JP2006148355A - 広帯域低損失カプラおよび該カプラを用いた試験治具、ならびに、無線信号の試験方法 - Google Patents

広帯域低損失カプラおよび該カプラを用いた試験治具、ならびに、無線信号の試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べて、低損失かつ高安定かつ広帯域のカプラを提供する。
【解決手段】電子装置が具備するアンテナから放射される無線信号を検出するためのカプラであって、導電性のケースと、該ケース内に具備されフィルタとして作用するように互いに電磁結合された2以上の共振導体とを備え、該共振導体は、第一の共振導体と、同軸コネクタに電気的に接続された第二の共振導体とを含み、該ケースは該電子装置または該アンテナを該ケース内に挿入するための開口部を有し、該第一の共振導体は、該電子装置または該アンテナが該ケース内に挿入された時に、他のどの該共振導体よりも強く該アンテナに電磁結合する。
【選択図】図4

Description

本発明は、カプラに係り、特に広帯域かつ低損失かつ高安定のカプラに関する。
従来、無線通信機能を備える電子装置は、試験装置との有線接続により、無線機能や無線性能が試験されていた。しかし、近年では、有線接続のための端子を持たない電子装置が多く出回るようになってきている。そのような電子装置は、電子装置が備える被試験アンテナから放射される無線信号を検出することにより試験する他ない。従来、被試験アンテナからの無線信号を検出する手段として、アンテナ型カプラや空洞共振器型カプラがある。
アンテナ型カプラは、被試験アンテナに対向して設けられた試験用アンテナである。この試験用アンテナを被試験アンテナと近傍界(near field)で電磁結合させ、被試験アンテナから放射される無線信号を検出する(例えば、特許文献1を参照。)。試験用アンテナの例としては、ダイポールアンテナや平面アンテナなどがある。この種のカプラは、被試験アンテナに対する電磁結合度が低い(高損失)。また、その電磁結合度は、被試験アンテナとの対向角度の影響を受けやすい(低安定)。さらに、この種のカプラは、外来ノイズを抑えるため、アンテナ型カプラや被試験アンテナを含む試験環境を外部から遮蔽する必要がある。
一方、空洞共振器型カプラは、所定の周波数で共振する空洞共振器に、被試験アンテナを挿入することができる最小限の穴を設けたものである。この空洞共振器に被試験アンテナを挿入し、被試験アンテナから放射される無線信号を空洞共振器で検出する。この種のカプラは、被試験アンテナに対する電磁結合度が高い(低損失)。また、その電磁結合度は、被試験アンテナの対向角度の影響を受けにくい(高安定)。さらに、この種のカプラは、外来ノイズの影響を受けにくく試験環境を遮蔽する必要がない。以上のように、空洞共振器型のカプラは、アンテナ型カプラと比べて優れた点が多く、電子装置の無線機能や無線性能の試験に適している。
特開平10―282174号公報(第1〜2頁、図1)
ところで、最近の電子装置が無線通信のために占有する帯域は以前に比べて格段に広くなってきている。例えば、現在主流の通信手段の1つである無線LANは、スペクトラム拡散方式を採用しており、従来の単なるFM変調方式などに比べて占有帯域幅が広い。ここで、1つの問題が生じる。空洞共振器型のカプラは、そのような広帯域無線信号を高精度で検出するのに十分な通過帯域を有していないのである。従って、例えば、空洞共振器型のカプラを用いて、そのような広帯域無線信号の変調精度を試験すると測定誤差が大きいなどの問題が生じる。また、従来の無線信号を多チャンネル同時に試験する場合も、試験対象となる周波数帯域は広い。従来、多チャンネル試験のために、チャンネル毎に空洞共振器型カプラを用意しなければならなかった。
そこで、本発明は、電子装置に備えられるアンテナから発せられる無線信号を検出するためのカプラであって、従来に比べて、低損失かつ高安定かつ広帯域のカプラを提供することを目的とする。
本第一の発明は、電子装置が具備するアンテナから放射される無線信号を検出するためのカプラであって、第一端が同軸出力を有し第二端が開放されたフィルタを備え、前記無線信号が前記第一端よりも強く前記第二端に電磁結合できるように、前記アンテナまたは前記電子装置を配置できるようにしたことを特徴とするものである。
また、本第二の発明は、本第一の発明のカプラにおいて、導電性のケースと、前記ケース内に具備されフィルタとして作用するように互いに電磁結合された2以上の共振導体とを備え、前記共振導体は、第一の共振導体と、同軸コネクタに電気的に接続された第二の共振導体とを含み、前記ケースは、前記電子装置または前記アンテナを前記ケース内に挿入するための開口部を有し、前記第一の共振導体は、前記電子装置または前記アンテナが前記ケース内に挿入された時に、他のどの前記共振導体よりも強く前記アンテナに電磁結合することを特徴とするものである。
さらに、本第三の発明は、電子装置が具備するアンテナから放射される無線信号を試験するための治具であって、本第一の発明または本第二の発明のカプラと、前記無線信号を前記カプラに電磁結合させる時に、前記アンテナまたは前記電子装置と前記カプラとを所定の位置関係にさせる位置決め手段とを備えることを特徴とするものである。
またさらに、本第四の発明は、電子装置が具備するアンテナから発せられる無線信号を試験する方法であって、前記アンテナまたは前記電子装置と、第一端が同軸出力を有し第二端が開放されたバンドパスフィルタとを所定の位置関係にさせ、前記無線信号を前記第一端よりも強く前記第二端に電磁結合させ、前記同軸出力の信号を試験することを特徴とするものである。
本発明のカプラは、無線信号をフィルタに結合させるので、無線信号を従来に比べて広帯域かつ低損失で検出することができる。また、本発明のカプラは、カプラが被試験アンテナ周辺を囲むので、無線信号を安定して検出することができる。さらに、本発明のカプラは、被試験アンテナ周辺を導体で囲むので、外来ノイズの影響を受けにくく、シールドボックスなどがほぼ不要となる。またさらに、本発明のカプラは、フィルタ作用により望まない周波数成分を遮断することができる。
本発明の実施形態を、添付の図面を適宜参照しながら、以下に説明する。本発明の第一の実施形態は、試験治具10である。以下、図1を参照する。図1は、試験治具10を示す斜視図である。試験治具10は、カプラ400を用いて被測定物100を試験する装置である。なお、本発明の説明において、試験という用語は、測定、評価、判定または検査などの類義語に置き換えて読むこともできる。
ここで、図2Aおよび図2Bを参照する。図2Aおよび図2Bは、被測定物100の正面図である。図2Aにおいて、被測定物100は、無線信号を放射するためのアンテナ110を内蔵している。従って、外部からアンテナ110にアクセスできない。その反対に、図2Bに示すように、被測定物100は、無線信号を放射するためのアンテナ120を被測定物100の外部へ露出させるようにして具備することもできる。この場合、外部からアンテナ120へのアクセスが容易である。
さて、再び図1を参照する。試験治具10は、基盤200と、位置決め装置300と、カプラ400とを備える。
位置決め装置300は、レール310と、レール310に沿って動くステージ320とを具備し、基盤200上に設置されている。ステージ320は、被測定物100を着脱可能に保持し、矢印A方向に被測定物100を位置決めすることができる。この位置決め方向は、矢印Aに鉛直の方向であっても良い。また、位置決め装置300は、一部がカプラ400内に進入する時、その一部はテフロン(商標)などの電磁的に無視しうる材料により形成されている必要がある。
カプラ400は、支持部材500を介して基盤200上に設置されている。以下、図3と図4を参照する。図3は、カプラ400のみを示す斜視図である。また、図4は、図3におけるJ−J断面図である。カプラ400は、ケース410と、3つの共振棒421および422および423と、3つの周波数調整ネジ431および432および433と、2つの結合調整ネジ441および442と、同軸コネクタ450とを備える。ケース410と共振棒421および422および423は、コムライン型半同軸空洞フィルタとして機能する。
ケース410は、主部411と蓋部412とを組み合わせてなる導電性の空洞直方体である。主部411および蓋部412のそれぞれは、銅合金に銅メッキを施し、さらに金メッキを施したものである。ケース410は、少なくとも表面付近が所望の周波数において良好な導電性を有する空洞体であれば良い。従って、ケース410は、上記のように複数の部品により構成されずとも良く、また、地金は他の種類の金属でも良く、また、メッキを施さずとも良い。さらに、ケース410の形状は、空洞円柱でも良い。例えば、ケース400は、引抜管(drawn tube)等を代用することができる。なお、ケース410の寸法は、カプラ400に期待される諸特性(例えば、周波数特性、損失、インピーダンスなど)に応じて決定される。以下、カプラ400に期待されるこれらの諸特性を「カプラ仕様」と称する。
ケース410は、被測定物100をケース410の内部に挿入できるように、開口部410aを有する。これにより、図2Aに示すアンテナ110または図2Bに示すアンテナ120を、ケース410内に配置することができる。開口部410aの周囲は、被測定物100がケース410に接触した時に被測定物100を損傷させないように、テフロン(商標)製の保護部材461および462および463が取り付けられている。保護部材461および462および463は、被測定物100を保護し得る限りにおいて、自由に変形することができる。また、保護部材461および462および463は、電磁的に無視しうる他の材料から製造されても良い。なお、保護部材461および462および463の取り付けは、接着剤または樹脂ネジなど電磁的に無視しうる手段が採用される。また、開口部410aは、自由に変形することができるが、できるだけ被測定物100またはアンテナ120を囲むことが望ましい。例えば、開口部410aは、図2Bに示すアンテナ120のみをケース410の内部に挿入できる程度に小さくしても良い。
ケース410は、内側の一面411aに、共振棒421および422および423が設けられている。また、ケース410は、内側において面411aに対向する面411cに、周波数調整ネジ431および432および433と、結合調整ネジ441および442が設けられている。
共振棒421および422および423は、銅合金からなる円柱状の棒である。共振棒421および422および423のぞれぞれは、一端が開放され、他端がケース400の面411aに取り付けられ、所定の間隔で並んでいる。共振棒421および422および423のそれぞれは、ネジ471および472および473により、ケース410に取り付けられている。また、共振棒423は、ループ480を介して、同軸コネクタ450と電気的に接続されている。共振棒421および422および423は、少なくとも表面付近が所望の周波数において良好な導電性を有する棒状の部材であれば良い。従って、共振棒421および422および423の形状は、円柱状に限定されず、カプラ仕様に応じて変形できる。また、これらの共振棒の数は、3本に限定されず、カプラ仕様に応じて増減される。例えば、これらの共振棒は、4本の角柱状の金属棒とすることができる。
周波数調整ネジ431および432および433は、銅合金からなるネジである。周波数調整ネジ431は、対応する共振棒421との距離を変化させることにより、共振棒421とケース410との間の容量を調整することができる。周波数調整ネジ432は、対応する共振棒422との距離を変化させることにより、共振棒422とケース410との間の容量を調整することができる。周波数調整ネジ433は、対応する共振棒423との距離を変化させることにより、共振棒423とケース410との間の容量を調整することができる。これらの容量の変化は、対応する共振棒に係る同調周波数の変化をもたらす。なお、周波数調整ネジ431および432および433は、容量の調整範囲を変えるために、先端に電極板を備えても良い。
結合調整ネジ441および442は、導電性の金属ネジである。結合調整ネジ441は、ケース410との距離を変化させることにより、共振棒421と共振棒422との間の結合度を調整することができる。結合調整ネジ442は、ケース410との距離を変化させることにより、共振棒422と共振棒423との間の結合度を調整することができる。結合調整ネジ441および442は、各共振棒間の結合度を調整または定義できるものであれば如何なる変形も可能である。従って、結合調整ネジ441および442は、カプラ400の加工精度が十分に高ければ、固定長の棒であっても良い。また、結合調整ネジ441および442の形状は、ネジに限定されず、カプラ仕様に応じて変形できる。さらに、結合調整ネジ441および442の材質は、金属に限定されず、誘電体などの非金属であっても良い。例えば、結合調整ネジ441および442は、誘電体からなる固定長の角柱状の棒に変えることができる。
同軸コネクタ450は、メス型SMAコネクタである。なお、同軸コネクタ450は、同軸出力であれば良いので、同軸ケーブルや他種の同軸コネクタでも良い。例えば、同軸コネクタ450は、APC−3.5コネクタに変えることができる。
次に、試験治具10の動作について、図1と図4を参照しながら説明する。まず、被測定物100またはアンテナ120は、カプラ400内に挿入され、できるだけ共振棒421に近い所定位置に位置決めされる。カプラ400への挿入後、被測定物100(実際にはアンテナ110またはアンテナ120)から放射される電磁波は、共振棒421および422および423に結合する。この時、被測定物100から放射される電磁波は、共振棒421に最も強く結合し、共振棒423に最も弱く結合する。共振棒421および422および423は、特定の周波数を有する電磁波に反応して、ケース410との間で共振する。これらの共振棒と共振する電磁波は、ループ480を介して同軸コネクタ450から、電気信号として出力される。以上の作用の結果、被測定物100から放射される電磁波すなわち無線信号は、同軸コネクタ450から出力される。試験者は、この同軸コネクタ450の出力信号を試験することにより、被測定物100から放射される無線信号を試験することができる。
ケース410と共振棒421および422および423はコムライン型半同軸空洞フィルタとして機能するので、被測定物100から放射される無線信号は、コムライン型半同軸空洞フィルタの通過帯域において、カプラ400により低損失に検出される。これにより、カプラ400は、被測定物100から放射される無線信号を、従来に比べて広帯域かつ低損失で検出することができる。なお、コムライン型半同軸空洞フィルタの通過帯域および阻止帯域は、従来の設計手法を用いて柔軟に変更することができる。
また、被測定物100がカプラ400に挿入される時、アンテナ110またはアンテナ120は周囲をカプラ400で囲まれるので、被測定物100から放射される無線信号の多くがカプラ400(特に、共振棒421)に結合する。これにより、アンテナ110またはアンテナ120とカプラ400との電磁結合度は、それらのアンテナの対向角度の影響を受けにくくなる。その結果、カプラ400は、被測定物100から放射される無線信号を安定して検出することができる。
さらに、位置決め装置300は、アンテナ110またはアンテナ120とカプラ400を所定の位置関係になるよう配置する。これにより、試験治具10は、アンテナ110またはアンテナ120とカプラ400との電磁結合の再現性を要する試験の精度が高い。なお、電磁結合の再現性を要する試験は、例えば、送信電力や最小受信感度などの試験である。
さて、前述の通り、カプラ400の開口部410aは適宜変形することができる。そこで、開口部410aが変形された態様であり、本発明の第二の実施形態である試験治具20について、以下に説明する。
以下、図5を参照する。図5は、試験治具20を示す斜視図である。試験治具10は、カプラ700を用いて被測定物100を試験する装置である。なお、図5において、図1と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。また、被測定物100は、図2Aおよび図2Bを用いて説明した通りである。
さて、図5において、試験治具20は、基盤200と、位置決め装置600と、カプラ700とを備える。
位置決め装置600は、レール610と、レール610に沿って動くステージ620とを具備し、基盤200上に設置されている。ステージ620は、被測定物100を着脱可能に保持し、矢印B方向に被測定物100を位置決めすることができる。被測定物100は、矢印Bに沿って往復移動しても良いし、カプラ700を通り抜けるように矢印Bに沿って一方向に移動しても良い。また、位置決め装置600は、一部がカプラ700内に進入する時、その一部はテフロン(商標)などの電磁的に無視しうる材料により形成されている必要がある。
カプラ700は、支持部材500を介して基盤200上に設置されている。以下、図6と図7を参照する。図6は、カプラ400のみを示す斜視図である。また、図7は、図6におけるK−K断面図である。なお、図6において、図3と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。また、図7において、図4と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
カプラ700は、ケース710と、3つの共振棒421および422および423と、3つの周波数調整ネジ431および432および433と、2つの結合調整ネジ441および442と、同軸コネクタ450とを備える。ケース710と共振棒421および422および423は、コムライン型半同軸空洞フィルタとして機能する。
ケース710は、ケース410において、開口部の形状が変形されたものである。ケース710は、主部711と蓋部712とを組み合わせてなる導電性の空洞直方体である。主部711および蓋部712のそれぞれは、銅合金に銅メッキを施し、さらに金メッキを施したものである。また、ケース710は、少なくとも表面付近が所望の周波数において良好な導電性を有する空洞体であれば良いので、主部711および蓋部712は、主部411および蓋部412と同様の変形が可能である。
ケース710は、被測定物100をケース710の内部に挿入できるように、開口部710aを有する。これにより、図2Aに示すアンテナ110または図2Bに示すアンテナ120を、ケース710内に配置することができる。開口部710aの周囲は、被測定物100がケース710に接触した時に被測定物100を損傷させないように、テフロン(商標)製の保護部材761および762および763および764が取り付けられている。保護部材761〜764は、被測定物100を保護し得る限りにおいて、自由に変形することができる。また、保護部材761〜764は、電磁的に無視しうる他の材料から製造されても良い。なお、保護部材761〜764の取り付けは、接着剤または樹脂ネジなど電磁的に無視しうる手段が採用される。また、開口部710aは、図2Bに示すアンテナ120のみをケース710の内部に挿入できる程度に小さくしても良い。
ケース710は、内側の一面711aに、共振棒421および422および423が設けられている。また、ケース410は、内側において面711aに対向する面711cに、周波数調整ネジ431および432および433と、結合調整ネジ441および442が設けられている。
本実施形態において、周波数調整ネジ431および432および433は、対応する共振棒との距離を変化させることにより、対応する共振棒とケース710との間の容量を調整することができる。また、結合調整ネジ441および442は、ケース710との距離を変化させることにより、隣接する2つの共振棒間の結合度を調整することができる。これらのネジは、第一の実施形態と同様に変形することができる。
次に、試験治具20の動作について、図5と図7を参照しながら説明する。まず、被測定物100またはアンテナ120は、カプラ700内に挿入され、できるだけ共振棒421に近い所定位置に位置決めされる。カプラ700への挿入後、被測定物100(実際にはアンテナ110またはアンテナ120)から放射される電磁波は、共振棒421および422および423に結合する。この時、被測定物100から放射される電磁波は、共振棒421に最も強く結合し、共振棒423に最も弱く結合する。共振棒421および422および423は、特定の周波数を有する電磁波に反応して、ケース710との間で共振する。これらの共振棒と共振する電磁波は、ループ480を介して同軸コネクタ450から、電気信号として出力される。以上の作用の結果、被測定物100から放射される電磁波すなわち無線信号は、同軸コネクタ450から出力される。試験者は、この同軸コネクタ450の出力信号を試験することにより、被測定物100から放射される無線信号を試験することができる。
ケース710と共振棒421および422および423はコムライン型半同軸空洞フィルタとして機能するので、被測定物100から放射される無線信号は、コムライン型半同軸空洞フィルタの通過帯域において、カプラ700により低損失に検出される。これにより、カプラ700は、被測定物100から放射される無線信号を、従来に比べて広帯域かつ低損失で検出することができる。なお、コムライン型半同軸空洞フィルタの通過帯域および阻止帯域は、従来の設計手法を用いて柔軟に変更することができる。
また、被測定物100がカプラ700に挿入される時、アンテナ110またはアンテナ120は周囲をカプラ700で囲まれるので、被測定物100から放射される無線信号の多くがカプラ700(特に、共振棒421)に結合する。これにより、アンテナ110またはアンテナ120とカプラ700との電磁結合度は、それらのアンテナの対向角度の影響を受けにくくなる。その結果、カプラ700は、被測定物100から放射される無線信号を安定して検出することができる。
さらに、位置決め装置600は、アンテナ110またはアンテナ120とカプラ700を所定の位置関係になるよう配置する。これにより、試験治具20は、アンテナ110またはアンテナ120とカプラ700との電磁結合の再現性を要する試験の精度が高い。なお、電磁結合の再現性を要する試験は、例えば、送信電力や最小受信感度などの試験である。
さて、上記の2つの実施形態において、主にケースと共振棒とで構成される半同軸空洞フィルタは、上述のコムライン型のみならず、インターディジタル型になるようにレイアウトを変更することができる。また、上記の2つの実施形態において、周波数調整ネジを除去し、共振棒の両端をケースに取り付けるようにしても良い。この場合、空洞フィルタは、同軸空洞フィルタとなる。
さらに、上記の2つの実施形態において、空洞フィルタに代えて他のフィルタを備えるようにしても良い。例えば、導電性ケースの内部に、第一端が同軸出力を有し第二端が開放された他の型のフィルタを備え、被測定物100またはアンテナ110またはアンテナ120を配置できるように該ケースを加工し、被測定物100から放射される無線信号が該第一端よりも強く該第二端に電磁結合できるようにしても良い。この他に、一端を開放した導波管フィルタと導波管同軸変換器を直列接続したものをカプラとし、開放部に被測定物100を挿入して、無線信号を試験するようにしても良い。ただし、この場合、スリット等を設けることができないので、半同軸型カプラまたは同軸型カプラに比べて、被測定物100の形状が制限されるなどの不都合がある。
ここで、本発明の実施例について図4を参照しながら以下に説明する。本実施例は、特に、第一の実施形態である試験治具10のカプラ400についての具体例を述べる。さて、カプラ400は、無線LANの一規格であるIEEE802.11bで規定される変調信号を検出するものとする。この場合、カプラ400で検出すべき帯域は、2.4G〜2.5GHzである。この時、ケース410の寸法は、横(長手方向)が109.7mm、縦が33.7mm、図示しない厚さが29.8mmである。また、共振棒421および422および423のそれぞれは、直径が9.8mm、長さが30.6mm、特性インピーダンスが75オームである。また、それらの共振棒は、30.6mmの間隔で並んでいる。同軸コネクタ450の特性インピーダンスは、50オームである。
次に、図8Aおよび図8Bを参照する。図8Aは、カプラ400の周波数特性を示すグラフである。図8Bは、従来の空洞共振器型カプラの周波数特性を示すグラフである。両図ともに、縦軸は振幅、横軸は周波数を示している。両図ともに、縦軸の範囲は[−50dB:0dB]、横軸の範囲は[2.30GHz:2.60GHz]である。さて、図8Aにおいて、マーカ1(−3.7430dB@2.40GHz)、マーカ2(−3.5920dB@2.45GHz)、マーカ3(−3.1160dB@2.50GHz)が示されている。一方、図8Bにおいて、マーカ1(−26.504@2.4GHz)、マーカ2(−17.078dB@2.45GHz)、マーカ3(−23.272@2.5GHz)が示されている。以上のデータを比較すると、カプラ400は、所望の帯域(2.4G〜2.5GHz)において、全体的に損失が小さく、また、損失の変動幅も小さいことが分かる。
本発明の第一の実施形態である試験治具10を示す斜視図である。 被測定物100の正面図である。 被測定物100の正面図である。 カプラ400を示す斜視図である。 図3におけるJ−J断面図である。 本発明の第一の実施形態である試験治具20を示す斜視図である。 カプラ700を示す斜視図である。 図6におけるK−K断面図である。 カプラの周波数特性の例を示す図である。 カプラの周波数特性の例を示す図である。
符号の説明
10,20 試験治具
100 被測定物
110,120 アンテナ
200 基盤
300,600 位置決め装置
310,610 レール
320,620 ステージ
400,700 カプラ
410,710 ケース
410a,710a 開口部
421,422,423 共振棒
431,432,433 周波数調整ネジ
441,442 結合調整ネジ
450 同軸コネクタ
461,462,463 保護部材
480 ループ
500 支持部材
761,762,763,764 保護部材

Claims (4)

  1. 電子装置が具備するアンテナから放射される無線信号を検出するためのカプラであって、
    第一端が同軸出力を有し第二端が開放されたフィルタを備え、
    前記無線信号が前記第一端よりも強く前記第二端に電磁結合できるように、前記アンテナまたは前記電子装置を配置できるようにしたことを特徴とするカプラ。
  2. 導電性のケースと、前記ケース内に具備されフィルタとして作用するように互いに電磁結合された2以上の共振導体とを備え、
    前記共振導体は、第一の共振導体と、同軸コネクタに電気的に接続された第二の共振導体とを含み、
    前記ケースは、前記電子装置または前記アンテナを前記ケース内に挿入するための開口部を有し、
    前記第一の共振導体は、前記電子装置または前記アンテナが前記ケース内に挿入された時に、他のどの前記共振導体よりも強く前記アンテナに電磁結合する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のカプラ。
  3. 電子装置が具備するアンテナから放射される無線信号を試験するための治具であって、
    請求項1または請求項2に記載のカプラと、
    前記無線信号を前記カプラに電磁結合させる時に、前記アンテナまたは前記電子装置と前記カプラとを所定の位置関係にさせる位置決め手段と、
    を備えることを特徴とする試験治具。
  4. 電子装置が具備するアンテナから発せられる無線信号を試験する方法であって、
    前記アンテナまたは前記電子装置と、第一端が同軸出力を有し第二端が開放されたバンドパスフィルタとを所定の位置関係にさせ、
    前記無線信号を前記第一端よりも強く前記第二端に電磁結合させ、
    前記同軸出力の信号を試験することを特徴とする方法。
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