JP2006168597A - 自動車用ホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車の操安性や乗り心地を向上することができ得る自動車用ホイールを提案する。
【解決手段】 表側ウエル部14aにディスク3の外周縁が接合又は一体的に連成された固結部9と、意匠部6の内周部位に裏方へ屈曲する屈曲部8と、ドロップ部13と裏側ウエル部14bとの間の折曲部15とを備えてなるものとしたから、走行時にホイールに作用する外力を緩和でき、乗り心地と操安性とを向上できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスクとリムとを備えてなる自動車用ホイールに関するものである。
自動車用ホイールとしては、例えば鋳造成形のように、車両のハブに連結されるハブ取付部を備えたディスクと、タイヤのビードを着座するビードシート部及び該ビードを側方から支持するフランジ部を表裏両側に備えたリムとが一体的に形成されてなる構成や、該ディスクとリムとを、夫々に金属板からプレス加工等により成形して、両者を溶接等により接合する構成が一般的である。
この自動車用ホイールは、タイヤが取り付けられて、車両のハブに連結されることにより、自動車に装着される。そして、自動車が直進走行している時には、路面からタイヤに上向きの外力(以下、径方向反力)が作用し、これによってホイールには、該タイヤを介して表裏両側のビードシート部に、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用することとなる。さらに、運転者がハンドルを切ってタイヤの向きを変えた場合には、該タイヤに、タイヤが路面を押え付けることに対して上向きの反力(以下、径方向反力)が生じると共に、自動車に発生する遠心力と釣り合うだけの横方向の力(以下、横力)が生じる。そして、ホイールには、ホイール軸方向に沿って裏方へ外力が作用すると共に、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用することとなり、両外力が組み合わされて作用することとなる。このようにホイールに作用する力は、自動車の走行時に路面から受ける振動によっても夫々に生じ得る。このため、この振動がホイールを介して車両に伝播すると、当該自動車の搭乗者に伝わり、これが該搭乗者の感じる乗り心地として表れる。したがって、自動車の走行中に受ける、大きな振動や瞬間的に強く入力した振動等を、直接的に搭乗者が感じないようにすることにより、乗り心地を良くすることができる。さらに、ハンドルを切った場合に、前記した横力と径方向反力との組み合わさった力がホイールを介して車軸に伝播すると、当該力が運転者に該ハンドルを介して伝わることとなり、ハンドル操作の安定性や容易性等の、いわゆる操安性として表れる。したがって、横力と径方向反力との組み合わさった力を、ホイールにより適正に緩和してハンドルに伝えるようにすることによって、運転者のハンドル操作を安定的かつ容易とし、操安性を良くすることができる。尚、前記した振動も、横力や径方向反力と共にハンドルを介して伝わることから、該振動も操安性に影響する。
近年、自動車は、乗る人間の感性としての乗り心地や操安性に重点を置く傾向が強まっており、この乗り心地及び操安性を向上することが切望されてきている。これらを向上させる自動車用ホイールとして、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1のように、ディスクとリムとをゴム弾性体を介して接合し、リムからディスクに伝わる振動や横力を緩和するようにした構成が提案されている。また、例えば、特許文献2のように、表側ビードシート部に比して、裏側ビードシート部の周長が長くなるようにした構成も提案されている。この構成は、自動車の旋回時にも、タイヤが地面との充分な接地性を確保できるため、旋回時の操安性を向上できるようになっている。
特開2004−106567号公報 特開2002−274107号公報
上記した従来構成の、ゴム弾性体を介してリムとディスクとを接合している構成にあっては、タイヤから作用する外力を、このゴム弾性体が変形することにより吸収し、該外力のディスクへの伝播を抑制している。したがって、このゴム弾性体は、自動車の走行中に、常に変形を繰り返している。このため、ゴム弾性体に応力集中が生じ、長期間の使用による該ゴム弾性体の疲労破壊が問題となる。一方、裏側ビードシート部の周長を長くした従来構成にあっては、旋回時には、タイヤが充分な接地性を確保できるものの、直進走行時には、タイヤの表側と裏側とで接地性に差ができるため、裏側ビードシート部と表側ビードシート部とに夫々に作用する外力に偏りが生じ、乗り心地や直進安定性が減退することとなり得るという問題がある。
本発明は、ゴム弾性体を用いることなく、直進時及びハンドルを切った場合にも乗り心地や操安性を向上することのできる自動車用ホイールを提案するものである。
本発明は、車軸のハブに連結される略円板状のハブ取付部を備えたディスクと、タイヤのビードが着座するビードシート部及び該ビードを側方から支持するフランジ部を表裏両側に備えたリムとからなる自動車用ホイールにおいて、前記リムの、タイヤ装着時に該タイヤのビードを一旦落とすためのドロップ部と表側ビードシート部との間に設けられた表側ウエル部に、ディスクの外周縁が接合又は一体的に連成された固結部と、前記ディスクの、ハブ取付部の周縁から表側に膨隆する意匠部の、その内周部位に裏方へ屈曲する屈曲部と、リムの、ドロップ部の裏側周縁から外方へ立ち上がる裏側ウエル部と該ドロップ部との間の、折曲部とを備えたことを特徴とする自動車用ホイールである。
かかる構成にあっては、リムとディスクとを接合又は一体的に連成されてなる固結部を表側ウエル部に設けていることから、当該自動車用ホイールが自動車に取り付けられた状態で、リムは表側ウエル部でディスクに支持固定されている。この固結部は、タイヤから表裏両側のビードシート部に、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用した場合、又は、タイヤから表裏両側のビードシート部及びフランジ部に、ホイール径方向に沿った内方への外力と、ホイール軸方向に沿った裏方への外力とが組み合わされて作用した場合に、リムとディスクとの剛性により支持されることとなる。このため、前記のような外力が夫々に作用すると、この固結部に対して、ビードシート部及びフランジ部が夫々に内外方向に変位するように変形し易くなる作用と、屈曲部や折曲部が変形し易くなる作用とを生じ得る。したがって、ホイール径方向に沿った内方への外力やホイール裏方向への外力を、前記変形により緩和することができる。而して、タイヤが路面から拾う振動や、ハンドルを切った場合に作用する力を、車両側へしなやかに伝えることができ、自動車の乗り心地や操安性を高めることができる。
上述した自動車用ホイールにあって、装着されたタイヤから、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用した場合には、リムとディスクとを接合又は一体的に連成する固結部が、表裏両側のビードシート部及びフランジ部を内外方向に変位する変形を支持する変形支持節となり、装着されたタイヤから、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用し、かつホイール軸方向に沿って裏方へ外力が作用した場合には、ディスクの屈曲部が、ディスクの意匠部を全体的に表裏方向に変位するように曲げ変形する第一変曲節となると共に、リムの折曲部が、裏側のビードシート部及びフランジ部を内方向に変位するように曲げ変形する第二変曲節となるようにした構成が提案される。
かかる構成にあって、固結部は、タイヤから表裏両側のビードシート部に、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用する場合に、ディスクの剛性により支持されて、該固結部に対して、表側のビードシート部及びフランジ部と、裏側のビードシート部及びフランジ部とが夫々に内外方向に変位するように変形することとなる。すなわち、固結部はこの変形を支持する変形支持節となる。そして、表裏両側のビードシート部及びフランジ部が変位することにより、ホイール径方向に沿った内方への外力を緩和できる。一方、タイヤから表裏両側のビードシート部とフランジ部とに、ホイール径方向に沿った内方への外力とホイール軸方向に沿った裏方への外力とが組み合わされて作用した場合には、固結部がリムとディスクの各剛性により支持されて、ディスク部の屈曲部が意匠部を裏方向へ変位するように曲げ変形すると共に、前記と同様に、固結部を変形支持節として、表側のビードシート部及びフランジ部と、裏側のビードシート部及びフランジ部とが夫々に内外方向に変位するように変形することとなる。さらに、リムの折曲部が、裏側のビードシート部及びフランジ部を内方へ変位するように曲げ変形する。このような各変形により、ホイール径方向の内方へ作用した外力とホイール軸方向の裏方へ作用した外力とを緩和することができる。ここで、屈曲部が第一変曲節となり、折曲部が第二変曲節となる。また、固結部はディスクに外力を伝達する役割と、変形支持節との役割を担う。
このように本発明の自動車用ホイールにあっては、ホイール径方向に沿って内方へ作用する外力、又は、このホイール径方向の内方へ作用する外力とホイール軸方向の裏方へ作用する外力とが組み合わされた力を、局部的な変形でなく、比較的広い領域が撓むように変形させることにより緩和するようにしたものである。これにより、直進走行時にホイール径方向に沿って作用する、タイヤが路面から拾う振動を充分に緩和することができる。そして、路面から受けた振動はしなやかになって車軸に伝わることとなるため、搭乗者の感じる乗り心地を向上できる。特に、道路の段差を乗り越える等して、突き上げるような瞬間的な強い振動が作用した場合にあっても、当該振動を、ホイールの比較的広い領域が撓むように変形することにより緩和できるため、搭乗者にしなやかな振動に変換されて伝わることとなり、優れた乗り心地を発揮できる。一方、ハンドルを切った場合に、ホイール径方向に沿ってタイヤに作用する径方向反力と、ホイール軸方向に沿ってタイヤに作用する、遠心力に釣り合うように生じた横力との組み合わさった力(合力)に対しても、ホイールの比較的広い領域が撓むように変形することにより充分に緩和することができる。このため、この横力及び径方向反力は、車軸を介してハンドルから運転者に柔らかに伝わることとなり、該運転者はハンドル操作を安定かつ適切に行い易くなり、操安性が向上する。尚、この操安性は、前記した振動がしなやかになってハンドルから運転手に伝わることによっても向上することとなり得る。
本発明にあっては、固結部を表側ウエル部の内側に備えたことにより、ホイール径方向に沿って内方へ作用する外力に対して、該固結部が上述したように変形支持節となって当該外力を緩和する。さらに、ホイール軸方向に沿って裏方へ作用する外力に対しては、当該固結部が配設されていることにより、上述したように屈曲部を第一変曲節とすると共に、折曲部を第二変曲節とすることにより、当該外力を緩和する。このように、この固結部が、ホイールに作用する各外力に対して、ホイールを全体的に変形する要となる働きを有するものとなっており、総じて、本発明の自動車用ホイールは上述したような優れた操安性や乗り心地を発揮できるものとなる。
また、このような自動車用ホイールにあって、リムのドロップ部を、その外径が、ホイール中心軸線を中心として、リム径に対して80%以上95%以下となるように形成した構成が提案される。かかる構成にあっては、ドロップ部がホイール径方向内側に比較的深く形成されることとなるため、タイヤを取り付けた場合の、該タイヤとリムとの間に生ずる空域(以下、気柱)が増加し、ここに蓄えられる空気量も増えることとなる。これにより、タイヤと路面との摩擦により発生するロードノイズが、ホイールの気柱と共鳴するのを防ぎ、該ロードノイズによる騒音を低減することができる。この騒音が低減することによっても、搭乗者の感じる乗り心地を間接的に高める効果を生じ得る。
ここで、ドロップ部の外径を、リム径に対して95%より大きくすると、ロードノイズが気柱と共鳴することを防ぐ作用を充分に発揮できない。一方、ドロップ部は、その外径が小さくなるに従って、自動車に装着した場合にドロップ部内周面とホイール内側に配されるブレーキとの隙間が狭くなる。このため、上述した外力が作用したことによる、裏側ビードシート部及びフランジ部の内方への変位可能量は、ドロップ部の外径が小さくなるに従って減少させなければならなくなってしまう。このことから、ドロップ部の外径はできるだけ大きい方がよく、少なくともリム径に比して80%より大きくしなければ、外力の緩和作用を充分に発揮し得ない。尚、ブレーキを小さくすることにより、ドロップ部の外径をさらに小さくすることも可能となるが、制動力が低下することとなるため適さない。ここで、ドロップ部の外径を、リム径に対して85%以上94%以下とした構成とすることにより、ロードノイズが気柱と共鳴することを防ぐ作用を一層高めることができ、好適な構成として用い得る。尚、ブレーキを小さくすることもできるが、制動力が低下することとなるため適さない。
また、上述した自動車用ホイールにあって、リムのドロップ部が、リムのビードシート部の板厚に対して50%以上70%以下の板厚となるように形成された構成が提案される。かかる構成にあっては、ドロップ部を、外力が直接作用するビードシート部に比して薄肉化することにより、上述したようにホイールのビードシート部及びフランジ部に外力が作用した場合に、固結部を変形支持節として、該ドロップ部を内外方向に比較的容易に曲げ変形可能とする。これにより、裏側のビードシート部及びフランジ部を、内外方向へ比較的大きく、かつリムの、固結部より裏側となる領域を全体的に変位させることができる。したがって、ホイールに作用した外力を緩和する作用が一層高まる。尚、ドロップ部の板厚が50%より薄くなると、該ドロップ部の強度及び耐久性の低下が懸念される。また、70%より厚くなると、外力に対して変位量が少なくなり、該外力を緩和する作用が充分に発揮できない。また、ドロップ部の板厚を56%以上70%以下とすることにより、前記した作用効果が一層高まり、好適な構成として用い得る。
さらに、このような自動車用ホイールにあって、ディスクとリムとの固結部は、ホイール軸方向位置が、リム幅のホイール軸方向中心面から表側へ離間する距離を、リム幅が7インチ以下のホイールの場合はリム幅の20%以上30%以下とし、又は、リム幅が7インチを越えるホイールの場合はリム幅の30%以上40%以下とする位置にあり、かつ、ホイール径方向位置が、ホイール中心軸線を中心として、リム径に対して80%以上96%以下となる直径により形成される円周位置にあるように設けられ、ディスクの屈曲部は、ホイール軸方向位置が、ハブ取付部の裏面から表側へ離間する距離を、リム幅の10%以上60%以下とする位置にあり、かつ、ホイール径方向位置が、ホイール中心軸線を中心として、リム径の35%以上60%以下となる直径により形成される円周位置にあるように設けられ、リムの折曲部は、ホイール軸方向位置が、リム幅のホイール軸方向中心面から裏側へ離間する距離を、リム幅が7インチ以下のホイールの場合はリム幅の20%以上30%以下とし、又は、リム幅が7インチを越えるホイールの場合はリム幅の30%以上40%以下とする位置にあり、かつ、ホイール径方向位置が、ホイール中心軸線を中心として、リム径に対して80%以上95%以下となる直径により形成される円周位置にあるように設けられた構成が提案される。
このような固結部、屈曲部、折曲部とは、自動車用ホイールとして必要な構造上の条件として、自動車に装着された場合に、例え外力により変形してもホイール内側に配されるブレーキに干渉しないように設けたものである。そして、このように配設することにより、外力が作用した場合に、各々が上述した作用効果を充分に発揮でき、該外力の緩和作用を奏する最も適合した構成となっている。
尚、かかる構成にあって、固結部を、そのホイール軸方向位置が、ホイール軸方向中心面からの表側離間距離を、リム幅が7インチ以下の場合はリム幅の25%以上30%以下とし、又は、リム幅が7インチを越える場合はリム幅の33%以上36%以下とする位置にあり、かつ、ホイール径方向位置が、ホイール中心軸線を中心として、リム径に対して85%以上96%以下の直径により形成される円周位置にあるようにした構成とすることにより、上記した作用効果を一層適正に発揮でき、好適である。また、屈曲部のホイール径方向位置が、ホイール中心軸線を中心として、リム径の35%以上50%以下となる直径により形成される円周位置にある構成とすることによっても、上記した作用効果を一層適正に発揮でき、好適である。さらにまた、折曲部を、そのホイール軸方向位置が、リム幅のホイール軸方向中心面からの裏側離間距離を、リム幅が7インチ以下の場合はリム幅の25%以上30%以下とし、又は、リム幅が7インチを越える場合はリム幅の33%以上36%以下とする位置にあり、かつ、ホイール径方向位置が、ホイール中心軸線を中心として、リム径に対して85%以上94%以下となる直径により形成される円周位置にあるようにした構成とすることによっても、上記した作用効果を一層適正に発揮でき、好適である。
本発明は、リムの表側ウエル部に、ディスクの外周縁が接合又は一体的に連成された固結部と、前記ディスクの意匠部の、その内周部位に裏方へ屈曲する屈曲部と、リムの、ドロップ部と裏側ウエル部との間の、折曲部とを備えてなるようにした自動車用ホイールであるから、ホイール径方向に沿った内方への外力やホイール裏方向への外力が作用した場合に、リム及びディスクの剛性により支持される固結部に対して、ビードシート部及びフランジ部、又は屈曲部や折曲部が変形して、これら外力を緩和することができる。したがって、タイヤが路面から拾う振動や、ハンドルを切った場合に作用する力を、車両側へしなやかに伝えることができ、自動車の乗り心地や操安性を高めることができる。
ここで、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用した場合には、固結部が、表裏両側のビードシート部及びフランジ部を内外方向に変位する変形を支持する変形支持節となり、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用し、かつホイール軸方向に沿って裏方へ外力が作用した場合には、屈曲部が、ディスクの意匠部を全体的に表裏方向に変位するように曲げ変形する第一変曲節となると共に、折曲部が、裏側のビードシート部及びフランジ部を内方向に変位するように曲げ変形する第二変曲節となるようにした構成にあっては、走行時にタイヤが路面から拾う振動や、ハンドルを切った場合に生ずる横力と径方向反力との合力を、ホイールの比較的広い領域が撓むように変形させることにより充分に緩和することができる。そして、この振動や横力と径方向反力との合力が緩和されることにより、乗り心地と操安性とを向上させることができる。
また、上記したリムのドロップ部を、その外径が、ホイール中心軸線を中心として、リム径に対して80%以上95%以下となるように形成した構成にあっては、ドロップ部をホイール径方向内側に比較的深く形成することにより、タイヤとリム間に蓄えられる空気量を増加する。したがって、ロードノイズが、ホイールとタイヤ間との気柱と共鳴し難くなり、該ロードノイズによる騒音を低減でき得る。また、この騒音が低減することにより、搭乗者の感じる乗り心地を間接的に高める効果も発揮できる。
また、上述したリムのドロップ部が、リムのビードシート部の板厚に対して50%以上70%以下の板厚となるように形成された構成にあっては、上述したようにビードシート部及びフランジ部に外力が作用した場合に、固結部を変形支持節として、裏側のビードシート部及びフランジ部を、内外方向へ比較的大きく、かつリムの、固結部より裏側となる領域を全体的に変位させることができる。したがって、ホイールに作用した外力を緩和する作用が一層高まる。
本発明の実施例を添付図面を用いて詳述する。
図1は、本発明にかかる自動車用ホイール1の断面図である。この自動車用ホイール1は、アルミニウム合金板から成形されたリム2とディスク3とを接合して成る、いわゆる2ピースタイプのアルミニウム合金製ホイールである。尚ここで、自動車用ホイール1の意匠面側、いわゆる自動車に装着された場合にホイール外観となる方向を表方向とし、ホイール径方向で、中心方向を内方向としている。
ここで、リム2にあっては、略長方形状のアルミニウム合金製平板を、その短辺同士を突合せ接合することにより円筒形状とした後、これを回転させた状態で、所定の金型を当該円筒の内外両側から挟圧させるロール加工により成形する(図示省略)。このロール加工によってリム2は所望の形状に成形される。本実施例のリム2には、両端開口縁にタイヤのビードを側方から保持するフランジ部10a、10bが形成され、各フランジ部10a、10bに、タイヤのビードを着座させて支持固定するビートシート部11a,11bが夫々に連成されている。さらに、両側のビードシート部11a,11bの間には、タイヤ装着時に、タイヤのビードを落とすためのドロップ部13が設けられている。そして、このドロップ部13の両側周縁から外方に立ち上がって、各ビードシート部11a,11bに連成するウエル部14a,14bも形成されている。ここで、ドロップ部13の裏側周縁と裏側ウエル部14bとの間に、これら両者が滑らかに連成する、本発明にかかる折曲部15が存在する。尚、リム2の各ビードシート部11a,11bの、中心軸線Lに対する外径が、本自動車用ホイール1のリム径Rとなる(図2参照)。また、表側フランジ部10aの裏側面と、裏側フランジ部10bの表側面との間の距離が、本自動車用ホイール1のリム幅Hとなる(図2参照)。
一方、ディスク3にあっては、略円形状のアルミニウム合金製平板を、鍛造及びプレス加工することによって形成する(図示省略)。この鍛造とプレス加工とによってディスク3は所望の形状に形成される。本実施例のディスク3には、中央に形成されたハブ孔17と、その径方向外側に位置して周方向に互いに均等間隔で設けられた複数個のボルト孔18と、裏面に車軸のハブが連結されるハブ取付面19とを備えた、略円板形状のハブ取付部5が設けられている。そして、このハブ取付部5の外側に、該ハブ取付部5の周縁から表側に膨隆する意匠部6が形成されている。ここで、この意匠部6の内側周域には、裏方に屈曲する、本発明にかかる屈曲部8が周成されている。また、意匠部6の外周端は、上記したリム2と接合される接合外周端7となっている。尚、このディスク3の各部位はそれぞれ、中心軸線Lを中心とする同心状に形成されている。
このように夫々に成形されたリム2とディスク3とを接合して、自動車用ホイール1を得る。ここで、ディスク3の中心軸とリム2との中心軸が一致するように、ディスク3の接合外周端7を、リム2の、表側ウエル部14aの内周面に突当てた後、裏側からMIG溶接を行うことにより、ディスク3とリム2とを接合する。この接合された部位が、本発明にかかる固結部9である。尚、本実施例にあって、この固結部9は、表側ウエル部14aの最もドロップ部13寄りに設けている。
このような本実施例の自動車用ホイール1として、リム径が等しく、リム幅を7インチ以下とする実施例1と、リム幅が7インチを越える実施例2とを準備した。そして、これら実施例1,2の自動車用ホイール1に、所定のタイヤを装着して、自動車に取り付けて実走行テストを行い、操安性と乗り心地を評価した。尚、従来構成として、図4に示すように、ディスク53を表側ビードシート部11aに嵌合する、いわゆるビード嵌合ホイール51(比較例1)と、図5に示すように、ドロップ部13に嵌合する、いわゆるドロップ嵌合ホイール61(比較例2)を準備し、同様に操安性と乗り心地とを評価した。以下、各構成を詳細に説明する。
実施例1は、リム径Rが17インチ、リム幅Hが7インチとした自動車用ホイール1である(図1参照)。ここで、リム2の、ドロップ部13と裏側ウエル部14bとの間の折曲部15は、ホイール軸方向位置を、ホイール軸方向のリム幅Hの中心面Fから裏方へ離間距離h2だけ離れた位置とし、かつ、ホイール径方向位置を、中心軸線Lを中心とする直径r2により形成される円周位置として定められる(図2参照)。本実施例1の折曲部15は、離間距離h2を51.3mmとし、直径r2を370.0mmとして設けられている。この離間距離h2はリム幅Hの約29%となっており、また、この直径r2はリム径Rの約85%となっている。
また、このリム2は、そのドロップ部13を、ビードシート部11a,11bに対して内方へ深さpとなるように設けている(図2参照)。このドロップ部13の深さpを、本実施例1では32.0mmとしている。ここで、ドロップ部13の、中心軸線Lを中心とする外径r3(=R−2p)が、リム径Rの約85%となっている。また、このドロップ部13の板厚tが、約4.2mmとなっており、ビードシート部11bの板厚t0に対して約56%となるように成形されている。
一方、ディスク3の、意匠部6の内周部位に設けた屈曲部8は、ホイール軸方向位置を、ハブ取付面19から表方へ離間距離h1だけ離れた位置とし、かつ、ホイール径方向位置を、中心軸線Lを中心とする直径r1により形成される円周位置として定められる(図2参照)。本実施例1の屈曲部8は、離間距離h1を25.3mmとし、直径r1を167.7mmとして設けられている。この離間距離h1はリム幅Hの約14%となっており、また、この直径r1はリム径Rの約38%となっている。尚ここで、ハブ取付面19の、中心面Fに対するホイール軸方向距離が、いわゆるオフセットであり(図示せず)、これは取り付けられる自動車の車種やホイール形状によって異なる。このオフセットは、本実施例1と、後述する比較例1、比較例2とで等しく設定している。
また、リム2の表側ウエル部14aの内側面に、ディスク3の接合外周端7を接合した固結部9は、ホイール軸方向位置を、ホイール軸方向のリム幅Hの中心面Fから表方へ離間距離h0だけ離れた位置とし、かつ、ホイール径方向位置を、中心軸線Lを中心とする直径r0により形成される円周位置として定められる(図2参照)。本実施例1の固結部9は、離間距離h0を51.0mmとし、直径r0を370.7mmとして設けられている。この離間距離h0はリム幅Hの約29%となっており、また、この直径r0はリム径Rの約85%となっている。ここで、固結部9は、上述したように、表側ウエル部14aの、最もドロップ部13寄りとなる位置としている。
実施例2は、リム径Rが17インチ、リム幅Hが6.5インチとした自動車用ホイール1である(図1参照)。ここで、リム径Rは、上述した実施例1と同じである。
この実施例2にあって、リム2の折曲部15は、離間距離h2を44.8mmとし、直径r2を370.0mmとなる位置に設けられている(図2参照)。この離間距離h2はリム幅Hの約27%となっており、この直径r2はリム径Rの約85%となっている。また、ドロップ部13は、その深さpを32.0mmとしている。このドロップ部13の外径r3は、リム径Rの約85%である。また、ドロップ部13の板厚tは、上述した実施例1と同じ約4.2mmである。
また、ディスク3は、上述した実施例1と同じ形状であり、その屈曲部8が、離間距離h1を25.3mmとし、直径r1を167.7mmとする位置に設けられている(図2参照)。そして、リム2とディスク3とが接合された固結部9は、離間距離h0を44.5mmとし、直径r0を370.7mmとする位置に設けられている。この離間距離h0はリム幅Hの約27%となっており、また、この直径r0はリム径Rの約85%となっている。ここで、固結部9は、上述した実施例1と同様に、表側ウエル部14aの、最もドロップ部13寄りとなる位置となっている。
この実施例2は、リム幅Hが実施例1と異なり、これに従い、リム2の各部位がリム幅Hの中心面Fに対するホイール軸方向位置が異なっている。すなわち、中央面ドロップ部13のホイール軸方向長さ、折曲部15及び固結部9のホイール軸方向位置等が異なる。このようにホイール軸方向位置が異なる以外は、実施例1と同じ構成としており、説明は省略している。尚、リム幅Hが実施例1と異なるため、上述したオフセットも異なっている。
<比較例1>
比較例1の自動車用ホイール51は、図4に示すように、ディスク53をリム2の表側ビードシート部11aに嵌合してなるものである。この自動車用ホイール51を成すディスク53にあって、ハブ取付部5から表側に膨隆する意匠部56が、その外周縁を、上述した実施例1の意匠部6に比して外方に拡げた形状となっている。この意匠部56の外周端が、リム2の表側ビードシート部11aの内周面に嵌合する嵌合外周端57となる。尚ここで、ディスク53のハブ取付部5は、上述した実施例1のディスク3と同じ構成としている。そして、このディスク53の嵌合外周端57と、リム2の表側ビードシート部11aとを溶接することにより、該ディスク53とリム2とが接合される。この接合された部位が接合部59であり、該接合部59は、ホイール軸方向位置を、中心面Fから表側に約74.4mm離れた位置とし、かつ、ホイール径方向位置を、中心軸線Lを中心として約428.0mmの直径により形成される円周位置とするところに設けられている。
また、この自動車用ホイール51を成すリム2は、実施例1と同じものを用いている。このように、比較例1の自動車用ホイール51は、ディスク53を、リム2の表側ビードシート部11aに接合するように、意匠部56の外周縁形状を変更した以外は、上述した実施例1と同じ構成としている。したがって、同じ形状の構成には、その説明を省略し、同じ符号を付記している。尚、ディスク53に設けられている屈曲部58は、実施例1とその屈曲形状が多少異なるものとなっている。一方、折曲部15は、実施例1と同じ構成である。
<比較例2>
比較例2の自動車用ホイール61は、図5に示すように、ディスク63をリム2のドロップ部13の内周面に嵌合してなるものである。この自動車用ホイール61を成すディスク63にあっては、ハブ取付部5から表側に膨隆する意匠部66の外周縁に、該意匠部66から裏方に屈曲してホイール軸方向にほぼ平行となるディスクフランジ部62が延成されている。そして、このディスクフランジ部62を、リム2のドロップ部13に内嵌し、該ディスクフランジ部62の端縁を、ドロップ部13の内周面に溶接することにより、ディスク63とリム2とが接合される。この接合された部位が接合部69であり、該接合部69は、ホイール軸方向位置を、中心面Fから表側に約18.2mm離れた位置とし、かつ、ホイール径方向位置を、中心軸線Lを中心として約368.9mmの直径により形成される円周位置とするところに設けられている。
また、この自動車用ホイール61を成すリム2は、実施例1と同じものを用いている。このように、比較例2の自動車用ホイール61は、ディスク63を、リム2のドロップ部13に接合するように、意匠部66からディスクフランジ部62を延成された形状とした以外は、上述した実施例1と同じ構成としている。したがって、同じ形状の構成には、その説明を省略し、同じ符号を付記している。尚、上述した比較例1と同様、ディスク63に設けられている屈曲部68は、実施例1とその屈曲形状が多少異なるものとなっている。一方、折曲部15は、実施例1と同じ構成である。
次に、上述した実施例1及び実施例2の自動車用ホイール1に、所定のタイヤを装着して自動車に取り付けた後、実走行テストを行った。同様に、比較例1の自動車用ホイール51及び比較例2の自動車用ホイール61にも、タイヤを装着して自動車に取り付けて実走行テストを行った。ここで、各ホイールに装着するタイヤは、同じ種類のものを用い、同じ自動車に順次取り付けてテストを行なっている。この実走行テストでは、直進走行と、ハンドルを所定量だけ左右に切って走行すること(例えば、旋回走行やレーンチェンジなど)とを繰り返し、搭乗者による乗り心地と運転者による操安性とを、それぞれの感性に基づいて評価することとした。この評価結果を、図3に示す。ここで、各評価は5段階評価とし、数値が大きいほど優れていることを表している。
図3に示すように、乗り心地及び操安性の両者とも、本発明にかかる実施例1及び実施例2の自動車用ホイール1は、優れた評価を得た。そして、実施例1の自動車用ホイール1は、従来構成の、比較例1,2の自動車用ホイール51,61に比して、乗り心地及び操安性の両者で高い優位性を示した。
この評価結果から、本実施例1,2の自動車用ホイール1では、タイヤを介してホイールに作用する振動や、タイヤ(ホイール)の向きを変えた場合に発生する横力と径方向反力との合力を充分に緩和できるため、これらを車軸にしなやかに伝えることとなり、乗り心地や操安性に優れた結果が得られた。ここで、前記振動や横力及び径方向反力が作用すると、固結部9が変形を生じない変形支持節となって、表裏両側のビードシート部11a,11b及びフランジ部10a,10bを内外方向に変位するように変形する。さらに、ディスク3の屈曲部8が第一変曲節となって、意匠部6を内方へ変位するように曲げ変形すると共に、リム2の折曲部15が第二変曲節となって、裏側ビードシート部11b及びフランジ部10bを内外方向に変位するように曲げ変形する。このような変形は、ホイールが全体的に撓むように生じることとなるため、振動や横力及び径方向反力を効率的かつ適当に緩和することができることとなっている。したがって、瞬間的かつ急激に入力される外力をも、車軸にはしなやかな状態に変換されて伝わることとなる。尚、走行中のロードノイズも少なく、優れた静粛性を発揮していた。これは、リム2のドロップ部13を適当な深さに設定したことによる。
一方、比較例1の自動車用ホイール51では、接合部59が表側ビードシート部11aに設けられていることから、該表側ビードシート部11aやフランジ部10aから作用した振動が、ディスク53を通じて直接的に車軸に伝わることとなるため、乗り心地を高めることができない。また、この比較例1の自動車用ホイール51にあっては、ディスク53が実施例1に比して外径が大きくなっており、ディスク53の軸方向剛性は低下する傾向にある。このため、リム2とディスク53との剛性バランスが崩れ、横力と径方向反力との合力が作用した場合には、該横力によりディスク53の屈曲部8が、実施例1に比して一層曲げ変形し易くなってしまう。このように屈曲部8が曲げ変形容易となると(剛性低下すると)、ハンドルを切って当該自動車用ホイール51(タイヤ)の向きを変える場合に、該ハンドル操作に対する当該自動車用ホイール51(タイヤ)の追従性が鈍くなる傾向となり、操安性を高めることができない。すなわち、屈曲部8が適当な剛性となる実施例1の構成が、高い操安性を発揮するために必要である。
また、比較例2の自動車用ホイール61では、接合部69がドロップ部13に設けられていることから、裏側ビードシート部11bから作用した外力に対して、該裏側ビードシート部11b及びフランジ部10bの変位量が小さくなる。また、表側ビードシート部11aから作用した外力に対しても、ディスクフランジ部62がドロップ部13に内嵌しているために、表側ビードシート部11a及びフランジ部10aの内方への変形量も、実施例1とほぼ同レベルである。したがって、ビードシート部11bに作用した振動を緩和する作用に乏しく、乗り心地を充分に高めることができない。一方、横力及び径方向反力が作用した場合には、意匠部66からディスクフランジ部62に連成する屈曲した部位が曲げ変形することとなり、屈曲部8が曲げ変形できず、撓む領域が小さくなる。このため、変位量も少なくなり、横力を緩和する作用に乏しく、操安性を高めることもできない。
このような従来構成の、比較例1,2の自動車用ホイール51,61では、タイヤを介して振動や横力と径方向反力との合力が作用した場合に、乗り心地や操安性を向上させる効果が発揮できていない。而して、本実施例1,2の自動車用ホイール1が、乗り心地と操安性で高い優位性を発揮できることが確認された。
尚、このような本実施例1,2にあっては、固結部9、屈曲部8,折曲部15の位置を上述のように所定の位置に設けた構成であるが、この位置を特定の範囲内で変更した構成とすることもできる。ここで、固結部9は、リム幅Hが7インチ以下である場合、離間距離h0をリム幅Hの20%以上30%以下となるようにし、直径r0をリム径Rの80%以上約96%以下となるようにする位置に設けることができる。リム幅Hが7インチを越える場合、離間距離h0をリム幅Hの30%以上40%以下とし、直径r0をリム径Rの80%以上96%以下とする位置に設けることもできる。また、屈曲部8は、離間距離h1をリム幅Hの10%以上60%以下となるようにし、直径r1をリム径Rの35%以上60%以下となるようにする位置に設けることができる。また、折曲部15は、リム幅Hが7インチ以下である場合、離間距離h2をリム幅Hの20%以上30%以下となるようにし、直径r2をリム径Rの80%以上95%以下となるようにする位置に設けることができる。リム幅Hが7インチを越える場合、離間距離h2をリム幅Hの30%以上40%以下とし、直径r2をリム径Rの80%以上96%以下とする位置に設けることもできる。このような特定の範囲内となる位置に、固結部9、屈曲部8、折曲部15を設けることによっても、上述した実施例1,2と同様の作用効果を発揮するものとなる。
さらに、リム2のドロップ部13にあって、その深さp及びその板厚tを特定の範囲内で変更した構成とすることもできる。ドロップ部13の深さpは、該深さpを規定する外径r3を、リム径Rの80%以上95%以下となるように設けることができる。一方、ドロップ部13の板厚tを、ビードシート部11bの板厚t0に対して50%以上70%以下となるようにすることができる。かかる特定の範囲内となるように、ドロップ部13を成形することによっても、上述した実施例1,2と同様の作用効果を奏するものとできる。
また、このような本実施例にあっては、リム2とディスク3とを溶接してなる2ピースタイプのホイールの構成としているが、この他、鋳造成形により製造される1ピースタイプのアルミニウム合金製ホイールにあっても、本発明にかかる固結部、屈曲部、折曲部を備えた構成とすることにより、上述と同様の、乗り心地と操安性に優れるという作用効果を発揮するものとなる。
さらにまた、本発明にかかる自動車用ホイール1は、上述した従来の、リムとディスクとをゴム弾性体を介して接合する構成と異なり、該ゴム弾性体を使用していない。そのため、当該従来構成のように、ゴム弾性体の劣化を懸念する必要も無い。また、ゴム弾性体を、リムとディスクとの間に介在させるための工程を、本発明のホイール製造工程では要しないことから、製造時間や製造コストの面で有利である。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、スチール製の自動車用ホイールにあっても、優れた乗り心地と操安性とを発揮するものとできる。
本発明にかかる自動車用ホイール1(実施例1,2)の断面図である。 自動車用ホイール1の、固結部9、屈曲部8、折曲部15の各位置関係を表す説明図である。 実走行テストによる操安性と乗り心地との評価結果を表す図表である。 従来構成の、比較例1の自動車用ホイール51の断面図である。 従来構成の、比較例2の自動車用ホイール61の断面図である。
符号の説明
1 自動車用ホイール
2 リム
3 ディスク
5 ハブ取付部
6 意匠部
8 屈曲部(第一変曲節)
9 固結部(変形支持節)
10a,10b フランジ部
11a,11b ビードシート部
14a,14b ウエル部
15 折曲部(第二変曲部)
R リム径
H リム幅

Claims (5)

  1. 車軸のハブに連結される略円板状のハブ取付部を備えたディスクと、タイヤのビードが着座するビードシート部及び該ビードを側方から支持するフランジ部を表裏両側に備えたリムとからなる自動車用ホイールにおいて、
    前記リムの、タイヤ装着時に該タイヤのビードを一旦落とすためのドロップ部と表側ビードシート部との間に設けられた表側ウエル部に、ディスクの外周縁が接合又は一体的に連成された固結部と、
    前記ディスクの、ハブ取付部の周縁から表側に膨隆する意匠部の、その内周部位に裏方へ屈曲する屈曲部と、
    リムの、ドロップ部の裏側周縁から外方へ立ち上がる裏側ウエル部と該ドロップ部との間の、折曲部と
    を備えてなることを特徴とする自動車用ホイール。
  2. 装着されたタイヤから、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用した場合には、リムとディスクとを接合又は一体的に連成する固結部が、表裏両側のビードシート部及びフランジ部を内外方向に変位する変形を支持する変形支持節となり、
    装着されたタイヤから、ホイール径方向に沿って内方へ外力が作用し、かつホイール軸方向に沿って裏方へ外力が作用した場合には、ディスクの屈曲部が、ディスクの意匠部を全体的に表裏方向に変位するように曲げ変形する第一変曲節となると共に、リムの折曲部が、裏側のビードシート部及びフランジ部を内方向に変位するように曲げ変形する第二変曲節となるものであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイール。
  3. リムのドロップ部は、その外径が、ホイール中心軸線を中心として、リム径に対して80%以上95%以下となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車用ホイール。
  4. リムのドロップ部が、リムのビードシート部の板厚に対して50%以上70%以下の板厚となるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動車用ホイール。
  5. ディスクとリムとの固結部は、ホイール軸方向位置が、リム幅のホイール軸方向中心面から表側へ離間する距離を、リム幅が7インチ以下のホイールの場合はリム幅の20%以上30%以下とし、又は、リム幅が7インチを越えるホイールの場合はリム幅の30%以上40%以下とする位置にあり、かつ、ホイール径方向位置が、ホイール中心軸線を中心として、リム径に対して80%以上96%以下となる直径により形成される円周位置にあるように設けられ、
    ディスクの屈曲部は、ホイール軸方向位置が、ハブ取付部の裏面から表側へ離間する距離を、リム幅の10%以上60%以下とする位置にあり、かつ、ホイール径方向位置が、ホイール中心軸線を中心として、リム径の35%以上60%以下となる直径により形成される円周位置にあるように設けられ、
    リムの折曲部は、ホイール軸方向位置が、リム幅のホイール軸方向中心面から裏側へ離間する距離を、リム幅が7インチ以下のホイールの場合はリム幅の20%以上30%以下とし、又は、リム幅が7インチを越えるホイールの場合はリム幅の30%以上40%以下とする位置にあり、かつ、ホイール径方向位置が、ホイール中心軸線を中心として、リム径に対して80%以上95%以下となる直径により形成される円周位置にあるように設けられた請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自動車用ホイール。

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