JP2006155454A - デジタルコンテンツの提供システムおよび提供方法 - Google Patents

デジタルコンテンツの提供システムおよび提供方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 種々の異なる提示環境が存在する場合にも、効率的な配信処理を行う。
【解決手段】 コンテンツ要求部210から、コンテンツAに対する提供要求を出す際に、コンテンツ提示部240における提示環境を報知する。アイテム選択部130は、コンテンツAの配信用データと、報知された提示環境で提示するために必要な変換用ソフトウエアYとを必須アイテムとして認識する。これらのアイテムはアイテム送信部140からアイテム受信部230へと配信され、アイテム格納部260へ格納される。データ変換部250は、コンテンツAの配信用データを、ソフトウエアYを用いて提示用データに変換し、コンテンツ提示部240へ与える。アイテム格納部260内のアイテムは、別なクライアント装置へ受け渡しが可能である。各クライアント装置ごとの既存アイテムを示す情報は、サーバ装置100へ報知されるので、重複配信は生じない。
【選択図】 図2

Description

本発明は、デジタルコンテンツの提供システムおよび提供方法に関し、特に、サーバ装置からネットワークを利用して種々の構成のクライアント装置にデジタルコンテンツを効率的に提供する技術に関する。
インターネットにおけるブロードバンドに対応した通信環境の普及に伴って、種々のデジタルコンテンツがネットワーク経由で提供されるようになってきている。最近は、デジタルコンテンツの配信を行うサーバ装置側では、文字データ、音楽データ、画像データ、動画データなど、多岐にわたるデジタルコンテンツを用意しており、また、これらの配信を受ける側であるクライアント装置の種類も、パソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)等と多岐にわたっている。
このように、配信を受ける側のクライアント装置の構成が多岐にわたると、デジタルコンテンツの提示環境も、個々のクライアント装置ごとにそれぞれ異なってくる。たとえば、クライアント装置がパソコンの場合と携帯電話の場合とでは、表示画面の大きさ、動画表示の処理速度、スピーカの性能など、提示環境は著しく異なる。そのため、サーバ装置側において、クライアント装置の種類に応じて、それぞれ異なるデジタルコンテンツを用意して対応するケースも少なくない。
また、下記の特許文献1には、クライアント装置からサーバ装置に対して、デジタルコンテンツの配信要求があった場合に、サーバ装置において、配信先となるクライアント装置の種別に関する情報を取得し、当該種別に応じてコンテンツデータを当該クライアント装置に応じたデータ形式に変換してから配信を行う技術が開示されている。
特開2001−242786号公報
上述したように、サーバ装置からデジタルコンテンツの配信を受けるクライアント装置の種類は、パソコン、携帯電話、PDAと多岐にわたっており、しかもデジタルコンテンツの提示環境は、装置の種類や型番によっても様々である。たとえば、パソコンを用いてコンテンツの提示を行う場合、用いるアプリケーションソフトウエアが異なれば、提示環境は異なるものになる。また、携帯電話を用いてコンテンツの提示を行う場合も、携帯電話サービスを提供する通信業者が異なれば、提示環境は異なるものになる。更に、ユーザの個人的事情により、提示環境を変えたいという要望もある。たとえば、ユーザが高齢者や弱視者である場合、表示文字の大きな環境でコンテンツの提示を受けたいとの希望が出てくるであろう。
このように、ユーザ側の提示環境は、クライアント装置の種類に応じて多岐にわたり、また、ユーザの個人的事情によっても多岐にわたることになる。従来、このような多岐にわたる提示環境に対応するためには、サーバ側で配信するデジタルコンテンツを選択したり、前掲の特許文献1に係る発明のように、コンテンツデータのデータ形式を変換したりして、配信先の提示環境に適した形式でコンテンツデータの配信が行われるような配慮がなされていた。
しかしながら、このような従来の配信方法では、提示環境が異なるごとに、それぞれ異なる形式のコンテンツデータを、その都度、配信する必要が生じるため、効率的な配信を行うことができないという問題がある。特に、今後は、同一のユーザが、携帯電話とパソコン、というように、複数の異なるクライアント装置を使い分けてデジタルコンテンツを利用するケースが増えることが予想され、提示環境が異なるごとに、異なる形式のコンテンツデータを配信しなおすような運用は好ましくない。
そこで本発明は、種々の異なるコンテンツ提示環境が存在する場合にも、効率的なコンテンツ配信処理が可能なデジタルコンテンツの提供システムおよび提供方法を実現することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、デジタルコンテンツを配信するサーバ装置と、配信されたデジタルコンテンツをユーザに提示するクライアント装置と、によって構成されるデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
サーバ装置には、
デジタルコンテンツの配信用データを格納する配信用データ格納部と、
配信用データを特定の提示環境に適した提示用データに変換するために用いる変換用ソフトウエアを、異なる提示環境に応じて複数通り格納する変換用ソフトウエア格納部と、
クライアント装置からの提供要求に応じて、配信用データ格納部に格納されている配信用データおよび変換用ソフトウエア格納部に格納されているソフトウエアの中から必要なアイテムを送信対象アイテムとして選択するアイテム選択部と、
選択された送信対象アイテムをクライアント装置へと送信するアイテム送信部と、を設け、
クライアント装置には、
サーバ装置から送信されてきたアイテムを受信するアイテム受信部と、
受信したアイテムを格納するアイテム格納部と、
当該クライアント装置におけるデジタルコンテンツの提示環境を示す環境情報と、アイテム格納部に格納されているアイテムを示す既存アイテム情報と、をサーバ装置に送信して、所望のデジタルコンテンツの提供要求を行うコンテンツ要求部と、
アイテム格納部に格納されている変換用ソフトウエアを利用して、アイテム格納部に格納されている配信用データを提示用データに変換するデータ変換部と、
変換された提示用データを提示環境でユーザに提示するコンテンツ提示部と、を設け、
アイテム選択部が、コンテンツ要求部から所望のデジタルコンテンツについての提供要求があった場合に、当該デジタルコンテンツについての配信用データと、当該提供要求に含まれている環境情報に応じた変換を行うのに必要な変換用ソフトウエアと、を必須アイテムと認識し、この必須アイテムのうち、既存アイテム情報に含まれていないアイテムを送信対象アイテムとして選択する処理を行うようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
クライアント装置に、別なクライアント装置との間で、アイテムの受け渡しを実行するアイテム受渡部を更に設け、1つのクライアント装置のアイテム格納部から別なクライアント装置のアイテム格納部へ、所望のアイテムの受け渡しを行うことができるようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
配信用データ格納部に、同一のデジタルコンテンツについて、それぞれ異なる提示環境に応じた複数通りの配信用データを格納し、
アイテム選択部が、提供要求に含まれている環境情報に応じた配信用データを必須アイテムとして認識するようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
サーバ装置に、クライアント装置で用いる提示処理用ソフトウエアを格納し、
クライアント装置内のアイテム格納部に、提示処理用ソフトウエアを格納できるようにし、コンテンツ提示部が提示処理用ソフトウエアを用いて提示処理を行うようにし、
アイテム選択部が、既存アイテム情報に、提示処理用ソフトウエアが含まれていない場合には、提示処理用ソフトウエアを送信対象アイテムとして選択するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
コンテンツ要求部が、アイテム格納部に格納されている各アイテムのファイル名のリストを既存アイテム情報としてサーバに送信するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第5の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
配信用データ格納部内に、メタデータにより構造化されたデジタルコンテンツからなるデータを配信用データとして用意しておき、
変換用ソフトウエア格納部内に、このデータの構造または表示レイアウトを定めるデータからなる変換用ソフトウエアを用意しておくようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1〜第6の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
コンテンツ提示部のハードウエアもしくはソフトウエアに関する提示部情報を環境情報として用いるようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1〜第6の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
クライアント装置に、デジタルコンテンツの提示を受けるユーザの個人情報を格納する個人情報格納部を更に設け、この個人情報を環境情報として用いるようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第8の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
個人情報格納部に、ユーザの年齢に関する情報を個人情報として格納できるようにし
変換用ソフトウエア格納部に、ユーザの年齢層に応じてデジタルコンテンツが異なる態様で提示されるように、年齢層ごとに異なる変換用ソフトウエアを格納しておき、
アイテム選択部が、年齢に関する情報に基づいて必須アイテムの認識を行うようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第8の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
個人情報格納部に、ユーザの使用言語に関する情報を個人情報として格納できるようにし、
変換用ソフトウエア格納部に、配信用データを異なる言語に翻訳するために用いる変換用ソフトウエアを格納しておき、
アイテム選択部が、使用言語に関する情報に基づいて必須アイテムの認識を行うようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第10の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
変換用ソフトウエア格納部に、変換用ソフトウエアとして、翻訳エンジンもしくは翻訳用辞書を格納しておくようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第1〜第8の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
配信用データ格納部内に、部分ごとにそれぞれ異なる重要度を示すメタデータが付加されたデジタルコンテンツを用意し、
変換用ソフトウエア格納部内に、特定の重要度を示すメタデータが付加された部分のみを抽出することにより変換を行う変換用ソフトウエアを用意するようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第1〜第12の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムの構成要素となるサーバ装置またはクライアント装置を、それぞれ単独で提供するようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述の第1〜第12の態様に係るデジタルコンテンツの提供システムの構成要素となるサーバ装置またはクライアント装置としてコンピュータを機能させるプログラムを単独で提供するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、サーバ装置から第1のクライアント装置に対してデジタルコンテンツを提供した後、デジタルコンテンツを第2のクライアント装置に提供するデジタルコンテンツの提供方法において、
デジタルコンテンツの配信用データと、この配信用データを種々の提示環境に適した提示用データに変換するために用いる変換用ソフトウエアとを、サーバ装置に用意する段階と、
第1のクライアント装置からサーバ装置に対して、第1のクライアント装置におけるデジタルコンテンツの提示環境を示す第1の環境情報を送信して、所望のデジタルコンテンツの提供要求を行う段階と、
第1のクライアント装置からの提供要求に応じて、要求されたデジタルコンテンツについての配信用データと、この配信用データを第1のクライアント装置における提示環境に適した提示用データに変換するために必要な第1の変換用ソフトウエアとを、サーバ装置から第1のクライアント装置へ送信する段階と、
第1のクライアント装置において、第1の変換用ソフトウエアを用いて、配信用データを第1の提示用データに変換し、これを提示する段階と、
第1のクライアント装置から第2のクライアント装置へ、配信用データと、必要に応じて第1の変換用ソフトウエアの一部もしくは全部と、を受け渡しする段階と、
第2のクライアント装置からサーバ装置に対して、第2のクライアント装置におけるデジタルコンテンツの提示環境を示す第2の環境情報と、第1のクライアント装置から送信されてきたアイテムを示す既存アイテム情報と、を送信して、所望のデジタルコンテンツの提供要求を行う段階と、
第2のクライアント装置からの提供要求に応じて、要求されたデジタルコンテンツについての配信用データと、この配信用データを第2のクライアント装置における提示環境に適した提示用データに変換するために必要な第2の変換用ソフトウエアと、を必須アイテムと認識し、この必須アイテムのうち、既存アイテム情報に含まれていないアイテムを、サーバ装置から第2のクライアント装置へ送信する段階と、
第2のクライアント装置において、第2の変換用ソフトウエアを用いて、配信用データを第2の提示用データに変換し、これを提示する段階と、
を行うようにしたものである。
本発明に係るデジタルコンテンツの提供システムおよび提供方法によれば、サーバ装置からクライアント装置に対して、デジタルコンテンツの本体となるべき配信用データとともに、この配信用データをクライアント装置における提示環境に即した提示用データに変換するための変換用ソフトウエアが配信される。しかも、クライアント装置からサーバ装置に対しては、提示環境を示す環境情報とともに既存アイテム情報が送信されるので、サーバ装置側では、この既存アイテム情報に含まれていないアイテムのみをクライアント装置に配信すれば足りるので、クライアント側のコンテンツ提示環境が多岐にわたる場合であっても、効率的なコンテンツ配信処理が可能になる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1.本発明に係るシステムの基本構成 >>>
図1は、本発明に係るデジタルコンテンツの提供システムの基本構成を示すブロック図である。図示のとおり、このシステムは、デジタルコンテンツを配信するサーバ装置100と、配信されたデジタルコンテンツをユーザに提示するクライアント装置200と、によって構成されている。図1では、説明の便宜上、1台のサーバ装置と1台のクライアント装置とを用いたシステムが示されているが、実用上は、1台のサーバ装置から多数のクライアント装置に対して、データの配信が可能である。クライアント装置として利用される装置は、パソコン、携帯電話、PDAなど、さまざまなハードウエア構成を有しており、また、同一のハードウエア構成をもったクライアント装置であっても、インストールされているソフトウエアが異なれば、実質的に異なる構成のクライアント装置となる。
サーバ装置100とクライアント装置200とは、ネットワークにより接続され、クライアント装置200からサーバ装置100への要求や、サーバ装置100からクライアント装置200への配信は、このネットワークを介して行われることになる。実用上は、インターネットを介してサーバ装置100とクライアント装置200とを接続するのが一般的であるが、もちろん、両者間を接続するネットワークは、インターネットに限定されるものではない。また、クライアント装置200として、携帯電話を用いた場合などは、その一部あるいは全部に、通信会社の移動体通信網を利用したネットワークが用いられることになる。
サーバ装置100には、配信用データ格納部110、変換用ソフトウエア格納部120、アイテム選択部130、アイテム送信部140が設けられている。もっとも、これらの各構成要素は、サーバ装置100の個々の機能を独立した構成要素として表現したものであり、実際には、これらの各構成要素は、サーバ装置100を構成するコンピュータのハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって実現されることになる。実用上は、汎用のサーバ用コンピュータに専用のプログラムを組み込むことにより、サーバ装置100を実現することが可能である。
配信用データ格納部110には、デジタルコンテンツの本体というべき配信用データが格納されている。図では、3種類のコンテンツA,B,Cについての配信用データが格納された状態が示されている。配信対象となるデジタルコンテンツは、たとえば、電子書籍として提供する文字データ、音楽コンテンツとして提供する音声データ、写真コンテンツとして提供する画像データ、映画コンテンツとして提供する動画データなど、どのような内容であってもかまわない。
変換用ソフトウエア格納部120には、これらの配信用データを、クライアント装置側の特定の提示環境に適した提示用データに変換するために用いる変換用ソフトウエア(変換に用いるプログラムおよびデータをいう)が格納されている。図では、3種類の変換用ソフトウエアX,Y,Zが格納された状態が示されている。前述したように、実用上は、サーバ装置から多数のクライアント装置に対して、デジタルコンテンツの配信が行われることになるが、個々のクライアント装置によって提示環境が異なるため、変換用ソフトウエア格納部120には、これら異なる提示環境に応じて複数通りの変換用ソフトウエアが用意されている。なお、本願では、配信用データ格納部110内に格納されている各配信用データと、変換用ソフトウエア格納部120に格納されている各変換用ソフトウエアとを、「アイテム」と呼ぶことにし、図面上では、これらのアイテムを角丸のブロックで示すことにする。
アイテム選択部130は、クライアント装置200からの提供要求に応じて、配信用データ格納部110に格納されている配信用データおよび変換用ソフトウエア格納部120に格納されているソフトウエアの中から必要なアイテムを送信対象アイテムとして選択する機能を有し、アイテム送信部140は、選択された送信対象アイテムを、インターネットなどのネットワークを介して、クライアント装置200へと送信する機能を有する。
一方、クライアント装置200には、コンテンツ要求部210、個人情報格納部220、アイテム受信部230、コンテンツ提示部240、データ変換部250、アイテム格納部260が設けられている。もっとも、これらの各構成要素も、クライアント装置200の個々の機能を独立した構成要素として表現したものであり、実際には、これらの各構成要素は、クライアント装置200を構成するパソコン、携帯電話、PDAなどの装置のハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって実現されることになる。実用上は、汎用のパソコン、携帯電話、PDAなどの装置に専用のプログラムを組み込むことにより、クライアント装置200を実現することが可能である。
コンテンツ要求部210は、サーバ装置100に対して、所望のデジタルコンテンツの提供要求を行う構成要素であり、たとえば、「コンテンツAを利用したい」旨の提供要求が、インターネットなどのネットワークを介して、サーバ装置100へと送信されることになる。
個人情報格納部220は、このクライアント装置200を利用するユーザに関する個人情報を格納する構成要素である。ここに格納される個人情報は、後述するように、ユーザの年齢や使用言語などの情報であり、このクライアント装置200における提示環境を決定する要因のひとつになる。ユーザは、このクライアント装置200の入力装置を利用して、個人情報格納部220に、自分自身の個人情報を入力する操作を行うことになる。
アイテム受信部230は、ネットワーク経由で、アイテム送信部140から送信されてきたアイテム、すなわち、配信用データの形式をとったデジタルコンテンツと、変換用ソフトウエアとを受信する機能を有し、アイテム格納部260は、受信したアイテムを格納する機能を有する。図示の例では、アイテム格納部260内に、配信用データの形式のコンテンツAと変換用ソフトウエアYとが格納された状態が示されている。
データ変換部250は、このアイテム格納部260に格納されている変換用ソフトウエアを利用して、アイテム格納部260に格納されている配信用データを提示用データに変換する処理行い、コンテンツ提示部240は、提示用データの形式に変換されたコンテンツを所定の提示環境でユーザに提示する。コンテンツ提示部240の具体的な構成は、提示対象となるコンテンツに応じて様々である。たとえば、電子書籍などの文字データからなるコンテンツや画像データからなるコンテンツを利用する場合、コンテンツ提示部240は、液晶ディスプレイ装置やこれを駆動するソフトウエアによって構成され、ユーザに対して、ディスプレイの画面上にコンテンツの提示を行うことになる。また、音楽のコンテンツを利用する場合、コンテンツ提示部240は、スピーカやこれを駆動するソフトウエアによって構成され、ユーザに対して、音を提示する形でコンテンツの提示を行うことになる。更に、映画コンテンツなどの動画データを利用する場合には、液晶ディスプレイ装置とスピーカとの双方を備えたコンテンツ提示部240が用いられる。
もっとも、コンテンツ提示部240における提示環境は、個々のクライアント装置200ごとに様々である。たとえば、電子書籍などの文字データからなるコンテンツを提示する場合であっても、パソコンをクライアント装置として用いて提示する場合は、広い表示画面を用いた提示環境が得られるが、携帯電話をクライアント装置として用いて提示する場合は、表示画面の領域はかなり限られたものになる。コンテンツ提示部240における提示環境は、このようなハードウエア上の環境のみによって決定されるわけではなく、コンテンツ提示部240を構成するソフトウエアにも依存することになる。たとえば、音楽コンテンツや動画コンテンツなどを提示する場合、特有のフォーマットに対応したアプリケーションプログラムを利用してコンテンツ提示部240を構成することになるので、用いるアプリケーションプログラムに応じて、それぞれ異なる提示環境が構築されることになる。
ここでは、コンテンツ提示部240を構成するハードウエアもしくはソフトウエアに関する情報を「提示部情報」と呼ぶことにする。この提示部情報は、コンテンツ要求部210へと与えられ、提供要求の一部に組み込まれて、サーバ装置100側のアイテム選択部130へと送信される。コンテンツ要求部210には、この提示部情報だけでなく、個人情報格納部220内に格納されている個人情報と、アイテム格納部260内に格納されている既存アイテムを示す既存アイテム情報とが与えられる。結局、コンテンツ要求部210には、提示部情報、個人情報、既存アイテム情報なる3通りの情報が与えられることになり、これらの情報が、提供要求の一部に組み込まれて、アイテム選択部130へと送信されることになる。
ここでは、この3通りの情報のうち、提示部情報と個人情報とを「環境情報」と呼ぶことにする。この環境情報は、コンテンツ提示部240におけるデジタルコンテンツの提示環境を示す情報ということができるが、ここで言う「提示環境」とは、コンテンツ提示部240のハードウエアおよびソフトウエア構成に依存して定まる環境(提示部情報によって示される環境)のみならず、個人情報格納部220に格納されているユーザの個人情報に依存して定まる環境も含まれることになる。
結局、コンテンツ要求部210からアイテム選択部130へ送信される提供要求は、特定のコンテンツの提供を要求する指示に、環境情報(提示部情報+個人情報)と既存アイテム情報とを含ませたものになる。したがって、このような提供要求を受けたアイテム選択部130は、どのコンテンツに対する提供要求が出されたかを認識するだけでなく、提供要求を出したクライアント装置200内のコンテンツ提示部240が、どのようなハードウエアおよびソフトウエアによって構成されており、ユーザがどのような個人情報を有しており、アイテム格納部260にはどのようなアイテムが格納されているかを認識することができる。
アイテム選択部130は、コンテンツ要求部210から所望のデジタルコンテンツについての提供要求があった場合、この提供要求に応じるために必要な必須アイテムを選択する処理を行う。必須アイテムとして選択されるのは、まず、配信用データ格納部110内に格納されているコンテンツのうちの提供要求があったアイテムである。たとえば、コンテンツAについての提供要求があった場合には、配信用データ格納部110内に配信用データの形式で格納されているコンテンツAが必須アイテムとして選択される。
必須アイテムとして選択されるもう一方のアイテムは、変換用ソフトウエア格納部120内の変換用ソフトウエアである。すなわち、提供要求に含まれている環境情報(提示部情報+個人情報)に応じた変換を行うのに必要な変換用ソフトウエアが必須アイテムとして選択されることになる。上述したとおり、環境情報には、コンテンツ提示部240のハードウエアおよびソフトウエア構成を示す提示部情報と、個人情報格納部220に格納されている個人情報とが含まれているので、これらの情報に基づいて、当該提示環境でコンテンツの提示を行うには、配信用データをどのような形式の提示用データに変換すればよいかを判断し、そのような変換を行うための変換用ソフトウエアを必須アイテムとして選択することになる。実用上は、どのような環境情報に対して、どの変換用ソフトウエアを必須アイテムとして選択すべきかを、アイテム選択部130内に対応表などの形式で用意しておくようにし、この対応表を参照して、特定の変換用ソフトウエアを必須アイテムとして選択できるようにしておけばよい。
もっとも、こうして選択された必須アイテムのすべてが、必ずしもアイテム送信部140から送信されるわけではない。アイテム選択部130は、上述のようにして選択された必須アイテムのうち、既存アイテム情報に含まれていないアイテムを送信対象アイテムとして選択する処理を行う。こうして最終的に送信対象アイテムとして選択されたアイテムが、アイテム送信部140からアイテム受信部230へと送信されることになる。別言すれば、必須アイテムとして認識されたアイテムであっても、既存アイテム情報に含まれているアイテムは、送信対象アイテムとしては選択されないことになる。このような運用を行うことにより、既にクライアント装置200側のアイテム格納部260に存在するアイテムが重複送信されることを防ぐことができ、効率的な配信処理が可能になる。
なお、既存アイテム情報としては、アイテム格納部260内に格納されているアイテムを識別することが可能な情報であれば、どのような形態の情報を用いてもかまわないが、一般的には、アイテム格納部260に格納されている各アイテムのファイル名のリストを既存アイテム情報としてサーバ装置100側に送信すれば十分である。アイテム選択部130は、このファイル名のリストを参照して、このリストに掲載されていないアイテムのみを送信対象アイテムとして選択する処理を行うことができる。
<<< §2.本発明に係るシステムの基本動作 >>>
この図1に示すシステムによる具体的なコンテンツの提供処理は、たとえば、次のようなプロセスを経て行われる。ここでは、あるユーザが、クライアント装置200として機能するパソコンを用いて、はじめてコンテンツの利用を行う場合を考える。このパソコンには、コンテンツ提示部240を構成する特定のハードウエアHおよびソフトウエアSが組み込まれている。このユーザは、予め、個人情報格納部220に対して、自己の個人情報を入力する作業を行う。ここでは、個人情報として、このユーザが「65歳」という年齢を入力したものとしよう。続いて、このユーザは、コンテンツ要求部210に対して、所望のコンテンツ要求を出す操作入力を行う。ここでは、コンテンツAに対する要求を行ったものとする。なお、この時点では、まだアイテム格納部260には、何のアイテムも格納されていないものとする。
この場合、コンテンツ要求部210からサーバ装置100側へ、次のような情報を含んだ提供要求が送信される。
提供要求の対象:コンテンツA
環境情報:ハードウエアH,ソフトウエアS(提示部情報)
年齢65歳(個人情報)
既存アイテム情報:なし
アイテム選択部130は、このような提供要求を受けて、クライアント装置200側の提示環境を認識し、この提示環境に適した提示用データへの変換を行うための変換用ソフトウエアを選択する。ここでは、「ハードウエアH」および「ソフトウエアS」によって構成されるコンテンツ提示部240に、65歳という年齢に応じた表示(たとえば、通常よりも大きな文字による老年用表示)を行うのに適した提示用データへの変換を行うためのソフトウエアが、変換用ソフトウエア格納部120内に、変換用ソフトウエアYとして用意されていたものとしよう。この場合、アイテム選択部130は、配信用データ格納部110内のコンテンツA(配信用データの形式)を必須アイテムとして認識するとともに、上記環境情報に基づいて、変換用ソフトウエア格納部120内の変換用ソフトウエアYを必須アイテムとして認識することになる。また、上記例の場合、既存アイテム情報は「なし」となっているので、結局、アイテム選択部130は、コンテンツA(配信用データ)と変換用ソフトウエアYとを、最終的な送信対象アイテムとして選択することになり、これらの送信対象アイテムは、アイテム送信部140からクライアント装置200へ向けて送信される。
こうして送信されてきたアイテムは、アイテム受信部230で受信され、アイテム格納部260内に格納される。図1のブロック図に示す状態は、ちょうどこのときの状態を示している。データ変換部250は、アイテム格納部260に格納されているコンテンツAの配信用データを、変換用ソフトウエアYを利用して提示用データに変換する処理を実行する。変換用ソフトウエアYは、上述したように、「ハードウエアH」および「ソフトウエアS」によって構成されるコンテンツ提示部240に、65歳という年齢に応じた表示を行うのに適した提示用データへの変換を行うためのソフトウエアであるから、変換後に得られたコンテンツAの提示用データは、コンテンツ提示部240における提示環境に適したものになっており、また、65歳というユーザに提示するのに適したものになっている。かくして、ユーザは、クライアント装置200を用いて、理想の環境で、コンテンツAの提示を受けることができる。
さて、このユーザが、今度は、別なコンテンツBに対する要求を行ったものとする。この場合、アイテム格納部260には、図示のとおり、コンテンツA(配信用データ)と変換用ソフトウエアYが格納された状態になっているので、コンテンツ要求部210からサーバ装置100側へ、次のような情報を含んだ提供要求が送信される。
提供要求の対象:コンテンツB
環境情報:ハードウエアH,ソフトウエアS(提示部情報)
年齢65歳(個人情報)
既存アイテム情報:コンテンツA,変換用ソフトウエアY
アイテム選択部130は、このような提供要求を受けて、配信用データ格納部110内のコンテンツB(配信用データ)を必須アイテムとして認識するとともに、変換用ソフトウエア格納部120内の変換用ソフトウエアYを必須アイテムとして認識することになる。ただし、既存アイテム情報は「コンテンツA,変換用ソフトウエアY」となっているので、結局、アイテム選択部130は、コンテンツB(配信用データ)のみを最終的な送信対象アイテムとして選択することになり、コンテンツB(配信用データ)が、アイテム送信部140からクライアント装置200へ向けて送信される。
こうして送信されてきたコンテンツB(配信用データ)は、アイテム受信部230で受信され、アイテム格納部260内に格納される。データ変換部250は、アイテム格納部260に格納されているコンテンツBの配信用データを、変換用ソフトウエアYを利用して提示用データに変換する処理を実行する。こうして、変換後に得られたコンテンツBの提示用データが、理想の環境でユーザに提示されることになる。
このように、図1に示す実施形態では、クライアント装置200に特定の提示環境用の変換用ソフトウエアYが送信された後は、同一提示環境での提示を行う限り、新たに変換用ソフトウエアを送信する必要はなくなる。以後は、必要なコンテンツのみを配信用データの形式で配信すれば足りるので、サーバ装置100側の処理負担が軽減され、ネットワーク上の通信容量も軽減される。かくして、効率的な配信処理が可能になる。
<<< §3.クライアント装置間でのアイテムの受け渡し >>>
本発明は、更に、図2に示すような実施形態に発展させることにより、その効果がより高められる。図2に示すシステムは、図1に示すシステムにおけるクライアント装置200内に、アイテム受渡部270を更に付加したものである。その他の構成要素については、図1に示すシステムと全く同様である。
アイテム受渡部270は、図示されていない別なクライアント装置との間で、アイテム格納部260内のアイテムの受け渡しを実行する構成要素である。このアイテム受渡部270を介して、1つのクライアント装置のアイテム格納部から別なクライアント装置のアイテム格納部へ、所望のアイテムの受け渡しを行うことができるようになる。
アイテム格納部260内に格納されているアイテムは、プログラムやデータなどのデジタル情報であるので、アイテム受渡部270としては、このようなデジタル情報の受け渡し機能をもった手段であれば、どのような手段で構成してもかまわない。たとえば、磁気や光記録媒体あるいは半導体メモリを仲介とした受け渡し手段で構成してもよいし、有線あるいは無線による情報伝送手段で構成してもよい。パソコン、携帯電話、PDAといった機器相互間におけるこのような情報伝達手段は、種々のものが公知であるので、ここではこのアイテム受渡部270の具体的な構成についての説明は省略する。
この図2に示すシステムを利用すれば、ユーザが、クライアント装置間でのアイテムの受け渡し作業を行うことにより、更に効率的なコンテンツ利用を図ることができる。図3は、そのような利用形態の手順を示す流れ図であり、図4は、そのような利用形態におけるアイテムの受け渡しプロセスを示すブロック図である。図4に示すように、この利用形態では、2台のクライアント装置201,202が必要であり、サーバ装置100から第1のクライアント装置201に対してデジタルコンテンツを提供した後、デジタルコンテンツ(第1のクライアント装置201に提供したコンテンツと同一のものであっても、異なるものであってもよい)を第2のクライアント装置202にも提供することが前提となる。
なお、図4に示す第1のクライアント装置201および第2のクライアント装置202には、便宜上、以下の説明に必要な構成要素のみをブロックで示し、その余の構成要素の図示を省略しているが、実際には、この図4に示すクライアント装置201,202は、図2に示すクライアント装置200と同様の構成を有している。
まず、図3のステップS1において、サーバ装置100側に、デジタルコンテンツの配信用データと、この配信用データを種々の提示環境に適した提示用データに変換するために用いる変換用ソフトウエアとを用意する。これは、図2に示すサーバ装置100を用意することに他ならない。
次に、ステップS2において、第1のクライアント装置201からサーバ装置100に対して、この第1のクライアント装置201におけるデジタルコンテンツの提示環境を示す第1の環境情報と、既存アイテム情報とを送信して、所望のデジタルコンテンツの提供要求を行う。この提供要求は、たとえば、次のような情報を含んでいる。
提供要求の対象:コンテンツA
環境情報:ハードウエアH1,ソフトウエアS1(提示部情報)
年齢65歳(個人情報)
既存アイテム情報:なし
続くステップS3では、このような第1のクライアント装置201からの提供要求に応じて、サーバ装置100から第1のクライアント装置201に対して、所定のアイテムが送信される。すなわち、要求されたデジタルコンテンツについての配信用データと、この配信用データを第1のクライアント装置201における提示環境に適した提示用データに変換するために必要な第1の変換用ソフトウエアとが、サーバ装置100から第1のクライアント装置201へ送信されることになる。上述の例の場合、コンテンツA(配信用データ)と第1の変換用ソフトウエアYとが、サーバ装置100から第1のクライアント装置201へ送信されることになる。
図4の上段に示す第1のクライアント装置201は、サーバ装置100から、コンテンツA(配信用データ)と第1の変換用ソフトウエアYとの配信を受けたときの状態を示しており、アイテム格納部261内には、これら2つのアイテムが格納された状態が示されている。
ステップS4では、このような状態の第1のクライアント装置201において、第1の変換用ソフトウエアYを用いて、コンテンツAの配信用データを第1の提示用データに変換し、これを提示する処理が行われる。すなわち、データ変換部251は、変換用ソフトウエアYを用いて、配信用データの形式のコンテンツAを、提示用データの形式のコンテンツA(第1の提示用データ)に変換して、コンテンツ提示部241へ与える処理を行う。前述したとおり、変換用ソフトウエアYを用いて変換された提示用データは、コンテンツ提示部241における提示環境に適した形態になっている。かくして、このユーザは、第1のクライアント装置201上でコンテンツAを利用することができる。
さて、ここで、このユーザが、同じコンテンツAを、第2のクライアント装置202を用いて利用したいと考えたとしよう。たとえば、第1のクライアント装置201が携帯電話であり、第2のクライアント装置202がパソコンである場合、ユーザが、携帯電話201に配信されたコンテンツAの内容を大変気に入り、より表示画面の大きなパソコン202で同じコンテンツAを楽しみたいと考えても不思議ではない。
このような場合、ここに示す実施形態では、まず、ステップS5に示すように、第1のクライアント装置201から第2のクライアント装置202へ、必要なアイテムの受け渡し作業を行うようにすればよい。図4に示す例では、アイテム格納部261内に格納されていた全コンテンツ(コンテンツA(配信用データ)と変換用ソフトウエアY)が、アイテム受渡部271からアイテム受渡部272へと受け渡しされている。
もっとも、ここに示す例の場合、コンテンツA(配信用データ)の受け渡しは意味があるが、変換用ソフトウエアYの受け渡しは意味がない。なぜなら、変換用ソフトウエアYは、第1のクライアント装置201(携帯電話)における提示環境に応じた変換処理を行うためのソフトウエアであり、第2のクライアント装置202(パソコン)における提示環境に応じた変換処理には、変換用ソフトウエアYは利用できないからである。したがって、本来、第1のクライアント装置201から第2のクライアント装置202へ受け渡しすべきアイテムは、コンテンツA(配信用データ)のみで十分である。しかしながら、アイテムの受け渡しをユーザ自身が行う場合、一般的には、どのアイテムを受け渡しすべきかを判断することが困難な場合が多いので、図示の例のように、アイテム格納部261内のアイテムをすべてアイテム格納部262へと受け渡す作業を行うようにしても支障はない。このような受け渡し作業は、実際には、アイテム格納部261内の全ファイルを、アイテム格納部262内へコピーする作業として実行することができる。
もちろん、第1のクライアント装置201側に格納されている変換用ソフトウエアが、第2のクライアント装置202側で有効に利用可能であるか否かを判断することができれば、第1のクライアント装置201側に格納されている変換用ソフトウエアの全部を受け渡しする必要はないので、有効利用が可能である一部の変換用ソフトウエアのみを選択的に受け渡しするようにしてもよいし、有効利用が可能である変換用ソフトウエアが存在しなければ、変換用ソフトウエアについては全く受け渡しを行わないようにすることも可能である。ただ、実用上は、このような判断をユーザが行うことは困難なので、変換用ソフトウエアについて、選択的な受け渡しを行うようにするためには、受け渡し先と受け渡し元とで情報交換をしながら、有効利用が可能である変換用ソフトウエアを自動認識するような専用のソフトウエアを、アイテム受渡部271やアイテム受渡部272に組み込んでおくようにするのが好ましい。
続いて、ステップS6において、第2のクライアント装置202からサーバ装置100に対して、この第2のクライアント装置202におけるデジタルコンテンツの提示環境を示す第2の環境情報と、第1のクライアント装置201から送信されてきたアイテムを示す既存アイテム情報と、を送信して、所望のデジタルコンテンツの提供要求を行う。この提供要求は、たとえば、次のような情報を含んでいる。
提供要求の対象:コンテンツA
環境情報:ハードウエアH2,ソフトウエアS2(提示部情報)
年齢65歳(個人情報)
既存アイテム情報:コンテンツA,変換用ソフトウエアY
続くステップS7では、このような第2のクライアント装置202からの提供要求に応じて、サーバ装置100から第2のクライアント装置202に対して、所定のアイテムが送信される。すなわち、要求されたデジタルコンテンツについての配信用データと、この配信用データを第2のクライアント装置202における提示環境に適した提示用データに変換するために必要な第2の変換用ソフトウエアと、を必須アイテムと認識し、この必須アイテムのうち、既存アイテム情報に含まれていないアイテムが、サーバ装置100から第2のクライアント装置202へ送信されることになる。
上述の例の場合、たとえば、コンテンツ提示部242の提示環境に適した変換を行うためのソフトウエアが、第2の変換用ソフトウエアZであったとすると、アイテム選択部130では、コンテンツAと第2の変換用ソフトウエアZとが必須アイテムとして認識されることになるが、コンテンツAは既存アイテム情報に含まれているため、第2の変換用ソフトウエアZのみが、サーバ装置100から第2のクライアント装置202へ送信されることになる。
図4の下段に示す第2のクライアント装置202は、サーバ装置100から第2の変換用ソフトウエアZの配信を受けたときの状態を示しており、アイテム格納部261内には、第1のクライアント装置201側から受け渡されたコンテンツA(配信用データ)および変換用ソフトウエアYに加えて、サーバ装置100から配信された変換用ソフトウエアZが格納された状態が示されている。
最後のステップS8では、このような状態の第2のクライアント装置202において、第2の変換用ソフトウエアZを用いて、コンテンツAの配信用データを第2の提示用データに変換し、これを提示する処理が行われる。すなわち、データ変換部252は、変換用ソフトウエアZを用いて、配信用データの形式のコンテンツAを、提示用データの形式のコンテンツA(第2の提示用データ)に変換して、コンテンツ提示部242へ与える処理を行う。前述したとおり、変換用ソフトウエアZを用いて変換された提示用データは、コンテンツ提示部242における提示環境に適した形態になっている。
このように、クライアント装置間でアイテムの受け渡しを行う機能を付加しておくようにすれば、携帯電話からパソコンへ、というように、異なるクライアント装置間で必要なアイテムを受け渡した後、受け渡し先のクライアント装置における提示環境に必要なアイテムだけをサーバ装置100から配信すればよいので、異なる提示環境をもった複数のクライアント装置を用いる場合にも、効率的なコンテンツ配信処理が可能になる。
<<< §4.具体的な実施形態 >>>
これまで、本発明の基本概念をいくつかの実施形態に基づいて説明したが、ここでは、本発明のより具体的な実施形態を述べることにする。ここで述べる実施形態は、サーバ装置100として、電子書籍を配信するサーバ装置を用いた例である。電子書籍の場合、配信対象となるデジタルコンテンツは、主として文字列からなる文書データになる。このような文書データのフォーマットとして、XML(eXtensible Markup Language)フォーマットが広く利用されている。XMLフォーマットは、基本的には文字列からなるデータであるが、メタデータをタグとして付加することにより、個々の文字列の構造を定義することができる。このようにデジタルコンテンツをメタデータにより構造化するためのフォーマットとしては、XMLの他、SGML,MPEG7等が知られている。
一方インターネット上では、文書データを記述するフォーマットとして、HTML(Hyper Text Markup Language)フォーマットが普及しており、インターネット上の多くのWebページは、HTMLフォーマットで記述されている(携帯電話用のWebページは、cHTML等のフォーマットを用いることが多いが、ここでは説明の便宜上、これらの亜種も含めてHTMLフォーマットと呼ぶ)。Webブラウザは、このHTMLフォーマットで記述されたデジタルコンテンツを提示するコンテンツ提示部として機能する。ただ、XMLフォーマットで記述されたデジタルコンテンツは、そのままではWebブラウザで正しく表示することはできないので、これをWebブラウザ上で正しく表示するために、XMLフォーマットのコンテンツデータを、HTMLフォーマットのコンテンツデータに変換する処理が行われる。
このフォーマット変換を行うために、XSL(XML Stylesheet Language)なる変換用ソフトウエアが用いられている。XMLフォーマットのデータを、HTMLフォーマットのデータに変換する処理は、基本的には、任意のタグを、HTMLフォーマットに準拠したタグに置き換える処理であり、XSLは、このタグの対応関係を記述したデータテーブルというべきものである。同一のXMLデータであっても、異なるXSLを用いて変換すれば、異なるHTMLデータに変換されることになる。いわば、XSLデータは、XMLフォーマットで記述された文書データの構造または表示レイアウトを定める変換用ソフトウエアとして機能することになる。
なお、このような変換を行うためには、変換処理を行うプログラム(変換エンジン・変換モジュール)と、タグの対応関係等を記述したデータとが必要になるが、本発明にいう「変換用ソフトウエア」とは、このプログラムとデータとの双方を意味するものである。たとえば、XMLフォーマットのデータをHTMLフォーマット等のデータに変換する場合、変換処理用プログラムとして「XSLプロセッサ」と呼ばれるモジュールが用いられ、変換処理用データとして「XSL」と呼ばれるテキストデータが用いられる。「XSLプロセッサ」は、「XSL」を参照しながら、XMLフォーマットのデータをHTMLフォーマット等のデータに変換することになる。本発明にいう「変換用ソフトウエア」は、この場合、「XSLプロセッサ」と「XSL」との双方を含むものである。
ここで示す具体的な実施形態は、図2に示す基本構造をもったシステムにおいて、配信用データ格納部110内の配信用データ形式のデジタルコンテンツを、それぞれXML形式の文書データとして用意し、変換用ソフトウエア格納部120内の変換用ソフトウエアとして、種々の提示環境に適したXSLデータを用意したものである。配信用データ格納部110および変換用ソフトウエア格納部120に用意されるデータのより具体的な例を図5のブロック図に示す。
図5の上段に示す配信用データ格納部110内には、コンテンツA1,A2,B1,B2の配信用データが示されている。ここで、コンテンツA1は、電子書籍Aの紹介文を記述した文書データであり、コンテンツA2が、電子書籍Aの本文となる文書データである。同様に、コンテンツB1は、電子書籍Bの紹介文を記述した文書データであり、コンテンツB2が、電子書籍Bの本文となる文書データである。いずれの配信用データも、XMLフォーマットで記述された文書データとなっている。電子書籍の紹介文は、書籍のタイトル、定価、概要などを記述した短い文書データであり、電子書籍本文が、当該書籍の本体となる文書データとなる。ただ、電子書籍紹介文も電子書籍本文と同様に、形式的には、独立したデジタルコンテンツとして取り扱われている。したがって、電子書籍を利用するユーザは、まず、各電子書籍紹介文の配信を受け、これを提示させて検討し、気に入った電子書籍があった場合には、あらためて当該電子書籍の本文の配信を受け、これを提示させて閲読することになる。
一方、図5の下段に示す変換用ソフトウエア格納部120内には、変換用ソフトウエアとして、2通りのアイテムが用意されている。図の左側に示したアイテムは、提示部情報に依存するアイテムであり、パソコン用XSL,携帯電話用XSL,PDA用XSLの3種類が用意されている。一方、図の右側に示したアイテムは、個人情報に依存するアイテムであり、若年用XSL,通常用XSL,老年用XSLの3種類が用意されている。なお、前述したとおり、クライアント装置200のデータ変換部250においてXMLフォーマットのデータをHTMLフォーマット等に変換する場合、変換用ソフトウエアとして、「XSL」(データ)とともに「XSLプロセッサ」(プログラム)が必要である。以下の実施形態では、クライアント装置200側に既に「XSLプロセッサ」が用意されている場合の例を示すが、実用上は、変換用ソフトウエア格納部120内に「XSLプロセッサ」を用意しておき、必要に応じて、これを「XSL」とともに送信できるようにしておくのが好ましい。
また、図2に示されている変換用ソフトウエア格納部120内には、3種類の変換用ソフトウエアX,Y,Zが用意されており、前述の実施形態の説明では、クライアント装置側の提示環境に応じて、いずれかの変換用ソフトウエアが1つだけ選択される単純な例を示したが、実用上は、図5の下段に示す例のように、複数のジャンルごとにそれぞれ異なる変換用データ(この例では、XSLデータ)を用意しておき、複数のデータの組み合わせにより、特定の変換用ソフトウエアを合成する手法を採るのが好ましい。
たとえば、図5の下段に示す例の場合、図の左側に示す提示部情報に依存するアイテムは、コンテンツ提示部240の構成を示す提示部情報に依存して選択されるアイテムであり、クライアント装置がパソコンの場合はパソコン用XSLが選択され、携帯電話の場合は携帯電話用XSLが選択され、PDAの場合はPDA用XSLが選択される。もちろん、実際には、同じパソコンであっても、ディスプレイ画面の大きさによって異なるXSLを用意したり、同じ携帯電話であっても、これを提供する通信事業者によって異なるXSLを用意したりすることになる。
一方、図の右側に示す個人情報に依存するアイテムは、個人情報格納部220に格納されている個人情報に依存して選択されるアイテムである。ここでは、個人情報として、年齢の情報を用いた例が示されている。たとえば、個人情報格納部220内に、個々のユーザの年齢を示す数値Nを個人情報として格納しておくようにし、N≦15の場合には若年用XSLを選択し、15<N<65の場合には通常用XSLを選択し、N≧65の場合には老年用XSLを選択する、というような基準を定めておけば、年齢に応じて、いずれか1つのXSLを一義的に選択することができる。
この例では、若年用XSLと通常用XSLは、通常の大きさで文字表示が行われるようなタグ変換を行うためのデータからなり、老年用XSLは、通常よりも大きめの文字表示が行われるようなタグ変換を行うためのデータからなる。また、通常用XSLと老年用XSLは、「ルビ」を示すタグが付与されたデータについては無視するような変換を行うデータからなるが、若年用XSLは、「ルビ」を示すタグが付与されたデータについては、ルビとして表示されるような変換を行うデータからなる。したがって、もとのXMLフォーマットの文書データが全く同一であっても、若年用XSLを用いてHTMLフォーマットに変換して表示すると、通常の大きさの文字にルビ付きで表示が行われることになり、通常用XSLを用いてHTMLフォーマットに変換して表示すると、通常の大きさの文字にルビ無しで表示が行われることになり、老年用XSLを用いてHTMLフォーマットに変換して表示すると、通常より大きめの文字にルビ無しで表示が行われることになる。
アイテム選択部130は、コンテンツ要求部210から送信されてきた提供要求に含まれる環境情報(提示部情報+個人情報)に基づいて、変換用ソフトウエア格納部120内の2つのXSLを必須アイテムとして選択する。たとえば、提示部情報が携帯電話における提示環境を示しており、個人情報が65歳という年齢を示していた場合には、携帯電話用XSLと老年用XSLとの組み合わせが必須アイテムとして選択されることになり、これらのアイテムが既存アイテム情報に含まれていなければ、これらのアイテムは、送信対象アイテムとして、クライアント装置へと送信されることになる。クライアント装置側では、この携帯電話用XSLと老年用XSLとの組み合わせに基づいて、XMLフォーマットの配信用データを、HTMLフォーマットの提示用データに変換する処理が実行される。
続いて、図5に示すアイテムをもったサーバ装置100から、ユーザが所望のデジタルコンテンツを実際に利用する手順を、図6〜図10を参照しながら説明する。ここでは、まず、ユーザが携帯電話203をクライアント装置として用いた場合の例を説明する。このユーザの年齢は30歳であり、この年齢は、携帯電話203内の個人情報格納部に予め入力されているものとする。
図6に示すように、この携帯電話203には、認証カード301(たとえば、携帯電話用のUIMカードなど)を装着することができる。サーバ装置100は、この認証カード301内の認証情報に基づいて、提供要求を出したユーザが正規のユーザであることを認証することができ、必要に応じて、配信したコンテンツに応じた課金処理を行うことができる。このような認証処理や課金処理は、公知の技術であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
ここで、ユーザが、図5に示すコンテンツA1に対する提供要求を出したものとしよう。これは、電子書籍Aの紹介文を読みたい旨の要求ということになる。上述したように、この提供要求には、環境情報と既存アイテム情報が含まれている。環境情報は、提示部情報(この例の場合、提示環境が携帯電話であることを示す情報)と、個人情報(この例の場合、ユーザの年齢が30歳であることを示す情報)とによって構成される。また、この携帯電話203内には、まだサーバ装置100からのアイテムが全く配信されていない状態であったとすると、既存アイテム情報は「なし」を示している。
アイテム選択部130は、これらの情報に基づいて、図5に示すアイテムの中から、コンテンツA1の配信用データと、携帯電話用XSLと、通常用XSLとを必須アイテムとして認識し、これらすべてを送信対象アイテムとして選択する。その結果、これら3つのアイテムが、携帯電話203へと配信される。携帯電話203側では、配信用データの形式のコンテンツA1(XMLフォーマット)を、携帯電話用XSLおよび通常用XSLを用いて、提示用データの形式のコンテンツA1(HTMLフォーマット等)に変換する処理が実行され、ディスプレイ画面上への提示が行われる。図6には、このようにして、ディスプレイ画面上に電子書籍Aに関する書籍紹介文「経営学原論 定価:3000円 ……」が表示された状態が示されている。
さて、ここで、この電子書籍Aに関する書籍紹介文を読んだユーザが、電子書籍Aを購入したいと考え、ディスプレイ画面上の「購入」ボタンをクリックする操作を行ったものとしよう。この操作は、電子書籍Aの本文に対する要求であり、図5に示すコンテンツA2に対する提供要求となる。この提供要求には、やはり環境情報と既存アイテム情報が含まれている。環境情報は、前回同様、携帯電話による提示環境であることを示す提示部情報と、年齢が30歳であることを示す個人情報とによって構成される。一方、既存アイテム情報としては、コンテンツA1の配信用データ、携帯電話用XSL,通常用XSLの3つのアイテムのリストが送信される。
アイテム選択部130は、これらの情報に基づいて、図5に示すアイテムの中から、コンテンツA2の配信用データと、携帯電話用XSLと、通常用XSLとを必須アイテムとして認識するが、携帯電話用XSLと通常用XSLとは、既存アイテム情報のリストに含まれているので、結局、コンテンツA2の配信用データのみが送信対象アイテムとして選択される。その結果、新たにコンテンツA2の配信用データが、携帯電話203へと配信される。携帯電話203側では、この配信用データの形式のコンテンツA2(XMLフォーマット)を、既存アイテムである携帯電話用XSLおよび通常用XSLを用いて、提示用データの形式のコンテンツA2(HTMLフォーマット等)に変換する処理が実行され、ディスプレイ画面上への提示が行われる。図7には、このようにして、ディスプレイ画面上に電子書籍Aの本文「経営学原論 現代における経営学を理解するためには、……」が表示された状態が示されている。
次に、帰宅したこのユーザが、この電子書籍Aの本文を、自宅のパソコン204を用いて閲読したいと考えたとしよう。この場合、まず、図8に示すように、携帯電話203内のアイテムをパソコン204へと受け渡す作業を行う。この受け渡し作業は、図4で説明したとおり、ファイルのコピー作業として行うことができる。図8では、携帯電話203内のアイテムのうち、コンテンツA2の配信用データと通常用XSLのみを受け渡しの対象アイテムとしており、コンテンツA1の配信用データと携帯電話用XSLは、受け渡しの対象アイテムとしていない。これは、コンテンツA1は電子書籍Aの紹介文であるため、もはや閲読不要であり、また、携帯電話用XSLは、パソコン204では利用できないためである。もちろん、このように必要なアイテムだけを選択的に受け渡しすることが困難な場合には、すべてのアイテムを受け渡ししても問題はない。
こうして、パソコン204への必要なアイテムの受け渡し作業が完了したら、パソコン204からサーバ装置100に対して、電子書籍Aの本文を閲読したい旨の要求を出す。この場合も、必要に応じて、パソコン204に認証カード301を接続して認証作業を行うようにする。このパソコン204からの要求は、図5に示すコンテンツA2に対する提供要求となる。この提供要求には、環境情報と既存アイテム情報が含まれている。今回の環境情報は、パソコンによる提示環境であることを示す提示部情報と、年齢が30歳であることを示す個人情報とによって構成される(パソコン204にも、携帯電話203と同様の個人情報が入力されているものとする)。一方、既存アイテム情報としては、コンテンツA2の配信用データと通常用XSLという2つのアイテムのリストが送信される。
アイテム選択部130は、これらの情報に基づいて、図5に示すアイテムの中から、コンテンツA2の配信用データと、パソコン用XSLと、通常用XSLとを必須アイテムとして認識するが、コンテンツA2の配信用データと、通常用XSLとは、既存アイテム情報のリストに含まれているので、結局、パソコン用XSLのみが送信対象アイテムとして選択される。その結果、新たにパソコン用XSLが、パソコン204へと配信される。パソコン204側では、携帯電話203から受け渡しされた配信用データの形式のコンテンツA2(XMLフォーマット)を、サーバ装置100から配信されたパソコン用XSLおよび携帯電話203から受け渡しされた通常用XSLを用いて、提示用データの形式のコンテンツA2(HTMLフォーマット等)に変換する処理が実行され、ディスプレイ画面上への提示が行われる。図9には、このようにして、ディスプレイ画面上に電子書籍Aの本文「経営学原論 現代における経営学を理解するためには、……」が表示された状態が示されている。
図7の携帯電話203の画面に表示されている電子書籍Aの本文と、図9のパソコン204の画面に表示されている電子書籍Aの本文とは、いずれも同一のコンテンツA2の配信用データに基づいて表示された情報であるが、レイアウトや文字サイズなどの表示環境は異なったものになっている。
続いて、このユーザが、65歳になる父親に、この電子書籍Aの本文を、自宅のパソコン204を用いて閲読させたいと考えたとしよう。この場合、実際に閲読を行うユーザは、65歳の父親ということになるので、パソコン204の個人情報を修正した上で、パソコン204からサーバ装置100に対して、電子書籍Aの本文を閲読したい旨の要求を出す。この場合も、必要に応じて、パソコン204に認証カード301を接続して認証作業を行うようにする。このパソコン204からの要求は、やはり図5に示すコンテンツA2に対する提供要求となるが、この提供要求に含まれる今回の環境情報は、パソコンによる提示環境であることを示す提示部情報と、年齢が65歳であることを示す個人情報とによって構成されることになる。一方、既存アイテム情報としては、コンテンツA2の配信用データ、通常用XSL、パソコン用XSLという3つのアイテムのリストが送信される。
アイテム選択部130は、これらの情報に基づいて、図5に示すアイテムの中から、コンテンツA2の配信用データと、パソコン用XSLと、老年用XSLとを必須アイテムとして認識するが、コンテンツA2の配信用データと、パソコン用XSLとは、既存アイテム情報のリストに含まれているので、結局、老年用XSLのみが送信対象アイテムとして選択される。その結果、新たに老年用XSLが、パソコン204へと配信される。パソコン204側では、配信用データの形式のコンテンツA2(XMLフォーマット)を、サーバ装置100から配信された老年用XSLおよび既存のパソコン用XSLを用いて、提示用データの形式のコンテンツA2(HTMLフォーマット等)に変換する処理が実行され、ディスプレイ画面上への提示が行われる。図10には、このようにして、ディスプレイ画面上に電子書籍Aの本文「経営学原論 現代における経営学を理解する……」が表示された状態が示されている。
図10のパソコン204の画面に表示されている電子書籍Aの本文と、図9のパソコン204の画面に表示されている電子書籍Aの本文とは、いずれも同一のコンテンツA2の配信用データに基づいて表示された情報であるが、文字サイズは異なったものになっている。
このように、クライアント装置側の個人情報格納部に、ユーザの年齢に関する情報を個人情報として格納できるようにし、サーバ装置側の変換用ソフトウエア格納部に、ユーザの年齢層に応じてデジタルコンテンツが異なる態様で提示されるように、年齢層ごとに異なる変換用ソフトウエア(図5に示す例の場合は、若年用XSL,通常用XSL,老年用XSL)を格納しておき、アイテム選択部が、この年齢に関する情報に基づいて必須アイテムの認識を行うようにすれば、クライアント装置側において、ユーザの年齢に適した提示環境で、コンテンツの提示を行うことが可能になる。
なお、本発明において個人情報として用いることができる情報は、年齢の情報に限定されるわけではなく、提示環境に何らかの影響を及ぼす因子をもった個人的な情報であれば、どのような情報を用いてもかまわない。たとえば、ユーザの使用言語に関する情報を個人情報として用いることも可能である。この場合、サーバ装置側の変換用ソフトウエア格納部には、配信用データを異なる言語に翻訳するために用いる変換用ソフトウエアを格納しておくようにし、アイテム選択部が、この使用言語に関する情報に基づいて必須アイテムの認識を行うようにすればよい。より具体的には、変換用ソフトウエア格納部内に、変換用ソフトウエアとして、翻訳エンジンもしくは翻訳用辞書を格納しておき、ユーザの使用言語に関する個人情報を参照して、必要な場合には、特定の言語に関する翻訳エンジンもしくは翻訳用辞書を必須アイテムと認識するようにすればよい。
図11は、変換用ソフトウエア格納部120内に、特定の言語用の翻訳エンジンおよび翻訳用辞書を、変換用ソフトウエアとして用意した例を示すブロック図である。図示の例では、翻訳エンジン(翻訳実行プログラム)として、欧米語用翻訳エンジンと中国語用翻訳エンジンを用意し、翻訳用辞書として、和英辞書データ、和独辞書データ、和仏辞書データ、和中辞書データを用意している。ここで、欧米語用翻訳エンジンは、和英辞書データ、和独辞書データ、和仏辞書データと組み合わせて用いることにより、和英翻訳、和独翻訳、和仏翻訳を実行する機能をもち、中国語用翻訳エンジンは和中辞書データと組み合わせて用いることにより、和中翻訳を実行する機能をもつ。
ここに示す実施形態では、サーバ装置100の配信用データ格納部110内には、すべて日本語で記述された配信用データを用意しておき、使用言語が「日本語」であることを示す環境情報が送信されてきたときには、図11に示す翻訳用のアイテムは一切不要と判断すればよく、日本語以外の使用言語を示す環境情報が送信されてきたときには、当該使用言語に応じた翻訳用のアイテムを必須アイテムと認識するようにすればよい。
たとえば、前述の例の続きとして、このユーザが、30歳の友人の英国人に、この電子書籍Aの本文を、パソコン204を用いて閲読させたいと考えたとしよう。この場合、実際に閲読を行うユーザは、英国人ということになるので、パソコン204の個人情報として、年齢「30歳」、使用言語「英語」と修正した上で、パソコン204からサーバ装置100に対して、電子書籍Aの本文を閲読したい旨の要求を出せばよい。このパソコン204からの要求は、やはり図5に示すコンテンツA2に対する提供要求となるが、この提供要求に含まれる今回の環境情報は、パソコンによる提示環境であることを示す提示部情報と、年齢「30歳」かつ使用言語が「英語」であることを示す個人情報とによって構成されることになる。一方、既存アイテム情報としては、コンテンツA2の配信用データ、パソコン用XSL、通常用XSL、老年用XSLという4つのアイテムのリストが送信される。
アイテム選択部130は、これらの情報に基づいて、図11に示すアイテムの中から、欧米語用翻訳エンジンおよび和英辞書データを送信対象アイテムとして選択する。その結果、新たにこれらの翻訳用アイテムが、パソコン204へと配信される。パソコン204側では、日本語で記述されたコンテンツA2を、欧米語用翻訳エンジンおよび和英辞書データを用いて英語に翻訳した上で、パソコン用XSLおよび通常用XSLを用いてHTMLフォーマットに変換し、ディスプレイ画面上への提示が行われる。図12には、このようにして、ディスプレイ画面上に電子書籍Aの本文の翻訳が表示された状態が示されている。
<<< §5.種々の変形例 >>>
最後に、本発明のいくつかの変形例を述べておく。
(1) 提示処理用ソフトウエアの配信
これまでの実施形態で説明したとおり、ユーザにコンテンツの提示を行うコンテンツ提示部240は、クライアント装置200を構成するハードウエアに、コンテンツの提示処理用のアプリケーションソフトウエアを組み込んだものである。これまでの説明では、このような提示処理用ソフトウエアが、既にクライアント装置200に組み込まれているという前提であったが、この提示処理用ソフトウエアを、サーバ装置100側からクライアント装置200側へ、1つのアイテムとして配信するような運用を行ってもかまわない。
図13は、このような運用を行うための変形例に係るシステム構成を示すブロック図である。図1に示すシステムとの相違点は、サーバ装置100側に、クライアント装置200で用いる提示処理用ソフトウエアWが用意されており、アイテム選択部130が、この提示処理用ソフトウエアWを必須アイテムの1つとして取り扱う点である。たとえば、前述したように、サーバ装置100が電子書籍をデジタルコンテンツとして配信するサーバ装置によって構成されている場合、この電子書籍についての提示処理用ソフトウエアWが、サーバ装置100側に用意されることになる。
このような電子書籍のための提示処理用ソフトウエアWは、一般に、ビューワ(Viewer)と呼ばれており、デジタルコンテンツのフォーマットに応じて、多種類のビューワが利用されている。サーバ装置100側には、配信用データ格納部110内に用意したデジタルコンテンツの提示処理に適した提示処理用ソフトウエアWを用意しておけばよい。もちろん、クライアント装置200がパソコンか、携帯電話か、PDAか、によって、動作可能な提示処理用ソフトウエアも異なってくるため、実用上は、クライアント装置200のハードウエアやOSなどに基づく環境に応じて、複数種類の提示処理用ソフトウエアW1,W2,W3…を用意しておくのが好ましい。
クライアント装置200側からサーバ装置100に対して、所定のコンテンツについての提供要求があると、この提供要求に含まれている既存アイテム情報のリストを参照することにより、当該コンテンツを提示するための提示処理用ソフトウエアWがクライアント装置200側に存在するか否かを認識することができる。そこで、アイテム選択部130に、もし必要な提示処理用ソフトウエアWがクライアント装置200側に存在していなかった場合には、これを送信対象アイテムとして選択する機能を付加しておけばよい、この場合、アイテム送信部140からアイテム受信部230へ、提示処理用ソフトウエアWが送信され、アイテム格納部260内に格納されることになる。図13は、このときの状態を示している。
コンテンツ提示部240は、アイテム格納部260内に格納されている提示処理用ソフトウエアWを用いて、コンテンツの提示処理を実行することになる。もちろん、図2に示すシステムにおいても、同様の運用を行うことが可能であり、この場合、異なるクライアント装置間で、提示処理用ソフトウエアWの受け渡しを行うことができる。
(2) 提示環境に応じた配信用データ
これまでの実施形態では、配信用データ格納部110内に用意されている各コンテンツの配信用データは、すべてのクライアント装置200について共通利用されるデータとなっていた。たとえば、図13に示すシステムにおいて、配信用データ格納部110内に格納されているコンテンツAの配信用データは、クライアント装置200がパソコンであっても、携帯電話であっても、PDAであっても、共通して利用されるデータとなっている。別言すれば、共通の配信用データを、異なる変換用ソフトウエアを用いて提示用データに変換することにより、多様な提示環境に適合させる手法を採っていた。
しかしながら、デジタルコンテンツによっては、個々の提示環境ごとに、異なる配信用データを用意しておいてもかまわない。すなわち、配信用データ格納部110内に、同一のデジタルコンテンツについて、それぞれ異なる提示環境に応じた複数通りの配信用データを格納しておくようにし、アイテム選択部130が、提供要求に含まれている環境情報に応じて、特定の配信用データを必須アイテムとして認識するようにすれば、個々の提示環境ごとに異なる配信用データを送信することができる。
たとえば、画像を含むコンテンツの場合、パソコンの提示環境の場合は大きなサイズの画像を用意し、携帯電話の提示環境の場合は小さなサイズの画像を用意しておき、パソコンからの提供要求か、携帯電話からの提供要求かによって、配信する画像データを変えた方が効率的な場合もある。このような場合、個々の提示環境に応じて、それぞれ別個の配信用データを用意しておくのが好ましい。
(3) ソフトウエアのバージョンチェック
既に述べたとおり、提供要求に含まれる既存アイテム情報を、アイテム格納部260内に存在するアイテムのファイル名のリストによって構成しておけば、アイテム選択部130は、このリストを参照することにより、クライアント装置200側の既存アイテムを認識することが可能である。しかしながら、ソフトウエアは時間とともに逐次改訂されるのが一般的である。そこで、実用上は、このリストにファイル名とともにソフトウエアのバージョンの情報を入れておくのが好ましい。そうすれば、アイテム選択部130は、バージョンの情報を含めた既存アイテムのチェックを行うことができ、特定のファイル名のソフトウエアが存在していたとしても、バージョンが古い場合には、新バージョンのファイルを送信対象アイテムとして選択することができる。もちろん、必要に応じて、新バージョンとの差分データのみを送信対象アイテムとすることも可能である。
あるいは、比較的高い頻度で更新されるアイテムに関しては、既存アイテム情報を参照せずに、毎回必ず送信対象アイテムとして選択するような運用を行ってもかまわない。たとえば、時々刻々と内容が更新されるデータベースや現代用語辞書のデータなどからなるアイテムの場合は、当該アイテムが既存アイテムか否かのチェックを省略し、毎回、常に送信対象アイテムとして選択するような運用をとった方が効率的である。
(4) お薦め情報などの配信
これまで述べた実施形態では、常に、ユーザ側からの提供要求に応じて、要求のあったコンテンツを配信する例を述べたが、商業的利用の見地からは、ユーザ側からの提供要求にかかわらず、サーバ装置100側の自主的判断により、必要に応じて所定のコンテンツを配信する運用を採るのが好ましい。たとえば、Web上の仮想店舗においては、来店したユーザの過去の利用履歴に基づいて、当該ユーザにお薦め商品(たとえば、過去に購入した商品に関連した商品)を紹介するようなサービスが行われている。
本発明に係るシステムにおいても、もちろん、このようなお薦め情報の配信などを行うことが可能である。この場合、サーバ装置100からクライアント装置200に対して、自主的に所定のコンテンツが自動的に配信されることになる。
(5) デジタル著作権管理
近年、デジタルコンテンツにおける著作権管理を行うための仕組が普及してきているが、本発明を実施する上でも、実用上は、このような著作権管理のための仕組を導入するのが好ましい。具体的には、デジタルコンテンツを構成する個々の配信用データには、DRM(Digital Rights Management)機能を実装させておき、コンテンツ提示部240では、このDRM機能の下で適法なコンテンツ提示処理が実行されるようすればよい。一般的に利用されているDRMの仕組では、同一ユーザであれば、コンテンツを利用するデバイスが異なっても新たな課金の発生は生じないようになっているので、クライアント装置間でコンテンツデータの受け渡しを行っても問題は生じない。
(6) 変換用ソフトウエアの機能
これまで述べた実施形態では、変換用ソフトウエアによって配信用データを提示用データに変換する具体的な処理として、フォーマットの変換、レイアウトの変換、文書スタイルの変換、文字の大きさの変換、使用言語の変換(他言語への翻訳)、ルビの採否決定、などを例示したが、変換用ソフトウエアによる変換は、要するに特定のクライアント装置や特定のユーザに対する提示環境に応じた変換が可能であれば、どのような処理を行うものであってもかまわない。
たとえば、幼年者に対する提示環境に適合させるための変換処理として、難しい熟語を平易な口語に置き換えるような処理を行うことも可能である(この場合は、熟語の置換エンジンと専用の辞書が必要になる)。
また、画像データの場合は、ディスプレイの表示環境に合わせて、解像度を変更するような処理も当然考えられよう。
あるいは、元の文書データにおいて、個々の文の重みづけを示すメタデータをタグとして付加しておくようにすれば、重要な文のみを選択し、残りを削除するような処理を行うことにより、元の文書を要約部分のみの文書に変換することも可能である。具体的には、元の文書データを構成する個々の部分ごとに(たとえば、個々のパラグラフごとに)、それぞれ重要度を示すメタデータをタグとして付加しておくようにし、変換用ソフトウエアとしては、特定の重要度を示すメタデータが付加された部分のみを抽出することにより変換を行うソフトウエアを用意しておけば、利用する変換用ソフトウエアに応じて、抽出対象が変わることになるため、クライアント装置側の提示環境に応じて、全文を提示したり、要約のみを提示したりすることができる。
たとえば、大見出、中見出、本文という構成をもった文書データの場合、大見出には重要度A、中見出には重要度B、本文には重要度Cというメタデータを付加しておき、変換用ソフトウエアとしては、見出用XSL,要約用XSL,全文用XSL,なる3種類を用意しておく。そして、見出用XSLを用いた変換では、重要度Aの部分のみが抽出され、要約用XSLを用いた変換では、重要度AおよびBの部分が抽出され、全文用XSLを用いた変換では全部分が抽出されるようにしておく。そうすれば、たとえば、携帯電話に対しては見出用XSLを選択し、PDAに対しては要約用XSLを選択し、パソコンに対しては全文用XSLを選択する、というように、クライアント装置の環境に応じた変換用ソフトウエアを送信することにより、携帯電話では大見出のみを提示し、PDAでは要約(大見出と中見出)を提示し、パソコンでは全文を提示することができる。また、個人情報として、「大見出のみ閲読したい」、「要約を閲読したい」、「全文を閲読したい」という趣向を個人情報格納部220に予め格納しておくようにすれば、この個人情報に基づいて、見出用XSL,要約用XSL,全文用XSLを選択して送信することも可能である。
本発明に係るデジタルコンテンツの提供システムの基本的実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明に係るデジタルコンテンツの提供システムの発展的実施形態の構成を示すブロック図である。 図2に示すシステムの利用形態の手順を示す流れ図である。 図2に示すシステムの利用形態におけるアイテムの受け渡しプロセスを示すブロック図である 図2に示すシステムにおける配信用データ格納部110および変換用ソフトウエア格納部120に用意されるデータの具体例を示すブロック図である。 携帯電話203のディスプレイ画面上に、電子書籍Aに関する書籍紹介文を提示させるプロセスを示す図である。 携帯電話203のディスプレイ画面上に、電子書籍Aの本文を提示させるプロセスを示す図である。 携帯電話203からパソコン204へのアイテムの受け渡し作業を示す図である。 パソコン204のディスプレイ画面上に、電子書籍Aの本文を提示させるプロセスを示す図である。 パソコン204のディスプレイ画面上に、ユーザの年齢条件を変更して、電子書籍Aの本文を提示させるプロセスを示す図である。 変換用ソフトウエア格納部120内に、特定の言語用の翻訳エンジンおよび翻訳用辞書を、変換用ソフトウエアとして用意した例を示すブロック図である。 パソコン204のディスプレイ画面上に、ユーザの使用言語を英語に変更して、電子書籍Aの翻訳文を提示させるプロセスを示す図である。 本発明に係るデジタルコンテンツの提供システムの変形例の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100…サーバ装置
110…配信用データ格納部
120…変換用ソフトウエア格納部
130…アイテム選択部
140…アイテム送信部
200…クライアント装置
201…第1のクライアント装置
202…第2のクライアント装置
203…携帯電話
204…パソコン
210…コンテンツ要求部
220…個人情報格納部
230…アイテム受信部
240,241,242…コンテンツ提示部
250,251,252…データ変換部
260,261,262…アイテム格納部
270,272,273…アイテム受渡部
301…認証カード
A〜C…デジタルコンテンツ
S1〜S8…流れ図の各ステップ
W…提示処理用ソフトウエア
XYZ…変換用ソフトウエア

Claims (15)

  1. デジタルコンテンツを配信するサーバ装置と、配信されたデジタルコンテンツをユーザに提示するクライアント装置と、によって構成されるデジタルコンテンツの提供システムであって、
    前記サーバ装置には、
    デジタルコンテンツの配信用データを格納する配信用データ格納部と、
    前記配信用データを特定の提示環境に適した提示用データに変換するために用いる変換用ソフトウエアを、異なる提示環境に応じて複数通り格納する変換用ソフトウエア格納部と、
    前記クライアント装置からの提供要求に応じて、前記配信用データ格納部に格納されている配信用データおよび前記変換用ソフトウエア格納部に格納されているソフトウエアの中から必要なアイテムを送信対象アイテムとして選択するアイテム選択部と、
    選択された送信対象アイテムを前記クライアント装置へと送信するアイテム送信部と、を設け、
    前記クライアント装置には、
    前記サーバ装置から送信されてきたアイテムを受信するアイテム受信部と、
    受信したアイテムを格納するアイテム格納部と、
    当該クライアント装置におけるデジタルコンテンツの提示環境を示す環境情報と、前記アイテム格納部に格納されているアイテムを示す既存アイテム情報と、を前記サーバ装置に送信して、所望のデジタルコンテンツの提供要求を行うコンテンツ要求部と、
    前記アイテム格納部に格納されている変換用ソフトウエアを利用して、前記アイテム格納部に格納されている配信用データを提示用データに変換するデータ変換部と、
    変換された提示用データを前記提示環境でユーザに提示するコンテンツ提示部と、を設け、
    前記アイテム選択部が、コンテンツ要求部から所望のデジタルコンテンツについての提供要求があった場合に、当該デジタルコンテンツについての配信用データと、当該提供要求に含まれている環境情報に応じた変換を行うのに必要な変換用ソフトウエアと、を必須アイテムと認識し、この必須アイテムのうち、前記既存アイテム情報に含まれていないアイテムを送信対象アイテムとして選択する処理を行うことを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  2. 請求項1に記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    クライアント装置に、別なクライアント装置との間で、アイテムの受け渡しを実行するアイテム受渡部を更に設け、1つのクライアント装置のアイテム格納部から別なクライアント装置のアイテム格納部へ、所望のアイテムの受け渡しを行うことができるようにしたことを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  3. 請求項1または2に記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    配信用データ格納部に、同一のデジタルコンテンツについて、それぞれ異なる提示環境に応じた複数通りの配信用データが格納されており、
    アイテム選択部が、提供要求に含まれている環境情報に応じた配信用データを必須アイテムとして認識することを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    サーバ装置に、クライアント装置で用いる提示処理用ソフトウエアを格納し、
    クライアント装置内のアイテム格納部に、前記提示処理用ソフトウエアを格納できるようにし、コンテンツ提示部が前記提示処理用ソフトウエアを用いて提示処理を行うようにし、
    アイテム選択部が、既存アイテム情報に、前記提示処理用ソフトウエアが含まれていない場合には、前記提示処理用ソフトウエアを送信対象アイテムとして選択することを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    コンテンツ要求部が、アイテム格納部に格納されている各アイテムのファイル名のリストを既存アイテム情報としてサーバに送信することを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    配信用データ格納部内に、メタデータにより構造化されたデジタルコンテンツからなるデータが配信用データとして用意されており、
    変換用ソフトウエア格納部内に、前記データの構造または表示レイアウトを定めるデータからなる変換用ソフトウエアが用意されていることを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    コンテンツ提示部のハードウエアもしくはソフトウエアに関する提示部情報を環境情報として用いることを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    クライアント装置に、デジタルコンテンツの提示を受けるユーザの個人情報を格納する個人情報格納部を更に設け、前記個人情報を環境情報として用いることを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  9. 請求項8に記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    個人情報格納部に、ユーザの年齢に関する情報を個人情報として格納できるようにし、 変換用ソフトウエア格納部に、ユーザの年齢層に応じてデジタルコンテンツが異なる態様で提示されるように、年齢層ごとに異なる変換用ソフトウエアを格納しておき、
    アイテム選択部が、前記年齢に関する情報に基づいて必須アイテムの認識を行うことを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  10. 請求項8に記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    個人情報格納部に、ユーザの使用言語に関する情報を個人情報として格納できるようにし、
    変換用ソフトウエア格納部に、配信用データを異なる言語に翻訳するために用いる変換用ソフトウエアを格納しておき、
    アイテム選択部が、前記使用言語に関する情報に基づいて必須アイテムの認識を行うことを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  11. 請求項10に記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    変換用ソフトウエア格納部が、変換用ソフトウエアとして、翻訳エンジンもしくは翻訳用辞書を格納していることを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載のデジタルコンテンツの提供システムにおいて、
    配信用データ格納部内に、部分ごとにそれぞれ異なる重要度を示すメタデータが付加されたデジタルコンテンツが用意されており、
    変換用ソフトウエア格納部内に、特定の重要度を示すメタデータが付加された部分のみを抽出することにより変換を行う変換用ソフトウエアが用意されていることを特徴とするデジタルコンテンツの提供システム。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のデジタルコンテンツの提供システムの構成要素となるサーバ装置またはクライアント装置。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載のデジタルコンテンツの提供システムの構成要素となるサーバ装置またはクライアント装置としてコンピュータを機能させるプログラム。
  15. サーバ装置から第1のクライアント装置に対してデジタルコンテンツを提供した後、デジタルコンテンツを第2のクライアント装置に提供するデジタルコンテンツの提供方法であって、
    デジタルコンテンツの配信用データと、前記配信用データを種々の提示環境に適した提示用データに変換するために用いる変換用ソフトウエアとを、サーバ装置に用意する段階と、
    前記第1のクライアント装置から前記サーバ装置に対して、前記第1のクライアント装置におけるデジタルコンテンツの提示環境を示す第1の環境情報を送信して、所望のデジタルコンテンツの提供要求を行う段階と、
    前記第1のクライアント装置からの提供要求に応じて、要求されたデジタルコンテンツについての配信用データと、この配信用データを前記第1のクライアント装置における提示環境に適した提示用データに変換するために必要な第1の変換用ソフトウエアとを、前記サーバ装置から前記第1のクライアント装置へ送信する段階と、
    前記第1のクライアント装置において、前記第1の変換用ソフトウエアを用いて、前記配信用データを第1の提示用データに変換し、これを提示する段階と、
    前記第1のクライアント装置から前記第2のクライアント装置へ、前記配信用データと、必要に応じて前記第1の変換用ソフトウエアの一部もしくは全部と、を受け渡しする段階と、
    前記第2のクライアント装置から前記サーバ装置に対して、前記第2のクライアント装置におけるデジタルコンテンツの提示環境を示す第2の環境情報と、前記第1のクライアント装置から送信されてきたアイテムを示す既存アイテム情報と、を送信して、所望のデジタルコンテンツの提供要求を行う段階と、
    前記第2のクライアント装置からの提供要求に応じて、要求されたデジタルコンテンツについての配信用データと、この配信用データを前記第2のクライアント装置における提示環境に適した提示用データに変換するために必要な第2の変換用ソフトウエアと、を必須アイテムと認識し、この必須アイテムのうち、前記既存アイテム情報に含まれていないアイテムを、前記サーバ装置から前記第2のクライアント装置へ送信する段階と、
    前記第2のクライアント装置において、前記第2の変換用ソフトウエアを用いて、前記配信用データを第2の提示用データに変換し、これを提示する段階と、
    を有することを特徴とするデジタルコンテンツの提供方法。
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