JP2006147023A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 垂直磁気記録方式にて記録媒体上に情報を記録する記録ヘッド部と、記録媒体上の情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関し、磁気記録装置の高記録密度化に対応するために、記録媒体上の記録磁界強度の湾曲の度合いを低減させ、磁化パターンの反転形状の湾曲の度合いを低減させることを目的とする。
【解決手段】 記録媒体3に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部1と、記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部2とを含み、主磁極部、記録媒体および補助磁極部により形成される磁気回路を利用して記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部11と、記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部12とを有する薄膜磁気ヘッド10において、主磁極部の側壁の両側に、主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部7を設ける。
【選択図】 図5
【解決手段】 記録媒体3に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部1と、記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部2とを含み、主磁極部、記録媒体および補助磁極部により形成される磁気回路を利用して記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部11と、記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部12とを有する薄膜磁気ヘッド10において、主磁極部の側壁の両側に、主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部7を設ける。
【選択図】 図5
Description
本発明は、垂直磁気記録方式によりディスク等の記録媒体上の任意の位置に情報(データ)を記録する記録ヘッド部と、記録媒体上の任意の位置に記録されている情報(データ)を再生する再生ヘッド部とを有し、磁気ディスク装置や磁気テープ装置等の磁気記録装置に使用される薄膜磁気ヘッド、および当該薄膜磁気ヘッドの製造方法に関するものである。
磁気ディスク装置や磁気テープ装置等の磁気記録装置では、薄膜磁気ヘッドに代表される磁気ヘッドを用いて、記録媒体上の任意の位置にデータを記録することでデータの書き込み動作が実行され、当該記録媒体上の任意の位置に記録されているデータを再生することでデータの読み出し動作が実行される。
記録媒体にデータを記録する際の磁気記録方式として、現在既に実用化されているような磁化信号の向きが記録媒体の面内方向になっている長手磁気記録方式と、磁化信号の向きが記録媒体面に垂直な方向になっている垂直磁気記録方式とが挙げられる。一般に、垂直磁気記録方式は長手磁気記録方式に比べて記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、比較的高い磁気記録密度(例えば、線記録密度)を実現することが可能であるといわれている。
現在、主流とされている長手磁気記録方式の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体の媒体対向面側において、ギャップ部を介して対向する第1の磁性層および第2の磁性層が磁気的に接続されており、少なくともその一部が第1の磁性層および第2の磁性層の間に電気的に絶縁された状態で薄膜コイルが設けられた構造になっている。
また一方で、垂直磁気記録方式の薄膜磁気ヘッドとしては、長手磁気記録方式の薄膜磁気ヘッドと同様の構成のリングヘッドと、単一の主磁極部によって記録媒体に対し垂直な方向の磁界を印加する単磁極型の垂直磁気記録ヘッドとがある。ここでは、後者の単磁極型の垂直磁気記録ヘッドについて詳細に説明する。
図1は、一般の垂直磁気記録方式の薄膜磁気ヘッドによる情報記録の原理を説明するための模式図である。以下、図1を参照しながら、一般の垂直磁気記録方式の薄膜磁気ヘッドとして単磁極型の垂直磁気記録ヘッドを用いた場合の情報記録の原理を説明する。
一般に、垂直磁気記録方式の垂直磁気記録ヘッドにより情報記録を行う場合、記録媒体3として、図1に示すような垂直2層媒体が使用される。この垂直2層媒体は、記録媒体面に垂直な方向に磁化された2種類の磁化MTが情報として記録されている記録層30と、この記録層の下部に位置する裏打ち層31とが積層された構造になっている。この裏打ち層31は、記録層3内の磁化MTを記録媒体面に垂直な方向に保持しておく機能を有しており、通常、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)の元素を含むパーマロイ(FeNi)等の軟磁性材料から作製される。このため、裏打ち層31は軟磁性下部層(SUL(Soft Underlayer )とも称する)とも呼ばれる。記録媒体3がディスクである場合、ディスクの回転方向の下流側がトレーリングエッジ側(単にトレーリング側とも称する)であり、上流側がリーディングエッジ側(単にリーディング側とも称する)である。
図1に示す垂直磁気記録ヘッドは、記録媒体3の記録媒体面に垂直な方向の磁界を印加する単一の主磁極部1と、記録媒体上の記録層30を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部2と、主磁極部1および補助磁極部2を磁気的に接続するための磁性材料からなる接続部4とを有する。記録媒体上の記録層30に情報を記録したい場合、主磁極部1の近傍の薄膜コイル5に電流を流して所定の磁界を生成する。この薄膜コイル5にて生成された磁界は主磁極部1を通過し、記録媒体3の記録媒体面に垂直な方向の記録磁界として記録層30に印加される。さらに、記録層30から外部に出てくる磁界は、補助磁極部2に吸収される。
換言すれば、薄膜コイル5からの磁界によって主磁極部1内で絞り込まれた磁束MFは,記録層30を通過して裏打ち層31に到達し、記録層30を再度通過して補助磁極に入り込む。上記の主磁極部1、記録媒体3、補助磁極部2および接続部4により磁気回路が形成される。この磁気回路を利用して、記録媒体3の記録媒体面に垂直な方向の磁化MT(情報)を記録層30に記録することができる。このように、単磁極型の垂直磁気記録ヘッドを用いて、記録層と裏打ち層とが積層された記録媒体(すなわち、垂直2層媒体)に情報を記録する場合、垂直磁気記録ヘッドと記録媒体との相関がかなり大きくなる。
図2は、上記の単磁極型の垂直磁気ヘッドを含むような従来の薄膜磁気ヘッドの構成例を示す断面図である。ここでは、上記の単磁極型の垂直磁気ヘッドからなる記録ヘッド部110と、記録媒体(例えば、垂直2層媒体)上の記録層の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部12とを有する薄膜磁気ヘッド100の概略的構成を示す。なお、図2の(a)は、記録媒体の媒体対向面(ヘッド浮上面)に垂直な方向の断面図を示しており、同図の(b)は、薄膜磁気ヘッドの基部を構成する基板(図示されていない)の基板面に垂直な方向の断面図を示している。
図2の薄膜磁気ヘッド100において、記録ヘッド部110は、前述の図1の垂直磁気記録ヘッドとほぼ同様に、記録媒体の記録媒体面に垂直な方向の磁界を印加する単一の主磁極部1と、記録媒体上の記録層(図1参照)を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部2と、主磁極部1および補助磁極部2を磁気的に接続するための磁性材料からなる接続部4とを有する。さらに、図2の記録ヘッド部110では、薄膜コイル5からの磁界を集束して主磁極部1に効率良く供給するための磁性材料からなるヨーク部6が、主磁極部1と接続部4との間に形成されている。さらに、図2の記録ヘッド部110では、薄膜磁気ヘッド100の外部からの浮遊磁界(浮遊磁場)が記録ヘッド部内に侵入するのを抑制するための磁性材料からなる記録ヘッド部シールド層19が、薄膜磁気ヘッド100の上部に配置されている。一般に、上記の記録ヘッド部110内の主磁極部1、補助磁極部2、接続部4、薄膜コイル5、ヨーク部6および記録ヘッド部シールド層19等の構成要素は、非磁性絶縁層により覆われているが、図2ではこの非磁性絶縁層の記載を省略する。
図2の薄膜磁気ヘッド100において、記録媒体上の記録層に情報を記録したい場合、前述の図1の垂直磁気記録ヘッドとほぼ同様に、主磁極部1の近傍の薄膜コイル5に電流を流して所定の磁界を生成する。この薄膜コイル5にて生成された磁界は、ヨーク部6を介して主磁極部1を通過し、記録媒体の記録媒体面に垂直な方向の記録磁界として記録層に印加される。さらに、記録層から外部に出てくる磁界は、補助磁極部2に吸収される。上記のヨーク部6、主磁極部1、記録媒体、補助磁極部2および接続部4により磁気回路が形成される。この磁気回路を利用して、記録媒体の記録媒体面に垂直な方向の磁化(情報)を記録層に記録することができる。
さらに、図2の薄膜磁気ヘッド100において、再生ヘッド部12は、アルチック(Al2O3・TiO)等のセラミック材料よりなる基板(図示されていない)上に成膜されたアルミナ(Al2O3)等の絶縁材料よりなる非磁性絶縁層(図示されていない)と、この非磁性絶縁層の上に形成された磁性材料よりなる下部シールド層17−2と、この下部シールド層17−2の上に非磁性絶縁層(図示されていない)を介して形成された磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistance effect)素子と略記することもある)18と、このMR素子18の上に非磁性絶縁層(図示されていない)を介して形成された磁性材料よりなる上部シールド層17−1とを有する。上部シールド層17−1および下部シールド層17−2は、外部からの浮遊磁界がMR素子内に侵入するのを抑制する機能を有しており、その厚みは、それぞれ例えば1〜2μm(ミクロンメータ)である。上記のMR素子として、異方性磁気抵抗効果素子(AMR(Anisotropic Magnetoresistance effect)素子とも称する)、巨大磁気抵抗効果素子(GMR(Giant Magnetoresistance effect)素子とも呼ばれる)、またはトンネル磁気抵抗効果素子(TMR(Tunneling Magnetoresistance effect)素子とも呼ばれる)等の磁気抵抗効果を示す感磁性膜を用いた素子を用いることができる。
さらに、再生ヘッド部12の上部シールド層17−1の上に非磁性絶縁層(図示されていない)が形成されており、この非磁性絶縁層の上に、記録ヘッド部110の補助磁極部2が形成されている。この補助磁極部2の上部には、前述のような薄膜コイル5、接続部4、ヨーク部6、主磁極部1および記録ヘッド部シールド層19が形成されている。
磁気ディスク装置等の磁気記録装置においては、図2に示したような記録ヘッド部110(すなわち、単磁極型の垂直磁気記録ヘッド)を用いて記録媒体上の記録面の任意の位置に情報を記録したり、図2に示したような再生ヘッド部12を用いて上記記録面の任意の位置の情報を再生したりすることができる。
ここで、磁気ディスク装置等の磁気記録装置では、ディスク等の記録媒体の単位面積当たりの記録容量を多くするために、記録媒体の面記録密度を大きくする必要がある。この面記録密度を大きくするためには、ディスク等の記録媒体のトラック幅方向のトラック密度と、トラック長さ方向の線記録密度とを向上させる必要がある。
一般に、ディスク等の記憶媒体は、薄膜磁気ヘッドによるアクセスが可能な複数の同心円状のトラックにより構成されている。さらに、各々のトラックは、複数の記憶領域に区分されている。この複数の記憶領域の各々は、「セクタ」と呼ばれる。
単磁極型の垂直磁気記録ヘッドを用いて、記録層と裏打ち層とが積層された記録媒体に対して垂直磁気記録方式の情報記録を行う場合、単磁極型の垂直磁気記録ヘッドの主磁極部から記録媒体の記録面に印加される記録磁界強度の分布は、長手磁気記録方式の情報記録の場合と大幅に異なっている。より詳しくいえば、垂直磁気記録方式の情報記録を行う場合の記録磁界強度の等高線は、単一の主磁極部の中心部を最大強度として同心円状に分布し、等高線の外側ほど膨らんだ分布を示している。それゆえに、記録媒体上の記録面の磁化状態を決定するトレーリング側の記録磁界強度の分布は湾曲した形状になる。
このような記録磁界分布を有する垂直磁気記録ヘッドを用いて、ディスク等の記録媒体に情報の書き込みを行った場合、磁気力顕微鏡(MFM(Magnetic Force Microscopy )とも呼ばれる)等のイメージを利用して磁化パターンを観察した場合の磁化パターンMPの状態を拡大して図3に示す。さらに、図3の(a)は、従来の垂直磁気記録ヘッドにより湾曲して記録された磁化パターンMPを示しており、図3の(b)は、理想的な磁化パターンMPを示している。なお、図3では、記録媒体面に垂直な方向の磁化パターンMPの磁化の方向が反転している状態を白黒コントラストにより表している。
図3の(a)に示すように、ディスク上のトラックTRの中心部において磁化パターンMPの磁化の方向が反転する位置は、トラックTRの端部において磁化パターンMPの磁化の方向が反転する位置よりもディスクの回転方向側に位置している。このため、ディスク上の磁化パターンMPの磁化の方向が反転した場合の反転形状が湾曲してしまう。これに対し、理想的な状態で情報の書き込みを行った場合の磁化パターンの反転形状は、図3の(b)に示すように、良好な白黒コントラストを有する直線的な形状になる。
このように、記録媒体上の磁化パターンの反転形状がトラックの長さ方向に対して湾曲したような形状になっている場合、MR素子により情報を再生する際に磁化パターンの反転形状が見かけ上大きくなって、ある一つの情報の再生信号における半値幅が増大する。このため、トラックの端部のトラックエッジノイズが再生信号に混入し易くなるので、再生信号の信号対雑音比(SN比)が低下するという問題が発生する。これと同時に、記録媒体の線記録密度の上昇に伴い、湾曲した形状の磁化パターンが記録されているトラックの幅が実質的に狭められて見えてしまうという問題も発生する。この問題によって、磁気ディスク装置等の磁気記録装置のさらなる高記録密度化の実現が大きく阻害されるおそれがある。
上記のような問題点に対処するための一つの方策として、下記の特許文献1に示すように、主磁極部のヘッド浮上面の形状が記録磁界強度の分布に影響を及ぼすことに着目し、単磁極型の垂直磁気記録ヘッドの主磁極部に対して、記録媒体の回転方向の下流側すなわちトレーリング側に凹部(くぼみ)を形成した垂直磁気記録ヘッドが記載されている。
しかしながら、一般に、微細構造の垂直磁気記録ヘッドの主磁極部に凹部を形成することは技術的に困難である。したがって、特許文献1に記載の垂直磁気記録ヘッドを製造することは事実上不可能であり、特許文献1においても、従来の薄膜磁気ヘッドと同様の問題が依然として残る。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、再生信号のSN比を向上させると共に磁気ディスク装置等の磁気記録装置の高記録密度化に対応するために、垂直磁気記録方式の情報記録を行う場合の記録媒体上の記録磁界強度の湾曲の度合いを低減させ、ひいては、記録媒体上に記録される磁化パターンの反転形状の湾曲の度合いを低減させることが可能な薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記問題点を解決するために、本発明の一つの態様は、記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部と、上記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部とを含み、上記主磁極部、上記記録媒体および上記補助磁極部により形成される磁気回路を利用して上記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部と、上記記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、上記主磁極部の側壁の両側に、当該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設けるように構成される。
好ましくは、本発明の一つの態様において、上記磁気シールド部の高さは、上記主磁極部の膜厚より10〜30%大きい。
さらに、好ましくは、本発明の一つの態様において、上記記録媒体が、情報が記録された記録層と、この記録層の下部に形成された軟磁性下部層(すなわち、裏打ち層)とからなる垂直2層媒体であり、上記主磁極部の側壁の両側に設けられる上記磁気シールド部は、上記薄膜磁気ヘッドのヘッド浮上面から上記垂直2層媒体内の上記軟磁性下部層までの距離の1〜3倍離れた位置に配置される。
さらに、好ましくは、本発明の一つの態様において、上記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する上記主磁極部のトレーリングエッジ側の上記磁気シールド部が、上記記憶媒体の回転方向の上流側に位置する上記主磁極部のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成される。
また一方で、本発明の他の態様は、記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部と、上記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部とを含み、上記主磁極部、上記記録媒体および上記補助磁極部により形成される磁気回路を利用して上記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部と、上記記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、上記主磁極部の側壁の両側に、当該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設ける共に、上記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する上記主磁極部のトレーリングエッジ側の上面に沿って補助磁気シールド部を設けるように構成される。
好ましくは、本発明の他の態様において、上記記録媒体が、情報が記録された記録層と、当該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、上記主磁極部の側壁の両側に設けられる上記磁気シールドの各々は、上記薄膜磁気ヘッドの浮上面から上記垂直2層媒体内の上記軟磁性下部層までの距離の1〜3倍に相当する間隔で配置される。
さらに、好ましくは、本発明の他の態様において、上記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する上記主磁極部のトレーリングエッジ側の上記磁気シールド部が、上記記憶媒体の回転方向の上流側に位置する上記主磁極部のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成される。
また一方で、本発明は、記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部、上記記録媒体、および上記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部により形成される磁気回路を利用して上記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部を有する薄膜磁気ヘッドにおいて、所定の形状になるように上記主磁極部を形成する工程と、上記主磁極部の側壁の両側に、当該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を形成する工程とを含む薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供する。
好ましくは、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、イオンビームデポジションまたは化学的気相法のいずれかの方法により、上記主磁極部と上記磁気シールド部との隙間に絶縁膜を形成する工程をさらに含む。
さらに、好ましくは、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、スパッタリングまたはメッキ(鍍金)のいずれかの方法により、上記主磁極部の側壁にて位置ずれを生じさせることなく、上記主磁極部の形状に沿って一様に上記磁気シールド部が形成される。
要約すれば、本発明では、垂直磁気記録方式の薄膜磁気ヘッドにおいて、主磁極部の側壁の両側に主磁極部の厚さより高い磁気シールド部を形成することにより、記録媒体上のトラックの端部のトラックエッジノイズが再生信号に混入しなくなって再生信号のSN比が向上し、かつ、磁化パターンの磁化反転が決定されるトレーリングエッジ側の記録磁界強度の分布をより直線的にすることできると共に、記録媒体上のトラックの幅方向の記録磁界強度の分布をより急峻にすることができる。
さらに、本発明では、記録媒体が、記録層と軟磁性下部層(すなわち、裏打ち層)とからなる垂直2層媒体である場合、薄膜磁気ヘッドのヘッド浮上面から垂直2層媒体内の軟磁性下部層までの距離の1〜3倍離れた位置に磁気シールド部を配置することにより、記録媒体上の記録磁界強度を低下させることなく、トレーリングエッジ側の記録磁界強度の分布をほぼ直線的にすることができると共に、記録媒体上のトラックの幅方向の記録磁界強度の分布をさらに急峻にすることができる。
上記のような構成の薄膜磁気ヘッドを用いることによって、磁化パターンの反転形状の湾曲の度合いを低減させることができるようになり、記録媒体の線記録密度の向上およびトラック密度の向上を実現することが可能になる。上記のような構成の薄膜磁気ヘッドを磁気ディスク装置等の磁気記録装置に搭載することにより、従来よりも磁気記録密度が向上した磁気記録装置を提供することが可能になる。
以下、添付図面(図4〜図20)を参照しながら、本発明の好ましい実施例の構成を説明する。
図4は、本発明の薄膜磁気ヘッドを含むディスク装置の概略的構成を示す平面図である。なお、これ以降、前述した構成要素と同様のものについては、同一の参照番号を付して表す。
図4に示すディスク装置20は、大まかにいって、ディスク装置内のディスク32、薄膜磁気ヘッド10、スピンドルモータ34およびボイスコイルモータ40等を収納するためのディスクエンクロージャ25と、薄膜磁気ヘッド10によりディスク32に対するデータ書き込み動作およびデータ読み出し動作等を制御する制御部(図示されていない)とにより構成される。上記のディスクエンクロージャ25には、スピンドル33に結合されるスピンドルモータ34によって回転駆動される単一または複数のハードディスク等の回転するディスク32が同軸上に設けられている。スピンドルモータ34の動作は、制御部のサーボコントローラ(図示されていない)により制御されている。ディスク32の表面(または裏面)の記録層の磁気記録面には、複数のトラック(または複数のシリンダ)が形成されており、このトラックの任意の位置のセクタに所定のデータに対応するデータパターン(磁化パターン)が書き込まれている。
ここで、「シリンダ」とは、複数のディスクが積層されて配置されている場合に、各々のディスク上で複数の薄膜磁気ヘッドによって同時にアクセスすることが可能な垂直方向の複数のトラックの集合体(すなわち、シリンダ状の複数のトラック)を指し示す用語である。
より詳細にいえば、薄膜磁気ヘッド10は、図4に示すように、後述の図5〜図7等の実施例に代表されるような垂直磁気記録方式によりディスク32の磁気記録面の任意の位置にデータを記録するための(データ書き込み動作用の)記録ヘッド部と、ディスク32の磁気記録面の任意の位置に記録されているデータを磁気信号として再生するための(データ読み出し動作用の)磁気抵抗効果型の再生ヘッド部とが一体化された構造になっている。
さらに、再び図4に示すように、薄膜磁気ヘッド10は、ヘッド支持用のアーム41の先端に実装されている。このアーム41は、サーボコントローラにより制御されるボイスコイルモータ40によって、ディスク32の内周部(インナ側)の位置と外周部(アウタ側)の位置との間を往復移動するように駆動される。これによって、ディスク32の磁気記録面でデータが書き込まれている全てのデータ領域のセクタに対するアクセスを行うことが可能になる。ここで、アーム41の往復移動がスムーズに行えるようにするために、ボイスコイルモータ40の中心部にピボットベアリング50が取り付けられている。
例えば、ボイスコイルモータ40によってアーム41が矢印Bの方向に回転することにより、薄膜磁気ヘッド10がディスク32の半径方向に移動し、所望のトラックを走査することが可能になる。ボイスコイルモータ40およびアーム41を含む構成要素は、ヘッドアクチュエータとも呼ばれている。さらに、このヘッドアクチュエータにはフレキシブルプリント基板(通常、FPC(Flexible Printed Circuit)と略記される)51が取り付けられており、このフレキシブルプリント基板51を経由して、ボイスコイルモータ40および薄膜磁気ヘッド10の動作を制御するためのサーボ信号が供給される。
ディスク32の外周部には、ランプ機構42が配置されており、アーム41の先端に係合して薄膜磁気ヘッド10をディスク32から離間させて保持するようになっている。
図5は、本発明の第1の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの概略的構成を示す断面図である。図5の(a)は、記録媒体の媒体対向面(ヘッド浮上面)に垂直な方向の断面図を示しており、同図の(b)は、薄膜磁気ヘッドの基部を構成する基板(図示されていない)の基板面に垂直な方向の断面図を示している。
ただし、図5の実施例に係る薄膜磁気ヘッド10において、記録ヘッド部11を除く再生ヘッド部に関しては、図2に示したような従来の薄膜磁気ヘッドの再生ヘッド部12と同様の構造を有しているので、図5には再生ヘッド部を図示していない。さらに、ここでは、再生ヘッド部の再度の説明を省略する。
図5の薄膜磁気ヘッド10において、記録ヘッド部11は、記録媒体の記録媒体面に垂直な方向の磁界を印加する単一の主磁極部1と、記録媒体上の記録層(図1参照)を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部2と、主磁極部1および補助磁極部2を磁気的に接続するための磁性材料からなる接続部4とを有する。さらに、図5の記録ヘッド部11では、薄膜コイル5からの磁界を集束して主磁極部1に効率良く供給するための磁性材料からなるヨーク部6が、主磁極部1と接続部4との間に形成されている。通常、上記の記録ヘッド部11内の主磁極部1、補助磁極部2、接続部4、薄膜コイル5、ヨーク部6および接続部4は、ギャップ層(非磁性絶縁層)により覆われている。なお、図5の記録ヘッド部11では、外部からの浮遊磁界の侵入を抑制するための記録ヘッド部シールド層(図2参照)の記載を省略している。
さらに、図5の薄膜磁気ヘッド10において、記録ヘッド部11は、主磁極部1の側壁の両側に、主磁極部1の厚さより高い磁気シールド層からなる磁気シールド部7を設けている。この磁気シールド層からなる磁気シールド部7は、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の軟磁性材料から作製される。この磁気シールド部7により、磁化パターンの磁化反転が決定されるトレーリングエッジ側の記録磁界強度の分布をより直線的にすることできると共に、記録媒体上のトラックの幅方向の記録磁界強度の分布をより急峻にすることができる。
より詳細に説明すると、図5の薄膜磁気ヘッド10において、再生ヘッド部(図2参照)の上部シールド層(図2参照)の上にアルミナ等の非磁性絶縁層が形成されており、この非磁性絶縁層の上に、記録ヘッド部11の第1の磁性層である補助磁極部2が形成されている。この補助磁極部2は、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の軟磁性材料から作製される。さらに、この補助磁極部2の上に、薄膜コイル5を形成すべき位置に形成されたアルミナ等の非磁性絶縁層8−1と、この非磁性絶縁層8−1上に形成された薄膜コイル5の巻線間に充填された非磁性絶縁層8−2とが配置されている。薄膜コイル5の巻線間に充填された非磁性絶縁層8−2は、フォトレジスト(感光性樹脂)のような形成時に流動性を有する非導電性かつ非磁性の材料により作製される。
図5の薄膜磁気ヘッド10においては、さらに、媒体対向面から離れた位置において、補助磁極部2の上にパーマロイ等の磁性材料からなる接続部4が形成され、薄膜コイル5がその周囲に巻回されている。その後、凹凸が存在する部分において、アルミナやシリコン酸化物(SiO2)等の耐食性、剛性および絶縁性が優れた非磁性かつ非導電性の材料よりなる非磁性絶縁層8がかぶせられ、化学的機械研磨法(CMP(Chemical and Mechanical Polishing Method )とも称する)を用いて平坦加工を行う。この薄膜コイル5の巻線間等に充填された非磁性絶縁層8−1、8−2、および接続部形成後にかぶせられた非磁性絶縁層8を併せてギャップ層と呼んでいる。このギャップ層の厚みは、2〜6μmである。
図5の薄膜磁気ヘッド10は、さらに、媒体対向面から少なくとも連結部4まで、平坦加工された非磁性絶縁層8と、接続部4の上に形成された磁性材料よりなる第2の磁性層とを有する。図5の(a)および図5の(b)に示すように、第2の磁性層は、主磁極層を含む主磁極部1と、ヨーク部分層を含むヨーク部6とから構成されている。
さらに、媒体対向面から見た主磁極部1の側壁の両側には、主磁極部1の側壁の形状に沿って、一様に離れた位置に磁気シールド部7が配置された構成となっている。磁気シールド部7の位置は、媒体対向面からディスク等の記録媒体(垂直2層媒体)の裏打ち層(図2参照)までの距離と相関を有している。主磁極部1の側壁の両側に設けられる磁気シールド部7の媒体対向面(ヘッド浮上面)に対する位置に関していえば、主磁極部1から記録媒体に供給される磁界の強度が低下するのを回避するために、媒体対向面から記録媒体内の裏打ち層までの距離の1〜3倍離れた位置に磁気シールド部7を配置することが望ましい。
この磁気シールド部7の高さは、主磁極部1の膜厚すなわちポール長さより高いほうが望ましく、例えば図5に示すように、ポール長さより10〜30%程度厚いほうが望ましい。好ましくは、主磁極部1のトレーリングエッジ側の磁気シールド部が、主磁極部1のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成される。
図5の薄膜磁気ヘッド10は、さらに、アルミナ等の非導電性かつ非磁性の材料よりなり、第2の磁性層を覆うように形成された保護層を備えている。好ましくは、この保護層は、非磁性絶縁層8と同じ材料から作製される。さらに、上記保護層には、薄膜磁気ヘッド10の外部からの浮遊磁界の影響を受けないようにするために、パーマロイ等の磁性材料からなる記録ヘッド部シールド層(図2参照)が厚さ1〜3μmで挿入されている。
ここで、主磁極部1は、FeCo(鉄コバルト)やFeCoNi(鉄コバルト・ニッケル)等の高い飽和磁束密度を有する記録磁性材料からなり、厚みは100〜300nm(ナノメータ)である。主磁極部1の側壁の両側に配置される磁気シールド部7の磁性材料としては、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の透磁率の大きい磁性材料が望ましい。ヨーク部分層を形成するヨーク部6の磁性材料としては、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の磁性材料を用いることが可能であり、ヨーク部分層の厚みは、例えば1〜3μmである。
図5の実施例によれば、磁気シールド部がない場合と比較して、主磁極部からの記録磁界の垂直成分に関して直線的な記録磁界強度分布が得られる。磁気シールド部がない従来の垂直磁気記録方式では、主磁極部を中心として同心円状の磁界強度分布を示し、特にトレーリングエッジ側での磁界強度の分布が湾曲しており、記録媒体上に書き込まれた磁化パターンの反転形状も湾曲した形となる。
また一方で、図5の実施例のように、主磁極部の側壁の両側の適切な位置に、ポール長さより高い磁気シールド部を配置することにより、主磁極部から記録媒体に供給される記録磁界の強度を低下させずに漏洩磁界のみを抑制することができる。これと同時に、トレーリングエッジ側での記録磁界強度分布をより直線的にすることができ、かつ、磁化パターンの反転形状の湾曲の度合いを低減させることができる。これによって、記録媒体上に記録されるビットパターンの湾曲の状態が改善され、理想的な磁化パターンに近づけることができる。また一方で、主磁極部の側壁の両側に配置される磁気シールド部の隙間によって記録媒体上のトラックの幅方向の記録磁界強度も急峻になり、結果として、記録媒体の線記録密度とトラック密度の双方を向上させることができる。
図6は、本発明の第2の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの概略的構成を示す断面図である。図6の(a)は、記録媒体の媒体対向面(ヘッド浮上面)に垂直な方向の断面図を示しており、同図の(b)は、薄膜磁気ヘッドの基部を構成する基板の基板面に垂直な方向の断面図を示している。
ただし、図6の実施例に係る薄膜磁気ヘッド10において、記録ヘッド部11を除く再生ヘッド部に関しては、図2に示したような従来の薄膜磁気ヘッドの再生ヘッド部12と同様の構造を有しているので、図6には再生ヘッド部を図示していない。さらに、ここでは、再生ヘッド部の再度の説明を省略する。
図6の第2の実施例に係る記録ヘッド部11の構成は、前述の図5の第1の実施例に係る記録ヘッド部の構成と概ね同じである。ただし、図5の第1の実施例では、主磁極部の側壁の両側にのみ磁気シールド部を配置した構造になっているのに対し、図6の第2の実施例では、主磁極部1の側壁の両側に配置された磁気シールド部7以外にトレーリングエッジ側の上面に沿って補助磁気シールド部(ここでは、図6の主磁極上部シールド層71)を配置した構造になっている点が異なる。したがって、ここでは、上記の磁気シールド部および補助磁気シールド部を配置した構造に関する説明のみを行い、その他の構成要素に関しては再度の説明を省略する。
図6の実施例に係る記録ヘッド部11においては、前述の図5の記録ヘッド部と同様に、媒体対向面から見た主磁極部1の側壁の両側に、主磁極部1の側壁の形状に沿って、一様に離れた位置に磁気シールド層からなる磁気シールド部7が配置されている。この磁気シールド層からなる磁気シールド部7は、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の軟磁性材料から作製される。
磁気シールド部7の位置は、媒体対向面からディスク等の記録媒体の裏打ち層(図2参照)までの距離と相関を有している。磁気シールド部7の媒体対向面(ヘッド浮上面)に対する位置に関していえば、主磁極部1から記録媒体に供給される磁界の強度が低下するのを回避するために、媒体対向面から記録媒体内の裏打ち層までの距離の1〜3倍離れた位置に磁気シールド部7を配置することが望ましい。
この磁気シールド部7の高さは、前述の図5の実施例の場合と同様に、主磁極部1の膜厚すなわちポール長さより高いほうが望ましく、例えば図6に示すように、ポール長さより10〜30%程度厚いほうが望ましい。好ましくは、主磁極部1のトレーリングエッジ側の磁気シールド部が、主磁極部1のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成される。
さらに、図6の実施例に係る記録ヘッド部11では、トレーリングエッジ側の上面に沿って主磁極上部シールド層71が配置されている。この主磁極上部シールド層71は、磁気シールド部7に対する補助磁気シールド部として機能する。この主磁極上部シールド層71をトレーリングエッジ側の上面に配置することによって、トレーリングエッジ側での磁界強度分布をさらに直線的にすることができ、図5の実施例の場合よりも磁気記録密度の大きい磁気ディスク装置が得られる。
主磁極上部シールド層71の媒体対向面(ヘッド浮上面)からの位置に関していえば、前述の磁気シールド部7の場合と同様に、媒体対向面から記録媒体内の裏打ち層までの距離の1〜3倍離れた位置に主磁極上部シールド層71を配置することが望ましい。この主磁極上部シールド層71は、主磁極部1のトレーリングエッジ側の幅と同等、もしくはそれより大きな幅を有しても構わない。
図6の実施例によれば、主磁極部の側壁の両側の適切な位置に、ポール長さより高い磁気シールド部を配置すると共に、トレーリングエッジ側の上面に沿って主磁極上部シールド層(補助磁気シールド部)を配置することにより、主磁極部から記録媒体に供給される記録磁界の強度を低下させずに漏洩磁界のみを抑制することができる。これと同時に、トレーリングエッジ側での記録磁界強度分布をさらに直線的にすることができ、かつ、磁化パターンの反転形状の湾曲の度合いをさらに低減させることができる。
図7は、本発明の第3の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの概略的構成を示す断面図である。図7の(a)は、記録媒体の媒体対向面(ヘッド浮上面)に垂直な方向の断面図を示しており、同図の(b)は、薄膜磁気ヘッドの基部を構成する基板の基板面に垂直な方向の断面図を示している。
ただし、図7の実施例に係る薄膜磁気ヘッド10において、記録ヘッド部11を除く再生ヘッド部に関しては、図2に示したような従来の薄膜磁気ヘッドの再生ヘッド部12と同様の構造を有しているので、図7には再生ヘッド部を図示していない。さらに、ここでは、再生ヘッド部の再度の説明を省略する。
図7の第3の実施例に係る記録ヘッド部11の構成は、前述の図6の第2の実施例に係る記録ヘッド部の構成と概ね同じである。ただし、図6の第2の実施例では、主磁極部1の側壁の両側に磁気シールド部7を配置すると共にトレーリングエッジ側の上面に沿って補助磁気シールド部を配置した構造になっているのに対し、図7の第3の実施例では、主磁極部1の側壁の両側に配置された磁気シールド部7と、トレーリングエッジ側の上面に沿って配置された補助磁気シールド部(ここでは、図7の主磁極上部シールド層72)とが磁気的に完全に接続されている構造になっている点が異なる。したがって、ここでは、上記の磁気シールド部および補助磁気シールド部を配置した構造に関する説明のみを行い、その他の構成要素に関しては再度の説明を省略する。
図7の実施例に係る記録ヘッド部11においては、前述の図5の記録ヘッド部と同様に、媒体対向面から見た主磁極部1の側壁の両側に、主磁極部1の側壁の形状に沿って、一様に離れた位置に磁気シールド層からなる磁気シールド部7が配置されている。この磁気シールド層からなる磁気シールド部7は、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の軟磁性材料から作製される。
磁気シールド部7の位置は、媒体対向面からディスク等の記録媒体の裏打ち層(図2参照)までの距離と相関を有している。磁気シールド部7の媒体対向面(ヘッド浮上面)に対する位置に関していえば、主磁極部1から記録媒体に供給される磁界の強度が低下するのを回避するために、媒体対向面から記録媒体内の裏打ち層までの距離の1〜3倍離れた位置に磁気シールド部7を配置することが望ましい。
この磁気シールド部7の高さは、前述の図6の実施例の場合と同様に、主磁極部1の膜厚すなわちポール長さより高いほうが望ましく、例えば図7に示すように、ポール長さより10〜30%程度厚いほうが望ましい。好ましくは、主磁極部1のトレーリングエッジ側の磁気シールド部が、主磁極部1のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成される。
さらに、図7の実施例に係る記録ヘッド部11では、トレーリングエッジ側の上面に沿って主磁極上部シールド層72が配置されている。この主磁極上部シールド層72は、磁気シールド部7に対する補助磁気シールド部として機能する。ここでは、主磁極上部シールド層72は、主磁極部1のトレーリングエッジ側の幅より大きな幅を有しており、磁気シールド部7に磁気的に接続されている。換言すれば、媒体対向面から見た場合、主磁極部1の三方が磁気シールド部および補助磁気シールド部に取り囲まれた構造になっている。このような構造によって、トレーリングエッジ側での磁界強度分布をさらに直線的にすることができ、図6の実施例の場合よりも磁気記録密度の大きい磁気ディスク装置が得られる。
図7の実施例によれば、主磁極部の側壁の両側の適切な位置に、ポール長さより高い磁気シールド部を配置すると共に、トレーリングエッジ側の上面に沿って磁気シールド部に完全に接続されるように主磁極上部シールド層(補助磁気シールド部)を配置することにより、主磁極部から記録媒体に供給される記録磁界の強度を低下させずに漏洩磁界のみを抑制することができる。これと同時に、トレーリングエッジ側での記録磁界強度分布をさらに直線的にすることができ、かつ、磁化パターンの反転形状の湾曲の度合いを顕著に低減させることができる。
図8は、磁気シールド部がない場合の記録磁界強度分布の一例を示す図であり、図9は、磁気シールド部を設けた場合の記録密度磁界強度分布の一例を示す図である。
図8から明らかなように、主磁極部1の側壁の両側に磁気シールド部がない従来の垂直磁気記録方式では、主磁極部1を中心として同心円状の磁界強度分布(RM)の等高線が得られる。この等高線では、特にトレーリングエッジ側での磁界強度の分布が湾曲しており、記録媒体上に書き込まれた磁化パターンの反転形状も湾曲した形となる(例えば、図3の(a)参照)。
これに対し、本発明の実施例(図5〜図7)に係る薄膜磁気ヘッドでは、主磁極部1の側壁の両側の適切な位置に、主磁極部1の膜厚Tより高い(高さH)磁気シールド部7を配置している。これによって、図9から明らかなように、記録媒体の回転方向の下流側に位置するトレーリングエッジ側での記録磁界強度分布(RM)の等高線をより直線的にすることができ、かつ、磁化パターンの反転形状の湾曲の度合いを低減させることができる(例えば、図3の(b)参照)。
したがって、例えば図5の実施例では、磁気シールド部がない場合と比較して、主磁極部からの記録磁界の垂直成分に関して直線的な記録磁界強度分布が得られる。これによって、記録媒体上に記録されるビットパターンの湾曲の状態が改善され、理想的な磁化パターンに近づけることができる(例えば、図3の(b)参照)。
さらに、図6および図7の実施例では、主磁極部の側壁の両側の位置に磁気シールド部を配置すると共に、トレーリングエッジ側の上面に沿って主磁極上部シールド層(補助磁気シールド部)を配置しているので、トレーリングエッジ側での記録磁界強度分布の直線性をさらに改善することができ、かつ、磁化パターンの反転形状の湾曲の度合いを顕著に低減させることができる。
図10は、図5の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの作製工程を説明するための断面図である。図10では、図5の第1の実施例で述べた薄膜磁気ヘッドにおいて、主磁極部の周囲の磁気シールド部を実際に作製する工程について説明する。ここでは、薄膜磁気ヘッドの基部を構成する基板の基板面に垂直な方向の断面図を示している。
図5の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの主磁極部を作製する場合、初めに、図10の(a)に示すように、ヨーク部6を形成するヨーク部分層60の上に、主磁極部を形成する主磁極層13を積層する。より具体的には、主磁極層13として、高い飽和磁束密度を有するFeCoの磁性材料からなる磁性材料をスパッタリングにより成膜する。この磁性材料を所定の形状に形成するために、ハードマスク14として、非磁性材料からなるアルミナまたはシリコン酸化膜をスパッタリングにより成膜する。
次に、図10の(b)に示すように、所定の狭いコア幅(トレーリングエッジ幅)を有する主磁極部形状を得るために、エッチングを行う。このエッチングとして、収束されたイオンビームによるエッチングや、イオンミリングと呼ばれるイオンビームエッチングの手法を用いることが可能である。
さらに、図10の(c)に示すように、エッチングにより形成された主磁極部形状に対し、主磁極層13の側壁と磁気シールド層70との間で一様な隙間を有する非磁性絶縁膜15を形成する。この場合、非磁性絶縁膜15として、主磁極部形状に応じて一様な厚さで非磁性材料からなるアルミナまたはシリコン酸化膜を成膜する。成膜の手法として、イオンビームデポジションまたはCVD(化学的気相法)による手法を用いて成膜を行うことが望ましい。
さらに、図10の(d)に示すように、主磁極層13の側壁と磁気シールド層70との間で隙間を有する非磁性絶縁膜15を形成した後、主磁極層13の側壁の両側に、漏洩磁界のシールドの役割を果たす磁気シールド層70をスパッタリングまたはメッキ(鍍金)のいずれかの方法により成膜する。磁気シールド層70の膜厚は、主磁極層70の膜厚すなわちポール長さより厚く形成し、化学的機械研磨法(CMP)により平坦化を行うことにより、図10の(e)に示すように、主磁極層13の側壁にて位置ずれを生じさせることなく磁気シールド層70を配置することができ、本発明の第1の実施例に係る薄膜磁気ヘッドを製造することが可能になる。
図11は、図6の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの作製工程を説明するための断面図である。図11では、図6の第2の実施例で述べた薄膜磁気ヘッドにおいて、主磁極部の周囲の磁気シールド部を実際に作製する工程について説明する。ここでは、薄膜磁気ヘッドの基部を構成する基板の基板面に垂直な方向の断面図を示している。
図6の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの主磁極部を作製する場合、初めに、図11の(a)に示すように、ヨーク部6を形成するヨーク部分層60の上に、主磁極部を形成する主磁極層13を積層する。より具体的には、主磁極層13として、高い飽和磁束密度を有するFeCoの磁性材料からなる磁性材料をスパッタリングにより成膜する。さらに、主磁極層13の上に、補助ハードマスク16として、非磁性材料からなるアルミナもしくはシリコン酸化膜をスパッタリングにより成膜する。さらに、非磁性材料からなるアルミナ(またはシリコン酸化膜)を介して、トレーリングエッジ側の上面の主磁極上部シールド層71をスパッタリングにより成膜する。さらに、主磁極上部シールド層71の上に、前述の図10の実施例と同様に、磁性材料を所定の形状に形成するためのハードマスク14として、非磁性材料からなるアルミナまたはシリコン酸化膜をスパッタリングにより成膜する。
次に、前述の図10の実施例と同様に、図11の(b)において、所定の狭いコア幅を有する主磁極部形状を得るために、エッチングを行う。このエッチングとして、収束されたイオンビームによるエッチングや、イオンミリングと呼ばれるイオンビームエッチングの手法を用いることが可能である。
さらに、図11の(c)に示すように、エッチングにより形成された主磁極部形状に対し、主磁極層13の側壁と磁気シールド層70との間で一様な隙間を有する非磁性絶縁膜15を形成する。この場合、非磁性絶縁膜15として、主磁極部形状に応じて一様な厚さで非磁性材料からなるアルミナまたはシリコン酸化膜を成膜する。成膜の手法として、イオンビームデポジションまたはCVD(化学的気相法)による手法を用いて成膜を行うことが望ましい。
さらに、図11の(d)に示すように、主磁極層13の側壁と磁気シールド層70との間で隙間を有する非磁性絶縁膜15を形成した後、主磁極層13の側壁の両側に、磁気シールド層70をスパッタリングまたはメッキ(鍍金)のいずれかの方法により成膜する。磁気シールド層70の膜厚は、主磁極層70の膜厚すなわちポール長さより厚く形成し、化学的機械研磨法(CMP)により平坦化を行うことにより、図11の(e)に示すように、主磁極層13の側壁にて位置ずれを生じさせることなく磁気シールド層70を配置することができ、本発明の第2の実施例に係る薄膜磁気ヘッドを製造することが可能になる。
図11の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、トレーリングエッジ側の上面の主磁極上部シールド層71の幅は、主磁極層13のコア幅と等しい幅になり、主磁極層13の側壁には主磁極層13の膜厚より大きい磁気シールド層70を所定の位置に配置することが同時に可能になる。
図12は、図7の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの作製工程を説明するための断面図である。図12では、図7の第3の実施例で述べた薄膜磁気ヘッドにおいて、主磁極部の周囲の磁気シールド部を実際に作製する工程について説明する。ここでは、薄膜磁気ヘッドの基部を構成する基板の基板面に垂直な方向の断面図を示している。
図7の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの主磁極部を作製する場合、前述の図10の実施例と同様に、図12の(a)において、ヨーク部6を形成するヨーク部分層60の上に、主磁極部を形成する主磁極層13を積層する。より具体的には、主磁極層13として、高い飽和磁束密度を有するFeCoの磁性材料からなる磁性材料をスパッタリングにより成膜する。この磁性材料を所定の形状に形成するために、ハードマスク14として、非磁性材料からなるアルミナまたはシリコン酸化膜をスパッタリングにより成膜する。
次に、図12の(b)に示すように、所定の狭いコア幅を有する主磁極部形状を得るために、エッチングを行う。このエッチングとして、収束されたイオンビームによるエッチングや、イオンミリングと呼ばれるイオンビームエッチングの手法を用いることが可能である。
さらに、図12の(c)に示すように、エッチングにより形成された主磁極部形状に対し、主磁極層13の側壁と磁気シールド層70との間で一様な隙間を有する非磁性絶縁膜15を形成する。この場合、非磁性絶縁膜15として、主磁極部形状に応じて一様な厚さで非磁性材料からなるアルミナまたはシリコン酸化膜を成膜する。成膜の手法として、イオンビームデポジションまたはCVD(化学的気相法)による手法を用いて成膜を行うことが望ましい。
さらに、図12の(d)に示すように、主磁極層13の側壁と磁気シールド層70との間で隙間を有する非磁性絶縁膜15を形成した後、主磁極層13の側壁の両側に、漏洩磁界のシールドの役割を果たす磁気シールド層70をスパッタリングまたはメッキ(鍍金)のいずれかの方法により成膜する。磁気シールド層70の膜厚は、主磁極層70の膜厚すなわちポール長さより厚く形成し、化学的機械研磨法(CMP)により平坦化を行うことにより、図12の(e)に示すように、主磁極層13の側壁にて位置ずれを生じさせることなく磁気シールド層70を配置することができる。
さらに、図12の(f)に示すように、トレーリングエッジ側の上面に、主磁極層70コア幅より大きい主磁極上部シールド層72を形成することで、本発明の第3の実施例に係る薄膜磁気ヘッドを製造することが可能になる。この場合、媒体対向面から見て主磁極層13の三方が磁気シールド部(磁気シールド層70および主磁極上部シールド層72)に取り囲まれた構造になる。
図13は、物理的作用の成膜手法を用いた場合の膜の付着の様子を示す断面図であり、図14は、化学的作用の成膜手法を用いた場合の膜の付着の様子を示す断面図である。図13および図14では、図10〜図12で示したような非磁性絶縁膜15の成膜の手法の違いによる形状の違いが示されている。
図13の(a)に示すように、物理的なスパッタリングによる手法を用いて非磁性絶縁膜15の成膜を行う場合、スパッタリングがなされた粒子Pの方向性が強いため、パターンの凹凸があると、凹部の部分に入っていくスパッタ粒子の確率が小さくなる。それゆえに、平面箇所とエッジ部ではスパッタ粒子の堆積差が生じ、図13の(b)のように、付着した膜の膜厚のむらが発生する。特に、エッジが鋭く立っている場合のパターンの側壁にはスパッタ粒子が堆積しにくくなる。この結果、スパッタリングにより薄膜を形成すると、パターン段差および形状による膜厚の違いが生じてしまう。
また一方で、図14の(a)に示すように、CVD(化学的気相法)等の化学的な手法を用いると、反応種(粒子P)の平均自由工程が大きく、等方的に拡散するためパターンに凹凸がある場合でも反応種は均一に基板に堆積していく。この結果、化学的な手法を用いると、図14の(b)のように、パターンの形状に沿って一様な膜厚で成膜を行うことが可能になる。
図15は、本発明の第4の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの概略的構成を示す断面図である。図15の(a)は、記録媒体の媒体対向面(ヘッド浮上面)に垂直な方向の断面図を示しており、同図の(b)は、薄膜磁気ヘッドの基部を構成する基板(図示されていない)の基板面に垂直な方向の断面図を示している。
ただし、図15の実施例に係る薄膜磁気ヘッド10aにおいて、記録ヘッド部11aを除く再生ヘッド部に関しては、図2に示したような従来の薄膜磁気ヘッドの再生ヘッド部12と同様の構造を有しているので、図15には再生ヘッド部を図示していない。さらに、ここでは、再生ヘッド部の再度の説明を省略する。
図15の薄膜磁気ヘッド10aにおいて、記録ヘッド部11aは、前述の図5の実施例とほぼ同様に、記録媒体の記録媒体面に垂直な方向の磁界を印加する単一の主磁極部1aと、記録媒体上の記録層(図1参照)を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部2aと、主磁極部1aおよび補助磁極部2aを磁気的に接続するための磁性材料からなる接続部6a、6bとを有する。
ただし、図15の記録ヘッド部11aでは、前述の図5の実施例と異なり、主磁極部1の上部の記録ヘッド部シールド層(図2参照)の位置に、補助磁極部2aが配置されている。それゆえに、この補助磁極層2aは、外部からの浮遊磁界の侵入を抑制する機能を兼ね備えており、前述の記録ヘッド部シールド層が不要になる。さらに、図15の記録ヘッド部11aでは、主磁極部1aの側辺に沿って、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の磁性材料からなるサイドシールド部9が配置されている。このサイドシールド部9により、主磁極部1a内を通過する磁束が、主磁極部1aの外部に漏洩しないようにしている。
より詳細に説明すると、図15の薄膜磁気ヘッド10において、再生ヘッド部(図2参照)の上部シールド層(図2参照)の上にアルミナ等の非磁性絶縁層(図示されていない)が形成されており、この非磁性絶縁層の上に、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の磁性材料からなるサイドシールド部9と、主磁極部1aを保護するための非磁性絶縁層8aとが形成されている。さらに、サイドシールド部9の上に、主磁極部1aが積層されている。
さらに、主磁極部1aの上に、薄膜コイル5aを形成すべき位置に形成されたアルミナ等の非磁性絶縁層8−1aと、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の磁性材料からなる接続部6a、6bとが積層されている。さらに、この非磁性絶縁層8−1a上に形成された薄膜コイル5aの巻線間に充填された非磁性絶縁層8−2aが配置されている。薄膜コイル5aの巻線間に充填された非磁性絶縁層8−2aは、フォトレジストのような形成時に流動性を有する非導電性かつ非磁性の材料により作製される。さらに、非磁性絶縁層8−2aの上に、補助磁極部2aが積層されている。この補助磁極部2aは、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の軟磁性材料から作製される。
さらに、図15の記録ヘッド部11aは、主磁極部1aの側壁の両側に、主磁極部1aの厚さより高い磁気シールド層からなるトレーリングシールド部7aを設けている。この磁気シールド層からなるトレーリングシールド部7aは、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の軟磁性材料から作製される。このトレーリングシールド部7aにより、磁化パターンの磁化反転が決定されるトレーリングエッジ側の記録磁界強度の分布をより直線的にすることできると共に、記録媒体上のトラックの幅方向の記録磁界強度の分布をより急峻にすることができる。さらに、図15の記録ヘッド部11aでは、接続部6a、6bおよびサイドシールド部9を設けることによって、前述の図5の実施例の場合よりも完全な形で磁気回路を形成することができる。これによって、主磁極部1aから記録媒体に供給される記録磁界の強度を実質的に低下させずに漏洩磁界のみを抑制することができるようになる。
さらに、媒体対向面から見た主磁極部1aの側壁の両側には、主磁極部1aの側壁の形状に沿って、一様に離れた位置にトレーリングシールド部7aが配置された構成となっている。トレーリングシールド部7aの位置は、媒体対向面からディスク等の記録媒体の裏打ち層(図2参照)までの距離と相関を有している。主磁極部1aの側壁の両側に設けられるトレーリングシールド部7aの媒体対向面(ヘッド浮上面)に対する位置に関していえば、主磁極部1aから記録媒体に供給される磁界の強度が低下するのを回避するために、媒体対向面から記録媒体内の裏打ち層までの距離の1〜3倍離れた位置にトレーリングシールド部7aを配置することが望ましい。
このトレーリングシールド部7aの高さは、主磁極部1aの膜厚すなわちポール長さより高いほうが望ましく、例えばポール長さより10〜30%程度厚いほうが望ましい。
さらに、トレーリングエッジ側の上面にも、主磁極部1aのコア幅より大きいトレーリングシールド部7aを形成することによって、媒体対向面から見て主磁極部1aの三方がトレーリングシールド部に取り囲まれた構造になっている。
ここで、主磁極部1aは、FeCo(鉄コバルト)やFeCoNi(鉄コバルト・ニッケル)等の高い飽和磁束密度を有する記録磁性材料からなり、厚みは100〜300nmである。主磁極部1aの側壁の両側に配置されるトレーリングシールド部7aの磁性材料としては、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の透磁率の大きい磁性材料が望ましい。ヨーク部6a、6bの磁性材料としては、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の磁性材料を用いることが可能であり、ヨーク部の厚みは、例えば1〜3μmである。
図15の実施例によれば、主磁極部の側壁の両側の適切な位置に、ポール長さより高い磁気シールド部を配置するとことによって、主磁極部から記録媒体に供給される記録磁界の強度を低下させずに、トレーリングエッジ側での記録磁界強度分布をより直線的にすることができ、かつ、磁化パターンの反転形状の湾曲の度合いを低減させることができる。さらに、外部からの浮遊磁界の侵入を抑制する機能を兼ね備える位置に補助磁極部を配置することによって、薄膜磁気ヘッドの構成要素の節減が図れる。
図16は、図15の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの作製工程を説明するための断面図(その1)、図17は、図15の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの作製工程を説明するための断面図(その2)、図18は、図15の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの作製工程を説明するための断面図(その3)、図19は、図15の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの作製工程を説明するための断面図(その4)、そして、図20は、図15の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの作製工程を説明するための断面図(その5)である。
図16の(a)〜図20の(a)は、記録媒体の媒体対向面(ヘッド浮上面)に垂直な方向の断面図を示しており、図16の(b)〜図20の(b)は、薄膜磁気ヘッドの基部を構成する基板(図示されていない)の基板面に垂直な方向の断面図を示している。図15の実施例に係る記録ヘッド部11aの作製工程を以下に記す。
第1に、図16に示すように、再生ヘッド部(図2参照)の上部シールド層(図2参照)の上にアルミナ等の非磁性絶縁層が形成されており、この非磁性絶縁層の上に、サイドシールド部9と、主磁極部1aを保護するための非磁性絶縁層8aとが形成される。さらに、サイドシールド部9の上に、主磁極部1aが形成される。
第2に、図17に示すように、媒体対向面から見た主磁極部1aの側壁の両側に、主磁極部1aの側壁の形状に沿って、一様に離れた位置にトレーリングシールド部7aが形成される。トレーリングシールド部7aの位置は、媒体対向面からディスク等の記録媒体の裏打ち層(図2参照)までの距離と相関を有している。主磁極部1aから記録媒体に供給される磁界の強度が低下するのを回避するために、媒体対向面から記録媒体内の裏打ち層までの距離の1〜3倍離れた位置にトレーリングシールド部7aを配置することが望ましい。
このトレーリングシールド部7aの高さは、主磁極部1aの膜厚すなわちポール長さより高いほうが望ましい。さらに、トレーリングエッジ側の上面にも、主磁極部1aのコア幅より大きいトレーリングシールド部7aが形成される。
第3に、図18に示すように、この補助磁極部2の上に、薄膜コイル5aを形成すべき位置に形成されたアルミナ等の非磁性絶縁層8−1aと、この非磁性絶縁層8−1a上に形成された薄膜コイル5aと,接続部6aの一部とが形成される。
第4に、図19に示すように、この非磁性絶縁層8−1aの上に、接続部6a、6bの残りの部分が形成される。
第5に、図20に示すように、非磁性絶縁層8−1a上に、薄膜コイル5aの巻線間に充填された非磁性絶縁層8−2aが形成される。この非磁性絶縁層8−2aは、フォトレジストのような形成時に流動性を有する非導電性かつ非磁性の材料により作製される。最終的に、非磁性絶縁層8−2aの上に、補助磁極部2aが形成される。この補助磁極部2aは、鉄およびニッケルの元素を含むパーマロイ等の軟磁性材料をスパッタリングすることにより作製され、外部からの浮遊磁界の侵入を抑制する機能も備えている。
(付記1) 記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部と、前記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部とを含み、前記主磁極部、前記記録媒体および前記補助磁極部により形成される磁気回路を利用して前記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部と、前記記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設けることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
(付記2) 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部から前記記録媒体に印加される磁界は、前記記録層を通過して前記軟磁性下部層に到達し、前記記録層を再度通過して前記補助磁極部に入力されることを特徴とする付記1記載の薄膜磁気ヘッド。
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設けることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
(付記2) 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部から前記記録媒体に印加される磁界は、前記記録層を通過して前記軟磁性下部層に到達し、前記記録層を再度通過して前記補助磁極部に入力されることを特徴とする付記1記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記3) 前記磁気シールド部の高さは、前記主磁極部の膜厚より10〜30%大きいことを特徴とする付記1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記4) 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部の側壁の両側に設けられる前記磁気シールド部は、前記薄膜磁気ヘッドのヘッド浮上面から前記垂直2層媒体内の前記軟磁性下部層までの距離の1〜3倍離れた位置に配置されることを特徴とする付記1記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記5) 前記磁気シールド部が、前記主磁極部の側壁の形状に沿って、前記主磁極部の側壁に対し一様な間隔で配置されることを特徴とする付記1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記4) 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部の側壁の両側に設けられる前記磁気シールド部は、前記薄膜磁気ヘッドのヘッド浮上面から前記垂直2層媒体内の前記軟磁性下部層までの距離の1〜3倍離れた位置に配置されることを特徴とする付記1記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記5) 前記磁気シールド部が、前記主磁極部の側壁の形状に沿って、前記主磁極部の側壁に対し一様な間隔で配置されることを特徴とする付記1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記6) 前記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する前記主磁極部のトレーリングエッジ側の前記磁気シールド部が、前記記憶媒体の回転方向の上流側に位置する前記主磁極部のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成されることを特徴とする付記1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記7) 記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部と、前記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部とを含み、前記主磁極部、前記記録媒体および前記補助磁極部により形成される磁気回路を利用して前記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部と、前記記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設ける共に、前記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する前記主磁極部のトレーリングエッジ側の上面に沿って補助磁気シールド部を設けることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
(付記8) 前記補助磁気シールド部が、前記磁気シールド部に対し磁気的に接続されていることを特徴とする付記7記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記7) 記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部と、前記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部とを含み、前記主磁極部、前記記録媒体および前記補助磁極部により形成される磁気回路を利用して前記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部と、前記記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設ける共に、前記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する前記主磁極部のトレーリングエッジ側の上面に沿って補助磁気シールド部を設けることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
(付記8) 前記補助磁気シールド部が、前記磁気シールド部に対し磁気的に接続されていることを特徴とする付記7記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記9) 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部から前記記録媒体に印加される磁界は、前記記録層を通過して前記軟磁性下部層に到達し、前記記録層を再度通過して前記補助磁極部に入力されることを特徴とする付記7または8記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記10) 前記磁気シールド部の高さは、前記主磁極部の膜厚より10〜30%大きいことを特徴とする付記7から9のいずれか一項に記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記11) 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部の側壁の両側に設けられる前記磁気シールド部は、前記薄膜磁気ヘッドのヘッド浮上面から前記垂直2層媒体内の前記軟磁性下部層までの距離の1〜3倍離れた位置に配置されることを特徴とする付記7または8記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記12) 前記磁気シールド部が、前記主磁極部の側壁の形状に沿って、前記主磁極部の側壁に対し一様な間隔で配置されることを特徴とする付記7から9のいずれか一項に記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記12) 前記磁気シールド部が、前記主磁極部の側壁の形状に沿って、前記主磁極部の側壁に対し一様な間隔で配置されることを特徴とする付記7から9のいずれか一項に記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記13) 前記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する前記主磁極部のトレーリングエッジ側の前記磁気シールド部が、前記記憶媒体の回転方向の上流側に位置する前記主磁極部のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成されることを特徴とする付記7から9のいずれか一項に記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記14) 記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部と、前記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部とを含み、前記主磁極部、前記記録媒体および前記補助磁極部により形成される磁気回路を利用して前記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部と、前記記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記補助磁極部は、外部からの浮遊磁界の侵入を抑制する機能を兼ね備える位置に配置され、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設けることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
(付記14) 記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部と、前記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部とを含み、前記主磁極部、前記記録媒体および前記補助磁極部により形成される磁気回路を利用して前記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部と、前記記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記補助磁極部は、外部からの浮遊磁界の侵入を抑制する機能を兼ね備える位置に配置され、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設けることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
(付記15) 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部から前記記録媒体に印加される磁界は、前記記録層を通過して前記軟磁性下部層に到達し、前記記録層を再度通過して前記補助磁極部に入力されることを特徴とする付記14記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記16) 前記磁気シールド部の高さは、前記主磁極部の膜厚より10〜30%大きいことを特徴とする付記14または15記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記17) 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部の側壁の両側に設けられる前記磁気シールド部は、前記薄膜磁気ヘッドのヘッド浮上面から前記垂直2層媒体内の前記軟磁性下部層までの距離の1〜3倍離れた位置に配置されることを特徴とする付記14記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記18) 前記磁気シールド部が、前記主磁極部の側壁の形状に沿って、前記主磁極部の側壁に対し一様な間隔で配置されることを特徴とする付記14または15記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記19) 前記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する前記主磁極部のトレーリングエッジ側の前記磁気シールド部が、前記記憶媒体の回転方向の上流側に位置する前記主磁極部のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成されることを特徴とする付記14または15記載の薄膜磁気ヘッド。
(付記20) 記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部、前記記録媒体、および前記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部により形成される磁気回路を利用して前記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部を有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
所定の形状になるように前記主磁極部を形成する工程と、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
(付記21) イオンビームデポジションまたは化学的気相法のいずれかの方法により、前記主磁極部と前記磁気シールド部との隙間に絶縁膜を形成する工程をさらに含むことを特徴とする付記20記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
(付記22) スパッタリングまたはメッキのいずれかの方法により、前記主磁極部の側壁にて位置ずれを生じさせることなく、前記主磁極部の形状に沿って一様に前記磁気シールド部が形成されることを特徴とする付記20記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
所定の形状になるように前記主磁極部を形成する工程と、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
(付記21) イオンビームデポジションまたは化学的気相法のいずれかの方法により、前記主磁極部と前記磁気シールド部との隙間に絶縁膜を形成する工程をさらに含むことを特徴とする付記20記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
(付記22) スパッタリングまたはメッキのいずれかの方法により、前記主磁極部の側壁にて位置ずれを生じさせることなく、前記主磁極部の形状に沿って一様に前記磁気シールド部が形成されることを特徴とする付記20記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
本発明は、単磁極型の垂直磁気記録ヘッドと磁気抵抗効果型の再生ヘッドとが一体化された構造の薄膜磁気ヘッド、および、当該薄膜磁気ヘッドが組み込まれた磁気ディスク装置等の高記録密度の磁気記録装置に適用され得る。
1 主磁極部
2 補助磁極部
3 記録媒体
4 接続部
5 薄膜コイル
6 ヨーク部
7 磁気シールド部
7a トレーリングシールド部
8 非磁性絶縁層
9 サイドシールド部
10 薄膜磁気ヘッド
11 記録ヘッド部
12 再生ヘッド部
13 主磁極層
14 ハードマスク
15 非磁性絶縁膜
16 補助ハードマスク
17−1 上部シールド層
17−2 下部シールド層
18 磁気抵抗効果素子(MR素子)
19 記録ヘッド部シールド層
20 ディスク装置
25 ディスクエンクロージャ
32 ディスク
33 スピンドル
34 スピンドルモータ
40 ボイスコイルモータ
60 ヨーク部分層
70 磁気シールド層
71 主磁極上部シールド層
72 主磁極上部シールド層
2 補助磁極部
3 記録媒体
4 接続部
5 薄膜コイル
6 ヨーク部
7 磁気シールド部
7a トレーリングシールド部
8 非磁性絶縁層
9 サイドシールド部
10 薄膜磁気ヘッド
11 記録ヘッド部
12 再生ヘッド部
13 主磁極層
14 ハードマスク
15 非磁性絶縁膜
16 補助ハードマスク
17−1 上部シールド層
17−2 下部シールド層
18 磁気抵抗効果素子(MR素子)
19 記録ヘッド部シールド層
20 ディスク装置
25 ディスクエンクロージャ
32 ディスク
33 スピンドル
34 スピンドルモータ
40 ボイスコイルモータ
60 ヨーク部分層
70 磁気シールド層
71 主磁極上部シールド層
72 主磁極上部シールド層
Claims (10)
- 記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部と、前記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部とを含み、前記主磁極部、前記記録媒体および前記補助磁極部により形成される磁気回路を利用して前記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部と、前記記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設けることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 前記磁気シールド部の高さは、前記主磁極部の膜厚より10〜30%大きいことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部の側壁の両側に設けられる前記磁気シールド部は、前記薄膜磁気ヘッドのヘッド浮上面から前記垂直2層媒体内の前記軟磁性下部層までの距離の1〜3倍離れた位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する前記主磁極部のトレーリングエッジ側の前記磁気シールド部が、前記記憶媒体の回転方向の上流側に位置する前記主磁極部のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成されることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
- 記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部と、前記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部とを含み、前記主磁極部、前記記録媒体および前記補助磁極部により形成される磁気回路を利用して前記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部と、前記記録媒体上の任意の位置に記録されている情報を再生する再生ヘッド部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を設ける共に、前記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する前記主磁極部のトレーリングエッジ側の上面に沿って補助磁気シールド部を設けることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 前記記録媒体が、情報が記録された記録層と、該記録層の下部に形成された軟磁性下部層とからなる垂直2層媒体であり、前記主磁極部の側壁の両側に設けられる前記磁気シールド部は、前記薄膜磁気ヘッドのヘッド浮上面から前記垂直2層媒体内の前記軟磁性下部層までの距離の1〜3倍離れた位置に配置されることを特徴とする請求項5記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記記憶媒体の回転方向の下流側に位置する前記主磁極部のトレーリングエッジ側の前記磁気シールド部が、前記記憶媒体の回転方向の上流側に位置する前記主磁極部のリーディングエッジ側の磁気シールド部よりも厚く形成されることを特徴とする請求項5記載の薄膜磁気ヘッド。
- 記録媒体に対して垂直な方向の磁界を印加する主磁極部、前記記録媒体、および前記記録媒体を通して外部に出てくる磁界を吸収する補助磁極部により形成される磁気回路を利用して前記記録媒体上の任意の位置に情報を記録する記録ヘッド部を有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
所定の形状になるように前記主磁極部を形成する工程と、
前記主磁極部の側壁の両側に、該主磁極部の膜厚より高い磁気シールド部を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - イオンビームデポジションまたは化学的気相法のいずれかの方法により、前記主磁極部と前記磁気シールド部との隙間に絶縁膜を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項8記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- スパッタリングまたはメッキのいずれかの方法により、前記主磁極部の側壁にて位置ずれを生じさせることなく、前記主磁極部の形状に沿って一様に前記磁気シールド部が形成されることを特徴とする請求項8記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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