JP2006164022A - 維持管理計画システム - Google Patents

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弘之 羽鳥
Yoshitaka Toukou
吉孝 東耕
Kuniaki Okajima
国明 岡嶋
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Abstract

【課題】各種自然災害の発生確率等を考慮しダメージを加味してライフサイクルコストを算定する維持管理計画システムを得る。
【解決手段】建物の種類に対応したライフサイクルを含む設計データ、建物のライフサイクル期間中の各種コストを含む事業データ、複数の自然災害の発生確率を含む複数自然災害発生確率情報4を格納するデータベース2と、建物の種類及び場所を入力する入力装置と、入力した建物の種類及び場所に基づき、設計データを参照して建物のライフサイクルを求め、事業データを参照して建物のライフサイクル期間中の各種コストを積算し建物のライフサイクルコストを求め、事業データ、複数自然災害発生確率情報を参照して建物のダメージコストを求め、前記ライフサイクルコストに前記ダメージコストを加味したライフサイクルコストを演算するコンピュータ1と、演算された建物のライフサイクルコストを表示する表示装置5とを設けた。
【選択図】図16

Description

この発明は、各種自然災害の発生確率や内容、影響を受ける地域を記したハザードマップの情報を用いて、それによる今後10〜100年間の土木建造物や公共設備などの建物が受けるダメージを加味したライフサイクルコスト(トータル維持管理コスト)を算定可能とする維持管理計画システムに関するものである。
従来の維持管理システムでは建造物被害を予想する際に、過去に起きた地震の被害データを利用して破壊確率を算出しているが、その地域の将来の地震発生確率情報を利用していなかったり(例えば、特許文献1及び3参照)、過去および将来の地震発生確率や、発生地震波の特性を考慮していても、火山噴火や洪水、風水害等の他の自然(気象)災害の発生確率についての評価まではしていない(例えば、特許文献2及び4参照)。
特開2003−132296号公報 特開2003−296396号公報 特開2003−344213号公報 特開2003−155776号公報
従来の維持管理計画システムでは、土木建造物や公共設備などの建物の維持管理計画に際し、その地域の地震、火山噴火、風水害、洪水などの統計的、あるいは科学的被害の確率情報(ハザードマップ情報)を総合的に考慮しておらず、地震や火山噴火、風水害など自然災害の発生確率が高い地域ではライフサイクルコストが高くなるにもかかわらず貧弱な維持管理がなされ、また発生確率が低い地域にあっては過剰な維持管理計画となるなどの問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、各種自然災害の発生確率や内容、地域を記したハザードマップデータを考慮して複合自然災害の影響を受ける傾向の大小に応じた今後10〜100年間のダメージを加味してライフサイクルコストを算定する維持管理計画システムを得るものである。
この発明に係る維持管理計画システムは、建物の種類に対応したライフサイクルを含む設計データ、前記建物のライフサイクル期間中の各種コストを含む事業データ、及び複数の自然災害の発生確率を含む複数自然災害発生確率情報を格納するデータベースと、建物の種類及び前記建物の場所を入力する入力装置と、入力した建物の種類及び場所に基づき、前記データベースの設計データを参照して前記建物のライフサイクルを求め、前記データベースの事業データを参照して前記建物のライフサイクル期間中の各種コストを積算し前記建物の第1のライフサイクルコストを求め、前記データベースの事業データ及び複数自然災害発生確率情報を参照して前記建物のダメージコストを求め、前記第1のライフサイクルコストと前記ダメージコストを加算して前記建物の第2のライフサイクルコストを演算する演算装置と、前記演算装置により演算された前記建物の第2のライフサイクルコストを表示する表示装置とを設けたものである。
この発明に係る維持管理計画システムは、当該地域の建造物や公共施設のライフサイクルコストの総合的な算定精度を高め、それに基づいてより効果的な維持管理計画を立てられるという効果を奏する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る維持管理計画システムについて図1から図4までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、この実施の形態1に係る維持管理計画システムは、パソコンなどのコンピュータ(演算装置)1と、大容量の記憶装置に格納された統合型データベース(DB)2と、表示装置5とが設けられている。この他に、図示していないが、キーボード、ライトペンや、タブレットなどの入力装置が設けられている。
統合型データベース(DB)2には、ハザードマップ3の1つとして、長期発生確率情報としての活断層地震の発生規模や発生確率情報から構成される活断層地震発生確率情報4Aが格納されている。また、土木建造物(橋梁、堤防、水道管など)や公共施設などの建物の種類に対応したライフサイクルを含む設計データ、建物のライフサイクル期間中の各種コストを含む事業データ、積算データ、施設維持管理データなどが格納されている。
それらの情報から対象とする土木建造物や公共施設などの建物の立地条件の将来のダメージコストを定義する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る維持管理計画システムの活断層地震発生確率情報の構成を示す図である。図2において、活断層地震発生確率情報4Aは、地域(緯度、経度)に対応した「断層名」と、「長期評価予想マグニチュード」と、「30年以内の地震発生確率」と、「50年以内の地震発生確率」と、「100年以内の地震発生確率」と、「平均活動間隔」と、「最新活動時期」とから構成されている。
つぎに、この実施の形態1に係る維持管理計画システムの動作について図面を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態1に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。また、図4は、この発明の実施の形態1に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコスト示すグラフである。
国の地震調査研究推進本部が発表する活断層地震の長期評価情報に基づいて、断層の走る地域における発生地震のマグニチュード、発生確率を用いて当該地域の土木建造物や公共施設などの建物のダメージを考慮し、ライフサイクルコストを算出する。
図3は、コンピュータ1が当該地域の土木建造物や公共施設などの建物のライフサイクルコストを算出する際のフローを示す。ライフサイクルコストの算出に引き続いて、ハザードマップ3の1つである、活断層地震発生確率情報4Aを参照して、ダメージコストの算定を行い、ダメージコストを加味したライフサイクルコストの算出を行う。
ステップ101において、コンピュータ1は、機能水準の設定を行う。まず、入力装置により、土木建造物や公共施設などの建物の種類を入力する。土木建造物には、橋梁や、堤防、水道管などがある。また、入力装置により、当該建物の地域(緯度、経度)などの立地条件を入力する。
次に、ステップ102において、劣化過程の設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、コンクリート、可動部分等の劣化を考慮して、例えば、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクル(耐用年数)を求める。図4に示す例では、当該土木建造物の完成後からのライフサイクルとして17年が設定される。
次に、ステップ103において、費用の設定を行う。統合型データベース2中の事業データなどを参照して、当該土木建造物の初期投資(建設コスト)を求める。
次に、ステップ104において、修繕ルールの設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、当該土木建造物の修繕周期と修繕コストを求める。また、毎年の保守コストを求める。さらに、当該土木建造物のライフサイクル後の廃棄コストを求める。なお、ステップ101〜104は一体として行われる。図4に示す例では、当該土木建造物の完成後からの修繕周期として6年が設定される。
次に、ステップ105において、ライフサイクルコストの算出を行う。初期投資(建設コスト)と、毎年の保守コストと、修繕コストと、廃棄コストとを積算して、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクルコストを求め、統合型データベース2に格納する。
図4に示すように、もし活断層地震が発生しなければ、当該土木建造物のライフサイクルの間には、建設コスト以外に、毎年の保守コストや、定期的に行われる修繕コストがあり、最後の廃棄コストまで含めたものが当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。図4に示す例では、建設コストと、6年目と12年目の修繕コストと、1年目〜5年目と7年目〜11年目と13年目〜17年目の毎年の保守コストと、廃棄コストの積算が当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。
そして、ステップ106において、活断層地震ダメージの評価、つまり、ダメージコストの加味を行う。土木建造物の想定ライフサイクル期間中に活断層地震が発生した場合に、発生しなかった場合に比べて何倍のコスト(再建、復旧、予防保守など)が必要になるかをダメージコストと呼び、以下のように定義する。このライフサイクルの期間に活断層地震が発生した場合は、土木建造物が破損したり修繕が必要となったり、または毎年の保守費用が嵩んだりする。このステップで考慮したダメージコストは、(1)対象土木建造物が全壊する場合、(2)修繕で機能復帰できる場合、(3)毎年の保守を予防保守的に手厚くする事で乗り切れる場合、の3ケースに分けておのおのダメージコストを定義する。求めたダメージコストと、ダメージコストを加味したライフサイクルコストは、統合型データベース2に格納する。
(1)活断層地震で対象物の全破壊が想定される場合
ダメージコストA1=建設コスト×ライフサイクル期間中に活断層地震が発生する確率
(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合
ダメージコストB1=1回の修繕コスト×ライフサイクル期間中に活断層地震が発生する確率
(3)破壊や修繕は必要ないが毎年の予防保守費用が嵩む場合
ダメージコストC1=ライフサイクル期間中の全予防保守コスト×ライフサイクル期間中に活断層地震が発生する確率
ダメージコストA1は、当該土木建造物の建設コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)の断層の30年以内の地震発生確率を掛算した値となる。従って、(1)活断層地震で当該土木建造物の全破壊が想定される場合のダメージコストA1を加味した値は、上記ステップ105で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストA1を加算した値となる。
ダメージコストB1は、当該土木建造物の1回目と2回目の平均修繕コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)の断層の30年以内の地震発生確率を掛算した値となる。従って、(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合のダメージコストB1を加味した値は、上記ステップ105で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストB1を加算した値となる。
ダメージコストC1は、当該土木建造物のライフサイクル期間中の全保守コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)の断層の30年以内の地震発生確率を掛算した値となる。従って、(3)破壊や修繕は必要ないが毎年の予防保守費用が嵩む場合のダメージコストC1を加味した値は、上記ステップ105で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストC1を加算した値となる。
なお、(1)対象土木建造物が全壊する場合、(2)修繕で機能復帰できる場合、(3)毎年の保守を予防保守的に手厚くする事で乗り切れる場合の3ケースの場合分けは、活断層地震発生確率情報4A中の、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)の断層地震の「長期評価予想マグニチュード」による。
コンピュータ1は、入力装置のダメージコスト表示操作により、図1に示すように、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物の求めたダメージコストを表示装置5の地図表示ウィンドウの表示領域6に表示したり、入力装置のライフサイクルコスト表示操作により、図4に示すような、当該土木建造物のダメージコストを加味したライフサイクルコストを表示装置5に表示したりする。
以上のように活断層地震の長期発生確率を活用し対象物のダメージを評価するので、活断層が走る地域の建造物や公共施設などの建物のライフサイクルコストの算定精度を高め、それに基づいてより効果的な維持管理計画を立てられるという効果がある。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る維持管理計画システムについて図5から図8までを参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態2に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。
図5において、この実施の形態2に係る維持管理計画システムは、パソコンなどのコンピュータ(演算装置)1と、大容量の記憶装置に格納された統合型データベース(DB)2と、表示装置5とが設けられている。この他に、図示していないが、キーボード、ライトペンや、タブレットなどの入力装置が設けられている。
統合型データベース(DB)2には、ハザードマップ3の1つとして、長期発生確率情報としての海溝地震の発生規模や発生確率情報から構成される海溝地震発生確率情報4Bが格納されている。また、土木建造物(橋梁、堤防、水道管など)や公共施設などの建物の種類に対応したライフサイクルを含む設計データ、建物のライフサイクル期間中の各種コストを含む事業データ、積算データ、施設維持管理データなどが格納されている。
それらの情報から対象とする土木建造物や公共施設などの建物の立地条件の将来のダメージコストを定義する。
図6は、この発明の実施の形態2に係る維持管理計画システムの海溝地震発生確率情報の構成を示す図である。図6において、海溝地震発生確率情報4Bは、地域(緯度、経度)に対応した「海溝地震名」と、「長期評価予想マグニチュード」と、「30年以内の地震発生確率」と、「50年以内の地震発生確率」と、「100年以内の地震発生確率」と、「平均発生間隔」と、「最近発生時期」とから構成されている。
つぎに、この実施の形態2に係る維持管理計画システムの動作について図面を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施の形態2に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。また、図8は、この発明の実施の形態2に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコスト示すグラフである。
国の地震調査研究推進本部が発表する海溝型巨大地震の長期評価情報に基づいて、発生する地震規模による当該地域の想定マグニチュード、想定津波被害、地震の発生確率を用いて当該地域の土木建造物や公共施設などの建物のダメージを考慮し、ライフサイクルコストを算出する。
図7は、コンピュータ1が当該地域の土木建造物や公共施設などの建物のライフサイクルコストを算出する際のフローを示す。ライフサイクルコストの算出に引き続いて、ハザードマップ3の1つである、海溝地震発生確率情報4Bを参照して、ダメージコストの算定を行い、ダメージコストを加味したライフサイクルコストの算出を行う。
ステップ201において、コンピュータ1は、機能水準の設定を行う。まず、入力装置により、土木建造物や公共施設などの建物の種類を入力する。土木建造物には、橋梁や、堤防、水道管などがある。また、入力装置により、当該建物の地域(緯度、経度)などの立地条件を入力する。
次に、ステップ202において、劣化過程の設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、コンクリート、可動部分等の劣化を考慮して、例えば、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクル(耐用年数)を求める。図8に示す例では、当該土木建造物の完成後からのライフサイクルとして17年が設定される。
次に、ステップ203において、費用の設定を行う。統合型データベース2中の事業データなどを参照して、当該土木建造物の初期投資(建設コスト)を求める。
次に、ステップ204において、修繕ルールの設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、当該土木建造物の修繕周期と修繕コストを求める。また、毎年の保守コストを求める。さらに、当該土木建造物のライフサイクル後の廃棄コストを求める。なお、ステップ201〜204は一体として行われる。図8に示す例では、当該土木建造物の完成後からの修繕周期として6年が設定される。
次に、ステップ205において、ライフサイクルコストの算出を行う。初期投資(建設コスト)と、毎年の保守コストと、修繕コストと、廃棄コストとを積算して、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクルコストを求め、統合型データベース2に格納する。
図8に示すように、もし海溝地震が発生しなければ、当該土木建造物のライフサイクルの間には、建設コスト以外に、毎年の保守コストや、定期的に行われる修繕コストがあり、最後の廃棄コストまで含めたものが当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。図8に示す例では、建設コストと、6年目と12年目の修繕コストと、1年目〜5年目と7年目〜11年目と13年目〜17年目の毎年の保守コストと、廃棄コストの積算が当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。
そして、ステップ206において、海溝地震ダメージの評価、つまり、ダメージコストの加味を行う。土木建造物の想定ライフサイクル期間中に海溝地震が発生した場合に、発生しなかった場合に比べて何倍のコスト(再建、復旧、予防保守など)が必要になるかをダメージコストと呼び、以下のように定義する。このライフサイクルの期間に海溝地震が発生した場合は、土木建造物が破損したり修繕が必要となったり、または毎年の保守費用が嵩んだりする。このステップで考慮したダメージコストは、(1)対象土木建造物が全壊する場合、(2)修繕で機能復帰できる場合、(3)毎年の保守を予防保守的に手厚くする事で乗り切れる場合、の3ケースに分けておのおのダメージコストを定義する。求めたダメージコストと、ダメージコストを加味したライフサイクルコストは、統合型データベース2に格納する。
(1)海溝型巨大地震やそれにより発生した津波等で対象物の全破壊が想定される場合
ダメージコストA2=建設コスト×ライフサイクル期間中に海溝地震が発生する確率
(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合
ダメージコストB2=1回の修繕コスト×ライフサイクル期間中に海溝地震が発生する確率
(3)破壊や修繕は必要ないが毎年の予防保守費用が嵩む場合
ダメージコストC2=ライフサイクル期間中の全予防保守コスト×ライフサイクル期間中に海溝地震が発生する確率
ダメージコストA2は、当該土木建造物の建設コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける海溝の30年以内の地震発生確率を掛算した値となる。従って、(1)海溝地震で当該土木建造物の全破壊が想定される場合のダメージコストA2を加味した値は、上記ステップ205で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストA2を加算した値となる。
ダメージコストB2は、当該土木建造物の1回目と2回目の平均修繕コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける海溝の30年以内の地震発生確率を掛算した値となる。従って、(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合のダメージコストB2を加味した値は、上記ステップ205で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストB2を加算した値となる。
ダメージコストC2は、当該土木建造物のライフサイクル期間中の全保守コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける海溝の30年以内の地震発生確率を掛算した値となる。従って、(3)破壊や修繕は必要ないが毎年の予防保守費用が嵩む場合のダメージコストC2を加味した値は、上記ステップ205で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストC2を加算した値となる。
なお、(1)対象土木建造物が全壊する場合、(2)修繕で機能復帰できる場合、(3)毎年の保守を予防保守的に手厚くする事で乗り切れる場合の3ケースの場合分けは、海溝地震発生確率情報4B中の、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける海溝地震の「長期評価予想マグニチュード」による。
コンピュータ1は、入力装置のダメージコスト表示操作により、図5に示すように、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物の求めたダメージコストを表示装置5の地図表示ウィンドウの表示領域6に表示したり、入力装置のライフサイクルコスト表示操作により、図8に示すような、当該土木建造物のダメージコストを加味したライフサイクルコストを表示装置5に表示したりする。
以上のように海溝型活巨大地震の長期発生確率を活用して対象物のダメージを評価するので、地震の影響を直接受ける地域と津波による被害を受ける地域の建造物や公共施設などの建物のライフサイクルコストの算定精度を高め、それに基づいてより効果的な維持管理計画を立てられるという効果がある。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る維持管理計画システムについて図9から図11までを参照しながら説明する。図9は、この発明の実施の形態3に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。
図9において、この実施の形態3に係る維持管理計画システムは、パソコンなどのコンピュータ(演算装置)1と、大容量の記憶装置に格納された統合型データベース(DB)2と、表示装置5とが設けられている。この他に、図示していないが、キーボード、ライトペンや、タブレットなどの入力装置が設けられている。
統合型データベース(DB)2には、ハザードマップ3の1つとして、長期発生確率情報としての火山噴火の発生規模や発生確率情報から構成される火山噴火活動確率情報4Cが格納されている。また、土木建造物(橋梁、堤防、水道管など)や公共施設などの建物の種類に対応したライフサイクルを含む設計データ、建物のライフサイクル期間中の各種コストを含む事業データ、積算データ、施設維持管理データなどが格納されている。
それらの情報から対象とする土木建造物や公共施設などの建物の立地条件の将来のダメージコストを定義する。
火山噴火活動確率情報4Cは、地域(緯度、経度)に対応した「火山名」と、「長期評価予想規模」と、「30年以内の噴火発生確率」と、「50年以内の噴火発生確率」と、「100年以内の噴火発生確率」と、「平均発生間隔」と、「最近発生時期」とから構成されている。
つぎに、この実施の形態3に係る維持管理計画システムの動作について図面を参照しながら説明する。図10は、この発明の実施の形態3に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。また、図11は、この発明の実施の形態3に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコスト示すグラフである。
気象庁や自治体が発表する活火山活動周期情報や噴火時の被害エリアの情報に基づいて、当該地域の土木建造物や公共施設などの建物の溶岩流、火砕流、降灰、噴石による破壊等のダメージを考慮し、ライフサイクルコストを算出する。
図10は、コンピュータ1が当該地域の土木建造物や公共施設などの建物のライフサイクルコストを算出する際のフローを示す。ライフサイクルコストの算出に引き続いて、ハザードマップ3の1つである、火山噴火活動確率情報4Cを参照して、ダメージコストの算定を行い、ダメージコストを加味したライフサイクルコストの算出を行う。
ステップ301において、コンピュータ1は、機能水準の設定を行う。まず、入力装置により、土木建造物や公共施設などの建物の種類を入力する。土木建造物には、橋梁や、堤防、水道管などがある。また、入力装置により、当該建物の地域(緯度、経度)などの立地条件を入力する。
次に、ステップ302において、劣化過程の設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、コンクリート、可動部分等の劣化を考慮して、例えば、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクル(耐用年数)を求める。図11に示す例では、当該土木建造物の完成後からのライフサイクルとして17年が設定される。
次に、ステップ303において、費用の設定を行う。統合型データベース2中の事業データなどを参照して、当該土木建造物の初期投資(建設コスト)を求める。
次に、ステップ304において、修繕ルールの設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、当該土木建造物の修繕周期と修繕コストを求める。また、毎年の保守コストを求める。さらに、当該土木建造物のライフサイクル後の廃棄コストを求める。なお、ステップ301〜304は一体として行われる。図11に示す例では、当該土木建造物の完成後からの修繕周期として6年が設定される。
次に、ステップ305において、ライフサイクルコストの算出を行う。初期投資(建設コスト)と、毎年の保守コストと、修繕コストと、廃棄コストとを積算して、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクルコストを求め、統合型データベース2に格納する。
図11に示すように、もし火山噴火が発生しなければ、当該土木建造物のライフサイクルの間には、建設コスト以外に、毎年の保守コストや、定期的に行われる修繕コストがあり、最後の廃棄コストまで含めたものが当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。図11に示す例では、建設コストと、6年目と12年目の修繕コストと、1年目〜5年目と7年目〜11年目と13年目〜17年目の毎年の保守コストと、廃棄コストの積算が当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。
そして、ステップ306において、火山噴火ダメージの評価、つまり、ダメージコストの加味を行う。土木建造物の想定ライフサイクル期間中に火山噴火が発生した場合に、発生しなかった場合に比べて何倍のコスト(再建、復旧、予防保守など)が必要になるかをダメージコストと呼び、以下のように定義する。このライフサイクルの期間に火山噴火が発生した場合は、土木建造物が破損したり修繕が必要となったり、または毎年の保守費用が嵩んだりする。このステップで考慮したダメージコストは、(1)対象土木建造物が全壊する場合、(2)修繕で機能復帰できる場合、(3)毎年の保守を予防保守的に手厚くする事で乗り切れる場合、の3ケースに分けておのおのダメージコストを定義する。求めたダメージコストと、ダメージコストを加味したライフサイクルコストは、統合型データベース2に格納する。
(1)火山活動(溶岩流、火砕流、噴石)によって対象物の全破壊が想定される場合
ダメージコストA3=建設コスト×ライフサイクル期間中に火山噴火が発生する確率
(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合
ダメージコストB3=1回の修繕コスト×ライフサイクル期間中に火山噴火が発生する確率
(3)破壊や修繕は必要ないが降灰等により毎年の予防保守費用が嵩む場合
ダメージコストC3=ライフサイクル期間中の全予防保守コスト×ライフサイクル期間中に火山噴火が発生する確率
ダメージコストA3は、当該土木建造物の建設コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける火山噴火の30年以内の地震発生確率を掛算した値となる。従って、(1)火山噴火で当該土木建造物の全破壊が想定される場合のダメージコストA3を加味した値は、上記ステップ305で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストA3を加算した値となる。
ダメージコストB3は、当該土木建造物の1回目と2回目の平均修繕コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける火山噴火の30年以内の発生確率を掛算した値となる。従って、(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合のダメージコストB3を加味した値は、上記ステップ305で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストB3を加算した値となる。
ダメージコストC3は、当該土木建造物のライフサイクル期間中の全保守コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける火山噴火の30年以内の発生確率を掛算した値となる。従って、(3)破壊や修繕は必要ないが毎年の予防保守費用が嵩む場合のダメージコストC3を加味した値は、上記ステップ305で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストC3を加算した値となる。
なお、(1)対象土木建造物が全壊する場合、(2)修繕で機能復帰できる場合、(3)毎年の保守を予防保守的に手厚くする事で乗り切れる場合の3ケースの場合分けは、火山噴火活動確率情報4C中の、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける火山噴火の「長期評価予想規模」による。
コンピュータ1は、入力装置のダメージコスト表示操作により、図9に示すように、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物の求めたダメージコストを表示装置5の地図表示ウィンドウの表示領域6に表示したり、入力装置のライフサイクルコスト表示操作により、図11に示すような、当該土木建造物のダメージコストを加味したライフサイクルコストを表示装置5に表示したりする。
以上のように活火山の発生確率を活用して対象物のダメージを評価するので、火山活動が起こった場合に溶岩流、火砕流、噴石、降灰などの影響を受ける地域の建造物や公共施設などの建物のライフサイクルコストの算定精度を高め、それに基づいてより効果的な維持管理計画を立てられるという効果がある。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る維持管理計画システムについて図12から図15までを参照しながら説明する。図12は、この発明の実施の形態4に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。
図12において、この実施の形態4に係る維持管理計画システムは、パソコンなどのコンピュータ(演算装置)1と、大容量の記憶装置に格納された統合型データベース(DB)2と、表示装置5とが設けられている。この他に、図示していないが、キーボード、ライトペンや、タブレットなどの入力装置が設けられている。
統合型データベース(DB)2には、ハザードマップ3の1つとして、長期発生確率情報としての集中豪雨や台風の発生規模や発生確率情報から構成される集中豪雨発生確率情報4Dが格納されている。また、土木建造物(橋梁、堤防、水道管など)や公共施設などの建物の種類に対応したライフサイクルを含む設計データ、建物のライフサイクル期間中の各種コストを含む事業データ、積算データ、施設維持管理データなどが格納されている。
それらの情報から対象とする土木建造物や公共施設などの建物の立地条件の将来のダメージコストを定義する。
図13は、この発明の実施の形態4に係る維持管理計画システムの集中豪雨発生確率情報の構成を示す図である。図13において、集中豪雨発生確率情報4Dは、地域(緯度、経度)に対応した「地域名」と、「最大降水量」と、「30年以内の集中豪雨発生確率」と、「50年以内の集中豪雨発生確率」と、「100年以内の集中豪雨発生確率」とから構成されている。
つぎに、この実施の形態4に係る維持管理計画システムの動作について図面を参照しながら説明する。図14は、この発明の実施の形態4に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。また、図15は、この発明の実施の形態4に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコスト示すグラフである。
気象庁や自治体が発表する集中豪雨や台風襲来確率情報に基づいて、当該地域の土木建造物や公共施設などの建物の洪水高潮による浸水、暴風による破壊、土砂崩れによる破壊等のダメージを考慮し、ライフサイクルコストを算出する。
図14は、コンピュータ1が当該地域の土木建造物や公共施設などの建物のライフサイクルコストを算出する際のフローを示す。ライフサイクルコストの算出に引き続いて、ハザードマップ3の1つである、集中豪雨発生確率情報4Dを参照して、ダメージコストの算定を行い、ダメージコストを加味したライフサイクルコストの算出を行う。
ステップ401において、コンピュータ1は、機能水準の設定を行う。まず、入力装置により、土木建造物や公共施設などの建物の種類を入力する。土木建造物には、橋梁や、堤防、水道管などがある。また、入力装置により、当該建物の地域(緯度、経度)などの立地条件を入力する。
次に、ステップ402において、劣化過程の設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、コンクリート、可動部分等の劣化を考慮して、例えば、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクル(耐用年数)を求める。図15に示す例では、当該土木建造物の完成後からのライフサイクルとして17年が設定される。
次に、ステップ403において、費用の設定を行う。統合型データベース2中の事業データなどを参照して、当該土木建造物の初期投資(建設コスト)を求める。
次に、ステップ404において、修繕ルールの設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、当該土木建造物の修繕周期と修繕コストを求める。また、毎年の保守コストを求める。さらに、当該土木建造物のライフサイクル後の廃棄コストを求める。なお、ステップ401〜404は一体として行われる。図15に示す例では、当該土木建造物の完成後からの修繕周期として6年が設定される。
次に、ステップ405において、ライフサイクルコストの算出を行う。初期投資(建設コスト)と、毎年の保守コストと、修繕コストと、廃棄コストとを積算して、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクルコストを求め、統合型データベース2に格納する。
図15に示すように、もし集中豪雨が発生しなければ、当該土木建造物のライフサイクルの間には、建設コスト以外に、毎年の保守コストや、定期的に行われる修繕コストがあり、最後の廃棄コストまで含めたものが当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。図15に示す例では、建設コストと、6年目と12年目の修繕コストと、1年目〜5年目と7年目〜11年目と13年目〜17年目の毎年の保守コストと、廃棄コストの積算が当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。
そして、ステップ406において、集中豪雨ダメージの評価、つまり、ダメージコストの加味を行う。土木建造物の想定ライフサイクル期間中に集中豪雨が発生した場合に、発生しなかった場合に比べて何倍のコスト(再建、復旧、予防保守など)が必要になるかをダメージコストと呼び、以下のように定義する。このライフサイクルの期間に集中豪雨が発生した場合は、土木建造物が破損したり修繕が必要となったり、または毎年の保守費用が嵩んだりする。このステップで考慮したダメージコストは、(1)対象土木建造物が全壊する場合、(2)修繕で機能復帰できる場合、(3)毎年の保守を予防保守的に手厚くする事で乗り切れる場合、の3ケースに分けておのおのダメージコストを定義する。求めたダメージコストと、ダメージコストを加味したライフサイクルコストは、統合型データベース2に格納する。
(1)集中豪雨や台風等による暴風、洪水、土砂崩れ等で対象物の全破壊が想定される場合
ダメージコストA4=建設コスト×ライフサイクル期間中に集中豪雨が発生する確率
(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合
ダメージコストB4=1回の修繕コスト×ライフサイクル期間中に集中豪雨が発生する確率
(3)強風、浸水、高潮等で破壊や修繕は必要ないが毎年の予防保守費用が嵩む場合
ダメージコストC4=ライフサイクル期間中の全予防保守コスト×ライフサイクル期間中に集中豪雨が発生する確率
ダメージコストA4は、当該土木建造物の建設コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける集中豪雨の30年以内の発生確率を掛算した値となる。従って、(1)集中豪雨で当該土木建造物の全破壊が想定される場合のダメージコストA4を加味した値は、上記ステップ405で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストA4を加算した値となる。
ダメージコストB4は、当該土木建造物の1回目と2回目の平均修繕コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける集中豪雨の30年以内の発生確率を掛算した値となる。従って、(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合のダメージコストB4を加味した値は、上記ステップ405で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストB4を加算した値となる。
ダメージコストC4は、当該土木建造物のライフサイクル期間中の全保守コストと、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける集中豪雨の30年以内の発生確率を掛算した値となる。従って、(3)破壊や修繕は必要ないが毎年の予防保守費用が嵩む場合のダメージコストC4を加味した値は、上記ステップ405で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストC4を加算した値となる。
なお、(1)対象土木建造物が全壊する場合、(2)修繕で機能復帰できる場合、(3)毎年の保守を予防保守的に手厚くする事で乗り切れる場合の3ケースの場合分けは、集中豪雨発生確率情報4D中の、当該土木建造物が建てられる地域(緯度、経度)が影響を受ける集中豪雨の「最大降水量」による。
コンピュータ1は、入力装置のダメージコスト表示操作により、図12に示すように、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物の求めたダメージコストを表示装置5の地図表示ウィンドウの表示領域6に表示したり、入力装置のライフサイクルコスト表示操作により、図15に示すような、当該土木建造物のダメージコストを加味したライフサイクルコストを表示装置5に表示したりする。
以上のように集中豪雨や台風の襲来確率を活用して対象物のダメージを評価するので、当該地域の建造物や公共施設などの建物のライフサイクルコストの算定精度を高め、それに基づいてより効果的な維持管理計画を立てられるという効果がある。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る維持管理計画システムについて図16から図18までを参照しながら説明する。図16は、この発明の実施の形態5に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。
図16において、この実施の形態5に係る維持管理計画システムは、パソコンなどのコンピュータ(演算装置)1と、大容量の記憶装置に格納された統合型データベース(DB)2と、表示装置5とが設けられている。この他に、図示していないが、キーボード、ライトペンや、タブレットなどの入力装置が設けられている。
統合型データベース(DB)2には、ハザードマップ3の1つとして、長期発生確率情報としての活断層地震の発生規模や発生確率情報から構成される活断層地震発生確率情報4A、長期発生確率情報としての海溝地震の発生規模や発生確率情報から構成される海溝地震発生確率情報4B、長期発生確率情報としての火山噴火の発生規模や発生確率情報から構成される火山噴火活動確率情報4C、長期発生確率情報としての集中豪雨や台風の発生規模や発生確率情報から構成される集中豪雨発生確率情報4Dなどの複数自然災害発生確率情報4が格納されている。また、土木建造物(橋梁、堤防、水道管など)や公共施設などの建物の種類に対応したライフサイクルを含む設計データ、建物のライフサイクル期間中の各種コストを含む事業データ、積算データ、施設維持管理データなどが格納されている。
それらの情報から対象とする土木建造物や公共施設などの建物の立地条件の将来のダメージコストを定義する。
つぎに、この実施の形態5に係る維持管理計画システムの動作について図面を参照しながら説明する。図17は、この発明の実施の形態5に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。また、図18は、この発明の実施の形態5に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコストを示すグラフである。
国の地震調査研究推進本部が発表する活断層地震の長期評価情報、海溝型巨大の長期評価情報、気象庁や自治体が発表する活火山活動周期情報、集中豪雨や台風襲来確率情報などのハザードマップに記載されている防災情報に基づいて、当該地域の土木建造物や公共施設などの建物の被害のダメージを考慮し、ライフサイクルコストを算出する。
図17は、コンピュータ1が当該地域の土木建造物や公共施設などの建物のライフサイクルコストを算出する際のフローを示す。ライフサイクルコストの算出に引き続いて、ハザードマップ3の1つである、複数自然災害発生確率情報4を参照して、ダメージコストの算定を行い、ダメージコストを加味したライフサイクルコストの算出を行う。
ステップ501において、コンピュータ1は、機能水準の設定を行う。まず、入力装置により、土木建造物や公共施設などの建物の種類を入力する。土木建造物には、橋梁や、堤防、水道管などがある。また、入力装置により、当該建物の地域(緯度、経度)などの立地条件を入力する。
次に、ステップ502において、劣化過程の設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、コンクリート、可動部分等の劣化を考慮して、例えば、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクル(耐用年数)を求める。図18に示す例では、当該土木建造物の完成後からのライフサイクルとして17年が設定される。
次に、ステップ503において、費用の設定を行う。統合型データベース2中の事業データなどを参照して、当該土木建造物の初期投資(建設コスト)を求める。
次に、ステップ504において、修繕ルールの設定を行う。統合型データベース2中の設計データなどを参照して、当該土木建造物の修繕周期と修繕コストを求める。また、毎年の保守コストを求める。さらに、当該土木建造物のライフサイクル後の廃棄コストを求める。なお、ステップ501〜504は一体として行われる。図18に示す例では、当該土木建造物の完成後からの修繕周期として6年が設定される。
次に、ステップ505において、ライフサイクルコストの算出を行う。初期投資(建設コスト)と、毎年の保守コストと、修繕コストと、廃棄コストとを積算して、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物のライフサイクルコストを求め、統合型データベース2に格納する。
図18に示すように、もし自然災害が発生しなければ、当該土木建造物のライフサイクルの間には、建設コスト以外に、毎年の保守コストや、定期的に行われる修繕コストがあり、最後の廃棄コストまで含めたものが当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。図18に示す例では、建設コストと、6年目と12年目の修繕コストと、1年目〜5年目と7年目〜11年目と13年目〜17年目の毎年の保守コストと、廃棄コストの積算が当該土木建造物のライフサイクルコストとなる。
そして、ステップ506において、自然災害ダメージの評価、つまり、ダメージコストの加味を行う。土木建造物の想定ライフサイクル期間中に複数の自然災害が発生した場合に、発生しなかった場合に比べて何倍のコスト(再建、復旧、予防保守など)が必要になるかをダメージコストと呼び、以下のように定義する。このライフサイクルの期間に複数の自然災害が発生した場合は、土木建造物が破損したり修繕が必要となったり、または毎年の保守費用が嵩んだりする。このステップで考慮したダメージコストは、(1)対象土木建造物が全壊する場合、(2)修繕で機能復帰できる場合、(3)毎年の保守を予防保守的に手厚くする事で乗り切れる場合、の3ケースに分けておのおのダメージコストを定義する。同一建物のライフサイクル期間中に複数の自然災害が異なる発生確率で発生する場合は、上記の実施の形態1〜4で求めたように、各々の自然災害毎にダメージコストを算出し、その中の最大のものを採用する。求めたダメージコストと、ダメージコストを加味したライフサイクルコストは、統合型データベース2に格納する。
(1)複数の自然災害によって対象物の全破壊が想定される場合
複合自然災害のダメージコストA=MAX(A1、A2、A3、A4)
(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合
複合自然災害のダメージコストB=MAX(B1、B2、B3、B4)
(3)破壊や修繕は必要ないが毎年の予防保守費用が嵩む場合
複合自然災害のダメージコストC=MAX(C1、C2、C3、C4)
ダメージコストAは、各々の自然災害毎にダメージコストA1〜A4を算出し、その中の最大のものを採用する。従って、(1)複数の自然災害で当該土木建造物の全破壊が想定される場合のダメージコストAを加味した値は、上記ステップ505で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストAを加算した値となる。
ダメージコストBは、各々の自然災害毎にダメージコストB1〜B4を算出し、その中の最大のものを採用する。従って、(2)全破壊はされず復旧と修繕で対応できる想定の場合のダメージコストBを加味した値は、上記ステップ505で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストBを加算した値となる。
ダメージコストCは、各々の自然災害毎にダメージコストC1〜C4を算出し、その中の最大のものを採用する。従って、(3)破壊や修繕は必要ないが毎年の予防保守費用が嵩む場合のダメージコストCを加味した値は、上記ステップ505で求めた当該土木建造物のライフサイクルコストに、ダメージコストCを加算した値となる。
コンピュータ1は、入力装置のダメージコスト表示操作により、図16に示すように、橋梁や、堤防、水道管などの当該土木建造物の求めたダメージコストを表示装置5の地図表示ウィンドウの表示領域6に表示したり、入力装置のライフサイクルコスト表示操作により、図18に示すような、当該土木建造物のダメージコストを加味したライフサイクルコストを表示装置5に表示したりする。
以上のように防災情報としてのハザードマップ情報と複数の種類の自然災害の発生確率を活用して、最大公約数として対象物のダメージを評価するので、当該地域の建造物や公共施設のライフサイクルコストの総合的な算定精度を高め、それに基づいてより効果的な維持管理計画を立てられるという効果がある。
この発明の実施の形態1に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る維持管理計画システムの活断層地震発生確率情報の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコスト示すグラフである。 この発明の実施の形態2に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る維持管理計画システムの海溝地震発生確率情報の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコスト示すグラフである。 この発明の実施の形態3に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコスト示すグラフである。 この発明の実施の形態4に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。 この発明の実施の形態4に係る維持管理計画システムの集中豪雨発生確率情報の構成を示す図である。 この発明の実施の形態4に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコスト示すグラフである。 この発明の実施の形態5に係る維持管理計画システムの構成を示す図である。 この発明の実施の形態5に係る維持管理計画システムの動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5に係る維持管理計画システムによる建物の時間(年)とコストの関係を表すライフサイクルコスト示すグラフである。
符号の説明
1 コンピュータ、2 統合型データベース、3 ハザードマップ、4A 活断層地震発生確率情報、4B 海溝地震発生確率情報、4C 火山噴火活動確率情報、4D 集中豪雨発生確率情報、4 複数自然災害発生確率情報、5 表示装置。

Claims (5)

  1. 建物の種類に対応したライフサイクルを含む設計データ、前記建物のライフサイクル期間中の各種コストを含む事業データ、及び複数の自然災害の発生確率を含む複数自然災害発生確率情報を格納するデータベースと、
    建物の種類及び前記建物の場所を入力する入力装置と、
    入力した建物の種類及び場所に基づき、前記データベースの設計データを参照して前記建物のライフサイクルを求め、前記データベースの事業データを参照して前記建物のライフサイクル期間中の各種コストを積算し前記建物の第1のライフサイクルコストを求め、前記データベースの事業データ及び複数自然災害発生確率情報を参照して前記建物のダメージコストを求め、前記第1のライフサイクルコストと前記ダメージコストを加算して前記建物の第2のライフサイクルコストを演算する演算装置と、
    前記演算装置により演算された前記建物の第2のライフサイクルコストを表示する表示装置と
    を備えたことを特徴とする維持管理計画システム。
  2. 前記複数の自然災害は、活断層地震、海溝地震、火山噴火、及び集中豪雨のうちのいずれか2つである
    ことを特徴とする請求項1記載の維持管理計画システム。
  3. 前記複数の自然災害は、活断層地震、海溝地震、火山噴火、及び集中豪雨のうちのいずれか3つである
    ことを特徴とする請求項1記載の維持管理計画システム。
  4. 前記複数の自然災害は、活断層地震、海溝地震、火山噴火、及び集中豪雨である
    ことを特徴とする請求項1記載の維持管理計画システム。
  5. 前記ダメージコストは、自然災害毎にダメージコストを求め、求めた複数のダメージコスト中の最大のダメージコストである
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の維持管理計画システム。
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