。
特開平9−80941号公報
ところが特許文献1に記載されている定着装置においては、加熱手段は、加圧ローラとフィルム部材との接触部分に形成されるニップ部の直上に配置されている。
従って、周回路を形成するフィルム部材の温度分布に注目すると、このニップ部が最も高温となっている。
一方、ニップ部において加熱及び加圧された記録媒体は、ニップ部よりも周回方向の下流側の媒体分離部でフィルム部材と分離されるが、この媒体分離部においても依然として記録媒体の温度はかなり高くなっている。
このため、媒体分離部における記録媒体上のトナー温度が、例えば摂氏200度を超えている場合、トナーが液状化されることにより凝集力が低下し、トナー像がフィルム部材側に付着される、いわゆるホットオフセットと呼ばれる現象が発生する不都合があった。
また、特許文献1に記載されている定着装置においては、フィルム部材を周回させるための駆動ローラと従動ローラとを必要とするため、定着装置のコスト増を招来していた。
更に、特許文献1に記載されている定着装置においては、運搬時等の際のフィルムの保護、定着装置の種々の部位における温度検出の精度及び信頼性向上、及び加熱手段が異常に発熱した場合のフェイルセーフ手段の付与といった点については、特に配慮が為されていなかった。
この発明は、上記課題に鑑み、簡易な構成で印刷効率を格段に向上し得る定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
具体的には、簡易な構成でニップ部の長さを大きくさせて定着工程を高速化できると共に、ホットオフセットを防止することのできる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、定着装置の運搬時等の際に、フィルム部材を適切に保護することのできる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、フィルム部材を周回させるためのローラ数を減少させてコストダウンを図ることのできる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、定着装置の種々の部位における温度検出の精度及び信頼性を向上させることのできる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
更に、この発明は、加熱手段が異常に発熱した場合に、加熱手段への通電を遮断できる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る定着装置は、環状のフィルム部材を周回させながら、該フィルム部材の外周面の一部とその外側に配置した支持部材との間のニップ部に、未定着のトナー像を転写させた記録媒体を供給して、前記トナー像を定着させると共に、前記ニップ部よりも前記周回方向の下流側の媒体分離部で前記フィルム部材と前記記録媒体とが分離される定着装置において、前記ニップ部におけるフィルム部材の内周側を支持する裏当部材が前記支持部材の表面に沿う面状に形成され、前記ニップ部よりも前記周回方向の上流位置に、前記フィルム部材を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とするものである(請求項1)。
この発明によれば、可撓性を有するフィルム部材が、支持部材の表面に沿う面状に形成された裏当部材と支持部材とで挟持されることにより、支持部材の表面に沿った大きな長さのニップ部が形成される。
また、このニップ部よりもフィルム部材の周回方向の上流側に、フィルム部材を加熱する加熱手段を設けたので、ニップ部を通過する初期の段階でトナー像が十分に加熱され、ニップ部よりも更に周回方向下流の媒体分離部においては、フィルム部材の温度が十分に低下される。
また、前記支持部材または裏当部材の少なくとも一方は、前記ニップ部に対向する面が弾性材により形成され、支持部材または裏当部材の少なくとも一方に、これを他方に向けて付勢して前記弾性材を弾性変形させる付勢手段を設けることとしても良い(請求項2)。
支持部材または裏当部材が弾性変形されることにより、支持部材の表面に沿った大きな長さのニップ部が形成される。
また、前記支持部材を保持するケーシングには、前記弾性材の弾性変形を復元させる付勢解除機構を設けることとすれば(請求項3)、運搬時等の必要なときに付勢解除機構を作用させて、フィルム部材が受ける付勢力を解除することができる。
また、前記ニップ部よりも前記周回方向の下流位置に、前記フィルム部材を内周側から支持して前記支持部材から離間させる方向に湾曲させる案内部材を設けることとしても良い(請求項4)。
これにより、フィルム部材は、ニップ部よりも周回方向下流側では案内部材により周回可能に保持される。
また、前記加熱部材を、前記フィルム部材の内周側に配置された回転自在な管状発熱体として設けても良い(請求項5)。
これにより、フィルム部材の内周側は管状発熱体により保持されると共に、この管状発熱体からフィルム部材へ速やかに熱伝達がされる。
また、前記加熱部材は、前記フィルム部材の外周側に定置され、前記フィルム部材の内周側に、前記加熱部材を前記フィルム部材に押圧接触状態とするフィルム支持部材を設けても良い(請求項6)。
これにより、加熱部材からフィルム部材へ直接熱伝達がされる。
また、前記管状発熱体と接する前記フィルム部材における前記記録媒体通過部分から外れた非通紙領域に、前記管状発熱体の表面温度を検出する接触式温度検出センサを設けても良い(請求項7)。
これにより、温度検出センサに汚れが付着したとしても通紙領域に影響を及ぼすことがない。
また、前記裏当部材に、前記ニップ部の温度を検出する温度検出センサを設けても良い(請求項8)。
これにより、フィルム部材のニップ部の温度が直接検出される。
また、前前記フィルム部材の少なくとも一部が透明材料により形成されると共に、該フィルム部材の表面温度を検出する第1の放射温度検出センサと、前記フィルム部材の透明部を介して前記管状発熱体の表面温度を検出する第2の放射温度検出センサと、これら両放射温度検出センサからの検出結果に基づき前記管状発熱体の温度を制御する温度制御部とを備えることとしても良い(請求項9)。
これにより、フィルム部材の表面温度と管状発熱体の表面温度とが、第1の放射温度検出センサと第2の放射温度検出センサにより、非接触で直接検出される。
また、管状発熱体やフィルム部材が配置された周辺ではなく、これらから離間した位置に温度検出センサを配置することができる。
また、温度制御部においては、これら検出結果に基づいて管状発熱体の通電制御が行われる。
また、前記管状発熱体は、これを回転自在に支持するブラケットに取り付け部材を介して取り付けられると共に、電力供給接点が、外表面に露出された管状発熱体の端子に接触されており、該取り付け部材は、その熱変形温度が前記記録媒体の発火温度よりも低い材料により形成させても良い(請求項10)。
何らかの原因で管状発熱体が異常に発熱した場合には、熱が、取り付け部材に伝達され、この取り付け部材は、記録媒体の発火温度よりも低い温度で変形されるので、電力供給接点と管状発熱体の端子との接触が外れることになる。
更に、請求項11に記載の発明は、前記未定着のトナー像を転写させた前記記録媒体を供給する現像装置と、請求項1から10のいずれかに記載の定着装置とを備える画像形成装置である。
請求項1に係る定着装置によれば、簡易な構成で、フィルム部材と支持部材の外周面との間に大きな長さのニップ部を形成することができるので、定着工程を高速化しても、十分な熱を記録媒体に与えることができる。
また、ニップ部よりも更に周回方向下流の媒体分離部においては、フィルム部材の温度が十分に低下されることにより、媒体分離部でのホットオフセットを防止することができる。
請求項2に係る定着装置によれば、支持部材または裏当部材が弾性変形されることにより、フィルム部材と支持部材の外周面との間に、より確実に大きな長さのニップ部を形成することができ、定着工程の高速化に寄与することができる。
請求項3に係る定着装置によれば、運搬時等の際には、フィルム部材への付勢力を解除することにより、フィルム部材を適切に保護することができる。
また、請求項4に係る定着装置によれば、裏当部材の周回方向下流側に、フィルム部材を張架するためのローラを設ける必要がなく定着装置全体のコストダウンを図ることができる。
請求項5に係る定着装置によれば、管状発熱体によりフィルム部材を保持ことができるので、フィルム部材を安定して周回させることができると共に、管状発熱体をフィルム部材の内周側と直接接触させることができるので、熱損失なく速やかに熱を伝達することができる。
請求項6に係る定着装置によれば、加熱部材を回動させる必要がないので、加熱部材の信頼性を向上させることができると共に、加熱部材からフィルム部材へ直接熱伝達がされるので、熱損失なく速やかに熱を伝達することができる。
請求項7に係る定着装置によれば、サーミスタ等の接触式の温度検出センサを、フィルム部材上の非通紙領域に配置することにより、温度検出センサ表面に付着して堆積される汚れが、通紙領域に至ることがないので、記録媒体に汚れが付着することを防止することができる。
請求項8に係る定着装置によれば、裏当部材に設けた温度検出センサで、フィルム部材のニップ部の温度を直接検出することができるので、温度検出センサを配置するための別途のスペースが不要となると共に、定着温度の制御を精度良く行うことができる。
請求項9に係る定着装置によれば、フィルム部材の表面温度と管状発熱体の表面温度とが、第1の放射温度検出センサと第2の放射温度検出センサにより、非接触で直接的に検出されるので、上述した汚れの付着の問題を生じることなく精度の良い温度検出をすることができる。
また、温度制御部において、検出されたこれらの温度情報に基づいて、更に精密な温度制御を行うことができると共に、周辺構造を簡略化することができる。
請求項10に係る定着装置によれば、何らかの原因で管状発熱体が異常に発熱した場合であっても、管状発熱体とブラケットとの取り付け状態を解除することができるので、管状発熱体の更なる発熱を防止すると共に、定着装置の安全性を向上させることができる。
また、請求項11に係る画像形成装置によれば、定着工程を高速化、ホットオフセットの防止等の効果を奏することができる。
以下、図1乃至図6に基づいて、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は本実施形態の画像形成装置の概略構成を説明する図であり、この画像形成装置1は、現像装置2と定着装置11とを備えている。
現像装置2は、感光体ドラム3、帯電ローラ4、露光ユニット5、トナー像形成部6、及び転写ローラ7とを少なくとも備える周知のものであって、未定着のトナー像Tが転写された記録媒体21は、図1において、C方向に搬送されて定着装置11に至る。
定着装置11は、図1においてA方向に周回されて周回路を形成する無端状のフィルム部材12と、このフィルム部材12の外周面12aと接触されると共に、バネ(付勢手段)14により、図1においてB方向、すなわち後述の裏当部材15の方向に付勢された回動自在な加圧ローラ(支持部材)13とを備えている。
また、弾性材料からなり、周回路内側に配置されると共に、フィルム部材12を介して加圧ローラ13から押圧されることにより、加圧ローラ13の外周面13aに沿う面状の摺接面15aが形成された裏当部材15が設けられており、摺接面15aと外周面13aとでフィルム部材12が挟持されることにより、このフィルム部材12と加圧ローラ13との間に形成されるニップ部Nも、加圧ローラ13の外周面13aに沿う面状とされる。
なお、本実施の形態においては、加圧ローラ13がバネ14により裏当部材15の方向に付勢されているが、裏当部材15を加圧ローラ13の方向に付勢しても構わない。
ニップ部Nよりも周回方向Aの上流側の近傍には、回動自在に駆動される管状発熱体(加熱手段)16が設けられ、この管状発熱体16の外周面16aは、フィルム部材12の内周面12bと接触される。
なお、この管状発熱体16の外周面16aと、フィルム部材12の内周面12bとの接触面は、本実施の形態においては、加圧ローラ13と非接触に配置される。
フィルム部材12の外周面12aにおける後述する領域S2には、サーミスタ17が接触して配置されており、このサーミスタ17の出力信号は制御部20に入力されている。
また、裏当部材15よりも周回方向Aの下流側には、フィルム部材12の内周面12bと摺接されて、このフィルム部材12を周回方向Aに案内する案内面18aが形成された案内部材18が設けられている。
また、定着装置11は、アッパーフレーム(ブラケット)19aとロアフレーム(ケーシング)19bとを備える定着装置筐体19の内部に収容され、未定着のトナー像Tが転写された記録媒体21は、定着装置11における定着工程を経た後、一対の排出ローラ22,22により挟持され外部へ排出される。
フィルム部材12は、管状発熱体16と裏当部材15と案内部材18とに外装されて周回路を形成するものであり、本実施の形態では、非装着状態では、周回路長よりも2〜5mm程度短い外周長を有する厚さ0.1mm程度の環状に形成されたPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)チューブとされる。
また、フィルム部材12の外周面12a及び内周面12bには、必要に応じてカーボンブラック等の導電材を添加した離型コート層が形成される。
記録媒体21の搬送方向に順方向の反時計方向に回動自在に支持された加圧ローラ13は、シリコーンゴム等の離型性の良いゴム弾性層を備えており、この加圧ローラ13の外周面13aは、上述したように、バネ14の付勢力によって、裏当部材15の方向に押圧される。
アッパーフレーム19aに支持された裏当部材15は、本実施の形態では、シリコーンスポンジ等の弾性材料により形成されており、弾性変形していない状態では、図2(a)に示されるように、周回方向を短辺側とし、長辺側はフィルム部材12の幅方向に伸延された略直方体状に形成される。
また、裏当部材15のフィルム部材12に対向される対向面15bには、摩擦抵抗を低減するための摺動層として、耐熱性、耐磨耗性の高いポリイミド等のフィルムテープが接着または巻装された摺動層15cが形成されており、フィルム部材12と滑らかに摺接可能とされる。
この裏当部材15が定着装置11内に組み込まれた状態では、図2(b)に示されるように、裏当部材15の対向面15bは、加圧ローラ13の付勢力により弾性変形され、外周面13aに沿う面状の摺接面15aが形成されるので、上述したように、フィルム部材12と加圧ローラ13との間に形成されるニップ部Nも、外周面13aに沿う面状とされる。
ここで、加圧ローラ13とフィルム部材12の外周面12aとの間の動摩擦係数μ1と、裏当部材15とフィルム部材12の内周面12bとの間の動摩擦係数μ2との関係は、μ1>μ2とされる。
なお、本実施の形態では、裏当部材15を弾性材料により形成しているが、予め摺接面15aが形成された樹脂材料等により形成しても良い。
ニップ部Nよりも周回方向Aの上流側の近傍に配置される管状発熱体16は、図3(a)に示されるように、回動軸線Lの方向に伸延され、例えば、カーボンあるいはニクロム線からなる抵抗体31と、この抵抗体31を囲繞するセラミック等の絶縁体からなる円筒状の封止管32と、この封止管32の両端開口部に装着され、抵抗体31の両端と電気的に導通された電極キャップ(端子)33,33とを備えている。
この封止管32の外周面は、図3(b)に示されるように、フィルム部材12の内周面12bと接触される外周面16aとされると共に、定着装置11の動作時には、管状発熱体16には、張架されたフィルム部材12の張力がD方向(裏当部材15側)に働く。
また、管状発熱体16の外周面16aの両端は、軸受け34,34により回動自在に支持されると共に、この軸受け34,34を保持する軸受け保持部材35,35は、取り付け部材36,36によりアッパーフレーム19aに取り付けられる。
この取り付け状態において、アッパーフレーム19aに位置決めされた摺動接点(電力供給接点)37,37と電極キャップ33,33とが、摺接可能とされ、これにより制御部20から管状発熱体16に電力が供給される。
また、管状発熱体16の封止管32の一端には、図示しない駆動手段に連結される駆動ギア38が取り付けられており、これにより、管状発熱体16は、回動軸線Lの回りに回動自在に駆動される。
なお、本実施の形態においては、管状発熱体16は、ニップ部Nの近傍に配置されるので、管状発熱体16の外周面16aの温度と、ニップ部Nにおける温度との差は比較的小さく、管状発熱体16を過度に加熱しなくても、ニップ部Nの温度は所定の定着温度まで上昇される。
従って、定着装置11が正常に動作されているときには、軸受け保持部材35,35及び取り付け部材36,36の耐熱性はあまり要求されない。
そこで、本実施の形態においては、取り付け部材36,36は、例えば、その軟化点が典型的な記録媒体である紙の発火点よりも低いナイロン鋲やポリカーボネートねじのような熱可塑性樹脂で構成されており、後述されるように、管状発熱体16が異常発熱された場合のフェイルセーフ手段が構成される。
なお、取り付け部材36,36に代えて、軸受け保持部材35,35を、その融点が紙の発火点よりも低い半田のような金属でアッパーフレーム19aに直付けしても構わない。
また、図3(b)において、フィルム部材12の内周面12bと管状発熱体16とが接触される部位は、記録媒体21が通過される通紙領域S1と、この通紙領域S1の両端に位置される非通紙領域S2,S2とから形成されるが、一方の非通紙領域S2には、管状発熱体16の温度を観測することにより管状発熱体16への通電を制御するための、サーミスタ17が当接して配置される。
アッパーフレーム19aに取り付けられた案内部材18は、フィルム部材12の幅方向に伸延されると共に、本実施の形態においては、図4に一部分断図として示されるように、正面視略馬蹄形状に形成されており、フィルム部材12を図4において左方向に案内する第1のガイド部G1と、この第1のガイド部G1から加圧ローラ13と離間する方向へ湾曲され、フィルム部材12を図4において上方向に案内する第2のガイド部G2と、この第2のガイド部G2から更に管状発熱体16の方向へ湾曲され、フィルム部材12を図4において右方向に案内する第3のガイド部G3とを備えている。
案内部材18とフィルム部材12の内周面12bとが摺接される面は、案内面18aとされ、この案内面18aには、裏当部材15の対向面15bと同様に、摩擦抵抗を低減するための摺動層として、耐熱性、耐磨耗性の高いポリイミド等のフィルムテープが接着または巻装された摺動層18bが形成されており、フィルム部材12と滑らかに摺接可能とされる。
ここで、案内部材18とフィルム部材12の内周面12bとの間の動摩擦係数μ3は、上述した裏当部材15とフィルム部材12の内周面12bとの間の動摩擦係数μ2とほぼ等しくされる。
従って、加圧ローラ13とフィルム部材12の外周面12aとの間の動摩擦係数μ1とμ3との関係は、μ1>μ3とされる。
また、図4において、フィルム部材12と記録媒体21とは、第1のガイド部G1と第2のガイド部G2との連設部分である媒体分離部Mにおいて分離されるが、この媒体分離部Mの曲率中心Pからの曲率半径r2は、加圧ローラ13の半径r1(図2(b)参照)よりも小さく形成される。
次に、本実施の形態における定着装置11の定着動作について説明する。
管状発熱体16が、制御部20により、図1において時計方向に回転駆動されると、管状発熱体16の外周面16aと、裏当部材15の摺接面15aと、案内部材18の案内面18aとに架け渡されたフィルム部材12は、バネ14により付勢された加圧ローラ13からの付勢力を受けることにより張架されてA方向への周回が開始される。
ここで、裏当部材15及び案内部材18には、それぞれ摺動層15c及び摺動層18bが形成されているので、フィルム部材12は、これら摺動層15c及び摺動層18bの表面を滑りながら、加圧ローラ13からの付勢力により皺を生じることなく周回される。
また、上述したように、加圧ローラ13とフィルム部材12の外周面12aとの間の動摩擦係数μ1と、裏当部材15とフィルム部材12の内周面12bとの間の動摩擦係数μ2との関係は、μ1>μ2とされていると共に、μ1と、案内部材18とフィルム部材12の内周面12bとの間の動摩擦係数μ3との関係も、μ1>μ3とされているので、フィルム部材12と加圧ローラ13との間には、滑りが生じることはない。
次に、管状発熱体16の電極キャップ33,33には、摺動接点37,37を介して制御部20から通電されることにより、抵抗体31は発熱され、この熱が封止管32及びフィルム部材12に伝達される。
管状発熱体16は、抵抗体31が熱容量の小さい円筒状の封止管32により封止された構造とされているので、管状発熱体16の温度は速やかに上昇され、これに伴い、フィルム部材12の温度も速やかに上昇される。
管状発熱体16の表面温度は、上述したフィルム部材12の非通紙領域S2に当接して配置されたサーミスタ17により常時検出されており、この検出温度に基づいて、制御部20において、管状発熱体16への通電制御が行われる。
サーミスタ17を非通紙領域S2に配置することとしたのは、接触式の温度検出センサであるサーミスタ17を通紙領域S1に配置してしまうと、記録媒体21の埃等によりフィルム部材12の外周面12aが汚され、この汚れがサーミスタ17の先端部に堆積された後に再びフィルム部材12の外周面12aに汚れが付着してしまうという不都合が生じうるからである。
ここで、本実施の形態においては、管状発熱体16は、ニップ部Nの近傍に配置されるので、サーミスタ17により検出される温度と、ニップ部Nにおける温度との差は比較的小さい。
従って、管状発熱体16の表面温度を所望の定着温度に制御することにより、ニップ部Nにおける温度も、ほぼ所望の定着温度とされ得る。
管状発熱体16の表面温度が所望の定着温度に達すると、未定着のトナー像Tが転写された記録媒体21は、C方向(図1参照)へ搬送されて定着装置11内に至り、フィルム部材12と密着してニップ部Nに供給される。
また、上述したように、加圧ローラ13とフィルム部材12の外周面12aとの間の動摩擦係数μ1と、裏当部材15とフィルム部材12の内周面12bとの間の動摩擦係数μ2、及び案内部材18とフィルム部材12の内周面12bとの間の動摩擦係数μ3との関係が適切に設定されているので、供給された記録媒体21は、面ズレや皺寄りを生じることなくフィルム部材12に密着した状態が維持されて挟圧力を受けつつ、ニップ部Nを通過される。
このニップ部Nにおいて、記録媒体21にフィルム部材12からの熱が伝達され、トナー像Tは、溶融されて記録媒体21に軟化して接着される。
その後、ニップ部Nを通過した記録媒体21がフィルム部材12に密着されたまま媒体分離部Mに至る過程で、溶融されたトナー像Tは、自然冷却されて記録媒体21に完全に定着される。
また、媒体分離部Mにおける案内部材18の曲率半径r2は、ニップ部Nの曲率半径とほぼ等しい加圧ローラ13の半径r1よりも小さくされているので、記録媒体21は、フィルム部材12からスムーズに分離される。
そして、最終的にトナー像Tが完全に定着された記録媒体21は、一対の排出ローラ22,22により挟持され外部へ排出される。
ここで、記録媒体21がニップ部Nに供給される際の、記録媒体21上の任意の点の温度(t)と、記録媒体21とトナーとの付着力(f1)、フィルム部材12とトナーとの付着力(f2)及びトナーの凝集力(f3)との関係について、概念図である図5を参照しつつ説明する。
この図5において、温度tが、温度t1より低い領域(コールドオフセット領域)では、トナーは溶融されず粉体のままで存在するので、f1及びf3はf2より小さく、トナーはフィルム部材12側に付着される、いわゆるコールドオフセットと呼ばれる現象が発生しうる。
温度tが、温度t1からt2の間の領域(正常定着領域)では、f1及びf3はf2より小さく、トナーは記録媒体21に付着されるので、正常な定着作用が行われる。
温度tが、t2よりも高くなり、トナーが液状化されて、f3が低下してしまうと、トナーは、フィルム部材12側に付着される、いわゆるホットオフセットと呼ばれる現象が発生しうる。
しかしながら、本実施の形態の定着装置11においては、管状発熱体16の外周面16aの温度は、他の部位と比較して高くなるものの、この部位では記録媒体21の分離は行われず、仮に、外周面16aの温度が、上述したホットオフセット領域にあっても問題とはならず、トナー像Tは、十分に溶融され、ニップ部Nにおいて適切に定着される。
また、ニップ部Nよりも周回方向Aの上流側に管状発熱体16が配置されているので、記録媒体21がフィルム部材12から分離される媒体分離部Mは、管状発熱体16から離れたところに位置されており、媒体分離部Mにおける記録媒体21の温度は、ニップ部Nの他の部位と比較して最も低くなっている。
従って、媒体分離部Mにおける記録媒体21の温度が正常定着領域の温度であれば、フィルム部材12と記録媒体21との分離は適切に為される。
また、仮に媒体分離部Mにおける記録媒体21の温度が、上述したコールドオフセット領域であったとしても、トナー像Tは、既に記録媒体21に定着されており、f1及びf3は、トナー像Tが粉体の状態のときと比較して十分に大きくなり、f1>f3>f2となるので、フィルム部材12側にトナー像Tが付着する現象は発生しない。
従って、本実施の形態の定着装置11において、正常定着領域が実質的に拡大され得る。
なお、本実施の形態において、サーミスタ17の損傷等の原因により、管状発熱体16が異常に発熱された場合、この熱が、軸受け34,34及び軸受け保持部材35,35を介して取り付け部材36,36に伝達される。
取り付け部材36,36の温度が、記録媒体21の発火点よりも低い軟化点温度に達すると、図6に示されるように、この取り付け部材36,36は軟化して変形される。
このとき、管状発熱体16に対してフィルム部材12からD方向への張力が作用しているので、管状発熱体16は、アッパーフレーム19aとの正常な取り付け位置からD方向にずらされ、電極キャップ33,33と摺動接点37,37との摺接状態が解除され、制御部20からの管状発熱体16への通電が停止されることになる。
この第1の実施形態によれば、加圧ローラ13の外周面13aと、弾性材料からなる裏当部材15の摺接面15aとの間で加圧ローラ13からの付勢力をもってフィルム部材12を挟持しているので、加圧ローラ13の径を大きくすることなく外周面13aに沿う面状の大きな長さのニップ部Nを形成することが可能となり、定着工程を高速化しても、十分な熱を記録媒体21に与えることができる。
また、管状発熱体16をニップ部Nよりも周回方向Aの上流側に配置したので、ニップ部Nを通過する初期の段階でトナー像Tが十分に加熱され、ニップ部Nよりも周回方向Aの下流側の媒体分離部Mにおいては、フィルム部材12の温度が十分に低下されることにより、媒体分離部Mでのホットオフセットを防止することができる。
また、フィルム部材12は、裏当部材15、管状発熱体16及び案内部材18に架け渡され、加圧ローラ13からの付勢力を受けることにより張架されてA方向へ周回されるので、裏当部材15の周回方向Aの下流側には、別途のローラを設ける必要がなく、定着装置11のコストダウンが図れると共に、フィルム部材12の張力を最小限とすることができるので、外周面12a及び内周面12bに柔軟な素材からなる離型層を形成するのに好適である。
また、ニップ部Nが長く形成されることにより、このニップ部Nに供給すべき熱量も少なくて済むと共に、熱容量の小さい管状発熱体16を加熱部材として用いているので、速やかにフィルム部材12の温度を上昇させることが可能となり、ウォームアップ時間の短縮を図ることができる。
また、サーミスタ17を、非通紙領域S2に配置したので、サーミスタ17の先端部に汚れが堆積することを防止することができる。
更に、何らかの原因で管状発熱体16が異常発熱した場合であっても、取り付け部材36が変形されることにより、制御部20からの管状発熱体16への通電が遮断され、更なる発熱を防止することができるので、定着装置11にフェイルセーフ手段を具備させることが可能となる。
図7は、本発明の第2の実施形態を示すものであり、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
第2の実施形態の定着装置41においては、図7(a)の概略構成図に示されるように、裏当案内部材42が、裏当部材43と案内部材44とを一体的に形成したものとされている点が、第1の実施例と相違している。
裏当案内部材42の構成について、図7(b)に基づいて更に説明すると、裏当案内部材42が定着装置41内に組み込まれた状態では、裏当部材43がフィルム部材12を介して加圧ローラ13と対向される対向面43aには、加圧ローラ13の付勢力により弾性変形されて外周面13aに沿う面状の摺接面42aが形成されるので、上述したように、フィルム部材12と加圧ローラ13との間に形成されるニップ部Nも、外周面13aに沿う面状とされる。
裏当案内部材42の一部を為す裏当部材43は、シリコーンスポンジ等の弾性材料により形成されており、弾性変形していない状態では、周回方向を短辺側とし、長辺側はフィルム部材12の幅方向に伸延された略直方体状に形成されるが、本実施の形態においては、ニップ部Nよりも周回方向Aの下流側は、フィルム部材12の周回路に沿った形状に形成されており、これにより、第1のガイド部G1と第2のガイド部G2の一部とを為すと共に、媒体分離部Mも兼ねるように形成される。
また、フィルム部材12と摺接される裏当部材43の対向面43aには、摩擦抵抗を低減するための摺動層として、耐熱性、耐磨耗性の高いポリイミド等のフィルムテープが接着または巻装された摺動層43bが形成される。
また、裏当案内部材42の一部を為す案内部材44は、図7(b)に一部分断図として示されるように、正面視略逆コ字状を為し、インサート成形等の手段により裏当部材43と一体化されており、これにより、第2のガイド部G2の残余の一部と第3のガイド部G3とが形成される。
また、フィルム部材12と摺接される案内部材44の案内面44aには、摩擦抵抗を低減するための摺動層として、耐熱性、耐磨耗性の高いポリイミド等のフィルムテープが接着または巻装された摺動層44bが形成される。
なお、一体化される裏当部材43及び案内部材44のそれぞれの形状については、図7で示されるものに限られず、例えば、案内部材44により第1のガイド部G1、第2のガイド部G2、第3のガイド部G3、及び媒体分離部Mが形成されるようにしても良い。
定着装置41の定着動作については、第1の実施形態と同様である。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、裏当部材43と案内部材44とを裏当案内部材42として一体化したので、部品点数が削減できると共に、裏当部材43と案内部材44との間の位置ズレが生じることを防止できるので、フィルム部材12を安定して周回させることができる。
図8は、本発明の第3の実施形態を示すものであり、従前の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
この第3の実施形態の定着装置61においては、第1及び第2の実施形態におけるサーミスタ17(本実施の形態においては、以下、「第1のサーミスタ17」という。)に加えて、第2のサーミスタ62を、裏当部材43内のニップ部Nの円弧方向中央に対向する箇所に封止して配置し、これら第1のサーミスタ17及び第2のサーミスタ62の出力が、制御部63に入力されるように構成した点が、第2の実施形態と相違している。
第2のサーミスタ62は、フィルム部材12の外周面12aと直接摺接されることはないので、上述した汚れの堆積の問題は生じない。
従って、フィルム部材12の幅方向における第2のサーミスタ62の位置は、通紙領域S1あるいは非通紙領域S2のいずれに対応する位置でも構わないが、最も温度低下が急激なフィルム部材12の幅方向の中央部に配置されることが好ましい。
この定着装置61の定着動作においては、第1のサーミスタ17により、管状発熱体16の外周面16aの非通紙領域S2における温度が検知され、第2のサーミスタ62により、ニップ部Nにおけるフィルム部材12の幅方向の中央部の温度が検出される。
ここで、第1のサーミスタ17が配置されている非通紙領域S2においては、定着動作は行われないため、通紙領域S1と非通紙領域S2との間の温度勾配は比較的小さい。
従って、制御部63においては、第1のサーミスタ17と第2のサーミスタ62とから検出された温度に基づいて、温度差や温度勾配が演算されることにより、フィルム部材12や記録媒体21の熱容量の影響による定着不良が防止されるように制御される。
この第3の実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と同様の効果に加えて、第1のサーミスタ17と第2のサーミスタ62とを設けたので、管状発熱体16の外周面16aの温度とニップ部Nの温度とを検出することができ、精度の良い温度制御を行うことができる。
図9は、本発明の第4の実施形態を示すものであり、従前の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
この第4の実施形態の定着装置81においては、第2の実施形態における加熱部材としての管状発熱体16に代えて、ニップ部Nよりも周回方向Aの上流側に配置され、フィルム部材12の内周面12bと摺接されると共に、図示しない駆動手段により時計方向に回動自在に駆動される駆動ローラ82と、フィルム部材12を介して駆動ローラ82と対向して配置され、フィルム部材12の外周面12aに当接された定置式加熱部材83とを備えている点が、第2の実施形態と相違している。
また、図示しない押圧手段により、駆動ローラ82から定置式加熱部材83の方向(図9におけるE方向)に押圧力が付与されており、定置式加熱部材83とフィルム部材12とは押圧接触状態とされる。
更に、定置式加熱部材83は、駆動ローラ82と対向する位置に配置され、厚膜印刷で形成されたカーボン、金属酸化物等からなる平板状の発熱体83aと、この発熱体83aを支持する発熱体支持部83bとにより構成されている。
定着装置81の定着動作については、第1の実施形態と同様である。
この第4の実施形態によれば、加熱部材が定置式加熱部材83とされており、摺動接点を設けて回動する必要がないので、信頼性を向上させることができると共に、定置式加熱部材83からフィルム部材12へ直接熱伝達がされるので、熱損失を低減することができる。
図10乃至図12は、本発明の第5の実施形態を示すものであり、従前の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
この第5の実施形態の定着装置101においては、図11(a)乃至図11(c)に示されるように、透明なフィルム部材102の表面102aの通紙領域S1のほぼ中央部には、フィルム部材102の表面102aにカーボン等で着色された赤外線放射係数の高い赤外線放射部103aと、フィルム部材102の表面102aが露出された赤外線放射係数の低い赤外線非放射部103bとが、周回方向Aに沿って交互に配置された第1のパッチ部103が形成されている。
また、セラミックからなる管状発熱体104の長手方向のほぼ中央部ではあるが、第1のパッチ部とはフィルム部材102の幅方向で重ならない位置には、管状発熱体104の表面104aが露出された赤外線放射係数の高い赤外線放射部105aと、管状発熱体104の表面104aに金属メッキ等が施された赤外線放射係数の低い赤外線非放射部105bとが、管状発熱体104の周方向に沿って交互に配置された第2のパッチ部105が形成されている。
また、第1の放射温度検出センサ106が、フィルム部材102に非接触で第1のパッチ部103に対向して配置されると共に、第2の放射温度検出センサ107が、フィルム部材102に非接触で、このフィルム部材102を介して第2のパッチ部105に対向して配置されている。
更に、サーミスタ17が、フィルム部材102の表面102aの非通紙領域S2に当接されると共に、フィルム部材102を介して管状発熱体104と対向して配置されている。
これら第1の放射温度検出センサ106と、第2の放射温度検出センサ107と、サーミスタ17とは、制御部108に接続されており、この制御部108により、管状発熱体104の通電制御が行われる。
なお、第1の放射温度検出センサ106と、第2の放射温度検出センサ107としては、焦電型赤外線センサ(例えば、日本セラミックス社のRE814S等)が好適である。
定着装置101の定着動作について、特に本実施の形態の特徴である温度検出と温度制御に関して説明すると、管状発熱体104が図示しない駆動手段により回動されることにより、フィルム部材102の周回が開始されると共に、管状発熱体104が通電されると、管状発熱体104の表面104a及びフィルム部材102の表面102aの表面温度が速やかに上昇される。
第1のパッチ部103に非接触に対向して配置された第1の放射温度検出センサ106においては、フィルム部材102の周回に伴って、赤外線放射の連続した変化が検知され、その微分要素から、通紙領域S1の中央部の温度が検出され、制御部108に入力される。
また、フィルム部材102を介して第2のパッチ部105に対向して配置された第2の放射温度検出センサ107においては、管状発熱体104が回動されると、透明なフィルム部材102を介して、第2のパッチ部104から赤外線放射の連続した変化が検知され、その微分要素から、管状発熱体104の長手方向中央部の温度が検出され、制御部108に入力される。
また、サーミスタ17が配置されている非通紙領域S2においては、定着動作は行われないため、通紙領域S1と非通紙領域S2との間の温度勾配は比較的小さい。
従って、非通紙時に、サーミスタ17から検出された温度に基づいて、制御部108において、第1の放射温度検出センサ106及び第2の放射温度検出センサ107の校正が行われる。
図12は、制御部108の概略構成図であり、この制御部108は、図12(a)に示されるように、主としてマイクロプロセッサ部108aと、A/D変換部108bと、I/O部108cとを備えている。
マイクロプロセッサ部108aは、サーミスタ17と抵抗R1とで分圧された電圧と、第1の放射温度検出センサ106の出力と、第2の放射温度検出センサ107の出力とをA/D変換部108bに取り込み、各々の温度を演算して、管状発熱体104の通電を行うか否かを判断する。
管状発熱体104の通電を行う場合は、その旨の駆動信号がI/O部108cに出力され、フォトトライアックPCの発光側を駆動する。
これにより、図12(b)に示されるように、フォトトライアックPCの受光側は、トライアックQtのゲートを駆動して導通させ、管状発熱体104への通電が行われる。
この第5の実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と同様の効果に加えて、非接触式の第1の放射温度検出センサ106により、通紙領域S1のほぼ中央部の温度を、接触式温度検出センサにおけるような汚れの堆積といった問題を生じることなく検出することが可能となる。
また、フィルム部材102の周回路外側に配置された第2の放射温度検出センサ107により、管状発熱体104の表面温度を直接検出することが可能となる。
また、サーミスタ17により、第2の放射温度検出センサ107の校正を行うことができる。
従って、これらのセンサからの検出信号に基づいて、制御部108において、適宜各部の温度差や温度勾配を演算することにより、フィルム部材102や記録媒体21の熱容量の影響による定着不良を防止する精度の良い温度制御を行うことができる。
更に、第1の放射温度検出センサ106及び第2の放射温度検出センサ107を、管状発熱体104やフィルム部材102から離間して配置させることができるので、周辺構造を簡略化することができる。
図13は、本発明の第6の実施形態を示すものであり、従前の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
この第6の実施形態の定着装置121においては、ロアフレーム19bの底面19cに穴19dが設けられるとともに、この穴19dに、バネ14を支持する回動自在なアーム部材122の一部が突出状態に臨ませられており、このアーム部材122をロアフレーム19bの外側からシャーシ123により押圧してバネ14に付勢力を作用させる構成とされている。
すなわち、アーム部材122は、桶状のバネ受け座122aと、このバネ受け座122aから一端が延在され、他端がピボットPVに回動可能に軸支されるアーム部122bと、バネ受け座122aからアーム部122bとは反対方向に延在されたストッパ部122cとを備えており、バネ14はバネ受け座122aによりその一端が保持され、他端が加圧ローラ13を押接するように配置されている。
定着装置121の動作について説明すると、この定着装置121が画像形成装置側シャーシ123に取り付けられ、定着工程が行われているときには、アーム部材122のバネ受け座122aは、シャーシ123のストッパ面123aと当接されるので、加圧ローラ13は、図13(a)における付勢位置X1でバネ14からの付勢力を受けると共に、フィルム部材12及び裏当案内部材42をB方向に押圧することにより、前述のようにニップ部Nが形成される。
一方、ロアフレーム19bからシャーシ123が取り外されると、バネ受け座122aは、ストッパ面123から離間され、アーム部材122は、バネ14の復元力により図13(b)におけるJ方向に、ピボットPVを中心に、アーム部材122のストッパ部122cがロアフレーム19bの底面19cと当接するまで回動される。
これにより、バネ14の加圧ローラ13への付勢力が解除され、加圧ローラ13は、図13(b)における非付勢位置X2まで移動され、フィルム部材12への加圧力も解除される。
なお、図13は、フィルム部材12への加圧力を解除するための手段の一例であり、種々の態様が採り得ることは言うまでもない。
この第6の実施形態によれば、運搬時等の際に、ロアフレーム19bからシャーシ123を取り外した状態としておくことにより、加圧ローラ13からフィルム部材12への付勢力が解除され、フィルム部材12を適切に保護することができるので、定着装置121の耐久性、信頼性を向上させることができる。
また、記録媒体21が内部に詰まってしまう、いわゆる媒体ジャムが発生した場合においても、記録媒体21を容易に除去することができる。
本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態の定着装置の裏当部材であって、(a)は、定着装置に組み込まれていない場合の正面図、(b)は、定着装置に組み込まれ、加圧ローラから押圧力を受けている様子を示す図である。 本発明の第1の実施形態の定着装置の管状発熱体であって、(a)は、正面図、(b)は、定着装置のブラケットに取り付けられた様子を示す図である。 本発明の第1の実施形態の定着装置の案内部材の一部分断図である。 記録媒体上の任意の点の温度(t)と、記録媒体とトナーとの付着力、フィルム部材とトナーとの付着力及びトナーの凝集力との関係を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態の定着装置の管状発熱体が、取り付け部材の変形により、正常な取り付け位置からずらされた様子を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示す図であって、(a)は、定着装置の概略構成図、(b)は、裏当案内部材が定着装置に組み込まれ、加圧ローラから押圧力を受けている様子を示す図である。 本発明の第3の実施形態の定着装置の概略構成図である。 本発明の第4の実施形態の定着装置の概略構成図である。 本発明の第5の実施形態の定着装置の概略構成図である。 本発明の第5の実施形態の温度検出部の構成を示す図であって、(a)は、温度検出部の展開模式図、(b)は、フィルム部材に形成された第1のパッチ部、(c)は、管状発熱体に形成された第2のパッチ部を示す図である。 本発明の第5の実施形態の制御部の概略構成図であり、(a)は、センサ信号に基づいてフォトトライアックの発光側を駆動する部分、(b)は、トライアックを駆動して管状発熱体を通電する部分を示す図である。 本発明の第6の実施形態の定着装置の概略構成図であって、(a)は、定着装置が画像形成装置側シャーシに取り付けられた状態、(b)は、定着装置が画像形成装置側シャーシから取り外された状態をそれぞれ示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置 11,41,61,81,101,121 定着装置 12,102 フィルム部材 13 加圧ローラ(支持部材) 15,43 裏当部材 16,104 管状発熱体 17,62 サーミスタ 18,44 案内部材 20,63,108 制御部 33 電極キャップ 36 取り付け部材 37 摺動接点 42 裏当案内部材 82 駆動ローラ 83 定置式加熱部材 103 第1のパッチ部 105 第2のパッチ部 106,107 放射温度検出センサ 122 アーム部材 M 媒体分離部 N ニップ部 S1 通紙領域 S2 非通紙領域 T トナー像

Claims (11)

  1. 環状のフィルム部材を周回させながら、該フィルム部材の外周面の一部とその外側に配置した支持部材との間のニップ部に、未定着のトナー像を転写させた記録媒体を供給して、前記トナー像を定着させると共に、前記ニップ部よりも前記周回方向の下流側の媒体分離部で前記フィルム部材と前記記録媒体とが分離される定着装置において、
    前記ニップ部におけるフィルム部材の内周側を支持する裏当部材が前記支持部材の表面に沿う面状に形成され、前記ニップ部よりも前記周回方向の上流位置に、前記フィルム部材を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記支持部材または裏当部材の少なくとも一方は、前記ニップ部に対向する面が弾性材により形成され、支持部材または裏当部材の少なくとも一方に、これを他方に向けて付勢して前記弾性材を弾性変形させる付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記支持部材を保持するケーシングには、前記弾性材の弾性変形を復元させる付勢解除機構が設けられていることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記ニップ部よりも前記周回方向の下流位置に、前記フィルム部材を内周側から支持して前記支持部材から離間させる方向に湾曲させる案内部材が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記加熱部材は、前記フィルム部材の内周側に配置された回転自在な管状発熱体であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記加熱部材は、前記フィルム部材の外周側に定置され、前記フィルム部材の内周側には、前記加熱部材を前記フィルム部材に押圧接触状態とするフィルム支持部材が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記管状発熱体と接する前記フィルム部材における前記記録媒体通過部分から外れた非通紙領域に、前記管状発熱体の表面温度を検出する接触式温度検出センサが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  8. 前記裏当部材に、前記ニップ部の温度を検出する温度検出センサが設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 前記フィルム部材の少なくとも一部が透明材料により形成されると共に、該フィルム部材の表面温度を検出する第1の放射温度検出センサと、前記フィルム部材の透明部を介して前記管状発熱体の表面温度を検出する第2の放射温度検出センサと、これら両放射温度検出センサからの検出結果に基づき前記管状発熱体の温度を制御する温度制御部とを備えることを特徴とする請求項5または7記載の定着装置。
  10. 前記管状発熱体は、これを回転自在に支持するブラケットに取り付け部材を介して取り付けられると共に、電力供給接点が、外表面に露出された管状発熱体の端子に接触されており、該取り付け部材は、その熱変形温度が前記記録媒体の発火温度よりも低い材料により形成されていることを特徴とする請求項5、7または9のいずれかに記載の定着装置。
  11. 前記未定着のトナー像を転写させた前記記録媒体を供給する現像装置と、請求項1から10のいずれかに記載の定着装置とを備える画像形成装置。
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