JP2006158215A - 直播用パック - Google Patents

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Teruo Masumizu
輝雄 升水
Hiroshi Ito
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Abstract

【課題】田植機等の大型機械を用いずに、少ない労力で、種子、特に稲種子を圃場に直播するのに適した直播用パックを提供する。
【解決手段】生分解性フィルムで種子2を内包するコンパートメントAを有する直播用パック1。
【効果】播種時期と発芽・出根の時期を従来と同様にできるのみでなく、これらの時期を適宜ずらすことが可能であり、農繁期をずらして種子を播種する場合に使用できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、種子、特に稲種子を圃場に直播するのに適した直播用パックに関するものである。より詳しくは、本発明は、鳥、貝などによる食害を受けることなく任意の間隔でかつ一定の深さに播種できる直播用パックに関するものである。
稲作は、日本固有の農業であり、自給できる数少ない農作物の代表である。従来、水稲栽培においては、床土を詰めた育苗箱に種籾を播き、その上に土を被せて潅水して育苗した後、この苗を手であるいは田植機を用いて、本田に移植し、田植えを行なうという移植栽培法が取られていた。この方法では、田植え以降の作業は、営農の規模や経済的事情などに応じて、人力または機械力のいずれかが選択できるものの、狭い水田では、機械に頼ることができず、多大な労力を必要とする。加えて、播種から田植えまでの作業は、面積の大きい水田でも、機械化された現在でさえ、人力作業に頼るところが多く、潅水等の育苗管理や苗運搬等に多大な労力を要するため、若者の農業離れが進み、農作業者の高齢化や後継者難が農家では大きな問題となっている。このため、水稲栽培における移植を省き、稲作の過重労働を解消し、生産コストを削減することが強く求められている。
上記を目的として、種籾を直接土壌に播く直播栽培法が開発された。この直播栽培法は、初めから種籾を本田に直接播くため、水稲栽培における移植工程を必要とせず、稲作の過重労働が解消できるという利点がある。しかしながら、この直播栽培法には、主に、湛水直播と乾田直播があるが、いずれの方法にしても、除草作業に多大な労力がかかる、播種後に鳥や貝による食害が頻繁に起こる、栽培管理や収穫が難しいなどの問題がある。特に食害に関しては、湛水直播の場合では、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)が種籾を食べてしまったり、カモが5cm位まで出芽した苗をそっくり食べてしまうなどの問題がおこる。また、乾田直播の場合であっても、スズメが出芽直後の若い苗を引き抜いたり、カラスが種やテープなどを掘り出してしまったりして、被害が甚大となる場合がある。また、従来の直播は、条播及び散播によるのが主流であり、点播は簡単には行なえなかったが、条播や散播は除草作業及び機械を用いた収穫作業などが困難であるのに対し、点播は群生が防止でき、根張りが良く、倒伏が少なく、また病害虫に強く、品質、食味の良い米が生産できるため、低コストでかつ高品質の米の生産が可能な種籾の点播が強く望まれていた。
このような問題を解消することを目的として、生分解性の材料からなるものをテープやシート状物に加工したものを用いて籾を覆ったりまたはテープまたはシート状物に籾を付着して、これを土中に埋めたりすることによって、稲種子の直播に使用するという試みが報告された(例えば、特許文献1〜3参照)。これらのうち、特許文献1には、微生物によって分解されるバイオプラスチックによって作られたテープに種子を等間隔に付着させ、種子が容易に離脱しないように、種子の部分に同じ材質のカバーを掛け、さらにテープとカバーに、種子が水分を吸収し、芽を出し、根を下し易いように、細かい穴を多数開けた直播き用テープが開示される。また、特許文献2には、再生紙マルチシートに、前後左右に所定間隔で種子収容穴を穿設し、これら各種子収容穴に所定粒数の種子を上面側に生分解性メッシュ布、下面側に生分解性不織布を配して挟持し、この生分解性メッシュ布及び生分解性不織布の外周部を種子収容穴周囲の再生紙マルチシートに対して生分解性ホットメルト接着剤または機械的接合手段により接合して固定してなる再生紙マルチ直播シートが開示されている。さらに、特許文献3には、本質的に生分解性の素材からなり、土中での強度保持率の高い部分と低い部分が長さ方向に交互に存在し、土中での強度保持率の高い部分が目合いが高々3mmの筒状の繊維構造物で、強度保持率の高い部分に稲もみを少なくとも一粒包含させた稲の直播き用紐状繊維構造物が報告されている。
特開平8−140416号公報 特開平10−52176号公報 特開2000−92922号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載されるものはすべて、直播用とはいっても、条播や散播にのみ適し、点播には適さないという欠点があった。また、特許文献1では、テープに種子を付着させているが、テープに1個種子を付着させた場合には、すべての種子が100%の確率で発芽することはないので、等間隔で種子を付着させても、実際には、発芽する部分と発芽しない部分がでてしまい、十分な収穫量を確保することが難しい。また、テープに複数個の種子を付着させた場合には、種子が重なり合うことがあり、このような状態でテープに固着されると、種子の発芽や出根が阻害される恐れがある。
また、上記特許文献2に記載される再生紙マルチシートは、ダンボール古紙を主原料としており、湛水状態で約40〜50日で自然に分解すると記載され、水の存在が必須である。このため、特許文献2に記載される再生紙マルチシートは、湛水土壌にのみ適用でき、乾田直播には適用できない。このため、用水路が引きにくく安定した湛水土壌が確保しにくい場所には使用できないという問題がある。また、湛水直播は、土壌に水を溜めた状態で種籾を播くため、稲苗は容易に水を吸収できるので、根が地中に向かって伸びずに横に伸びるので、倒伏し易く、倒伏しないまでも弱い稲になってしまう上、水田での農作業は困難であり、機械を必要とする場合が多く、機械化できないような面積の狭い圃場には適用できないという問題がある。加えて、上記したように、再生紙マルチシートは、水の存在により分解し始めてしまうため、梅雨の時期や湿度の高い時には、貯蔵中など、分解が望ましくない時期でも、水の存在によって容易に分解してしまう恐れもある。
さらに、上記特許文献3に記載された種子を収容するのに使用される強度保持率の高い部分に使用される材料としてはポリ乳酸を主成分とした繊維が例示されているが、このような繊維は、実施例によると6ヶ月経過後の強度が90%前後とこの生分解速度が非常に遅い。このため、実際にこのような生分解速度の遅い材料を使用すると、翌年の田植え時期にも、この繊維が土中に残存してしまい農作業や環境に悪影響を与える恐れがあり、また、発芽や出根の方が繊維の分解より早く起こるため、芽や根の生長が紐状繊維構造物に妨げられてしまう恐れがある。同時に、特許文献3による方法では、種子を置くための強度保持率の高い部分の目合いが高々3mmの筒状の繊維構造物(段落「0005」)とされているが、稲の茎は生長により3mm以上になり、最終的には8〜10mm程度にまで太くなる。このため、このような目合いの小さい構造物では、稲が生長しても、種子が収容される強度保持率の高い部分の分解がおいつかず、首締め状態となり、稲の生長に悪影響を及ぼす恐れがある。また、このような細い部分に籾を複数個おくと、種同士が接触する可能性が高く、稲の発芽や出根を阻害する恐れがある上、構造が紐状であるため、点播には不向きである。
上記問題に加えて、上記特許文献1〜3に記載のテープ、シート、紐状構造物はいずれも、肥料を含んでいないため、施肥された土壌表面に敷設されるあるいはこれらを播種した後に追肥する必要がある。しかしながら、このような場合には、根は土中の肥料と接触して、根やけして根が腐ってしまうという問題が生じる。
したがって、本発明は、上記諸問題を解決するものであり、田植機等の大型機械を用いずに、少ない労力で、種子、特に稲種子を圃場に直播するのに適した直播用パックを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、鳥、貝などによる食害を受けずに種子、特に稲種子を圃場に直播できる直播用パックを提供することである。
本発明の他の目的は、種子の発芽・出根を阻害せずに、播種と同時に施肥することができる種、特に稲種子の直播用パックを提供することである。
本発明のさらなる他の目的は、除草作業が容易である直播用パックを提供することである。
本発明者らは、上記諸目的を達成するために鋭意検討を行なった結果、比較的早いまたは早い生分解速度を有する生分解性フィルムで種籾(稲種子)をパックしたものを本田に直播すると、生分解性フィルムが土壌中の微生物の作用により籾の発育(発芽及び出根)を阻害しない速度で、分解・崩壊でき、分解後のフィルムは土に還り、稲の発育に役立つ要素となること、および種子は発芽・出根前はフィルムに内包されているので、本田に播種された後も、鳥や貝などに食べられることはないことを見出した。また、種子と肥料を仕切りを介して別のコンパートメントに詰めることによって、追肥の回数を減らして省力化がさらに進みかつ肥料は根と接触することがないため、根やけを起すことがないことをも知得した。上記知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記諸目的は、生分解性フィルムで種子を内包するコンパートメントを有する直播用パックによって達成される。この際、種子のコンパートメントと同一のあるいは異なるコンパートメントに肥料を内包させることが好ましい。
本発明は、生分解性フィルムで種子を内包するコンパートメントを有する直播用パックに関するものである。本発明によると、生分解性フィルムで種子を内包してあるので、種子を、点播状、条播状及び散播状いずれの様式でも直播することが可能であり、水稲の育苗工程を省略することが可能であり、また、水稲の移植作業前に、種蒔きができ、収穫時期も移植栽培と摩れるため、作業をうまく分散でき、農作業にかかる労力を有意に軽減できる上、田植機等の大型機械を用いる必要がない。特に従来の直播用のテープ、シート、紐状構造物では非常に困難であった点播にも好適に使用できる。また、種子を内包するコンパートメントを定間隔で配置することによって、比較的面積の大きい圃場であっても田植機等の農業機械などを用いずとも、またはこのような農業機械が使用できないような狭い農地であっても、容易にかつ均一に播種することができ、農作業の省力化をも達成できる。加えて、種子は生分解性フィルムに内包されており、かつこのフィルムは種子の生長に合わせて分解・崩壊するため、播種が土壌表面付近で行なわれても、播種直後は種子はフィルム内にあるので、鳥はフィルムにさえぎられて種子を食べることができないが、種子が発芽・出根する時期には、フィルムが徐々に分解・崩壊して、芽や根の生長を妨げない。加えて、種子が生分解性フィルムで内包されているので、保温/保湿効果(特に保温効果)が確保でき、これにより発芽率及び出芽率が向上するため、収穫量の向上が期待でき、また、生産される米や野菜の食味も劣ることがないという利点に加えて、余分な種をパックする必要がなく、適量播種が可能であり、このため間引き作業が不要となり農作業の省力化をさらに進めることができる。また、本発明のパックに内包された種子は同時期にほぼ同じ速度で成長するので、安定した出芽が達成できるため、出芽高さもほぼ一定となり、収穫を管理しやすい。
本発明の直播用パックは、湛水直播のみならず、乾田直播にも適用できる。特に乾田直播に適用した場合には、根が水を求めて土中で垂直方向に伸び、茎も上方向に力強く生長するため、病気や倒伏を有効に防止できる。また、種子は十分な容積を有する空間内で生長するため、平面的に分散でき、種子同士が重なりあったり、発芽に必要な酸素が不足したりする恐れが非常に少ないあるいはそのような恐れがない。特に本発明のパックがテープ状である場合には、種子を内包したものを定間隔で配置することによって、点播にも十分対応することができる。また、本発明のパックが種子に加えて肥料をも内包する場合には、播種と施肥を同時に行なえるため、追肥を行なう回数を減らすまたはなくすことができる。この際、肥料と種子とを別のコンパートメントに内包する場合には、フィルム分解後に肥料は根と接触することがなく、根やけの心配がないので、肥料の種類や施肥場所を考慮する必要がない。また、肥料と種子とを同一のコンパートメントに内包する場合には、肥料が種子の根元付近に存在するため、出根後、すぐに根が肥料を吸収できるため、利用率が高く、施肥の量や回数を減らすことができると同時に、作物の生育状況に合わせて肥料を溶出パターンどおりに吸収させることができる。加えて、本発明のパックがシート状である場合には、播種とマルチングが同時に行なえるため、特に雑草による被害の大きい稲種子の発芽から稚苗期における除草作業がかなり軽減でき、また、除草剤の使用量も顕著に減らすことができ、経済的にも有利である。さらに、本発明のパックがテープ状あるいはシート状である場合には、ロールにより当該パックを貯蔵できるため、貯蔵場所が狭くてよく、また、貯蔵も容易である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、生分解性フィルムで種子を内包するコンパートメントを有する直播用パックを提供するものである。本発明の直播用パック(以下、単に「パック」とも称する)は、テープ状、シート等の所望の形態に加工した生分解性フィルムで種子を内包することによって、種子を、点播状、条播状及び散播状いずれの様式で直播することも可能である。また、種子を内包するコンパートメントを定間隔で配置することにより、比較的面積の大きい圃場であっても田植機等の農業機械などを用いずとも、またはこのような農業機械が使用できないような狭い農地であっても、容易にかつ均一に播種することができ、農作業の省力化も達成できる。また、種子は生分解性フィルムに内包されており、かつこのフィルムは種子の生長に合わせて分解・崩壊するため、播種が土壌表面付近で行なわれる場合であっても、鳥、虫や貝による食害に会う可能性は非常に低い;芽や根の生長は妨げられない;保温/保湿効果(特に保温効果)が得られるので、発芽率及び出芽率が向上し、適量播種が可能であるため、このため間引き作業が不要であり、農作業の省力化が進められる;安定した出芽が達成できるため、出芽高さもほぼ一定となり、収穫を管理しやすいなどの利点が得られる。また、根は老化した根毛細胞をつくりかえ、古い細胞などを分泌しており、これらの分泌物は微生物の格好のエサとなるため、植物の根の周り(根圏)には数多くの微生物が存在している。このため、一旦根が崩壊した生分解性フィルムから出ると、根圏に微生物が多数存在するようになるため、この部分のフィルムの微生物による分解・崩壊はさらに促進され、出根がよりスムーズに行なわれる。本発明の直播用パックは、湛水直播のみならず、乾田直播にも適用できるため、根が水を求めて土中で垂直方向に伸び、茎も丈夫で力強く生長するため、病気や倒伏を有効に防止でき、収穫量の向上をも達成できる。種子は十分な容積を有する空間内に固着されずに自由に動ける状態で内包されているため、種子は平面的に分散し、種子同士が重なりあったりせず、種子の発芽や出根が阻害されない。また、パックに通気用の穴を開けることによって、発芽に必要な酸素が不足したりする恐れが非常に少ないあるいはそのような恐れがない。特に本発明のパックがテープ状である場合には、パックは、条播や点播に好適に使用できるばかりでなく、種子を内包したものを個々に分けることにより、散播にも十分対応することができる。また、本発明のパックがシート状である場合には、播種とマルチングが同時に行なえるため、特に雑草による被害の大きい稲種子の発芽から稚苗期における除草作業がかなり軽減でき、また、除草剤の使用量も顕著に減らすことができる。本発明のパックが種子に加えて肥料をも内包する場合には、播種と施肥を同時に行なえるため、追肥を行なう回数を減らすまたはなくすことができる。この際、肥料と種子とを別のコンパートメントに内包する場合には、どのような肥料を使用しても、生分解性パック分解後に肥料は根と接触することがないため、根やけを起すことがない。また、肥料と種子とを同一のコンパートメントに内包する場合には、肥料が種子の根元付近に存在するため、出根後、すぐに根が肥料を吸収できるため、利用率が高く、施肥の量や回数を減らすことができると同時に、作物の生育状況に合わせて肥料を溶出パターンどおりに吸収させることができる。加えて、本発明のパックがテープ状あるいはシート状である場合には、ロールにより当該パックを貯蔵できるため、貯蔵場所が狭くてよく、また、貯蔵も容易である。
本発明の直播用パックは、様々の種子の直播に使用でき、その播種様式は、点播状、条播状または散播状のいずれの様式を問わず、種子の種類や営農の規模などに応じて適宜選択できる。本発明の直播用パックが適用できる種子としては、稲種子、野菜種子または花種子などいずれの種でもよく、特に制限されない。具体的には、稲種子(種籾);キャベツ、コールラビ、ネギ、タマネギ、ニラ、チンゲンサイ、ハクサイ、ブロッコリー、カリフラワー、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、シソ、パセリ、モロヘイヤなどの葉菜類の種子;メロン、キュウリ、スイカ、カボチャ、ズッキーニ、トマト、ピーマン、シシトウ、なす、オクラ、スイートコーン、長れいし等の果菜類の種子;ダイコン、ハツカダイコン、ニンジン、カブ、ゴボウ等の根菜類の種子;インゲン、エダマメ、エンドウ、スナックエンドウ、ソラマメ等の豆類の種子などが挙げられる。これらのうち、稲種子(種籾)が特に好ましい。特に稲種子の場合には、発芽促進のために種子表面を、過酸化カルシウムを原料としてカルパー剤(酸素発生剤)などでコーティングしてもよい。
また、本発明の直播用パックの形状は、特に制限されず、上記播種様式に基づいて、テープ状、シート状、紐状、球状、略球状、カプセル状、数珠状など適宜選択できるが、播種のし易さ、パックの成形のし易さなどを考慮すると、テープ状、シート状が特に好ましい。このようにテープ状やシート状をとる場合には、種子を内包したコンパートメント定間隔に配置することによって、一度の作業で大量の種子を容易にかつ均一に圃場に播くことができ、また、ロール状にまとめておくことができるため、播種するまでパックを貯蔵するのに必要な場所を大きくとる必要はなく、また、貯蔵も簡単であるからである。また、パックがテープ状またはシート状である場合には、仕切り部を切断するなどにより種子を内包したコンパートメントを個々に分けてもよく、このような場合には、パックは、点播や散播にも十分対応することができる。また、パックがシート状である場合には、シートで土壌を浅い位置で覆うことによって、播種とマルチングが同時に行なった状態になり、特に雑草による被害の大きい稲種子等の種子の発芽から稚苗期における除草作業がかなり軽減でき、また、除草剤の使用量も顕著に減らすことができ、経済的に有利である。なお、テープやシートの大きさ(幅や長さ)は、播種様式や種を播く圃場の大きさによって適宜決定される。また、テープやシートを構成する生分解性フィルムの厚みは、特に制限されないが、生分解性などを考慮すると、10〜100μm、より好ましくは15〜50μmである。なお、本発明において、テープやシートは、均一な厚みを有していたり、表面が平滑な構造である必要ななく、網目(メッシュ)状など、表面に凹凸のあるものであってもよい。このような構造を有するパックは、凸部によりテープやシートの強度を確保したまま、凹部の薄い部分は生分解性速度が速くでき、当該部分では種子の発芽や出根がより妨げられにくくなるため、好ましい。
本発明の直播用パックは、種子を内包するコンパートメントに分かれている。なお、本明細書において、「コンパートメント」は、種子(または以下に詳述するように、肥料や他の添加剤など)を内包するための個々の空間を意味する。図1に、テープ状である本発明の直播用パックの一実施態様を示す。図1に示されるように、本発明の直播用パック1は、種子2を内包するコンパートメントA、および以下に詳述する肥料3を内包するコンパートメントBを有し、当該コンパートメントA,Bは、仕切部4を介して互い違いに配置されている。また、各コンパートメントから種子や肥料がこぼれないように、パック1の周囲は、シール部5によって密閉されている。また、図2に、シート状である本発明の直播用パックの他の実施態様を示す。図2に示されるように、本発明の直播用パック1は、1段目には、種子2を内包するコンパートメントA及び速効性の肥料3’を内包するコンパートメントB’が仕切部4を介して互い違いに配置され、2段目には、種子2を内包するコンパートメントA及び遅効性の肥料3”を内包するコンパートメントB”が仕切部4を介して互い違いに配置され、この1,2段目が繰り返し配置されている。なお、図1、2では、肥料を内包するコンパートメントBが示されているが、コンパートメントBは必ずしも本発明では必須ではなく、図1,2で示される直播用パックは、種子を内包するコンパートメントAからのみからなるものであってもよい。また、上記図1及び2においては、仕切部4が各コンパートメントを互いに完全に分離する形態が示されているが、仕切部が各コンパートメントを完全に分離する必要はなく、コンパートメント同士で通気できるような構造を有する仕切部であってもよい。このような構造としては、例えば、仕切部が不完全に融着されている、仕切部に穴が設けられている、仕切部がメッシュ状になっているなどがある。この際、開孔部は、大きさなど特に制限されないが、種子や肥料等の他の添加剤が隣のコンパートメントに移らない程度の大きさであることが好ましい。同様にして、シール部5もまたコンパートメントを完全に密封する形態でなくともよく、通気できるような構造を有するものであってもよい。このような構造としては、例えば、シール部が不完全に融着されている、シール部に穴が設けられている、シール部がメッシュ状になっているなどがある。この際、開孔部は、種子がパックからこぼれない程度の大きさであることが好ましい。
本発明において、コンパートメントの配置形態は、特に制限されず、不均一にまたは定間隔でのいずれでもよいが、均一に播種できるように、定間隔で配置されることが好ましい。また、コンパートメントの大きさは、特に制限されず、種子の大きさや入れる数、播種様式などに応じて適宜選択できるが、播種が均一に行なえると同時に、種子が平面的に分散して、種子同士の重なり合いを防ぎ、稲の発芽や出根が阻害されないような大きさであることが好ましい。例えば、稲種子を4粒入れる場合のコンパートメントの大きさは、3.0〜10.0cm×3.0〜12.5cm、より好ましくは3.5〜8.0cm×3.5〜10.0cm、さらにより好ましくは4.0〜6.0cm×4.5〜7.0cm、最も好ましくは約4.0cm×約5.0cmであることが好ましい。なお、上記コンパートメントの大きさは以下のシール部や仕切部の厚みを含むものである。この際、コンパートメントの大きさが大きすぎると、種子が十分平面的に分散できるが、一定長さ当たりのコンパートメントの数が少なくなり、十分な収穫量が確保できず、経済的に好ましくない場合がある。逆に、コンパートメントの大きさが小さすぎると、種子が十分平面的に分散できず、一部重なり合い、種子の発芽や出根が阻害される可能性がある。なお、各コンパートメントの大きさは、同一であってもあるいは異なるものであってもよいが、加工性などを考慮すると、好ましくは同一である。本発明において、シール部の幅は、特に制限されず、コンパートメントの大きさ、テープやシートの大きさなどによって、適宜選択される。例えば、2〜15mm、より好ましくは4〜12mm、さらにより好ましくは6〜10mm、最も好ましくは約8mmである。仕切部の幅は、特に制限されず、コンパートメントの大きさ、テープやシートの大きさなどによって、適宜選択される。例えば、4〜30mm、より好ましくは8〜24mm、さらにより好ましくは12〜20mm、最も好ましくは約16mmである。
また、コンパートメントに入れる種子の数もまた、特に制限されず、種子の種類や土壌の状態などによって適宜選択される。例えば、稲種子以外の種子の場合には、1〜7粒、より好ましくは1〜5、最も好ましくは1〜3、特に1または2粒程度が好まし。稲種子の場合には、1つのコンパートメント内に1〜8粒であり、より好ましくは2〜6粒、最も好ましくは2〜4粒である。従来、稲種子は、一箇所に5〜6粒播く場合が多いが、これではお米の味を決定するタンパク質含有量が増加して、生産される米の食味も劣る場合がある。これに対して、本発明のパックを用いると、高い発芽率及び出芽率が達成できるので、2〜4粒の播種量であっても十分な稲の生育及び収穫量が達成でき、また、播種量を少なく抑えることができるため、お米の味を決定するタンパク質含有量を減らすことができ、ゆえに生産される米は食味の良いものとなる。なお、各コンパートメントに入れる種の数は、同一であってもあるいは異なるものであってもよいが、収穫の管理や充填作業性などを考慮すると、好ましくは同一である。
本発明において、種子を内包するコンパートメントAには、図3に示されるように、種子が呼吸できるように、通気のための穴6が設けられていることが好ましい。なお、図3では、上下のフィルム共に、穴が開いていたが、これに限定されるものではなく、上面または下面のいずれか一方のみに穴があいていてもよい。または、フィルムが粗いメッシュ状になっていてもよい。このようにコンパートメントAに穴6が開いていると、フィルムの生分解が不十分な場合であっても、種子がこの穴を通して発芽・出根することにより、苗の倒伏をも防ぐことができる。この際、穴の大きさやメッシュの目合いは、通気性は確保しつつ種子がコンパートメントからこぼれ落ちない程度であれば特に制限されず、内包する種子の大きさなどによって、適宜選択でき、また、穴の数も種子の通気性が十分確保できるものであれば1個であってもあるいは複数個であっても特に制限されない。また、穴の形状も、球状、略球状、楕円形など、特に制限されない。なお、穴の大きさ、形状、個数は、同一であってもあるいは異なるものであってもよいが、加工性などを考慮すると、好ましくは同一である。
また、本発明の直播用パックは、図1、2に示されるように、肥料をさらに内包するコンパートメントを有するものであってもよい。肥料をさらに内包したコンパートメントを配置することによって、播種と施肥とが同時に行なえるため、追肥を行なう回数を減らすまたはなくすことができ、また、不耕起直播(特に不耕起乾田直播)にも適用できるからである。特に本発明のパックを不耕起乾田栽培に使用すると、土壌を耕さないため、農作業の省力化がさらに促進できると同時に、肥料が根の近くにあるため、肥料の溶出に合わせて根が肥料を吸収できるため、肥料の利用率が向上でき、また、土壌を耕していないので、土が硬く、根はその土中にしっかりと伸びることができるため、根張りが良く、茎も太くかつ丈夫に成長でき、倒伏が少なく、また病害虫に強く、品質、食味の良い米が生産できる。この際、肥料は、種子を内包するコンパートメントと同一のあるいは異なるコンパートメントに内包されていてもよい。前者の場合には、根が肥料と接触しても根やけを起さないように肥料が特殊にコーティングされているものを使用することが好ましい。この際、肥料は、一般的な肥料を根やけを起さないような材料で予めコーティングしたものを使用してもあるいは市販品を使用してもよい。種子が稲種子である場合の市販品としては、湛水直播用の肥料では、例えば、チッソ旭肥料(株)製の苗箱まかせなどが挙げられ、また、乾田直播用の肥料では、例えば、朝日工業(株)製のBMコート、マイルドコート、チッソ旭肥料(株)製のLPコート、片倉チッカリン(株)製のシグマコートなどが挙げられる。また、肥料と種子とを別のコンパートメントに内包する場合には、肥料の種類にかかわらず、生分解性フィルム分解後であっても、肥料が根と接触することがないため、根やけを起すことがない。このような場合に使用できる肥料は、特に制限されず、公知の肥料が使用される種子の種類に応じて適宜選択でき、また、肥料の形状も、顆粒状、粉末状、ペースト状、液状など、いずれの形状であってもよい。また、追肥の回数を減らして、さらに省力化を進めるために、速効性の肥料と遅効性の肥料を、同一のコンパートメントあるいは異なるコンパートメントに内包することが好ましい。なお、肥料をコンパートメントに内包する量は、特に制限されず、種子の種類や土壌の状態などによって異なり、公知の量と同等の量が適用でき、適宜選択できる。また、肥料を内包するコンパートメントの大きさは、十分量の肥料を内包できかつフィルム分解後に根と接触しないような大きさであれば特に制限されない。例えば、種子と肥料とを同一のコンパートメントに入れる場合の肥料のコンパートメントの大きさは、特に制限されず、上記と同様の大きさが適用できる。また、種子と肥料とを別のコンパートメントに入れる場合の肥料のコンパートメントの大きさもまた、特に制限されず、上記と同様の大きさが適用できる。この際、種子と肥料とを別のコンパートメントに入れる場合には、製造工程の簡略化などを考慮して、種子と肥料を内包するコンパートメントの大きさは同じであることがより好ましい。肥料を内包する量、肥料のコンパートメントの大きさは、同一であってもあるいは異なるものであってもよいが、充填作業性や加工性などを考慮すると、好ましくは同一である。
本発明において、種子を内包するコンパートメントにおける場合と同様、肥料を内包するコンパートメントにも、肥料が土中に速やかに浸透するように穴が開けられている、またはフィルムがメッシュ状になっていることが好ましい。コンパートメントに穴が設けられている場合には、穴は、コンパートメントを構成する上下のフィルム双方にあいていてもあるいは一方のみにあいていてもよい。この際、穴の大きさは、肥料が土中に所望量浸透できる程度の大きさであれば、特に制限されず、内包する肥料の大きさや種類、土の状態(水分の存在)などによって、適宜選択でき、また、穴の数や形状も肥料の浸透量が十分確保できるものであれば1個であってもあるいは複数個であっても特に制限されない。上記と同様、穴の大きさ、形状、数は、同一であってもあるいは異なるものであってもよいが、加工性などを考慮すると、好ましくは同一である。
本発明において、種子及び肥料が別のコンパートメントに内包される場合の、種子を内包するコンパートメント及び肥料を内包するコンパートメントの配置の仕方は、出根後に、根が十分量の肥料を吸収できるような配置であれば特に制限されない。例えば、パックがテープ状である場合には、(a)図1に示されるように、種子のコンパートメントと肥料のコンパートメントを互い違いに配置する方法;(b)種子のコンパートメント、速効性の肥料のコンパートメント、遅効性の肥料のコンパートメントを繰り返し配置する方法;(c)種子のコンパートメント、種子のコンパートメント、肥料のコンパートメントを繰り返し配置する方法などが挙げられる。これらのうち、種子のコンパートメントと肥料のコンパートメントを互い違いに配置する方法が好ましい。また、パックがシート状である場合には、(d)上記(a)〜(c)のいずれかを組み合わせる方法;(e)図3に示されるように、1段目には、種子を内包するコンパートメント及び速効性の肥料を内包するコンパートメントを互い違いに配置し、2段目には、種子を内包するコンパートメント及び遅効性の肥料を内包するコンパートメントを互い違いに配置し、この1,2段目を1セットとしてこのセットを繰り返し配置する方法などがある。
なお、上記説明では、肥料を内包するコンパートメントについて説明してきたが、本発明の直播用パックは、このようなコンパートメントに代えてあるいはこのようなコンパートメントに加えて、他の添加剤を内包したコンパートメントをさらに有するものであってもよい。この際、他の添加剤としては、除草剤、雑草防除剤、病害虫駆除(防除)剤、殺菌剤、抗菌剤、防黴剤等が挙げられる。このような添加剤を内包するコンパートメントをさらにパックに設けることによって、生育した植物が菌、黴、虫により病気になることが防止できる、除草作業を軽減することができるなどの効果が達成できる。
本発明において使用できる生分解性フィルムは、生分解性を有していれば特に制限されないが、土壌と接触すると、微生物の作用により好気性および/または嫌気性条件下で速やかに分解し始める;分解後のフィルム断片が地下水や河川等に流れ出しても容易に分解する;および土中にフィルム断片が残っても、農作業や環境に悪影響を及ぼさないなどの特性を有することが好ましい。種子の生育(発芽や出根)を阻害しないような速度で、分解・崩壊し、分解後は土に還り、稲の発育に役立つ用途となるものがより好ましい。このため、本発明に用いる生分解性フィルムは、下記特性の少なくとも一を満たすことが好ましい。
(1)15日での好気性条件下での相対生分解率が30%以上である;
(2)28日での好気性条件下での相対生分解率が50%以上である;及び
(3)120日での嫌気性条件下での相対生分解率が50%以上である。
本明細書において、「好気性条件下での相対生分解率」とは、化審法の生分解性試験(MITI法)で試験した際に、標準対象物質であるアニリンの所定時間における生分解率を100としたときの好気性条件下での相対生分解率を意味する。この好気性条件下での相対生分解率は、15日で、30%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上であることが好ましい。または、28日での好気性条件下での相対生分解率が、50%以上、より好ましくは60%以上、特に好ましくは80%以上であることが好ましい。また、「嫌気性条件下での相対生分解率」は、ASTM D.5511−94の試験法で試験した際に、標準対象物質であるセルロースの120日における生分解率を100としたときの相対生分解率を意味する。この嫌気性条件下での相対生分解率が、50%以上、より好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上であることが好ましい。この際、好気性/嫌気性条件下での相対生分解率が上記範囲内であれば、好気性及び嫌気性条件下双方の条件下で、土中で速やかにフィルムは分解・崩壊して、種子の発芽や出根を阻害することがない。このため、これらのような優れた生分解率を有するフィルムからなるパックは、従来と同様の播種時期に使用しても、種子の発芽や出根前に少なくとも崩壊し始めるので、種子の発芽・出根を阻害することがなく、従来と同様の種子の直播に同様にして適用できる。なお、好気性および/または嫌気性条件下での相対生分解率が上記下限を下回る場合であっても、種子の発芽や出根時期に合わせて、従来の播種時期より早い時期に、直播することによって、十分適用可能である。このような場合には、いわゆる農閑期に、種子を播種することができるため、従来、野菜の育苗や収穫、果樹の摘花・受粉などの作業時期が水稲の育苗・移植の時期と重なり、非常に過酷になっていた農作業を軽減することができる。稲種子などの、従来であれば農繁期に他の野菜などの種子と同時期に播種しなければならない種子に対して、特に好適に使用できる。また、後者の場合には、種子の発芽・出根を阻害しないように、上記したようにコンパートメントに穴を開けることが特に望ましい。
上記したような特性を有する本発明による生分解性フィルムを構成する生分解性樹脂の好ましい例としては、ポリヒドロキシブチレート/バリレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリエステルカーボネート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン及びポリ(2−オキセタノン)、デンプン、変性デンプン、セルロース、キチン、キトサン、グルテン、ゼラチン、カゼイン、大豆タンパク、コラーゲン、ケラチン及び天然ゴム、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール及びポリリンゴ酸などが挙げられる。また、上記例示に加えて、優れた加工性や経済性を有し、大量に入手できるなどを考慮すると、他の脂肪族ポリエステルもまた本発明によるフィルムを構成する生分解性樹脂として好ましく、更に好ましくは、炭素数2〜6の脂肪族ジカルボン酸成分と炭素数2〜4の脂肪族グリコール成分から得られる脂肪族ポリエステルが使用される。これらの脂肪族ポリエステルは、生分解性を有するものであれば特に制限されず、公知の脂肪族ポリエステルが使用できるが、好ましい例としては、特開平7−252354号及び特開平9−71641号公報などに開示されたものなどが挙げられる。これらのうち、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペートが好ましい。また、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート/アジペートがより好ましい。これらの樹脂は、好気性及び嫌気性双方の条件下での生分解性速度が速く、また、活性汚泥中でも良好な生分解性を示すためである。また、水によっては分解・崩壊せず、微生物の作用によって分解・崩壊し始めるため、土中に埋設した場合に初めて分解が始まるため好ましい。ポリエチレンサクシネートが特に好ましい。また、生分解性樹脂と、デンプン、変性デンプン、セルロース、キチン、キトサン、グルテン、ゼラチン、ゼイン、大豆タンパク、コラーゲン、ケラチンなどの天然物とのブレンド物もまた、本発明では特に好適に使用される。この際、生分解性樹脂としては、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート/アジペートが特に好ましい。また、ポリエチレンサクシネートおよび/またはポリエチレンサクシネート/アジペートと、天然物との配合比は、十分な生分解性を発揮できるものであれば特に制限されないが、ポリエチレンサクシネートおよび/またはポリエチレンサクシネート/アジペート100質量部に対して、好ましくは1〜900質量部、より好ましくは20〜300質量部である。
または、本発明による生分解性フィルムを構成する生分解性樹脂は、市販品を使用してもよい。このような市販品としては、例えば、昭和高分子社製の商品名ビオノーレ、三菱化学社製の商品名GS−Pla、日本合成化学工業社製の商品名マタービー、島津製作所社製の商品名ラクティ、三菱ガス化学社製の商品名ユーペック、カーギルダウ社製の商品名ネーチャーワークス、三井化学社製の商品名レイシア、ダイセル化学工業社製の商品名セルグリーン及び商品名プラセル(PCL)、モンサント社製の商品名バイオポール、BASF社製の商品名エコフレックス、デュポン社製の商品名バイオマックス、イーストマンケミカル社製の商品名イースターバイオ、日本触媒社製の商品名ルナーレ、チッソ社製の商品名ノボン、三菱ガス化学社製の商品名ビオグリーン、カネボウ合繊社製の商品名ラクトロン、大日本インキ化学工業社製の商品名プラメート及び商品名CPLA、東洋紡績社製の商品名バイオエコール、トヨタ自動車社製の商品名トヨタエコプラ、ダウ社製の商品名TONE、Ire Chemical社製の商品名Enpol、クラレ社製の商品名ポパール、日本合成化学工業社製の商品名ゴーセノール、アイセロ化学社製の商品名ドロンVA、帝人社製の商品名セルロースアセテート、アイセロ化学社製の商品名ドロン、Novamont社製の商品名Mater−Bi、日本食品化工社製の商品名プラコーン、日本コーンスターチ社製の商品名エバーコーンなどが挙げられる。なお、これらの生分解性樹脂は、単独で使用して生分解性フィルムを製造してもあるいは2種類以上ブレンドしたものを用いて生分解性フィルムを製造してもよい。
本発明において、生分解性樹脂の分子量は、特に制限されないが、上記した好ましい特性を満たすものが好ましい。具体的には、生分解性樹脂の数平均分子量が、30,000〜3,000,000、より好ましくは50,000〜200,000、特に好ましくは60,000〜100,000である。この際、数平均分子量が30,000より小さい場合は、樹脂成形体を作製した場合に得られるフィルムの強度が不十分となる場合がある。逆に、3,000,000より大きい場合には、フィルムへの加工性が不十分となることがある。本明細書において、「数平均分子量」は、下記条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算で測定された値である。
<測定条件>
移動層:クロロホルム
流量:0.6ml/分
温度:40℃
検出器:RI(屈折計)
本発明の直播用パックの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を同様にして使用できる。例えば、本発明の直播用パックがテープ状である場合には、(ア)上記したような生分解性樹脂を溶融し、この溶融物をインフレーション法などの公知の押出成形法によりチューブ状に成形して、このチューブ状のフィルムの底をシールし、これに所定数/量の種子/肥料を充填した後、ヒートシールやインパルスシール等により封シールし、この工程を繰り返す方法;(イ)上記したような生分解性樹脂を溶融し、これをTダイキャスト法やインフレーション法などの公知の押出成形法により膜状に成形して、所定の幅を有するフィルムとして捲き取り、このフィルムを二つ折にし、所定の間隔をあけてヒートシールやインパルスシール等により縦シールして上部のみが開放している袋状物としながら、この袋状物に所定数/量の種子/肥料を充填した後、ヒートシールやインパルスシール等により横シールし、この工程を繰り返す方法などの方法が使用できる。また、上記方法では、生分解性樹脂のみを溶融したが、これに加えて、顔料や染料等の着色剤、除草剤、雑草防除剤、害虫忌避剤、抗菌剤、防黴剤、耐熱剤、耐候剤、キレート化剤、結晶核剤、滑剤、帯電防止剤、安定化剤、充填剤、強化材、難燃剤、可塑剤、界面活性剤、相溶化剤、アンチブロッキング剤などの添加剤を生分解性樹脂に一緒に混入してもよい。特に、土壌と同じ色にして鳥による食害を防ぐという観点から、生分解性フィルムが土壌から露出しても目立たないように茶色の着色剤を生分解性樹脂に混入しておくことが好ましい。または、特にカラスによる食害を防ぐためには、赤色の生分解性樹脂に混入しておくこともまた有効である。上記に加えてまたは上記に代えて、除草作業や害虫の除去にかかる労力を軽減するという観点から、除草剤、雑草防除剤、害虫忌避剤、抗菌剤、防黴剤などから選ばれる少なくとも1種の添加材料を混入しておくこともまた好ましい。この際、添加材料の添加量は、特に制限されず、所望の効果を達成するのに十分な量が使用される。
上記方法において、直播用パックに通気のための穴が開けられている場合には、上記したようにパックに成形した後に、穴を開けても、あるいはチューブ状物またはフィルム状物に成形する際にあるいは成形した後に、予め穴をあけておいてもよい。また、本発明の直播用パックがシート状である場合にも、種子/肥料を入れる充填口を複数個とする以外は上記と同様の方法などの公知の方法が使用できる。
上記したようにして得られる本発明の直播用パックの使用方法は、特に制限されず、公知の直播方法と同様にして使用できる。以下、稲種子を用いた場合の、テープ状である本発明の直播パックの使用方法の好ましい一実施態様を、簡単に説明する。すなわち、施肥され、耕耘・代掻された乾田に、2〜3cm程度の溝を掘り、手押車のような簡単な播種(敷種)機を用いて、この溝に本発明のパックを溝中に敷設して、この上に覆土する。すると、コンパートメント内の種子の生長に合わせてフィルムが分解・崩壊していくため、種を鳥に食べられることがなく、また、フィルムが種子の発芽・出根を阻害することもない。また、上記したように、乾田に播種した場合には、根が水を求めて、土中に深く伸び、また、茎も丈夫に生長するため、倒伏の心配がない。さらに、種子を内包するコンパートメントを定間隔で配置した場合は、パックを単に溝に敷設するという簡単な作業によって、均一に播種することができる。なお、パックが肥料を内包したコンパートメントを有する場合には、上記したように予め施肥しておく必要が必ずしもない。または、本発明の直播用パックは、耕運機や田植え機などを用いて播種する場合には、アタッチメント/アダプターなどを用いることにより、やはり簡単に播種(敷種)することができる。
以下、本発明を、実施例を参照しながらより詳細に説明する。なお、下記実施例において、好気性条件下での相対生分解率は、化審法の生分解性試験(MITI法)に従って測定した。また、嫌気性条件下での相対生分解率は、ASTM D.5511−94に従って測定した。さらに、分子量は、上記と同様にして測定された数平均分子量で表わす。
実施例1
ポリエチレンサクシネート(数平均分子量:78000)のペレットを粉砕し、100メッシュで篩分けした粉末試料について、好気性条件下での相対生分解率を測定したところ、15日後の生分解率は、68.2%であり、28日後の生分解率は、81.3%であった。また、上記粉末試料について、嫌気性条件下での相対生分解率を測定したところ、120日後の生分解率は、98.1%であった。
実施例2
ポリエチレンサクシネートの代わりに、ポリエチレンサクシネート/アジペート(数平均分子量:65000)を使用する以外は、実施例1と同様にして、粉末試料を作製して、好気性条件下での相対生分解率及び嫌気性条件下での相対生分解率を測定した。結果を下記表1に示す。
実施例3
ポリエチレンサクシネートの代わりに、ポリブチレンサクシネート(数平均分子量:80000)を使用する以外は、実施例1と同様にして、粉末試料を作製して、好気性条件下での相対生分解率及び嫌気性条件下での相対生分解率を測定した。結果を下記表1に示す。
実施例4
ポリエチレンサクシネートの代わりに、ポリブチレンサクシネート/アジペート(数平均分子量:82000)を使用する以外は、実施例1と同様にして、粉末試料を作製して、好気性条件下での相対生分解率及び嫌気性条件下での相対生分解率を測定した。結果を下記表1に示す。
実施例5
ポリエチレンサクシネートの代わりに、ポリ乳酸(数平均分子量:99000)を使用する以外は、実施例1と同様にして、粉末試料を作製して、好気性条件下での相対生分解率及び嫌気性条件下での相対生分解率を測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 2006158215
上記表1から、ポリエチレンサクシネート(実施例1)及びポリエチレンサクシネート/アジペート(実施例2)は、好気性及び嫌気性条件下双方での相対生分解率に優れ、土中で速やかに分解できることが分かる。一般的に、稲種子の場合には、播種してから1ヶ月程度たつと3〜4葉期となるため、これらの材料からなるフィルムで種子を内包したパックは、従来と同様の播種時期に種子を播いても、種子の発芽や出根前にフィルムが崩壊し始めるので、種子の発芽・出根を阻害することがなく、従来と同様の播種方法が適用できると考察される。
また、ポリブチレンサクシネート/アジペート(実施例4)は、15日での好気性生分解率は低いものの、28日での分解率及び嫌気性条件下での分解率は比較的高いことが分かる。上記したように、稲種子の場合には、フィルムは播種してから1ヶ月程度で分解すれば十分であるため、従来と同様の播種時期で十分であるが、場合によっては、ポリブチレンサクシネート/アジペートの場合には、この材料から作製されたパックは、種子の発芽や出根に合わせて、従来の播種時期よりやや早い時期に、直播する方法が好ましくとられると考察される。後者の場合には、農繁期を若干ずらして種子を播種することができ、特に種籾などの、従来であれば農繁期に他の野菜などの種子と同時に播種しなければならない種子に好適に使用できる。
さらに、ポリブチレンサクシネート(実施例3)は、好気性及び嫌気性条件下相対生分解率が双方とも低いため、このような材料から作製されたパックは、従来の播種時期よりかなり早い時期に、直播する方法が好ましくとられる。これにより、いわゆる農閑期と呼ばれる時期に種子を播種することができ、特に種籾などの、播種する従来であれば農繁期に他の野菜などの種子と同時に播種しなければならない種子に特に好適に使用できる。
ポリ乳酸(実施例5)は、嫌気性条件下での相対生分解率には優れるものの、好気性条件下での相対生分解率が低い。このため、このような材料から作製されたパックは、地中深く播種する種に対しては、従来と同様の播種時期に種子を直播でき、また、比較的浅い位置に播種する種子に対しては、上記したのと同様にして、農繁期をずらして種子を播種することにより、適用できると考察される。
実施例6
実施例1のポリエチレンサクシネートを用いて、ダイリップ径150mm、リップギャップ2mmのLDPE用インフレーション成形機にてフィルム形成を行なった。この際、成形温度は150℃、ブローアップ比は1.9で、厚み25μmのフィルムを得た。次に、このようにして得られたフィルムを、ヒートシーラーを用いて、所定の大きさ(2.5cm×2.5cm)のパック(1)にした。
実施例7
実施例5のポリ乳酸を用いて、ダイリップ径150mm、リップギャップ2mmのLDPE用インフレーション成形機にてフィルム形成を行なった。この際、成形温度は170℃、ブローアップ比は1.9で、厚み25μmのフィルムを得た。次に、このようにして得られたフィルムを、ヒートシーラーを用いて、所定の大きさ(2.5cm×2.5cm)のパック(2)にした。
実施例8
実施例4のポリブチレンサクシネート/アジペートを用いて、ダイリップ径100mm、リップギャップ3mmのLDPE用インフレーション成形機にてフィルム形成を行なった。この際、成形温度は150℃、ブローアップ比は2.2で、厚み25μmのフィルムを得た。次に、このようにして得られたフィルムを、ヒートシーラーを用いて、所定の大きさ(2.5cm×2.5cm)のパック(3)にした。
実施例9
実施例6〜8で製造したパック(1)〜(3)(大きさ:2.5cm×2.5cm)に、千枚通しを用いて、各パックを構成する双方のフィルムに4個ずつ穴をあけたものと、このような穴を開けないものの2種を、それぞれ用意した。なお、以降、これらのパックについては、例えば、パック(1)について、穴が開けられたものを、「パック(1−穴あり)」と、穴を開けなかったものを、「パック(1−穴なし)」と、それぞれ、称する。
これらのパックに、大さや枝豆の種子を1個ずつ入れて、上部をヒートシールでシールした。次に、これを、土壌の入ったポットに、深さが約2cmになるように、播種した。なお、本実験は、各パックについて、6連で行なった。これらのポットを、土が乾かない程度に水をやりながら、野外に置き、種子の発芽状況を、2週間、目視により確認した。
その結果、パック(1)については、パック(1−穴あり)で、9日目に、3個のポットで発芽が認められ、パック(1−穴なし)では、10日目に1個、12日目にさらに1個(計2個)のポットで、それぞれ、発芽が認められた。また、パック(2)については、穴あり、穴なしいずれのパックでも、2週間では発芽が認められなかった。さらに、パック(3)については、穴が開いているパック(3−穴あり)でのみ、9日目に1個、11日目にさらに1個(計2個)のポットで、発芽が認められたが、これらのうち、一方のパックは土中に留まらず、発芽頭部にくっついた状態で出てきた。これは、ポリブチレンサクシネートからなるフィルムの生分解速度はやや遅く、種子の発芽・出芽速度にフィルムの分解が追いつかないために起こったと考察される。また、これらの結果は、分解速度がポリエチレンサクシネート>ポリブチレンサクシネート/アジペート>ポリ乳酸であるという上記実施例5における結果と一致するものである。
また、上記パックのうち、特に発芽が認められたパック(1−穴あり)及びパック(1−穴なし)について、出根状況を確認したところ、以下のような結果が得られた。すなわち、パック(1−穴あり)について、9日目及び10日目に表面の土を除去して、出根状況及びパックの分解状況を観察したところ、根が穴からでており、特に根と接触した部分が大きな穴になっていたことから、植物の根の周りに存在する微生物がフィルムの分解・崩壊を促進していると考察される。また、パック(1−穴なし)についても、10日目に表面の土を除去して、出根状況及びパックの分解状況を観察したところ、芽及び根が、フィルムを突き破るような形で、フィルムから突出していたが、同じ10日目で比較してみると、パック(1−穴あり)の方が、芽及び根の成長がかなり早いことが認められた。また、パック(1−穴なし)について、14日目にも、同様にして、出根状況を観察したところ、パックは、植物の根の周囲(根圏)にとどまっていたが、かなり分解・崩壊が進んでいた。この結果からも、植物の根の周りに存在する微生物によりフィルムの分解・崩壊が促進されると考察される。加えて、やはり発芽が認められたパック(3−穴あり)についても同様にして、出根状況を調べてみたところ、芽や根は穴からでており、それ以外の部分のフィルムはあまり分解・崩壊していなかった。
上記に加えて、2週間たっても発芽が認められなかったポットについて、種子を土中から取り出して、その状態を観察した。その結果、パック(1)については、パック(1−穴あり)のみでなく、パック(1−穴なし)でも、中の種子は、水分を吸収してハトムネ状態になっており、土表面には出ていなかったものの既に発芽/出根していたあるいは発芽/出根の準備が十分整っていた。これは、パック(1)は生分解速度のかなり速いポリエチレンサクシネートを使用しているため、2週間という短期間で十分フィルムが分解・崩壊し始めているため、この時点で十分量の水が種子に浸入/浸透できるためであると考察される。これに対して、パック(2−穴なし)及び(3−穴なし)中の種子は、種子への水分の浸入・浸透が全く/ほとんど見られず、パックに種子を入れたときと全く/ほとんど同様の状態であった。これは、実施例5の結果を合わせて考慮すると、パック(2)及び(3)は、パック(1)に比べて生分解速度の遅いポリブチレンサクシネート/アジペートやポリ乳酸で作られているため、2週間という短い期間では、フィルムはほとんど分解・崩壊せずにそのままの状態を維持しており、土中の水が種子にほとんど接触できないため、このような結果になったと考察される。
これらのことから、実施例5における考察と同様、本発明のパックは、播種時期と発芽・出根の時期を従来と同様にできるのみでなく、これらの時期を適宜ずらすことが可能であり、特に農作業を軽減するために農繁期をずらして種子を播種しようとする場合などにも好適に使用できる。
実施例10
実施例6〜8で製造したパック(1)〜(3)(大きさ:2.5cm×2.5cm)に、千枚通しを用いて、各パックを構成する双方のフィルムに4個ずつ穴をあけたものと、このような穴を開けないものの2種を、それぞれ用意した。なお、以降、これらのパックについては、例えば、パック(1)について、穴が開けられたものを、「パック(1−穴あり)」と、穴を開けなかったものを、「パック(1−穴なし)」と、それぞれ、称する。
これらのパックに、種籾を4粒ずつ入れて、上部をヒートシールでシールした。次に、これを、土壌の入ったポットに、深さが約1cmになるように、播種した。なお、本実験は、各パックについて、3連で行なった。これらのポットを、ポット中で土の表面と水の表面がほぼ同一面になるように水をやりながら(この条件を、「湛水条件」と称する)または土が乾かない程度に水をやりながら(この条件を、「乾田条件」と称する)、野外に置き、種子の発芽状況を、3週間、目視により確認した。
その結果、パック(1−穴あり)については、まず、湛水条件では、7日目に1個、8日目にさらに2個(計3個すべて)のポットで発芽が認められ、乾田条件では、9日目に1個、10日目にさらに2個(計3個すべて)のポットで発芽が認められた。パック(1−穴なし)については、乾田条件で、11日目に1個、12日目にさらに1個(計2個)のポットで発芽が認められた。また、パック(3−穴あり)については、湛水及び乾田双方の条件で、11日目に1個のポットでそれぞれ発芽が認められ、パック(3−穴なし)については、乾田条件で18日目に1個のポットで発芽が認められたのみであった。さらに、パック(2−穴あり)については、湛水条件で、18日目に1個のポットで発芽が認められたのみであった。
これらの結果から、上記実施例9におけるのと同様、本発明のパックは、播種時期と発芽・出根の時期を従来と同様にできるのみでなく、これらの時期を適宜ずらすことが可能であり、特に農作業を軽減するために農繁期をずらして種子を播種しようとする場合などにも好適に使用できることが示唆される。
本発明のパックは、様々な種子、特に稲種子を圃場に直播するのに適用できる。
テープ状である本発明の直播用パックの好ましい一実施態様を示す概略図である。 シート状である本発明の直播用パックの好ましい他の実施態様を示す概略図である。 コンパートメントに穴が開いている直播用パックの好ましい一実施態様を示す断面図である。
符号の説明
1 直播用パック、
2 種子、
3 肥料、
3’ 速効性の肥料、
3” 遅効性の肥料、
4 仕切部、
5 シール部、
6 穴、
A 種子を内包するコンパートメント、
B,B’,B” 肥料を内包するコンパートメント。

Claims (9)

  1. 生分解性フィルムで種子を内包するコンパートメントを有する直播用パック。
  2. 種子を内包するコンパートメントが定間隔で配置される、請求項1に記載の直播用パック。
  3. 肥料が、種子と同じコンパートメント内に内包される、請求項1または2に記載の直播用パック。
  4. 肥料を内包するコンパートメントをさらに有し、種子を内包するコンパートメントと肥料を内包するコンパートメントが互い違いに配置される、請求項1または2に記載の直播用パック。
  5. 該パックは、テープ状またはシート状である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の直播用パック。
  6. 該生分解性フィルムは、下記特性の少なくとも一を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の直播用パック:
    (1)15日での好気性条件下での相対生分解率が30%以上である;
    (2)28日での好気性条件下での相対生分解率が50%以上である;及び
    (3)120日での嫌気性条件下での相対生分解率が50%以上である。
  7. 該生分解性フィルムは、ポリエチレンサクシネートおよび/またはポリエチレンサクシネート/アジペートを主成分として製造される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の直播用パック。
  8. 稲種子の直播に使用される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の直播用パック。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の直播用パックの生分解性フィルムに使用される生分解性樹脂。
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