JP2006149707A - スライドファスナーチエン - Google Patents

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Abstract

【課題】 柔軟性を備えたファスナーチエンであって、噛合状態においては横引きおよび突き上げに対して強く、品質のよいファスナーチエンを提供する。
【解決手段】 ファスナーテープ3の側縁部5に樹脂製のファスナーエレメント2を成形したファスナーチエン1において、ファスナーエレメント2はファスナーテープ3に固定する脚部と、脚部9から前方へ延びる側面凹状の頚部8と、頚部8の先端に設けた噛合頭部7とを有し、一つの形態は頚部8の両側に係合突起12を設け、噛合頭部7の両側に係合突起12が嵌合する係合溝11を設け、係合溝11は噛合頭部7の両側全長に設けるか、または他の形態は噛合頭部7の前面左右に係合溝11を設け、頚部8の両側に係合溝11へ嵌合できる係合突起12を設け、係合突起12が脚部9の側面よりも側方へ突設したファスナーチエン1である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、熱可塑性樹脂を用いて射出成形によってファスナーテープの縁部へファスナーエレメントを取り付けたスライドチエンに関するものである。
従来のスライドファスナーチエンにおける射出タイプのファスナーエレメントは、図7に示すように、ファスナーテープの縁部に存在する芯紐上へ熱可塑性樹脂を用いてファスナーエレメントを射出成形手段で取り付け、ファスナーエレメントは膨大状の噛合頭部の先端の隅角部分の中層に凹陥状の係合凹部を設け、また噛合頭部に隣接した凹状の頚部の基部中層に係合凹部へ挿入できる係合突起を設け、左右のファスナーエレメントを噛合させる射出タイプのファスナーエレメントを取り付けたファスナーチエンが知られている。
また、図8に示すように、ファスナーテープの縁部に射出成形したファスナーエレメントは、図7に示した形状のファスナーエレメントにおける噛合頭部の隅角部分の中層に形成した係合凹部を噛合頭部の前半部の全幅にわたって凹溝状を呈する係合溝を設け、さらに頚部の基部中層に係合凹部へ挿入できる係合突起を設け、左右のファスナーエレメントを噛合させる射出タイプのファスナーエレメントを取り付けたファスナーチエンが知られている。
実開昭51−131402号公報
前述の図7および図8に示す射出タイプのファスナーエレメントは、共に噛合時における左右のファスナーエレメントは、噛合部分が近接して両者間に隙間がなくファスナーチエンを長手方向において表裏へ折り曲げようとすると硬く容易に折り曲げることができない、従ってファスナーチエンに柔軟性を備えさせることができない。そこで考えられるのが左右のファスナーエレメントの噛合部分に隙間を設けるためファスナーエレメントの取り付けピッチを大きくすればよいと考えられるが、単にピッチを大きくとり間隙を形成したとしてもファスナーチエンの横引き強度を低下させること、およびファスナーチエンの突き上げ強度、たとえばファスナーチエンを裏側からファスナーエレメントを突き上げる動作を行うと簡単にファスナーエレメントの噛み合いが解除され左右のファスナーストリンガーに分離されてしまうなどの問題点がある。
この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、請求項1および2記載の発明は、共に膨大状の噛合頭部と凹状の頚部から形成された成形樹脂タイプのファスナーエレメントを一定ピッチでファスナーテープに成形し、噛合時に左右のファスナーエレメント間に広幅な間隙を簡単な構造で設置することができ、ファスナーチエンを長手方向において表裏へ容易に折り曲げ変形することができ、柔軟性を備えたファスナーチエンであり、かつ噛合状態のファスナーエレメントは横引き強度および突き上げ強度が強く、ファスナーチエンを容易に分離分割することができない品質のよいファスナーチエンに仕上げることができる成形樹脂タイプのファスナーエレメントを備えたファスナーチエンを提供することが主たる目的である。
前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、ファスナーチエン1をファスナーテープ3の側縁部5に多数の成形樹脂製のファスナーエレメント2を所定ピッチで取り付けて左右一対のファスナーストリンガー4から形成し、ファスナーエレメント2はファスナーテープ3の側縁部5に存在する芯部6を挟持する形で固定する直方体の脚部9と、この脚部9から前方へ延出して側面が凹状に形成した頚部8と、この頚部8の先端に設置した膨大状の噛合頭部7とから形成し、頚部8の両側に係合突起12を突設し、噛合頭部7の両側面に噛合相手の係合突起12が嵌合できる凹状の係合溝11を設け、この係合溝11は噛合頭部7の両側全長にわたって延設したスライドファスナーチエンを主な構成とするものである。
請求項2記載の発明は、ファスナーチエン1をファスナーテープ3の側縁部5に多数の成形樹脂製のファスナーエレメント2を所定ピッチで取り付けて左右一対のファスナーストリンガー4から形成し、ファスナーエレメント2はファスナーテープ3の側縁部5に存在する芯部6を挟持する形で固定する直方体の脚部9と、この脚部9から前方へ延出して側面が凹状に形成した頚部8と、この頚部8の先端に設置した膨大状の噛合頭部7とから形成し、噛合頭部7の前面に、噛合頭部7の左右方向における全幅にわたって凹状の係合溝11を延設し、頚部8の両側に噛合相手の係合溝11へ嵌合できる係合突起12を設け、係合突起12が脚部9の側面よりも側方へ突出する形で設けたスライドファスナーチエンを主な構成とするものである。
この出願の発明の効果として、請求項1記載の発明は、ファスナーテープの側縁部に多数の成形樹脂製のファスナーエレメントを所定ピッチで取り付けた左右一対のファスナーストリンガーを有するファスナーチエンにおいて、ファスナーエレメントがファスナーテープに固定される脚部と、脚部から前方へ延出する側面凹状の頚部と、頚部の先端に設置された膨大状の噛合頭部とを有し、頚部の両側に係合突起を設け、噛合頭部の両側面に係合突起が嵌合する凹状の係合溝を設け、係合溝が噛合頭部の両側全長にわたって延設したことによって、係合突起を噛合相手の噛合頭部の側面に形成した係合溝へ相手方の係合突起と衝接しない限り深く進出させ拡張することができ、左右一対のファスナーストリンガーのファスナーエレメント間に、従来品と比較して広幅な間隙を簡単に形成することができ、柔軟性に富み、かつファスナーチエン割れ現象を惹起することがない、品質のよいファスナーチエンに仕上げることができる効果がある。
請求項2記載の発明は、ファスナーテープの側縁部に多数の成形樹脂製のファスナーエレメントを所定ピッチで取り付けた左右一対ファスナーストリンガーを有するファスナーチエンにおいて、ファスナーエレメントが、ファスナーテープに固定される脚部と、脚部から前方へ延出する側面凹状の頚部と、頚部の先端に設置された膨大状の噛合頭部とを有し、噛合頭部の前面に、噛合頭部の左右方向の全幅にわたって凹状の係合溝を延設し、頚部の両側に係合溝へ嵌合する係合突起を設け、係合突起が脚部の側面よりも側方へ突設したことによって、係合突起を噛合相手の噛合頭部の前面に形成した係合溝に対し側方へ深く進出させ拡張することができ、左右一対のファスナーストリンガーのファスナーエレメント間に、従来品と比較して広幅な間隙を簡単に形成することができ、柔軟性に富み、かつファスナーチエン割れ現象を惹起することがない、品質のよいファスナーチエンに仕上げることができる効果がある。
この発明のスライドファスナーチエンに用いられた成形ファスナーエレメントは、素材に熱可塑性樹脂を用いて射出成形手段によって、ファスナーテープ3の側縁部5に存在する芯部6上へ射出成形した射出タイプのファスナーエレメント2であり、ファスナーエレメント2は先端側に膨大状の噛合頭部7を設け、この噛合頭部7に隣接して括れた凹状の頚部8を側面に形成し、頚部8に隣接してファスナーテープ3の側縁部5の芯部6を上下から挟持する形で直方体の脚部9を一体に形成する。
第1の実施形態としてのファスナーチエン1に用いられた射出成形タイプのファスナーエレメント2は、頚部8における脚部9側の側面中層部分に噛合頭部7の幅内で噛合頭部7の先端側へ突出する断面凸状の係合突起12を設け、噛合頭部7における両側中層部分には噛合相手の係合突起12が嵌合できる断面凹状の係合溝11を設け、係合溝11は噛合頭部7の先端まで頚部8の幅で凹設して係合突起12の先端側に空隙を形成する。
第2の実施形態としてのファスナーエレメント2は、頚部8における脚部9側の側面中層部分に噛合頭部7の側面よりも横方向すなわちファスナーチエン1の長手方向へ突出する断面四角状の係合突起12を設け、噛合頭部7は噛合先端側の前半部に係合突起12が挿入できる断面凹状の係合溝11を設ける。
図1〜3に示す実施例1のファスナーチエンに用いる成形樹脂製のファスナーエレメントは、ファスナーエレメント2の素材にポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形手段によって、ファスナーテープ3の側縁部5に沿って設けた膨大状の芯部6を上下から挟持する形で、所定のピッチ毎に射出成形して取り付けて、左右一対のファスナーストリンガー4を形成する。
ファスナーエレメント2は平面的にみると先端に膨大状の噛合頭部7を形成し、その内側に側面が括れた凹状の頚部8を連設し、頚部8に隣接して直方体の脚部9を形成する。ファスナーエレメント2は一定の厚さを有し、噛合頭部7の両側面における厚さ方向の中層部分に噛合相手のファスナーエレメント2の係合突起12を嵌合できる断面凹溝の係合溝11を設け、この係合溝11は頚部8の幅をもって噛合頭部7の側面にその全長にわたって凹設する。凹状の頚部8には脚部9側の基部に噛合頭部7の幅の範囲内で噛合頭部7の係合溝11へ向けて突出する断面凸状の係合突起12を設ける。この係合突起12は脚部9の側面の延長線上に沿って、ファスナーエレメント2の長さ方向に長く突出し、その突出量は、噛合相手となるファスナーエレメント2の係合突起12と互いに当接し障害とならず、かつ係合突起12が係合溝11に嵌合した際に所要の横引き強度と突き上げ強度を確保できる範囲内に設ける。
具体的な1例を示せば、ファスナーエレメント2は、噛合頭部7の幅をWとすると、頚部8は噛合頭部7の半分の幅すなわち1/2Wとして成形し、脚部9の幅は噛合頭部7の幅と同一幅、または大きな幅であってもよい。ファスナーエレメント2はファスナーテープ3における側縁部5の芯部6を挟持する形で約1.7Wのピッチで成形することにより、左右のファスナーエレメント2間の噛合部分に、従来品よりもゆとりのある間隙を形成することができる。例えば従来品であるとピッチは約1.5Wであるから確実に広幅の間隙が形成できる。しかも広幅の間隙に対処するために噛合頭部7の側面に形成した前端から深度の深い係合溝11へ向けて、従来品に比して突出量の大きな係合突起12を脚部9の前端に一体に突設したところに特徴がある。
上記特徴を備えることにより、各ファスナーエレメント2間の間隙が広幅となったファスナーチェン1において、係合溝11と係合突起12との嵌合量すなわち係合溝11と係合突起12とがファスナーエレメント2の表裏方向にて重なる面積をファスナーエレメント2の長さ方向において、従来のファスナーエレメント2と同じまたはそれ以上の大きさで得ることができる。これにより、図3に示すように、ファスナーチエン1をその表裏方向に曲折させても、係合溝11から係合突起12が抜脱することがなく、柔軟性を備えたファスナーチエン1に仕上げることができる。
図4〜6に示す実施例2のファスナーチエンに用いる成形樹脂製のファスナーエレメントは、ファスナーエレメント2は前例と同様に熱可塑性樹脂を用いて射出成形手段によって、ファスナーテープ3の側縁部5に沿って設けた膨大状の芯部6を上下から挟持する形で、所定ピッチ毎に射出成形して取り付けて、左右一対のファスナーストリンガー4を形成する。
ファスナーエレメント2は、前例と同様に膨大状の噛合頭部7を形成し、その内側に側面が括れた凹状の頚部8を連設し、頚部8に隣接して長方体の脚部9を一体に形成する。噛合頭部7における前面における厚み方向の中層に噛合相手のファスナーエレメント2の係合突起12が嵌合できる断面凹溝の係合溝11を凹設する。この係合溝11は噛合頭部7の幅方向の全長にわたって凹設され、その深度は係合突起12が係合溝11に嵌合した際に所要の横引き強度と突き上げ強度を確保できる範囲で自由に設定できる。頚部8の脚部9側の基部に係合溝11へ嵌合できる係合突起12を脚部9の側面よりも側方へ張り出す形、すなわち噛合頭部7よりも側方向へ突出する形で断面四角状の係合突起12を形成するとともに、係合突起12の側方に空隙が存在する形に形成する。この係合突起12は、芯部6よりも噛合頭部7寄りに位置し、芯部6に沿ってファスナーエレメント2の幅方向へ長く突出する。また係合突起12を芯部6に重なった位置、すなわち係合突起12と芯部6とを固着一体化するものであってもよい。
具体的な1例を示せば、ファスナーエレメント2は前例と同様に噛合頭部7の幅をWとすると頚部8は1/2Wで約1.7Wのピッチで脚部9をファスナーテープ3の側縁部5に射出成形することにより、左右のファスナーエレメント2の噛合部分に従来品よりもゆとりのある間隙を形成することができる。従って広幅の間隙であるので、確実に噛合状態を保持するため、係合突起12を噛合頭部7より側方へ突出させて係合溝11へ挿入できる形に形成したところに特徴がある。上記特徴を備えることにより、各ファスナーエレメント2間の間隙が広幅となったファスナーチエン1において、係合溝11と係合突起12との嵌合量すなわち係合溝11と係合突起12とがファスナーエレメント2の表裏方向にて重なる面積をファスナーエレメント2の幅方向において、従来のファスナーエレメント2と同じまたはそれ以上の大きさで得ることができる。これにより、図6に示すように、ファスナーチエン1をその表裏方向に曲折させても、係合溝11から係合突起12が抜脱することがなく、柔軟性を備えたファスナーチエン1に仕上げることができる。
この発明の成形樹脂製のファスナーエレメントを備えたファスナーチエンは、衣服の前立てをはじめ衣服の開口部に用い、その他バッグ、袋物などあらゆる製品の開閉部分に取り付けて使用することができる。
実施例1に基づく成形タイプのファスナーエレメントの斜視図である。 同上成形タイプのファスナーエレメントを備えたファスナーチエンの要部を示す正面図である。 同上ファスナーチエンの曲折状態を示す縦断面図である。 実施例2に基づく成形タイプのファスナーエレメントの斜視図である。 同上成形タイプのファスナーエレメントを備えたファスナーチエンの要部を示す正面図である。 同上ファスナーチエンの曲折状態を示す縦断面図である。 公知のファスナーチエンの要部を示す正面図である。 他の公知のファスナーチエンの要部を示す正面図である。
符号の説明
1 ファスナーチエン
2 ファスナーエレメント
3 ファスナーテープ
4 ファスナーストリンガー
5 側縁部
7 噛合頭部
8 頚部
9 脚部
11 係合溝
12 係合突起

Claims (2)

  1. ファスナーテープ3の側縁部5に多数の成形樹脂製のファスナーエレメント2を所定ピッチで取り付けた左右一対のファスナーストリンガー4を有するファスナーチエン1において、ファスナーエレメント2がファスナーテープ3に固定される脚部9と、脚部9から前方へ延出する側面凹状の頚部8と、頚部8の先端に設置された膨大状の噛合頭部7とを有し、頚部8の両側に係合突起12を設け、噛合頭部7の両側面に係合突起12が嵌合する凹状の係合溝11を設け、係合溝11が噛合頭部7の両側全長にわたって延設してなることを特徴とするスライドファスナーチエン。
  2. ファスナーテープ3の側縁部5に多数の成形樹脂製のファスナーエレメント2を所定ピッチで取り付けた左右一対ファスナーストリンガー4を有するファスナーチエン1において、ファスナーエレメント2がファスナーテープ3に固定される脚部9と、脚部9から前方へ延出する側面凹状の頚部8と、頚部8の先端に設置された膨大状の噛合頭部7とを有し、噛合頭部7の前面に、噛合頭部7の左右方向の全幅にわたって凹状の係合溝11を延設し、頚部8の両側に係合溝11へ嵌合する係合突起12を設け、係合突起12が脚部9の側面よりも側方へ突設してなることを特徴とするスライドファスナーチエン。
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