JP2006169122A - 2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体の製造方法 - Google Patents

2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 イソフラバン誘導体を製造するための好適な出発原料となる、ベンゼン環の2位および4位に保護された水酸基が置換しているフェニルアセトニトリル誘導体またはフェニル酢酸誘導体の製造法を提供すること。
【解決手段】 アルコール(VII)をハロゲン化物(VI)を経由してニトリル(IV)に誘導する、また該ニトリル(IV)を加水分解してカルボン酸(V)に誘導する。
【化1】
Figure 2006169122

(式中、Y、R、R、RおよびRは明細書に記載のとおりであり、Zはハロゲン原子を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、イソフラバン誘導体の合成中間体として有用な、2位にスルホニルオキシ基を有し、かつ4位に保護基で保護された水酸基を有するフェニルアセトニトリルまたはフェニル酢酸誘導体、およびその製造方法に関する。
本発明により製造される2位にスルホニルオキシ基を有し、かつ4位に保護基で保護された水酸基を有するフェニルアセトニトリルまたはフェニル酢酸誘導体は、2’位にヒドロキシ基を有し、かつ4’位に保護基で保護されていてもよい水酸基を有するイソフラバン誘導体の合成中間体として有用である。かかるイソフラバン誘導体としては、例えばグラブリジン(VIII)、4’−O−メチルグラブリジン(IX)、ヒスパグラブリジン(X)または3’−ヒドロキシ−4’−O−メチルグラブリジン(XI)などが知られており、
Figure 2006169122
例えばペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンドとしての作用をはじめとして種々の薬理活性を示すことが知られている(特許文献1参照)。
従来、かかるイソフラバン誘導体の製造方法としては、天然物抽出法および化学合成法が知られている。
天然物抽出法としては、マメ科の植物である甘草(Glycyrrihiza属)の根、根茎またはストロンから抽出して、かかるイソフラバン誘導体を製造できることが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記方法で得られる抽出物においては、目的とするイソフラバンの含量が低く、かつ種々の化合物の混合物として得られるため、それぞれの化合物について高純度なものを得るには極めて煩雑な精製操作が別途必要である(特許文献2参照)。加えて、該抽出物の供給は農産物である甘草に依存し、その生産量および目的化合物の含有率が作物の生育環境、天候、産地、収穫の時期などによって大きく左右され、一定品質の抽出物を量的に確保することが困難なことから、該抽出法は工業的に好適な製造方法とは言い難い。
また、天然抽出物に全く含有されないか、含有率の低い化合物については、供給できないことが天然物抽出法の大きな欠点である。
一方、化学合成法にてかかるイソフラバン誘導体の母骨格を製造する方法としては、以下のような方法論に従ったものが知られている。
方法論(1)(Scheme1に母骨格のみを示す。)
1−(5−ヒドロキシ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オン誘導体を3価の硝酸タリウム存在下で環化しイソフラボン誘導体に導いた後、イソフラバノン誘導体に還元し、さらにイソフラバン誘導体に還元する方法(非特許文献1参照)。
Figure 2006169122
方法論(2)(Scheme2に母骨格のみを示す。)
2’、4’−ジヒドロキシカルコン誘導体を3価の硝酸タリウム存在下で環化しイソフラボン誘導体に導き、対応するイソフラバン誘導体に還元した後、クロメン環を構築し、イソフラバン誘導体を得る方法(非特許文献2参照)。
Figure 2006169122
この他に、イソフラバン誘導体の前駆体となるイソフラバノン誘導体の製造方法として、以下のような方法論の組み合わせに従った方法が知られている。
方法論(3)(Scheme3、4に母骨格のみを示す。)
デオキシベンゾイン誘導体にハロゲノアルキル−アルキルエーテルと反応させた後、環化、脱アルキル化を経て7−ヒドロキシイソフラバノン誘導体を得る方法(Scheme3、非特許文献3参照)、および7−ヒドロキシイソフラバノン誘導体をプロパルギルエーテル化した後に環化させる方法、またはアリルエーテル化した後に、脱水素化剤存在下に環化させる方法(Scheme4、非特許文献4参照)。
Figure 2006169122
Figure 2006169122
しかしながら、方法論(1)、方法論(2)ともに、高価かつ高い毒性を有するタリウム化合物を使用しなければならず、また方法論(2)では、クロメン環を構築する最後の工程においての位置選択性が低く、目的物であるクロマン環の8位で環化した生成物とほぼ同量のクロマン環の6位で環化した副生成物を生じることが大きな問題点であった。
一方、方法論(3)では、Scheme4にあたる工程においては収率の記載がなく、どの程度の製造効率で目的物を製造できるかが不明である。また、これらの組み合わせによってイソフラバノン誘導体を製造するには、極めて工程数が長く煩雑である。
以上より、天然物抽出法によるイソフラバン誘導体の製造方法については、高純度化合物を得るための精製方法が煩雑であり、かつ供給可能な化合物の種類に問題があり、また一方で化学合成法においては、安全性および選択性の面で極めて問題点が多く、いずれも工業的に好適な製造方法とはいえなかった。
しかして、本発明者らが検討したところ、以下の方法論(Scheme5に母骨格のみを示す。)、すなわちフェニルアセトニトリル誘導体またはフェニル酢酸誘導体とレゾルシノール誘導体をアシル化反応に付して対応する2,4−ジヒドロキシデオキシベンゾイン誘導体(XII)を得、かかる2,4−ジヒドロキシデオキシベンゾイン誘導体をクロメン環構築反応に付すことにより、驚くべきことに2,4−ジヒドロキシデオキシベンゾイン誘導体(XII)における4位の水酸基と5位での環形成、および2位の水酸基と3位での環形成は起こらずに、4位の水酸基および3位において選択的に環が形成されたクロメン誘導体(XIII)を高選択的に得、さらにクロマノン環構築反応に付すことにより、驚くべきことにクロメン誘導体(XIII)のクロメン骨格炭素における反応が抑制(例えば、ホルムアルデヒドを用いた場合に8位がヒドロキシメチル化されるなど)されて目的物であるクロマノン誘導体(XIV)を高選択的に得、還元反応および任意の脱保護反応に付すことにより、目的とするイソフラバン誘導体(XV)を容易に製造できることを見出し特許出願(特許出願番号:2004−189029)を行った。
Figure 2006169122
国際公開第03/37316号パンフレット 特開平06−256150号公報 特開昭55−17369号号公報 「リービッヒ アナーレン デア ヘミー(Liebigs Annalen der Chemie)」,1983年、第11号、p.2034 「ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサエティ、パーキン トランジション I(Journal of the Chemical Society,Perkin Transition I)」,1980年、p.2463 「ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサエティ、パーキン トランジション I(Journal of the Chemical Society,Perkin Transition I)」,1986年、p.215 「インディアン ジャーナル オブ ケミストリー、セクションB:オーガニック ケミストリー インクルーディング メディシナル ケミストリー(Indian Journal of Chemistry, SectionB:Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry)」,1986年、第25B号、p.481 「テトラヘドロン(Tetrahedron)」,1997年、第53号、13巻、p.4739 「薬学雑誌(Yakugaku Zasshi)」,1958年、第78号、p.798
しかしながら、フェニルアセトニトリル誘導体またはフェニル酢酸誘導体のベンゼン環の2位および4位に水酸基またはその誘導体が置換している場合、すなわち2’位にヒドロキシ基を有しかつ4’位に保護基で保護されていてもよい水酸基を有するイソフラバン誘導体を製造する目的においては、アシル化工程、クロメン化工程またはクロマノン化工程において、目的とする反応の他に該フェニルアセトニトリル誘導体または該フェニル酢酸誘導体のベンゼン環上での副反応が競争的に進行する可能性があった。なかでも特にアシル化工程においては、該フェニルアセトニトリル誘導体または該フェニル酢酸誘導体がレゾルシノールのベンゼン環上で反応する他に、該フェニルアセトニトリル誘導体または該フェニル酢酸誘導体がそれらのベンゼン環上で他分子のフェニルアセトニトリル誘導体またはフェニル酢酸誘導体と反応してしまうことにより、選択性が低下する恐れがあった。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、2’位にヒドロキシ基を有し、かつ4’位に保護基で保護されていてもよい水酸基を有するイソフラバン誘導体を製造する目的において好適な出発原料となる、ベンゼン環の2位および4位に保護された水酸基が置換しているフェニルアセトニトリル誘導体またはフェニル酢酸誘導体を提供することにある。
そこで本発明者らが鋭意検討した結果、ベンゼン環の炭素での反応が進行することを抑制したい該フェニルアセトニトリル誘導体または該フェニル酢酸誘導体において、ベンゼン環の電子密度を下げて反応性を低下させることを目的として電子求引性の保護基、特に好適には、より強力な電子求引効果を有するスルホニル基にて該水酸基を保護することにより、該ベンゼン環における反応性が低下し、顕著に該フェニルアセトニトリル誘導体または該フェニル酢酸誘導体同士による副反応を抑止できることを見出し、かかる課題を解決するに至った。
また同時に、従来、2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリルまたは2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体を製造する方法としては、(1)3−ニトロフェノールのトルエンスルホン酸エステルをp−クロロフェノキシアセトニトリルと反応させる方法(非特許文献5参照)、(2)2−アリルフェノール誘導体をスルホン酸エステルに誘導した後、過マンガン酸カリウムで酸化する方法(特許文献3参照)、または(3)2−ヒドロキシベンズアルデヒド誘導体を馬尿酸(hippuric acid)と縮合した後に加水分解および脱炭酸して2−ヒドロキシフェニル酢酸誘導体に導き、しかる後にスルホン酸エステルに導く方法が知られていた(非特許文献6参照)。しかしながら、(1)の方法では反応が進行するためにベンゼン環上にニトロ基が置換していることが必須であること、(2)の方法では工業的実施には使用が制限される過マンガン酸カリウムを用いなければならないこと、また(3)の方法では極めて低収率の工程が複数含まれていることなど、それぞれ大きな問題点があった。
しかして、本発明者らが鋭意検討した結果、2−スルホニルオキシベンジルアルコール誘導体をクロロ化して対応するベンジルクロリドに導き、しかる後にシアノ化、または続いて加水分解を経ることによって、容易かつ高収率で2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリルまたは2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体を製造できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]一般式(I)
Figure 2006169122
(式中、Xは水酸基の保護基を表し、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RとR、RとXおよびXとRはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体。
[2]一般式(II)
Figure 2006169122
(式中、Xは水酸基の保護基を表し、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RとR、RとXおよびXとRはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体。
[3]Xが一般式(III)
Figure 2006169122
(式中、Yは前記と同意義を表す。)で示されるスルホニル基である、上記1または2に記載の化合物。
[4]R、RおよびRが水素原子を表す、上記3に記載の化合物。
[5]一般式(IV)
Figure 2006169122
(式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体を加水分解することを特徴とする、一般式(V)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体の製造方法。
[6]一般式(VI)
Figure 2006169122
(式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、Zはハロゲン原子を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される化合物をシアノ化することを特徴とする、一般式(IV)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
[7]一般式(VII)
Figure 2006169122
(式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される化合物から出発する、一般式(VI)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表し、Zはハロゲン原子を表す。)で示される化合物の製造方法。
[8]一般式(V)
Figure 2006169122
(式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体の製造方法であって
工程(a) 一般式(VII)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される化合物から、一般式(VI)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表し、Zはハロゲン原子を表す。)で示される化合物を製造する工程;および
工程(b) 前記工程(a)で得られる前記一般式(VI)で示される化合物から一般式(IV)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体を製造する工程;および
工程(c) 前記工程(b)で得られる前記一般式(IV)で示される化合物から、一般式(V)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体を製造する工程;
を包含することを特徴とする製造方法。
[9]一般式(IV)
Figure 2006169122
(式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体の製造方法であって
工程(a) 一般式(VII)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される化合物から、一般式(VI)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表し、Zはハロゲン原子を表す。)で示される化合物を製造する工程;および
工程(b) 前記工程(a)で得られる前記一般式(VI)で示される化合物から一般式(IV)
Figure 2006169122
(式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体を製造する工程;
を包含することを特徴とする製造方法。
[10]Rが保護基によって保護された水酸基である上記[5]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]Rが一般式(III)
Figure 2006169122
(式中、Yは前記と同意義を表す。)で示されるスルホニル基で保護された水酸基である、上記[10]に記載の製造方法。
[12]
、RおよびRが水素原子を表す、上記[11]に記載の製造方法。
本発明により製造される2位にスルホニルオキシ基を有し、かつ4位に保護基で保護された水酸基を有するフェニルアセトニトリルまたはフェニル酢酸誘導体を出発原料とすることにより、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンドとしての作用をはじめとして種々の薬理活性を示すことが知られている、2’位にヒドロキシ基を有し、かつ4’位に保護基で保護されていてもよい水酸基を有するイソフラバン誘導体を有利に製造することができる。
1.記号の説明
上記一般式中、Xが表す水酸基の保護基およびR 〜Rが表す保護基によって保護された水酸基における保護基としては、水酸基の保護基として作用する限りどのような保護基でもよいが、例えば置換基を有していてもよいアルキル基;置換基を有していてもよいアルケニル基;置換基を有していてもよいアラルキル基;アシル基(例えば、ホルミル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアルケニルカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基等);置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基;置換基を有していてもよいアルケニルオキシカルボニル基;置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基;置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基;カルバモイル基(例えば、窒素原子が置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基で置換されていてもよいカルバモイル基);ホスホニル基(例えば、置換基を有していてもよいアルキルホスホニル基、置換基を有していてもよいアルケニルホスホニル基、置換基を有していてもよいアラルキルホスホニル基、置換基を有していてもよいアリールホスホニル基等);およびスルホニル基(例えば、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルケニルスルホニル基、置換基を有していてもよいアラルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基等)などが挙げられる。
該フェニルアセトニトリル誘導体または該フェニル酢酸誘導体の2位に置換した水酸基の保護基は、ベンゼン環の炭素での反応が進行することを抑制する目的に加えて、イソフラバン誘導体に導いた後に加水分解して水酸基に誘導することを目的の1つとするため、スルホニル基であることが必要である。しかしながら、Xが表す水酸基の保護基に特に制限はなく、目的化合物である2’位にヒドロキシ基を有し、かつ4’位に保護基で保護されていてもよい水酸基を有するイソフラバン誘導体の構造に基づいて適宜選択することができる。例えば、グラブリジン(VIII)を目的化合物とする場合は、Xが表す水酸基の保護基はスルホニル基であってもよいが、4’−O−メチルグラブリジン(IX)を目的化合物とする場合はメチル基であってよく、またヒスパグラブリジン(X)を目的化合物とする場合はベンゼン環と一緒になって2,2−ジメチルクロメン骨格を形成していてもよい。
Zが表すハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、塩素および臭素が好ましい。
Xが表す水酸基の保護基およびR 〜Rが表す保護基によって保護された水酸基における保護基としてのアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスホニル基およびスルホニル基のアルキル基;YおよびR 〜Rが表すアルキル基としては、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、その炭素数は1〜30であるのが好ましい。かかるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基、ヘキシル基、オクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、ドデシル基、オクタデシル基、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
Xが表す水酸基の保護基およびR 〜Rが表す保護基によって保護された水酸基における保護基としてのアルケニル基、アシル基、アルケニルオキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスホニル基およびスルホニル基のアルケニル基;YおよびR 〜Rが表すアルケニル基としては、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、その炭素数は2〜30であるのが好ましい。かかるアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、ホモアリル基、プレニル基、ゲラニル基、ファルネシル基、ゲラニルゲラニル基、スチリル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
Xが表す水酸基の保護基およびR 〜Rが表す保護基によって保護された水酸基における保護基としてのアラルキル基、アシル基、アラルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスホニル基およびスルホニル基のアラルキル基;YおよびR 〜Rが表すアラルキル基としては、アリール部分が炭素数6〜20のアリール(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基など)であり、アルキル部分が炭素数1〜30のアルキル(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基、ヘキシル基、オクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、ドデシル基、オクタデシル基、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など)である、炭素数が7〜50、好ましくは7〜30のアラルキル基が好ましい。かかるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フルオレニル基、トリチル基などが挙げられる。
上記のアルキル基、アルケニル基およびアラルキル基は置換可能な位置に置換基を有していてもよい。置換基の数は特に限定は無く、2個以上の場合は、同一または異なっていてもよい。当該置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの直鎖状、分岐状または環状の炭素数が1〜20であるアルコキシ基;アリルオキシ基、プレニルオキシ基、ゲラニルオキシ基、ファルネシルオキシ基、シンナミルオキシ基などの炭素数が2〜20であるアルケニルオキシ基;ベンジルオキシ基、2−フェネチルオキシ基、1−フェネチルオキシ基などの炭素数が1〜20であるアラルキルオキシ基;アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基、オクタデカノイルオキシ基、シクロペンタンカルボニルオキシ基、シクロヘキサンカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシベンゾイルオキシ基、ニトロベンゾイルオキシ基などの炭素数が1〜20である置換基を有していてもよいアシルオキシ基;アセチル基、プロパノイル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、シクロペンタンカルボニル基、シクロヘキサンカルボニル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基などの炭素数が1〜20である置換基を有していてもよいアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基などの炭素数が1〜20であるアルコキシカルボニル基;アリルオキシカルボニル基、プレニルオキシカルボニル基、ゲラニルオキシカルボニル基、ファルネシルオキシカルボニル基、シンナミルオキシカルボニル基などの炭素数が2〜20であるアルケニルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、2−フェネチルオキシカルボニル基、1−フェネチルオキシカルボニル基などの炭素数が7〜20であるアラルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。
Xが表す水酸基の保護基およびR 〜Rが表す保護基によって保護された水酸基における保護基としてのアシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスホニル基およびスルホニル基が有するアリール基;YおよびR 〜Rが表すアリール基としては、炭素数が6〜20であることが好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、などが挙げられる。
上記のアリール基は置換可能な位置に置換基を有していてもよい。置換基の数には特に限定は無いが、1〜6個が好ましく、2個以上の場合は、同一または異なっていてもよい。当該置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの直鎖状、分岐状または環状の炭素数が1〜20であるアルキル基;水酸基;アリル基、ホモアリル基、プレニル基、ゲラニル基、ファルネシル基、スチリル基などの炭素数が2〜20であるアルケニル基;ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基などの炭素数が1〜20であるアラルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの直鎖状、分岐状または環状の炭素数が1〜20であるアルコキシ基;アリルオキシ基、プレニルオキシ基、ゲラニルオキシ基、ファルネシルオキシ基、シンナミルオキシ基などの炭素数が1〜20であるアルケニルオキシ基;ベンジルオキシ基、2−フェネチルオキシ基、1−フェネチルオキシ基などの炭素数が7〜20であるアラルキルオキシ基;アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基、オクタデカノイルオキシ基、シクロペンタンカルボニルオキシ基、シクロヘキサンカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシベンゾイルオキシ基、ニトロベンゾイルオキシ基などの炭素数が1〜20である置換基を有していてもよいアシルオキシ基;アセチル基、プロパノイル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、シクロペンタンカルボニル基、シクロヘキサンカルボニル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基などの炭素数が1〜20である置換基を有していてもよいアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基などの炭素数が1〜20であるアルコキシカルボニル基;アリルオキシカルボニル基、プレニルオキシカルボニル基、ゲラニルオキシカルボニル基、ファルネシルオキシカルボニル基、シンナミルオキシカルボニル基などの炭素数が2〜20であるアルケニルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、2−フェネチルオキシカルボニル基、1−フェネチルオキシカルボニル基などの炭素数が7〜20であるアラルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。
からRのうちの2つ(例えば、RとR、RとR、RとR)、RとX、XとRはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。かかる環構造としては、環員数が5〜8である炭素環または酸素原子を含有する環構造が例示され、例えばそれらが置換するベンゼン環と一緒になって、インダン骨格、テトラリン骨格、ベンゾシクロオクタン骨格、2,3−ジヒドロベンゾフラン骨格、1,3−ベンゾジオキソラン骨格、1,3−ベンゾジオキサン骨格、1,4−ベンゾジオキサン骨格、クロマン骨格、イソクロマン骨格、クロメン骨格(例えば、ベンゾピラン環、2,2−ジメチルベンゾピラン環)、クマリン骨格を形成しているものなどが挙げられる。
2.各工程の説明
工程(a) ハロゲン化工程
化合物(V)から化合物(VI)を製造する工程に用いられる反応条件は特に限定されるものではないが、例えば塩化チオニル、臭化チオニルなどを反応させる方法、塩化水素、臭化水素を反応させる方法、3塩化リン、3臭化リン、オキシ塩化リン、オキシ臭化リンなどを反応させる方法、3級アミン存在下でスルホニルクロリドを反応させる方法、トリフェニルホスフィンなどの存在下で四塩化炭素、四臭化炭素を反応させる方法などが挙げられ、塩化チオニルまたは臭化チオニルを反応させる方法が好ましい。
以下、当該態様について説明するが、ハロゲン化工程がこれに限定されるものではない。
塩化チオニルまたは臭化チオニルの使用量に特に制限はないが、好ましくは化合物(V)に対して1〜20モル倍の範囲であり、より好ましくは1〜10モル倍の範囲である。
反応は塩基の存在下で行うことができる。かかる塩基の種類としては、例えばピリジン、ピコリン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(V)に対して0.001〜10モル倍の範囲であり、より好ましくは0.01〜5モル倍の範囲である。
反応は溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒の種類は、反応に悪影響を与えない限り特に制限されないが、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチルなどのエステル類などを単一で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の使用量は特に制限されないが、好ましくは化合物(V)に対して1〜100重量倍の範囲であり、より好ましくは3〜50重量倍である。
反応温度は、好ましくは0℃〜120℃、より好ましくは20〜100℃の範囲である。
反応時間は、工業的に実施する上で現実的な範囲であればよいが、好ましくは0.5時間〜30時間、より好ましくは1時間〜20時間の範囲である。
ハロゲン化反応後、中和、抽出、濃縮などの操作を行った後、シリカゲルクロマトグラフィーまたは再結晶等、通常の有機合成に使用される方法により精製することができる。
工程(b) シアノ化工程
化合物(VI)から化合物(VII)を製造する工程に用いられる反応条件は特に限定されるものではないが、例えばシアン化リチウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウムなどのアルカリ金属シアン化物;シアン化マグネシウム、シアン化カルシウムなどのアルカリ土類金属シアン化物によるシアノ化反応が挙げられる。
以下、当該態様について説明するが、シアノ化工程がこれに限定されるものではない。
アルカリ金属シアン化物またはアルカリ土類金属シアン化物の使用量は特に制限されないが、好ましくは化合物(VI)に対して1〜20モル倍の範囲であり、より好ましくは1〜10モル倍の範囲である。
反応は層間移動物質の存在下で行うことができる。かかる層間移動物質の種類としては、例えば15−クラウン−5、18−クラウン−6などのクラウンエーテル類;テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムヨージドなどの四級アンモニウム塩;などが挙げられる。
層間移動物質の使用量は、化合物(VI)に対して0.001〜10モル倍の範囲であり、より好ましくは0.001〜5モル倍の範囲である。好ましくは0.001〜5モル倍の範囲である。
反応は溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒の種類は、反応に悪影響を与えない限り特に制限されないが、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチルなどのエステル類;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを単一で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の使用量に特に制限はないが、好ましくは化合物(VI)に対して1〜100重量倍、より好ましくは3〜50重量倍の範囲である。
反応温度は、好ましくは0℃〜120℃の範囲、より好ましくは20〜100℃の範囲である。
反応時間は、工業的に実施する上で現実的な範囲であればよいが、好ましくは0.5時間〜30時間、より好ましくは1時間〜20時間の範囲である。
シアノ化反応後、中和、抽出、濃縮などの操作を行った後、シリカゲルクロマトグラフィーまたは再結晶等、通常の有機合成に使用される方法で精製することができる。
工程(c) 加水分解工程
化合物(VII)から化合物(IV)を製造する工程に用いられる加水分解法は特に限定されるものではなく、例えば酸性条件下での加水分解法、塩基性条件下での加水分解法、または中性条件下での酸化的加水分解法など公知の方法を使用すればよいが、酸性条件下での加水分解法を適用するのが好ましい。
以下、当該態様について説明するが、加水分解の反応工程がこれに限定されるものではない。
酸性条件下の加水分解に用いられる酸の種類は特に限定されないが、例えば硫酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。
酸の使用量には特に制限はないが、好ましくは化合物(VII)に対して0.01〜20モル倍の範囲であり、より好ましくは0.1〜10モル倍の範囲である。
反応は溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒の種類には、反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;アセトン、2−ブタノン、3−ペンタノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類;水などを単一で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の使用量は特に制限されないが、好ましくは化合物(VII)に対して1〜100重量倍の範囲、より好ましくは3〜50重量倍の範囲である。
反応温度は、好ましくは0℃〜160℃の範囲、より好ましくは20〜120℃の範囲である。
反応時間は、工業的に実施する上で現実的な範囲であればよいが、好ましくは0.5時間〜30時間の範囲、より好ましくは1時間〜20時間の範囲である。
加水分解反応後、中和、抽出、濃縮などの操作を行った後、シリカゲルクロマトグラフィーまたは再結晶等、通常の有機合成に使用される方法で精製することができる。
原料化合物となる2−スルホニルオキシベンジルアルコール誘導体の入手方法は特に制限されないが、例えば、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドを塩基存在下でメタンスルホニルクロリドを用いて2,4−ビスメタンスルホニルオキシ化し、ホルミル基を対応するアルコールに還元して製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
製造例1
2,4−ビスメタンスルホニルオキシベンズアルデヒドの製造(メシル化)
Figure 2006169122
窒素雰囲気下、1000mlの三口フラスコに、アセトン(380ml)、炭酸カリウム(114g、807mmol)、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(37.9g、269mmol)を加えて0℃にて攪拌した。これにメタンスルホニルクロリド(79g、672mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で3時間反応させた後、水(380g)を加えて反応を停止させた。これに酢酸エチル(200ml)およびトルエン(190ml)を加え攪拌、静置後、水層を分離した。結晶を含有した有機層を濃縮し、下記物性を有する2,4−ビスメタンスルホニルオキシベンズアルデヒド(77.6g)を得た(収率98%)。
H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl、TMS、ppm) δ:3.25(s,3H),3.34(s,3H),7.40−7.42(m,2H),8.04(d,1H,J=8.9Hz),10.25(s,1H)。
製造例2
2,4−ビスメタンスルホニルオキシベンジルアルコールの製造(還元)
Figure 2006169122
窒素雰囲気下、1000mlの三口フラスコに、メタノール(400ml)、2,4−ビスメタンスルホニルオキシベンズアルデヒド(77.6g、264mmol)を加えて室温にて攪拌した。これに水素化ホウ素ナトリウム(3.8g、99mmol)を加えた。同温度で1時間反応させて原料の消失を確認した後、水(80ml)を加え、1N硫酸(124g)でpHを3に調整した。酢酸エチル(160ml)で2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水(80ml)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮し、標記の2,4−ビスメタンスルホニルオキシベンジルアルコールを無色オイルとして得た(gross81.3g)。この粗生成物をさらに精製することなく次工程に用いた。
2,4−ビスメタンスルホニルオキシベンジルクロリドの製造(クロル化)
Figure 2006169122
窒素雰囲気下、500mlの三口フラスコに、酢酸エチル(310ml)、2,4−ビスメタンスルホニルオキシベンジルアルコール(gross80.7g、net.255mmol)を加えて室温にて攪拌した。これに塩化チオニル(23.5ml、306mmol)を内温を30℃以下に保持しつつ加えた。室温で15時間反応させた後、水(350ml)に反応液を注ぎ、反応を停止させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(80ml)で抽出した。合わせた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調整した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮し粗生成物(84.3g)を得た。これをメタノール(580ml)から再結晶し、下記物性を有する2,4−ビスメタンスルホニルオキシベンジルクロリド(62.2g)を得た(収率77%)。
H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl、TMS、ppm) δ:3.20(s,3H),3.31(s,3H),4.67(s,2H),7.27−7.32(m,1H),7.38(d,1H,J=2.0Hz),7.59(d,1H,J=8.9Hz)。
2,4−ビスメタンスルホニルオキシフェニルアセトニトリルの製造(シアノ化)
Figure 2006169122
窒素雰囲気下、1000mlの三口フラスコに、アセトニトリル(300ml)、2,4−ビスメタンスルホニルオキシベンジルクロリド(60.5g、188mmol)、15−クラウン−5(1.3g、5.7mmol)およびシアン化ナトリウム(28.3g、565mmol)を室温にて加えた。これを50℃にて10時間反応させた後、さらにシアン化ナトリウム(4.6g、94mmol)を追加して同温度で5時間反応させた。反応混合物を室温に冷却後、水(200ml)およびトルエン(180ml)を加え攪拌した。有機層を分離した後、水層をトルエン(60ml)で抽出した。合わせた有機層を水(60ml)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮し、下記物性を有する2,4−ビスメタンスルホニルオキシフェニルアセトニトリルを無色オイルとして得た(gross59.7g)。この粗生成物をさらに精製することなく次工程に用いた。
H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl、TMS、ppm) δ:3.21(s,3H),3.33(s,3H),3.88(s,2H),7.33(dd,1H,J=2.0Hz,8.9Hz)),7.38(d,1H,J=2.0Hz),7.61(d,1H,J=8.9Hz)。
2,4−ビスメタンスルホニルオキシフェニル酢酸の製造(加水分解)
Figure 2006169122
窒素雰囲気下、1000mlの三口フラスコに、メチルイソブチルケトン(145ml)、2,4−ビスメタンスルホニルオキシフェニルアセトニトリル(gross58.0g、188mmol)、50wt.% 硫酸(183g、931mmol)を加えた。これを110℃にて22時間反応させた。反応混合物を室温に冷却した後、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(150ml)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調整し、有機層を除去した後、水層を酢酸エチル(100ml)で洗浄した。得られた水層を50wt.% 硫酸でpH3に調整し、酢酸エチル(150ml+100ml)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮し、粗生成物(28.0g)を得た。これをテトラヒドロフラン(45ml)およびトルエン(45ml)から再結晶し、下記物性を有する2,4−ビスメタンスルホニルオキシフェニル酢酸(23.6g)を得た(収率41%)。
H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl、TMS、ppm) δ:3.19(s,3H),3.27(s,3H),3.71(s,2H),7.24(dd,1H,J=2.0Hz,8.9Hz)),7.38(d,1H,J=2.0Hz),7.45(d,1H,J=8.9H)
イソフラバン誘導体を製造するための好適な出発原料となる、ベンゼン環の2位および4位に保護された水酸基が置換しているフェニルアセトニトリル誘導体またはフェニル酢酸誘導体を製造できる。

Claims (12)

  1. 一般式(I)
    Figure 2006169122
    (式中、Xは水酸基の保護基を表し、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RとR、RとXおよびXとRはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体。
  2. 一般式(II)
    Figure 2006169122
    (式中、Xは水酸基の保護基を表し、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RとR、RとXおよびXとRはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体。
  3. Xが一般式(III)
    Figure 2006169122
    (式中、Yは前記と同意義を表す。)で示されるスルホニル基である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 、RおよびRが水素原子を表す、請求項3に記載の化合物。
  5. 一般式(IV)
    Figure 2006169122
    (式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体を加水分解することを特徴とする、一般式(V)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体の製造方法。
  6. 一般式(VI)
    Figure 2006169122
    (式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、Zはハロゲン原子を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される化合物をシアノ化することを特徴とする、一般式(IV)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
  7. 一般式(VII)
    Figure 2006169122
    (式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される化合物から出発する、一般式(VI)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表し、Zはハロゲン原子を表す。)で示される化合物の製造方法。
  8. 一般式(V)
    Figure 2006169122
    (式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体の製造方法であって
    工程(a) 一般式(VII)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される化合物から、一般式(VI)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表し、Zはハロゲン原子を表す。)で示される化合物を製造する工程;および
    工程(b) 前記工程(a)で得られる前記一般式(VI)で示される化合物から一般式(IV)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体を製造する工程;および
    工程(c) 前記工程(b)で得られる前記一般式(IV)で示される化合物から、一般式(V)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニル酢酸誘導体を製造する工程;
    を包含することを特徴とする製造方法。
  9. 一般式(IV)
    Figure 2006169122
    (式中、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R、R、RおよびRは水素原子、保護基によって保護された水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、RからRのうち2つはそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体の製造方法であって
    工程(a) 一般式(VII)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される化合物から、一般式(VI)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表し、Zはハロゲン原子を表す。)で示される化合物を製造する工程;および
    工程(b) 前記工程(a)で得られる前記一般式(VI)で示される化合物から一般式(IV)
    Figure 2006169122
    (式中、Y、R、R、RおよびRは前記と同意義を表す。)で示される2−スルホニルオキシフェニルアセトニトリル誘導体を製造する工程;
    を包含することを特徴とする製造方法。
  10. が保護基によって保護された水酸基である請求項5〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. が一般式(III)
    Figure 2006169122
    (式中、Yは前記と同意義を表す。)で示されるスルホニル基で保護された水酸基である、請求項10に記載の製造方法。
  12. 、RおよびRが水素原子を表す、請求項11に記載の製造方法。
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GB977709A (en) * 1961-02-04 1964-12-09 Smith & Nephew Hydrazine derivatives and preparation of same
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