JP2006161573A - ターボチャージャのタービンハウジング - Google Patents

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浩市 秋田
Akihide Okuyama
晃英 奥山
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Abstract

【課題】 鋼板製のスクロールの剛性不足の問題を解消して信頼性を向上することができるターボチャージャのタービンハウジングを提供する。
【解決手段】 鋼板製のスクロール1の入口側に固定される入口フランジ2と出口側に固定される出口フランジ3とが相互に連結されているため、ターボチャージャが車両に装着された使用状態において、エンジンの排気マニホールドから入口フランジ2に作用する熱応力や振動は出口フランジ3にも伝達され、マニバータや排気管等から出口フランジ3に作用する熱応力や振動は入口フランジ2にも伝達される。そして、入口フランジ2側の排気マニホールドおよび出口フランジ3側のマニバータや排気管等から伝達される熱応力や振動は、相互に連結された入口フランジ2と出口フランジ3とで吸収される。その結果、入口フランジ2および出口フランジ3の熱変形、特に出口フランジ3の熱変形が大幅に抑制され、スクロール1の剛性不足の問題を解消される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に装備されるターボチャージャのタービンハウジングの構造に関するものである。
車両に装備されるターボチャージャにおいて、そのタービンを収容するタービンハウジングとしては、タービンの周囲に渦巻き状の排気ガス流路を形成するスクロールと、スクロールの入口側に固定される入口フランジと、スクロールの出口側に固定される出口フランジとを備えたものが従来一般に知られている(例えば特許文献1参照)。
また、この種のタービンハウジングとして、スクロールを鋼板により成形したものが従来一般に知られている。そして、このようなタービンハウジングの入口フランジは、通常、エンジンの排気マニホールドに接続され、出口フランジは、通常、ターボエルボ、マニバータ、排気管に接続される。
実開昭55−132329号公報(第3頁第5行〜第9行、第3図)
ところで、特許文献1に記載された従来のターボチャージャのタービンハウジングにおいては、入口フランジ(入口5)と出口フランジ(出口7)とが離間してそれぞれ独立に構成されている。このため、入口フランジが接続されるエンジンの排気マニホールドからの熱応力と、出口フランジが接続されるターボエルボやマニバータ等からの熱応力とがスクロールに個別に作用する。
ここで、出口フランジがターボチャージャ以降のマニバータや排気管等から受ける熱応力および振動は大きいため、スクロールが鋼板により成形されている場合には、その剛性不足が懸念される。
そこで、本発明は、鋼板製のスクロールの剛性不足の問題を解消して信頼性を向上することができるターボチャージャのタービンハウジングを提供することを課題とする。
本発明に係るターボチャージャのタービンハウジングは、ターボチャージャのタービンを収容するタービンハウジングであって、鋼板製のスクロールと、このスクロールの入口側に固定される入口フランジと、スクロールの出口側に固定される出口フランジとを備え、入口フランジと出口フランジとが相互に連結されていることを特徴とする。
本発明に係るターボチャージャのタービンハウジングでは、鋼板製のスクロールの入口側に固定される入口フランジと出口側に固定される出口フランジとが相互に連結されているため、ターボチャージャが車両に装着された使用状態において、入口フランジ側のエンジンの排気マニホールドから入口フランジに作用する熱応力や振動は出口フランジにも伝達され、また、出口フランジ側のマニバータや排気管等から出口フランジに作用する熱応力や振動は入口フランジにも伝達されるようになる。そして、入口フランジ2側の排気マニホールドおよび出口フランジ3側のマニバータや排気管等から伝達される熱応力や振動は、相互に連結された入口フランジ2と出口フランジ3とで吸収されるようになる。その結果、入口フランジおよび出口フランジの熱変形、特に出口フランジの熱変形が大幅に抑制され、スクロールの剛性不足の問題が解消される。
本発明に係るターボチャージャのタービンハウジングにおいて、入口フランジと出口フランジとは、溶接により相互に連結されていてもよいし、ステンレス鋼の鋳造、鍛造またはステンレス鋼板のプレス曲げ成形により一部品として一体に成形されていてもよい。また、入口フランジと出口フランジとは、一端部が入口フランジの周面に溶接され、他端部が出口フランジの周面に溶接されるブリッジ部材により相互に連結されていてもよい。
本発明に係るターボチャージャのタービンハウジングでは、鋼板製のスクロールの入口側に固定される入口フランジと出口側に固定される出口フランジとが相互に連結されているため、ターボチャージャが車両に装着された使用状態において、入口フランジ側のエンジンの排気マニホールドから入口フランジに作用する熱応力や振動は出口フランジにも伝達され、また、出口フランジ側のマニバータや排気管等から出口フランジに作用する熱応力や振動は入口フランジにも伝達されるようになる。そして、入口フランジ側の排気マニホールドおよび出口フランジ側のマニバータや排気管等から伝達される熱応力や振動は、相互に連結された入口フランジと出口フランジとで吸収されるようになる。
従って、本発明のタービンハウジングによれば、入口フランジおよび出口フランジの熱変形、特に出口フランジの熱変形を大幅に抑制することができる。その結果、スクロールの剛性不足の問題が解消して信頼性を向上することができる。
以下、図面を参照して本発明に係るターボチャージャのタービンハウジングの実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係るターボチャージャのタービンハウジングの外観を示す正面図、図2は図1に示したタービンハウジングの左側面図、図3は図1に示したタービンハウジングの底面図である。
一実施形態に係るターボチャージャのタービンハウジングは、図示しない車両の排気系と吸気系とに跨って設置されるターボチャージャにおいて、排気ガスの流通により回転するタービン(図示省略)を収容する部分である。このタービンハウジングは、図1〜図3に示すように、タービン(図示省略)を収容するスクロール1と、排気ガスの流入口を構成する入口フランジ2と、排気ガスの流出口を構成する出口フランジ3と、タービン(図示省略)を回転自在に支持するベアリングハウジング(図示省略)に接続される接続フランジ4とを備えている。
図4に示すように、スクロール1は、タービン(図示省略)の周囲に渦巻状の排気ガス流路を形成するスクロール部5と、このスクロール部5を所定の断熱空間を開けて覆うカバー部6とを備えた二重管構造とされている。なお、スクロール1は、スクロール部5のみとし、カバー部6を持たない単管構造としてもよい。
スクロール部5は、熱容量の小さい耐熱ステンレス鋼板などにより半割状にプレス成形された2つのスクロール部材5A,5Bを溶接により接合したシェル構造とされており、一方のスクロール部材5Aの外周縁部の内側に他方のスクロール部材5Bの外周縁部が嵌合されて重ね合せ接合されている。そして、一方のスクロール部材5Aの内周縁部は接続フランジ4の内周に溶接され、他方のスクロール部材5Bの内周縁部は、後述する他方のカバー部材6Bの内周縁部の内側に嵌合されて重ね合せ接合により溶接されている。なお、カバー部6を持たない単管構造では、スクロール部材5Bの内周縁部は、出口フランジ3に外端部が溶接された出口ケース7の内端部の内周に嵌合されて溶接される。
カバー部6は、熱容量の小さい耐熱ステンレス鋼板などにより半割状にプレス成形された2つのカバー部材6A,6Bを溶接により接合したシェル構造とされており、一方のカバー部材6Aの外周縁部の内側に他方のカバー部材6Bの外周縁部が嵌合されて重ね合せ接合されている。そして、一方のカバー部材6Aの内周縁部は接続フランジ4の外周に溶接され、他方のカバー部材6Bの内周縁部は、出口フランジ3に外端部が溶接された出口ケース7の内端部の内周に嵌合されて溶接されている。
なお、図示省略したが、カバー部6に形成された筒状の接続口が入口フランジ2に嵌合して溶接されており、このカバー部6の接続口の内側には、スクロール部5の入口側に形成された筒状の接続口が嵌合して溶接されている。なお、カバー部6を持たない単管構造では、スクロール部5の入口側が入口フランジ2に嵌合されて溶接される。
図1〜図4に示した入口フランジ2、出口フランジ3および接続フランジ4は、熱容量の小さい例えば耐熱ステンレス鋼の鋳鋼品または鍛鋼品あるいは厚板材のプレス成形品で構成されている。そして、出口フランジ3には、図2に示すように、ウェイストゲートブッシュ8がボスに嵌合して圧入されており、このウェイストゲートブッシュ8を支持部としてウェイストゲートバルブ9が装着されている。
ここで、図1〜図3に示すように、入口フランジ2と出口フランジ3とは直交状態で近接して配置されており、入口フランジ2の出口フランジ3側に向く周面には出口フランジ3に沿って延びる平坦な接合面2Aが形成されている。また、この接合面2Aに直交する平坦な接合面3Aが出口フランジ3の入口フランジ2側に向く周面に形成されている。そして、この入口フランジ2の接合面2Aと出口フランジ3の接合面3Aとが隅肉溶接による溶接部Wによって一体化されている。
以上のように構成された一実施形態のタービンハウジングを備えたターボチャージャは、図示しない車両のエンジンの排気マニホールドに入口フランジ2が接続され、出口フランジ3がターボエルボやマニバータ等に接続されて装着される。そして、このように車両に装着された使用状態において、一実施形態のタービンハウジングでは、エンジンの排気マニホールドから入口フランジ2に作用する熱応力や振動が出口フランジ3にも伝達され、また、マニバータや排気管等から出口フランジ3に作用する熱応力や振動が入口フランジ2にも伝達されるようになる。そして、入口フランジ2側の排気マニホールドおよび出口フランジ3側のマニバータや排気管等から伝達される熱応力や振動は、相互に連結された入口フランジ2と出口フランジ3とで吸収されるようになる。
従って、一実施形態のタービンハウジングによれば、入口フランジ2および出口フランジ3の熱変形、特に出口フランジ3の熱変形を大幅に抑制することができる。その結果、出口フランジ3と出口ケース7との溶接部および出口ケース7とスクロール1との溶接部への応力集中を緩和することができると共に、出口ケース7やスクロール1を構成するスクロール部5およびカバー部6の剛性不足の問題を解消してタービンハウジングの信頼性を向上することができる。
本発明のターボチャージャのタービンハウジングは、一実施形態に限定されるものではない。例えば、図1〜図3に示した入口フランジ2および出口フランジ3は、図5〜図7に示すように、ステンレス鋼の鋳造または鍛造により一部品として一体に成形されていてもよい。また、ステンレス鋼板のプレス曲げ成形により一部品として一体に成形されていてもよい。
さらに、図8に示すように、入口フランジ2および出口フランジ3は、一端部が入口フランジ2の周面に溶接され、他端部が出口フランジ3の周面に溶接されるブリッジ部材10により相互に連結されていてもよい。
一実施形態のターボチャージャのタービンハウジングでは、入口フランジ2と出口フランジ3とが相互に連結されて全体の剛性が高くなっているため、ターボステーを省略してコスト低減を図っているが、ターボステーを追加すれば全体の剛性を更に高めることができる。また、出口フランジ3にボスを追加形成し、このボスとスクロール1または接続フランジ4側に接続されるベアリングハウジング(図示省略)との間をステーで連結すれば、タービンハウジングの剛性をより一層向上させることができる。
本発明に係る一実施形態のターボチャージャのタービンハウジングでは、スクロール1を、タービン(図示省略)の周囲に渦巻状の排気ガス流路を形成するスクロール部5と、このスクロール部5を所定の断熱空間を開けて覆うカバー部6とを備えた二重管構造としたが、カバー部6を省略してスクロール部5のみからなる単管構造としてもよい。この場合、他方のスクロール部材5Bの内周縁部は、出口フランジ3に外端部が溶接された出口ケース7の内端部の内周に嵌合されて溶接される。
更に、本発明に係る一実施形態のターボチャージャのタービンハウジングにおけるスクロール部材5A,5Bやカバー部材6A,6B等の重ね合せ接合に代えて、ジョッグル接合をも用いてもよい。この接合により、接合強度を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るターボチャージャのタービンハウジングの外観を示す正面図である。 図1に示したタービンハウジングの左側面図である。 図1に示したタービンハウジングの底面図である。 図2のIV−IV線に沿う断面図である。 他の実施形態に係るターボチャージャのタービンハウジングの外観を示す正面図である。 図5に示したタービンハウジングの左側面図である。 図5に示したタービンハウジングの底面図である。 さらに他の実施形態に係るターボチャージャのタービンハウジングの外観を示す正面図である。
符号の説明
1 スクロール
2 入口フランジ
2A 接合面
3 出口フランジ
3A 接合面
4 接続フランジ
5 スクロール部
5A 一方のスクロール部材
5B 他方のスクロール部材
6 カバー部
6A 一方のカバー部材
6B 他方のカバー部材
7 出口ケース
8 ウェイストゲートブッシュ
9 ウェイストゲートバルブ
10 ブリッジ部材
W 溶接部

Claims (1)

  1. ターボチャージャのタービンを収容するタービンハウジングであって、鋼板製のスクロールと、このスクロールの入口側に固定される入口フランジと、前記スクロールの出口側に固定される出口フランジとを備え、前記入口フランジと出口フランジとが相互に連結されていることを特徴とするターボチャージャのタービンハウジング。
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