JP2006153494A - 流体搬送方法 - Google Patents

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剛生 山▲崎▼
Takahiro Ezaki
隆博 江崎
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進 安田
Yoshikatsu Ichimura
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Abstract

【課題】 二種類の溶液を所望の比率で混合可能であり、該混合溶液の一定量を分析部等に搬送可能な流体搬送方法を提供する。
【解決手段】 流路Aと、流路Aにそれぞれ一端が接続された少なくとも2つの流路B及び流路Cを有し、流路B及び流路Cの各流路の途中に前記バルブを備えた流体搬送装置を用意する工程、
流路A、流路B及び流路Cに第一の流体を導入する工程、
流路Bの一端より流路Aに接続された他端の方向に第二の流体、第三の流体の少なくとも一方の流体を導入し、流路Bと流路Aの交差部と、流路Cと流路Aの交差部とで規定される流路Aの区間を第二の流体及び第三の流体で満たす工程、
前記2つの交差部で規定される流路Aの区間を満たした第二及び第三の流体を流路Aの一端に搬送する工程、
を有する液体搬送方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体の流れを制御するためのバルブを備えた流体搬送装置を用いた流体搬送方法に関する。特にチップ上で化学分析や化学合成を行う小型化分析システム(μ−TAS:Micro Total Analysis System)において、流体の流れを制御するためのバルブを用いた流体搬送方法に関する。
近年、立体微細加工技術の発展に伴い、ガラスやシリコン等の基板上に、微小な流路とポンプ、バルブ等の流体素子およびセンサを集積化し、その基板上で化学分析を行うシステムが注目されている。これらのシステムは、小型化分析システム、μ−TAS(Micro Total Analysis System)あるいはLab on a Chipと呼ばれている。化学分析システムを小型化することにより、無効体積の減少や試料の分量の大幅な低減が可能となる。また、分析時間の短縮やシステム全体の低消費電力化が可能となる。さらに、小型化によりシステムの低価格を期待することができる。μ−TASは、システムの小型化、低価格化および分析時間の大幅な短縮が可能なことから、在宅医療やベッドサイドモニタ等の医療分野、DNA解析やプロテオーム解析等のバイオ分野での応用が期待されている。
これまで、μTASにおいて二種類の溶液を混合して分析する場合、例えば、図6に示したようにY字型の流路パターンが用いられてきた。流路601に溶液Aに導入し、流路602に溶液Bを導入する。導入された溶液A及び溶液Bは合流部603により合流し、流路604において混合される。流路604の下流部に設置した分析手段605により、溶液Aと溶液Bの混合溶液を分析することができる。これを応用したDNA分析キットが特許文献1に開示されている。
また、μTASにおいて、一定量の液体試料を流路中から取り出して、次の工程に搬送する操作は、非常に有用である。例えば、HPLC(High Performance Liquid Chromatography)のカラム部分(分析部分)に、一定量の液体試料を注入するインジェクタ−が、特許文献2に開示されている。図7は、サンプリングバルブ701を用いて一定量の液体試料をHPLCカラム703に注入する方法である。図7では、液体試料を太い線で、緩衝液を細い線で示してある。はじめ、サンプリングバルブを図7(a)のように配置する。液体試料は試料ループ流路704を満たしていて、緩衝液は分析用流路705を満たしている。次に図7(b)のように、サンプリングバルブ701を回転し、サンプリングバルブ内701内の液体試料706を、分析用流路705に挿入する。次に図7(c)のように、圧力発生源702を駆動することにより、サンプリングバルブ内にあった液体試料706を切り出して、HPLCカラム703に搬送する。
特開2000−287682号公報 米国特許明細書第6290909 B1号
図6に示した従来技術では、二本の流路の合流部から検出部の間の微小流路すべてを、二種類の溶液で満たす必要がある。この場合、溶液の種類、混合比や送液条件等を変化させて複数の分析を実施する場合に、試料を大量に浪費してしまう可能性がある。
図7に示した従来技術では、二種類の溶液を混合した試料を分析する場合には、システムの外部で二液を混合した後、システム内に導入し、一定量の試料をインジェクションする必要がある。溶液の種類や混合比を様々に変化させて複数の分析をする場合、その組み合わせ、混合比ごとに、システム外部で試料を作成する必要がある。例えば、何十種類以上の試料どうしの組み合わせで、さらに混合比も変えて分析を実施する場合、この作業は非常に手間がかかる。また分析に必要な量(分析部にインジェクションする量)より、はるかに多くの試料を、それぞれの組み合わせ、混合比ごとに用意する必要があり、試料を浪費してしまう可能性がある。
本発明は、システム内部で二種類の溶液を所望の比率で混合可能であり、該混合溶液の一定量を分析部等に搬送可能な流体搬送方法を提供するものである。
本発明により提供される流体搬送方法は、流体を流すための流路と、前記流路の途中に位置し前記流体の流れを制御するためのバルブと、を備えた流体搬送装置を用いた流体搬送方法であって、
流路Aと、流路Aにそれぞれ一端が接続された少なくとも2つの流路B及び流路Cを有し、流路B及び流路Cの各流路の途中に前記バルブを備えた流体搬送装置を用意する工程、
流路A、流路B及び流路Cに第一の流体を導入する工程、
流路Bの一端より流路Aに接続された他端の方向に第二の流体、第三の流体の少なくとも一方の流体を導入し、流路Bの一端より前記一方の流体のみを導入する場合には、流路B、流路Cとは別に流路Aに一端が接続された別の流路Dより他方の流体を導入し、流路Bと流路Aの交差部と、流路Cと流路Aの交差部とで規定される流路Aの区間を第二の流体及び第三の流体で満たす工程、
及び流路A中の第一の流体を移動させることで前記2つの交差部で規定される流路Aの区間を満たした第二及び第三の流体を流路Aの一端に搬送する工程、
を有することを特徴とする。
前記バルブは、該バルブが設けられた前記流路に流体が流れたときに前記バルブの上流側と下流側との間に生ずる圧力差に応じて作動するものであり、前記圧力差が所定の値未満のときは、前記バルブは流体を通過させ、前記圧力差が所定の値以上のときは、流体の流れを遮断するものであることを特徴とする請求項1に記載の流体搬送方法。
本発明において用いるバルブは、所定の方向に流体が流れるときにはこれを通過させ、前記所定の方向と逆方向に流れるときは、前記圧力差が前記所定の値未満のときはこれを通過させ、前記圧力差が所定の値以上のときはこれを遮断するものとすることができる。
本発明は、流路Cに第二及び第三の流体を導入した後、前記2つの交差部で規定される流路Aの区間を満たした第二及び第三の流体を流路Aの一端に搬送する工程を行うことを包含する。
また、本発明は、流路Bより流路Aに導入される第二及び第三の両方の流体が、流路Bの流路Aに接続された端部とは逆の端部接続された別の流路を介して流路Bに導入されるものも包含する。
さらに本発明は、第一の流路、第二の流路及び第三の流路と、これら三つの流路の一端が接続された第四の流路の少なくとも四つの流路からなる流体搬送装置を用いた流体搬送方法であって、
(a) 前記第四の流路の一端より第一の流体を導入し、前記第一乃至第四の流路を前記第一の流体で満たす工程
(b) 前記第一から第三の流路のうちのいずれかの流路の前記第四の流路に接続された一端と逆の一端から、
第二の流体を導入し、
前記第一から第三の流路のうち、前記第二の流体を導入した流路とは別のいずれかの流路の前記第四の流路に接続された一端と逆の一端から、
第二の流体を導入し、
前記第四の流路の区間のうち、
前記第二の流体を導入した流路と前記第三の流体を導入した流路と前記第四の流路の交差する第一の交差部から、
前記第一乃至第三の流路のうち前記第二及び第三の液体を導入した流路とは別の流路と前記第四の流路の交差する第二の交差部までの区間を、
前記第二の流体及び前記第三の流体の両方で満たす工程
(c) 前記第四の流路の一端より第一の流体を導入し、
前記第一の交差部から前記第二の交差部までの区間にあった前記第二の液体と前記第三の液体を、前記第四の流路の他端に搬送する工程
を有する流体搬送方法を包含する。
さらに本発明は、第四の流路及び第五の流路と、
これら二つの流路の一端が接続された第六の流路の少なくとも3つの流路からなる流体搬送装置を用いた流体搬送方法であって、
(d) 前記第六の流路の一端より第四の流体を導入し、前記第四乃至第六の流路を前記第四の流体で満たす工程
(e) 前記第四及び第五の流路のうちのいずれかの流路の前記第六の流路に接続された一端と逆の一端から、第五の流体と第六の流体を同時に導入し、
前記第六の流路の区間のうち、
前記第五の流体と第六の流体を導入した流路と前記第六の流路の交差する第三の交差部から、
前記第四及び第五の流路のうち前記第五の流体と第六の流体を導入した流路とは別の流路と前記第六の流路の交差する第四の交差部までの区間を、
前記第五の流体と第六の流体で満たす工程
(f) 前記第六の流路の一端より第一の流体を導入し、
前記第三の交差部から前記第四の交差部までの区間にあった前記第五の流体及び第六の流体を、前記第六の流路の他端に搬送する工程
を有する流体搬送方法を包含する。
本発明には、従来の技術と比較して少ないサンプル量で、所望の混合比、混合時間、送液条件で、混合流体を搬送可能であるという効果がある。また本発明には、システム内部で二種類の流体を所望の比率で混合可能であり、該混合流体の一定量を搬送可能であるという効果がある。
次に、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、流路中で二種類の液体を所望の混合比で混合し、一定量の該混合溶液を分析部に搬送する方法について説明するが、本発明の用途は分析システムのみに限定されるものではない。流路中で二種類の流体を所望の混合比で混合し、搬送するあらゆる用途に用いることが可能である。
本発明における流体とは、液体または気体を指す。以下の説明では流体のうち液体を例として説明するが、流体は気体であっても同様にして適用可能である。
(流体搬送装置の構成)
図1は、本発明の流体搬送方法を実施する際、適用することができる流体搬送装置の構成を説明するための概念図である。
図1の流体搬送装置は、第一の流路101、第二の流路102、第三の流路103、第四の流路104、第一のバルブ105、第二のバルブ106、第三のバルブ107、第一の交差部108、第二の交差部109、送液手段110、分析部111よりなる。ここで、第一の流路101は、請求項で規定した流路Cに、第二の流路102は流路Dに、第三の流路103は流路Bに、第四の流路104は流路Aにそれぞれ対応する。
また、前述した各構成要素は、図1のように配置されている。第四の流路104は送液手段110と分析部111を接続している。第一の流路101と第四の流路104は、第一の交差部108で交差している。第二の流路102と第三の流路103と第四の流路104は、第二の交差部109で交差している。第一のバルブ105、第二のバルブ106及び第三のバルブ107は、それぞれ、第一の流路101、第二の流路102及び第三の流路103の途中に配置されている。
第一から第三のバルブに、流体が流れると、各々のバルブに流れる流量に応じて各々のバルブの前後に圧力差が発生する。第一のバルブ、第二のバルブ及び第三のバルブは、それぞれ第一の流路、第二の流路、第三の流路から第四の流路に流入する方向の流れに関しては、その流れによりバルブ前後に発生する圧力差、流量に関わらず、常に通過させる構造を持つ。一方、第四の流路から、第一の流路、第二の流路、第三の流路に流出する方向の流れに関しては、流量もしくはバルブ前後に発生する圧力差が、ある特定の閾値以上の場合には遮断し、ある特定の閾値未満の場合には通過させる特性を持つ。上記したような特性を持たせるためのバルブ部の詳細な構成の例に関しては、後述する。
バルブの開閉動作を円滑にし、一定量の流体を量的に精度よく搬送するためには、第一から第三のバルブの上記閾値は、同一であることが好ましい。
本発明に適用される搬送装置では、流体が流れることにより発生する圧力差により開閉する受動バルブを用いている。したがって、バルブを駆動するためのアクチュエータや電源が不要であり、装置を小型化することが容易となる。また、バルブは流れに応じて駆動するので、流量計等により流量を監視してバルブ駆動のタイミングを制御する必要がない。
また、流れそのものによりバルブが開閉するので、送液手段には特に制限がない。圧力流であっても電気浸透流であっても、流量もしくはバルブ前後に発生する圧力差を閾値以上にすることによりバルブを閉状態にすることが可能である。送液手段としては、例えば、市販の液体クロマトグラフィ用ポンプ、シリンジポンプ、電気浸透ポンプ等が挙げられる。ポンプを駆動する場合は、圧力を制御するモードで駆動しても良いし、流量を制御するモードで駆動しても良い。また、送液手段としてピペット等を用いても良い。また流路内に設けたヒータで流体を加熱して、流体を駆動しても良い。
送液手段110及び分析部111の流路抵抗は、他の部分と比較して非常に高いことが好ましい。これにより、後に述べる(a)−2工程において、第四の流路104のうち、第一の交差部108及び第二の交差部109により分画された部分のみに、試料を導入することが可能となり、混合溶液を量的に精度良く分析部111に搬送することが可能になる。送液手段110もしくは分析部111の流路抵抗は低い場合は、第四の流路のうち第二の交差部と分析部111の間の部分もしくは第一の交差部と送液手段110の間の部分の流路幅を狭くすることにより流路抵抗を高くしても良い。また、例えば多孔質材料等の流路抵抗の高い材料を、第四の流路のうち第二の交差部と分析部111の間の部分もしくは第一の交差部と送液手段110の間の部分に挿入しても良い。
分析部は、例えばHPLCのカラム等の分離部及び分光光度計の検出部から構成されている。
尚、本発明に適用可能な流体搬送装置を構成する流路等は、流路の幅、深さを適宜設定し得るがこれらの一般的な値は、1μm〜5000μmの範囲から選択可能である。
(流体の混合及び搬送方法)
本発明の流体搬送方法は、流体を流すための流路と、前記流路の途中に位置し前記流体の流れを制御するためのバルブと、を備えた流体搬送装置を用いた流体搬送方法であって、
流路Aと、流路Aにそれぞれ一端が接続された少なくとも2つの流路B及び流路Cを有し、流路B及び流路Cの各流路の途中に前記バルブを備えた流体搬送装置を用意する工程、
流路A、流路B及び流路Cに第一の流体を導入する工程、
流路Bの一端より流路Aに接続された他端の方向に第二の流体、第三の流体の少なくとも一方の流体を導入し、流路Bの一端より前記一方の流体のみを導入する場合には、流路B、流路Cとは別に流路Aに一端が接続された別の流路Dより他方の流体を導入し、流路Bと流路Aの交差部と、流路Cと流路Aの交差部とで規定される流路Aの区間を第二の流体及び第三の流体で満たす工程、
及び流路A中の第一の流体を移動させることで前記2つの交差部で規定される流路Aの区間を満たした第二及び第三の流体を流路Aの一端に搬送する工程、
を有することを特徴とする。
ここでは、図1及び図2を用いて、流路A(第四の流路104)、流路B(第三の流路103)、流路C(第一の流路101)、流路D(第二の流路102)を用いた流体搬送方法の一例を説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
(a)混合溶液の搬送
ここでは、バルブの流量閾値に着目して説明するが、流れによりバルブ前後に発生する差圧に注目して、各工程の送液条件(流量、発生圧力等)を決定しても同様な搬送が可能である。
(a)−1
この工程では、第一から第四の流路、第一及び第二の交差部、第一から第三のバルブ、分析部111を第一の液体112で満たす。
まず、送液手段110を用いて、各バルブにおける流量が、各バルブの閾値流量以下となるように、第一の液体を送液する。これにより、第一から第四の流路は第一の液体で満たされる。
このとき、分析部111の流路抵抗が、第一から第三の流路側と比較して大きく、分析部全体が、第一の液体で満たされない場合がある。このような場合は、上で述べた工程に続いて、第一から第三のバルブのおける流量が、各バルブの閾値流量より大きくなるように、送液手段110を用いて送液する。これにより、各バルブが閉状態となり、分析部が第一の液体で満たされる。分析部全体が第一の液体で満たされた後、送液を停止する。送液を停止することにより、第一から第三のバルブは開状態に復帰する。また、送液を停止しても、バルブが開状態に復帰しない場合は、例えば送液手段の圧力を開放する等の手段により、バルブを開状態に復帰しても良い。
この工程が完了した状態では、第一から第四の流路、第一及び第二の交差部、第一から第三のバルブ、分析部は第一の液体112で満たされている。また第一から第三のバルブは、開状態となっている(図2(a))。
(a)−2
次に、第二の流路102から第二の液体113を、第三の流路103から第三の液体114を導入する。第二の液体113及び第三の液体114は、図2(b)に示したように、第二の交差部109で合流し、第四の流路104を第一の交差部108に向かって流れ、第一の交差部108で第一の流路101に流入した後、装置外部に排出される。このとき、上で述べたように、送液手段110及び分析部111は非常に流路抵抗が高いので、第二の液体113及び第三の液体114は、送液手段及び分析部側には流入しない。
このとき、第一のバルブ105に流れる流量が第一のバルブの閾値流量未満となるように、送液条件を設定する。これにより第一のバルブ105は開状態となる。また、第二のバルブ106及び第三のバルブ107に流れる流れの方向は、常に流れを通過させる方向なので、第二のバルブ106及び第三のバルブ107は開状態となる。
(a)−3
次に、送液手段110を用いて、各バルブにおける流量が、各バルブの閾値流量以上となるように、第一の液体を送液する。これにより、第一から第三のバルブは直ちに閉状態となり、第一の交差部108及び第二の交差部109に分画された部分にあった第二の液体113と第三の液体114の共存領域115は、図2(c)に示すように、第一の液体112にはさまれた状態で切り出され、分析部111に搬送される。共存領域115内の第二の液体113と第三の液体114は、分析部111に到達するまでの間に、混合される。
尚、本発明においては、流路Bと流路Aの交差部と、流路Cと流路Aの交差部とで規定される流路Aの区間を第二の流体及び第三の流体で満たす工程、及び流路A中の第一の流体を移動させることで前記2つの交差部で規定される流路Aの区間を満たした第二及び第三の流体を流路Aの一端に搬送する工程を有している。本発明に規定する2つの交差部で規定される流路Aの区間とは、流路B(例では第三の流路103)と流路A(例では第四の流路104)の交差部と、流路C(例では第一の流路101)と流路A(例では第四の流路104)の交差部で規定される区間である。ここで、交差部及び交差部で規定される区間は、各流路の設けられた位置によって厳密に規定されるものではなく、流路を流す流体の種類、流速、流す流体の量、流路の断面積等により多少変動する。そこで、交差部で規定される区間とは、第一の流体と、第二及び第三の流体の共存領域115と、の境界で規定される区間としてとらえることもできる。
本発明の流体搬送方法では、第二の液体及び第三の液体の種類を変えて、上記(a)−2〜(a)−3工程を繰り返すことにより、様々な組み合わせの液体どうしを混合し、分析部に送液することが可能である。
また、(a)−2工程において第二の液体及び第三の液体の導入の割合を変えることにより、(a)−3工程において分析部111に搬送される混合溶液の混合比を変えることが可能である。
特にレイノルズ数が小さい場合には、流れが層流となる。この場合、(a)−2工程において、第二の液体自体と第三の液体自体は混合せずに界面を形成する。該界面を介して第二の液体の成分と第三の液体の成分が相互拡散する。界面位置は、両液体の粘性の比及び導入量の比により決定される。
(a)−3工程において、分析部111に搬送される第二の液体と第三の液体の共存領域115の体積は、第四の流路のうち第二の交差部108及び第一の交差部109に分画される部分の体積と等しい。これにより、毎回、一定量の混合溶液を分析部111に搬送することが可能である。
上記(a)−3工程において、送液手段110の駆動条件は、第一から第三のバルブが閉状態となる駆動条件、すなわち各バルブにおける流量が各バルブの閾値流量以上となるような駆動条件であれば特に特に制限はない。
低レイノルズ数の流れの場合は、上記(a)−3工程における分析部111への搬送過程で、共存領域115内の第二の液体及び第三の液体の成分の混合、反応は相互拡散により進行する。混合、反応が完全に完了した状態の分析を実施するためには、共存領域115が分析部111に到達した段階で、混合、反応が完了している必要がある。このためには、第二の交差部109から分析部111までの流路長を十分に長くしても良い。また第一から第三のバルブが閉状態となる送液条件の範囲内で、十分に低い流量で第一の液体を送液しても良い。
また、第一から第三のバルブが閉状態となる送液条件の範囲内で、流量を変化させることにより、分析部111に共存領域115が到達した時点での、第二の液体と第三の液体の反応時間もしくは混合時間を変化させることが可能である。これにより、両液の混合過程、反応過程を分析することも可能である。
また、本発明の流体搬送方法を用いて混合溶液を分析する場合、二液の合流部から分析部までの全ての流路を混合溶液で満たす必要がない。したがって、混合比や混合する溶液の種類を変えて多数回の分析をする場合、試料の量を節約することができる。
また、(a)−2工程において第二の液体及び第三の液体として同一の液体を用いることも可能である。これにより本発明の流体搬送装置を、一定量の試料を切り出して分析部111に搬送する流体搬送装置として用いることができる。
(他の流路構成)
また、他の実施形態として、図8に示した流路及びバルブ構成とすることも可能である。図8は、第一の流路101(流路C)、第三の流路103(流路B)、第四の流路104(流路A)と、第三の流路103(流路B)に接続された801及び802で構成される別の流路と、を用いる構成を示している。
この場合は、上記(a)−2に相当する工程において、第二の液体を流路801より、第三の液体を流路802より、それぞれ導入する。第二の液体と第三の液体は交差部802において合流し、流路103及びバルブ107を通って、交差部109、交差部108、流路101、バルブ105の順に流れる。それ以外に関しては上で述べた方法と同様にして、交差部108及び交差部109により分画された部分の第二の流体及び第三の流体を切り出して、分析部111に搬送することが可能である。図8で述べた構成には、設置するバルブの数が少なくて済むという利点がある。
さらに別の実施形態として、図9のように流路及びバルブを構成することも可能である。図9は、第一の流路101(流路C)、第二の流路(流路D)、第三の流路103(流路B)、第四の流路104(流路A)と、流路901とを用いる構成を示している。
この場合は、上記(a)−2に相当する工程において、流路102より第二の液体、流路103より第三の液体をそれぞれ導入すると、両液体は、交差部109において合流し、第四の流路104を交差部108に向かって流れ、交差部108において、流路101及び流路901に分流する。分流した液体は、流路101及び流路901を介して外部に排出される。それ以外に関しては上で述べた方法と同様にして、交差部108及び交差部109により分画された部分の第二の流体及び第三の流体を切り出して、分析部111に搬送することが可能である。図9に示した構成では、第二の液体及び第三の液体が相互拡散により混合した部分が、流路101もしくは流路901のいずれかのみに流出した場合、他方の流路には一種類の液体のみが流出する。これにより、液体の回収及び再利用が容易になるという利点がある。
また図9の構成を用いた場合には、上記(a)−2に相当する工程において、例えば第二の液体を流路101から交差部108を介して流路901へ流し、第三の液体を流路102から交差部109を介して流路104に流しても良い。これにより、上記(a)−3に相当する工程において、交差部108にあった第二の液体と交差部109にあった第三の液体は、間に第一の流体があるので、接触することなく分析部に搬送される。この場合、例えば、第二の液体として標準試料を用い、第三の液体に分析したい試料も用いることにより、標準試料と分析試料を同一条件でほぼ同時に分析できるという利点がある。
(バルブの説明)
本発明に適用可能な流体搬送装置では、上述したように、流量が特定の値を越えた場合に流れを遮断するバルブを用いることができる。また、該バルブは、特定の方向の流れに関しては、流れによりバルブ前後に発生する圧力差、流量に関わらず、常に通過させる特性を持つ。図3は、そのようなバルブ構造の一例を示す概略図である。図3はあくまでも一例であり、バルブは流れの流量、もしくは流れにより発生する圧力差が特定の値を越えた場合に流れを遮断するという特性を有するバルブであれば良い。
図3(a)にはバルブ300の上面図、図3(b)には断面図を示す。バルブ内の流路は、細い流路303を有する領域と、太い流路304、305を有する領域に分けられる。遮蔽部は301に示す平板の形状であり、流路304と305の間に、バネ302によって弾性支持された平板301が流路と垂直に、そして流路303の入り口とある距離を保って設置されている。平板301の径は流路303の径よりも大きく、平板301が流路303に向かって変位して流路303と流路305の境界に達した場合、流体の流れを塞ぐことが可能となる。
図4(a)に、このバルブに流路304から流路303の向きに液体が流れる場合の経路を示す。このような流れにおいては、液体が流路305を流れる間に、その流量に応じた圧力の低下を生じる。これにより、平板301の表面では、流路304側と流路305側で圧力差が発生する。この圧力差が駆動力となり、平板301は流路303の入り口に向かって変位する。
図4(b)は、流路304から流路305への液体の流量が閾値よりも低い場合を示す。平板301は、流路304側と流路305側の圧力差により変位するが、これを保持するバネ302の弾性による復元力により、流路303の入り口を塞ぐまでには至らない。従って、流体は図4(b)に示すように、流路304から303へ抜けていく。液体の搬送を止めると、バネ302の復元力によって平板301は元の位置に戻る。
一方、図4(c)は、流路304から流路303への液体の流量が閾値以上である場合を示す。平板301は、流路304側と流路305側の圧力差により変位し、やがて流路303の入り口を塞ぐ。これにより流体の流れは図4(c)に示すように、平板301で遮断される。平板301は液体の圧力によって、流路303の入り口をシーリングした状態で保持され続ける。流路304側から印加されている圧力が取り除かれると、平板301はバネ302の復元力によって流路303の入り口から離れ、液体の搬送が止まったら元の位置に戻る。
また、このバルブは、流路303から流路304への流れに関しては常に通過させることが構造上明らかである。そのため、流路304から流路303への流量が閾値以上で動作させる場合に限れば、このバルブは逆止バルブと同じ機能を有することになる。
バルブの閾値流量(もしくは閾値圧力差)はバネ302のバネ定数、および平板301と流路303の距離及び平板301の直径、流路303の直径及びバルブを流れる流体の粘性により決定される。この内バネ定数は、バネ302の長さ、厚さ、本数、材質により決定される。これらを最適化することで、所望の閾値特性を有するバルブを設計することが出来る。また、バルブが閉じた状態の時、平板301は流体の圧力により保持されるため、高いシーリング効果が期待でき強度も高い。
また、液体の搬送を止めたときに、バネの復元力で平板301は元の位置に戻る。これにより、従来のマイクロバルブで問題となりやすかったSticking(はりつき)、すなわち平板が対向した基板に表面張力によりはりついたまま元に戻らないという問題が発生しにくい。
Stickingが特に問題とならないような場合には、バネ定数を弱くすることにより、液体の搬送を止めた後も、表面張力により平板301が元の位置に戻らずに閉状態が維持するように設計することも可能である。このような場合は、流路303側から圧力を印加することにより、平板301を元の位置に戻すことが可能である。上記のことは、平板301と流路303の距離を短くし、閉状態におけるバネの復元力を小さくすることによっても実現することが可能である。
バネ302および平板301の材質としては、分析する溶液に対して耐性があり、かつ弾性変形に対してある程度の耐性を持つ、例えば、シリコンが望ましい。そして、シリコーン等の樹脂を用いることも可能である。必要に応じて、表面をコーティングしても良い。また流路を形成するその他の基板に関しては、分析する溶液に対して耐性がある材料であれば特に制限がない。例えば、ガラス、シリコン、シリコーン樹脂等が挙げられる。また液体の搬送に電気浸透流を用いる場合は、電気浸透流を発生させる材料を選択することが可能である。
また、遮蔽部を平板状にし、対向する基板との間にギャップを形成することにより、該ギャップ間を流体が流れるときに圧力低下が発生し、遮蔽部の上下で圧力差が発生する。この圧力差により、遮蔽部が基板方向に移動する。また、遮蔽部の形状は、対向した開口を遮蔽することが可能な形状であれば特に制限はない。特に円形状が、流れの対称性の観点から好ましい。特に断面が円形の流路に対し、流路と中心を同一とする円形状の平板を配置することが好ましい。これにより、流路305における流体の流れおよび圧力分布が中心軸に対して対称となり、遮蔽部の変位を安定させることが可能となる。
図3に示したバルブは、平板301をバネ302で支持した形態となっている。このような形態の場合、平板をほとんど変形させずに、バネ部のみを変形させ、平板301の位置を変位させることも可能である。この場合は、平板301の変位が安定するので、安定した閾値圧力を得ることができる。バネ302のみを変形させる場合は、バネ定数が小さくなるように設計する。バネ302を薄く、長くすることにより、個々のバネのバネ定数は小さくなる。バネの本数を減らすことにより、バルブ全体のバネ定数を小さくしても良い。もしくは平板301を厚くすることにより平板を変形しにくい形状に設計しても良い。
また、平板301およびバネ302の形状を適切に設計することにより、平板、バネともに変形させることも可能である。この場合は、バネ302のバネ定数が大きくなるように設計する。もしくは平板を薄くすることにより変形しやすくしても良い。平板、バネともに変形する場合は、平板301の中心部が凹形状に変形して、外縁部に沿って流路303を塞ぐことが可能である。これにより、シール性の向上を期待することができる。
バネ302の断面形状としては、特に制限がない。図3に示したような断面が長方形の板形状でも良いし、湾曲した形状、蛇行形状としても良い。バネ部の厚さを平板部と異なる厚さにしても良い。
例えば、断面が円形の流路内に流路と中心を同一とする円形状の平板を支持する場合、バネ302による支持位置は、中心軸に対して対称な位置であることが好ましい。これにより、流路305における圧力分布が中心軸に対して対称となるとともに、平板の変位も対称となる。このことにより、安定した閾値特性が得られる。また閉状態におけるシール性も向上する。
複数のバネで平板を支持する場合は、バネ定数の等しい複数のバネで支持することが平板の変位の安定性の点で好ましい。また本項では、平板上の遮蔽部を板バネで弾性支持した形態を例にとり説明したが、本発明の実施形態はこれに制限されるものではない。例えば片持ち梁や両持ち梁のように、遮蔽部の片端もしくは両端を固定することにより弾性支持しても良い。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中における、寸法、形状、材質、作製プロセス条件は一例であり、本発明の要件を満たす範囲内であれば、設計事項として任意に変更することが可能である。
本実施例では、二種類の液体を混合して、一定量の混合溶液を切り出して搬送可能な本発明に適用可能な液体搬送装置の例を示す。
図5に図1を用いて説明した液体搬送装置の具体的な例を示す。この液体搬送装置は、図5(b)に示すように、流路基板501とバルブ基板502とからなる。図5(a)は、図1に示される流路パターンが形成される流路基板501の平面図であり、図5(b)及び図5(c)中のA−A‘断面図に相当する。図5(b)は、図5(a)中のB−B’間及びB”−B”’間の断面図、図5(c)は図5(a)中のC−C‘間の断面図を示す。なお、図5では説明のため、実際より各流路の太さを強調して示してある。
流路基板501には、第一の流路503、第二の流路504、第三の流路505、第四の流路506が形成されている。各流路は、第一の交差部507及び第二の交差部508で交差している。
バルブ基板502には、第一のバルブ509、第二のバルブ510、第三のバルブ511が形成されている。また貫通穴512〜516が形成されている。貫通穴515は、チューブ(不図示)を介して、送液手段であるHPLC用ポンプ(不図示)に接続されている。貫通穴516は、チューブ(不図示)を介して、分析部であるHPLC用カラム(不図示)に接続されている。
各部の寸法の例は、以下のとおりである。流路基板501はパイレックス(登録商標)ガラスよりなり、その厚さは500μmである。バルブ基板502の主材料はシリコンであり、その厚さは700μmである。流路基板に形成される流路の幅は100μm、深さは50μmである。バルブ基板に形成される貫通穴は直径100μmである。各バルブ内の太い流路で形成される領域の直径は300μmである。各バルブを形成する平板301は直径200μm、厚さ5μmで、バネ302は長さ50μm、厚さ5μm、幅10μmである。流路305の長さ、すなわち変位のない状態の平板301と流路303の距離は、5μmである。
室温で水を流した場合の各バルブの閾値流量は、約60μl/minである。
流路基板は、フォトリソグラフィとHF(ふっ酸)溶液によるエッチングにより作製する。バルブ基板は、SOI(Silicon on Insulator)基板及びシリコン基板をマイクロマシーニング技術を用いて加工し、熱融着法により接合することにより作製する。上のように作製した流路基板とバルブ基板を陽極接合法を用いて接合することにより、図5に示した流体搬送装置が得られる。
次に、実施例1の装置を用いて、HPLC(high performance liquid chromatography)により、二種類の溶液を装置内で混合して分析する例を示す。
第一の液体である移動相溶液として、リン酸緩衝液とメタノールを75:25に混合した溶液(以下溶液Aとする。)を用意する。また、分析対象サンプル溶液である第二の液体、第三の液体として、安息香酸、サリチル酸、フェノールをそれぞれ100mMリン酸緩衝液(pH=7.0;KH2 PO4−Na2 HPO4)に溶解させた三種類の水溶液(それぞれ溶液B、溶液C、溶液Dとする。)を用意する。また、分離部としては、ODS(オクタデシル化シリカ)カラムを用いた逆相クロマトグラフィーカラムを用い、紫外光吸収検出器によって、分離された各成分の検出を行う。
まず、第二の液体として溶液B、第三の液体として溶液Cを用いて分析を実施する。以下にその手順を示す。
まず、第一から第四の流路、第一及び第二の交差部、第一から第三のバルブ、分析部を溶液Aで満たす。すなわちHPLC用ポンプ(不図示)を用いて、50μl/minの流量で、溶液Aを貫通穴515から送液する。この送液条件では、バルブ509〜511における流量は各バルブの閾値流量未満なので、各バルブは開状態のままである。一定時間の送液後、流路503〜506、バルブ509〜511及び貫通穴512〜516は溶液Aで満たされる。一定時間経過後、500μl/minの流量で、溶液Aを貫通穴515から送液する。これによりバルブ509〜511における流量は各バルブの閾値流量以上となり、各バルブは閉状態となり、貫通穴516に接続されたHPLCカラム(不図示)も溶液Aで満たされる。次に、送液を停止して、HPLC用ポンプのパージバルブを用いて、第四の流路内の圧力を開放することにより、バルブ509〜511を再び開状態に戻す。この状態で、第一から第四の流路、第一及び第二の交差部、第一から第三のバルブ、分析部は溶液Aで満たされており、第一から第三のバルブは開状態となっている。
次に、貫通穴513及び貫通穴514に、それぞれチューブ(不図示)を介して、シリンジポンプ(不図示)を接続する。該シリンジポンプを用いて、貫通穴513より溶液Bを、貫通穴514より溶液Cを、それぞれ流量25μl/minで送液する。この送液条件では、第一のバルブ509に流れる流量は、閾値流量未満なので、第一のバルブ509は開状態のままである。第二のバルブ510、第三のバルブ511に流れる流れは、常に通過可能な方向なので、第二のバルブ510、第三のバルブ511は開状態のままである。溶液B及び溶液Cは、図2(b)に示したように、第二の交差部508(109)で合流し、第四の流路506(104)のうち第二の交差部と第一の交差部により分画された部分を流れ、第二の交差部で第一の流路503(101)に流入し、貫通穴512から装置外に排出される。
次に、HPLC用ポンプ(不図示)を用いて、500μl/minの流量で、溶液Aを貫通穴515から送液する。バルブ509〜511における流量は各バルブの閾値流量以上となり、各バルブは直ちに閉状態となる。図2(c)に示したように、第四の流路506(104)のうち第二の交差部508(109)と第一の交差部507(108)により分画された部分にあった溶液B及び溶液Cは、切り取られて、相互拡散により混合しながら、HPLCカラム(不図示)に搬送される。
次に、紫外光吸収検出器によって、HPLCカラムにより分離された各成分の検出を行う。前記紫外光の波長は280nmである。その結果、安息香酸、サリチル酸の溶離時間の差に基づいた二本の明瞭な出力信号ピークを得ることができる。
同様に、第二の液体として溶液B、第三の液体として溶液Dを用い、両溶液の混合、搬送、分離及び検出を実施する。その結果、安息香酸、フェノールの溶離時間の差に基づいた二本の明瞭な出力信号ピークを得ることができる。
同様に、第二の液体として溶液C、第三の液体として溶液Dを用い、両溶液の混合、搬送、分離及び検出を実施する。その結果、サリチル酸、フェノールの溶離時間の差に基づいた二本の明瞭な出力信号ピークを得ることができる。
次に、実施例1の装置を用いて、HPLC(high performance liquid chromatography)により、二種類の溶液を装置内で混合比を変えて混合し、分析する例を示す。
第一の液体である移動相溶液として、リン酸緩衝液とメタノールを75:25に混合した溶液(溶液A)を用意する。第二の液体として、安息香酸を100mMリン酸緩衝液(pH=7.0;KH2 PO4−Na2 HPO4)に溶解させた水溶液(溶液B)を用意する。第三の液体として、サルチル酸を100mMリン酸緩衝液(pH=7.0;KH2 PO4−Na2 HPO4)に溶解させた水溶液(溶液C)を用意する。また、分離部としては、ODS(オクタデシル化シリカ)カラムを用いた逆相クロマトグラフィーカラムを用い、紫外光吸収検出器によって、分離された各成分の検出を行う。
まず、実施例2と同様に、第一から第四の流路、第一及び第二の交差部、第一から第三のバルブ、分析部を溶液Aで満たす。
次に実施例2と同様の手順で、貫通穴513より溶液Bを流量10μl/minで、貫通穴514より溶液Cを流量40μl/minで送液する。この送液条件では、第一のバルブ509に流れる流量は、閾値流量未満なので、第一のバルブ509は開状態のままである。第二のバルブ510、第三のバルブ511に流れる流れは、常に通過可能な方向なので、第二のバルブ、第三のバルブは開状態のままである。溶液B及び溶液Cは、図2(b)に示したように、第二の交差部508(109)で合流し、第四の流路506(104)のうち第二の交差部508(109)と第一の交差部507(108)により分画された部分を流れ、第一の交差部で第一の流路503(101)に流入し、貫通穴512から装置外に排出される。
次に、HPLC用ポンプ(不図示)を用いて、500μl/minの流量で、溶液Aを貫通穴515から送液する。バルブ509〜511における流量は各バルブの閾値流量以上となり、各バルブは直ちに閉状態となる。図2(c)に示したように、第四の流路506(104)のうち第二の交差部508(109)と第一の交差部507(108)により分画された部分にあった溶液B及び溶液Cは、切り取られて、相互拡散により混合しながら、HPLCカラム(不図示)に搬送される。
次に、紫外光吸収検出器によって、HPLCカラムにより分離された各成分の検出を行う。前記紫外光の波長は280nmである。その結果、安息香酸、サリチル酸の溶離時間の差に基づいた二本の明瞭な出力信号ピークを得ることができる。
この状態で、HPLC用ポンプのパージバルブを用いて、第四の流路内の圧力を開放することにより、バルブ509〜511を再び開状態に戻す。次に、貫通穴513より溶液Bを流量20μl/minで、貫通穴514より溶液Cを流量30μl/minで送液し、溶液B及び溶液Bを混合、搬送、分離、検出する。
以下、同様の手順により、溶液B及び溶液Bの導入量を変化させて、混合、搬送、分離、検出を実施することにより、溶液B及び溶液Cの導入量の比に基づいた明瞭なピーク強度の変化を見ることができる。
本発明に適用可能な流体搬送装置の一実施形態を示す概念図である。 本発明の流体搬送方法の一実施形態を示す概念図である。 流体が流れることによって駆動するバルブの一実施形態を示す概念図である。 流体が流れることによって生じる圧力差によりバルブが駆動する工程を示す概念図である。 本発明に適用可能な液体搬送装置の実施例を示す概念図である。 従来の液体の搬送方法を示す概念図である。 従来の液体の搬送方法を示す概念図である。 本発明に適用可能な流体搬送装置の一実施形態を示す概念図である。 本発明に適用可能な流体搬送装置の一実施形態を示す概念図である。
符号の説明
101 第一の流路(流路C)
102 第二の流路(流路D)
103 第三の流路(流路B)
104 第四の流路(流路A)
105 第一のバルブ
106 第二のバルブ
107 第三のバルブ
108 第一の交差部
109 第二の交差部
110 送液手段
111 分析部
112 第一の液体
113 第二の液体
114 第三の液体
115 第二の液体と第三の液体の共存領域
300 バルブ
301 平板
302 バネ
303、304、305 流路
501 流路基板
502 バルブ基板
503 第一の流路
504 第二の流路
505 第三の流路
506 第四の流路
507 第一の交差部
508 第二の交差部
509 第一のバルブ
510 第二のバルブ
511 第三のバルブ
512、513、514、515、516 貫通穴
601、602、604 流路
603 合流部
605 分析手段
701 サンプリングバルブ
702 圧力発生源
703 HPLCカラム
704 試料ループ流路
705 分析用流路
706 液体試料
801、802 流路
803 交差部
901 流路
902 バルブ

Claims (5)

  1. 流体を流すための流路と、前記流路の途中に位置し前記流体の流れを制御するためのバルブと、を備えた流体搬送装置を用いた流体搬送方法であって、
    流路Aと、流路Aにそれぞれ一端が接続された少なくとも2つの流路B及び流路Cを有し、流路B及び流路Cの各流路の途中に前記バルブを備えた流体搬送装置を用意する工程、
    流路A、流路B及び流路Cに第一の流体を導入する工程、
    流路Bの一端より流路Aに接続された他端の方向に第二の流体、第三の流体の少なくとも一方の流体を導入し、流路Bの一端より前記一方の流体のみを導入する場合には、流路B、流路Cとは別に流路Aに一端が接続された別の流路Dより他方の流体を導入し、流路Bと流路Aの交差部と、流路Cと流路Aの交差部とで規定される流路Aの区間を第二の流体及び第三の流体で満たす工程、
    及び流路A中の第一の流体を移動させることで前記2つの交差部で規定される流路Aの区間を満たした第二及び第三の流体を流路Aの一端に搬送する工程、
    を有することを特徴とする液体搬送方法。
  2. 前記バルブは、該バルブが設けられた前記流路に流体が流れたときに前記バルブの上流側と下流側との間に生ずる圧力差に応じて作動するものであり、前記圧力差が所定の値未満のときは、前記バルブは流体を通過させ、前記圧力差が所定の値以上のときは、流体の流れを遮断するものであることを特徴とする請求項1に記載の流体搬送方法。
  3. 前記バルブは、所定の方向に流体が流れるときにはこれを通過させ、前記所定の方向と逆方向に流れるときは、前記圧力差が前記所定の値未満のときはこれを通過させ、前記圧力差が所定の値以上のときはこれを遮断するものであることを特徴とする請求項2に記載の流体搬送方法。
  4. 流路Cに第二及び第三の流体を導入した後、前記2つの交差部で規定される流路Aの区間を満たした第二及び第三の流体を流路Aの一端に搬送する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の流体搬送方法。
  5. 流路Bより流路Aに導入される第二及び第三の両方の流体は、流路Bの流路Aに接続された端部とは逆の端部接続された別の流路を介して流路Bに導入されることを特徴とする請求項1に記載の流体搬送方法。
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