JP2006150337A - 塗装物および塗装方法 - Google Patents

塗装物および塗装方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006150337A
JP2006150337A JP2005118279A JP2005118279A JP2006150337A JP 2006150337 A JP2006150337 A JP 2006150337A JP 2005118279 A JP2005118279 A JP 2005118279A JP 2005118279 A JP2005118279 A JP 2005118279A JP 2006150337 A JP2006150337 A JP 2006150337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
hollow fine
inorganic pigment
coated
photocatalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005118279A
Other languages
English (en)
Inventor
Osao Hori
長生 堀
Haruka Ogawa
晴果 小川
Akiko Okuda
章子 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2005118279A priority Critical patent/JP2006150337A/ja
Publication of JP2006150337A publication Critical patent/JP2006150337A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】防汚性を発揮できるとともに、基材のひび割れに対しても十分に追従できる塗装物および塗装方法を提供すること。
【解決手段】塗装物10は、コンクリート製の基材3の表面側に微弾性を有する下塗材2を塗布した後、下塗材2の表面に上塗材1を塗布することにより構成されている。下塗材2は、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂のうち少なくともいずれかを含み、塗膜厚が0.1〜2.0mmである。上塗材1は、塗膜化した際に高硬度になるとともに、塗膜化した初期の段階からその表面が親水化するポリシラザンを含んでいる。この上塗材1は、赤外線を選択的に反射する無機顔料4と、光触媒を備えた中空微粒子5とを含有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗装物および塗装方法に関し、特に、防汚性を発揮できるとともに、基材のひび割れに対しても十分に追従できる塗装物および塗装方法に関する。
従来より、建築物の外壁の美観性を高める観点から、外壁の汚れ防止技術が利用されている。このような汚れ防止技術としては、例えば、二酸化チタン等の光触媒物質が混合された塗料を外壁表面に塗布し、外壁表面の親水化を進めることにより、外壁表面と汚れの間に雨水等を潜り込ませて、外壁表面の汚れを水で洗い流すものがある(特許文献1参照)。
また、常温硬化型でガラス質であるポリシラザンからなる塗料を用いる技術もある。この場合には、ポリシラザンからなる塗料が基材に塗布されて硬化し塗膜化すると、比較的初期の段階からその表面が親水化するため、汚れ防止効果が迅速に発揮されるという利点がある。また、塗膜化した際に、表面が高硬度となるため、塗膜内に汚れ粒子等が入り込みにくく、この点からも防汚性に優れている。
特開2001−152051号公報
しかしながら、ポリシラザンは、ガラス質であってその塗膜硬度が非常に高いため、基材となるコンクリート等にひび割れが生じた場合に、このひび割れに伴って、ポリシラザンの塗膜にもひび割れが生じてしまうことがある。この場合には、ポリシラザンのひび割れ部分から雨水等が入り込んで、最終的には、コンクリート製の基材等ではエフロレッセンスが発生したり、漏水、コンクリートの劣化等の二次的な問題が生じる場合がある。なお、このような問題は、ポリシラザンに限らず、ポリシラザン以外の他の窒化ケイ素系樹脂や、塗膜化した際に表面が高硬度となるような硬質のフッ素樹脂等からなる塗料においても同様に発生する。
本発明の目的は、防汚性を発揮できるとともに、基材のひび割れに対しても十分に追従できる塗装物および塗装方法を提供することにある。
本発明の塗装物は、基材の表面に、弾性を有する下塗材を塗布し、この下塗材の表面に、塗膜化した際に高硬度となる上塗材を塗布してなることを特徴とする。また、本発明の塗装方法は、基材の表面に、弾性を有する下塗材を塗布した後、この下塗材の表面に、塗膜化した際に高硬度となる上塗材を塗布することを特徴とする。
ここで、前記基材としては、例えば、コンクリートや、プレキャストコンクリート等を用いることができる。また、塗膜化した際に高硬度となる上塗材としては、ポリシラザン等の窒化ケイ素系樹脂やフッ素樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリルシリコン系樹脂、ウレタン系樹脂等を用いることができる。
さらに、上塗材は、赤外線を選択的に反射する無機顔料を含有することとし、この無機顔料は、光触媒(例えば、酸化チタン,酸化亜鉛等)でコーティングされていることが好ましい。また、無機顔料は、上塗材の外表面からその一部が突き出た状態で担持されていることが好ましい。なお、本発明の無機顔料としては、例えば、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化セリウム等がある。
さらに、上塗材は、断熱構造を有する中空微粒子を含有することとしてもよい。この中空微粒子は、光触媒を備えていることが好ましい。また、光触媒を備えた中空微粒子としては、特に、光触媒が中空状の担体に担持されてなり、あるいは光触媒が中空状に成形されてなることが好ましい(例えば、無機系発泡ビーズ,シラスバルーン,ガラスビーズ,セラミックビーズ等)。かかる中空微粒子は、上塗材の外表面からその一部が突き出た状態で担持されていることが好ましい。なお、上塗材を構成する樹脂材料は、無機樹脂系塗料および有機樹脂系塗料のいずれであってもよい。無機樹脂系塗料としては、例えば、ポリシラザン樹脂系、ポリシラザン以外の窒化ケイ素樹脂系、セラミック樹脂系(シラン樹脂系)等がある。一方、有機樹脂系塗料としては、例えば、フッ素樹脂系、アクリルシリコン系、ウレタン系、変性ウレタン樹脂系、アクリル系、変性アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、変性エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系等がある。
また、上塗材が有機樹脂系塗料を含んで構成されている場合には、前記中空微粒子としては、特にマスクメロン型の中空微粒子が好ましい。マスクメロン型の中空微粒子とは、多孔質状に成形された中空微粒子の表面に前記光触媒を担持させたものであり、例えば、中空微粒子の表面を多孔質状に加工し、あるいは表面が多孔質となるように中空微粒子を製造し、その多孔質内に光触媒を担持させたものがある。
また、上塗材は、ポリシラザンから構成されており、その塗膜厚は、0.01〜5μmであって、赤外線を選択的に反射する無機顔料と、光触媒を備えた中空微粒子とが、上塗材の外表面から一部突き出た状態で、上塗材のみに担持されており、無機顔料および中空微粒子のサイズは、1〜10μmであることが好ましい。なお、無機顔料および中空微粒子のサイズが1μm未満の場合には遮熱性および防汚性が不十分となり、10μmを超える場合には上塗材に適切な状態で担持させることが困難となる。
また、上塗材は、ポリシラザンから構成されており、その塗膜厚は、0.01〜5μmであって、赤外線を選択的に反射する無機顔料と、光触媒を備えた中空微粒子とが、上塗材の外表面から一部突き出た状態で、上塗材および下塗材の双方に跨って担持されており、無機顔料のサイズは、1〜100μmであり、中空微粒子のサイズは、1〜350μmであることが好ましい。なお、無機顔料のサイズが1μm未満の場合には遮熱性が不十分となり、100μmを超える場合には上塗材に適切な状態で担持させることが困難となる。
他方、中空微粒子のサイズが1μm未満の場合には防汚性が不十分となり、350μmを超える場合には上塗材に適切な状態で担持させることが困難となる。
また、下塗材は、例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂のうち少なくともいずれかを含むものを用いることができ、この場合には、少なくとも微弾性タイプや弾性タイプ等の弾性を有するものであればよい。このような弾性を有する下塗材としては、伸び率が10〜100%となるものが好ましく、より好ましくは、伸び率が10〜50%のものである。また、下塗材の塗膜厚としては、例えば、0.1〜2.0mmとすることが好ましい。より好ましくは、0.3〜0.6mmである。塗膜厚が0.1mmより小さい場合には、基材のひび割れに対して十分に追従できないおそれがあり、塗膜厚が2.0mmより大きい場合には、基材に対する付着性が低下するおそれがある。
また、上塗材や下塗材を基材側へ塗布する場合には、例えば、吹付けや、ローラー、刷毛、鏝等により行うことができる。なお、本発明の塗料と基材との間に、基材の材質や表面状態等に応じて、シーラーやフィラー等を適宜介在させてもよい。
本発明によれば、基材と上塗材との間に弾性を有する下塗材を設けたので、基材の表面に微少なひび割れ(例えば、0.06mm程度)等の欠損が生じた場合でも、下塗材の弾性力によって基材のひび割れを吸収できるため、基材のひび割れに対して十分に追従でき、上塗材の表面にひび割れが生じることを防止できる。また、上塗材が塗膜化した際に高硬度となるため、本塗料の中に汚れ粒子等が入り込みにくく汚れ防止効果を向上できる上、十分な耐久性も確保できる。さらに、上塗材には赤外線を選択的に反射する無機顔料が含まれているので、遮熱性が付与される。また、上塗材には光触媒を備えた中空微粒子が含有されているので、光触媒作用によって防汚性がより一層向上する。なお、中空微粒子は、その中空領域が断熱機能を有するので、遮熱性の向上にも寄与する。また、遮熱性が付与されることにより屋根材等の耐久性も向上するので、建物内部の省エネ化に貢献するとともに、さらには光触媒作用によって環境浄化にも貢献する。
本発明の塗装物および塗装方法によれば、防汚性を発揮できるとともに、基材のひび割れに対しても十分に追従できるという効果がある。さらに、遮熱性または防汚性の向上に寄与するという効果もある。
===第1実施形態(基材のひび割れに対する追従性の向上)===
本発明の一実施形態に係る塗装物は、コンクリート製の基材の表面側に、微弾性を有する下塗材を塗布した後、下塗材の表面に上塗材を塗布することにより構成されている。なお、前記基材と前記下塗材との間には、基材の表面状態等に応じて、適宜、シーラーやフィラー等を塗布してもよい。
前記下塗材は、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂のうち少なくともいずれかを含んで構成されている。前記下塗材の塗膜厚は、例えば、0.1〜2.0mmである。前記下塗材は、吹付けや、ローラー、刷毛、鏝等により、コンクリート製の基材の表面側に形成される。また、下塗材には、伸び率が10〜100%程度の材料が用いられている。なお、好ましくはその伸び率が10〜50%のものが用いられる。
前記上塗材は、ポリシラザンを含んで構成されている。このポリシラザンは、塗膜化した際に高硬度になるとともに、塗膜化した初期の段階からその表面が親水化する材料である。この上塗材は、塗膜化した際には、試験機または手かきによる鉛筆引っ掻き硬度法(JIS K 5600に準拠)で測定した硬度が7H程度である。また、前記上塗材も、吹付けや、ローラー、刷毛、鏝等により前記下塗材の表面に形成される。
本実施形態によれば、上塗材としてポリシラザンを用いたので、塗膜化した際にその表面が迅速に親水化して、雨筋等の汚れが付着するのを十分に防止できる。さらに、上塗材が塗膜化すると高硬度となるため、本塗料の中に汚れ粒子等が入り込みにくくなって、汚れ防止効果を向上できる上、十分な耐久性も確保できる。
また、基材と上塗材との間に微弾性を有する下塗材を設けたので、基材の表面に微少なひび割れ(例えば、0.06mm程度)等の欠損が生じた場合でも、下塗材の弾性力によって基材のひび割れが吸収されるため、上塗材の表面にひび割れが生じることを防止できる。このため、上塗材の表面にひび割れが生じた場合のように、コンクリート製の基材でエフロレッセンスの発生や漏水等の二次的な問題を防止できる。
また、ポリシラザンからなる上塗材とコンクリート製の基材との間に下塗材を設け、上塗材がコンクリートに直接触れないようにしたので、下塗材がバリアー層となり、高アルカリ条件に弱いポリシラザンをコンクリート製の基材の表面側に塗布することも可能である。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されない。
前記実施形態において、上塗材をポリシラザンとしたが、これに限らず、塗膜化した際に、JIS K5600に示す鉛筆引っ掻き硬度法で測定した硬度がH以上となるような高硬度の材料を利用でき、フッ素樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリルシリコン系樹脂、およびウレタン系樹脂等を用いることができる。また、下塗材を、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂のうち少なくともいずれかを含む材料により構成したが、これには限定されない。また、下塗材の塗膜厚は0.1〜2.0mmには限定されない。また、基材はコンクリートに限定されず、例えば、モルタル板や、ALC板、スレート板、繊維強化コンクリート板、繊維強化モルタル板等を用いてもよい。
ここで、下塗材として好適な材料を、下記の引張試験を実施することにより確認した。具体的には、JISに規格される引張試験に準じたゼロスパンテンション試験を実施して、その伸びを測定することにより実施した。
<1>試験体
長方形状(幅70mm×長さ150mm、または幅70mm×長さ200mm)のスレート板またはモルタル板からなる基材を用意し、基材の裏面側の長さ方向の略中央位置に切り込み(亀裂)を形成した。基材の表面側には、幅50mm×長さ140mmまたは150mm×厚みt(mm)で下記条件にて塗材を塗布した。なお、厚みtは、塗材の標準使用量を基準として塗布した仕上がり厚みとした。
試験例1では、下塗材:伸び率50%の材料、上塗材:なし、厚みt:0.37〜0.46mmの条件で塗布した。
試験例2では、下塗材:伸び率30%の材料、上塗材:なし、厚みt:0.89〜1.34mmの条件で塗布した。
試験例3では、下塗材:伸び率50%の材料、上塗材:あり、厚みt:0.77〜0.95mmの条件で塗布した。
試験例4では、下塗材:伸び率30%の材料、上塗材:あり、厚みt:1.08〜1.59mmの条件で塗布した。
<2>測定方法
塗材が破断するまで、5mm/minの速度で上記各試験体を長さ方向に引っ張り、塗材が破断した際の伸び(mm)を測定した。
<3>結果
各試験の結果を表1に示す。
上記の各試験結果より、下塗材として伸び率30〜50%の材料を用いれば、少なくともその伸びを0.26mmは確保できるため、0.06mm程度の微少なひび割れに十分に追従できることがわかった。このため、伸び率が10〜100%程度の材料を使用することにより、微少なひび割れに十分に追従できることが判明した。
===第2実施形態(遮熱性または防汚性の向上)===
次に、図1を参照しながら、遮熱性および防汚性が付与された塗装物について説明する。
本実施形態における塗装物10は、前述と同様の方法によって製造されたものであり、上塗材1と、下塗材2と、基材3とから構成されている。但し、この上塗材1は、赤外線を選択的に反射する無機顔料4(以下、単に「無機顔料」という)と、光触媒を備えた中空微粒子5(以下、単に「中空微粒子」という)とを含有している。
無機顔料4としては、遮熱性に優れたものが好ましく、例えば、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化セリウム等が挙げられる。
一方、中空微粒子5としては、光触媒が中空状の担体に担持されてなるもの(例えば、光触媒ガラスビーズ「BL2.5シリーズ」:株式会社光触媒研究所製)や、光触媒それ自体が中空状に成形されてなるものがある。中空微粒子5は、その中空領域が断熱機能を有するので、遮熱性の向上にも寄与する。さらに、光触媒にはその表面に付着した少量の水分を超親水性に変え、気化熱によって表面温度を下げる作用がある。従って、光触媒を備えた中空微粒子5は、それ自体で遮熱効果をも発揮する。なお、光触媒には、空気中に含まれるSOx、NOx等の有害ガス成分を分解する作用があるので、これらの塗料1及び塗装物10は環境浄化にも寄与する。
そして、本実施形態における塗装物10は、上塗材1がポリシラザンから構成されている場合と、ポリシラザン以外(例えば、フッ素樹脂,変性アクリル樹脂等)から構成されている場合とがあり、さらに前者の場合には、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1のみに担持されている場合と、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1および下塗材2の双方に跨って担持されている場合とがある。なお、いずれの場合にも、無機顔料4および中空微粒子5は、上塗材1の外表面から一部突き出た状態で担持されていることが好ましい。かかる塗装物10は、無機顔料4および中空微粒子5として、上塗材1よりも比重が小さいものを用いることにより製造できる。
これにより、無機顔料4および中空微粒子5と外気との接触の機会が増加し、高い遮熱性および防汚性を確保することができる。以下、各別に説明する。
図1は、本実施形態における塗装物10を示す概略断面図であり、(a)は上塗材1がポリシラザンから構成されており、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1のみに担持されている場合、(b)は上塗材1がポリシラザンから構成されており、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1および下塗材2の双方に跨って担持されている場合、(c)は上塗材1がポリシラザン以外から構成されている場合を示す。
図1(a)および(b)に示すように、上塗材1がポリシラザンから構成されている場合には、その性質上、塗膜厚をそれほど厚くすることができず、上塗材1の塗膜厚は約0.01〜5μmであり、好ましくは約0.5〜2μm程度である。なお、下塗材2の塗膜厚は100μm〜2mm程度である。
このため、無機顔料4および中空微粒子5を上塗材1のみに担持させる場合には、無機顔料4および中空微粒子5のサイズ(以下、粒径で表示する)は、いずれも約1μm〜上塗材1の塗膜厚の2倍程度にする必要がある(但し、上塗材1の塗膜厚の2倍が1μm未満となる場合は除く)。従って、無機顔料4および中空微粒子5のサイズは、いずれも約1〜10μmとする(図1(a)参照)。
なお、この場合における無機顔料4および中空微粒子5の担持状態としては、例えば、同図の左側に示すように、無機顔料4および中空微粒子5の大部分が上塗材1の外表面から突き出た状態で担持されている場合や、逆に、同図の右側に示すように、無機顔料4および中空微粒子5の大部分が上塗材1に埋まった状態で担持されている場合がある。いずれの場合にも、高い遮熱性および防汚性を示す。
また、無機顔料4および中空微粒子5を上塗材1および下塗材2の双方に跨って担持させる場合には、無機顔料4のサイズは約1〜100μmとし、中空微粒子5のサイズは1〜350μmとする(図1(b)参照)。そして、この場合における無機顔料4および中空微粒子5の担持状態としては、例えば、同図の左側に示すように、無機顔料4および中空微粒子5の大部分が上塗材1および下塗材2に埋まった状態で担持されている場合がある。また、同図の右側に示すように、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1および下塗材2に埋まった状態で担持されながら、比較的大きな領域が上塗材1の外表面から突き出た状態で担持されている場合もある。いずれの場合にも、無機顔料4および中空微粒子5は上塗材1および下塗材2によって強固に担持されており、高い遮熱性および防汚性を示す。
一方、図1(c)に示すように、上塗材1がポリシラザン以外の樹脂(例えば、フッ素樹脂,変性アクリル樹脂,エポキシ樹脂,変性エポキシ樹脂,アクリルシリコン樹脂,アクリル樹脂,ウレタン樹脂等)から構成されている場合には、一般的に塗膜厚を厚くすることができ、その塗膜厚は約10〜120μmである(但し、樹脂によっては最大60μm程度)。そこで、この場合には、無機顔料4および中空微粒子5のサイズを大きくすることが可能となる。そして、無機顔料4および中空微粒子5のサイズを図1(b)と同様のサイズにした場合にも、無機顔料4および中空微粒子5の担持状態としては、図1(c)のア〜オに示すような各種の形態があり、特に、図1(b)とは異なり、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1のみに担持された形態を採りうる(エ,オ参照)。これにより、無機顔料4および中空微粒子5を上塗材1に強固に担持させつつ、高い遮熱性および防汚性を確保することができる。
特に、上塗材1が有機樹脂系塗料を含んで構成されている場合には、マスクメロン型の中空微粒子5(但し、上記の中空微粒子5と同一符号を付している)を用いることが好ましい(例えば、マスクメロン型光触媒:株式会社明成商会製)。マスクメロン型の中空微粒子5とは、多孔質状に成形された中空微粒子の表面に光触媒が担持されたものであり、例えば、中空微粒子の表面を多孔質状に加工し、あるいは表面が多孔質となるように中空微粒子を製造し、その多孔質内に光触媒が担持されたものがある。これにより、光触媒による分解作用を維持確保しつつ、上塗材1を構成する有機樹脂系塗料が光触媒によって分解されてしまうことを防ぐことができる。その結果、上塗材1の耐久性が維持向上する。なお、有機樹脂系塗料としては、例えば、フッ素樹脂系,アクリルシリコン系,ウレタン系,変性ウレタン樹脂系,アクリル系,変性アクリル樹脂系,エポキシ樹脂系,変性エポキシ樹脂系,ポリエステル樹脂系等がある。
また、中空微粒子5が上塗材1のみならず下塗材2にも担持されており(例えば、図1(b)および図1(c)のア、ウ参照)、しかも下塗材2に有機樹脂系塗料が含まれている場合には、同様の問題が生じ得る。そこで、この場合にもマスクメロン型の中空微粒子5を用いることが好ましい。
以上のように、下塗材2の作用により、基材3のひび割れに対して十分に追従できるだけでなく、上塗材1に無機顔料4と中空微粒子5とを併用することで、遮熱性および防汚性も付与されるので、塗装物10の耐久性が向上するなど優れた効果を奏する。
ところで、本実施形態では、上塗材として、無機顔料4および中空微粒子5を含有させたものを例に挙げているが、無機顔料4または中空微粒子5の一方のみを含有させたものを用いてもよい。また、無機顔料として、光触媒でコーティングされていない無機顔料4を例に挙げているが、光触媒でコーティングされた無機顔料を用いてもよい。さらに中空微粒子として光触媒を備えた中空微粒子5を例に挙げているが、光触媒を備えていない中空微粒子を用いてもよい。いずれの場合にも塗装物10は、基材3のひび割れに対して十分な追従性を示すとともに、遮熱性または防汚性が向上する。
なお、上記の各実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
第2実施形態における塗装物を説明するための概略断面図である。
符号の説明
1 上塗材
2 下塗材
3 基材
4 無機顔料
5 中空微粒子(マスクメロン型を含む)
10 塗装物

Claims (17)

  1. 基材の表面に、弾性を有する下塗材を塗布し、
    この下塗材の表面に、塗膜化した際に高硬度となる上塗材を塗布してなることを特徴とする塗装物。
  2. 請求項1に記載の塗装物において、
    前記上塗材は、ポリシラザン、フッ素樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリルシリコン系樹脂、およびウレタン系樹脂のうち少なくともいずれかを含んで構成されることを特徴とする塗装物。
  3. 請求項1または2に記載の塗装物において、
    前記上塗材は、赤外線を選択的に反射する無機顔料を含有することを特徴とする塗装物。
  4. 請求項3に記載の塗装物において、
    前記無機顔料は、光触媒でコーティングされていることを特徴とする塗装物。
  5. 請求項3または4に記載の塗装物において、
    前記無機顔料は、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化セリウムのうち少なくともいずれかを含んで構成されることを特徴とする塗装物。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載の塗装物において、
    前記無機顔料は、前記上塗材の外表面からその一部が突き出た状態で担持されていることを特徴とする塗装物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の塗装物において、
    前記上塗材は、断熱構造を有する中空微粒子を含有することを特徴とする塗装物。
  8. 請求項7に記載の塗装物において、
    前記中空微粒子は、光触媒を備えていることを特徴とする塗装物。
  9. 請求項8に記載の塗装物において、
    前記中空微粒子は、前記光触媒が中空状の担体に担持されてなることを特徴とする塗装物。
  10. 請求項8に記載の塗装物において、
    前記中空微粒子は、前記光触媒が中空状に成形されてなることを特徴とする塗装物。
  11. 請求項7から10のいずれかに記載の塗装物において、
    前記中空微粒子は、前記上塗材の外表面からその一部が突き出た状態で担持されていることを特徴とする塗装物。
  12. 請求項7から11のいずれかに記載の塗装物において、
    前記上塗材は、有機樹脂系塗料を含んで構成されており、
    前記中空微粒子は、その表面が多孔質状であり、この多孔質内に前記光触媒が担持されていることを特徴とする塗装物。
  13. 請求項1に記載の塗装物において、
    前記上塗材は、ポリシラザンから構成されており、その塗膜厚は、0.01〜5μmであって、
    赤外線を選択的に反射する無機顔料と、光触媒を備えた中空微粒子とが、前記上塗材の外表面から一部突き出た状態で、前記上塗材のみに担持されており、
    前記無機顔料および前記中空微粒子のサイズは、1〜10μmであることを特徴とする塗装物。
  14. 請求項1に記載の塗装物において、
    前記上塗材は、ポリシラザンから構成されており、その塗膜厚は、0.01〜5μmであって、
    赤外線を選択的に反射する無機顔料と、光触媒を備えた中空微粒子とが、前記上塗材の外表面から一部突き出た状態で、前記上塗材および前記下塗材の双方に跨って担持されており、
    前記無機顔料のサイズは、1〜100μmであり、前記中空微粒子のサイズは、1〜350μmであることを特徴とする塗装物。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の塗装物において、
    前記下塗材は、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂のうち少なくともいずれかを含んで構成されることを特徴とする塗装物。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の塗装物において、
    前記下塗材の塗膜厚は、0.1〜2.0mmであることを特徴とする塗装物。
  17. 基材の表面に、弾性を有する下塗材を塗布した後、
    この下塗材の表面に、塗膜化した際に高硬度となる上塗材を塗布することを特徴とする塗装方法。

JP2005118279A 2004-11-02 2005-04-15 塗装物および塗装方法 Pending JP2006150337A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005118279A JP2006150337A (ja) 2004-11-02 2005-04-15 塗装物および塗装方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004319077 2004-11-02
JP2005118279A JP2006150337A (ja) 2004-11-02 2005-04-15 塗装物および塗装方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010268403A Division JP4775507B2 (ja) 2004-11-02 2010-12-01 塗装物および塗装方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006150337A true JP2006150337A (ja) 2006-06-15

Family

ID=36629244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005118279A Pending JP2006150337A (ja) 2004-11-02 2005-04-15 塗装物および塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006150337A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2174780A1 (de) 2008-10-10 2010-04-14 Sika Technology AG Aufwickelbarer Fliesenaufbau, Verfahren zur Herstellung sowie die Verwendung
JP2011122097A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Kao Corp 塗料組成物
JP2011122096A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Kao Corp 塗料組成物
WO2014192351A1 (ja) * 2013-05-30 2014-12-04 日本ペイント株式会社 複層塗膜及び複層塗膜の形成方法
CN110746799A (zh) * 2019-11-18 2020-02-04 亚士漆(上海)有限公司 一种热辐射型保温涂料及其制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000191960A (ja) * 1998-12-24 2000-07-11 Toto Ltd 光触媒性親水性コーティング組成物、光触媒性親水性膜の形成方法、及び、光触媒性親水性部材
JP2001300405A (ja) * 2000-04-28 2001-10-30 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 塗膜構造及びその塗膜構造の成形方法
JP2004183331A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Sk Kaken Co Ltd 断熱構造体
JP2004188325A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Washin Chemical Industry Co Ltd 中空多孔質マイクロカプセル、光触媒マイクロカプセル、アンモニア分解用光触媒マイクロカプセル、光触媒マイクロカプセル含有コーティング組成物、静電塗装用光触媒マイクロカプセル含有コーティング組成物及び光触媒マイクロカプセル含有皮膜構造体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000191960A (ja) * 1998-12-24 2000-07-11 Toto Ltd 光触媒性親水性コーティング組成物、光触媒性親水性膜の形成方法、及び、光触媒性親水性部材
JP2001300405A (ja) * 2000-04-28 2001-10-30 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 塗膜構造及びその塗膜構造の成形方法
JP2004183331A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Sk Kaken Co Ltd 断熱構造体
JP2004188325A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Washin Chemical Industry Co Ltd 中空多孔質マイクロカプセル、光触媒マイクロカプセル、アンモニア分解用光触媒マイクロカプセル、光触媒マイクロカプセル含有コーティング組成物、静電塗装用光触媒マイクロカプセル含有コーティング組成物及び光触媒マイクロカプセル含有皮膜構造体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2174780A1 (de) 2008-10-10 2010-04-14 Sika Technology AG Aufwickelbarer Fliesenaufbau, Verfahren zur Herstellung sowie die Verwendung
JP2011122097A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Kao Corp 塗料組成物
JP2011122096A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Kao Corp 塗料組成物
WO2014192351A1 (ja) * 2013-05-30 2014-12-04 日本ペイント株式会社 複層塗膜及び複層塗膜の形成方法
JP2014233844A (ja) * 2013-05-30 2014-12-15 日本ペイントホールディングス株式会社 複層塗膜及び複層塗膜の形成方法
CN105246690A (zh) * 2013-05-30 2016-01-13 日本涂料有限公司 多层涂膜及多层涂膜的形成方法
CN105246690B (zh) * 2013-05-30 2017-09-22 日本涂料有限公司 多层涂膜及多层涂膜的形成方法
CN110746799A (zh) * 2019-11-18 2020-02-04 亚士漆(上海)有限公司 一种热辐射型保温涂料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103409028B (zh) 一种光催化型自修复超疏水涂料及其制备方法
Cannavale et al. Multifunctional bioinspired sol-gel coatings for architectural glasses
US20120276369A1 (en) Protective coatings and methods of making and using the same
TWI441678B (zh) Photocatalyst coating and photocatalyst coating solution
JP2001089752A (ja) 光半導体の光励起に応じて親水化される部材及びその製造方法
JP2006150337A (ja) 塗装物および塗装方法
JP3797037B2 (ja) 光触媒性親水性コーティング組成物
JP2002080830A (ja) 親水性部材およびその製造方法
JP2005089725A (ja) 水性塗料組成物、及び無機質基材の塗装方法
JP5503829B2 (ja) 塗料および塗装物
JP2004010903A (ja) 遮熱性塗料
JP2006131917A (ja) 光触媒性親水性コーティング組成物
JP2013081941A (ja) 防汚塗膜の形成方法及び防汚塗装物
JP2003238897A (ja) 遮熱防音塗料及び遮熱防音工法
JP4775507B2 (ja) 塗装物および塗装方法
JP2007321526A (ja) 建築用表面仕上げ材及びその製造方法
CN207453315U (zh) 一种高耐污的仿铝塑板型涂层***
KR102174275B1 (ko) 건축 내외장재의 방수용 무기도막 형성방법
Gil et al. Effectiveness and durability of anti-graffiti products applied on ETICS: towards a compatible and sustainable graffiti removal protocol
CN209686764U (zh) 一种陶瓷自洁辊涂面板
JP2000319543A (ja) 親水性部材
JP2019181455A (ja) 光触媒塗装体
Mohamed Applications of Nanomaterials in Architectural Design
CN206571099U (zh) 一种地坪涂层结构
Noor et al. A Sustainable Facade Treatment Through Self Cleaning Coating Agents: A Review

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111101