JP2006151809A - ベンゾシクロヘプタピリジン化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、強力なロイコトリエンD4拮抗作用の他にロイコトリエンC4拮抗作用及びロイコトリエンE4拮抗作用を有し、抗アレルギー薬及び抗炎症薬として有用なベンゾシクロヘプタピリジン化合物又はその薬理上許容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明と同じくロイコトリエンD4拮抗作用を有し、本発明の化合物と類似した構造を有する化合物として、幾つかのジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン化合物が知られている(例えば、特許文献1乃至2参照)。
【0003】
【特許文献1】
WO94/19345号公報
【特許文献2】
WO01/47889号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は強力なロイコトリエンD4拮抗作用を有するとともに、ロイコトリエンC4及びロイコトリエンE4に対しても拮抗作用を有する化合物の合成とその薬理作用について、長年に亘り研究を行った結果、新規なベンゾシクロヘプタピリジン化合物が、優れたロイコトリエンD4拮抗作用を有し、かつロイコトリエンC4及びロイコトリエンE4拮抗作用をもバランス良く有するとともに、優れた経口吸収性及び作用の持続性を有することを見出し本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は一般式(I)
【0006】
【化4】
【0007】
〔式中、Aは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から成る群より選択されるヘテロ原子を1乃至3個を含む5員若しくは6員の複素芳香環基又はこれらの複素芳香環基とベンゼン環とが縮合した複素芳香縮合環基を示し、該複素芳香環基又は複素芳香縮合環基は置換基として、ハロゲン原子、二トロ基、シアノ基、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フルオロC1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基又はC3−C4アルキレン基を有していてもよく、Bは式−CH=CH−、式−CH2O−、式−CH2CH2−、式−CH2S−、式−OCH2−又は式−SCH2−を示し、D又はEは、互いに異なり、炭素原子若しくは窒素原子を示し(但し、D、Eは、同時に同一原子は示さない)、Xは酸素原子、硫黄原子、メチレン基又は式=CH−を示し、Yは、置換基としてハロゲン原子、C1−C4アルキル基若しくはC1−C4アルコキシ基を有していてもよいC1−C10アルキレン基又は式(a)基
【0008】
【化5】
【0009】
(式中、o,pは各々0乃至2の整数を示し、qは1乃至4の整数を示す)を示し、Zは保護されていてもよいカルボキシ基;1H−テトラゾール−5−イル基;式−NH−SO2−R1;又は式−CO−NH−SO2−R1(式中、R1はC1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基又は置換基としてハロゲン原子、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フルオロC1−C4アルコキシ基、ニトロ基若しくはシアノ基を有していてもよいフェニル基を示す)を示し、
【0010】
【化6】
【0011】
は、単結合又は二重結合を示す。〕で表されるベンゾシクロヘプタピリジン化合物又はその薬理上許容される塩に関する。
【0012】
前記一般式(I)で示される化合物において、
Aの「窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から成る群より選択されるヘテロ原子を1乃至3個を含む5員若しくは6員の複素芳香環基又はこれらの複素芳香環基とベンゼン環とが縮合した複素芳香縮合環基」としては、例えば、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール若しくはチアジアゾール基のような5員の複素芳香環基;ピリジン、ピリミジン、ピリダジン若しくはピラジン基のような6員の複素芳香環基;又はベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、キノリン、キナゾリン若しくはキノキサリン基のような複素芳香縮合環基が挙げられ、好ましくは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、キノリン、キナゾリン又はキノキサリン基であり、更に好ましくは、チアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン又はキナゾリン基であり、特に好ましくは、ピリジン、ベンゾチアゾール又はキノリン基である。
【0013】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子;C1−C4アルキル基;フルオロC1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;フルオロC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルチオ基;二トロ基;シアノ基;又はC3−C4アルキレン基等が挙げられる。
【0014】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨード原子が挙げられ、好ましくは、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、更に好ましくは、フッ素原子又は塩素原子である。
【0015】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのC1−C4アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル若しくはt−ブチル基のような直鎖状又は分枝状のC1−C4アルキル基が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、更に好ましくは、メチル又はエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
【0016】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのフルオロC1−C4アルキル基としては、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル若しくは4−フルオロブチル基のようなフッ素原子で1乃至3個置換された直鎖状又は分枝状のC1−C4アルキル基が挙げられ、好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又は2−フルオロエチル基であり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基である。
【0017】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ若しくはt−ブトキシ基のような直鎖状又は分枝状のC1−C4アルコキシ基が挙げられ、好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ又はエトキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
【0018】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのフルオロC1−C4アルコキシ基としては、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−フルオロプロポキシ、3−フルオロプロポキシ若しくは4−フルオロブトキシ基のようなフッ素原子で1乃至3個置換された直鎖状又は分枝状のC1−C4アルコキシ基が挙げられ、好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ又は2−フルオロエトキシ基であり、更に好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ基であり、特に好ましくは、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ基である。
【0019】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのC1−C4アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ若しくはt−ブチルチオ基のような直鎖状又は分枝状のC1−C4アルキルチオ基が挙げられ、好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ又はイソプロピルチオ基であり、更に好ましくは、メチルチオ又はエチルチオ基であり、特に好ましくは、メチルチオ基である。
【0020】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのC3−C4アルキレン基としては、例えば、トリメチレン、1−メチルエチレン、テトラメチレン、1,1−ジメチルエチレン又は2−メチルエチレン基のような直鎖状又は分枝状のC3−C4アルキレン基が挙げられ、好ましくは、トリメチレン又はテトラメチレン基であり、特に好ましくは、テトラメチレン基である。該アルキレン基は複素芳香環上の隣接した炭素原子と結合し、5員環若しくは6員環を形成することもある。
【0021】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としては、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、二トロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、トリメチレン又はテトラメチレン基であり、更に好ましくは、フッ素原子、塩素原子、二トロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、エチルチオ、トリメチレン又はテトラメチレン基であり、更により好ましくは、フッ素原子、塩素原子、二トロ、シアノ、メチル、イソプロピル、t−ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ又はテトラメチレン基であり、
特に好ましくは、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル又はテトラメチレン基である。
【0022】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基上の置換基の数は、1乃至4であり、好ましくは、1乃至2である。
【0023】
一般式(I)におけるAとして、具体的には、好ましくは、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、2−若しくは4−イミダゾリル、3−ピラゾリル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−ピリジル、2−若しくは4−ピリミジニル、3−ピリダジニル、2−ピラジニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、キノリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、キノキサリン−2−イル、4−メチル−2−チアゾリル、4−エチル−2−チアゾリル、4−イソプロピル−2−チアゾリル、4−t−ブチル−2−チアゾリル、4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−エチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−t−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5,6−ジエチル−2−ピリジル、6−トリフルオロメチル−2−ピリジル、6−メチルチオ−2−ピリジル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリミジニル、5,6−ジクロロ−2−ピリミジニル、5,6−ジメチル−2−ピリミジニル、6−トリフルオロメチル−2−ピリミジニル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[d]ピリミジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、6−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−シアノ−2−ベンゾオキサゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾオキサゾリル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル、5−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−フルオロキナゾリン−2−イル、5−クロロキナゾリン−2−イル、6−クロロキナゾリン−2−イル、7−クロロキナゾリン−2−イル、7−メチルキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル、7−メトキシキナゾリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、5,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、6,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、5,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、6,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキナゾリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル又は5,6,7−トリフルオロキナゾリン−2−イル基であり、
【0024】
更に好ましくは、2−チアゾリル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、キノリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、4−メチル−2−チアゾリル、4−イソプロピル−2−チアゾリル、4−t−ブチル−2−チアゾリル、4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−t−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリミジニル、5,6−ジクロロ−2−ピリミジニル、5,6−ジメチル−2−ピリミジニル、6−トリフルオロメチル−2−ピリミジニル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[d]ピリミジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、6−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−シアノ−2−ベンゾオキサゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾオキサゾリル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル、5−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−フルオロキナゾリン−2−イル、5−クロロキナゾリン−2−イル、6−クロロキナゾリン−2−イル、7−クロロキナゾリン−2−イル、7−メチルキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル、7−メトキシキナゾリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、5,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、6,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、5,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、6,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキナゾリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル又は5,6,7−トリフルオロキナゾリン−2−イル基であり、
【0025】
更により好ましくは、2−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、キノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル又は5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル基であり、
【0026】
特に好ましくは、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル又は7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イルである。
【0027】
一般式(I)において、Bは、例えば、式−CH=CH−、式−CH2O−、式−CH2CH2−、式−CH2S−、式−OCH2−又は式−SCH2−が挙げられ、好ましくは、式−CH=CH−又は式−CH2O−である。
【0028】
一般式(I)において、D又はEは、独立して、炭素原子若しくは窒素原子を示す。但し、D、Eは、同時に同一原子は示さない。具体的にはD及びEを含む環はピリジン環である。
【0029】
一般式(I)において、Xは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又は式=CH−であり、好ましくは、酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは、硫黄原子である。
【0030】
一般式(I)におけるYの示すC1−C10アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、へプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン若しくはデカメチレン基のような直鎖状のC1−C10アルキレン基が挙げられ、好ましくは、C1−C6アルキレン基であり、更に好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン又はテトラメチレンであり、特に好ましくは、メチレン、エチレン又はトリメチレン基である。該アルキレン基は置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基及びC1−C4アルコキシ基が挙げられ、それぞれ、前記複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基の、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基及びC1−C4アルコキシ基と同意義である。
【0031】
Yの示すC1−C10アルキレン基の置換基であるハロゲン原子は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、更に好ましくは、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好ましくは、フッ素原子である。
Yの示すC1−C10アルキレン基の置換基であるC1−C4アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、更に好ましくは、メチル又はエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
Yの示すC1−C10アルキレン基の置換基であるC1−C4アルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ又はエトキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
【0032】
Yのアルキレン基の置換基としては、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ又はプロポキシ基であり、更に好ましくは、フッ素原子、メチル、エチル又はメトキシ基であり、特に好ましくは、フッ素原子又はメチル基である。
【0033】
Yの式(a)で示される基としては、好ましくは、o=0,p=0,q=1である基(以下(a−1)基と言う)、o=0,p=1,q=1である基(以下(a−2)基と言う)、o=0,p=1,q=2である基(以下(a−3)基と言う)、o=1,p=0,q=1である基(以下(a−4)基と言う)、o=1,p=1,q=1である基(以下(a−5)基と言う)、o=1,p=1,q=2である基(以下(a−6)基と言う)又はo=1,p=1,q=3である基(以下(a−7)基と言う)であり、更に好ましくは、(a−4)基、(a−5)基又は(a−6)基であり、特に更に好ましくは、(a−5)基である。
【0034】
一般式(I)におけるYの好ましい基としては、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、フルオロメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−メトキシエチレン、2−メトキシエチレン、1−フルオロトリメチレン、2−フルオロトリメチレン、3−フルオロトリメチレン、1,1−ジフルオロトリメチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、3,3−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、2,2−ジエチルトリメチレン、2−メトキシトリメチレン、3−メトキシトリメチレン、2,2−ジメトキシトリメチレン、3,3−ジメトキシトリメチレン、(a−1)基、(a−2)基、(a−3)基、(a−4)基、(a−5)基又は(a−6)基であり、更に好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、フルオロメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−フルオロトリメチレン、2−フルオロトリメチレン、3−フルオロトリメチレン、1,1−ジフルオロトリメチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、3,3−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、(a−4)基、(a−5)基又は(a−6)基であり、更により好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン又は(a−5)基であり、特に好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン又は(a−5)基である。
【0035】
Zが示す式−NH−SO2−R1又は式−CO−NH−SO2−R1基において、R1の示すC1−C4アルキル基;フルオロC1−C4アルキル基;又はフェニル基上の置換基であるハロゲン原子、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基若しくはフルオロC1−C4アルコキシ基は、それぞれ、前記複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としての、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基又はフルオロC1−C4アルコキシ基と同意義である。
【0036】
R1の示すC1−C4アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、更に好ましくは、メチル又はエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
R1の示すフルオロC1−C4アルキル基は、好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又は2−フルオロエチル基であり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基である。
【0037】
R1の示すフェニル基上の置換基であるハロゲン原子は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、更に好ましくは、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好ましくは、フッ素原子である。
R1の示すフェニル基上の置換基であるC1−C4アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、更に好ましくは、メチル又はエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
R1の示すフェニル基上の置換基であるフルオロC1−C4アルキル基は、好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又は2−フルオロエチル基であり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基である。
R1の示すフェニル基上の置換基であるC1−C4アルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ又はエトキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
R1の示すフェニル基上の置換基であるフルオロC1−C4アルコキシ基は、好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ又は2−フルオロエトキシ基であり、更に好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ基であり、特に好ましくは、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ基である。
【0038】
R1としては、具体的には、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、フェニル、(o,m若しくはp−)フルオロフェニル、(o,m若しくはp−)クロロフェニル、(o,m若しくはp−)メチルフェニル、(o,m若しくはp−)エチルフェニル、(o,m若しくはp−)(トリフルオロメチル)フェニル、(o,m若しくはp−)メトキシフェニル、(o,m若しくはp−)エトキシフェニル、(o,m若しくはp−)(ジフルオロメトキシ)フェニル、(o,m若しくはp−)(トリフルオロメトキシ)フェニル、(o,m若しくはp−)ニトロフェニル又は(o,m若しくはp−)シアノフェニル基であり、更に好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、フェニル、(o若しくはp−)フルオロフェニル、(o若しくはp−)クロロフェニル、(o若しくはp−)メチルフェニル、(o若しくはp−)(トリフルオロメチル)フェニル、(o若しくはp−)メトキシフェニル、(o若しくはp−)(ジフルオロメトキシ)フェニル、(o若しくはp−)(トリフルオロメトキシ)フェニル、(o若しくはp−)ニトロフェニル又は(o若しくはp−)シアノフェニル基であり、更により好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニル、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニル、(o若しくはp−)メチルフェニル、p−(トリフルオロメチル)フェニル、(o若しくはp−)メトキシフェニル、p−(ジフルオロメトキシ)フェニル、p−(トリフルオロメトキシ)フェニル、p−ニトロフェニル又はp−シアノフェニル基であり、特に好ましくは、メチル、トリフルオロメチル、フェニル、o−メチルフェニル又はp−メチルフェニル基である。
【0039】
一般式(I)におけるZの好ましい基として、具体的には、カルボキシ、1H−テトラゾ−ル−5−イル、メタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−フルオロフェニルスルホニルアミノ、p−クロロフェニルスルホニルアミノ、o−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノ、o−メトキシフェニルスルホニルアミノ、p−メトキシフェニルスルホニルアミノ、p−ジフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノ、p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノ、p−ニトロフェニルスルホニルアミノ、p−シアノフェニルスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル、フェニルスルホニルアミノカルボニル、p−フルオロフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−クロロフェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−メトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−ジフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−ニトロフェニルスルホニルアミノカルボニル又はp−シアノフェニルスルホニルアミノカルボニル基であり、
【0040】
更に好ましくは、カルボキシ、1H−テトラゾール−5−イル、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、o−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル、フェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル又はp−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基であり、更により好ましくは、カルボキシ、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル又はトリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル基であり、特に好ましくは、カルボキシ基である。
【0041】
なお、Zがカルボキシ基である場合、そのカルボキシ基が、保護基で保護されていてもよい。保護基としては、生体内で容易に脱保護されてカルボキシ基に変換されるものであれば特に限定されず、例えば、前記複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基として定義したものと同意義の無置換のC1−C4アルキル基;ベンジル、フェニルエチル若しくはフェニルプロピル基のようなC7−C10アラルキル基;アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、1−アセトキシプロピル、1−アセトキシブチル、プロパノイルオキシメチル、1−プロパノイルオキシエチル、ブタノイルオキシメチル、1−ブタノイルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、1−ピバロイルオキシエチル、1−ピバロイルオキシプロピル若しくは1−ピバロイルオキシブチル基のようなC2−C5アルカノイルオキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;メトキシカルボニルオキシメチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル、エトキシカルボニルオキシメチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、プロポキシカルボニルオキシメチル、オキシメチルカルボニルオキシメチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、t−ブトキシカルボニルオキシメチル若しくは1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル基のような(C1−C4アルコキシ)カルボニルオキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、2−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)エチル若しくはN,N−ジエチルアミノカルボニルメチル基のようなN,N−ジ(C1−C4アルキル)アミノカルボニル基で置換されたC1−C4アルキル基;2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−ピペリジノエチル、2−(4−メチル)ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル若しくは2−モルホリノエチル基のようなN,N−ジ(C1−C4アルキル)アミノ基又は酸素原子を含んでいてもよい5乃至6員の環状アミノ基で置換されたC1−C4アルキル基;或いは(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基等が挙げられる。
【0042】
カルボキシ基の保護基としては、好ましくは、C1−C4アルキル基;ベンジル基;C2−C5アルカノイルオキシ基で置換されたC1−C2アルキル基;(C1−C4アルコキシ)カルボニルオキシ基で置換されたC1−C2アルキル基;又は(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基であり、更に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、ピバロイルオキシメチル又は1−ピバロイルオキシエチル基である。
【0043】
本発明の化合物(I)には、分子中の不斉炭素原子に基づく光学異性体(ジアステレオマ−を含む)が存在し、又は、二重結合に基づく幾何異性体が存在する場合があるが、これらの各異性体も本発明に含まれる。
また本発明の化合物(I)は必要に応じて薬理上許容される塩にする事ができる。そのような塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩若しくはリン酸塩のような鉱酸の酸付加塩;トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩若しくはクエン酸塩のような有機酸の酸付加塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩若しくはアルミニウム塩のようなカルボン酸の金属塩;又はアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、グアニジン塩、ヒドラジン塩、キニ−ネ塩若しくはシンコニン塩のような有機塩基との塩等の薬理上許容される塩が挙げられる。
なお、本発明の化合物(I)は、水和物としても存在することができる。
【0044】
本発明の前記一般式(I)を有するベンゾシクロヘプタピリジン化合物において、好ましくは、
(1).式(I)で示される化合物のAが、2−チアゾリル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、キノリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、4−メチル−2−チアゾリル、4−イソプロピル−2−チアゾリル、4−t−ブチル−2−チアゾリル、4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−t−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリミジニル、5,6−ジクロロ−2−ピリミジニル、5,6−ジメチル−2−ピリミジニル、6−トリフルオロメチル−2−ピリミジニル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[d]ピリミジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、6−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−シアノ−2−ベンゾオキサゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾオキサゾリル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル、5−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−フルオロキナゾリン−2−イル、5−クロロキナゾリン−2−イル、6−クロロキナゾリン−2−イル、7−クロロキナゾリン−2−イル、7−メチルキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル、7−メトキシキナゾリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、5,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、6,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、5,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、6,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキナゾリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル及び5,6,7−トリフルオロキナゾリン−2−イル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(2).式(I)で示される化合物のAが、2−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、キノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル及び5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(3).式(I)で示される化合物のAが、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル及び7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(4).式(I)で示される化合物のBが、式−CH=CH−又は式−CH2O−であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(5).式(I)で示される化合物のXが、酸素原子又は硫黄原子であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(6).式(I)で示される化合物のXが、硫黄原子であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(7).式(I)で示される化合物のYが、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、フルオロメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−メトキシエチレン、2−メトキシエチレン、1−フルオロトリメチレン、2−フルオロトリメチレン、3−フルオロトリメチレン、1,1−ジフルオロトリメチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、3,3−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、2,2−ジエチルトリメチレン、2−メトキシトリメチレン、3−メトキシトリメチレン、2,2−ジメトキシトリメチレン、3,3−ジメトキシトリメチレン、(a−1)基、(a−2)基、(a−3)基、(a−4)基、(a−5)基及び(a−6)基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(8).式(I)で示される化合物のYが、メチレン、エチレン、トリメチレン、フルオロメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−フルオロトリメチレン、2−フルオロトリメチレン、3−フルオロトリメチレン、1,1−ジフルオロトリメチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、3,3−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、(a−4)基、(a−5)基及び(a−6)基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(9).式(I)で示される化合物のYが、メチレン、エチレン、トリメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン及び(a−5)基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(10).式(I)で示される化合物のYが、メチレン、エチレン、トリメチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン及び(a−5)基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(11).式(I)で示される化合物のZが、カルボキシ、1H−テトラゾール−5−イル、メタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−フルオロフェニルスルホニルアミノ、p−クロロフェニルスルホニルアミノ、o−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノ、o−メトキシフェニルスルホニルアミノ、p−メトキシフェニルスルホニルアミノ、p−ジフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノ、p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノ、p−ニトロフェニルスルホニルアミノ、p−シアノフェニルスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル、フェニルスルホニルアミノカルボニル、p−フルオロフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−クロロフェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−メトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−ジフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−ニトロフェニルスルホニルアミノカルボニル及びp−シアノフェニルスルホニルアミノカルボニル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(12).式(I)で示される化合物のZが、カルボキシ、1H−テトラゾール−5−イル、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、o−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル、フェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル及びp−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(13).式(I)で示される化合物のZが、カルボキシ、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル及びトリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(14).式(I)で示される化合物のZが、カルボキシ基であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(15).式(I)で示される化合物のZがカルボキシ基である場合の保護基が、C1−C4アルキル基;ベンジル基;C2−C5アルカノイルオキシ基で置換されたC1−C2アルキル基;(C1−C4アルコキシ)カルボニルオキシ基で置換されたC1−C2アルキル基;及び(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(16).式(I)で示される化合物のZがカルボキシ基である場合の保護基が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、ピバロイルオキシメチル及び1−ピバロイルオキシエチル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(17).式(I)で示される化合物のDが窒素原子、Eが炭素原子であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(18).式(I)で示される化合物のDが炭素原子、Eが窒素原子であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物であり、Aに関しては(1)から(3)の順で好ましい順位が上がり、Xに関しては(5)から(6)の順で好ましい順位が上がり、Yに関しては(7)から(10)の順で好ましい順位が上がり、Zに関しては(11)から(14)の順で好ましい順位が上がり、Zがカルボキシ基である場合の保護基に関しては(15)から(16)の順で好ましい順位が上がる。
また、前記一般式(I)を有するベンゾシクロヘプタピリジン化合物としては、上記(1)から(17)の二つ以上の組み合わせからなるベンゾシクロヘプタピリジン化合物も好ましい。
【0045】
化合物(I)における好ましい化合物として、以下の第1表の化合物を具体的に例示することができる。
【0046】
【化7】
【0047】
【表1】
[第1表]
【0048】
尚、上記表において、略号は
t−Bu:t−ブチル基、 BT:2−ベンゾチアゾリル基、 Tet:1H−テトラゾール−5−イル基、 Ph:フェニル基、 Py:2−ピリジル基、 Q:キノリン−2−イル基、 T:2−チアゾリル基、 TQ:5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル基を示し、
−OCH2C(CH2CH2)CH2COOH、−SCH2C(CH2CH2)CH2COOHにおけるCH2C(CH2CH2)CH2部分は、o=1、p=1、q=1である(a)式を示し、−SCH2C(CH2CH2)COOHにおけるCH2C(CH2CH2)部分は、o=1、p=0、q=1である(a)式を示す。
【0049】
より好ましい化合物としては、化合物No. 1,3,4,6,7,8,9,14,15,16,17,35,37,38,40,41,42,43,48,49,50,51,69,71,72,74,75,76,77,82,83,84,85,103,105,106,108,109,110,111,116,117,118,119,137,139,140,142,143,144,145,150,151,152,153,171,173,174,176,177,178,179,184,185,186,187,205,207,208,210,211,212,213,218,219,220,221,239,241,242,244,245,246,247,252,253,254,255,273,274,275,276,277,278,285,286,296,297,298,299,300,301,307,308,309,321,322,323,324,333,334,335,336,345,346,347,348,357,358,359,360,369,370,376,377,382,383,388,389,394,395,397,398,447,449,450,452,453,454,455,460,461,462,463,481,483,484,486,487,488,489,494,495,496,497,515,517,518,520,521,522,523,528,529,530,531,549,551,552,554,555,556,557,562,563,564,565,583,585,586,588,589,590,591,596,597,598,599,617,619,620,622,623,624,625,630,631,632,633,651,653,654,656,657,658,659,664,665,666,667,685,687,688,690,691,692,693,698,699,700,701,719,720,721,722,723,724,731,732,742,743,744,745,746,747,753,754,755,767,768,769,770,779,780,781,782,791,792,793,794,803,804,805,806,815,816,822,823,828,829,834,835,840,841,843又は844の化合物であり、
【0050】
更に好ましくは、化合物No. 1,3,4,6,7,8,9,16,17,69,71,72,74,75,76,77,84,85,137,139,140,142,143,144,145,152,153,205,207,208,210,211,212,213,220,221,273,274,275,276,277,278,285,286,447,449,450,452,453,454,455,462,463,515,517,518,520,521,522,523,530,531,583,585,586,588,589,590,591,598,599,651,653,654,656,657,658,659,666,667,719,720,721,722,723,724,731又は732の化合物であり、
【0051】
更により好ましくは、化合物No. 1,3,7,8,17,69,71,74,75,76,77,84,85,208,212,221,277,286,447,449,453,454,463,515,517,520,521,522,523,530,531,654,658,667,723又は732の化合物である。
【0052】
特に好ましくは、
化合物No.7;2−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸、
化合物No.8;3−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸、
化合物No.17;3−{[7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸、
化合物No.74;〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ酢酸、
化合物No.75;2−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸、
化合物No.76;3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸、
化合物No.84;4−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−3,3−ジメチルブタン酸、
化合物No.85;3−{[7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸、
化合物No.212;3−{[7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオ}プロピオン酸、
化合物No.221;3−{[7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸、
化合物No.277;3−{〔7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸又は
化合物No.286;3−{[7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸である。
【0053】
本発明の一般式(I)で示される化合物は、例えば、以下に示す製法A、B、C、D、E又はFによって製造することができる。
【0054】
【化8】
製法A
【0055】
【化9】
製法B
【0056】
【化10】
製法C
【0057】
【化11】
製法D
【0058】
【化12】
製法E
【0059】
【化13】
製法 F
【0060】
上記の製法AからF中、R1、A、B、E、D、X、Y及びZは前記と同じ意味を有し、Lは、ハロゲン原子、C1−C4アルキルスルホニルオキシ基、フルオロC1−C4アルキルスルホニルオキシ基又は置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基(該置換基は、C1−C4アルキル基若しくはハロゲン原子である)を示し、R2はC1−C4アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基(該置換基は、C1−C4アルキル基若しくはハロゲン原子である)を示し、Tetは1H−テトラゾール−5−イル基を示し、Halはハロゲン原子を示し、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基を示す。
【0061】
製法Aは、化合物(I)を得る製法である。
製法Aの工程A1は、化合物(II)をハロゲン化又はスルホニル化して化合物(III)を合成する工程である。
化合物(II)のハロゲン化は、化合物(II)とハロゲン化剤とを、溶媒中又は無溶媒で(好ましくは、溶媒中)、反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン若しくはトルエン等の芳香族炭化水素類;又はヘプタン、ヘキサン若しくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が挙げられ、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類である。
ハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル、臭化チオニル、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン又は五塩化リン等が挙げられ、好ましくは、塩化チオニル又はオキシ塩化リンである。ハロゲン化剤の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは−10乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは10分間乃至5時間である。
【0062】
化合物(II)のスルホニル化は、化合物(II)とスルホニル化剤とを、塩基の存在下、溶媒中又は無溶媒で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド及び前記ハロゲン化反応で使用したと同様の溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類又は脂肪族炭化水素類)が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフランである。
スルホニル化剤としては、例えば、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ベンゼンスルホニルクロリド、トルエンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルブロミド又はトルエンスルホニルブロミド等が挙げられ、好ましくは、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド又はトルエンスルホニルクロリドである。スルホニル化剤の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至3倍モル量である。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン,ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジンである。塩基の使用量は、スルホニル化剤1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。なお、塩基は、大過剰に用いることにより溶媒としても用いることができる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−10乃至100℃、好ましくは0乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間である。
なお、化合物(III)は、通常の方法により反応混合物から分離、精製することができるが、反応液を濃縮して得られる粗生成物をそのまま次の工程に用いることもできる。
【0063】
工程A2は、化合物(III)と化合物(IV)とを反応させて、化合物(I)を合成する工程である。
本工程は、化合物(III)と化合物(IV)とを、塩基の存在下又は非存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
化合物(IV)の使用量は、化合物(III)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド若しくはヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン若しくはメチルイソブチルケトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;酢酸エチル等のエステル類;又はジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエ−テル類、又はこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、非プロトン性極性溶媒、エ−テル類又はこれらの混合溶媒である。
使用される塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム若しくは水酸化リチウム等のアルカリ金属水素化物;ナトリウムアミド等のアルカリ金属アミド類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン若しくは4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類;又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム若しくは炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩が挙げられ、好ましくは、アミン類又はアルカリ金属水素化物である。塩基の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。なお、本反応において、塩基の使用は必須ではないが、使用することが好ましい。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−50乃至150℃、好ましくは−10乃至100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間である。
【0064】
工程A3は、化合物(I)を別途に得るための工程であり、特に、Xが硫黄原子である場合には好適に採用される。
本工程は、化合物(II)と化合物(IV)とを、酸触媒の存在下、溶媒中又は無溶媒で反応させることにより行われる。
化合物(IV)の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1乃至5倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール若しくはブタノール等のアルコ−ル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド若しくはヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;又はジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル類が挙げられ、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類である。
使用される酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸若しくはリン酸等の鉱酸類;メタンスルホン酸若しくはトリフルオロ酢酸等の有機酸類;又は三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、塩化亜鉛、四塩化錫若しくは塩化アルミニウム等のルイス酸類が挙げられ、好ましくは、有機酸類又は三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体である。触媒の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常0.1乃至50倍モル量、好ましくは1乃至10倍モル量である。なお、有機酸類を用いる場合は、大過剰に用いることにより溶媒としても用いることもできる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−10乃至100℃、好ましくは0乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは10分間乃至5時間である。
【0065】
なお、化合物(I)において、Zがカルボキシ基である化合物(後記化合物Ic)は、Zがカルボキシ基である化合物(IV)を用いて、直接製造するか、又は、Zが保護されたカルボキシ基である化合物(IV)(該保護基は、好ましくは、C1−C4アルキル基である)を用いて、一旦、Zが保護されたカルボキシ基である化合物(I)に導いた後、該保護基を酸性又はアルカリ性条件下、常法により加水分解することによっても合成される。
また、化合物(I)において、Zがカルボキシ基である化合物(Ic)は、公知の方法により、容易に所望の保護基を導入することができる(例えば、W.Greene and P.G.H.Wult著“Protective Group in Organic Synthesis”2nd Ed.,JohnWiley & Sons,224頁参照)。
【0066】
製法Bは、化合物(I)においてXが硫黄原子である化合物(Ia)を得る製法である。
工程B1の化合物(II)又は化合物(III)とチオカルボン酸(V)とから化合物(VI)を得る反応は、化合物(IV)の代わりにチオカルボン酸(V)を使用する他は、前記製法Aの工程A2又は工程A3において記載した方法と同様に行われる。
工程B2において、化合物(VI)をアルカリ性条件下、常法により加水分解することにより、化合物(VII)が合成される。
工程B3は、化合物(VII)と化合物(VIII)とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。本反応は、化合物(II)の代わりに化合物(VII)を使用し、化合物(IV)の代わりに化合物(VIII)を使用した他は、前記工程A2において記載した方法と同様に行われる。
【0067】
製法Cは、化合物(I)においてZが1H−テトラゾール基である化合物(Ib)を得る製法である。
工程C1において、化合物(II)又は化合物(III)と化合物(IX)とから化合物(X)を得る反応は、化合物(IV)の代わりに化合物(IX)を使用した他は、前記A法の工程A2又は工程A3において記載したのと同様に行われる。
【0068】
工程C2において、化合物(X)とアジド化合物とを、溶媒中で反応させることにより化合物(Ib)が合成される。
使用されるアジド化合物としては、例えば、アジ化ナトリウム、アジ化カリウム若しくはアジ化リチウム等のアルカリ金属アジド類;アジ化カルシウム若しくはアジ化マグネシウム等のアルカリ土類金属アジド類;又はトリメチル錫アジド、トリブチル錫アジド若しくはトリフェニル錫アジド等の有機錫アジド類が挙げられる。アジド化合物の使用量は、化合物(X)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。該反応において、アジド化合物は、単独で用いるほか、例えば、塩化アルミニウム,塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化チタン若しくは三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル複合体等のルイス酸類;塩化アンモニウム若しくは塩化テトラメチルアンモニウム等のアンモニウム塩類;メタンスルホン酸若しくはエタンスルホン酸等のスルホン酸類;塩化リチウム等のアルカリ金属塩化物類;又はトリエチルアミン塩酸塩等のアミン塩類と併用してもよい。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素類;又はへキサン若しくは石油エーテル等の脂肪族炭化水素類が挙げられる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至200℃、好ましくは50乃至150℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常1時間乃至72時間、好ましくは3時間乃至48時間である。
【0069】
製法Dは、化合物(I)においてZが−CO−NH−SO2−R1基である化合物(Id)を得る製法である。
工程D1は、化合物(Ic)と化合物(XI)とを、縮合剤の存在下、溶媒中で反応させる方法(工程D1a)、又は化合物(Ic)を、溶媒中で一旦その反応性誘導体に導いた後(工程D1b)、その反応性誘導体と化合物(XI)とを塩基の存在下、溶媒中で反応させる(工程D1c)方法によって行われる。
【0070】
工程D1aにおいて使用される縮合剤としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC),N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルリン酸アジド、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾ−ル−1−イルオキシ−トリス−(ジメチアミノ)ホスホニウム(BOP)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス−ピロリジノホスホニウム(PyBOP)、ヘキサフルオロリン酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HBTU)、又はテトラフルオロホウ酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(TBTU)等が挙げられ、好ましくは、DCC又はEDCである。縮合剤の使用量は、化合物(Ic)1モルに対して、通常1乃至5倍モル量、好ましくは1乃至3倍モル量が用いられる。
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒;又は塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類であり、これらは単独若しくは混合溶媒として用いることができる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは0乃至50℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常30分間乃至24時間、好ましくは1時間乃至10時間である。
【0071】
工程D1bにおける化合物(Ic)の反応性誘導体としては、例えば、化合物(Ic)の酸ブロミド化物若しくは酸クロリド化物のような化合物(Ic)の酸ハライド誘導体;又は化合物(Ic)とイミダゾール、ジメチルピラゾール若しくはトリアゾ−ル等とから得られる化合物(Ic)の反応性アミド誘導体等が挙げられ、好ましくは、酸ハライド誘導体である。
化合物(Ic)の酸ハライド化物は常法に従って製造することができ、例えば、化合物(Ic)を、溶媒中(例えば、塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等)で、ハロゲン化剤(例えば、塩化チオニル、臭化チオニル又は五塩化リン等)と反応させることにより合成することができる。
【0072】
また、化合物(Ic)の活性化アミド誘導体も常法に従って製造することができ、例えば、化合物(Ic)のイミダゾリド化物の場合は、化合物(Ic)を、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒;又は塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類)中、1,1’−カルボニルジイミダゾールと反応させて合成することができる。
化合物(Ic)の反応性誘導体は生成後、濃縮して分離することなく、そのまま次の工程D1cに用いることができる。
【0073】
工程D1cにおける化合物(Ic)の反応性誘導体と化合物(XI)との反応において使用される化合物(XI)の使用量は、化合物(Ic)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは、1乃至5倍モル量である。
使用される塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又は1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、トリブチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンである。塩基の使用量は、化合物(Ic)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒;又は塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類であり、これらは単独若しくは混合溶媒として用いることができる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至150℃、好ましくは10乃至100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至48時間、好ましくは30分間乃至24時間である。
【0074】
また、化合物(Id)は、化合物(XII)を経由する方法によっても製造できる。
工程D2は化合物(Ic)のカルボキシ基をアミド化して化合物(XII)を得る工程であり、公知の方法の中から適宜採用して行われる。例えば、前記化合物(Ic)の反応性誘導体とアンモニアを反応させることにより容易に化合物(XII)を製造することができる。
工程D3は、化合物(XII)と化合物(XIII)とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
化合物(XIII)の使用量は、化合物(XII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用する溶媒、塩基は、前記工程D1cにおいて記載したものと同様のものが挙げられ、反応も工程D1cと同様な条件下で行われる。
【0075】
製法Eは、化合物(I)においてZが−NH−SO2−R1基である化合物(Ie)を得る製法である。
工程E1において、化合物(II)又は化合物(III)と化合物(XIV)とから化合物(XV)を得る反応は、化合物(IV)に代えて化合物(XIV)を使用した他は、前記A法において記載したと同様の方法によって行われる。
工程E2は、化合物(XV)と化合物(XIII)とを、塩基の存在下、溶媒中又は非溶媒下で反応させることにより行われる。
化合物(XIII)の使用量は、化合物(XV)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用される溶媒としては、前記工程D1cにおいて記載したと同様の溶媒が挙げられるが、好ましくはハロゲン化炭化水素類又は非プロトン性極性溶媒である。使用される塩基としては、前記工程D1cにおいて記載したと同様の塩基が挙げらる。また、本反応においては、塩基を溶媒も兼ねて大過剰を用いることもできる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは0乃至50℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間で行われる。
【0076】
製法Fは、化合物(I)においてXがメチレン基であり、Bが−CH=CH−である化合物(If)及び、化合物(I)においてXがメチレン基であり、Bが−CH2O−である化合物(Ig)を得る製法である。
工程F1は、化合物(XVI)をトリフレート化して化合物(XVII)を合成する工程である。
化合物(XVI)のトリフレート化は、化合物(XVI)とトリフレート化剤とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン若しくはトルエン等の芳香族炭化水素類;又はヘプタン、ヘキサン若しくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が挙げられ、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類である。
トリフレート化剤としては、例えば、トリフルオロメタンスルホニルクロリド若しくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物などが挙げられ、好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸無水物である。トリフレート化剤の使用量は、化合物(XVI)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジンである。塩基の使用量は、トリフレート化剤1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは−10乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間である。
【0077】
工程F2は化合物(XVII)と化合物(XVIII)とを、窒素,ヘリウム又はアルゴンのような不活性気体雰囲気下で、触媒(パラジウム触媒)と塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の極性溶媒又はアセトニトリル等の溶媒が挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミンである。塩基の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
また、前記アミン類単独の代わりに、テトラブチルアンモニウムクロリド又はテトラブチルアンモニウムブロミド等の4級アミン類と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩とを組み合わせて混合物として用いることもできる。この場合の混合物の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
【0078】
パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、酢酸パラジウム−トリフェニルホスフィン、ジクロロビストリフェニルフホスフィン又はテトラキストリフェニルフホスフィンなどが挙げられ、好ましくは、酢酸パラジウム−トリフェニルホスフィン又はテトラキストリフェニルフホスフィンである。パラジウム触媒の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常0.01乃至1倍モル量、好ましくは0.01乃至0.3倍モル量である。
また、反応に塩化リチウム又は臭化リチウムなどを共存させてもよい。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0℃乃至200℃、好ましくは50℃乃至150℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常30分間乃至48時間、好ましくは1時間乃至24時間である。
工程F3は、化合物(XVI)と化合物(XIX)とを、塩基の存在下又は非存在下、溶媒中で反応させることにより行われ、化合物(III)に代えて化合物(XVI)を使用し、化合物(IV)に代えて化合物(XIX)を使用した他は、前記工程A2において記載したのと同様の方法で行われる。
【0079】
上記の各反応において、生成した目的化合物は、常法に従って反応混合物から採取される。例えば、不溶物が存在する場合には、適宜濾去した後、溶媒を留去することによって、又は、溶媒を減圧留去し、残留物に水を加え、酢酸エチル等の水不混和性有機溶媒で抽出し、必要ならば、無水硫酸ナトリウム等で乾燥した後、溶媒を留去することによって得ることができ、更に必要ならば、常法、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等で更に精製することができる。
【0080】
また、本発明の一般式(I)の化合物は、常法に従って、酸又は塩基で処理することによって、薬理上許容される塩に変換することができる。例えば、不活性溶媒(好ましくは、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール若しくはブタノール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;又は、水)中、所望の酸又は塩基と反応させ、溶媒を留去することによって、あるいは、析出した結晶を濾取することによって、目的の塩を得る事ができる。また、最終反応工程の反応混合物から直接、塩として分離することもできる。
【0081】
更に、一般式(I)の化合物には、不斉炭素に基づく光学異性体(ジアステレオマーを含む)、及び/又は、不飽和炭素に基づく幾何(E,Z)異性体が存在する。これら各異性体は、対応するラセミ体或いは幾何異性体混合物を、通常の光学分割法(分別晶析法、光学分割カラムクロマトグラフィー法又はジアステレイマ−法など)又は分離法(再結晶法、カラムクロマトグラフィー法など)に従って処理することによって、分離することができる。例えば、光学活性体を分離する場合には、ラセミ体の化合物(I)を光学活性なスルホン酸化合物((S)又は(R)−カンファー−10−スルホン酸など)と反応させて、ジアステレオマー塩の一方を得、必要ならば更に精製した後、得られたジアステレオマー塩を常法に従って分解することにより、光学活性体を得ることができる。また、光学分割又は分離された原料化合物を用いて上記の反応を行うことによっても、所望の光学異性体又は幾何異性体を得ることができる。
【0082】
上記の製法A、B、C、D、E又はFにおいて出発物質として使用される化合物及びその他の副原料はいずれも公知化合物であるか又は公知の方法に従って容易に製造される。また、化合物(II)及び(XVI)は以下に示す製法G、H、I、J、K、L及びMを適宜選択するか、又は組み合わせることによって製造される。
【0083】
【化14】
製法G
【0084】
【化15】
製法H
【0085】
【化16】
製法I
【0086】
【化17】
製法J
【0087】
【化18】
製法K
【0088】
【化19】
製法L
【0089】
【化20】
製法M
【0090】
(上記製法G、H、I、J、K、L、M中、A、D、E、Tf及びHalは前記と同意義を有し、R3は、C1−C4アルキル基を示す。)
【0091】
製法Gは、化合物(II)で示される化合物の内で、Bが式−CH=CH−である化合物(IIa)を得る製法である。
工程G1は、化合物(XVI)をトリフレート化して化合物(XVII)を合成する工程である。
工程G1の化合物(XVI)のトリフレート化は、化合物(XVI)とトリフレート化剤とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン若しくはトルエン等の芳香族炭化水素類;又はヘプタン、ヘキサン若しくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が挙げられ、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類である。
トリフレート化剤としては、例えば、トリフルオロメタンスルホニルクロリド若しくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物などが挙げられ、好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸無水物である。トリフレート化剤の使用量は、化合物(XVI)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジンである。塩基の使用量は、トリフレート化剤1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは−10乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間である。
【0092】
工程G2は、化合物(XVII)と化合物(XVIII)とを反応させて、化合物(XIX)を合成する工程である。工程G2は、化合物(XVII)と化合物(XVIII)とを、窒素,ヘリウム又はアルゴンのような不活性気体雰囲気下で、触媒(パラジウム触媒)と塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の極性溶媒又はアセトニトリル等の溶媒が挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミンである。塩基の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
また、アミン類単独の代わりに、テトラブチルアンモニウムクロリド又はテトラブチルアンモニウムブロミド等の4級アミン類と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩とを組み合わせて混合物としても用いることもできる。混合物の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
【0093】
パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、酢酸パラジウム−トリフェニルホスフィン、ジクロロビストリフェニルフホスフィン又はテトラキストリフェニルフホスフィンなどが挙げられ、好ましくは、酢酸パラジウム−トリフェニルホスフィン又はテトラキストリフェニルフホスフィンである。パラジウム触媒の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常0.01乃至1倍モル量、好ましくは0.01乃至0.3倍モル量である。
また、反応に塩化リチウム又は臭化リチウムなどを共存させてもよい。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0℃乃至200℃、好ましくは50℃乃至150℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常30分間乃至48時間、好ましくは1時間乃至24時間である。
【0094】
工程G3の化合物(XIX)から化合物(IIa)への還元反応は、溶媒中、還元剤を用いて行われる。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化シアノホウ素ナトリウム,水素化トリメトキシホウ素ナトリウム及び水素化リチウムアルミニウム等が挙げられ、好ましくは水素化トリメトキシホウ素ナトリウムである。還元剤の使用量は、化合物(XIX)1モルに対して、通常 1乃至5倍モル量、好ましくは1乃至2.5倍モル量である。
使用される溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール若しくはブタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン若しくは1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド若しくはN−メチルピロリドン等のアミド類;水又はそれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフラン又はテトラヒドロフランとの混合溶媒である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−10乃至150℃、好ましくは0乃至100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常10分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至6時間で行われる。
【0095】
工程G4は、化合物(XIX)を製造するための別法であり、原料化合物として化合物(XVII)の代わりに化合物(XX)(好ましくは、Halとして、臭素原子又はヨウ素原子である)を使用した他は、前記工程F2と同様な条件で行われる。例えば化合物(XXa;Hal=Br、D=窒素、E=炭素)及び化合物(XXb;Hal=Br、D=炭素、E=窒素)は各々、J.Heterocyclic Chem.,23,1331(1986)及びJ.Heterocyclic Chem.,23,257(1986)を参照することで合成できる。
【0096】
製法Hは、化合物(II)で示される化合物の内、Bが式−O−CH2−である化合物(IIb)を得る製法である。
工程H1は化合物(XVI)と化合物(XIX)とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われ、化合物(III)に代えて化合物(XVI)を使用し、化合物(IV)に代えて化合物(XIX)を使用した他は、前記工程A2において記載したのと同様の方法で行われる。
工程H2の化合物(XXII)から化合物(IIb)への還元反応は、溶媒中、還元剤を用いて行われる。化合物(XIX)に代えて化合物(XXI)を使用した他は、前記工程G3と同様の方法で行われる。
【0097】
製法Iは、化合物(XVI)の製造方法であり、例えば公知の化合物(XXIIa(D=窒素原子、E=炭素原子))(Arzneim.Forsch.,22,133(1972)参照)を用いて製造することができる。
工程I1は単結合を二重結合にする脱水素工程であり、硫黄を用いる方法(Arzneim.Forsch.,22,133(1972)参照)、二酸化セレンを用いる方法(J.Heterocyclic Chem.,23,257(1986)参照)により行われる。
製法I2は化合物(XXIII)を脱メチル化して化合物(XVI)を製造する方法である。化合物(XXIII)の脱メチル化反応は、公知の方法(W.Greene and P.G.H.Wult著“Protective Group in Organic Synthesis”2nd Ed.,JohnWiley & Sons,146頁参照)、例えば、臭化水素酸又はヨウ化水素酸を用いる方法、或いは、三臭化ホウ素又はヨウ化トリメチルシランを用いる方法等を採用して行われる。
【0098】
製法Jは一般式(I)で示される化合物の内、Xがメチレン基である化合物である化合物(If)及び(Ig)へ至る中間体化合物(XVIa)を得る製法である。
工程J1は、溶媒中、化合物(XXIII)にアセチレン化合物(XXIV)を反応させ、化合物(XXV)を製造する工程である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類が好ましい。
アセチレン化合物(XXIV)の使用量は、化合物(XXIII)1モルに対して、通常1乃至2倍モル量、好ましくは1乃至1.5倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至100℃、好ましくは0乃至30℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至12時間、好ましくは30分間乃至6時間である。
【0099】
工程J2における、化合物(XXV)から化合物(XXVI)を製造する反応は、溶媒中、酸触媒の存在下に転位反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類と水の混合溶媒が挙げられ、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランおよびN,N−ジメチルホルムアミドと水との混合溶媒である。
使用される酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類;メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸類が挙げられる。触媒の使用量は、化合物(XXV)1モルに対して、通常1乃至100倍モル量、好ましくは1乃至50倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至100℃、好ましくは0乃至30℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至48時間、好ましくは30分間乃至24時間である。
【0100】
工程J3は、塩基存在下、溶媒中で化合物(XXVI)と化合物(XXVII)とを反応させることにより、化合物(XXVIII)を得る工程である。
化合物(XXVII)の使用量は、化合物(XXVI)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用される塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウムなどのアルカリ金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類;メチルリチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム類;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド類を挙げることができ、特にアルカリ金属水素化物が好ましい。塩基の使用量は、化合物(XXVII)1モルに対して、通常1乃至5倍モル量、好ましくは、1乃至2倍モル量である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエ−テル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられ、好ましくは、エ−テル類である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−50℃乃至100℃、好ましくは−10℃乃至50℃の範囲である。反応時間は、通常15分間乃至12時間、好ましくは、30分間乃至5時間である。
【0101】
工程J4では、化合物(XXVIII)を溶媒中、触媒の存在下に、水素によって接触還元することにより、化合物(XXIX)が合成される。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル類が挙げられ、好ましくは、アルコール類である。
使用される触媒は、例えば、パラジウム−炭素、白金−炭素、白金黒、ロジウム−炭素、ラネーニッケルが挙げられる。触媒の使用量は、化合物(XXVIII)1モルに対して、通常0.005乃至1倍モル量、好ましくは0.01乃至0.1倍モル量である。
接触水素添加反応における水素分圧は、通常1気圧乃至10気圧、好ましくは1気圧乃至5気圧である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0℃乃至100℃、好ましくは20℃乃至80℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常15分間乃至72時間、好ましくは、30分間乃至48時間である。
【0102】
工程J5は、化合物(XXIX)を、脱水素反応によるオレフィンへの変換させて化合物(XXX)を合成する工程であり、例えば、化合物(XXII)の代わりに化合物(XXIX)を使用した他は、上記記載の製法I1と同様に行われる。
工程J6は、化合物(XXX)をメトキシ基の脱メチル化並びにエステル基のカルボキシ化させて化合物(XXXI)を合成する工程であり、例えば、化合物(XXIII)の代わりに化合物(XXX)を用いた他は、製法I2と同様に行うことで、メトキシ基の脱メチル化並びにエステル基のカルボキシ化が同時に達成される。
工程J7は、化合物(XXXI)のカルボキシル基をエステル化することにより化合物(XVIa)を合成する工程であり、公知の方法により、容易に変換することができる(例えば、W.Greene and P.G.H.Wult著“Protective Group in Organic Synthesis”2nd Ed.,John Wiley & Sons,224頁参照)。
【0103】
製法Kは化合物(XIX)の製法であり、化合物(XXXIII)をハロゲン化(好ましくは臭素化)する製法であり、公知の方法、例えば、N−ブロムコハク酸イミドとアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)又は過酸化ベンゾイル(BPO)のようなラジカル開始剤を用いる方法又は光を照射する方法により容易に行われる。
ラジカル開始として光を照射する場合、使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられ、好ましくは、1,2−ジクロロエタンである。
使用されるN−ブロムコハク酸イミドは、化合物(XXXIII)1モルに対して1乃至2.5倍モル量、好ましくは1乃至1.1倍モル量である。
反応温度は0乃至80℃、好ましくは30乃至60℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常1時間乃至12時間、好ましくは3時間乃至8時間である。
ラジカル開始としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)又は過酸化ベンゾイル(BPO)のようなラジカル開始剤を用いる場合は、使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられ、好ましくは、1,2−ジクロロエタンである。
ラジカル開始剤の使用量は化合物(XXXIII)に対して0.001乃至0.1倍モル量、好ましくは0.01乃至0.05倍モル量である。使用されるN−ブロムコハク酸イミドは、化合物(XXXIII)1モルに対して、通常1乃至4倍モル量、好ましくは1乃至1.1倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常50乃至80℃、好ましくは60乃至80℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常30分間乃至12時間、好ましくは1時間乃至6時間である。
製法Lは、化合物(XVIII)の製法であり、化合物(XXXIII)から化合物(XVIII)を合成する製法であり、工程L1、L2及びL3は、公知の方法であり、例えば、J.Org.Chem.,61,3398(1996)に記載されている。
【0104】
製法Mは、化合物(XVIII)を製造するための製法Lの別法である。
工程M1は化合物(XIX)とトリフェニルホスフィンとを、溶媒中で、反応させて、化合物(XXXVI)を製造する工程である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドが挙げられ、好ましくは、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエンである。使用するトリフェニルホスフィンの量は、化合物(XIX)に対して、1乃至2倍モル量、好ましくは1乃至1.5倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、0乃至150℃、好ましくは60乃至100℃の範囲である。反応時間は、反応温度等の条件によって異なるが、通常、30分間乃至12時間、好ましくは1時間乃至3時間である。
【0105】
工程M2は、塩基の存在下、化合物(XXXVI)とホルムアルデヒドとを、溶媒中で、反応させて化合物(XVIII)を製造する工程である。この工程は所謂Wittig反応として知られている反応であり、公知の条件を適宜選択して行われる。
ホルムアルデヒドの使用量は、化合物(XXXVI)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至1.5倍モル量である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド;又はこれらの混合溶媒、或いはこれらと水との混合溶媒が挙げられる。
使用される塩基は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;メチルリチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム類;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド類;又はトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリプロピルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)等の有機アミンを挙げることができる。塩基の使用量は、化合物(XXXVI)1モルに対して、通常1乃至5倍モル量、好ましくは、1乃至2倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至150℃、好ましくは15乃至80℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常1時間乃至24時間、好ましくは1時間乃至6時間である。
【0106】
本発明の式(I)で表わされる化合物は強力なロイコトリエン拮抗作用を有し、抗アレルギ−薬及び抗炎症薬として極めて有用である。
その目的のための投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口投与又は静脈内注射剤、筋肉内注射剤、坐剤、吸入剤、エアゾ−ル剤若しくは点眼剤等による非経口投与が挙げられる。その投与量は、年齢、体重、症状ならびに投与形態及び投与回数などによって異なるが、通常は成人に対して1日約1乃至1,000mgを1回又は数回に分けて投与する。
【0107】
【発明の効果】
本発明の式(I)で表わされるベンゾシクロヘプタピリジン化合物又はその薬理上許容される塩は、強力なロイコトリエンD4拮抗作用の他にロイコトリエンC4拮抗作用及びロイコトリエンE4拮抗作用を有することから、抗アレルギー薬及び抗炎症薬として有用である。
【0108】
以下、実施例、参考例及び試験例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
【0109】
【実施例】
実施例1
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸メチル(例示化合物1のメチルエステル)
7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール1.03g(2.59mmol)のピリジン15ml溶液を−10℃に氷冷後、メタンスルホニルクロリド0.62ml(8.0mmol)を加え、−10℃で2時間攪拌し、更に室温で一夜攪拌した。
反応終了後、反応溶液を−10℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.4mlを加え結晶を析出させた。析出結晶を濾過し、濾集物を酢酸エチルで洗浄後、減圧下で乾燥しメシル体1.15gを黄色固体として得た。
得られたメシル体にグリコール酸メチル4.19g(46.5mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.4ml(2.4mmol)とを加え、50から60℃の間で2時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に酢酸エチルを加えた後、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))に付し、標題化合物0.36g(0.77mmol)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(δ,DMSO−d6);3.63(b,4H),4.44(b,1H),5.01,5.75(各々b,合計1H),7.18−7.56(m,5H),7.76(b,1H),7.90−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.56(b,1H).
【0110】
実施例2
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸(例示化合物1)
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸メチル0.34g(0.73mmol)をメタノール5mlとテトラヒドロフラン5mlとの混合液に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液2.2ml(2.2mmoll)を加え、室温で5時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に1N塩酸水溶液1.5mlを加えて減圧濃縮した。残渣に水と酢酸エチルとを加えた後、1N塩酸水溶液0.7mlを加え、析出した固体を濾取した。濾集物を減圧下で乾燥し、標題化合物0.27g(0.59mmol)を黄色固体として得た。
1H−NMR(δ,DMSO−d6);3.58(b,1H),4.03(b,1H),4.99,5.76(各々b,合計1H),7.18−7.56(m,5H),7.74(b,1H),7.90−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.54(b,1H).
【0111】
実施例3
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸ナトリウム(例示化合物1のナトリウム塩)
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸2.61g(0.56mmol)をテトラヒドロフラン50mlとメタノール50mlとを加えた混合液に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液0.57ml(0.57mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、析出した固体を濾取し、標題化合物0.24g(0.50mmol)を黄色固体として得た。
融点;257〜265℃(分解).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);3.79(b,2H),5.14(b,1H),7.18(d,J=12.2Hz,1H),7.36(d,J=12.0Hz,1H),7.42−7.53(m,3H),7.69(d,J=8.6Hz,1H),7.91−8.07(m,6H),8.38(d,J=8.6Hz,1H),8.49(b,1H).
【0112】
実施例1〜3と同様な方法により、以下の実施例4〜6の化合物を得た。
実施例4
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ}−2−メチルプロピオン酸メチル(例示化合物208のメチルエステル)
性状;黄色固体
1H−NMR(δ,CDCl3);1.20(d,J=7.3Hz,3H),3.00(b,1H),3.66−3.80(m,5H),4.81(b,1H),7.29−7.49(m,6H),7.56(d,J=8.1Hz,1H),7.64−7.80(m,3H),7.90(b,2H),8.08−8.13(m,2H),8.52(b,1H).
【0113】
実施例5
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ}−2−メチルプロピオン酸(例示化合物208)
性状;橙色固体
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.85−1.23(m,3H),2.91(b,1H),3.60−3.90(m,2H),4.86,5.62(各々b,合計1H),7.20−7.62(m,5H),7.74(b,1H),7.90−8.11(m,6H),8.42(d,J=8.6Hz,1H),8.52(b,1H),12.40(b,1H).
【0114】
実施例6
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ}−2−メチルプロピオン酸ナトリウム(例示化合物208のナトリウム塩)
性状;橙色固体
融点;300℃以上
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.80−1.18(m,3H),2.70(b,1H),3.40−3.90(m,2H),4.78,5.57(各々b,合計1H),7.20(d,J=11.5Hz,1H),7.37−7.67(m,6H),7.90−8.07(m,6H),8.41(d,J=8.5Hz,1H),8.50(b,1H).
【0115】
実施例7
2−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸ナトリウム(例示化合物7のナトリウム塩)
(a)7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール199mg(0.5mmol)をトリフルオロ酢酸5mlに溶解し、チオ乳酸89μl(1mmol)を添加して、室温で4時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を水100mlとクロロホルム100mlとの混合液に注加し、炭酸水素ナトリウムでpH6.5に調整した後、分液した。水層については、クロロホルム/メタノール=5/1(容積比)の混合溶媒でさらに抽出(100ml×2)した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した後、残渣を酢酸エチルで洗浄し、2−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸151mg(0.31mmol)を黄色固体として得た。
FAB−MS(m/z);487(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.16,1.17(各々d,J=7.1Hz,合計3H),3.05,3.12(各々q,J=7.2Hz,合計1H),5.63(s,1H),7.10,7.11(各々d,J=12.2Hz,合計1H),7.28,7.29(各々d,J=12.5Hz,合計1H),7.41,7.43(各々dd,J=7.8,4.6Hz,合計1H),7.53−7.59(m,2H)7.71−7.76(m,1H),7.86−8.02(m,5H),8.06(dd,J=11.0,9.0Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.54−8.57(m,1H).
【0116】
(b)実施例7(a)で得られた2−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸141mg(0.29mmol)を、テトラヒドロフラン4mlとメタノール4mlとの混合液に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液0.29ml(0.29mmol)を添加して、室温で1時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルで洗浄したのち減圧乾燥して、標題化合物136mg(0.27mmol)を淡黄色固体として得た。
融点;212〜228℃(分解).
FAB−MS(m/z);509(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.11,1.13(各々d,J=7.1Hz,合計3H),2.71,2.74(各々d,J=6.8Hz,合計1H),5.70,5.71(各々s,合計1H),7.03(d,J=12.5Hz,1H),7.20,7.21(各々d,J=12.5Hz,合計1H),7.37(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.49,7.50(各々d,J=8.2Hz,合計1H),7.54(d,J=17.1Hz,1H),7.69(dd,J=7.8,1.5Hz,1H),7.77−7.81(m,1H),7.88(d,J=16.4Hz,1H),7.89−8.03(m,3H),8.05(dd,J=11.0,9.0Hz,1H),8.38(d,J=8.8Hz,1H),8.48−8.51(m,1H).
【0117】
実施例7と同様な方法により、以下の実施例8〜21の化合物を得た。
実施例8
3−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物8のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;233〜242℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.96−2.01(m,2H),2.36−2.41(m,2H),5.54(s,1H),7.06(d,J=12.2Hz,1H),7.23(d,J=12.5Hz,1H),7.39(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.50−7.59(m,2H),7.71(d,J=8.1Hz,1H),7.85−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.52(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0118】
実施例9
3−{[7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物17のナトリウム塩)
性状;橙色固体
融点;229〜294℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.11−0.21(m,2H),0.28−0.35(m,2H),2.00(s,2H),2.52(s,2H),5.78(s,1H),7.05(d,J=12.3Hz,1H),7.22(d,J=12.5Hz,1H),7.37(dd,J=7.7,4.6Hz,1H),7.50(d,J=8.1Hz,1H),7.57(d,J=16.4Hz,1H),7.70(dd,J=8.0,1.7Hz,1H),7.87(d,J=16.4Hz,1H),7.92−8.06(m,5H),8.37(d,J=8.6Hz,1H),8.50(dd,J=4.8,1.7Hz,1H).
【0119】
実施例10
〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ酢酸ナトリウム(例示化合物74のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;220〜224℃(分解).
FAB−MS(m/z);511(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);2.58−2.69(m,2H),5.67(s,1H),7.04(d,J=12.2Hz,1H),7.20(d,J=12.7Hz,1H),7.38(dd,J=7.6,4.6Hz,1H),7.51(d,J=8.1Hz,1H),7.54(d,J=16.4Hz,1H),7.71(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.79−7.82(m,2H),7.89(d,J=16.4Hz,1H),7.99(d,J=8.8Hz,1H),8.02(d,J=9.8Hz,1H),8.24(d,J=7.6Hz,1H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.51(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0120】
実施例11
2−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸ナトリウム(例示化合物75のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;229〜235℃(分解).
FAB−MS(m/z);525(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.12,1.13(各々d,J=7.1Hz,合計3H),2.71,2.74(各々q,J=7.1Hz,合計1H),5.71,5.72(各々s,合計1H),7.04(d,J=12.9Hz,1H),7.20,7.21(各々d,J=12.5Hz,合計1H),7.37(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.49,7.50(各々d,J=8.1Hz,合計1H),7.54(d,J=16.4Hz,1H),7.69(dd,J=7.8,1.5Hz,1H),7.79(dd,J=7.9,1.4Hz,1H),7.89(d,J=16.4Hz,1H),7.89−7.93(m,1H),7.99(d,J=8.1Hz,1H),8.02(d,J=9.8Hz,1H),8.24(d,J=7.1Hz,1H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.49−8.51(m,1H).
【0121】
実施例12
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物76のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;243〜247℃(分解).
FAB−MS(m/z);525(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.94−2.00(m,2H),2.35−2.41(m,2H),5.54(s,1H),7.06(d,J=12.5Hz,1H),7.23(d,J=12.5Hz,1H),7.39(dd,J=7.6,4.6Hz,1H),7.52(d,J=8.1Hz,1H),7.57(d,J=16.4Hz,1H),7.70(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.85−7.92(m,3H),7.99(d,J=9.5Hz,1H),8.02(d,J=10.0Hz,1H),8.24(d,J=7.6Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.52(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0122】
実施例13
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチルプロピオン酸ナトリウム(例示化合物77のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;248〜256℃(分解).
FAB−MS(m/z);539(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.86,0.87(各々d,J=6.6Hz,合計1H),1.97−2.19(m,2H),2.54−2.64(m,1H),5.51,5.52(各々s,合計1H),7.06(d,J=12.2Hz,1H),7.23(d,J=12.2Hz,1H),7.39(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.52(d,J=8.3Hz,1H),7.56,7.57(各々d,J=16.4Hz,合計1H),7.70(dd,J=8.3,1.2Hz,1H),7.88(d,J=16.4Hz,1H),7.88−7.92(m,2H),7.98(d,J=8.8Hz,1H),8.02(d,J=9.8Hz,1H),8.23,8.24(各々d,J=7.3Hz,合計1H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.51−8.53(m,1H).
【0123】
実施例14
4−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−3,3−ジメチルブタン酸ナトリウム(例示化合物84のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;240〜248℃(分解).
FAB−MS(m/z);567(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.82(s,3H),0.83(s,3H),1.87(d,J=13.7Hz,1H),1.94(d,J=13.9Hz,1H),2.51(d,J=13.7Hz,1H),2.57(d,J=13.2Hz,1H),5.81(s,1H),7.07(d,J=12.2Hz,1H),7.24(d,J=12.5Hz,1H),7.38(dd,J=7.6,4.6Hz,1H),7.51(d,J=8.3Hz,1H),7.57(d,J=16.4Hz,1H),7.71(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.88(d,J=16.1Hz,1H),7.93−8.00(m,3H),8.02(d,J=10.0Hz,1H),8.27(d,J=7.3Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.51(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0124】
実施例15
3−{[7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物85のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;217〜223℃(分解).
FAB−MS(m/z);565(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.13−0.17(m,2H),0.31−0.35(m,2H),1.99(s,2H),5.83(s,1H),7.06(d,J=12.2Hz,1H),7.23(d,J=12.5Hz,1H),7.38(dd,J=7.6,4,6Hz,1H),7.51(d,J=8.3Hz,1H),7.60(d,J=16.4Hz,1H),7.71(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.89(d,J=16.1Hz,1H),7.98−8.04(m,4H),8.28(d,J=7.1Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.51(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0125】
実施例16
3−{[7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物212のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;244〜246℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.99−2.04(m,2H),2.38−2.43(m,2H),5.54(s,1H),7.06(d,J=12.2Hz,1H),7.23(d,J=12.5Hz,1H),7.40(dd,J=7.6,4.9Hz,1H),7.51−7.62(m,3H),7.71(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.87−8.04(m,6H),8.42(d,J=8.8Hz,1H),8.53(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0126】
実施例17
3−{[7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物221のナトリウム塩)
性状;微黄色固体
融点;236〜241℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.11−0.19(m,2H),0.31−0.39(m,2H),1.97−2.06(m,2H),2.28−2.36(m,2H),5.78(s,1H),7.07(d,J=12.2Hz,1H),7.24(d,J=12.5Hz,1H),7.39(dd,J=7.8,4.9Hz,1H),7.53(d,J=8.3Hz,1H),7.57−7.62(m,2H),7.72(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.88−8.07(m,6H),8.41(d,J=8.6Hz,1H),8.52(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0127】
実施例18
3−{〔7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物277のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;171〜177℃.
FAB−MS(m/z);477(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.72−1.79(m,2H),1.81−1.88(m,2H),1.95−2.00(m,2H),2.35−2.38(m,2H),2.73−2.76(m,2H),2.83−2.86(m,2H),5.49(s,1H),7.03(d,J=12.2Hz,1H),7.19(d,J=12.7Hz,1H),7.33(d,J=16.1Hz,1H),7.34(d,J=7.8Hz,1H),7.38(dd,J=7.8,4.4Hz,1H),7.46(d,J=7.9Hz,1H),7.46(d,J=6.8Hz,1H),7.58(d,J=15.1Hz,1H),7.60(dd,J=7.8,2.0Hz,1H),7.81(d,J=1.2Hz,1H),7.87(dd,J=7.5,1.2Hz,1H),8.51(dd,J=4.4,1.5Hz,1H).
【0128】
実施例19
3−{[7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物286のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;154〜166℃.
FAB−MS(m/z);517(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.10−0.17(m,2H),0.29−0.34(m,2H),1.72−1.79(m,2H),1.81−1.88(m,2H),1.93−2.03(m,2H),2.73−2.77(m,2H),2.84−2.87(m,2H),5.74(s,1H),7.03(d,J=12.2Hz,1H),7.20(d,J=12.7Hz,1H),7.32−7.38(m,3H),7.46(d,J=7.8Hz,1H),7.58(d,J=16.6Hz,1H),7.61(dd,J=7.9,1.2Hz,1H),7.86(d,J=1.2Hz,1H),7.98(dd,J=7.8,1.5Hz,1H),8.50(dd,J=4.9,1.5Hz,1H).
【0129】
実施例20
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物454のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
FAB−MS;509(M++1).
融点;178〜193℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.93−2.00(m,2H),2.38−2.43(m,2H),5.56(s,1H),6.98(d,J=12.0Hz,1H),7.13(d,J=12.0Hz,1H),7.39(dd,J=7.8,4.9Hz,1H),7.51(d,J=8.1Hz,1H),7.61(d,J=16.1Hz,1H),7.72(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.86−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.50(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0130】
実施例21
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテ ニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物463のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;285〜291℃(分解).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.09−0.12(m,1H),0.27−0.38(m,3H),1.84(d,J=14.4Hz,1H),2.01(d,J=13.2Hz,1H),2.51(d,J=11.0Hz,1H),2.69(d,J=12.7Hz,1H),5.65(s,1H),6.99(d,J=12.0Hz,1H),7.14(d,J=12.0Hz,1H),7.38(dd,J=7.8,4.9Hz,1H),7.51(d,J=8.1Hz,1H),7.64(d,J=16.4Hz,1H),7.72(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.86−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.6Hz,1H),8.50(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0131】
実施例22
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}酢酸ブチルエステル(例示化合物447のブチルエステル)
9−[(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル]−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オール1.0g(2.5mmol)のテトラヒドロフラン30ml溶液を0℃に冷却後、トリエチルアミン2.0ml(15mmol)とメタンスルホニルクロリド1.2ml(15mmol)とを加え、0℃で1時間、更に室温で2時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液から減圧下で溶媒を留去した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解し、次いで、グリコール酸ブチル15ml(116mmol)を加え60℃で4時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1(容積比))に付し、標題化合物0.81g(1.6mmol)を淡黄色固体として得た。
EI−MS(m/z);512(M+).
CI−MS(m/z);513(M++1).
1H−NMR(δ,CDCl3);0.88(t,J=7.3Hz,3H),1.25−1.38(m,2H),1.52−2.04(m,2H),4.04−4.13(m,4H),7.00(d,J=11.7Hz,1H),7.19(d,J=11.7Hz,1H),7.26−7.31(m,4H),7.38−7.54(m,3H),7.60−7.65(m,2H),7.74−7.85(m,3H),8.06(d,J=8.6Hz,1H),8.62(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0132】
実施例23
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}酢酸ナトリウム(例示化合物447)
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}酢酸ブチルエステル0.81g(1.6mmol)をメタノール5mlとテトラヒドロフラン5mlとの混合液に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液4.8ml(4.8mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液より析出結晶を濾過し、濾集物をテトラヒドロフランで洗浄後、80℃で減圧乾燥し、標題化合物0.67g(1.4mmol)を白色固体として得た。
FAB−MS;479(M++1).
融点;236〜241℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);3.29−3.41(m,2H),7.06−7.31(m,2H),7.39(dd,J=7.8,4.9Hz,1H),7.48−8.59(m,2H),7.68−7.76(m,1H),7.89−8.07(m,7H),8.38(d,J=8.5Hz,1H),8.55(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0133】
グリコール酸ブチルに代えて3−ヒドロキシプロピオン酸メチル(J.Amer.Chem.Soc.,73,4273(1951)参照)を用いた以外は実施例22と同様な方法で以下の実施例24の化合物を得た。
実施例24
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}プロピオン酸メチル(例示化合物449のメチルエステル)
性状;淡黄色固体
1H−NMR(δ,CDCl3);3.62(s,3H),5.00(b,1H),6.97(d,J=11.7Hz,1H),7.16(d,J=12.0Hz,1H),7.25−7.29(b,1H),7.42(d,J=16.1Hz,1H),7.45(d,J=7.1Hz,1H),7.51(dd,J=10.0,8.3Hz,1H),7.62(d,J=8.5Hz,2H),7.72−7.85(m,3H),7.94(b,1H),8.07(d,J=8.5Hz,1H),8.61(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0134】
実施例2と同様な方法で以下の実施例25の化合物を得た。
実施例25
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}プロピオン酸(例示化合物449)
性状;淡黄色固体
1H−NMR(δ,DMSO−d6);2.31(b,2H),5.75(b,1H),7.06(d,J=11.7Hz,1H),7.20(d,J=11.7Hz,1H),7.45(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.56−7.63(m,2H),7.79(d,J=8.6Hz,1H),7.89−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.58(dd,J=4.9,1.7Hz,1H),12.11(b,1H).
【0135】
実施例3と同様な方法で以下の実施例26の化合物を得た。
実施例26
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物449のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;213〜220℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);2.00(b,2H),5.69(b,1H),7.06(d,J=11.7Hz,1H),7.20(d,J=11.7Hz,1H),7.42(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.56−7.63(m,2H),7.61(d,J=8.3Hz,1H),7.89−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.56(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0136】
参考例1
(a)7−クロロ−2−ビニルキノリン
J.Org.Chem.,61,3398(1996)に記載の方法により標題化合物を得た。
性状;黄土色固体
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.69(dd,J=11.0,1.0Hz,1H),6.31(dd,J=17.6,0.7Hz,1H),7.00(dd,J=17.8,11.0Hz,1H),7.45(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.60(d,J=8.5Hz,1H),7.71(d,J=8.5Hz,1H),8.06−8.10(m,2H).
【0137】
(b)7−ブロモ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
J.Heterocyclic Chem.,23,1331(1986)に記載の方法により標題化合物を得た。
性状;灰白色固体
1H−NMR(δ,CDCl3);7.2(d,J=12.5Hz,1H),7.39(d,J=12.5Hz,1H),7.45−7.50(m,2H),7.78(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),8.40(d,J=2.2Hz,1H),8.53(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),
8.91(dd,J=4.6,2.0Hz,1H).
【0138】
(c)7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
7−ブロモ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン4.16g(15mmol)と7−クロロ−2−ビニルキノリン3.22g(19.5mmol)とをN,N−ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、酢酸パラジウム1.35g(6.0mmol)及びトリフェニルホスフィン0.67g(2.6mmol)を添加し、窒素雰囲気にした。次いで、トリエチルアミン2.9ml(20.6mmol)を加え、窒素雰囲気下、100℃で1時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を室温まで放冷し、エタノールを加え析出結晶を濾取した。濾集物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メチルアルコール=9/1(容積比))に付し、標題化合物3.10g(7.86mmol)を淡茶色固体として得た。
1H−NMR(δ,DMSO−d6);7.36(d,J=12.5Hz,1H),7.51(d,J=12.7Hz,1H),7.62(dd,J=8.5,2.2Hz,1H),7.66−7.71(m,2H),7.89(d,J=8.3Hz,1H),7.97−8.07(m,4H),8.25(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),8.43−8.53(m,3H),8.98(dd,J=4.4,1.7Hz,1H).
【0139】
(d)7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール
7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン3.1g(7.8mmol)をテトラヒドロフラン300mlに溶解し、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム4.4g(34.5mmol)を添加し、室温で5時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣を減圧下乾燥して、標題化合物2.83g(7.14mmol)を薄茶色固体として得た。
EI−MS(m/z);396(M+).
CI−MS(m/z);397(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.15(s,1H),6.40(s,1H)7.22(d,J=12.0Hz,1H),7.39(d,J=12.0Hz,1H),7.44−7.54(m,3H),7.60(dd,J=8.5,2.0Hz,1H),7.69(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.93−8.11(m,6H),8.41(d,J=8.8Hz,1H),8.48(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0140】
参考例2
参考例1(a)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例2(a)の化合物を得た。
(a)7−クロロ−6−フルオロ−2−ビニルキノリン
性状;黄色固体
EI−MS;207(M+).
CI−MS(m/z);208(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.73(dd,J=11.0,1.0Hz,1H),6.43(dd,J=17.6,1.0Hz,1H),6.98(dd,J=17.8,11.0Hz,1H),7.89(d,J=8.8Hz,1H),8.01(d,J=9.8Hz,1H),8.21(d,J=7.3Hz,1H).8.37(d,J=9.0Hz,1H).
【0141】
参考例1(c)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例2(b)の化合物を得た。
(b)7−[(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
性状;淡黄緑色固体
EI−MS(m/z);412(M+).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);7.37(d,J=12.2Hz,1H),7.52(d,J=12.7Hz,1H),7.69(d,J=16.4Hz,1H),7.70(dd,J=8.1,3.7Hz,1H),7.90(d,J=8.3Hz,1H),8.04(d,J=9.5Hz,1H),8.04(d,J=8.5Hz,1H),8.04(d,J=16.4Hz,1H),8.25(d,J=7.3Hz,1H),8.26(dd,J=8.5,2.0Hz,1H),8.43(d,J=1.7Hz,1H),8.43(d,J=8.5Hz,1H),8.51(dd,J=8.4,1.6Hz,1H),8.98(dd,J=4.5,1.8Hz,1H).
【0142】
参考例1(d)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例2(c)の化合物を得た。
(c)3−[(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール
性状;淡黄緑色固体
CI−MS(m/z);415(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.15(s,1H),6.40(bs,1H),7.21(d,J=11.7Hz,1H),7.39(d,J=12.2Hz,1H),7.46(dd,J=8.1,4.6Hz,1H),7.49(d,J=7.8Hz,1H),7.50(d,J=16.1Hz,1H),7.68(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.94(d,J=16.6Hz,1H),7.99−8.11(m,4H),8.22(d,J=7.3Hz,1H),8.38(d,J=8.8Hz,1H),7.39(dd,J=4.6,1.2Hz,1H).
【0143】
参考例3
参考例1(a)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例3(a)の化合物を得た。
(a)6,7−ジフルオロ−2−ビニルキノリン
性状;淡黄色固体
EI−MS;191(M+).
CI−MS(m/z);192(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.69(dd,J=11.0,1.0Hz,1H),6.39(dd,J=17.6,1.0Hz,1H),6.93(dd,J=8.1,3.9Hz,1H),6.95(dd,J=17.6,11.0Hz,1H),7.82(d,J=8.8Hz,1H),8.00(dd,J=9.0,2.2Hz,1H),8.33(d,J=8.5Hz,1H).
【0144】
参考例1(c)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例3(b)の化合物を得た。
(b)7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
性状;淡黄色固体
FAB−MS(m/z);397(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);7.36(d,J=12.5Hz,1H),7.52(d,J=12.5Hz,1H),7.66−7.71(m,2H),7.90(d,J=8.5Hz,1H),7.96−8.10(m,4H),8.25(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),8.40−8.43(m,2H),8.51(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),8.98(dd,J=4.4,1.7Hz,1H).
【0145】
参考例1(d)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例3(c)の化合物を得た。
(c)7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール
性状;黄色固体
FAB−MS(m/z);399(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.15(d,J=3.7Hz,1H),6.39(d,J=4.4Hz,1H)7.21(d,J=12.0Hz,1H),7.39(d,J=12.0Hz,1H),7.44−7.53(m,3H),7.68(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.91−8.10(m,6H),8.38(d,J=8.8Hz,1H),8.48(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0146】
参考例4
(a)5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ビニルキノリン
(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)メチルブロミド14.7g(65mmol)をアセトニトリル300mlに溶解し、トリフェニルホスフィン25.5g(97.5mmol)を添加し、2時間還流した。氷浴にて冷却後、沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)メチルトリフェニルホスホニウムブロミドを微黄色固体として得た。得られた固体をクロロホルム250mlに溶解させ、37%ホルムアルデヒド9.50g(117mmol)と炭酸ナトリウム8.10g(76mmol)水溶液(20ml)と添加し、室温で2時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に水を添加し、クロロホルムで抽出した。有機層を炭酸カリウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=9/1(容積比))に付し、標題化合物6.01g(37.8mmol)を黄色油状物として得た。
EI−MS;159(M+).
CI−MS(m/z);160(M++1).
1H−NMR(δ,CDCl3);1.85(m,4H),2.75(dd,J=17.6,1.0Hz,2H),2.91(dd,J=8.1,3.9Hz,2H),5.41(dd,J=10.7,1.2Hz,1H),6.06(dd,J=17.6,1.2Hz,1H),6.75(dd,J=17.6,10.7Hz,1H),7.14(d,J=7.8Hz,1H),7.31(d,J=7.8Hz,1H).
【0147】
以下、参考例1(c)と同様な方法で反応を行い、参考例4(b)の化合物を得た。
(b)7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
性状;茶色固体
CI−MS(m/z);365(M++1).
1H−NMR(δ,CDCl3);1.79−1.87(m,2H),1.89−1.97(m,2H),2.76−2.81(m,2H),2.94−2.99(m,2H),7.23(d,J=8.1Hz,1H),7.27(d,J=12.5Hz,1H),7.33(d,J=16.1Hz,1H),7.36(d,J=12.2Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.47(dd,J=8.1,4.6Hz,1H),7.59(d,J=8.3Hz,1H),7.62(d,J=16.4Hz,1H),7.88(dd,J=8.2,1.8Hz,1H),8.45(d,J=1.7Hz,1H),8.57(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),8.90(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0148】
以下、参考例1(d)と同様な方法で反応を行い、参考例4(c)の化合物を得た。
(c)7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール
性状;淡黄色固体
CI−MS(m/z);367(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.71−1.80(m,2H),1.80−1.89(m,2H),2.72−2.76(m,2H),2.81−2.86(m,2H),5.12(d,J=4.4Hz,1H),6.33(d,J=4.2Hz,1H),7.18(d,J=12.0Hz,1H),7.27(d,J=16.1Hz,1H),7.36(d,J=12.0Hz,1H),7.37(d,J=8.1Hz,1H),7.41−7.47(m,3H),7.57(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.61(d,J=16.4Hz,1H),7.96(s,1H),8.05−8.08(m,1H),8.47(dd,J=4.8,1.3Hz,1H).
【0149】
参考例5
(a)9−ブロモベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オン
J.Heterocyclic Chem.,23,257(1986)に記載の方法により標題化合物を得た。
性状;淡黄色固体
EI−MS(m/z);285(M+).
CI−MS(m/z);286(M++1).
1H−NMR(δ,CDCl3);6.97(d,J=12.2Hz,1H),7.12(d,J=12.0Hz,1H),7.43(d,J=8.3Hz,1H),7.57(dd,J=5.4,2.7Hz,1H),7.76(dd,J=8.3,2.2Hz,1H),7.93(dd,J=8.1,1.7Hz,1H).8.35(d,J=2.2Hz,1H),8.90(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0150】
(b)9−[(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル]−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オン
9−ブロモベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オン3.13g(11mmol)と6,7−ジフルオロ−2−ビニルキノリン2.74g(14.3mmol)とをN,N−ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、酢酸パラジウム1.15g(5.1mmol)及びトリフェニルホスフィン0.57g(2.2mmol)を添加し、窒素雰囲気にした。次いで、トリエチルアミン2.5ml(17.8mmol)を加え、窒素雰囲気下100℃で1時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を室温まで放冷し、エタノールを加え析出結晶を濾取した。濾集物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=9.5/0.5(容積比))に付し、標題化合物3.50g(8.84mmol)を黄色固体として得た。
1H−NMR(δ,DMSO−d6);7.23(d,J=12.2Hz,1H),7.40(d,J=12.0Hz,1H),7.68(d,J=16.6Hz,1H),7.77(dd,J=8.1,4.4Hz,1H),7.85(d,J=8.5Hz,1H),7.96−8.09(m,4H),8.19−8.26(m,3H),8.42(d,J=8.5Hz,1H),8.86(dd,J=4.4,1.7Hz,1H).
【0151】
(c)9−[(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル]−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オール
9−[(E)−2−(6,7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オン3.5g(8.8mmol)をテトラヒドロフラン300mlに溶解し、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム1.7g(13.2mmol)を添加し、室温で5時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を減圧下乾燥して、標題化合物2.62g(6.58mmol)を淡黄色固体として得た。
EI−MS(m/z);398(M+).
CI−MS(m/z);399(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.24(s,1H),5.90(d,J=4.4Hz,1H),7.15(d,J=11.7Hz,1H),7.29(d,J=12.0Hz,1H),7.42(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.50−7.56(m,2H),7.70(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.90−8.10(m,6H),8.38(d,J=8.6Hz,1H),8.60(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0152】
試験例1
ロイコトリエンD4受容体結合試験
〈受容体標品の調製〉
受容体標品としてモルモットの肺細胞膜画分を使用した。膜画分の調製は、Ahnらの方法(Eur.J.Pharmacol.,127,153−155(1986))に準じて行った。ハートレイ系雄性モルモット(400〜500g、日本エスエルシー社)の肺を摘出し、生理食塩液で潅流した後、10mM PIPES,10mM MgCl2及び10mM CaCl2緩衝液(pH7.5)を加え、ホモジナイズした。これを70,000×gで10分間遠心分離し、膜画分を得た。
【0153】
〈ロイコトリエンD4受容体結合試験〉
ロイコトリエンD4(LTD4)受容体結合試験は、Aharonyらの方法(J.Pharmacol.Expl.Ther.,243,921−926(1987))に準じて行った。受容体標品0.42mgに10mM PIPES、10mM MgCl2及び10mM CaCl2緩衝液(pH7.5)を加え480μlとし、[3H]LTD4(NEN Life Science Products社)および被験化合物のジメチルスルホキシド溶液を10μlづつ添加し、25℃で30分間インキュベートした。これをセルハーべスター(Brandel社 M−30R)を使用してガラス繊維濾紙(Whatman社、GF/C)にて濾過した。濾紙を10mM トリス,100mM NaCl緩衝液(pH7.5)で洗浄し、液体シンチレーター(ナカライテスク社、クリアゾルI)5mlを加え、液体シンチレーションアナライザー(Packard社、2000CA)にて放射能を測定した。LTD4の解離定数(Kd)を求める場合には[3H]LTD4は0.03〜0.5nMを使用し、非放射性LTD4は1μMを添加した。被験化合物の結合阻害定数(Ki)を求める場合には[3H]LTD4は0.2nMを使用した。KdおよびKiは、Bennettらの方法(Neurotransmitter Receptor Binding,2nd ed.,edited by H.I.Yamamura et al.,pp61−89,Raven Press(1985))に従って算出した。
【0154】
【表2】
【0155】
化合物A;3−〔2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)メトキシ−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−11−イル〕チオプロピオン酸(WO94/193445号公報参照)
化合物B;3−{〔2−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−11−イル〕チオ}プロピオン酸(WO01/47889号公報参照)
【0156】
試験例2
ロイコトリエンD4誘発気道狭窄試験
気道狭窄反応は、Konzett and Rosler法(Arch.Exp.Pathol.Pharmakol.,195,71−74(1940))を改変して測定した。ハートレイ系雄性モルモット(400〜500g、日本エスエルシ−社)をペントバルビタール(50mg/kg,s.c.)麻酔後、気管にカニュ−レを挿入して人工呼吸器(Harvard社,Model 683)にて人工呼吸を行った。気道の内圧を、気管カニューレに接続した差圧トランスデューサー(日本光電社、TP−603T)で測定し、気道狭窄の指標とした。
LTD4(0.03,0.06,0.13,0.25,0.5,1.0,2.0μg/kg,Sigma社)は総頚静脈に挿入したカニューレから低用量より5分間隔で静脈内投与し、気道狭窄反応を惹起させ気道内圧の増加量を測定した。被験化合物は0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液に懸濁、あるいは30%プロピレングリコール水溶液に溶解し、LTD4投与の24時間前に経口投与した。動物は被験化合物投与前の24時間絶食した。LTD4の用量反応曲線から50%反応用量(ED50)を求め、対照群の用量反応曲線を高用量側に2倍シフトさせるのに要する被験化合物の投与量を次に示す式より算出し、これをLTD4阻害活性とした。
LTD4阻害活性=(投与した化合物量)/(化合物を投与した群のED50/対照群のED50−1)
【0157】
【表3】
【0158】
化合物A;3−〔2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)メトキシ−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−11−イル〕チオプロピオン酸(WO94/193445号公報参照)
化合物B;3−{〔2−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−11−イル〕チオ}プロピオン酸(WO01/47889号公報参照)
【産業上の利用分野】
本発明は、強力なロイコトリエンD4拮抗作用の他にロイコトリエンC4拮抗作用及びロイコトリエンE4拮抗作用を有し、抗アレルギー薬及び抗炎症薬として有用なベンゾシクロヘプタピリジン化合物又はその薬理上許容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明と同じくロイコトリエンD4拮抗作用を有し、本発明の化合物と類似した構造を有する化合物として、幾つかのジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン化合物が知られている(例えば、特許文献1乃至2参照)。
【0003】
【特許文献1】
WO94/19345号公報
【特許文献2】
WO01/47889号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は強力なロイコトリエンD4拮抗作用を有するとともに、ロイコトリエンC4及びロイコトリエンE4に対しても拮抗作用を有する化合物の合成とその薬理作用について、長年に亘り研究を行った結果、新規なベンゾシクロヘプタピリジン化合物が、優れたロイコトリエンD4拮抗作用を有し、かつロイコトリエンC4及びロイコトリエンE4拮抗作用をもバランス良く有するとともに、優れた経口吸収性及び作用の持続性を有することを見出し本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は一般式(I)
【0006】
【化4】
【0007】
〔式中、Aは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から成る群より選択されるヘテロ原子を1乃至3個を含む5員若しくは6員の複素芳香環基又はこれらの複素芳香環基とベンゼン環とが縮合した複素芳香縮合環基を示し、該複素芳香環基又は複素芳香縮合環基は置換基として、ハロゲン原子、二トロ基、シアノ基、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フルオロC1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基又はC3−C4アルキレン基を有していてもよく、Bは式−CH=CH−、式−CH2O−、式−CH2CH2−、式−CH2S−、式−OCH2−又は式−SCH2−を示し、D又はEは、互いに異なり、炭素原子若しくは窒素原子を示し(但し、D、Eは、同時に同一原子は示さない)、Xは酸素原子、硫黄原子、メチレン基又は式=CH−を示し、Yは、置換基としてハロゲン原子、C1−C4アルキル基若しくはC1−C4アルコキシ基を有していてもよいC1−C10アルキレン基又は式(a)基
【0008】
【化5】
【0009】
(式中、o,pは各々0乃至2の整数を示し、qは1乃至4の整数を示す)を示し、Zは保護されていてもよいカルボキシ基;1H−テトラゾール−5−イル基;式−NH−SO2−R1;又は式−CO−NH−SO2−R1(式中、R1はC1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基又は置換基としてハロゲン原子、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フルオロC1−C4アルコキシ基、ニトロ基若しくはシアノ基を有していてもよいフェニル基を示す)を示し、
【0010】
【化6】
【0011】
は、単結合又は二重結合を示す。〕で表されるベンゾシクロヘプタピリジン化合物又はその薬理上許容される塩に関する。
【0012】
前記一般式(I)で示される化合物において、
Aの「窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から成る群より選択されるヘテロ原子を1乃至3個を含む5員若しくは6員の複素芳香環基又はこれらの複素芳香環基とベンゼン環とが縮合した複素芳香縮合環基」としては、例えば、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール若しくはチアジアゾール基のような5員の複素芳香環基;ピリジン、ピリミジン、ピリダジン若しくはピラジン基のような6員の複素芳香環基;又はベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、キノリン、キナゾリン若しくはキノキサリン基のような複素芳香縮合環基が挙げられ、好ましくは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、キノリン、キナゾリン又はキノキサリン基であり、更に好ましくは、チアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン又はキナゾリン基であり、特に好ましくは、ピリジン、ベンゾチアゾール又はキノリン基である。
【0013】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子;C1−C4アルキル基;フルオロC1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;フルオロC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルチオ基;二トロ基;シアノ基;又はC3−C4アルキレン基等が挙げられる。
【0014】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨード原子が挙げられ、好ましくは、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、更に好ましくは、フッ素原子又は塩素原子である。
【0015】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのC1−C4アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル若しくはt−ブチル基のような直鎖状又は分枝状のC1−C4アルキル基が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、更に好ましくは、メチル又はエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
【0016】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのフルオロC1−C4アルキル基としては、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル若しくは4−フルオロブチル基のようなフッ素原子で1乃至3個置換された直鎖状又は分枝状のC1−C4アルキル基が挙げられ、好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又は2−フルオロエチル基であり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基である。
【0017】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ若しくはt−ブトキシ基のような直鎖状又は分枝状のC1−C4アルコキシ基が挙げられ、好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ又はエトキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
【0018】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのフルオロC1−C4アルコキシ基としては、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−フルオロプロポキシ、3−フルオロプロポキシ若しくは4−フルオロブトキシ基のようなフッ素原子で1乃至3個置換された直鎖状又は分枝状のC1−C4アルコキシ基が挙げられ、好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ又は2−フルオロエトキシ基であり、更に好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ基であり、特に好ましくは、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ基である。
【0019】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのC1−C4アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ若しくはt−ブチルチオ基のような直鎖状又は分枝状のC1−C4アルキルチオ基が挙げられ、好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ又はイソプロピルチオ基であり、更に好ましくは、メチルチオ又はエチルチオ基であり、特に好ましくは、メチルチオ基である。
【0020】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としてのC3−C4アルキレン基としては、例えば、トリメチレン、1−メチルエチレン、テトラメチレン、1,1−ジメチルエチレン又は2−メチルエチレン基のような直鎖状又は分枝状のC3−C4アルキレン基が挙げられ、好ましくは、トリメチレン又はテトラメチレン基であり、特に好ましくは、テトラメチレン基である。該アルキレン基は複素芳香環上の隣接した炭素原子と結合し、5員環若しくは6員環を形成することもある。
【0021】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としては、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、二トロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、トリメチレン又はテトラメチレン基であり、更に好ましくは、フッ素原子、塩素原子、二トロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、エチルチオ、トリメチレン又はテトラメチレン基であり、更により好ましくは、フッ素原子、塩素原子、二トロ、シアノ、メチル、イソプロピル、t−ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ又はテトラメチレン基であり、
特に好ましくは、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル又はテトラメチレン基である。
【0022】
複素芳香環基又は複素芳香縮合環基上の置換基の数は、1乃至4であり、好ましくは、1乃至2である。
【0023】
一般式(I)におけるAとして、具体的には、好ましくは、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、2−若しくは4−イミダゾリル、3−ピラゾリル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−ピリジル、2−若しくは4−ピリミジニル、3−ピリダジニル、2−ピラジニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、キノリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、キノキサリン−2−イル、4−メチル−2−チアゾリル、4−エチル−2−チアゾリル、4−イソプロピル−2−チアゾリル、4−t−ブチル−2−チアゾリル、4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−エチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−t−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5,6−ジエチル−2−ピリジル、6−トリフルオロメチル−2−ピリジル、6−メチルチオ−2−ピリジル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリミジニル、5,6−ジクロロ−2−ピリミジニル、5,6−ジメチル−2−ピリミジニル、6−トリフルオロメチル−2−ピリミジニル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[d]ピリミジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、6−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−シアノ−2−ベンゾオキサゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾオキサゾリル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル、5−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−フルオロキナゾリン−2−イル、5−クロロキナゾリン−2−イル、6−クロロキナゾリン−2−イル、7−クロロキナゾリン−2−イル、7−メチルキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル、7−メトキシキナゾリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、5,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、6,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、5,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、6,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキナゾリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル又は5,6,7−トリフルオロキナゾリン−2−イル基であり、
【0024】
更に好ましくは、2−チアゾリル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、キノリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、4−メチル−2−チアゾリル、4−イソプロピル−2−チアゾリル、4−t−ブチル−2−チアゾリル、4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−t−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリミジニル、5,6−ジクロロ−2−ピリミジニル、5,6−ジメチル−2−ピリミジニル、6−トリフルオロメチル−2−ピリミジニル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[d]ピリミジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、6−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−シアノ−2−ベンゾオキサゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾオキサゾリル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル、5−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−フルオロキナゾリン−2−イル、5−クロロキナゾリン−2−イル、6−クロロキナゾリン−2−イル、7−クロロキナゾリン−2−イル、7−メチルキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル、7−メトキシキナゾリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、5,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、6,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、5,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、6,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキナゾリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル又は5,6,7−トリフルオロキナゾリン−2−イル基であり、
【0025】
更により好ましくは、2−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、キノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル又は5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル基であり、
【0026】
特に好ましくは、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル又は7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イルである。
【0027】
一般式(I)において、Bは、例えば、式−CH=CH−、式−CH2O−、式−CH2CH2−、式−CH2S−、式−OCH2−又は式−SCH2−が挙げられ、好ましくは、式−CH=CH−又は式−CH2O−である。
【0028】
一般式(I)において、D又はEは、独立して、炭素原子若しくは窒素原子を示す。但し、D、Eは、同時に同一原子は示さない。具体的にはD及びEを含む環はピリジン環である。
【0029】
一般式(I)において、Xは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又は式=CH−であり、好ましくは、酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは、硫黄原子である。
【0030】
一般式(I)におけるYの示すC1−C10アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、へプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン若しくはデカメチレン基のような直鎖状のC1−C10アルキレン基が挙げられ、好ましくは、C1−C6アルキレン基であり、更に好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン又はテトラメチレンであり、特に好ましくは、メチレン、エチレン又はトリメチレン基である。該アルキレン基は置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基及びC1−C4アルコキシ基が挙げられ、それぞれ、前記複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基の、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基及びC1−C4アルコキシ基と同意義である。
【0031】
Yの示すC1−C10アルキレン基の置換基であるハロゲン原子は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、更に好ましくは、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好ましくは、フッ素原子である。
Yの示すC1−C10アルキレン基の置換基であるC1−C4アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、更に好ましくは、メチル又はエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
Yの示すC1−C10アルキレン基の置換基であるC1−C4アルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ又はエトキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
【0032】
Yのアルキレン基の置換基としては、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ又はプロポキシ基であり、更に好ましくは、フッ素原子、メチル、エチル又はメトキシ基であり、特に好ましくは、フッ素原子又はメチル基である。
【0033】
Yの式(a)で示される基としては、好ましくは、o=0,p=0,q=1である基(以下(a−1)基と言う)、o=0,p=1,q=1である基(以下(a−2)基と言う)、o=0,p=1,q=2である基(以下(a−3)基と言う)、o=1,p=0,q=1である基(以下(a−4)基と言う)、o=1,p=1,q=1である基(以下(a−5)基と言う)、o=1,p=1,q=2である基(以下(a−6)基と言う)又はo=1,p=1,q=3である基(以下(a−7)基と言う)であり、更に好ましくは、(a−4)基、(a−5)基又は(a−6)基であり、特に更に好ましくは、(a−5)基である。
【0034】
一般式(I)におけるYの好ましい基としては、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、フルオロメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−メトキシエチレン、2−メトキシエチレン、1−フルオロトリメチレン、2−フルオロトリメチレン、3−フルオロトリメチレン、1,1−ジフルオロトリメチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、3,3−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、2,2−ジエチルトリメチレン、2−メトキシトリメチレン、3−メトキシトリメチレン、2,2−ジメトキシトリメチレン、3,3−ジメトキシトリメチレン、(a−1)基、(a−2)基、(a−3)基、(a−4)基、(a−5)基又は(a−6)基であり、更に好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、フルオロメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−フルオロトリメチレン、2−フルオロトリメチレン、3−フルオロトリメチレン、1,1−ジフルオロトリメチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、3,3−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、(a−4)基、(a−5)基又は(a−6)基であり、更により好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン又は(a−5)基であり、特に好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン又は(a−5)基である。
【0035】
Zが示す式−NH−SO2−R1又は式−CO−NH−SO2−R1基において、R1の示すC1−C4アルキル基;フルオロC1−C4アルキル基;又はフェニル基上の置換基であるハロゲン原子、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基若しくはフルオロC1−C4アルコキシ基は、それぞれ、前記複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基としての、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基又はフルオロC1−C4アルコキシ基と同意義である。
【0036】
R1の示すC1−C4アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、更に好ましくは、メチル又はエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
R1の示すフルオロC1−C4アルキル基は、好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又は2−フルオロエチル基であり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基である。
【0037】
R1の示すフェニル基上の置換基であるハロゲン原子は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、更に好ましくは、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好ましくは、フッ素原子である。
R1の示すフェニル基上の置換基であるC1−C4アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、更に好ましくは、メチル又はエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
R1の示すフェニル基上の置換基であるフルオロC1−C4アルキル基は、好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又は2−フルオロエチル基であり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基である。
R1の示すフェニル基上の置換基であるC1−C4アルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ又はエトキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
R1の示すフェニル基上の置換基であるフルオロC1−C4アルコキシ基は、好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ又は2−フルオロエトキシ基であり、更に好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ基であり、特に好ましくは、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ基である。
【0038】
R1としては、具体的には、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、フェニル、(o,m若しくはp−)フルオロフェニル、(o,m若しくはp−)クロロフェニル、(o,m若しくはp−)メチルフェニル、(o,m若しくはp−)エチルフェニル、(o,m若しくはp−)(トリフルオロメチル)フェニル、(o,m若しくはp−)メトキシフェニル、(o,m若しくはp−)エトキシフェニル、(o,m若しくはp−)(ジフルオロメトキシ)フェニル、(o,m若しくはp−)(トリフルオロメトキシ)フェニル、(o,m若しくはp−)ニトロフェニル又は(o,m若しくはp−)シアノフェニル基であり、更に好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、フェニル、(o若しくはp−)フルオロフェニル、(o若しくはp−)クロロフェニル、(o若しくはp−)メチルフェニル、(o若しくはp−)(トリフルオロメチル)フェニル、(o若しくはp−)メトキシフェニル、(o若しくはp−)(ジフルオロメトキシ)フェニル、(o若しくはp−)(トリフルオロメトキシ)フェニル、(o若しくはp−)ニトロフェニル又は(o若しくはp−)シアノフェニル基であり、更により好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニル、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニル、(o若しくはp−)メチルフェニル、p−(トリフルオロメチル)フェニル、(o若しくはp−)メトキシフェニル、p−(ジフルオロメトキシ)フェニル、p−(トリフルオロメトキシ)フェニル、p−ニトロフェニル又はp−シアノフェニル基であり、特に好ましくは、メチル、トリフルオロメチル、フェニル、o−メチルフェニル又はp−メチルフェニル基である。
【0039】
一般式(I)におけるZの好ましい基として、具体的には、カルボキシ、1H−テトラゾ−ル−5−イル、メタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−フルオロフェニルスルホニルアミノ、p−クロロフェニルスルホニルアミノ、o−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノ、o−メトキシフェニルスルホニルアミノ、p−メトキシフェニルスルホニルアミノ、p−ジフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノ、p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノ、p−ニトロフェニルスルホニルアミノ、p−シアノフェニルスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル、フェニルスルホニルアミノカルボニル、p−フルオロフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−クロロフェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−メトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−ジフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−ニトロフェニルスルホニルアミノカルボニル又はp−シアノフェニルスルホニルアミノカルボニル基であり、
【0040】
更に好ましくは、カルボキシ、1H−テトラゾール−5−イル、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、o−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル、フェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル又はp−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基であり、更により好ましくは、カルボキシ、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル又はトリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル基であり、特に好ましくは、カルボキシ基である。
【0041】
なお、Zがカルボキシ基である場合、そのカルボキシ基が、保護基で保護されていてもよい。保護基としては、生体内で容易に脱保護されてカルボキシ基に変換されるものであれば特に限定されず、例えば、前記複素芳香環基又は複素芳香縮合環基の置換基として定義したものと同意義の無置換のC1−C4アルキル基;ベンジル、フェニルエチル若しくはフェニルプロピル基のようなC7−C10アラルキル基;アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、1−アセトキシプロピル、1−アセトキシブチル、プロパノイルオキシメチル、1−プロパノイルオキシエチル、ブタノイルオキシメチル、1−ブタノイルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、1−ピバロイルオキシエチル、1−ピバロイルオキシプロピル若しくは1−ピバロイルオキシブチル基のようなC2−C5アルカノイルオキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;メトキシカルボニルオキシメチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル、エトキシカルボニルオキシメチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、プロポキシカルボニルオキシメチル、オキシメチルカルボニルオキシメチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、t−ブトキシカルボニルオキシメチル若しくは1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル基のような(C1−C4アルコキシ)カルボニルオキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、2−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)エチル若しくはN,N−ジエチルアミノカルボニルメチル基のようなN,N−ジ(C1−C4アルキル)アミノカルボニル基で置換されたC1−C4アルキル基;2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−ピペリジノエチル、2−(4−メチル)ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル若しくは2−モルホリノエチル基のようなN,N−ジ(C1−C4アルキル)アミノ基又は酸素原子を含んでいてもよい5乃至6員の環状アミノ基で置換されたC1−C4アルキル基;或いは(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基等が挙げられる。
【0042】
カルボキシ基の保護基としては、好ましくは、C1−C4アルキル基;ベンジル基;C2−C5アルカノイルオキシ基で置換されたC1−C2アルキル基;(C1−C4アルコキシ)カルボニルオキシ基で置換されたC1−C2アルキル基;又は(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基であり、更に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、ピバロイルオキシメチル又は1−ピバロイルオキシエチル基である。
【0043】
本発明の化合物(I)には、分子中の不斉炭素原子に基づく光学異性体(ジアステレオマ−を含む)が存在し、又は、二重結合に基づく幾何異性体が存在する場合があるが、これらの各異性体も本発明に含まれる。
また本発明の化合物(I)は必要に応じて薬理上許容される塩にする事ができる。そのような塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩若しくはリン酸塩のような鉱酸の酸付加塩;トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩若しくはクエン酸塩のような有機酸の酸付加塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩若しくはアルミニウム塩のようなカルボン酸の金属塩;又はアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、グアニジン塩、ヒドラジン塩、キニ−ネ塩若しくはシンコニン塩のような有機塩基との塩等の薬理上許容される塩が挙げられる。
なお、本発明の化合物(I)は、水和物としても存在することができる。
【0044】
本発明の前記一般式(I)を有するベンゾシクロヘプタピリジン化合物において、好ましくは、
(1).式(I)で示される化合物のAが、2−チアゾリル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、キノリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、4−メチル−2−チアゾリル、4−イソプロピル−2−チアゾリル、4−t−ブチル−2−チアゾリル、4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−t−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリミジニル、5,6−ジクロロ−2−ピリミジニル、5,6−ジメチル−2−ピリミジニル、6−トリフルオロメチル−2−ピリミジニル、5H−6,7−ジヒドロシクロペンタ[d]ピリミジン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、6−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−シアノ−2−ベンゾオキサゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾオキサゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾオキサゾリル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル、5−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−フルオロキナゾリン−2−イル、5−クロロキナゾリン−2−イル、6−クロロキナゾリン−2−イル、7−クロロキナゾリン−2−イル、7−メチルキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル、7−メトキシキナゾリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキナゾリン−2−イル、5,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、6,7−ジフルオロキナゾリン−2−イル、5,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、6,7−ジクロロキナゾリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキナゾリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキナゾリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキナゾリン−2−イル及び5,6,7−トリフルオロキナゾリン−2−イル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(2).式(I)で示される化合物のAが、2−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、キノリン−2−イル、5,6−ジフルオロ−2−ピリジル、5,6−ジクロロ−2−ピリジル、5,6−ジメチル−2−ピリジル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジフルオロ−2−ベンゾチアゾリル、6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル、5,6−ジクロロ−2−ベンゾチアゾリル、5−クロロ−6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−シアノ−2−ベンゾチアゾリル、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチルチオ−2−ベンゾチアゾリル、5−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、5−クロロキノリン−2−イル、6−クロロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、7−メチルキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル、7−メトキシキノリン−2−イル、7−ジフルオロメトキシキノリン−2−イル、7−トリフルオロメトキシキノリン−2−イル、5,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、5,7−ジクロロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル、5−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、6−クロロ−7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−5−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロ−6−シアノキノリン−2−イル、7−シアノ−6−フルオロキノリン−2−イル、6−フルオロ−7−トリフルオロメチルキノリン−2−イル及び5,6,7−トリフルオロキノリン−2−イル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(3).式(I)で示される化合物のAが、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル、7−フルオロキノリン−2−イル、7−クロロキノリン−2−イル、6,7−ジフルオロキノリン−2−イル、6,7−ジクロロキノリン−2−イル及び7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(4).式(I)で示される化合物のBが、式−CH=CH−又は式−CH2O−であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(5).式(I)で示される化合物のXが、酸素原子又は硫黄原子であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(6).式(I)で示される化合物のXが、硫黄原子であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(7).式(I)で示される化合物のYが、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、フルオロメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−メトキシエチレン、2−メトキシエチレン、1−フルオロトリメチレン、2−フルオロトリメチレン、3−フルオロトリメチレン、1,1−ジフルオロトリメチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、3,3−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、2,2−ジエチルトリメチレン、2−メトキシトリメチレン、3−メトキシトリメチレン、2,2−ジメトキシトリメチレン、3,3−ジメトキシトリメチレン、(a−1)基、(a−2)基、(a−3)基、(a−4)基、(a−5)基及び(a−6)基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(8).式(I)で示される化合物のYが、メチレン、エチレン、トリメチレン、フルオロメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−フルオロトリメチレン、2−フルオロトリメチレン、3−フルオロトリメチレン、1,1−ジフルオロトリメチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、3,3−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、(a−4)基、(a−5)基及び(a−6)基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(9).式(I)で示される化合物のYが、メチレン、エチレン、トリメチレン、ジフルオロメチレン、1−フルオロエチレン、2−フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、2,2−ジフルオロエチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、2,2−ジフルオロトリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン及び(a−5)基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(10).式(I)で示される化合物のYが、メチレン、エチレン、トリメチレン、エチリデン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン及び(a−5)基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(11).式(I)で示される化合物のZが、カルボキシ、1H−テトラゾール−5−イル、メタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−フルオロフェニルスルホニルアミノ、p−クロロフェニルスルホニルアミノ、o−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノ、o−メトキシフェニルスルホニルアミノ、p−メトキシフェニルスルホニルアミノ、p−ジフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノ、p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノ、p−ニトロフェニルスルホニルアミノ、p−シアノフェニルスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル、フェニルスルホニルアミノカルボニル、p−フルオロフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−クロロフェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−メトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−ジフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニルアミノカルボニル、p−ニトロフェニルスルホニルアミノカルボニル及びp−シアノフェニルスルホニルアミノカルボニル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(12).式(I)で示される化合物のZが、カルボキシ、1H−テトラゾール−5−イル、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、o−メチルフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル、フェニルスルホニルアミノカルボニル、o−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル及びp−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(13).式(I)で示される化合物のZが、カルボキシ、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル及びトリフルオロメタンスルホニルアミノカルボニル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(14).式(I)で示される化合物のZが、カルボキシ基であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(15).式(I)で示される化合物のZがカルボキシ基である場合の保護基が、C1−C4アルキル基;ベンジル基;C2−C5アルカノイルオキシ基で置換されたC1−C2アルキル基;(C1−C4アルコキシ)カルボニルオキシ基で置換されたC1−C2アルキル基;及び(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(16).式(I)で示される化合物のZがカルボキシ基である場合の保護基が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、ピバロイルオキシメチル及び1−ピバロイルオキシエチル基から成る群より選択されたものであるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(17).式(I)で示される化合物のDが窒素原子、Eが炭素原子であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物、
(18).式(I)で示される化合物のDが炭素原子、Eが窒素原子であるベンゾシクロヘプタピリジン化合物であり、Aに関しては(1)から(3)の順で好ましい順位が上がり、Xに関しては(5)から(6)の順で好ましい順位が上がり、Yに関しては(7)から(10)の順で好ましい順位が上がり、Zに関しては(11)から(14)の順で好ましい順位が上がり、Zがカルボキシ基である場合の保護基に関しては(15)から(16)の順で好ましい順位が上がる。
また、前記一般式(I)を有するベンゾシクロヘプタピリジン化合物としては、上記(1)から(17)の二つ以上の組み合わせからなるベンゾシクロヘプタピリジン化合物も好ましい。
【0045】
化合物(I)における好ましい化合物として、以下の第1表の化合物を具体的に例示することができる。
【0046】
【化7】
【0047】
【表1】
[第1表]
【0048】
尚、上記表において、略号は
t−Bu:t−ブチル基、 BT:2−ベンゾチアゾリル基、 Tet:1H−テトラゾール−5−イル基、 Ph:フェニル基、 Py:2−ピリジル基、 Q:キノリン−2−イル基、 T:2−チアゾリル基、 TQ:5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル基を示し、
−OCH2C(CH2CH2)CH2COOH、−SCH2C(CH2CH2)CH2COOHにおけるCH2C(CH2CH2)CH2部分は、o=1、p=1、q=1である(a)式を示し、−SCH2C(CH2CH2)COOHにおけるCH2C(CH2CH2)部分は、o=1、p=0、q=1である(a)式を示す。
【0049】
より好ましい化合物としては、化合物No. 1,3,4,6,7,8,9,14,15,16,17,35,37,38,40,41,42,43,48,49,50,51,69,71,72,74,75,76,77,82,83,84,85,103,105,106,108,109,110,111,116,117,118,119,137,139,140,142,143,144,145,150,151,152,153,171,173,174,176,177,178,179,184,185,186,187,205,207,208,210,211,212,213,218,219,220,221,239,241,242,244,245,246,247,252,253,254,255,273,274,275,276,277,278,285,286,296,297,298,299,300,301,307,308,309,321,322,323,324,333,334,335,336,345,346,347,348,357,358,359,360,369,370,376,377,382,383,388,389,394,395,397,398,447,449,450,452,453,454,455,460,461,462,463,481,483,484,486,487,488,489,494,495,496,497,515,517,518,520,521,522,523,528,529,530,531,549,551,552,554,555,556,557,562,563,564,565,583,585,586,588,589,590,591,596,597,598,599,617,619,620,622,623,624,625,630,631,632,633,651,653,654,656,657,658,659,664,665,666,667,685,687,688,690,691,692,693,698,699,700,701,719,720,721,722,723,724,731,732,742,743,744,745,746,747,753,754,755,767,768,769,770,779,780,781,782,791,792,793,794,803,804,805,806,815,816,822,823,828,829,834,835,840,841,843又は844の化合物であり、
【0050】
更に好ましくは、化合物No. 1,3,4,6,7,8,9,16,17,69,71,72,74,75,76,77,84,85,137,139,140,142,143,144,145,152,153,205,207,208,210,211,212,213,220,221,273,274,275,276,277,278,285,286,447,449,450,452,453,454,455,462,463,515,517,518,520,521,522,523,530,531,583,585,586,588,589,590,591,598,599,651,653,654,656,657,658,659,666,667,719,720,721,722,723,724,731又は732の化合物であり、
【0051】
更により好ましくは、化合物No. 1,3,7,8,17,69,71,74,75,76,77,84,85,208,212,221,277,286,447,449,453,454,463,515,517,520,521,522,523,530,531,654,658,667,723又は732の化合物である。
【0052】
特に好ましくは、
化合物No.7;2−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸、
化合物No.8;3−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸、
化合物No.17;3−{[7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸、
化合物No.74;〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ酢酸、
化合物No.75;2−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸、
化合物No.76;3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸、
化合物No.84;4−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−3,3−ジメチルブタン酸、
化合物No.85;3−{[7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸、
化合物No.212;3−{[7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオ}プロピオン酸、
化合物No.221;3−{[7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸、
化合物No.277;3−{〔7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸又は
化合物No.286;3−{[7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸である。
【0053】
本発明の一般式(I)で示される化合物は、例えば、以下に示す製法A、B、C、D、E又はFによって製造することができる。
【0054】
【化8】
製法A
【0055】
【化9】
製法B
【0056】
【化10】
製法C
【0057】
【化11】
製法D
【0058】
【化12】
製法E
【0059】
【化13】
製法 F
【0060】
上記の製法AからF中、R1、A、B、E、D、X、Y及びZは前記と同じ意味を有し、Lは、ハロゲン原子、C1−C4アルキルスルホニルオキシ基、フルオロC1−C4アルキルスルホニルオキシ基又は置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基(該置換基は、C1−C4アルキル基若しくはハロゲン原子である)を示し、R2はC1−C4アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基(該置換基は、C1−C4アルキル基若しくはハロゲン原子である)を示し、Tetは1H−テトラゾール−5−イル基を示し、Halはハロゲン原子を示し、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基を示す。
【0061】
製法Aは、化合物(I)を得る製法である。
製法Aの工程A1は、化合物(II)をハロゲン化又はスルホニル化して化合物(III)を合成する工程である。
化合物(II)のハロゲン化は、化合物(II)とハロゲン化剤とを、溶媒中又は無溶媒で(好ましくは、溶媒中)、反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン若しくはトルエン等の芳香族炭化水素類;又はヘプタン、ヘキサン若しくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が挙げられ、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類である。
ハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル、臭化チオニル、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン又は五塩化リン等が挙げられ、好ましくは、塩化チオニル又はオキシ塩化リンである。ハロゲン化剤の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは−10乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは10分間乃至5時間である。
【0062】
化合物(II)のスルホニル化は、化合物(II)とスルホニル化剤とを、塩基の存在下、溶媒中又は無溶媒で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド及び前記ハロゲン化反応で使用したと同様の溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類又は脂肪族炭化水素類)が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフランである。
スルホニル化剤としては、例えば、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ベンゼンスルホニルクロリド、トルエンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルブロミド又はトルエンスルホニルブロミド等が挙げられ、好ましくは、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド又はトルエンスルホニルクロリドである。スルホニル化剤の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至3倍モル量である。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン,ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジンである。塩基の使用量は、スルホニル化剤1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。なお、塩基は、大過剰に用いることにより溶媒としても用いることができる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−10乃至100℃、好ましくは0乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間である。
なお、化合物(III)は、通常の方法により反応混合物から分離、精製することができるが、反応液を濃縮して得られる粗生成物をそのまま次の工程に用いることもできる。
【0063】
工程A2は、化合物(III)と化合物(IV)とを反応させて、化合物(I)を合成する工程である。
本工程は、化合物(III)と化合物(IV)とを、塩基の存在下又は非存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
化合物(IV)の使用量は、化合物(III)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド若しくはヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン若しくはメチルイソブチルケトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;酢酸エチル等のエステル類;又はジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエ−テル類、又はこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、非プロトン性極性溶媒、エ−テル類又はこれらの混合溶媒である。
使用される塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム若しくは水酸化リチウム等のアルカリ金属水素化物;ナトリウムアミド等のアルカリ金属アミド類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン若しくは4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類;又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム若しくは炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩が挙げられ、好ましくは、アミン類又はアルカリ金属水素化物である。塩基の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。なお、本反応において、塩基の使用は必須ではないが、使用することが好ましい。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−50乃至150℃、好ましくは−10乃至100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間である。
【0064】
工程A3は、化合物(I)を別途に得るための工程であり、特に、Xが硫黄原子である場合には好適に採用される。
本工程は、化合物(II)と化合物(IV)とを、酸触媒の存在下、溶媒中又は無溶媒で反応させることにより行われる。
化合物(IV)の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1乃至5倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール若しくはブタノール等のアルコ−ル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド若しくはヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;又はジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル類が挙げられ、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類である。
使用される酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸若しくはリン酸等の鉱酸類;メタンスルホン酸若しくはトリフルオロ酢酸等の有機酸類;又は三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、塩化亜鉛、四塩化錫若しくは塩化アルミニウム等のルイス酸類が挙げられ、好ましくは、有機酸類又は三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体である。触媒の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常0.1乃至50倍モル量、好ましくは1乃至10倍モル量である。なお、有機酸類を用いる場合は、大過剰に用いることにより溶媒としても用いることもできる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−10乃至100℃、好ましくは0乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは10分間乃至5時間である。
【0065】
なお、化合物(I)において、Zがカルボキシ基である化合物(後記化合物Ic)は、Zがカルボキシ基である化合物(IV)を用いて、直接製造するか、又は、Zが保護されたカルボキシ基である化合物(IV)(該保護基は、好ましくは、C1−C4アルキル基である)を用いて、一旦、Zが保護されたカルボキシ基である化合物(I)に導いた後、該保護基を酸性又はアルカリ性条件下、常法により加水分解することによっても合成される。
また、化合物(I)において、Zがカルボキシ基である化合物(Ic)は、公知の方法により、容易に所望の保護基を導入することができる(例えば、W.Greene and P.G.H.Wult著“Protective Group in Organic Synthesis”2nd Ed.,JohnWiley & Sons,224頁参照)。
【0066】
製法Bは、化合物(I)においてXが硫黄原子である化合物(Ia)を得る製法である。
工程B1の化合物(II)又は化合物(III)とチオカルボン酸(V)とから化合物(VI)を得る反応は、化合物(IV)の代わりにチオカルボン酸(V)を使用する他は、前記製法Aの工程A2又は工程A3において記載した方法と同様に行われる。
工程B2において、化合物(VI)をアルカリ性条件下、常法により加水分解することにより、化合物(VII)が合成される。
工程B3は、化合物(VII)と化合物(VIII)とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。本反応は、化合物(II)の代わりに化合物(VII)を使用し、化合物(IV)の代わりに化合物(VIII)を使用した他は、前記工程A2において記載した方法と同様に行われる。
【0067】
製法Cは、化合物(I)においてZが1H−テトラゾール基である化合物(Ib)を得る製法である。
工程C1において、化合物(II)又は化合物(III)と化合物(IX)とから化合物(X)を得る反応は、化合物(IV)の代わりに化合物(IX)を使用した他は、前記A法の工程A2又は工程A3において記載したのと同様に行われる。
【0068】
工程C2において、化合物(X)とアジド化合物とを、溶媒中で反応させることにより化合物(Ib)が合成される。
使用されるアジド化合物としては、例えば、アジ化ナトリウム、アジ化カリウム若しくはアジ化リチウム等のアルカリ金属アジド類;アジ化カルシウム若しくはアジ化マグネシウム等のアルカリ土類金属アジド類;又はトリメチル錫アジド、トリブチル錫アジド若しくはトリフェニル錫アジド等の有機錫アジド類が挙げられる。アジド化合物の使用量は、化合物(X)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。該反応において、アジド化合物は、単独で用いるほか、例えば、塩化アルミニウム,塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化チタン若しくは三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル複合体等のルイス酸類;塩化アンモニウム若しくは塩化テトラメチルアンモニウム等のアンモニウム塩類;メタンスルホン酸若しくはエタンスルホン酸等のスルホン酸類;塩化リチウム等のアルカリ金属塩化物類;又はトリエチルアミン塩酸塩等のアミン塩類と併用してもよい。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素類;又はへキサン若しくは石油エーテル等の脂肪族炭化水素類が挙げられる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至200℃、好ましくは50乃至150℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常1時間乃至72時間、好ましくは3時間乃至48時間である。
【0069】
製法Dは、化合物(I)においてZが−CO−NH−SO2−R1基である化合物(Id)を得る製法である。
工程D1は、化合物(Ic)と化合物(XI)とを、縮合剤の存在下、溶媒中で反応させる方法(工程D1a)、又は化合物(Ic)を、溶媒中で一旦その反応性誘導体に導いた後(工程D1b)、その反応性誘導体と化合物(XI)とを塩基の存在下、溶媒中で反応させる(工程D1c)方法によって行われる。
【0070】
工程D1aにおいて使用される縮合剤としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC),N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルリン酸アジド、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾ−ル−1−イルオキシ−トリス−(ジメチアミノ)ホスホニウム(BOP)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス−ピロリジノホスホニウム(PyBOP)、ヘキサフルオロリン酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HBTU)、又はテトラフルオロホウ酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(TBTU)等が挙げられ、好ましくは、DCC又はEDCである。縮合剤の使用量は、化合物(Ic)1モルに対して、通常1乃至5倍モル量、好ましくは1乃至3倍モル量が用いられる。
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒;又は塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類であり、これらは単独若しくは混合溶媒として用いることができる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは0乃至50℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常30分間乃至24時間、好ましくは1時間乃至10時間である。
【0071】
工程D1bにおける化合物(Ic)の反応性誘導体としては、例えば、化合物(Ic)の酸ブロミド化物若しくは酸クロリド化物のような化合物(Ic)の酸ハライド誘導体;又は化合物(Ic)とイミダゾール、ジメチルピラゾール若しくはトリアゾ−ル等とから得られる化合物(Ic)の反応性アミド誘導体等が挙げられ、好ましくは、酸ハライド誘導体である。
化合物(Ic)の酸ハライド化物は常法に従って製造することができ、例えば、化合物(Ic)を、溶媒中(例えば、塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等)で、ハロゲン化剤(例えば、塩化チオニル、臭化チオニル又は五塩化リン等)と反応させることにより合成することができる。
【0072】
また、化合物(Ic)の活性化アミド誘導体も常法に従って製造することができ、例えば、化合物(Ic)のイミダゾリド化物の場合は、化合物(Ic)を、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒;又は塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類)中、1,1’−カルボニルジイミダゾールと反応させて合成することができる。
化合物(Ic)の反応性誘導体は生成後、濃縮して分離することなく、そのまま次の工程D1cに用いることができる。
【0073】
工程D1cにおける化合物(Ic)の反応性誘導体と化合物(XI)との反応において使用される化合物(XI)の使用量は、化合物(Ic)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは、1乃至5倍モル量である。
使用される塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又は1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、トリブチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンである。塩基の使用量は、化合物(Ic)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒;又は塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類であり、これらは単独若しくは混合溶媒として用いることができる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至150℃、好ましくは10乃至100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至48時間、好ましくは30分間乃至24時間である。
【0074】
また、化合物(Id)は、化合物(XII)を経由する方法によっても製造できる。
工程D2は化合物(Ic)のカルボキシ基をアミド化して化合物(XII)を得る工程であり、公知の方法の中から適宜採用して行われる。例えば、前記化合物(Ic)の反応性誘導体とアンモニアを反応させることにより容易に化合物(XII)を製造することができる。
工程D3は、化合物(XII)と化合物(XIII)とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
化合物(XIII)の使用量は、化合物(XII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用する溶媒、塩基は、前記工程D1cにおいて記載したものと同様のものが挙げられ、反応も工程D1cと同様な条件下で行われる。
【0075】
製法Eは、化合物(I)においてZが−NH−SO2−R1基である化合物(Ie)を得る製法である。
工程E1において、化合物(II)又は化合物(III)と化合物(XIV)とから化合物(XV)を得る反応は、化合物(IV)に代えて化合物(XIV)を使用した他は、前記A法において記載したと同様の方法によって行われる。
工程E2は、化合物(XV)と化合物(XIII)とを、塩基の存在下、溶媒中又は非溶媒下で反応させることにより行われる。
化合物(XIII)の使用量は、化合物(XV)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用される溶媒としては、前記工程D1cにおいて記載したと同様の溶媒が挙げられるが、好ましくはハロゲン化炭化水素類又は非プロトン性極性溶媒である。使用される塩基としては、前記工程D1cにおいて記載したと同様の塩基が挙げらる。また、本反応においては、塩基を溶媒も兼ねて大過剰を用いることもできる。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは0乃至50℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間で行われる。
【0076】
製法Fは、化合物(I)においてXがメチレン基であり、Bが−CH=CH−である化合物(If)及び、化合物(I)においてXがメチレン基であり、Bが−CH2O−である化合物(Ig)を得る製法である。
工程F1は、化合物(XVI)をトリフレート化して化合物(XVII)を合成する工程である。
化合物(XVI)のトリフレート化は、化合物(XVI)とトリフレート化剤とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン若しくはトルエン等の芳香族炭化水素類;又はヘプタン、ヘキサン若しくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が挙げられ、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類である。
トリフレート化剤としては、例えば、トリフルオロメタンスルホニルクロリド若しくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物などが挙げられ、好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸無水物である。トリフレート化剤の使用量は、化合物(XVI)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジンである。塩基の使用量は、トリフレート化剤1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは−10乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間である。
【0077】
工程F2は化合物(XVII)と化合物(XVIII)とを、窒素,ヘリウム又はアルゴンのような不活性気体雰囲気下で、触媒(パラジウム触媒)と塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の極性溶媒又はアセトニトリル等の溶媒が挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミンである。塩基の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
また、前記アミン類単独の代わりに、テトラブチルアンモニウムクロリド又はテトラブチルアンモニウムブロミド等の4級アミン類と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩とを組み合わせて混合物として用いることもできる。この場合の混合物の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
【0078】
パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、酢酸パラジウム−トリフェニルホスフィン、ジクロロビストリフェニルフホスフィン又はテトラキストリフェニルフホスフィンなどが挙げられ、好ましくは、酢酸パラジウム−トリフェニルホスフィン又はテトラキストリフェニルフホスフィンである。パラジウム触媒の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常0.01乃至1倍モル量、好ましくは0.01乃至0.3倍モル量である。
また、反応に塩化リチウム又は臭化リチウムなどを共存させてもよい。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0℃乃至200℃、好ましくは50℃乃至150℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常30分間乃至48時間、好ましくは1時間乃至24時間である。
工程F3は、化合物(XVI)と化合物(XIX)とを、塩基の存在下又は非存在下、溶媒中で反応させることにより行われ、化合物(III)に代えて化合物(XVI)を使用し、化合物(IV)に代えて化合物(XIX)を使用した他は、前記工程A2において記載したのと同様の方法で行われる。
【0079】
上記の各反応において、生成した目的化合物は、常法に従って反応混合物から採取される。例えば、不溶物が存在する場合には、適宜濾去した後、溶媒を留去することによって、又は、溶媒を減圧留去し、残留物に水を加え、酢酸エチル等の水不混和性有機溶媒で抽出し、必要ならば、無水硫酸ナトリウム等で乾燥した後、溶媒を留去することによって得ることができ、更に必要ならば、常法、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等で更に精製することができる。
【0080】
また、本発明の一般式(I)の化合物は、常法に従って、酸又は塩基で処理することによって、薬理上許容される塩に変換することができる。例えば、不活性溶媒(好ましくは、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン若しくはジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール若しくはブタノール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;又は、水)中、所望の酸又は塩基と反応させ、溶媒を留去することによって、あるいは、析出した結晶を濾取することによって、目的の塩を得る事ができる。また、最終反応工程の反応混合物から直接、塩として分離することもできる。
【0081】
更に、一般式(I)の化合物には、不斉炭素に基づく光学異性体(ジアステレオマーを含む)、及び/又は、不飽和炭素に基づく幾何(E,Z)異性体が存在する。これら各異性体は、対応するラセミ体或いは幾何異性体混合物を、通常の光学分割法(分別晶析法、光学分割カラムクロマトグラフィー法又はジアステレイマ−法など)又は分離法(再結晶法、カラムクロマトグラフィー法など)に従って処理することによって、分離することができる。例えば、光学活性体を分離する場合には、ラセミ体の化合物(I)を光学活性なスルホン酸化合物((S)又は(R)−カンファー−10−スルホン酸など)と反応させて、ジアステレオマー塩の一方を得、必要ならば更に精製した後、得られたジアステレオマー塩を常法に従って分解することにより、光学活性体を得ることができる。また、光学分割又は分離された原料化合物を用いて上記の反応を行うことによっても、所望の光学異性体又は幾何異性体を得ることができる。
【0082】
上記の製法A、B、C、D、E又はFにおいて出発物質として使用される化合物及びその他の副原料はいずれも公知化合物であるか又は公知の方法に従って容易に製造される。また、化合物(II)及び(XVI)は以下に示す製法G、H、I、J、K、L及びMを適宜選択するか、又は組み合わせることによって製造される。
【0083】
【化14】
製法G
【0084】
【化15】
製法H
【0085】
【化16】
製法I
【0086】
【化17】
製法J
【0087】
【化18】
製法K
【0088】
【化19】
製法L
【0089】
【化20】
製法M
【0090】
(上記製法G、H、I、J、K、L、M中、A、D、E、Tf及びHalは前記と同意義を有し、R3は、C1−C4アルキル基を示す。)
【0091】
製法Gは、化合物(II)で示される化合物の内で、Bが式−CH=CH−である化合物(IIa)を得る製法である。
工程G1は、化合物(XVI)をトリフレート化して化合物(XVII)を合成する工程である。
工程G1の化合物(XVI)のトリフレート化は、化合物(XVI)とトリフレート化剤とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素若しくは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン若しくはトルエン等の芳香族炭化水素類;又はヘプタン、ヘキサン若しくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が挙げられ、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類である。
トリフレート化剤としては、例えば、トリフルオロメタンスルホニルクロリド若しくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物などが挙げられ、好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸無水物である。トリフレート化剤の使用量は、化合物(XVI)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジンである。塩基の使用量は、トリフレート化剤1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−20乃至100℃、好ましくは−10乃至30℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至5時間である。
【0092】
工程G2は、化合物(XVII)と化合物(XVIII)とを反応させて、化合物(XIX)を合成する工程である。工程G2は、化合物(XVII)と化合物(XVIII)とを、窒素,ヘリウム又はアルゴンのような不活性気体雰囲気下で、触媒(パラジウム触媒)と塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の極性溶媒又はアセトニトリル等の溶媒が挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン又は4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミンである。塩基の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
また、アミン類単独の代わりに、テトラブチルアンモニウムクロリド又はテトラブチルアンモニウムブロミド等の4級アミン類と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩とを組み合わせて混合物としても用いることもできる。混合物の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至2倍モル量である。
【0093】
パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、酢酸パラジウム−トリフェニルホスフィン、ジクロロビストリフェニルフホスフィン又はテトラキストリフェニルフホスフィンなどが挙げられ、好ましくは、酢酸パラジウム−トリフェニルホスフィン又はテトラキストリフェニルフホスフィンである。パラジウム触媒の使用量は、化合物(XVII)1モルに対して、通常0.01乃至1倍モル量、好ましくは0.01乃至0.3倍モル量である。
また、反応に塩化リチウム又は臭化リチウムなどを共存させてもよい。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0℃乃至200℃、好ましくは50℃乃至150℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常30分間乃至48時間、好ましくは1時間乃至24時間である。
【0094】
工程G3の化合物(XIX)から化合物(IIa)への還元反応は、溶媒中、還元剤を用いて行われる。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化シアノホウ素ナトリウム,水素化トリメトキシホウ素ナトリウム及び水素化リチウムアルミニウム等が挙げられ、好ましくは水素化トリメトキシホウ素ナトリウムである。還元剤の使用量は、化合物(XIX)1モルに対して、通常 1乃至5倍モル量、好ましくは1乃至2.5倍モル量である。
使用される溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール若しくはブタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン若しくは1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド若しくはN−メチルピロリドン等のアミド類;水又はそれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフラン又はテトラヒドロフランとの混合溶媒である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−10乃至150℃、好ましくは0乃至100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常10分間乃至10時間、好ましくは30分間乃至6時間で行われる。
【0095】
工程G4は、化合物(XIX)を製造するための別法であり、原料化合物として化合物(XVII)の代わりに化合物(XX)(好ましくは、Halとして、臭素原子又はヨウ素原子である)を使用した他は、前記工程F2と同様な条件で行われる。例えば化合物(XXa;Hal=Br、D=窒素、E=炭素)及び化合物(XXb;Hal=Br、D=炭素、E=窒素)は各々、J.Heterocyclic Chem.,23,1331(1986)及びJ.Heterocyclic Chem.,23,257(1986)を参照することで合成できる。
【0096】
製法Hは、化合物(II)で示される化合物の内、Bが式−O−CH2−である化合物(IIb)を得る製法である。
工程H1は化合物(XVI)と化合物(XIX)とを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることにより行われ、化合物(III)に代えて化合物(XVI)を使用し、化合物(IV)に代えて化合物(XIX)を使用した他は、前記工程A2において記載したのと同様の方法で行われる。
工程H2の化合物(XXII)から化合物(IIb)への還元反応は、溶媒中、還元剤を用いて行われる。化合物(XIX)に代えて化合物(XXI)を使用した他は、前記工程G3と同様の方法で行われる。
【0097】
製法Iは、化合物(XVI)の製造方法であり、例えば公知の化合物(XXIIa(D=窒素原子、E=炭素原子))(Arzneim.Forsch.,22,133(1972)参照)を用いて製造することができる。
工程I1は単結合を二重結合にする脱水素工程であり、硫黄を用いる方法(Arzneim.Forsch.,22,133(1972)参照)、二酸化セレンを用いる方法(J.Heterocyclic Chem.,23,257(1986)参照)により行われる。
製法I2は化合物(XXIII)を脱メチル化して化合物(XVI)を製造する方法である。化合物(XXIII)の脱メチル化反応は、公知の方法(W.Greene and P.G.H.Wult著“Protective Group in Organic Synthesis”2nd Ed.,JohnWiley & Sons,146頁参照)、例えば、臭化水素酸又はヨウ化水素酸を用いる方法、或いは、三臭化ホウ素又はヨウ化トリメチルシランを用いる方法等を採用して行われる。
【0098】
製法Jは一般式(I)で示される化合物の内、Xがメチレン基である化合物である化合物(If)及び(Ig)へ至る中間体化合物(XVIa)を得る製法である。
工程J1は、溶媒中、化合物(XXIII)にアセチレン化合物(XXIV)を反応させ、化合物(XXV)を製造する工程である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類が好ましい。
アセチレン化合物(XXIV)の使用量は、化合物(XXIII)1モルに対して、通常1乃至2倍モル量、好ましくは1乃至1.5倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至100℃、好ましくは0乃至30℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至12時間、好ましくは30分間乃至6時間である。
【0099】
工程J2における、化合物(XXV)から化合物(XXVI)を製造する反応は、溶媒中、酸触媒の存在下に転位反応させることにより行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類と水の混合溶媒が挙げられ、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランおよびN,N−ジメチルホルムアミドと水との混合溶媒である。
使用される酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類;メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸類が挙げられる。触媒の使用量は、化合物(XXV)1モルに対して、通常1乃至100倍モル量、好ましくは1乃至50倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至100℃、好ましくは0乃至30℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常5分間乃至48時間、好ましくは30分間乃至24時間である。
【0100】
工程J3は、塩基存在下、溶媒中で化合物(XXVI)と化合物(XXVII)とを反応させることにより、化合物(XXVIII)を得る工程である。
化合物(XXVII)の使用量は、化合物(XXVI)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至5倍モル量である。
使用される塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウムなどのアルカリ金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類;メチルリチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム類;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド類を挙げることができ、特にアルカリ金属水素化物が好ましい。塩基の使用量は、化合物(XXVII)1モルに対して、通常1乃至5倍モル量、好ましくは、1乃至2倍モル量である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエ−テル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられ、好ましくは、エ−テル類である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常−50℃乃至100℃、好ましくは−10℃乃至50℃の範囲である。反応時間は、通常15分間乃至12時間、好ましくは、30分間乃至5時間である。
【0101】
工程J4では、化合物(XXVIII)を溶媒中、触媒の存在下に、水素によって接触還元することにより、化合物(XXIX)が合成される。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル類が挙げられ、好ましくは、アルコール類である。
使用される触媒は、例えば、パラジウム−炭素、白金−炭素、白金黒、ロジウム−炭素、ラネーニッケルが挙げられる。触媒の使用量は、化合物(XXVIII)1モルに対して、通常0.005乃至1倍モル量、好ましくは0.01乃至0.1倍モル量である。
接触水素添加反応における水素分圧は、通常1気圧乃至10気圧、好ましくは1気圧乃至5気圧である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0℃乃至100℃、好ましくは20℃乃至80℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常15分間乃至72時間、好ましくは、30分間乃至48時間である。
【0102】
工程J5は、化合物(XXIX)を、脱水素反応によるオレフィンへの変換させて化合物(XXX)を合成する工程であり、例えば、化合物(XXII)の代わりに化合物(XXIX)を使用した他は、上記記載の製法I1と同様に行われる。
工程J6は、化合物(XXX)をメトキシ基の脱メチル化並びにエステル基のカルボキシ化させて化合物(XXXI)を合成する工程であり、例えば、化合物(XXIII)の代わりに化合物(XXX)を用いた他は、製法I2と同様に行うことで、メトキシ基の脱メチル化並びにエステル基のカルボキシ化が同時に達成される。
工程J7は、化合物(XXXI)のカルボキシル基をエステル化することにより化合物(XVIa)を合成する工程であり、公知の方法により、容易に変換することができる(例えば、W.Greene and P.G.H.Wult著“Protective Group in Organic Synthesis”2nd Ed.,John Wiley & Sons,224頁参照)。
【0103】
製法Kは化合物(XIX)の製法であり、化合物(XXXIII)をハロゲン化(好ましくは臭素化)する製法であり、公知の方法、例えば、N−ブロムコハク酸イミドとアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)又は過酸化ベンゾイル(BPO)のようなラジカル開始剤を用いる方法又は光を照射する方法により容易に行われる。
ラジカル開始として光を照射する場合、使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられ、好ましくは、1,2−ジクロロエタンである。
使用されるN−ブロムコハク酸イミドは、化合物(XXXIII)1モルに対して1乃至2.5倍モル量、好ましくは1乃至1.1倍モル量である。
反応温度は0乃至80℃、好ましくは30乃至60℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常1時間乃至12時間、好ましくは3時間乃至8時間である。
ラジカル開始としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)又は過酸化ベンゾイル(BPO)のようなラジカル開始剤を用いる場合は、使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられ、好ましくは、1,2−ジクロロエタンである。
ラジカル開始剤の使用量は化合物(XXXIII)に対して0.001乃至0.1倍モル量、好ましくは0.01乃至0.05倍モル量である。使用されるN−ブロムコハク酸イミドは、化合物(XXXIII)1モルに対して、通常1乃至4倍モル量、好ましくは1乃至1.1倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常50乃至80℃、好ましくは60乃至80℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常30分間乃至12時間、好ましくは1時間乃至6時間である。
製法Lは、化合物(XVIII)の製法であり、化合物(XXXIII)から化合物(XVIII)を合成する製法であり、工程L1、L2及びL3は、公知の方法であり、例えば、J.Org.Chem.,61,3398(1996)に記載されている。
【0104】
製法Mは、化合物(XVIII)を製造するための製法Lの別法である。
工程M1は化合物(XIX)とトリフェニルホスフィンとを、溶媒中で、反応させて、化合物(XXXVI)を製造する工程である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドが挙げられ、好ましくは、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエンである。使用するトリフェニルホスフィンの量は、化合物(XIX)に対して、1乃至2倍モル量、好ましくは1乃至1.5倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、0乃至150℃、好ましくは60乃至100℃の範囲である。反応時間は、反応温度等の条件によって異なるが、通常、30分間乃至12時間、好ましくは1時間乃至3時間である。
【0105】
工程M2は、塩基の存在下、化合物(XXXVI)とホルムアルデヒドとを、溶媒中で、反応させて化合物(XVIII)を製造する工程である。この工程は所謂Wittig反応として知られている反応であり、公知の条件を適宜選択して行われる。
ホルムアルデヒドの使用量は、化合物(XXXVI)1モルに対して、通常1乃至10倍モル量、好ましくは1乃至1.5倍モル量である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド;又はこれらの混合溶媒、或いはこれらと水との混合溶媒が挙げられる。
使用される塩基は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;メチルリチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム類;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド類;又はトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリプロピルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)等の有機アミンを挙げることができる。塩基の使用量は、化合物(XXXVI)1モルに対して、通常1乃至5倍モル量、好ましくは、1乃至2倍モル量である。
反応温度は、原料、溶媒等の種類、使用量等によって異なるが、通常0乃至150℃、好ましくは15乃至80℃の範囲である。反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常1時間乃至24時間、好ましくは1時間乃至6時間である。
【0106】
本発明の式(I)で表わされる化合物は強力なロイコトリエン拮抗作用を有し、抗アレルギ−薬及び抗炎症薬として極めて有用である。
その目的のための投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口投与又は静脈内注射剤、筋肉内注射剤、坐剤、吸入剤、エアゾ−ル剤若しくは点眼剤等による非経口投与が挙げられる。その投与量は、年齢、体重、症状ならびに投与形態及び投与回数などによって異なるが、通常は成人に対して1日約1乃至1,000mgを1回又は数回に分けて投与する。
【0107】
【発明の効果】
本発明の式(I)で表わされるベンゾシクロヘプタピリジン化合物又はその薬理上許容される塩は、強力なロイコトリエンD4拮抗作用の他にロイコトリエンC4拮抗作用及びロイコトリエンE4拮抗作用を有することから、抗アレルギー薬及び抗炎症薬として有用である。
【0108】
以下、実施例、参考例及び試験例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
【0109】
【実施例】
実施例1
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸メチル(例示化合物1のメチルエステル)
7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール1.03g(2.59mmol)のピリジン15ml溶液を−10℃に氷冷後、メタンスルホニルクロリド0.62ml(8.0mmol)を加え、−10℃で2時間攪拌し、更に室温で一夜攪拌した。
反応終了後、反応溶液を−10℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.4mlを加え結晶を析出させた。析出結晶を濾過し、濾集物を酢酸エチルで洗浄後、減圧下で乾燥しメシル体1.15gを黄色固体として得た。
得られたメシル体にグリコール酸メチル4.19g(46.5mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.4ml(2.4mmol)とを加え、50から60℃の間で2時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に酢酸エチルを加えた後、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))に付し、標題化合物0.36g(0.77mmol)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(δ,DMSO−d6);3.63(b,4H),4.44(b,1H),5.01,5.75(各々b,合計1H),7.18−7.56(m,5H),7.76(b,1H),7.90−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.56(b,1H).
【0110】
実施例2
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸(例示化合物1)
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸メチル0.34g(0.73mmol)をメタノール5mlとテトラヒドロフラン5mlとの混合液に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液2.2ml(2.2mmoll)を加え、室温で5時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に1N塩酸水溶液1.5mlを加えて減圧濃縮した。残渣に水と酢酸エチルとを加えた後、1N塩酸水溶液0.7mlを加え、析出した固体を濾取した。濾集物を減圧下で乾燥し、標題化合物0.27g(0.59mmol)を黄色固体として得た。
1H−NMR(δ,DMSO−d6);3.58(b,1H),4.03(b,1H),4.99,5.76(各々b,合計1H),7.18−7.56(m,5H),7.74(b,1H),7.90−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.54(b,1H).
【0111】
実施例3
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸ナトリウム(例示化合物1のナトリウム塩)
〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ酢酸2.61g(0.56mmol)をテトラヒドロフラン50mlとメタノール50mlとを加えた混合液に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液0.57ml(0.57mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、析出した固体を濾取し、標題化合物0.24g(0.50mmol)を黄色固体として得た。
融点;257〜265℃(分解).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);3.79(b,2H),5.14(b,1H),7.18(d,J=12.2Hz,1H),7.36(d,J=12.0Hz,1H),7.42−7.53(m,3H),7.69(d,J=8.6Hz,1H),7.91−8.07(m,6H),8.38(d,J=8.6Hz,1H),8.49(b,1H).
【0112】
実施例1〜3と同様な方法により、以下の実施例4〜6の化合物を得た。
実施例4
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ}−2−メチルプロピオン酸メチル(例示化合物208のメチルエステル)
性状;黄色固体
1H−NMR(δ,CDCl3);1.20(d,J=7.3Hz,3H),3.00(b,1H),3.66−3.80(m,5H),4.81(b,1H),7.29−7.49(m,6H),7.56(d,J=8.1Hz,1H),7.64−7.80(m,3H),7.90(b,2H),8.08−8.13(m,2H),8.52(b,1H).
【0113】
実施例5
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ}−2−メチルプロピオン酸(例示化合物208)
性状;橙色固体
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.85−1.23(m,3H),2.91(b,1H),3.60−3.90(m,2H),4.86,5.62(各々b,合計1H),7.20−7.62(m,5H),7.74(b,1H),7.90−8.11(m,6H),8.42(d,J=8.6Hz,1H),8.52(b,1H),12.40(b,1H).
【0114】
実施例6
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕オキシ}−2−メチルプロピオン酸ナトリウム(例示化合物208のナトリウム塩)
性状;橙色固体
融点;300℃以上
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.80−1.18(m,3H),2.70(b,1H),3.40−3.90(m,2H),4.78,5.57(各々b,合計1H),7.20(d,J=11.5Hz,1H),7.37−7.67(m,6H),7.90−8.07(m,6H),8.41(d,J=8.5Hz,1H),8.50(b,1H).
【0115】
実施例7
2−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸ナトリウム(例示化合物7のナトリウム塩)
(a)7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール199mg(0.5mmol)をトリフルオロ酢酸5mlに溶解し、チオ乳酸89μl(1mmol)を添加して、室温で4時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を水100mlとクロロホルム100mlとの混合液に注加し、炭酸水素ナトリウムでpH6.5に調整した後、分液した。水層については、クロロホルム/メタノール=5/1(容積比)の混合溶媒でさらに抽出(100ml×2)した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した後、残渣を酢酸エチルで洗浄し、2−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸151mg(0.31mmol)を黄色固体として得た。
FAB−MS(m/z);487(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.16,1.17(各々d,J=7.1Hz,合計3H),3.05,3.12(各々q,J=7.2Hz,合計1H),5.63(s,1H),7.10,7.11(各々d,J=12.2Hz,合計1H),7.28,7.29(各々d,J=12.5Hz,合計1H),7.41,7.43(各々dd,J=7.8,4.6Hz,合計1H),7.53−7.59(m,2H)7.71−7.76(m,1H),7.86−8.02(m,5H),8.06(dd,J=11.0,9.0Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.54−8.57(m,1H).
【0116】
(b)実施例7(a)で得られた2−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸141mg(0.29mmol)を、テトラヒドロフラン4mlとメタノール4mlとの混合液に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液0.29ml(0.29mmol)を添加して、室温で1時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルで洗浄したのち減圧乾燥して、標題化合物136mg(0.27mmol)を淡黄色固体として得た。
融点;212〜228℃(分解).
FAB−MS(m/z);509(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.11,1.13(各々d,J=7.1Hz,合計3H),2.71,2.74(各々d,J=6.8Hz,合計1H),5.70,5.71(各々s,合計1H),7.03(d,J=12.5Hz,1H),7.20,7.21(各々d,J=12.5Hz,合計1H),7.37(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.49,7.50(各々d,J=8.2Hz,合計1H),7.54(d,J=17.1Hz,1H),7.69(dd,J=7.8,1.5Hz,1H),7.77−7.81(m,1H),7.88(d,J=16.4Hz,1H),7.89−8.03(m,3H),8.05(dd,J=11.0,9.0Hz,1H),8.38(d,J=8.8Hz,1H),8.48−8.51(m,1H).
【0117】
実施例7と同様な方法により、以下の実施例8〜21の化合物を得た。
実施例8
3−{〔7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物8のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;233〜242℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.96−2.01(m,2H),2.36−2.41(m,2H),5.54(s,1H),7.06(d,J=12.2Hz,1H),7.23(d,J=12.5Hz,1H),7.39(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.50−7.59(m,2H),7.71(d,J=8.1Hz,1H),7.85−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.52(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0118】
実施例9
3−{[7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物17のナトリウム塩)
性状;橙色固体
融点;229〜294℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.11−0.21(m,2H),0.28−0.35(m,2H),2.00(s,2H),2.52(s,2H),5.78(s,1H),7.05(d,J=12.3Hz,1H),7.22(d,J=12.5Hz,1H),7.37(dd,J=7.7,4.6Hz,1H),7.50(d,J=8.1Hz,1H),7.57(d,J=16.4Hz,1H),7.70(dd,J=8.0,1.7Hz,1H),7.87(d,J=16.4Hz,1H),7.92−8.06(m,5H),8.37(d,J=8.6Hz,1H),8.50(dd,J=4.8,1.7Hz,1H).
【0119】
実施例10
〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ酢酸ナトリウム(例示化合物74のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;220〜224℃(分解).
FAB−MS(m/z);511(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);2.58−2.69(m,2H),5.67(s,1H),7.04(d,J=12.2Hz,1H),7.20(d,J=12.7Hz,1H),7.38(dd,J=7.6,4.6Hz,1H),7.51(d,J=8.1Hz,1H),7.54(d,J=16.4Hz,1H),7.71(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.79−7.82(m,2H),7.89(d,J=16.4Hz,1H),7.99(d,J=8.8Hz,1H),8.02(d,J=9.8Hz,1H),8.24(d,J=7.6Hz,1H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.51(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0120】
実施例11
2−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチル酢酸ナトリウム(例示化合物75のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;229〜235℃(分解).
FAB−MS(m/z);525(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.12,1.13(各々d,J=7.1Hz,合計3H),2.71,2.74(各々q,J=7.1Hz,合計1H),5.71,5.72(各々s,合計1H),7.04(d,J=12.9Hz,1H),7.20,7.21(各々d,J=12.5Hz,合計1H),7.37(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.49,7.50(各々d,J=8.1Hz,合計1H),7.54(d,J=16.4Hz,1H),7.69(dd,J=7.8,1.5Hz,1H),7.79(dd,J=7.9,1.4Hz,1H),7.89(d,J=16.4Hz,1H),7.89−7.93(m,1H),7.99(d,J=8.1Hz,1H),8.02(d,J=9.8Hz,1H),8.24(d,J=7.1Hz,1H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.49−8.51(m,1H).
【0121】
実施例12
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物76のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;243〜247℃(分解).
FAB−MS(m/z);525(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.94−2.00(m,2H),2.35−2.41(m,2H),5.54(s,1H),7.06(d,J=12.5Hz,1H),7.23(d,J=12.5Hz,1H),7.39(dd,J=7.6,4.6Hz,1H),7.52(d,J=8.1Hz,1H),7.57(d,J=16.4Hz,1H),7.70(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.85−7.92(m,3H),7.99(d,J=9.5Hz,1H),8.02(d,J=10.0Hz,1H),8.24(d,J=7.6Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.52(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0122】
実施例13
3−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−2−メチルプロピオン酸ナトリウム(例示化合物77のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;248〜256℃(分解).
FAB−MS(m/z);539(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.86,0.87(各々d,J=6.6Hz,合計1H),1.97−2.19(m,2H),2.54−2.64(m,1H),5.51,5.52(各々s,合計1H),7.06(d,J=12.2Hz,1H),7.23(d,J=12.2Hz,1H),7.39(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.52(d,J=8.3Hz,1H),7.56,7.57(各々d,J=16.4Hz,合計1H),7.70(dd,J=8.3,1.2Hz,1H),7.88(d,J=16.4Hz,1H),7.88−7.92(m,2H),7.98(d,J=8.8Hz,1H),8.02(d,J=9.8Hz,1H),8.23,8.24(各々d,J=7.3Hz,合計1H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.51−8.53(m,1H).
【0123】
実施例14
4−{〔7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}−3,3−ジメチルブタン酸ナトリウム(例示化合物84のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;240〜248℃(分解).
FAB−MS(m/z);567(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.82(s,3H),0.83(s,3H),1.87(d,J=13.7Hz,1H),1.94(d,J=13.9Hz,1H),2.51(d,J=13.7Hz,1H),2.57(d,J=13.2Hz,1H),5.81(s,1H),7.07(d,J=12.2Hz,1H),7.24(d,J=12.5Hz,1H),7.38(dd,J=7.6,4.6Hz,1H),7.51(d,J=8.3Hz,1H),7.57(d,J=16.4Hz,1H),7.71(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.88(d,J=16.1Hz,1H),7.93−8.00(m,3H),8.02(d,J=10.0Hz,1H),8.27(d,J=7.3Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.51(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0124】
実施例15
3−{[7−〔(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物85のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;217〜223℃(分解).
FAB−MS(m/z);565(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.13−0.17(m,2H),0.31−0.35(m,2H),1.99(s,2H),5.83(s,1H),7.06(d,J=12.2Hz,1H),7.23(d,J=12.5Hz,1H),7.38(dd,J=7.6,4,6Hz,1H),7.51(d,J=8.3Hz,1H),7.60(d,J=16.4Hz,1H),7.71(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.89(d,J=16.1Hz,1H),7.98−8.04(m,4H),8.28(d,J=7.1Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.51(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0125】
実施例16
3−{[7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物212のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;244〜246℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.99−2.04(m,2H),2.38−2.43(m,2H),5.54(s,1H),7.06(d,J=12.2Hz,1H),7.23(d,J=12.5Hz,1H),7.40(dd,J=7.6,4.9Hz,1H),7.51−7.62(m,3H),7.71(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.87−8.04(m,6H),8.42(d,J=8.8Hz,1H),8.53(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0126】
実施例17
3−{[7−〔(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物221のナトリウム塩)
性状;微黄色固体
融点;236〜241℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.11−0.19(m,2H),0.31−0.39(m,2H),1.97−2.06(m,2H),2.28−2.36(m,2H),5.78(s,1H),7.07(d,J=12.2Hz,1H),7.24(d,J=12.5Hz,1H),7.39(dd,J=7.8,4.9Hz,1H),7.53(d,J=8.3Hz,1H),7.57−7.62(m,2H),7.72(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.88−8.07(m,6H),8.41(d,J=8.6Hz,1H),8.52(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0127】
実施例18
3−{〔7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル〕チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物277のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;171〜177℃.
FAB−MS(m/z);477(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.72−1.79(m,2H),1.81−1.88(m,2H),1.95−2.00(m,2H),2.35−2.38(m,2H),2.73−2.76(m,2H),2.83−2.86(m,2H),5.49(s,1H),7.03(d,J=12.2Hz,1H),7.19(d,J=12.7Hz,1H),7.33(d,J=16.1Hz,1H),7.34(d,J=7.8Hz,1H),7.38(dd,J=7.8,4.4Hz,1H),7.46(d,J=7.9Hz,1H),7.46(d,J=6.8Hz,1H),7.58(d,J=15.1Hz,1H),7.60(dd,J=7.8,2.0Hz,1H),7.81(d,J=1.2Hz,1H),7.87(dd,J=7.5,1.2Hz,1H),8.51(dd,J=4.4,1.5Hz,1H).
【0128】
実施例19
3−{[7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−イル]チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物286のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;154〜166℃.
FAB−MS(m/z);517(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.10−0.17(m,2H),0.29−0.34(m,2H),1.72−1.79(m,2H),1.81−1.88(m,2H),1.93−2.03(m,2H),2.73−2.77(m,2H),2.84−2.87(m,2H),5.74(s,1H),7.03(d,J=12.2Hz,1H),7.20(d,J=12.7Hz,1H),7.32−7.38(m,3H),7.46(d,J=7.8Hz,1H),7.58(d,J=16.6Hz,1H),7.61(dd,J=7.9,1.2Hz,1H),7.86(d,J=1.2Hz,1H),7.98(dd,J=7.8,1.5Hz,1H),8.50(dd,J=4.9,1.5Hz,1H).
【0129】
実施例20
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕チオ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物454のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
FAB−MS;509(M++1).
融点;178〜193℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.93−2.00(m,2H),2.38−2.43(m,2H),5.56(s,1H),6.98(d,J=12.0Hz,1H),7.13(d,J=12.0Hz,1H),7.39(dd,J=7.8,4.9Hz,1H),7.51(d,J=8.1Hz,1H),7.61(d,J=16.1Hz,1H),7.72(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.86−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.50(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0130】
実施例21
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテ ニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕チオメチル}シクロプロパン酢酸ナトリウム(例示化合物463のナトリウム塩)
性状;黄色固体
融点;285〜291℃(分解).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);0.09−0.12(m,1H),0.27−0.38(m,3H),1.84(d,J=14.4Hz,1H),2.01(d,J=13.2Hz,1H),2.51(d,J=11.0Hz,1H),2.69(d,J=12.7Hz,1H),5.65(s,1H),6.99(d,J=12.0Hz,1H),7.14(d,J=12.0Hz,1H),7.38(dd,J=7.8,4.9Hz,1H),7.51(d,J=8.1Hz,1H),7.64(d,J=16.4Hz,1H),7.72(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.86−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.6Hz,1H),8.50(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0131】
実施例22
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}酢酸ブチルエステル(例示化合物447のブチルエステル)
9−[(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル]−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オール1.0g(2.5mmol)のテトラヒドロフラン30ml溶液を0℃に冷却後、トリエチルアミン2.0ml(15mmol)とメタンスルホニルクロリド1.2ml(15mmol)とを加え、0℃で1時間、更に室温で2時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液から減圧下で溶媒を留去した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解し、次いで、グリコール酸ブチル15ml(116mmol)を加え60℃で4時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1(容積比))に付し、標題化合物0.81g(1.6mmol)を淡黄色固体として得た。
EI−MS(m/z);512(M+).
CI−MS(m/z);513(M++1).
1H−NMR(δ,CDCl3);0.88(t,J=7.3Hz,3H),1.25−1.38(m,2H),1.52−2.04(m,2H),4.04−4.13(m,4H),7.00(d,J=11.7Hz,1H),7.19(d,J=11.7Hz,1H),7.26−7.31(m,4H),7.38−7.54(m,3H),7.60−7.65(m,2H),7.74−7.85(m,3H),8.06(d,J=8.6Hz,1H),8.62(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0132】
実施例23
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}酢酸ナトリウム(例示化合物447)
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}酢酸ブチルエステル0.81g(1.6mmol)をメタノール5mlとテトラヒドロフラン5mlとの混合液に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液4.8ml(4.8mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液より析出結晶を濾過し、濾集物をテトラヒドロフランで洗浄後、80℃で減圧乾燥し、標題化合物0.67g(1.4mmol)を白色固体として得た。
FAB−MS;479(M++1).
融点;236〜241℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);3.29−3.41(m,2H),7.06−7.31(m,2H),7.39(dd,J=7.8,4.9Hz,1H),7.48−8.59(m,2H),7.68−7.76(m,1H),7.89−8.07(m,7H),8.38(d,J=8.5Hz,1H),8.55(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0133】
グリコール酸ブチルに代えて3−ヒドロキシプロピオン酸メチル(J.Amer.Chem.Soc.,73,4273(1951)参照)を用いた以外は実施例22と同様な方法で以下の実施例24の化合物を得た。
実施例24
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}プロピオン酸メチル(例示化合物449のメチルエステル)
性状;淡黄色固体
1H−NMR(δ,CDCl3);3.62(s,3H),5.00(b,1H),6.97(d,J=11.7Hz,1H),7.16(d,J=12.0Hz,1H),7.25−7.29(b,1H),7.42(d,J=16.1Hz,1H),7.45(d,J=7.1Hz,1H),7.51(dd,J=10.0,8.3Hz,1H),7.62(d,J=8.5Hz,2H),7.72−7.85(m,3H),7.94(b,1H),8.07(d,J=8.5Hz,1H),8.61(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0134】
実施例2と同様な方法で以下の実施例25の化合物を得た。
実施例25
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}プロピオン酸(例示化合物449)
性状;淡黄色固体
1H−NMR(δ,DMSO−d6);2.31(b,2H),5.75(b,1H),7.06(d,J=11.7Hz,1H),7.20(d,J=11.7Hz,1H),7.45(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.56−7.63(m,2H),7.79(d,J=8.6Hz,1H),7.89−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.58(dd,J=4.9,1.7Hz,1H),12.11(b,1H).
【0135】
実施例3と同様な方法で以下の実施例26の化合物を得た。
実施例26
3−{〔9−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル〕オキシ}プロピオン酸ナトリウム(例示化合物449のナトリウム塩)
性状;淡黄色固体
融点;213〜220℃.
1H−NMR(δ,DMSO−d6);2.00(b,2H),5.69(b,1H),7.06(d,J=11.7Hz,1H),7.20(d,J=11.7Hz,1H),7.42(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.56−7.63(m,2H),7.61(d,J=8.3Hz,1H),7.89−8.08(m,6H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.56(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0136】
参考例1
(a)7−クロロ−2−ビニルキノリン
J.Org.Chem.,61,3398(1996)に記載の方法により標題化合物を得た。
性状;黄土色固体
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.69(dd,J=11.0,1.0Hz,1H),6.31(dd,J=17.6,0.7Hz,1H),7.00(dd,J=17.8,11.0Hz,1H),7.45(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.60(d,J=8.5Hz,1H),7.71(d,J=8.5Hz,1H),8.06−8.10(m,2H).
【0137】
(b)7−ブロモ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
J.Heterocyclic Chem.,23,1331(1986)に記載の方法により標題化合物を得た。
性状;灰白色固体
1H−NMR(δ,CDCl3);7.2(d,J=12.5Hz,1H),7.39(d,J=12.5Hz,1H),7.45−7.50(m,2H),7.78(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),8.40(d,J=2.2Hz,1H),8.53(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),
8.91(dd,J=4.6,2.0Hz,1H).
【0138】
(c)7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
7−ブロモ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン4.16g(15mmol)と7−クロロ−2−ビニルキノリン3.22g(19.5mmol)とをN,N−ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、酢酸パラジウム1.35g(6.0mmol)及びトリフェニルホスフィン0.67g(2.6mmol)を添加し、窒素雰囲気にした。次いで、トリエチルアミン2.9ml(20.6mmol)を加え、窒素雰囲気下、100℃で1時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を室温まで放冷し、エタノールを加え析出結晶を濾取した。濾集物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メチルアルコール=9/1(容積比))に付し、標題化合物3.10g(7.86mmol)を淡茶色固体として得た。
1H−NMR(δ,DMSO−d6);7.36(d,J=12.5Hz,1H),7.51(d,J=12.7Hz,1H),7.62(dd,J=8.5,2.2Hz,1H),7.66−7.71(m,2H),7.89(d,J=8.3Hz,1H),7.97−8.07(m,4H),8.25(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),8.43−8.53(m,3H),8.98(dd,J=4.4,1.7Hz,1H).
【0139】
(d)7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール
7−[(E)−2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン3.1g(7.8mmol)をテトラヒドロフラン300mlに溶解し、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム4.4g(34.5mmol)を添加し、室温で5時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣を減圧下乾燥して、標題化合物2.83g(7.14mmol)を薄茶色固体として得た。
EI−MS(m/z);396(M+).
CI−MS(m/z);397(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.15(s,1H),6.40(s,1H)7.22(d,J=12.0Hz,1H),7.39(d,J=12.0Hz,1H),7.44−7.54(m,3H),7.60(dd,J=8.5,2.0Hz,1H),7.69(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.93−8.11(m,6H),8.41(d,J=8.8Hz,1H),8.48(dd,J=4.6,1.5Hz,1H).
【0140】
参考例2
参考例1(a)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例2(a)の化合物を得た。
(a)7−クロロ−6−フルオロ−2−ビニルキノリン
性状;黄色固体
EI−MS;207(M+).
CI−MS(m/z);208(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.73(dd,J=11.0,1.0Hz,1H),6.43(dd,J=17.6,1.0Hz,1H),6.98(dd,J=17.8,11.0Hz,1H),7.89(d,J=8.8Hz,1H),8.01(d,J=9.8Hz,1H),8.21(d,J=7.3Hz,1H).8.37(d,J=9.0Hz,1H).
【0141】
参考例1(c)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例2(b)の化合物を得た。
(b)7−[(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
性状;淡黄緑色固体
EI−MS(m/z);412(M+).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);7.37(d,J=12.2Hz,1H),7.52(d,J=12.7Hz,1H),7.69(d,J=16.4Hz,1H),7.70(dd,J=8.1,3.7Hz,1H),7.90(d,J=8.3Hz,1H),8.04(d,J=9.5Hz,1H),8.04(d,J=8.5Hz,1H),8.04(d,J=16.4Hz,1H),8.25(d,J=7.3Hz,1H),8.26(dd,J=8.5,2.0Hz,1H),8.43(d,J=1.7Hz,1H),8.43(d,J=8.5Hz,1H),8.51(dd,J=8.4,1.6Hz,1H),8.98(dd,J=4.5,1.8Hz,1H).
【0142】
参考例1(d)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例2(c)の化合物を得た。
(c)3−[(E)−2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)エテニル]−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール
性状;淡黄緑色固体
CI−MS(m/z);415(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.15(s,1H),6.40(bs,1H),7.21(d,J=11.7Hz,1H),7.39(d,J=12.2Hz,1H),7.46(dd,J=8.1,4.6Hz,1H),7.49(d,J=7.8Hz,1H),7.50(d,J=16.1Hz,1H),7.68(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.94(d,J=16.6Hz,1H),7.99−8.11(m,4H),8.22(d,J=7.3Hz,1H),8.38(d,J=8.8Hz,1H),7.39(dd,J=4.6,1.2Hz,1H).
【0143】
参考例3
参考例1(a)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例3(a)の化合物を得た。
(a)6,7−ジフルオロ−2−ビニルキノリン
性状;淡黄色固体
EI−MS;191(M+).
CI−MS(m/z);192(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.69(dd,J=11.0,1.0Hz,1H),6.39(dd,J=17.6,1.0Hz,1H),6.93(dd,J=8.1,3.9Hz,1H),6.95(dd,J=17.6,11.0Hz,1H),7.82(d,J=8.8Hz,1H),8.00(dd,J=9.0,2.2Hz,1H),8.33(d,J=8.5Hz,1H).
【0144】
参考例1(c)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例3(b)の化合物を得た。
(b)7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
性状;淡黄色固体
FAB−MS(m/z);397(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);7.36(d,J=12.5Hz,1H),7.52(d,J=12.5Hz,1H),7.66−7.71(m,2H),7.90(d,J=8.5Hz,1H),7.96−8.10(m,4H),8.25(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),8.40−8.43(m,2H),8.51(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),8.98(dd,J=4.4,1.7Hz,1H).
【0145】
参考例1(d)と同様な方法で反応を行い、以下の参考例3(c)の化合物を得た。
(c)7−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール
性状;黄色固体
FAB−MS(m/z);399(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.15(d,J=3.7Hz,1H),6.39(d,J=4.4Hz,1H)7.21(d,J=12.0Hz,1H),7.39(d,J=12.0Hz,1H),7.44−7.53(m,3H),7.68(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.91−8.10(m,6H),8.38(d,J=8.8Hz,1H),8.48(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0146】
参考例4
(a)5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ビニルキノリン
(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)メチルブロミド14.7g(65mmol)をアセトニトリル300mlに溶解し、トリフェニルホスフィン25.5g(97.5mmol)を添加し、2時間還流した。氷浴にて冷却後、沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)メチルトリフェニルホスホニウムブロミドを微黄色固体として得た。得られた固体をクロロホルム250mlに溶解させ、37%ホルムアルデヒド9.50g(117mmol)と炭酸ナトリウム8.10g(76mmol)水溶液(20ml)と添加し、室温で2時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に水を添加し、クロロホルムで抽出した。有機層を炭酸カリウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=9/1(容積比))に付し、標題化合物6.01g(37.8mmol)を黄色油状物として得た。
EI−MS;159(M+).
CI−MS(m/z);160(M++1).
1H−NMR(δ,CDCl3);1.85(m,4H),2.75(dd,J=17.6,1.0Hz,2H),2.91(dd,J=8.1,3.9Hz,2H),5.41(dd,J=10.7,1.2Hz,1H),6.06(dd,J=17.6,1.2Hz,1H),6.75(dd,J=17.6,10.7Hz,1H),7.14(d,J=7.8Hz,1H),7.31(d,J=7.8Hz,1H).
【0147】
以下、参考例1(c)と同様な方法で反応を行い、参考例4(b)の化合物を得た。
(b)7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
性状;茶色固体
CI−MS(m/z);365(M++1).
1H−NMR(δ,CDCl3);1.79−1.87(m,2H),1.89−1.97(m,2H),2.76−2.81(m,2H),2.94−2.99(m,2H),7.23(d,J=8.1Hz,1H),7.27(d,J=12.5Hz,1H),7.33(d,J=16.1Hz,1H),7.36(d,J=12.2Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.47(dd,J=8.1,4.6Hz,1H),7.59(d,J=8.3Hz,1H),7.62(d,J=16.4Hz,1H),7.88(dd,J=8.2,1.8Hz,1H),8.45(d,J=1.7Hz,1H),8.57(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),8.90(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0148】
以下、参考例1(d)と同様な方法で反応を行い、参考例4(c)の化合物を得た。
(c)7−〔(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−2−イル)エテニル〕−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オール
性状;淡黄色固体
CI−MS(m/z);367(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);1.71−1.80(m,2H),1.80−1.89(m,2H),2.72−2.76(m,2H),2.81−2.86(m,2H),5.12(d,J=4.4Hz,1H),6.33(d,J=4.2Hz,1H),7.18(d,J=12.0Hz,1H),7.27(d,J=16.1Hz,1H),7.36(d,J=12.0Hz,1H),7.37(d,J=8.1Hz,1H),7.41−7.47(m,3H),7.57(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.61(d,J=16.4Hz,1H),7.96(s,1H),8.05−8.08(m,1H),8.47(dd,J=4.8,1.3Hz,1H).
【0149】
参考例5
(a)9−ブロモベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オン
J.Heterocyclic Chem.,23,257(1986)に記載の方法により標題化合物を得た。
性状;淡黄色固体
EI−MS(m/z);285(M+).
CI−MS(m/z);286(M++1).
1H−NMR(δ,CDCl3);6.97(d,J=12.2Hz,1H),7.12(d,J=12.0Hz,1H),7.43(d,J=8.3Hz,1H),7.57(dd,J=5.4,2.7Hz,1H),7.76(dd,J=8.3,2.2Hz,1H),7.93(dd,J=8.1,1.7Hz,1H).8.35(d,J=2.2Hz,1H),8.90(dd,J=4.6,1.7Hz,1H).
【0150】
(b)9−[(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル]−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オン
9−ブロモベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オン3.13g(11mmol)と6,7−ジフルオロ−2−ビニルキノリン2.74g(14.3mmol)とをN,N−ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、酢酸パラジウム1.15g(5.1mmol)及びトリフェニルホスフィン0.57g(2.2mmol)を添加し、窒素雰囲気にした。次いで、トリエチルアミン2.5ml(17.8mmol)を加え、窒素雰囲気下100℃で1時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を室温まで放冷し、エタノールを加え析出結晶を濾取した。濾集物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=9.5/0.5(容積比))に付し、標題化合物3.50g(8.84mmol)を黄色固体として得た。
1H−NMR(δ,DMSO−d6);7.23(d,J=12.2Hz,1H),7.40(d,J=12.0Hz,1H),7.68(d,J=16.6Hz,1H),7.77(dd,J=8.1,4.4Hz,1H),7.85(d,J=8.5Hz,1H),7.96−8.09(m,4H),8.19−8.26(m,3H),8.42(d,J=8.5Hz,1H),8.86(dd,J=4.4,1.7Hz,1H).
【0151】
(c)9−[(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル]−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オール
9−[(E)−2−(6,7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−オン3.5g(8.8mmol)をテトラヒドロフラン300mlに溶解し、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム1.7g(13.2mmol)を添加し、室温で5時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を減圧下乾燥して、標題化合物2.62g(6.58mmol)を淡黄色固体として得た。
EI−MS(m/z);398(M+).
CI−MS(m/z);399(M++1).
1H−NMR(δ,DMSO−d6);5.24(s,1H),5.90(d,J=4.4Hz,1H),7.15(d,J=11.7Hz,1H),7.29(d,J=12.0Hz,1H),7.42(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),7.50−7.56(m,2H),7.70(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.90−8.10(m,6H),8.38(d,J=8.6Hz,1H),8.60(dd,J=4.9,1.7Hz,1H).
【0152】
試験例1
ロイコトリエンD4受容体結合試験
〈受容体標品の調製〉
受容体標品としてモルモットの肺細胞膜画分を使用した。膜画分の調製は、Ahnらの方法(Eur.J.Pharmacol.,127,153−155(1986))に準じて行った。ハートレイ系雄性モルモット(400〜500g、日本エスエルシー社)の肺を摘出し、生理食塩液で潅流した後、10mM PIPES,10mM MgCl2及び10mM CaCl2緩衝液(pH7.5)を加え、ホモジナイズした。これを70,000×gで10分間遠心分離し、膜画分を得た。
【0153】
〈ロイコトリエンD4受容体結合試験〉
ロイコトリエンD4(LTD4)受容体結合試験は、Aharonyらの方法(J.Pharmacol.Expl.Ther.,243,921−926(1987))に準じて行った。受容体標品0.42mgに10mM PIPES、10mM MgCl2及び10mM CaCl2緩衝液(pH7.5)を加え480μlとし、[3H]LTD4(NEN Life Science Products社)および被験化合物のジメチルスルホキシド溶液を10μlづつ添加し、25℃で30分間インキュベートした。これをセルハーべスター(Brandel社 M−30R)を使用してガラス繊維濾紙(Whatman社、GF/C)にて濾過した。濾紙を10mM トリス,100mM NaCl緩衝液(pH7.5)で洗浄し、液体シンチレーター(ナカライテスク社、クリアゾルI)5mlを加え、液体シンチレーションアナライザー(Packard社、2000CA)にて放射能を測定した。LTD4の解離定数(Kd)を求める場合には[3H]LTD4は0.03〜0.5nMを使用し、非放射性LTD4は1μMを添加した。被験化合物の結合阻害定数(Ki)を求める場合には[3H]LTD4は0.2nMを使用した。KdおよびKiは、Bennettらの方法(Neurotransmitter Receptor Binding,2nd ed.,edited by H.I.Yamamura et al.,pp61−89,Raven Press(1985))に従って算出した。
【0154】
【表2】
【0155】
化合物A;3−〔2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)メトキシ−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−11−イル〕チオプロピオン酸(WO94/193445号公報参照)
化合物B;3−{〔2−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−11−イル〕チオ}プロピオン酸(WO01/47889号公報参照)
【0156】
試験例2
ロイコトリエンD4誘発気道狭窄試験
気道狭窄反応は、Konzett and Rosler法(Arch.Exp.Pathol.Pharmakol.,195,71−74(1940))を改変して測定した。ハートレイ系雄性モルモット(400〜500g、日本エスエルシ−社)をペントバルビタール(50mg/kg,s.c.)麻酔後、気管にカニュ−レを挿入して人工呼吸器(Harvard社,Model 683)にて人工呼吸を行った。気道の内圧を、気管カニューレに接続した差圧トランスデューサー(日本光電社、TP−603T)で測定し、気道狭窄の指標とした。
LTD4(0.03,0.06,0.13,0.25,0.5,1.0,2.0μg/kg,Sigma社)は総頚静脈に挿入したカニューレから低用量より5分間隔で静脈内投与し、気道狭窄反応を惹起させ気道内圧の増加量を測定した。被験化合物は0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液に懸濁、あるいは30%プロピレングリコール水溶液に溶解し、LTD4投与の24時間前に経口投与した。動物は被験化合物投与前の24時間絶食した。LTD4の用量反応曲線から50%反応用量(ED50)を求め、対照群の用量反応曲線を高用量側に2倍シフトさせるのに要する被験化合物の投与量を次に示す式より算出し、これをLTD4阻害活性とした。
LTD4阻害活性=(投与した化合物量)/(化合物を投与した群のED50/対照群のED50−1)
【0157】
【表3】
【0158】
化合物A;3−〔2−(7−クロロ−6−フルオロキノリン−2−イル)メトキシ−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−11−イル〕チオプロピオン酸(WO94/193445号公報参照)
化合物B;3−{〔2−〔(E)−2−(6,7−ジフルオロキノリン−2−イル)エテニル〕−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−11−イル〕チオ}プロピオン酸(WO01/47889号公報参照)
Claims (1)
- 一般式(I)
Aは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から成る群より選択されるヘテロ原子を1乃至3個を含む5員若しくは6員の複素芳香環基又はこれらの複素芳香環基とベンゼン環とが縮合した複素芳香縮合環基を示し、該複素芳香環基又は複素芳香縮合環基は、置換基として、ハロゲン原子、二トロ基、シアノ基、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フルオロC1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基又はC3−C4アルキレン基を有していてもよく、
Bは、式−CH=CH−、式−CH2O−、式−CH2CH2−、式−CH2S−、式−OCH2−又は式−SCH2−を示し、
D又はEは、互いに異なり、炭素原子若しくは窒素原子を示し(但し、D、Eは、同時に同一原子は示さない)、
Xは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又は式=CH−を示し、
Yは、置換基としてハロゲン原子、C1−C4アルキル基若しくはC1−C4アルコキシ基を有していてもよいC1−C10アルキレン基又は式(a)基
Zは保護されていてもよいカルボキシ基;1H−テトラゾール−5−イル基;式−NH−SO2−R1;又は式−CO−NH−SO2−R1(式中、R1は、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基又は置換基としてハロゲン原子、C1−C4アルキル基、フルオロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フルオロC1−C4アルコキシ基、ニトロ基若しくはシアノ基を有していてもよいフェニル基を示す)を示し、
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