JP2006171103A - 積層光学フィルム、光学補償機能付偏光板、画像表示装置および液晶表示装置 - Google Patents

積層光学フィルム、光学補償機能付偏光板、画像表示装置および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 画面の法線方向に対し、斜め方向から表示画像を見たときにも、表示画像の着色が抑制されており、階調反転領域の少ない画像を表示することができる光学フィルムを提供すること。
【解決手段】 フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx1、ny1、nz1とした場合に、Nz=(nx1−nz1)/(nx1−ny1)で表されるNz係数が、0≦Nz≦1、を満足する光学フィルム(1)と、光学的に負の一軸性を示す材料により形成され、かつ当該材料が傾斜配向している部位を含む光学フィルム(2)、フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx3、ny3、nz3とした場合に、nx3≧ny3>nz3を満足する光学フィルム(3)とが、積層されていることを特徴とする積層光学フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層光学フィルムに関する。本発明の積層光学フィルムは、単独でまたは他の光学フィルムと組み合わせて、位相差板、光学補償フィルム、光学補償機能付偏光板、輝度向上フィルム等の各種光学フィルムとして使用できる。特に、本発明の積層光学フィルムは、偏光子と積層して光学補償機能付偏光板として用いる場合に有用である。また本発明は前記積層光学フィルム、光学補償機能付偏光板等を用いた液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネセンス)表示装置、PDP等の画像表示装置に関する。本発明の積層光学フィルム、光学補償機能付偏光板等は、上記の通り、各種液晶表示装置等に適用できるが、液晶表示装置の中ではOCBモードの液晶表示装置に特に好適に利用される。
従来より、液晶表示装置等には、広視野角を得るために位相差板が好適に利用されている。かかる位相差板としては、複数の光学異方性を有するポリマーフィルムを、光軸を交差させて積層してなる積層フィルムが提案されている。これら積層フィルムでは2層または複数枚の延伸フィルムの光軸を交差させて広視野角を実現している(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)しかしながら、前述の特許文献1乃至4の構成の位相差板を用いた場合であっても、正面及び容易軸方向以外の補償は不十分で、これらの方法では高いコントラストを得られないという問題があった。
特開平5−100114号公報 特開平10−68816号公報 特開平10−90521号公報 特開2004-233972号公報
本発明は、画面の法線方向に対し、斜め方向から表示画像を見たときにも、表示画像の着色が抑制されており、階調反転領域の少ない画像を表示することができる光学フィルムを提供することを目的とする。
また本発明は、前記光学フィルムと偏光子を積層した光学補償機能付偏光板を提供することを目的とする。さらに本発明は、前記光学フィルム、光学補償機能付偏光板を用いた画像表示装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、前記光学フィルム、光学補償機能付偏光板を用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究したところ、下記積層光学フィルムを用いることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx1、ny1、nz1とした場合に、
Nz=(nx1−nz1)/(nx1−ny1)で表されるNz係数が、0≦Nz≦1、を満足する光学フィルム(1)と、
光学的に負の一軸性を示す材料により形成され、かつ当該材料が傾斜配向している部位を含む光学フィルム(2)と、
フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx3、ny3、nz3とした場合に、nx3≧ny3>nz3を満足する光学フィルム(3)とが、積層されていることを特徴とする積層光学フィルム、に関する。
上記本発明の積層光学フィルムは、光学フィルム(1)と、光学的に負の一軸性を示す材料を傾斜配向させてなる光学フィルム(2)と、光学フィルム(3)とを積層してなるものであり、広視野角を補償する位相差板として有用である。当該積層光学フィルムを適用した液晶表示装置等の画像表示装置は、広視野角を実現でき、しかも表示画面を斜め方向から見た場合にも、表示着色が抑制されており、階調反転領域が少ない画像を表示できる。
光学フィルム(1)は、上記で定義されるNz係数が、0≦Nz≦1である。Nz係数が、Nz<0の場合、または、Nz>1の場合には、広視野角を実現し難く、また表示画面を斜め方向から見た場合の表示着色を十分に抑制できず、斜め方向からのコントラストが逆転する階調反転が生じうる。Nz係数は、例えば、OCBモードの液晶セルの補償に光学フィルム(1)を1枚(液晶セルの視認側またはバックライト側の積層光学フィルムとして1枚)用いる場合には、Nz=0.5±0.05であるのが好ましい。一方、OCBモードの液晶セルの補償に光学フィルム(1)を2枚(液晶セルの視認側およびバックライト側の積層光学フィルムとしてそれぞれ1枚)用いる場合には、一方の側の光学フィルム(1)には、Nz=0.25±0.05のもの、もう一方の側の光学フィルム(1)には、Nz=0.75±0.05のもの、を組み合わせるのが好ましい。上記Nz係数の光学フィルム(1)は、いずれが視認側であってもよく、バックライト側であってもよい。
前記積層光学フィルムにおいて、光学フィルム(2)を形成する、光学的に負の一軸性を示す材料は、ディスコティック液晶化合物であることが好ましい。光学的に負の一軸性を示す材料は特に制限されないが、傾斜配向の制御がよく、また一般的な材料でコストが比較的安価である点から、ディスコティック液晶化合物が好適である。
前記積層光学フィルムにおいて、光学フィルム(2)を形成する、光学的に負の一軸性を示す材料は、その平均光軸と光学フィルム(2)の法線方向からなす傾斜角度が、5°〜50°の範囲で傾斜配向している部位を含むことが好ましい。
上記の通り、光学フィルム(2)は、光学フィルム(1)および光学フィルム(3)と組み合わせた積層光学フィルムとして用いられるが、光学フィルム(2)の上記傾斜角度を5°以上に制御することにより、液晶表示装置等に実装した場合の視野角拡大効果が大きい。一方、上記傾斜角度を50°以下に制御することにより、視野角を上下左右のいずれの方向(4方向)においても視野角が良好となり、方向によって、視野角が良くなったり悪くなったりすることを抑えることができる。かかる観点から、前記傾斜角度は30°〜45°が好ましい。
なお、光学的に負の一軸性を示す光学材料(たとえば、ディスコティック液晶性分子)の傾斜配向状態はフィルム面内との距離に伴って変化しない均一な傾斜(チルト)配向でもよく、前記光学材料とフィルム面内との距離に伴って変化していてもよい。
前記積層光学フィルムにおいて、光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(3)の遅相軸のなす角度が80°〜100°であることが好ましい。光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(3)の遅相軸のなす角度を前記範囲に制御した積層光学フィルムを適用した液晶表示装置等の画像表示装置は、より広視野角を実現でき、表示画面を斜め方向から見た場合の表示着色を抑制でき、階調反転領域が少ない画像を表示でき、好ましい。
前記積層光学フィルムにおいて、光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(1)の遅相軸とのなす角度が35°〜55°であることが好ましい。光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(1)の遅相軸のなす角度を前記範囲に制御した積層光学フィルムを適用した液晶表示装置等の画像表示装置は、より広視野角を実現でき、表示画面を斜め方向から見た場合の表示着色を抑制でき、階調反転領域が少ない画像を表示でき好ましい。
また本発明は、上記積層光学フィルムと、偏光子とが積層されていることを特徴とする光学補償機能付偏光板、に関する。
前記光学補償機能付偏光板において、光学フィルム(2)の配向軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が35°〜55°であることが好ましい。光学フィルム(2)の配向軸と偏光子の吸収軸とのなす角度を前記範囲に制御した光学補償機能付偏光板を適用した液晶表示装置等の画像表示装置は、より広視野角を実現でき、表示画面を斜め方向から見た場合の表示着色を抑制でき、階調反転領域が少ない画像を表示できる点で好ましい。
また本発明は、上記の積層光学フィルムや光学補償機能付偏光板が積層されていることを特徴とする画像表示装置に関する。
さらに本発明は、上記の積層光学フィルムや光学補償機能付偏光板が積層されていることを特徴とする液晶表示装置に関する。
前記液晶表示装置において、光学フィルム(2)の配向軸と液晶セルのガラス基板のラビング軸のなす角度が−10°〜10°であることが好ましい。光学フィルム(2)の配向軸と液晶セルのガラス基板のラビング軸とのなす角度を前記範囲に制御した液晶表示装置は、より広視野角を実現でき、表示画面を斜め方向から見た場合の表示着色を抑制でき、階調反転領域が少ない画像を表示できる点で好ましい。前記液晶表示装置は、液晶表示モードがOCBモードであるものへの適用が好適である。
以下に本発明の積層光学フィルムを、図面を参照しながら説明する。図1乃至図3に示すように、本発明の積層光学フィルムは、光学フィルム(1)と、光学的に負の一軸性を示す材料を傾斜配向させてなる光学フィルム(2)と、光学フィルム(3)とが積層されている。図1は中間に光学フィルム(2)を配置した積層光学フィルムである。図2は中間に光学フィルム(3)を配置した積層光学フィルムである。図3は中間に光学フィルム(1)を配置した積層光学フィルムである。光学フィルムの積層順はいずれでも良いし、他の光学フィルムを更に上下に、または層間に積層してもよい。これらのなかもで、図1または図2の構成が好ましい。特に図2の構成が好ましい。
光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(3)の遅相軸のなす角度は−10°〜10°または80°〜100°であることが好ましい。前記角度は、光学フィルム(2)の配向軸を基準(0°)として、光学フィルム(3)の遅相軸のなす角度が、略平行(0°±10°)または略直交(90°±10°)であることを示す。前記角度が略平行の場合には、−5°〜5°であるのが好ましく、−2°〜2°であるのがより好ましい。前記角度が略直交の場合には、85°〜95°であるのが好ましく、88°〜92°であるのがより好ましい。
光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(1)の遅相軸のなす角度は35°〜55°であることが好ましい。前記角度は、光学フィルム(2)の配向軸を基準(0°)として決定される。前記角度は43°〜47°であるのが好ましく、44°〜46°であるのがより好ましい。
なお、光学フィルム(2)の配向軸の方向は以下のようにして定義される。図10、図11に光学フィルム(2)を断面方向から見た場合のモデル図面を示す。図中の円盤dは光学的に負の一軸性を示す材料を示す。図10においては、各円盤dの光軸xはそれぞれ別の方向を向いている。図11においては、各円盤の光軸xは同じ方向を向いている。光学フィルム(2)の配向軸yの方向は、光軸xを光学フィルム(2)の平面内に投影したものである。配向軸yの方向は、自動複屈折測定装置KOBRA21ADH等を使用して測定することができる。
また前記積層光学フィルムには、偏光子(P)を積層して、光学補償機能付偏光板とすることができる。図4乃至図9は、図1乃至図3に示す積層光学フィルムに偏光子(P)を積層した光学補償機能付偏光板(P1)である。なお、前記積層光学フィルムに対する偏光子(P)の積層位置は特に制限されないが、液晶表示装置に実装した時に、より視野角が広がる点から、図4または図5のように光学フィルム(1)側に偏光子(P)を積層するのが好ましい。また図5または図9のように光学フィルム(2)が偏光子(P)に対して反対側になるように積層するのが好ましい。特に図5の場合が好ましい。
光学フィルム(2)の配向軸と偏光子(P)の吸収軸のなす角度は35°〜55°であることが好ましい。前記角度は、光学フィルム(2)の配向軸を基準(0°)として決定される。前記角度は43°〜47°であるのが好ましく、44°〜46°であるのがより好ましい。
なお、図1乃至図9は、各光学フィルム、偏光子は粘着剤層(a)を介して積層されている場合の例である。粘着剤層(a)は1層でもよく、また2層以上重畳形態とすることできる。粘着剤層は無くても構わない。
また前記積層光学フィルムまたは光学補償機能付偏光板(P1)は画像表示装置において好適に用いられる。また前記積層光学フィルムまたは光学補償機能付偏光板(P1)は液晶表示装置に好適に用いられる。液晶表示装置に用いられる場合は、光学フィルム(2)の配向軸と液晶セルのガラス基板のラビング軸のなす角度が、−10°〜10°であることが好ましい。前記角度は、光学フィルム(2)の配向軸を基準(0°)として決定される。前記角度は−5°〜5°であるのが好ましく、−2°〜2°であるのがより好ましい。
光学フィルム(1)は、フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx1、ny1、nz1とした場合に、
Nz=(nx1−nz1)/(nx1−ny1)で表されるNz係数が、0≦Nz≦1、を満足するものを特に制限なく使用することができる。
光学フィルム(1)の作製法は特に制限されないが、たとえば、高分子フィルムを面方向に二軸に延伸する方法、面方向に一軸または二軸に延伸し、厚さ方向にも延伸する方法等があげられる。また、高分子フィルムに、熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理する方法などがあげられる。これら方法により厚さ方向の屈折率を制御して延伸フィルムの三次元屈折率が、0≦Nz≦1、となるように、配向状態を制御する。
光学フィルム(1)を形成する高分子としては、たとえば、ポリカーボネート、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ノルボルネン系ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマーまたはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。
光学フィルム(1)は、0≦Nz≦1、であるが、フィルムの厚みをd1(nm)とした場合に、その正面位相差((nx1−ny1)×d1)は、10〜500nmであることが好ましく、100〜350nmであることがさらに好ましい。厚み方向の位相差((nx1−nz1)×d1)は、10〜400nmであることが好ましく、50〜300nmであることがさらに好ましい。
光学フィルム(1)の厚さ(d1)は特に制限されないが、1〜150μmが好ましく、さらに好ましくは5〜50μmである。
光学フィルム(2)を形成する、光学的に負の一軸性を示す材料とは、三次元屈折率楕円体において、一方向の主軸の屈折率が他の2方向の屈折率よりも小さい材料を示す。
光学的に負の一軸性を示す材料としては、たとえば、ポリイミド系材料や、ディスコティック液晶化合物などの液晶系材料があげられる。また、これらの材料を主成分とし、その他のオリゴマーやポリマーと混合、反応させて、負の一軸性を示す材料が傾斜配向した状態を固定化してフィルム状にしたものがあげられる。ディスコティック液晶化合物を用いる場合、液晶性分子の傾斜配向状態は、その分子構造、配向膜の種類および光学異方性層内に適宜に加えられる添加剤(たとえば、可塑剤、バインダー、界面活性剤)の使用によって制御できる。
光学フィルム(2)のフィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx2、ny2、nz2とし、フィルムの厚みをd2(nm)とした場合には、その正面位相差((nx2−ny2)×d2)は、0〜200nmであることが好ましく、1〜150nmであることがさらに好ましい。厚み方向の位相差:((nx2−nz2)×d2)は、10〜400nmであることが好ましく、50〜300nmであることがさらに好ましい。
光学フィルム(2)の厚さ(d2)は特に制限されないが、1〜200μmが好ましく、さらに好ましくは、2〜150μmである。
光学フィルム(3)は、フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx3、ny3、nz3とした場合に、nx3≧ny3>nz3を満足するものを特に制限なく使用することができる。光学フィルム(3)としては、前記屈折率が、nx3>ny3>nz3である光学フィルム(3)−1と、nx3=ny3>nz3である光学フィルム(3)−2のいずれも用いることできる。なお、光学フィルム(3)−2において、nx3=ny3は、実質的に位相差がないことを示す。これらのなかでも、光学フィルム(3)−1を使うことがより好ましい。
光学フィルム(3)−1は、例えば、1a:ポリイミド系材料などのポリマーによる位相差薄膜を樹脂フィルムの上に塗工した後に延伸または収縮する方法、1b:プラスチックフィルムを二軸延伸する方法、などにより得られる。光学フィルム(3)−2は、例えば、2a:ネマチック性液晶モノマーなどを硬化してコレステリック層を形成する方法、2b:ポリイミド系材料などのポリマーによる位相差薄膜を樹脂フィルムの上に塗工する方法、などによって得られる。
まず、光学フィルム(3)−1を得る方法として、方法1a:ポリイミド系材料などのポリマーによる位相差薄膜を樹脂フィルムの上に塗工した後に延伸又は収縮する方法について述べる。例えば、方法1aは、以下のようにして行うことができる。位相差薄膜を形成するポリマーとしては、ポリイミドの他に、ポリアミド、ポリエステル、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(アミドイミド)及びポリ(エステルイミド)等があげられる。これら材料は、これらから選ばれる少なくとも一種が好適に用いられる。これらのなかでも光学的に透明なものが好ましく用いられる。なお、前記材料としては、nx3>ny3>nz3の特性を満足しうるものであれば、従来公知のポリマー材料を適宜使用でき、単独で又は任意の組合せで用いることができる。
例えば、ポリイミドとしては、特表平8−511812号公報に記載されているような芳香族酸二無水物とポリ芳香族ジアミンからなる可溶性ポリイミドが好ましく用いられる。ポリ(エーテルケトン)としては、ポリアリールエーテルケトンがあげられ、特開2001−64226号公報、特開2001−49110号公報等に記載の含フッ素アリールエーテルケトン重合体が好ましく用いられる。
これらのポリマーの分子量は特に限定はないが、重量平均分子量(Mw)として1,000〜1,000,000の範囲が好ましく、さらに好ましくは2,000〜500,000の範囲が望ましい。
位相差薄膜の製造条件、プロセスに関しては、本発明の位相差薄膜の特性(nx3>ny3>nz3)を満足しうる方法であればよく、特に限定はない。厚み方向の位相差(Rth)の大きなフィルムを、薄層で、かつ簡素な工程にて効率よく製造できる点より、ポリマーを樹脂フィルム又はシート等のポリマー基材上に塗工し、必要に応じて伸張/延伸処理を行うのがよい。
ポリマーを樹脂フィルム又はシート等に塗工する場合は、加熱溶融方法によってもよく、また溶媒に溶解させて溶液として塗布することもできる。製造効率及び光学異方性制御の観点からはポリマー溶液を塗工する方法が好ましい。その溶媒としては、例えばポリイミドを溶解させる溶媒は、ポリイミドを溶解できるものであれば特に制限はなく、ポリマーの種類に応じて適宜選択することができる。溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどを挙げることができる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。ポリマー溶液は、粘度の点より、溶媒100重量部に対して、上記ポリマーを5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部を混合して用いるのがよい。
前記のポリマー基材としては、ポリマー材料との一体品として使用する観点より、光学的に透明なものが望ましい。光学的に透明であれば特に限定はない。
ポリマー基材の材料としては、例えば、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、液晶ポリマー系等を挙げることができる。
ポリマー基材の厚みは、使用目的等に応じて適宜決定することができるが、強度や薄層化などの点より、5〜500μmが好ましく、より好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは15〜150μmであるのがよい。
また、塗工処理は、スピンコート法やロールコート法、フローコート法やプリント法、ディップコート法や流延成膜法、バーコート法やグラビア印刷法等の適宜な方法で行うことができる。
塗工後は、自然乾燥(風乾)または40℃〜200℃で加熱することにより、前記樹脂フィルムまたはシート上に前記ポリマーを固定化して、樹脂フィルム又はシート上にポリマー層を形成する。得られた光学異方性層は、前記樹脂フィルムまたはシートの一体品として積層体の形態で用いてもよく、前記樹脂フィルムまたはシートから剥離して用いることもできる。
また、光学特性を満足するために、ポリマー層を前記樹脂フィルムまたはシートとの積層体の形態で以下の伸張又は収縮処理を実施してもよいし、ポリマー層を樹脂フィルムまたはシートから剥離して以下の伸縮又は収縮処理を実施してもよい。なお、ポリマー層の形成に際しては、安定剤や可塑剤や金属類などからなる種々の添加剤を必要に応じて配合することができる。
伸張又は収縮処理は、本発明の光学異方性層の特性を満足しうる処理であれば、特に限定はない。伸張方法としては一般的に延伸法がある。自由端−軸延伸、固定端−軸延伸が好ましいが、逐次二軸延伸、同時二軸延伸も利用できる。また、収縮によって△nd(正面位相差、厚み方向位相差)を発現させることも可能である。塗工基材である樹脂フィルム又はシートの寸法変化を利用して収縮させたり、積極的に基材に収縮性能をもたせたりしたものを用いることもできる。この際には、延伸機等を利用して収縮率を制御することが望ましい。
次に、光学フィルム(3)−1を得る方法として、方法1b:プラスチックフィルムを二軸延伸する方法に関して述べる。方法1bによれば、光学フィルム(3)−1は、例えば、熱可塑性樹脂を主原料にする高分子フィルムの延伸フィルムとして得られる。本発明において「延伸フィルム」とは適当な温度で未延伸のフィルムに張力を与え、又はあらかじめ延伸されたフィルムに更に張力を加え、特定の方向に分子の配向を高めたプラスチックフィルムを言う。
前記熱可塑性樹脂を主原料とする高分子フィルムは特に制限は無いが、押出フィルム、キャストフィルム、複合フィルム、およびブレンドフィルム等があげられる。上記高分子フィルムは、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、および増粘剤等の各種添加剤を含むものであってもよい。本発明では、厚み方向の位相差値を制御しやすいという点から、キャストフィルムが好ましく用いられる。
本発明において「押出フィルム」とは、押出しによって作られた連続フィルムをいい、Tダイフィルム、チューブラーフィルム、インフレーションフィルムなどを含むものをいう。また、「キャストフィルム」とはポリマー溶液を金属板やプラスチック基板などの表面に流延して溶剤を蒸発させる事によって得られるフィルムを言う。また、「複合フィルム」とは、2層以上のフィルムが積層されたものをいい、「ブレンドフィルム」とは、2種類以上の樹脂が練りこまれたものを言う。
前記熱可塑性樹脂を主原料にする高分子フィルムの延伸フィルムに用いられる熱可塑性樹脂の例としては、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、ポリイミドやポリイミドアミド等のイミド系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されることはない。また、上記の非晶性ポリマーは、従来公知のポリマー変性をおこなってから用いることもできる。上記ポリマー変性の例としては、共重合、分岐、架橋、分子末端、立体規則性などの変性が挙げられる。これらの中でも、本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルムとしてはノルボルネン系樹脂やポリカーボネート系樹脂が好ましく用いられる。
前記高分子フィルムに張力を加えるための延伸方法としては、特に制限は無いが、縦一軸延伸法、横一軸延伸法、縦横同時二軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法、斜め延伸法などが挙げられる。この中では、方法1bにおいては、縦横同時二軸延伸法や縦横逐次二軸延伸法が好適に用いられる。上記延伸を行う装置としては、ロール延伸機、テンター延伸機や二軸延伸機などの適宜な延伸機を用いて行う事ができる。また、上記加熱延伸は2回または3回以上の工程に分けて行う事もできる。前記高分子フィルムを延伸する方向はフィルム長手方向(MD方向)であっても良いし、幅方向(TD方向)であっても良いし、特開2003−262721号公報の図1記載の延伸法を用いてなどの方法により斜め方向であってもよい。
次に、光学フィルム(3)−2を得る方法として、方法2a:ネマチック性液晶モノマーなどを硬化してコレステリック層を形成する方法について述べる。方法2aでは、例えば、ネマチック性液晶モノマーを、カイラル剤を使いねじりを付与しコレステリック構造を取らせた後に、重合または架橋して硬化してコレステリック層を得る方法等が使われる。前記ネマチック性液晶モノマーとしては例えば、後述する化学式(1)に挙げられる構造のものが好ましい。これらネマチック性液晶モノマーは重合性モノマーか架橋性モノマーのいずれかを含むことが好ましい。前記コレステリック層は、さらに、重合剤および架橋剤の少なくとも一方を含むことが好ましく、例えば、紫外線硬化剤、光硬化剤、熱硬化剤等の物質を使用することができる。
前記コレステリック層における液晶モノマーの割合は、75〜95重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは80〜90重量%の範囲である。また、前記液晶モノマーに対するカイラル剤の割合は、5〜23重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜20重量%の範囲である。また、前記液晶モノマーに対する架橋剤または重合剤の割合は、0.1〜10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8重量%の範囲であり、特に好ましくは1〜5重量%の範囲である。
前記コレステリック層の厚みは、特に制限されないが、配向の乱れや透過率低下の防止、選択反射性、着色防止、生産性等の点から、0.1〜10μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8μmの範囲、特に好ましくは1〜5μmの範囲である。
方法2aにより得られる、光学フィルム(3)−2は、例えば、前述のようなコレステリック層のみから形成されてもよいが、さらに基板を含み、前記基板上に前記コレステリック層が積層された積層体であってもよい。
方法2aの一例について、以下に具体的に説明する。まず、前記液晶モノマーと、前記カイラル剤と、前記架橋剤および重合剤の少なくとも一方とを含む塗工液を準備する。
前記液晶モノマーとしては、例えば、ネマチック性液晶モノマーが好ましく、具体的には、下記式(1)で表されるモノマーがあげられる。これらの液晶モノマーは、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記式(1)において、A1およびA2は、それぞれ重合性基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、A1およびA2はいずれか一方が水素であってもよい。Xは、それぞれ単結合、−O−、−S−、−C=N−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−、−O−CO−NR−、−NR−CO−O−、−CH2−O−または−NR−CO−NRを表し、前記XにおいてRは、HまたはC1〜C4アルキルを表し、Mはメソーゲン基を表す。
前記式(1)において、Xは同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
前記式(1)のモノマーの中でも、A2は、それぞれA1に対してオルト位に配置されていることが好ましい。
また、前記A1およびA2は、それぞれ独立して下記式
Z−X−(Sp)n ・・・(2)
で表されることが好ましく、A1およびA2は同じ基であることが好ましい。
前記式(2)において、Zは架橋性基を表し、Xは前記式(1)と同様であり、Spは、1〜30個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基からなるスペーサーを表し、nは、0または1を表す。前記Spにおける炭素鎖は、例えば、エーテル官能基中の酸素、チオエーテル官能基中の硫黄、非隣接イミノ基またはC1〜C4のアルキルイミノ基等により割り込まれてもよい。
前記式(2)において、Zは、下記式で表される原子団のいずれかであることが好ましい。下記式において、Rとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル等の基があげられる。
また、前記式(2)において、Spは、下記式で表される原子団のいずれかであることが好ましく、下記式において、mは1〜3、pは1〜12であることが好ましい。
前記式(1)において、Mは、下記式(3)で表されることが好ましく、下記(3)において、Xは、前記式(1)におけるXと同様である。Qは、例えば、置換または未置換のアルキレンもしくは芳香族炭化水素原子団を表し、また、例えば、置換または未置換の直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキレン等であってもよい。
前記Qが、前記芳香族炭化水素原子団の場合、例えば、下記式に表されるような原子団や、それらの置換類似体が好ましい。
前記式に表される芳香族炭化水素原子団の置換類似体としては、例えば、芳香族環1個につき1〜4個の置換基を有してもよく、また、芳香族環または基1個につき、1または2個の置換基を有してもよい。前記置換基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。前記置換基としては、例えば、C1〜C4アルキル、ニトロ、F、Cl、Br、I等のハロゲン、フェニル、C1〜C4アルコキシ等があげられる。
前記液晶モノマーの具体例としては、例えば、下記式(4)〜(19)で表されるモノマーがあげられる。

前記液晶モノマーが液晶性を示す温度範囲は、その種類に応じて異なるが、例えば、40〜120℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜100℃の範囲であり、特に好ましくは60〜90℃の範囲である。
前記カイラル化剤としては、前述のように、例えば、前記液晶モノマーにねじりを付与してコレステリック構造となるように配向させるものであれば特に制限されないが、重合性カイラル化剤であることが好ましく、前述のようなものが使用できる。これらのカイラル剤は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
具体的に、前記重合性カイラル化剤としては、例えば、下記一般式(20)〜(23)で表されるカイラル化合物が使用できる。
(Z−X5nCh (20)
(Z−X2−Sp−X5nCh (21)
(P1−X5nCh (22)
(Z−X2−Sp−X3−M−X4nCh (23)
前記各式においては、Zは前記式(2)と同様であり、Spは、前記式(2)と同様であり、X2、X3およびX4は、互いに独立して、化学的単結合、−O−、−S−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CO−NR−、−NR−CO−O−、−NR−CO−NR−を表し、前記Rは、H、C1〜C4アルキルを表す。また、X5は、化学的単結合、−O−、−S−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CO−NR−、−NR−CO−O−、−NR−CO−NR、−CH2O−、−O−CH2−、−CH=N−、−N=CH−または−N≡N−を表す。Rは、前述と同様にH、C1〜C4アルキルを表す。Mは、前述と同様にメソーゲン基を表し、P1は、水素、1〜3個のC1〜C6アルキルによって置換されたC1〜C30アルキル基、C1〜30アシル基またはC3〜C8シクロアルキル基を表し、nは、1〜6の整数である。Chはn価のカイラル基を表す。前記式(23)において、X3およびX4は、少なくともその一方が、−O−CO−O−、−O−CO−NR−、−NR−CO−O−または−NR−CO−NR−であることが好ましい。また、前記式(22)において、P1がアルキル基、アシル基またはシクロアルキル基の場合、例えば、その炭素鎖が、エーテル官能基内の酸素、チオエーテル官能基内の硫黄、非隣接イミノ基またはC1〜C4アルキルイミノ基によって割り込まれてもよい。
前記Chのカイラル基としては、例えば、下記式に表される原子団があげられる。
前記原子団において、Lは、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、COOR、OCOR、CONHRまたはNHCORであって、前記RはC1〜C4アルキルを表す。なお、前記式に表した原子団における末端は、隣接する基との結合手を示す。
前記原子団の中でも、特に好ましくは下記式で表される原子団である。
また、前記(21)または(23)で表されるカイラル化合物は、例えば、nが2、ZがH2C=CH−を表し、Chが下記式で表される原子団であることが好ましい。
前記カイラル化合物の具体例としては、例えば、下記式(24)〜(44)で表される化合物があげられる。
前述のようなカイラル化合物の他にも、例えば、RE−A4342280号およびドイツ国特許出願19520660.6号および19520704.1号にあげられるカイラル化合物が好ましく使用できる。
前記重合剤および架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、以下のようなものが使用できる。前記重合剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が使用でき、前記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート架橋剤等が使用できる。これらはずれか一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記塗工液は、例えば、前記液晶モノマー等を、適当な溶媒に溶解・分散することによって調製できる。前記溶媒としては、特に制限されないが、例えば、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル系溶媒、あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が使用できる。これらの中でも好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、MEK、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸エチルセロソルブである。
これらの溶剤は、例えば、一種類でもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
前記カイラル剤の添加割合は、例えば、所望のらせんピッチ、所望の選択反射波長帯域に応じて適宜決定されるが、前記液晶モノマーに対する添加割合は、5〜23重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは10〜20重量%の範囲である。液晶モノマーとカイラル剤との添加割合をこのように制御することによって、形成される光学フィルムの選択波長帯域を好適なものにできるのである。
また、前記液晶モノマーと前記カイラル剤との組み合わせとしては、特に制限されないが、具体的には、前記式(10)のモノマー剤と、前記式(38)のカイラル剤との組み合わせ、前記式(11)のモノマー剤と、前記式(39)のカイラル剤との組み合わせ等があげられる。
また、前記液晶モノマーに対する架橋剤または重合剤の添加割合は、例えば、0.1〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜8重量%の範囲、より好ましくは1〜5重量%の範囲である。前記液晶モノマーに対する架橋剤または重合剤の割合が、0.1重量%以上であれば、例えば、コレステリック層の硬化が十分容易となり、また、10重量%以下であれば、例えば、前記液晶モノマーがコレステリック配向する温度範囲、すなわち前記液晶モノマーが液晶相となる温度が十分な範囲となるため、後述する配向工程における温度制御がより一層容易となる。
また、前記塗工液には、例えば、必要に応じて各種添加物を適宜配合してもよい。前記添加物としては、例えば、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤等があげられる。これらの添加剤は、例えば、いずれか一種を添加してもよいし、二種類以上を併用してもよい。具体的に、前記老化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等、前記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類やアルコール類等、従来公知のものがそれぞれ使用できる。また、前記界面活性剤は、例えば、光学フィルムの表面を平滑にするために添加され、例えば、シリコーン系、アクリル系、フッ素系等の界面活性剤が使用でき、特にシリコーン系が好ましい。
このように液晶モノマーを使用した場合、調製した塗工液は、例えば、塗工・展開等の作業性に優れた粘性を示す。前記塗工液の粘度は、通常、前記液晶モノマーの濃度や温度等に応じて異なるが、前記塗工液におけるモノマー濃度が前記範囲5〜70重量%の場合、その粘度は、例えば、0.2〜20mPa・sの範囲であり、好ましくは0.5〜15mPa・sであり、特に好ましくは1〜10mPa・sである。具体的には、前記塗工液におけるモノマー濃度が、30重量%の場合、例えば、2〜5mPa・sの範囲であり、好ましくは3〜4mPa・sである。前記塗工液の粘度が0.2mPa・s以上であれば、例えば、塗工液を走行することによる液流れの発生がより一層防止でき、また、20mPa・s以下であれば、例えば、表面平滑性がより一層優れ、厚みムラを一層防止でき、塗工性にも優れる。なお、前記粘度としては、温度20〜30℃における範囲を示したが、この温度には限定されない。
つぎに、前記塗工液を、配向基板上に塗布して展開層を形成する。
前記塗工液は、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等の従来公知の方法によって流動展開させればよく、この中でも、塗布効率の点からスピンコート、エクストルージョンコートが好ましい。
前記配向基板としては、前記液晶モノマーを配向できるものであれば特に制限されず、例えば、各種プラスチックフィルムやプラスチックシートの表面を、レーヨン布等でラビング処理したものが使用できる。前記プラスチックとしては、特に制限されないが、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレフィン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等があげられる。また、アルミ、銅、鉄等の金属製基板、セラミック製基板、ガラス製基板等の表面に、前述のようなプラスチックフィルムやシートを配置したり、前記表面にSiO2斜方蒸着膜を形成したりしたもの等も使用できる。また、前述のようなプラスチックフィルムやシートに、一軸延伸等の延伸処理を施した複屈折性を有する延伸フィルム等を配向膜として積層した積層体も、配向基板として使用することができる。さらに、基板自体が複屈折性を有する場合は、前述のようなラビング処理や、表面に複屈折性フィルムを積層すること等が不要であるため、好ましい。このように基板自体に複屈折性を付与する方法としては、基板の形成において、例えば、延伸処理の他に、キャスティングや押し出し成型等を行う方法があげられる。
続いて、前記展開層に加熱処理を施すことによって、液晶状態で前記液晶モノマーを配向させる。前記展開層には、前記液晶モノマーと共にカイラル剤が含まれているため、液晶相(液晶状態)となった液晶モノマーが、前記カイラル剤によってねじりを付与された状態で配向する。つまり、液晶モノマーがコレステリック構造(らせん構造)を示すのである。
前記加熱処理の温度条件は、例えば、前記液晶モノマーの種類、具体的には前記液晶モノマーが液晶性を示す温度に応じて適宜決定できるが、通常、40〜120℃の範囲であり、好ましくは50〜100℃の範囲であり、より好ましくは60〜90℃の範囲である。前記温度が40℃以上であれば、通常、十分に液晶モノマーを配向することができ、前記温度が120℃以下であれば、例えば、耐熱性の面において前述のような各種配向基材の選択性も広い。
次に、前記液晶モノマーが配向した前記展開層に架橋処理または重合処理を施すことによって、前記液晶モノマーとカイラル剤とを重合または架橋させる。これによって、液晶モノマーは、コレステリック構造をとって配向した状態のまま、相互に重合・架橋、またはカイラル剤と重合・架橋し、前記配向状態が固定される。そして、形成されたポリマーは、前記配向状態の固定によって、非液晶ポリマーとなる。
前記重合処理や架橋処理は、例えば、使用する重合剤や架橋剤の種類によって適宜決定できる。例えば、光重合剤や光架橋剤を使用した場合には、光照射を施し、紫外線重合剤や紫外線架橋剤を使用した場合には、紫外線照射を施せばよい。
このような方法2aによって、前記配向基板上に、コレステリック構造をとって配向した非液晶性ポリマーから形成された、光学フィルム(3)−2が得られる。
また、方法2aによって得られた光学フィルム(3)−2は、例えば、前記配向基板から剥離して、そのまま前述のような補償用等の位相差フィルムとして使用してもよいし、前記配向基板に積層された状態で、位相差板として使用することもできる。他の光学フィルム(1)や光学フィルム(2)を基材として使用しても良いし、その場合は総厚みを減らすことが可能である。
次に、光学フィルム(3)−2を得る方法として、方法2b:ポリイミド系材料などのポリマーによる位相差薄膜を樹脂フィルムの上に塗工する方法について述べる。方法2bでは、例えば、光学フィルム(3)−1を得る方法である、方法1aにおいて、延伸又は収縮する工程を行わない方法があげられる。これにより、ければ、nx3=ny3>nz3を満足する光学フィルム(3)−2が得られる。
光学フィルム(3)−1は、フィルムの厚みをd3(nm)とした場合に、正面位相差((nx3−ny3)×d3)は、10〜500nmであることが好ましく、10〜350nmであることがさらに好ましい。厚み方向の位相差((nx3−nz3)×d3)は、0〜500nmであることが好ましく、1〜350nmであることがさらに好ましい。光学フィルム(3)−1の厚さ(d3)は特に制限されないが、1〜200μmが好ましく、さらに好ましくは2〜80μmである。
光学フィルム(3)−2は、フィルムの厚みをd3(nm)とした場合に、正面位相差((nx3−ny3)×d3)は、0〜10nmであることが好ましく、0〜5nmであることがさらに好ましい。厚み方向の位相差((nx3−nz3)×d3)は、0〜600nmであることが好ましく、1〜450nmであることがさらに好ましい。光学フィルム(3)−2の厚さ(d3)は特に制限されないが、1〜200μmが好ましく、さらに好ましくは2〜30μmである。
偏光子(P)は、通常、片側または両側に保護フィルムを有するものである。偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向したものが好適に用いられる。偏光子の厚さも特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子の片側または両側に設けられている保護フィルムには、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。前記保護フィルムの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物などが保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。その他、アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型樹脂などをフィルム化したものなどがあげられる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
偏光特性や耐久性などの点より、特に好ましく用いることができる保護フィルムは、表面をアルカリなどでケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムである。保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より10〜500μm程度である。特に20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
また、保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=(nx−nz)・d(ただし、nxはフィルム平面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。前記偏光子と保護フィルムとは通常、水系粘着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
前記保護フィルムとしては、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものを用いることができる。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護層とは別体のものとして設けることもできる。
粘着剤層(a)を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
粘着剤層の形成は、適宜な方式で行うことができる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で前記基板または液晶フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着剤層を形成してそれを前記液晶層上移着する方式などがあげられる。
また粘着剤層には、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などであってもよい。
粘着剤層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
また、図1乃至図9中には粘着剤層(a)が描かれているが、これらは必ずしも必要な訳では無い。例えば、塗工により形成される補償層(光学フィルム)は他の補償層(光学フィルム)の上に直接形成することで粘着剤層なしで両層を接着することができる。なお、図4乃至図9は、偏光子(P)と積層光学フィルムとの間には粘着剤層(a)が示されていないが場合であるが、この間にも、当然、粘着剤層(a)を設けることができる。
粘着剤層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお、上記光学フィルム、粘着剤層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたることができる。
本発明の光学補償機能付偏光板は、画像表示装置において好適に用いられる。たとえば、液晶表示装置などの各種装置の形成に好ましく用いうる。中でもOCBモード用の光学補償機能付偏光板として好適に利用される。
図12は、図4乃至図9に示す本発明の光学補償機能付偏光板(P1)を、液晶表示装置において、液晶セル(L)のバックライト(BL)側に粘着剤層を介して配置したものである。下側(バックライト側)の液晶セル(L)に積層する光学補償機能付偏光板(P1)の側は特に制限されないが、光学補償機能付偏光板(P1)の偏光子(P)が液晶セル(L)側から最も離れるようにするのが好ましい。液晶セル(L)には、液晶が封入されている。液晶セル基板の上部には、上側の光学補償機能付偏光板(P2)、各種光学フィルムを有する。光学補償機能付偏光板(P2)も、偏光子(P)が液晶セル(L)側から最も離れるようにするのが好ましい。光学補償機能付偏光板(P2)は、偏光子(P)に各種の光学フィルムを積層したものである。また、図14に示すように、液晶セルの両側に本発明の光学補償機能付偏光板(P1)を用いることができる。かかる図14に示す態様が好ましい。図中、液晶セル(L)と光学補償機能付偏光板(P1)、(P2)との積層に粘着剤層は示されていない。
図13は、図4乃至図9に示す本発明の光学補償機能付偏光板(P1)を、液晶表示装置において、液晶セル(L)の上側に粘着剤層を介して配置したものである。上側の液晶セル(L)に積層する光学補償機能付偏光板(P1)の側は特に制限されないが、光学補償機能付偏光板(P1)の偏光子(P)が液晶セル(L)側から最も離れるようにするのが好ましい。液晶セル(L)には、液晶が封入されている。液晶セル基板の下部には、光学補償機能付偏光板(P2)を有する。光学補償機能付偏光板(P2)も、偏光子(P)が液晶セル(L)側から最も離れるようにするのが好ましい。
なお、本発明の積層光学フィルムや光学補償機能付偏光板(P1)を、液晶表示装置等に実装する際には、光学フィルム(2)において、光学的に負の一軸性を示す材料の平均光軸(傾斜配向している平均角度)が、上下に電圧をかけて配向させる液晶セルの厚み方向の中心(ミッドプレーン)における液晶分子の配向方向とほぼ同じ方向を向くように配置するのが好ましい。この場合、液晶セルの配向はねじれ型であっても非ねじれ型であってもよいが、非ねじれ型である事が好ましい。
上記図12、図13、図14の液晶表示装置は、液晶セルの一例を示したものであり、本発明の積層光学フィルム、光学補償機能付偏光板(P1)はその他各種の液晶表示装置に適用できる。
なお、偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を投下するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学素子、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成される。本発明の光学補償機能付偏光板(P1)を用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。その中では特にOCB型に好適に用いられる。
液晶セルの裏側には、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明の補償機能付偏光板は液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学素子を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1/4波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はそれによって何等限定されるものではない。各例中、部は重量部である。
なお、各光学フィルムの屈折率、位相差の測定は、フィルム面内と厚さ方向の主屈折率nx、ny、nzを自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製,自動複屈折計KOBRA21ADH)により、λ=590nmにおける特性を測定した。
光学フィルム(2)において、傾斜配向している光学材料の平均光軸と光学フィルム(2)の法線方向からなす傾斜角度は、光学フィルム(2)を遅相軸を軸として、左右に−50°〜50°傾け、前記測定装置で位相差を測定し、最小の位相差を示す角度の絶対値とした。また前記測定においては、測定器の光源からの光の入射方向とフィルム面内に対する法線が一致した時の測定角を0°とした。
(偏光子)
日東電工製の偏光板(SEG1224DU)を用いた。
(光学フィルム(1))
厚さ70μmの透明ポリカーボネートフィルムの両面に、二軸延伸ポリエステルフィルムからなる熱収縮性フィルムを粘着剤層を介して貼り付けた。その後、同時二軸延伸機で保持して150℃で1.08倍に延伸して光学フィルム(1)を得た。得られた光学フィルム(1)は、厚さ:68μm、正面位相差:275nm、厚み方向の位相差:206nmであり、Nz係数:0.75であった。
(光学フィルム(2))
富士写真フィルム株式会社製のWVSA128(厚さ83μm)を用いた。当該フィルムは、ディスコティック液晶を支持体に塗布することにより作製されたものであり、正面位相差:33nm、厚み方向の位相差:160nmであり、傾斜配向している平均光軸の傾斜角度:40°、であった。
(光学フィルム(3))
テトラカルボン酸二無水物として、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物を用い、ジアミンとして2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルを用いて、常法に従ってポリイミドを得た。上記ポリイミドの重合平均分子量(Mw)は124,000、イミド化率は99.9%であった。上記ポリイミド17.7重量部をメチルイソブチルケトン100重量部に溶解し、15重量%のポリイミド溶液を調整した。このポリイミド溶液をトリアセチルセルロースフィルムの表面に一方向に塗工し、135℃で5分間乾燥させた。塗布量を調整する事で、光学フィルム(3)−2を得た。厚み5.5μmの場合、面内位相差0nm、厚み方向位相差217nmであった。これを光学フィルム(3)−2−1とした。厚み10.5μmの場合、面内位相差0nm、厚み方向位相差420nmであった。これを光学フィルム(3)−2−2とした。これらは、nx3=ny3>nz3を満足した。
(液晶セルの作製)
Δn(常光屈折率と異常光屈折率の差)=0.1317のネマチック性を示す液晶を用い、フロント側基板の容易軸0°、リア側基板の容易軸0°、セルギャップ6.46μm、プレチルト角9.5°のOCBモードの液晶セルとした。
実施例1
(積層光学フィルムおよび光学補償機能付偏光板)
上記光学フィルム(1)、光学フィルム(2)および光学フィルム(3)を粘着剤層(アクリル系粘着剤,厚さ30μm)を介して積層して、光学フィルム(2)/光学フィルム(3)/光学フィルム(1)の順に積層して、図2に示すような積層光学フィルムを得た。光学フィルム(3)としては、光学フィルム(3)−2−1を用いた。次いで、前記積層光学フィルムの光学フィルム(1)側に粘着剤層(アクリル系粘着剤,厚さ30μm)を介して上記偏光子(P)を積層して、図5に示すような光学補償機能付偏光板(P1)を得た。
前記光学補償機能付偏光板は、光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(3)の遅相軸とのなす角度は0°、光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(1)との遅相軸のなす角度は45°、光学フィルム(2)の配向軸と偏光子(P)の吸収軸とのなす角度は45°となるようにした。
実施例2
実施例1において、光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(3)の遅相軸とのなす角度は0°、光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(1)との遅相軸のなす角度は0°、光学フィルム(2)の配向軸と偏光子(P)の吸収軸とのなす角度は45°となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償機能付偏光板を得た。
実施例3
(積層光学フィルムおよび光学補償機能付偏光板)
実施例1において、光学フィルム(3)として、光学フィルム(3)−2−1の代わりに、光学フィルム(3)−2−2を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層光学フィルムを得た。また当該積層光学フィルムを用いた実施例1と同様にして光学補償機能付偏光板(P1)を得た。
比較例1
(積層光学フィルムおよび光学補償機能付偏光板)
上記光学フィルム(1)および光学フィルム(2)を粘着剤層(アクリル系粘着剤,厚さ30μm)を介して積層して、光学フィルム(2)/光学フィルム(1)の順に積層して積層光学フィルムを得た。次いで、前記積層光学フィルムの光学フィルム(1)側に粘着剤層(アクリル系粘着剤,厚さ30μm)を介して上記偏光子(P)を積層して図15に示すような光学補償機能付偏光板(P2)を得た。
前記光学補償機能付偏光板は、光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(1)との遅相軸のなす角度は45°、光学フィルム(2)の配向軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は45°となるようにした。
実施例4
(液晶表示装置)
実施例1で作製した光学補償機能付偏光板(P1)を液晶セルの視認側に、実施例2で作製した光学補償機能付偏光板(P1)を液晶セルのバックライト側に、図14に示すように実装した。両側の光学補償機能付偏光板(P1)は、それぞれの偏光子(P)の吸収軸を直交させた。光学補償機能付偏光板(P1)はいずれも、液晶セルに対して、偏光子(P)が外側になるように配置した。また光学補償機能付偏光板(P1)はいずれも、光学フィルム(2)の配向軸と液晶セルのガラス基板のラビング軸とのなす角度は0°とした。
実施例5
(液晶表示装置)
実施例1で作製した光学補償機能付偏光板(P1)を液晶セルの視認側に、比較例1で作製した偏光体(P2)を液晶セルのバックライト側に、図13に示すように実装した。両側の光学補償機能付偏光板(P1)および(P2)は、それぞれの偏光子(P)の吸収軸を直交させた。光学補償機能付偏光板(P1)および(P2)はいずれも、液晶セルに対して、偏光子(P)が外側になるように配置した。また光学補償機能付偏光板(P1)および(P2)はいずれも、光学フィルム(2)の配向軸と液晶セルのガラス基板のラビング軸とのなす角度は0°とした。
比較例2
(液晶表示装置)
比較例1で作製した光学補償機能付偏光板(P2)を、液晶セルの両側に、図16に示すように実装した。両側の光学補償機能付偏光板(P2)は、それぞれの偏光子(P)の吸収軸を直交させた。光学補償機能付偏光板(P2)はいずれも、液晶セルに対して、偏光子(P)が外側になるように配置した。また光学補償機能付偏光板(P2)はいずれも、光学フィルム(2)の配向軸と液晶セルのガラス基板のラビング軸とのなす角度は0°とした。
上記液晶表示装置について視角特性の評価を行なった。結果を表1に示す。
<視野角>
上記液晶表示装置に、白画像、黒画像を表示させて、ELDIM社製のEZ−contrastにて、正面に対して上下左右(方位角は、順に0°、180°、90°、270°)におけるXYZ表示系におけるY値、x値、y値を測定した。そのときのコントラスト(Y値(白画像)/Y値(黒画像))の値が10以上となる角度を視野角とした。
比較例2の上下方位及び左右方位で視角拡大性能が低いのに対し、実施例4、5は視野角が拡大することがわかる。したがって、本発明の光学補償機能付偏光板及び液晶表示装置を用いれば、広視野角で視認性に優れた液晶表示装置が得られることは言うまでもない。特にOCBモードにおける視角拡大効果は絶大である。
本発明の積層光学フィルムの断面図の一態様である。 本発明の積層光学フィルムの断面図の一態様である。 本発明の積層光学フィルムの断面図の一態様である。 本発明の光学補償機能付偏光板の断面図の一態様である。 本発明の光学補償機能付偏光板の断面図の一態様である。 本発明の光学補償機能付偏光板の断面図の一態様である。 本発明の光学補償機能付偏光板の断面図の一態様である。 本発明の光学補償機能付偏光板の断面図の一態様である。 本発明の光学補償機能付偏光板の断面図の一態様である。 光学フィルム(2)の配向軸を示す概念図である。 光学フィルム(2)の配向軸を示す概念図である。 本発明の液晶表示装置例の断面図の一例である。 本発明の液晶表示装置例の断面図の一例である。 本発明の液晶表示装置例の断面図の一例である。 比較例の光学補償機能付偏光板の断面図の一態様である。 比較例の液晶表示装置例の断面図の一例である。
符号の説明
1:光学フィルム(1)
2:光学フィルム(2)
3:光学フィルム(3)
P:偏光板
P1:光学補償機能付偏光板
L:液晶セル
BL:バックライト

Claims (11)

  1. フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx1、ny1、nz1とした場合に、
    Nz=(nx1−nz1)/(nx1−ny1)で表されるNz係数が、0≦Nz≦1、を満足する光学フィルム(1)と、
    光学的に負の一軸性を示す材料により形成され、かつ当該材料が傾斜配向している部位を含む光学フィルム(2)と、
    フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx3、ny3、nz3とした場合に、nx3≧ny3>nz3を満足する光学フィルム(3)とが、積層されていることを特徴とする積層光学フィルム。
  2. 光学フィルム(2)を形成する、光学的に負の一軸性を示す材料が、ディスコティック液晶化合物であることを特徴とする請求項1記載の積層光学フィルム。
  3. 光学フィルム(2)を形成する、光学的に負の一軸性を示す材料は、その平均光軸と光学フィルム(2)の法線方向からなす傾斜角度が、5°〜50°の範囲で傾斜配向している部位を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の積層光学フィルム。
  4. 光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(3)の遅相軸のなす角度が−10°〜10°または80°〜100°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層光学フィルム。
  5. 光学フィルム(2)の配向軸と光学フィルム(1)の遅相軸のなす角度が35°〜55°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層光学フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層光学フィルムと、偏光子とが積層されていることを特徴とする光学補償機能付偏光板。
  7. 光学フィルム(2)の配向軸と偏光子の吸収軸との角度が35°〜55°であることを特徴とする請求項6に記載の光学補償機能付偏光板。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層光学フィルム、または請求項6または7に記載の光学補償機能付偏光板が積層されていることを特徴とする画像表示装置。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層光学フィルム、または請求項6または7に記載の光学補償機能付偏光板が積層されていることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 積層光学フィルムにおける光学フィルム(2)の配向軸と液晶セルのガラス基板のラビング軸とのなす角度が−10°〜10°であることを特徴とする請求項9記載の液晶表示装置。
  11. 液晶表示モードがOCBモードであることを特徴とする請求項9または10記載の液晶表示装置。
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CN104808275A (zh) * 2014-01-23 2015-07-29 住友化学株式会社 光学各向异性膜

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