JP2006156999A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光特性に優れ、耐久性の高い、青色発光素子および多色発光素子、電子輸送材料および/またはホスト材料を提供する。
【解決手段】有機層に下記一般式(2)で表される化合物を含有する。
Figure 2006156999

【選択図】なし

Description

本発明は電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子に関する。
今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発に行われており、中でも有機電界発光(EL)素子は低電圧で高輝度の発光が可能であるため注目されている。最近は素子耐久性の向上が求められており、これを改良することが求められている。
素子の耐久性を向上させるために好適な材料としては種々の芳香族縮環炭化水素材料が提案されている。例えば特許文献1および2にはジフェニルアントラセン誘導体が開示されている。
しかし、前記のような芳香族縮環材料は一般にTのエネルギーレベルが低いため、ドーパントに対するエネルギー移動効率の点で不利である。発光効率向上のためには、より高いTエネルギーレベルを有する芳香族炭化水素材料を開発することが望まれている。
特開平8-12600号公報 特開2001-335516号公報
本発明は、発光特性に優れ、かつ耐久性の高い発光素子、特に青色発光素子および多色発光素子を提供することを目的とする。さらに本発明は有機電界発光素子用の電子輸送材料および/またはホスト材料を提供することを目的とする。
上記の課題は下記手段によって達成された。
(1)一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、前記有機層に下記一般式(2)で表される(部分構造を有する)化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする有機電界発光素子。(一般式(2)で表される(部分構造を有する)化合物とは、本明細書において、一般式(2)で表される化合物および/または一般式(2)で表される化合物に構造上相当する基を部分構造として有する化合物を意味する。)
Figure 2006156999
一般式(2)中、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15およびA16は置換基を有していてもよい炭素原子もしくは窒素原子を表し、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15およびA16のうち少なくとも一つは窒素原子である。
(2)前記一般式(2)で表される化合物がテトラフェニレン構造を一つのみ有する化合物であることを特徴とする(1)記載の有機電界発光素子。
(3)前記一般式(2)で表される化合物に構造上相当する基を部分構造として有する化合物が、前記一般式(2)で表される化合物が互いに複数結合した、連結化合物、オリゴマー化合物またはポリマー化合物であることを特徴とする(1)記載の有機電界発光素子。
(4)前記一般式(2)で表される(部分構造を有する)化合物のテトラフェニレン構造中、1つの6員環が有する窒素原子が2個以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(5)前記一般式(2)で表される(部分構造を有する)化合物のテトラフェニレン構造を形成する6員環のうち、窒素原子を有する6員環が置換基を有していないことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(6)前記一般式(2)で表される(部分構造を有する)化合物の少なくとも1種とりん光発光材料を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を有する表示素子。
本発明の有機電界発光素子は優れた発光特性および耐久性を示す。
本発明者らは上記の技術課題を解決すべく、鋭意検討を行ったところ特定のテトラフェニレン誘導体が高いT1エネルギーレベルを有することを見出し、これらを三重項発光素子中に用いた場合、発光効率が高く、優れた駆動耐久性を示す素子が得られることを見出した。くわえて、上記発光素子の発光層中にさらに電子注入、輸送を担う化合物を含む発光素子においてはさらに耐久性が向上することを見出した。以下に詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、前記有機層に下記一般式(2)で表される化合物および該化合物に構造上相当する基を部分構造として有する化合物の中から選ばれた少なくとも1種を含有する。
Figure 2006156999
一般式(2)について説明する。一般式(2)中、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15およびA16は置換基を有していてもよい炭素原子もしくは窒素原子を表し、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15およびA16のうち少なくとも一つは窒素原子である。
ここで置換基の例として好ましくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素原子数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素原子数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素原子数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、
アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素原子数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素原子数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素原子数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)、アルキニル基(好ましくは、炭素原子数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素原子数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、
シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素原子数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素原子数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素原子数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素原子数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素原子数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素原子数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素原子数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素原子数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素原子数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素原子数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素原子数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素原子数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素原子数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素原子数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素原子数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素原子数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素原子数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素原子数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、
スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素原子数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、
アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素原子数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素原子数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素原子数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイルベンゾイル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素原子数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素原子数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素原子数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素原子数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素原子数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素原子数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素原子数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素原子数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素原子数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素原子数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表す。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。置換基が縮合して縮合環を形成していてもよい。
置換基として、より好ましくは、炭素原子数1〜3のアルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子またはフッ素原子)、炭素原子数6〜12の置換または無置換のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル)、炭素原子数1〜10の置換または無置換のヘテロ環基(例えば、ピリジル、イミダゾリル)など、また、置換基が縮合して縮合環を形成することなどが挙げられる。
一般式(2)で表される化合物中テトラフェニレン構造を形成する2価の6員環基のうち、窒素原子を有する2価の6員環基は、縮合環の形成を除いて、置換基を有さないことが好ましい。さらに、前記一般式(2)で表される化合物のテトラフェニレン構造中、1つの2価の6員環基内に有する窒素原子の数は3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
一般式(2)中、A〜A16のうち、少なくとも1つは窒素原子であるが、特に好ましくはA、A、A、A、A、A12、A13、およびA16から選ばれる原子が窒素原子である。また、A〜A16のうち2つ以上が窒素原子であることがさらに好ましく、1つの2価の6員環がピリミジン環あるいはピラジン環を表す場合がより好ましく、ピラジン環を表す場合が最も好ましい。
一般式(2)で表される化合物はテトラフェニレン構造を一つのみ有することが好ましい。本発明において、テトラフェニレン構造とは2価の6員環基が、一般式(2)で示すように、四辺に縮環した構造をさし、縮合環をフェニレン基に限定する意味ではない。したがって、6員環を構成する原子が炭素原子以外の例えば窒素原子などであってもよい。テトラフェニレン構造を一つのみ有するとは、一般式(2)で表される化合物の基本骨格となるテトラフェニレン構造以外に、さらにテトラフェニレン構造を有する置換基を有していないことをさす。ただし、以下に説明する連結化合物(多量体)、オリゴマー化合物、ポリマー化合物などにおいてはこの限りではない。
一般式(2)の化合物は単一の化合物であってもよく、また、連結基を介して連結した化合物、あるいはいずれかの水素原子などの原子が離脱して連結した化合物などであってもよい。例えば、2個以上が結合することにより形成した2量体以上の多量体であってもよい。また、一般式(2)の化合物は、低分子化合物、オリゴマー化合物、またはポリマー化合物(重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、好ましくは1,000〜5,000,000、より好ましくは2,000〜1,000,000、さらに好ましくは3,000〜100,000)のいずれであってもよい。ポリマー化合物の場合、一般式(2)で表される化合物が、ポリマー主鎖中に含まれてもよく、ポリマー側鎖に含まれていてもよい。また、ポリマー化合物の場合、ホモポリマー化合物であってもよく、共重合体であってもよい。本発明の有機電界発光素子に用いられる、一般式(2)で表される化合物は、低分子化合物であることが好ましい。
一般式(2)で表される化合物のTレベル(最低三重項励起状態のエネルギーレベル)は45Kcal/mol以上(188.3KJ/mol以上)、85Kcal/mol以下(355.6KJ/mol以下)が好ましく、55Kcal/mol以上(251.0KJ/mol以上)、85Kcal/mol以下(355.6KJ/mol以下)がより好ましく、60Kcal/mol以上(272.0KJ/mol以上)、85Kcal/mol以下(355.6KJ/mol以下)がさらに好ましい。
次に本発明の有機電界発光素子に用いられる一般式(2)の化合物を例示するが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2006156999
Figure 2006156999
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Figure 2006156999
Figure 2006156999
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本発明の有機電界発光素子に用いられる、一般式(2)で表される化合物は、例えば、Justus Liebigs Annalen der Chemie, 751, 1 (1971)、Tetrahedron Letters, 39, 5393 (1998)、Journal of Organomet. Chem. 10, 471 (1967)、Angewandte Chemie, International Edition in English, 87, 746 (1975)などに記載の方法によって合成することができる。
詳しくは、種々の常用の芳香族炭素炭素結合生成反応あるいは炭素窒素結合生成反応を利用して合成可能であり、例えば、テトラフェニレン骨格を有するハロゲン化合物とホウ酸誘導体、あるいはテトラフェニレン骨格を有するハロゲン化合物と芳香族アミン化合物とのパラジウム触媒存在下における反応により合成することができる。
例えば、上記例示化合物(2−17)は、Chemistry A European Journal 8(9), 2000-2004 (2002)やAngewandte Chemie, the International Edition in English 36, 1607-1609 (1997)に記載の方法を参考とし、下記のようなスキームに従い、合成することができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2006156999
本発明の有機電界発光素子は、発光材料の励起状態がいずれの励起状態からの発光であても利用可能であるが、三重項励起状態からの発光を利用した素子であることが好ましい。ここで、三重項励起状態からの発光はりん光発光と同義である(以下、りん光を発する材料を「りん光発光材料」という。)。本発明の有機電界発光素をりん光発光材料により構成する場合、少なくとも1種のりん光発光材料を含むことが好ましい。このとき、本発明で用いるりん光発光材料は特に限定されないが、遷移金属錯体が好ましい。遷移金属錯体の中でも、オルトメタル化錯体が非常に好ましく使用できる。オルトメタル化錯体(Orthometalated Complex)とは、山本明夫著「有機金属化学 基礎と応用」, 150頁および232頁, 裳華房社(1982年)、H. Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」, 71〜77頁および135〜146頁,Springer-Verlag社(1987年)等に記載されている化合物群の総称である。遷移金属錯体の中心金属は特に限定されず、好ましくはイリジウム、白金、レニウムまたはルテニウムであり、より好ましくはイリジウムまたは白金であり、特に好ましくは白金である。遷移金属錯体は三座以上の多座配位錯体であることが好ましく、より好ましくは四座以上の多座配位錯体である。その多座配位錯体の具体的な例としては、国際公開WO04/099339号パンフレット記載の一般式(1)〜(18)あるいは、国際公開WO04/108857号パンフレットに記載の一般式(1)〜(12)で表される錯体が挙げられる。
上記りん光発光材料は、20℃でのりん光量子収率が70%以上であるのが好ましく、さらには20℃でのりん光量子収率が80%以上であるのが好ましく、20℃でのりん光量子収率が85%以上であることが特に好ましい。
また、本発明はいずれの波長領域の発光素子にも適用可能であるが、特に技術的に困難とされるているりん光λmax(発光極大値)495nm以下の波長領域であるのが好ましい。りん光λmaxは、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下、さら好ましくは465nm以下、特に好ましくは460nm以下である。
以下、一般式(2)で表される化合物について好ましい実施態様をさらに詳細に説明するが、一般式(2)で表される部分構造を有する化合物についても同様である。
一般式(2)で表される化合物は本発明の有機電界発光素子中、いずれの層に含まれていてもよいが、有機層に含まれていることが好ましく、電子輸送層もしくは発光層中に含まれることがより好ましい。また、一般式(2)で表される化合物は有機電界発光素子中に1種または複数含まれていてもよく、複数含まれる場合、同一の層に含まれていても、複数の層に含まれていてもよい。さらに、一般式(2)で表される化合物は、有機電界発光素子中に、他の発光材料またはりん光材料と共に、同一のまたは異なる有機層に含有してもよい。
本発明の有機電界発光素子のシステム、駆動方法、利用形態等は特に限定されないが、一般式(2)で表される化合物を電荷輸送材料として利用する形態、および一般式(2)で表される化合物とりん光発光材料を同一層に用いる形態が好ましい。一般式(2)で表される化合物とりん光発光材料を同一層に使用する場合、一般式(2)で表される化合物は主としてホスト材料として機能する。代表的な発光素子として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を挙げることができる。
本発明の有機電界発光素子の発光層中に前記一般式(2)で表される化合物が含まれる場合には、これらとともに正孔注入、輸送を担う化合物bを含んでもよい。
Figure 2006156999
発光層中に含有される正孔を注入・輸送する化合物とは、発光層中において正孔の注入・輸送の役割を担う化合物の意であり、その化合物を発光層に添加することにより、正孔の注入または輸送が促進される化合物のことであり、もしくは、Ip値(イオン化ポテンシャル)が正孔注入・輸送に適した値にある化合物のことである。
発光層中に正孔注入・輸送を担う化合物が含まれている場合、発光層中への正孔の注入が容易になることで駆動電圧を下げることが出来、これによって高い電界を印加することに由来する材料の分解を抑えることが出来る。また化合物bが正孔輸送を担うため、一般式(2)で表される化合物に正孔が注入されることで起こる材料の分解を抑制することができる。
発光層中に前記一般式(2)で表される化合物とともに正孔注入・輸送を担う化合物bが含まれている場合、発光層中の濃度は一般式(2)で表される化合物が10〜99質量%、正孔を注入・輸送する化合物bが1〜90質量%であることが好ましく、一般式(2)で表される化合物が15〜98質量%、正孔を注入・輸送する化合物bが2〜85質量%であることがより好ましく、一般式(2)で表される化合物が20〜95質量%、正孔を注入・輸送する化合物bが5〜80質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極(陽極および陰極)間に、発光層を含む少なくとも一層の有機層(発光層単層も含み、以下、「有機化合物層」ともいう)を有し、該層の少なくとも一層は一般式(2)で表される化合物を含有する。一般式(2)で表される化合物を含有する層における該化合物の質量比は、一般式(2)で表される化合物をホスト材料として使用する場合、好ましくは50〜99.9質量%であり、より好ましくは60〜99質量%である。電荷輸送材料として使用する場合には、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは60〜100質量%である。
一般式(2)で表される化合物を含有する層の形成方法は特に限定されず、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法等の方法が使用可能である。中でも、素子の特性および製造面から抵抗加熱蒸着法、コーティング法および転写法が好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、発光層に加えて正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層等を含んでいてよく、これらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。本発明の有機電界発光素子に用いられる一般式(2)で表される化合物はこれらの層のいずれに含まれていてもよい。
本発明の有機電界発光素子においては、陰極と発光層の間に5.9eV以上のイオン化ポテンシャルを有する化合物を含有する層を設置するのが好ましい。このイオン化ポテンシャルは6.0eV以上であるのが特に好ましく、このような層は電子輸送層であることが特に好ましい。
本発明の有機電界発光素子の発光極大波長は、青色色純度の観点から好ましくは390〜495nmであり、より好ましくは400〜490nmである。また、本発明の有機電界発光素子は500nm以上にも発光極大波長を有してよく、白色発光素子であってもよい。青色色純度の観点から、発光のCIE色度値のx値は、好ましくは0.22以下、より好ましくは0.20以下であり、発光のCIE色度値のy値は好ましくは0.53以下、より好ましくは0.50以下である。また、青色色純度の観点から発光スペクトルの半値幅は好ましくは100nm以下、より好ましくは90nm以下、更に好ましくは80nm以下、特に好ましくは70nm以下である。以下、本発明の有機電界発光素子の各層について詳述する。
(A)陽極
陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層等に正孔を供給するものである。陽極を形成する材料としては、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物等を用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料を用いる。具体例としては、金属(金、銀、クロム、ニッケル等)、導電性金属酸化物(酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等)、これら金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、無機導電性物質(ヨウ化銅、硫化銅等)、有機導電性材料(ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等)およびこれらとITOとの積層物等が挙げられる。陽極は導電性金属酸化物からなるのが好ましく、生産性、高導電性、透明性等の観点からITOが特に好ましい。
陽極の形成法は用いる材料に応じて適宜選択すればよく、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲル法等)、酸化インジウムスズ分散物の塗布等の方法を用いることができる。陽極に洗浄等の処理を施すことにより、発光素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めたりすることも可能である。例えばITOからなる陽極の場合、UV-オゾン処理、プラズマ処理等が効果的である。陽極のシート抵抗は数百Ω/□以下とするのが好ましい。陽極の膜厚は材料に応じて適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmとするのが好ましく、50nm〜1μmとするのがより好ましく、100〜500nmとするのが特に好ましい。
陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂等からなる基板上に形成する。ガラス基板の場合、ガラスからの溶出イオンを低減するためには無アルカリガラスを用いるのが好ましい。ソーダライムガラス基板を用いる場合は、予めその表面にシリカ等のバリアコートを形成するのが好ましい。基板の厚さは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラス基板の場合は通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上とする。
(B)陰極
陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層等に電子を供給するものである。陰極の材料としては、金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物等を用いることができ、発光層等の隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選択すればよい。
具体例としては、アルカリ金属(リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等)およびそのフッ化物や酸化物、アルカリ土類金属(マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等)およびそのフッ化物や酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウムおよびカリウムからなる合金および混合金属、リチウムおよびアルミニウムからなる合金および混合金属、マグネシウムおよび銀からなる合金および混合金属、希土類金属(インジウム、イッテリビウム等)、それらの混合物等が挙げられる。陰極は仕事関数が4eV以下の材料からなるのが好ましく、アルミニウム、リチウムとアルミニウムからなる合金または混合金属、あるいはマグネシウムと銀からなる合金または混合金属からなるのがより好ましい。
陰極は、上記のような材料からなる単層構造であっても、上記材料からなる層を含む積層構造であってもよい。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウム等の積層構造が好ましい。陰極は電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法等により形成することができる。蒸着法の場合、材料を単独で蒸着することも、二種以上の材料を同時に蒸着することもできる。合金電極を形成する場合は、複数の金属を同時蒸着して形成することが可能であり、また予め調整した合金を蒸着してもよい。陰極のシート抵抗は数百Ω/□以下とするのが好ましい。陰極の膜厚は材料に応じて適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmとするのが好ましく、50nm〜1μmとするのがより好ましく、100nm〜1μmとするのが特に好ましい。
(C)正孔注入層および正孔輸送層
正孔注入層および正孔輸送層に用いる材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、および陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。その具体例としては、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマーやポリチオフェン等の導電性高分子、有機シラン、上記一般式(2)で表される化合物、これらの誘導体、カーボン等が挙げられる。
正孔注入層および正孔輸送層は1種または2種以上の上記材料からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。正孔注入層および正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法、LB法、上記材料を溶媒中に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法等)、インクジェット法、印刷法、転写法等が用いられる。コーティング法の場合、上記材料を樹脂成分と共に溶解または分散させて塗布液を調製してもよく、該樹脂成分としては、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N-ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が使用できる。正孔注入層および正孔輸送層の膜厚は特に限定されないが、通常1nm〜5μmとするのが好ましく、5nm〜1μmとするのがより好ましく、10〜500nmとするのが特に好ましい。
(D)発光層
発光素子に電界を印加すると、発光層において陽極、正孔注入層または正孔輸送層から注入された正孔と、陰極、電子注入層または電子輸送層から注入された電子とが再結合し、光を発する。発光層をなす材料は、電界印加時に陽極等から正孔を受け取る機能、陰極等から電子を受け取る機能、電荷を移動させる機能、および正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば特に限定されない。発光層の材料としては例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、金属錯体(8−キノリノール誘導体の金属錯体等)、高分子発光材料(ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等)、有機シラン、遷移金属錯体(イリジウムトリスフェニルピリジン錯体、白金ポルフィリン錯体等)、これらの誘導体等が使用できる。発光層をなす材料の少なくとも1つが、りん光発光材料であることが好ましい。
発光層は単一の材料で形成しても複数の材料で形成してもよい。発光層は1つであっても複数であってもよい。発光層が複数の場合も、それぞれの発光層は単一の材料で形成しても複数の材料で形成してもよい。また、複数の発光層がそれぞれ異なる発光色で発光し白色等を発してもよく、単一の発光層が白色発光してもよい。
発光層の形成方法は特に限定されず、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法等)、インクジェット法、印刷法、LB法、転写法等が使用可能である。中でも抵抗加熱蒸着法およびコーティング法が好ましい。発光層の膜厚は特に限定されず、通常1nm〜5μmとするのが好ましく、5nm〜1μmとするのがより好ましく、10〜500nmとするのが特に好ましい。
(E)電子注入層および電子輸送層
電子注入層および電子輸送層をなす材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、並びに陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。その具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、金属錯体(8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体等)、有機シラン、上記一般式(2)で表される化合物、これらの誘導体等が挙げられる。
電子注入層および電子輸送層は1種または2種以上の上記材料からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。電子注入層および電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法、LB法、上記材料を溶媒中に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法等)、インクジェット法、印刷法、転写法等が用いられる。コーティング法の場合、上記材料を樹脂成分と共に溶解または分散させて塗布液を調製してもよい。該樹脂成分としては、前述した正孔注入層および正孔輸送層の場合と同様のものが使用できる。電子注入層および電子輸送層の膜厚は特に限定されず、通常1nm〜5μmとするのが好ましく、5nm〜1μmとするのがより好ましく、10〜500nmとするのが特に好ましい。
(F)保護層
保護層は水分、酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有する。保護層の材料としては、金属(インジウム(In)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、金(Au)、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)等)、金属酸化物(MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等)、金属フッ化物(MgF2、LiF、AlF3、CaF2等)、窒化物(SiNx、SiOxNy等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が使用できる。
保護層の形成方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法等が適用できる。本発明の一般式(2)で表される化合物は、Angew. Chem.,87,746(1975)に記載の方法やChem. Ber.,36,1607(1997)に記載の方法により合成可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N'-ジフェニル-N,N'-ジ(m-トリル)-ベンジジン)を40nm蒸着し、この上に例示化合物(2−3)およびbを17対1の質量比で20nm共蒸着し、さらにこの上に下記アゾール化合物cを40nm蒸着した。得られた有機薄膜上に発光面積が4mm×5mmとなるようにパターニングしたマスクを設置し、蒸着装置内でマグネシウムおよび銀(マグネシウム:銀=10:1(質量比))を50nm共蒸着した後、銀を50nm蒸着して実施例1の発光素子を作製した。
Figure 2006156999
得られた実施例1の発光素子に、東陽テクニカ製「ソースメジャーユニット2400型」を用いて直流定電圧を印加して発光させ、その発光輝度をトプコン社製「輝度計BM-8」を用いて測定し、発光波長を浜松フォトニクス社製「スペクトルアナライザーPMA-11」を用いて測定した。その結果、青色発光が得られ、外部量子効率は4.2%であった。なお、外部量子効率は発光輝度、発光スペクトル、電流密度および比視感度曲線より算出した。
〔実施例2〕
例示化合物(2−3)に替えて例示化合物(2−2)を用いたこと以外は上記実施例1と同様にして、実施例2の発光素子を作製した。実施例2の発光素子の発光輝度を実施例1と同様に測定した結果、青色発光が得られ、外部量子効率は3.9%であった。
〔実施例3〕
例示化合物(2−3)に替えて例示化合物(2−10)を用いたこと以外は上記実施例1と同様にして、実施例3の発光素子を作製した。実施例3の発光素子の発光輝度を実施例1と同様に測定した結果、青色発光が得られ、外部量子効率は1.2%であった。
〔比較例1〕
例示化合物(2−3)に替えて化合物aを用いたこと以外は上記実施例1と同様にして、比較例1の発光素子を作製した。比較例1の発光素子の発光輝度を実施例1と同様に測定した結果、色度値(0.21,0.53)の青色発光が得られ、外部量子効率は1.2%であった。
Figure 2006156999
〔比較例2〕
例示化合物(2−3)に替えて下記化合物dを用いたこと以外は上記実施例1と同様にして、比較例2の発光素子を作製した。比較例2の発光素子の発光輝度および発光波長を実施例1と同様に測定した結果、色度値(0.18,0.38)の青色発光が得られ、外部量子効率は0.3%であった。
Figure 2006156999
〔実施例4〕
化合物bに替えて化合物fを使用し、さらに化合物cに替えて例示化合物(2−3)を用いたこと以外は前記実施例1と同様にして、実施例4の発光素子を作製した。実施例4の発光素子の発光輝度を実施例1と同様に測定した結果、外部量子効率は7.9%であった。
Figure 2006156999
〔実施例5〕
例示化合物(2−3)に替えて例示化合物(2−2)を用いたこと以外は上記実施例4と同様にして、実施例5の発光素子を作製した。実施例5の発光素子の発光輝度を実施例1と同様に測定した結果、外部量子効率は9.0%であった。
〔実施例6〕
例示化合物(2−3)に替えて例示化合物(2−10)を用いたこと以外は上記実施例4と同様にして、実施例6の発光素子を作製した。実施例6の発光素子の発光輝度を実施例1と同様に測定した結果、外部量子効率は8.1%であった。
〔比較例3〕
例示化合物(2−3)に替えて化合物h を用いたこと以外は前記実施例4と同様にして、比較例3の発光素子を作製した。比較例3の発光素子の発光輝度を実施例1と同様に測定した結果、外部量子効率は6.5%であった。
Figure 2006156999
〔実施例7〕
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPDを40nm蒸着し、この上に例示化合物(2−3)および下記化合物gを17対1の質量比で5nm共蒸着し、この上に例示化合物(2−2)および化合物bを17対1の質量比で15nm共蒸着し、さらこの上に例示化合物(2−3)を40nm蒸着した。得られた有機薄膜上に発光面積が4mm×5mmとなるようにパターニングしたマスクを設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウムを60nm蒸着して実施例7の発光素子を作製した。実施例7の発光素子の発光輝度および発光波長を実施例1と同様に測定した結果、色度値(0.33,0.32)の白色発光が得られ、この発光素子の外部量子効率を算出したところ3.1%であった。
Figure 2006156999
〔実施例8〕
Baytron P(PEDOT−PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸ドープ体)溶液、バイエル社製)を洗浄したITO基板上にスピンコート(1000rpm、30sec)し、150℃で1.5時間、真空乾燥して膜厚70nmの有機層を得た。次に、18mgの例示化合物(2−2)および2mgの化合物bを1.5mlのジクロロエタンに溶解し、これを上記有機層の上にスピンコートして110nmの有機薄膜を得た。これを蒸着装置に入れ有機薄膜上に例示化合物(2−3)を40nm真空蒸着した後、発光面積が4mm×5mmとなるようにパターニングしたマスクを設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウムを60nm蒸着して実施例8の発光素子を作製した。実施例8の発光素子の発光輝度および発光波長を実施例1と同様に測定した結果、青色発光が得られ、最高輝度は1100cd/mであった。
本発明の有機電界発光素子は外部量子効率が高く発光特性に優れており、色純度の高い青色発光素子や白色発光素子に適用できるため、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等に好適に使用できる。

Claims (3)

  1. 一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、前記有機層に下記一般式(2)で表される化合物及び該化合物に構造上相当する基を部分構造として有する化合物の中から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2006156999
    一般式(2)中、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15およびA16は置換基を有していてもよい炭素原子もしくは窒素原子を表し、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15およびA16のうち少なくとも一つは窒素原子である。
  2. 前記一般式(2)で表される化合物がテトラフェニレン構造を一つのみ有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 前記一般式(2)で表される化合物に構造上相当する基を部分構造として有する化合物が、前記一般式(2)で表される化合物が互いに複数結合した、連結化合物、オリゴマー化合物またはポリマー化合物であることを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。
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