JP2006141141A - 搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents

搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006141141A
JP2006141141A JP2004328613A JP2004328613A JP2006141141A JP 2006141141 A JP2006141141 A JP 2006141141A JP 2004328613 A JP2004328613 A JP 2004328613A JP 2004328613 A JP2004328613 A JP 2004328613A JP 2006141141 A JP2006141141 A JP 2006141141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
linear motor
image
flux density
magnetic flux
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004328613A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Sakino
和弘 崎野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Original Assignee
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Medical and Graphic Inc filed Critical Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority to JP2004328613A priority Critical patent/JP2006141141A/ja
Publication of JP2006141141A publication Critical patent/JP2006141141A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Linear Motors (AREA)
  • Linear Motors (AREA)

Abstract

【課題】磁束密度を検出するセンサを必要とすることなく、リニアモータの推力の変動を抑制することで高精度な搬送をすることが可能な搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の磁石が直線状に配列されて形成されたシャフト状磁石に電機子コイルが当該シャフト状磁石の軸方向に移動可能に嵌合されてなるリニアモータと、前記電機子コイルに駆動電力を供給する駆動手段と、前記リニアモータの搬送状態を検出する検出手段と、前記シャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報が予め記憶された記憶手段と、前記検出手段からの検出情報と前記記憶手段からの補正情報とに基づいて、前記駆動手段に補正した駆動電力を供給する制御手段と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、シャフト型リニアモータを用いた搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置に関する。
従来より、X線画像に代表される放射線画像が診断に広く用いられている。この放射線画像を得るための方式としては、被写体を透過させた放射線を増感紙と呼ばれる蛍光体層に照射し、この蛍光体層から放出された可視光をハロゲン化銀写真感光材料に照射し、この感光材料に現像処理を施して可視画像を得る、いわゆる放射線写真方式が提案され、実用化されている。
また、近年においては、前記した放射線写真方式に代えて、照射された放射線エネルギーを蓄積、記録し、励起光を照射すると蓄積、記録された放射線エネルギーに応じて輝尽発光する「輝尽性蛍光体」を用いた放射線画像記録再生方式が提案されている。
この放射線画像記録再生方式には、輝尽性蛍光体に蓄積、記録された放射線エネルギーを電気信号に変換して放射線画像を作成する放射線画像読取装置が用いられている。放射線画像読取装置は、被写体を透過させた放射線を輝尽性蛍光体に照射することによって、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に蓄積、記録させた後、励起光によって放射線エネルギーを輝尽発光させ、この輝尽発光光の強弱を光電変換素子を用いて電気信号に変換する。そして、この電気信号を、感光材料などの画像記録材料に画像を形成する画像形成装置やCRTなどの画像表示装置を介して可視像として再生する。
放射線画像記録再生方式によると、画像読取の際に輝尽性蛍光体層を形成した撮影パネル上で読取用のレーザ光を主走査方向に走査しながら当該主走査方向に垂直な副走査方向に、当該輝尽性蛍光体シートを一定速度で搬送させるのが一般的である。この際に、読取画像の画像ムラを有効に抑えることが要求されており、搬送手段としてシャフト型リニアモータを用いることで高精度な搬送を実現し、画像ムラの低減化が図られている。
シャフト型リニアモータは、複数の磁石を直列配置したシャフト型の固定子と、この固定子の外周面に対向配置され移動可能な可動子とから構成されるが、固定子が有する各磁石の磁力強度が不均一な状態や、図11(a)に示すように固定子2aが有する磁石の寸法の違いから磁極間の間隔(以下、磁極ピッチという)Lが不均一な状態で製造されてしまうことがある。このような状態の固定子の磁束密度の測定結果と、磁束密度の理論値とを図11(b)に示す。なお、ここで理論値とは、固定子が有する磁石の磁極ピッチLが均一かつ各磁石の磁力強度が均一な場合の磁束分布を示している。固定子の各磁石の磁力強度が不均一な場合には、図中Aで示すように磁束密度の強度に誤差が生じるため磁束分布にムラが生じる。また、磁極ピッチLが不均一な場合には、図中Bで示すように磁束密度のピーク位置に誤差が生じるため磁束分布にムラが生じる。なお、図11(b)において、横軸は固定子上の位置を示しており、縦軸は前記位置における磁石の磁束密度を示している。
上述のように、固定子の磁束分布にムラが生じているような場合、このムラがリニアモータの推力変動や推力低下の要因となる。そのため、搬送時の速度にムラが生じ一定速度で搬送することが困難となるため、搬送性能が低下し画像読取又は記録の際の画質が低下してしまうという問題がある。
このような問題を解決するため、固定子の磁束密度を検出するセンサをリニアモータに配置し、該センサによる磁束密度の測定結果をフィードバックすることでリニアモータの推力の変動を軽減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−275694号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、固定子の磁束密度を検出するセンサが必要となり、構成が複雑になる。また、該センサを含む駆動処理回路が必要なことからコストが嵩むという問題がある。
本発明の課題は、磁束密度を検出するセンサを必要とすることなく、リニアモータの推力の変動を抑制することで高精度な搬送をすることが可能な搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
複数の磁石が直線状に配列されて形成されたシャフト状磁石に電機子コイルが当該シャフト状磁石の軸方向に移動可能に嵌合されてなるリニアモータと、
前記電機子コイルに駆動電力を供給する駆動手段と、
前記リニアモータの搬送状態を検出する検出手段と、
前記シャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報が予め記憶された記憶手段と、
前記検出手段からの検出情報と前記記憶手段からの補正情報とに基づいて、前記駆動手段に補正した駆動電力を供給する制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
更に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記補正情報は、前記磁束密度分布に基づいて予め導出された前記リニアモータの推力変動を補正するための補正値であることを特徴としている。
更に、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記補正手段は、前記磁束密度分布の極である磁極の位置に基づいて、前記リニアモータの位相情報を補正することを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、
画像が記録された記録媒体上から当該画像を読み取る画像読取装置において、
前記記録媒体を保持する保持手段と、
前記記録媒体から画像を読み取る読取手段と、
複数の磁石が直線状に配列されて形成されたシャフト状磁石に電機子コイルが当該シャフト状磁石の軸方向に移動可能に嵌合されてなり、前記保持手段又は前記読取手段を前記シャフト状磁石の軸方向に搬送するための搬送手段として駆動されるリニアモータと、
前記電機子コイルに駆動電力を供給する駆動手段と、
前記リニアモータの搬送状態を検出する検出手段と、
前記シャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報が予め記憶された記憶手段と、
前記検出手段からの検出情報と前記記憶手段からの補正情報とに基づいて、前記駆動手段に補正した駆動電力を供給する制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
更に、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
前記補正情報は、前記磁束密度分布に基づいて予め導出された前記リニアモータの推力変動を補正するための補正値であることを特徴としている。
更に、請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、
前記補正手段は、前記磁束密度分布の極である磁極の位置に基づいて、前記リニアモータの位相情報を補正することを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、
所定の記録媒体に画像を記録する画像形成装置において、
前記記録媒体を保持する保持手段と、
前記記録媒体に画像記録を行う記録手段と、
複数の磁石が直線状に配列されて形成されたシャフト状磁石に電機子コイルが当該シャフト状磁石の軸方向に移動可能に嵌合されてなり、前記保持手段又は前記記録手段を前記シャフト状磁石の軸方向に搬送するための搬送手段として駆動されるリニアモータと、
前記電機子コイルに駆動電力を供給する駆動手段と、
前記リニアモータの搬送状態を検出する検出手段と、
前記シャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報が予め記憶された記憶手段と、
前記検出手段からの検出情報と前記記憶手段からの補正情報とに基づいて、前記駆動手段に補正した駆動電力を供給する制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
更に、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、
前記補正情報は、前記磁束密度分布に基づいて予め導出された前記リニアモータの推力変動を補正するための補正値であることを特徴としている。
更に、請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の発明において、
前記補正手段は、前記磁束密度分布の極である磁極の位置に基づいて、前記リニアモータの位相情報を補正することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、検出手段により検出されるリニアモータの搬送状態と、記憶手段に予め記憶されたシャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報と、に基づいて、駆動手段に補正した駆動電力を供給する。このことにより、磁束密度を検出するセンサを用いなくとも、検出手段による検出結果と補正情報とに基づいて電機子コイルに供給する駆動電力を補正することが可能であるため、リニアモータの磁束密度分布のムラによる推力の変動を抑制することで高精度な搬送をすることができ、また、搬送装置のコストダウンを図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、補正情報は、磁束密度分布に基づいて予め導出されたリニアモータの推力変動を補正するための補正値である。このことにより、補正値の導出処理を簡略化することが可能であるため、電機子コイルに供給する駆動電力の補正を迅速に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、補正手段は、前記磁束密度分布の極である磁極の位置に基づいて、前記リニアモータの位相情報を補正する。このことにより、磁石の寸法誤差による影響も精度よく補正することが可能であるため、電機子コイルに供給する駆動電力の補正を精度良く行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、検出手段により検出されるリニアモータの搬送状態と、記憶手段に予め記憶されたシャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報と、に基づいて、駆動手段に補正した駆動電力を供給する。このことにより、磁束密度を検出するセンサを用いなくとも、検出手段による検出結果と補正情報とに基づいて電機子コイルに供給する駆動電力を補正することが可能であるため、リニアモータの磁束密度分布のムラによる推力の変動を抑制することができ、また、搬送装置のコストダウンを図ることができる。従って、画像読取時の速度ムラを抑制することが可能であるため、高精度な画像の読み取りを行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、補正情報は、磁束密度分布に基づいて予め導出されたリニアモータの推力変動を補正するための補正値である。このことにより、補正値の導出処理を簡略化することが可能であるため、電機子コイルに供給する駆動電力の補正を迅速に行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、補正手段は、前記磁束密度分布の極である磁極の位置に基づいて、前記リニアモータの位相情報を補正する。このことにより、磁石の寸法誤差による影響も精度よく補正することが可能であるため、電機子コイルに供給する駆動電力の補正を精度良く行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、検出手段により検出されるリニアモータの搬送状態と、記憶手段に予め記憶されたシャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報と、に基づいて、駆動手段に補正した駆動電力を供給する。このことにより、磁束密度を検出するセンサを用いなくとも、検出手段による検出結果と補正情報とに基づいて電機子コイルに供給する駆動電力を補正することが可能であるため、リニアモータの磁束密度分布のムラによる推力の変動を抑制することができ、また、搬送装置のコストダウンを図ることができる。従って、画像形成時の速度ムラを抑制することが可能であるため、高精度な画像の形成を行うことができる。
請求項8に記載の発明によれば、補正情報は、磁束密度分布に基づいて予め導出されたリニアモータの推力変動を補正するための補正値である。このことにより、補正値の導出処理を簡略化することが可能であるため、電機子コイルに供給する駆動電力の補正を迅速に行うことができる。
請求項9に記載の発明によれば、補正手段は、前記磁束密度分布の極である磁極の位置に基づいて、前記リニアモータの位相情報を補正する。このことにより、磁石の寸法誤差による影響も精度よく補正することが可能であるため、電機子コイルに供給する駆動電力の補正を精度良く行うことができる。
<第1の実施形態>
以下、図を参照して本発明である搬送装置1の実施の形態を詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は図示例に限定されないものとする。
先ず搬送装置1の駆動源であるリニアモータ2について図1を参照して説明する。図1(a)はリニアモータ2の外観斜視図であり、(b)は搬送装置1の一端部の断面図である。
本実施形態1のリニアモータ2は、後述する支持部材2cに固定されたシャフト状の固定磁石2aと、該固定磁石2aを心棒として外周面に沿って直線移動する電機子コイル2bとから構成されてなるシャフト型のリニアモータである。
固定磁石2aは、パイプ状部材Eと、そのパイプ状部材E内に収納される複数の磁石MGとからなる。固定磁石2a内に直列上に配置された複数の磁石MGは、隣り合う磁石が密着するように間隙なく配列されている。また、固定磁石2aは、両端から磁石MGが抜けることを規制し、該固定磁石2aを固定する支持部材2cにより保持されている。
固定磁石2aは、図1(b)及び図2(a)に示すように、複数の断面円形状の磁石のN極同士あるいはS極同士を連結してシャフト状に形成されており、固定磁石2aの磁束密度は、図2(b)に示すように各磁石のN極及びS極の接続部分を頂点とした波形を示している。固定磁石2aを構成する磁石としては、磁束密度の大きい希土類磁石が好ましく、例えば、希土類磁石としてネオジム系磁石、ネオジム−鉄−ボロン磁石(Nd−Fe−B磁石)が高い推力が得られるため好ましい。
電機子コイル2bは、三相のコイルU、V、Wと、該電機子コイル2bの外周面の少なくとも一部を保持する箱状のカバー部材により覆われている。なお、本実施形態では電機子コイル2bは三相コイルU、V、Wを一つ使用するものとするが、これに限定されず、複数の三相コイルを直列に配列して使用することとしてもよい。
電機子コイル2bの内周面と、固定磁石2aの外周面とは微小な間隙に保持されていている。固定磁石2aと電機子コイル2bは摺動しても、摺動しなくてもどちらでもよく、例えば、固定磁石2aと電機子コイル2bとの間にベアリング等を設け、該ベアリングを介して固定磁石2aの軸方向に電機子コイル2bを移動するようにしてもよい。また、電機子コイル2bが有するコイルU、V、Wの巻き数の決め方は、得たい推力以上となるように、かつリニアモータ2の電圧降下と駆動回路での電圧降下が電源電圧以下となるように、適当な巻き数、巻き線径を決めることが好ましい。
また、搬送装置1はリニアモータ2の搬送状態を検出する不図示のエンコーダを備えている。ここで、エンコーダにより検出されるリニアモータ2の搬送状態とは、例えば、固定磁石2aに対する電機子コイル2bの位置、電機子コイル2bの速度、電機子コイル2bの加速度等であって、これら検出対象の搬送状態に応じエンコーダとして、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダ、加速度センサ、レーザ変位計等を何れか一つ又は複数組み合わせて用いることとする。なお、ここで電機子コイル2bの位置とは、電機子コイル2bの絶対位置であってもよいし、固定磁石2aに対する電機子コイル2bの相対位置であってもよい。
このように、固定磁石2aと電機子コイル2bとによってリニアモータ2が構成されており、このリニアモータ2にはモータ(電機子コイル2b)を駆動する電力を制御する後述する制御系3(図3参照)が接続されている。制御系3は、図2(c)に示すように三相コイルの各コイルU、V、Wに対し、モータの位置に応じた位相に対応する電流を通電させている。これにより、リニアモータが作動して、電機子コイル2bに推力が働き、電機子コイル2bが固定磁石2aに沿って移動するようになっている。
次に、上述したリニアモータ2を備えた搬送装置1の制御系3について図3を参照して説明する。なお、エンコーダからは電機子コイル2bの位置を示す位置信号が搬送状態信号として出力されるものとする。
図3に示すように、制御系3は、搬送装置1全体の制御を行い、リニアモータ2の目標速度を指示する速度指令信号を出力する制御部31と、制御部31から入力される速度指令信号に応じ、エンコーダから入力される位置信号と記憶部33に記憶された補正情報とに基づいてリニアモータに供給する電力値を補正するとともに、この電力値の供給を指示する駆動制御信号を出力する駆動制御部32と、補正情報を予め記憶した記憶部33と、駆動制御部32から入力される駆動制御信号に基づいて電機子コイル2bに対し駆動電力を供給するモータ駆動部34と、を備える。
駆動制御部32は、図3に示すように、エンコーダから入力された位置信号に基づいて電機子コイル2bの移動速度を示す速度信号を演算して出力する位置速度演算手段321と、制御部31から入力される速度指令信号と位置速度演算手段321から入力される速度信号との差分に応じて差分信号を発生する差分出力器322と、差分出力器322から入力される差分信号に基づいて電機子コイル2bに供給する電力値を導出するPID制御器323と、エンコーダから入力される位置信号に応じて記憶部33から補正情報を読み出し、駆動制御信号として指示される電力値を補正する補正信号を出力する補正手段324と、補正手段324から入力される補正信号に応じてPID制御器323から入力される電力値に補正値を加算する加算出力器325と、を有して構成されている。
ここで、図4を参照して、駆動制御部32のPID制御器323の動作について説明する。
差分出力器322から入力される差分信号は、増幅器3231に出力され、この増幅器3231にてゲインGPに増幅されて加算器3236に送られるようになっている。また、積分成分算出部3232では差分出力器322で得られた差分信号の値と前回までに出力した差分信号の値とを加算して出力し、増幅器3233にてゲインGIに増幅されて加算器3236に送られるようになっている。また、微分成分算出部3234では差分出力器322で得られた今回出力した差分信号の値と前回出力した差分信号の値とを減算して出力し、増幅器3235にてゲインGDに増幅されて加算器3236に送られるようになっている。
加算器3236では、増幅器3231、増幅器3233及び増幅器3235からの出力を加算する。この加算された出力は、増幅器3237にて増幅され加算出力器325に送られるようになっている。この出力は、電機子コイル2bを駆動させる電力値に相当する。
図3に戻り、記憶部33には、固定磁石2aの軸方向の磁束密度分布に関する補正情報が予め記憶されている。ここで補正情報とは、電機子コイル2bに供給する電力値を補正するための補正値であって、この補正情報に基づいて電力値の補正を行う。以下、この補正値の導出手順の一例について説明する。
まず、固定磁石2aの軸方向の磁束密度分布を測定し、この測定で得られた磁束密度分布に対し、固定磁石2a上の位置でフーリエ変換を施すことにより、電機子コイル2bのトルク変動に寄与する成分を抽出し、この抽出された成分に対し、逆フーリエ変換を施すことで磁束密度分布の有効成分を抽出する。
次に、抽出された磁束密度分布から磁極位置(磁石のN極とS極に相当)を求め、固定磁石2a上の位置区間毎に電機子コイル2bの位置から駆動電力の位相を演算する変換式(下記式(1)参照)の補正値(以下、第1の補正値)を導出する。ここで第1の補正値とは、下記式(1)の磁極ピッチLに相当する。なお、ここでGはゲイン定数、xは固定磁石2a上の所定の位置を基準点とした電機子コイル2bの位置、θは固定磁石2a上の基準点に応じて定まる位相定数を意味する。
例えば、図5(a)に示すように、固定磁石2aの磁石が構成されているような場合、電機子コイル2bの位置がx=0〜L1の区間では、下記式(2)に示すような変換式で示すことができ、また、電機子コイル2bの位置がx=L1〜(L1+L2)の区間では、下記式(3)に示すような変換式で示すことができる。なお、基準点は図中x=0の位置としている。
Figure 2006141141
Figure 2006141141
Figure 2006141141
また、電機子コイル2bのトルクは下記式(4)から算出することができることから、電機子コイル2bの位置xを下記式(5)によりφに置き換えることで、式(4)は、下記式(6)のように表すことができる。ここで、電機子コイル2bのトルクFが一定となるIu、Iv及びIwの値を予め算出しておき、この値を補正値(以下、第2の補正値という)として記憶部33に予め記憶しておくこととしてもよい。なお、下記式(5)の磁極ピッチLは、上述した第1の補正値を用いることとするが、固定磁石2aを構成する磁石の基準寸法に基づいた磁極ピッチを用いることとしてもよい。
ここで、Fは電機子コイル2bのトルク、BuはコイルUの位置における固定磁石2aの磁束密度、IuはコイルUに供給される電流、BvはコイルVの位置における固定磁石2aの磁束密度、IvはコイルVに供給される電流、BwはコイルWの位置における固定磁石2aの磁束密度、IwはコイルWに供給される電流を意味する。
Figure 2006141141
Figure 2006141141
Figure 2006141141
このような場合、Iu、Iv、Iwは、一般に、電機子コイル2bに供給する電力値A(電流値)と電機子コイル2bの位置(位相φ)とに基づいて、下記式(7)〜(9)からそれぞれ求めることができるため、U、V、Wの各コイルに供給する電力値Aの比率が第2の補正値として記憶されることになる。
Figure 2006141141
Figure 2006141141
Figure 2006141141
また、固定磁石2a上の所定の位置を基準点とし、該位置で式(6)及び(7)〜(9)から求められるトルク値により、他の位置で求められるトルク値を規格化することから得られる規格値を補正値(以下、第3の補正値という)として記憶部33に予め記憶することとしてもよい。例えば、図5(b)に示すように、x=0(φ=0)の値を基準位置としたとき、この位置で得られるトルク値をF(0)とすると、第3の補正値Tは下記式(10)のように導出できる。
Figure 2006141141
次に、図6を参照して、制御系3によるリニアモータの駆動電力の補正手順の一例について説明する。
まず、制御部31から画像読取の目標速度を指示する速度指令信号が出力され、この速度指令信号に基づいてリニアモータが駆動されると、電機子コイル2bの位置がエンコーダにより検出され、この位置信号が駆動制御部32に出力される(ステップS11)。
続いて、速度指令信号と、位置速度演算手段321から入力される速度信号と、に基づき差分出力器322により差分信号が出力されると、この差分信号に基づいてPID制御器323により電機子コイル2bに供給する電力値が導出され、加算出力器325に出力される(ステップS12)。
一方、補正手段324では、エンコーダから入力される位置信号に対応した補正情報(第1〜第3の補正値)が記憶部33から読み出され、この補正情報が加算出力器325に出力される(ステップS13)。例えば、電機子コイル2bが図5(a)のL1の区間に存在するような場合には、上述した第1の補正値に基づいて、式(2)が補正手段324により導出され、補正情報として加算出力器325に出力される。
続いて、加算出力器325では、補正手段324により読み出された第3の補正値に基づいて、PID制御器323から出力される電力値の補正が行われ、この補正された電力値が駆動制御信号としてモータ駆動部34に出力される(ステップS14)。例えば、電機子コイル2bが図5(a)のL1の区間に存在するような場合には、ステップS13で導出された式(2)に第3の補正値を組み合わせた下記式(11)により電力値が算出され、モータ駆動部34に出力される。
Figure 2006141141
次いで、モータ駆動部34により、駆動制御信号で指示された電力値で電機子コイル2bのコイルU、V、Wのそれぞれに駆動電力が供給される(ステップS15)。モータの搬送中は、前記ステップS11〜S15の処理が繰り返される。そして、モータの停止により本処理は終了する。
なお、本処理では、補正情報として記憶部33に予め記憶された第1〜第3の補正値のうち、第1及び第3の補正値を用いて電力値を補正することとしたが、これに限らず、第1〜第3の補正値のうち何れか一つ又は複数を組み合わせて補正することとしてもよい。
以上のように、本第1の実施形態によれば、エンコーダにより検出されるリニアモータ2の搬送状態と、記憶部33に予め記憶された固定磁石2aにおける軸方向の磁束密度分布に関する補正情報と、に基づいて、リニアモータ2の搬送速度が目標速度、つまり一定速度となるようリニアモータの駆動電力値を補正することができる。このことにより、磁束密度を検出するセンサを用いなくとも、検出手段による検出結果と補正情報とに基づいて電機子コイル2bに供給する駆動電力を補正することが可能であるため、リニアモータの磁束密度分布のムラによる推力の変動を抑制することで高精度な搬送をすることができ、また、搬送装置のコストダウンを図ることができる。
また、補正情報は、磁束密度分布に基づいて予め導出されたリニアモータの推力変動を補正するための補正値としたことにより、補正値の導出処理を簡略化することが可能であるため、電機子コイル2bに供給する駆動電力の電力値の補正を迅速に行うことができる。
なお、本第1の実施形態では、補正情報として予め導出された補正値を記憶部33に予め記憶することとしたが、これに限らないものとする。例えば、固定磁石2aにおける軸方向の磁束密度分布を補正情報として記憶部33に予め記憶しておき、リニアモータ駆動時には、補正手段324が記憶部33から該補正情報を読み出し、この補正情報に基づいて上述した第1〜第3の補正値を導出することで、電機子コイル2bに供給する電力値の補正を行うこととしてもよい。
また、本第1の実施形態では、駆動制御部32にPID制御器323を備えることとしたが、これに限らず、例えば、H∞制御やその他の制御方法でフィードバック制御を行うこととしてもよい。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態として、前述の搬送装置1を搬送手段として備える画像読取装置100について図7から図9を参照して説明する。なお、簡略化のため、第1の実施形態と同一な構成については同一の符号を付して説明を省略し、第2の実施形態に特徴的な部分のみを説明する。
また、画像読取装置100の各部の制御は、前述した制御系3が統括して行う。
図7は、本発明に係る画像読取装置100の実施の一形態を示したもので、この画像読取装置100は、装置本体部10と、この装置本体部10内に対して画像読取用カセッテ4を挿入するとともに装置本体部10内から画像読取用カセッテ4を排出するカセッテ挿入排出部20とを有して構成されている。
カセッテ挿入排出部20は、装置本体部10に対して着脱自在に構成されており、画像読取用カセッテ4の挿入口を有する挿入部21と、挿入部21に挿入された画像読取用カセッテ4を装置本体部10内の回動搬送部11に送り込むために回転動作する挿入ローラ22と、画像読取用カセッテ4の排出口を有する排出部23と、排出部23まで回動搬送部11から受け渡された画像読取用カセッテ4を送り出すために回転動作する排出ローラ24等を備えている。
画像読取用カセッテ4は、例えば、フロント板(図示略)及びバック板42を有し、これらにより挟まれるようにして画像データが蓄積された輝尽性蛍光体プレート41(画像記録媒体)が収容されている。
輝尽性蛍光体プレート41は、撮像装置(図示略)による放射線画像の撮像に使用されるものであり、撮像装置に備わる放射線照射装置(図示略)から照射された放射線を吸収することで、当該輝尽性蛍光体プレート41を構成する輝尽性蛍光体に放射線画像エネルギー(画像情報)を蓄積する。なお、フロント板及びバック板42は、通常時において、例えば所定のロック機構によりロックされた状態となっているが、装置本体部10に備わる読取部14(後述)による輝尽性蛍光体プレート41からの画像データの読み取りの際には、輝尽性蛍光体プレート41を露出させるように、ロック機構が解除されて分離可能となっている。
装置本体部10は、回動搬送部11、保持部12、移動部13、読取部14、消去部15、電源部(図示略)等を備えている。
回動搬送部11は、装置本体部10内へ挿入された画像読取用カセッテ4を支持する支持台11aと、支持台11aに支持された画像読取用カセッテ4を挟持するカセッテ挟持部11bと、カセッテ挟持部11bのカセッテ挿入排出部20と反対側の端部に設けられ、カセッテ挟持部11bを回動する回動軸11c等により構成されており、挿入部21に対応する点線a、排出部23に対応する点線b、画像読取用カセッテ4が略垂直となる点線cの各位置において停止可能としている。
カセッテ挟持部11bは、画像読取用カセッテ4のフロント板の側面部に存在するグリップ用凹部(図示略)にグリップ爪11dが挿入されて画像読取用カセッテ4の左右側面を挟持するようになっている。カセッテ挟持部11bに挟持された画像読取用カセッテ4は、回動軸11cを軸心としたカセッテ挟持部11bの回動往復動作により保持部12に対する着脱が行われる。
保持部12は、磁石が画像読取用カセッテ4のバック板42の磁性を有する磁性部(不図示)を保持面に吸着することにより、画像読取用カセッテ4を保持するカセッテ保持板12aと、カセッテ保持板12aの保持面と反対側の面に取付部材12bを介して固定され、後述するガイドレール13cに案内される断面コ字状に形成された被ガイド部材12cとを備えている。
次に、移動部13について図8及び図9を参照して説明する。
ここで、図8は、移動部13及び読取部14を示す斜視図であり、図9は、移動部13及び読取部14を示す平面図である。
図8及び図9に示すように、移動部13は、基台13a(図7参照)から略鉛直方向に延在して形成された板状の支持部材13bと、支持部材13bの略中央にて略鉛直方向に延在して形成されたガイドレール13cと、ガイドレール13cに沿ってカセッテ保持板12aに固定された輝尽性蛍光体プレート41を搬送するための搬送手段としてのリニアモータと、カセッテ保持板12aを搬送する際のリニアモータの搬送状態を検出するエンコーダを構成するリニアスケール13dと、エンコーダを構成してリニアスケール13dを読み取るセンサ部13eとを備えて構成されている。
取付部材12bの一側方には、リニアモータを構成する固定子(シャフト状磁石)である固定磁石2aが、支持部材13bと一体形成された支持片13fに支持され略鉛直方向(画像記録媒体の移動方向)に延在して設けられている。一方、取付部材12bの側部には、リニアモータを構成する電機子コイル2bが設けられている。
このように、固定磁石2aと電機子コイル2bとによってリニアモータが構成されており、このリニアモータにはモータ(電機子コイル2b)を駆動する電力を制御する制御系3(図3参照)が接続されている。制御系3は、図2(c)に示すように三相コイルの各コイルU、V、Wに対し、モータの位置に応じた位相に対応する電流を通電させている。これにより、リニアモータが作動して、電機子コイル2bに推力が働き、電機子コイル2bが固定磁石2aに沿って非接触的に上昇又は下降するのに伴って、カセッテ保持板12aを搬送するようになっている。
図8及び図9に戻り、リニアスケール13dは、支持部材13bのガイドレール13cを挟んで固定磁石2aと反対側にて、略鉛直方向に延在して設けられている。
センサ部13eは、カセッテ保持板12a上のリニアスケール13dと対向する位置に設けられており、エンコーダで検出されるリニアモータの搬送状態を示す搬送状態信号が、駆動制御部32に出力される。
読取部14は、例えば、レーザ走査ユニット14a、光ガイド14b、集光管14c、光電変換素子(図示略)等で構成されており、輝尽性蛍光体プレート41をレーザ走査ユニット14aから照射されたレーザ光で走査して、当該輝尽性蛍光体プレート41の輝尽性蛍光体が蓄積している放射線エネルギーを蛍光として輝尽発光させる。そして、輝尽発光光を光ガイド14bを介して集光管14cで集光し、光電変換素子により電気信号に変換して画像データを生成する。
消去部15は、例えば、ハロゲンランプや高輝度蛍光灯、LEDアレイ等により構成されており、これらが発光する消去光により、読取部14により画像データが読み取られた輝尽性蛍光体プレート41に残存する情報を消去する。
電源部は、画像読取装置100の各部に電力を供給する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
先ず、放射線画像が撮影された画像読取用カセッテ4が、カセッテ挿入排出部20の挿入部21に対して矢印A1の方向で挿入されると、挿入ローラ22の動作を制御して、画像読取用カセッテ4を点線aに沿って矢印A2の方向で装置本体部10内に取り込む。取り込まれた画像読取用カセッテ4は、回動搬送部11により挟持、支持された状態となる。
そして、回動搬送部11の回動軸11cに接続されている図示しない回動軸駆動部を制御して、回動軸11cを回転中心として点線aの位置から点線cの位置まで画像読取用カセッテ4を回転移動させる。これにより、回動搬送部11が点線cの位置まで回転移動すると、画像読取用カセッテ4のバック板42に備えられた磁性部が、保持部待機位置においてカセッテ保持板12aの磁石に磁力で吸着される。そして、画像読取用カセッテ4のロック機構が解除されて、制御部31が、回動搬送部11を制御して回動搬送部11を点線bの位置まで回転移動させることにより、カセッテ挟持部11bにより挟持されたフロント板を、バック板42及びこのバック板42に固定されている輝尽性蛍光体プレート41から分離して、輝尽性蛍光体プレート41の一面を露出させる。
次に、制御部31は、移動部13を制御して、保持部12をバック板42及び輝尽性蛍光体プレート41ごと所定の速度で移動させる。この輝尽性蛍光体プレート41の移動中に、制御部31は、所定の読取制御プログラムに従って読取部14を制御して、輝尽性蛍光体プレート41に蓄積・記録されている画像データを読み取る。
上述した画像読取時において、リニアモータにより保持部12を移動させる際に、制御部31は、駆動制御部32に対し保持部12を移動させる際の目標速度を指示する速度指令信号を出力する。駆動制御部32は、上述した第1の実施形態と同様に、制御部31から入力あれる速度指令信号に応じ、エンコーダから入力される保持部12の搬送時の電機子コイル2bの位置を位置信号と記憶部33に記憶された補正情報とに基づいて、PID制御機423から出力される電力値を補正し、この補正された電力値を、モータ駆動部34に出力する。
そして、読取部14による画像データの読み取りが完了すると、制御部31は、移動部13及び消去部15を制御して、移動部13により保持部12を矢印A5の方向に移動させ、この移動中において、消去部15により当該消去部15から発光される消去光により、輝尽性蛍光体プレート41に残存する画像データを消去させる。
そして、輝尽性蛍光体プレート41及びバック板42を保持する保持部12は、保持部待機位置に戻された後、制御部31は、回動搬送部11を制御して、フロント板を点線cの位置まで回転移動させることにより、当該フロント板と保持部12に保持されたバック板42とを合体させて、内部に輝尽性蛍光体プレート41を収容する画像読取用カセッテ4となす。
次に、制御部31は、回動搬送部11を制御して、当該回動搬送部11を点線cの位置まで回転移動させることにより、バック板42を保持部12から取り外し、その後、排出ローラ24等を制御して、画像読取用カセッテ4をカセッテ挿入排出部20の排出部23から排出する。
以上のように、本第2の実施形態によれば、エンコーダにより検出されるリニアモータの搬送状態と、記憶部33に予め記憶された固定磁石2aにおける軸方向の磁束密度分布に関する補正情報と、に基づいて、カセッテ保持板12aの搬送速度が目標速度、つまり一定速度となるようリニアモータの駆動電力値を補正することができる。このことにより、磁束密度を検出するセンサ等を用いなくとも、リニアモータの磁束密度分布のムラによる推力の変動を抑制することが可能であるため、画像読取時の速度ムラを抑制することができ、高精度な搬送を行うことができる。また、画像読取装置100のコストダウンを図ることができる。
なお、本第2の実施形態では、リニアモータによりカセッテ保持板12aを搬送することとしたが、これに限らず、読取部14を搬送することとしてもよい。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態として、前述の搬送装置1を搬送手段として備える画像形成装置200について図10を参照して説明する。なお、簡略化のため、前述の実施形態と同一な構成については同一の符号を付して説明を省略し、第3の実施形態に特徴的な部分のみを説明する。
また、画像形成装置200の各部の制御は、前述した制御系3が統括して行う。
図10は、本発明に係る画像形成装置200の実施の一形態を示したもので、この画像形成装置200の内部には、複数の記録媒体51を積層して収容する収容トレイ52が設けられており、この収容トレイ52の一端部上側には、画像を記録しようとする記録媒体51を一枚ずつ収容トレイ52から取り出す取出装置53が設けられている。
なお、記録媒体51としては、色材層を有する第1シートとベース層を有する第2シートとから形成され、レーザ光を照射することにより色材層とベース層との間で材料のアブレーションを発生させ、色材層を第2シートに転写することにより画像を形成可能な記録媒体51が適用される。
この収容トレイ52下側方には、記録媒体51を支持する円筒状の支持ドラム54が回転自在に配設されており、この支持ドラム54は、ドラム駆動機構によって回転駆動されるようになっている。また、支持ドラム54の周面には、記録媒体51の前端部を全幅にわたって把持するグリッパ55a及び記録媒体51の後端部を全幅にわたって把持するグリッパ55bが、支持ドラム54の軸方向に延在して設けられている。
支持ドラム54の側方には、支持ドラム54に摺接して従動回転する従動ローラ56が、支持ドラム54に対して接離可能に設けられている。
画像形成装置200の上部には、画像が記録された記録媒体51を排出する排出トレイ57が設けられている。
画像形成装置200の内部には、収容トレイ52から供給された記録媒体51を、支持ドラム54の周面上部へ搬送し、記録媒体51が支持ドラム54の周面に沿って搬送された後に、支持ドラム54の周面上部から排出トレイ57へ排出させる搬送経路が設けられている。この搬送経路の所定位置には、搬送方向に記録媒体51を搬送するための複数対の搬送ローラ58が設けられている。
支持ドラム54の周面側方には、支持ドラム54に支持された記録媒体51に対してレーザ光を照射する記録部としてのレーザ光照射装置59が設けられており、レーザ光照射装置59の下部には、レーザ光照射装置59を保持してリニアモータにより記録媒体51の搬送方向と直交する方向(副走査方向)に往復移動可能な移動体60が設けられている。
移動体60の下方には、記録媒体51の搬送方向と直交する方向に延在する板状の支持部材61が設けられており、この支持部材61の上面略中央には、記録媒体51の幅方向に移動体60をガイドするガイド部としてのガイドレール62が設けられている。
移動体60は、レーザ光照射装置59を保持する板状の保持部63を有している。この保持部63の裏面には、取付部材64が設けられており、この取付部材64の保持部取付け面と対向する面には、ガイドレール62に案内される断面コ字形状の被ガイド部材65が、取付部材64と一体的に設けられている。
取付部材64の一側方には、リニアモータを構成する固定磁石2aが、支持部材61と一体形成された支持片66に支持され記録媒体51の搬送方向と直交する方向に延在して設けられている。
固定磁石2aは、断面円形状の磁石MGのN極同士あるいはS極同士を複数連結してシャフト状に形成されていて、その磁束密度は、図2(b)に示したような各磁石MGのN極及びS極の接続部分を頂点とした波形を示している。
一方、取付部材64の側部には、リニアモータを構成する電機子コイル2bが設けられている。電機子コイル2bには、円筒状の3つのコイルU、V、Wが直列に配列された三相コイルを有しており、このコイルは箱状のカバー部材により覆われている。そして、リニアモータは、電機子コイル2bの中心を固定磁石2aが貫通するように構成されている。
このように、固定磁石2aと電機子コイル2bとによってリニアモータが構成されており、このリニアモータには電力を制御する制御系3が接続されている。制御系3は、上述した図2(c)と同様に三相コイルの各コイルU、V、Wに対して、それぞれの位相に対応した電流を通電させている。これにより、リニアモータが作動して、電機子コイル2bに推力が働き、電機子コイル2bが固定磁石2aに沿って非接触的に記録媒体51の搬送方向と直交する方向に往復移動するのに伴って、移動体60を搬送するようになっている。
支持部材61の上面であってガイドレール62を挟んで固定磁石2aの反対側には、移動体60の位置や移動速度を検知するためのエンコーダを構成するリニアスケール67が、記録媒体51の幅方向に延在して設けられている。また、保持部63のリニアスケール67と対向する位置には、エンコーダを構成しリニアスケール67を読み取るセンサ部68が設けられている。エンコーダで検出されるリニアモータの搬送状態を示す搬送状態情報は、制御系3の駆動制御部32に出力される。
支持ドラム54より搬送経路下流側には、レーザ光照射装置59により露光された記録媒体51の第1シートと第2シートとを剥離する剥離装置69が設けられており、排出トレイ57の下方には、剥離装置69により第2シートと剥離された第1シートを巻き取って回収する回収ロール70が設けられている。また、剥離装置69より搬送経路下流側には、画像が形成された第2シートを排出トレイ57に排出させる排出ローラ71が設けられている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、画像形成装置200に画像情報が送られると、取出装置53が作動し、収容トレイ52に収容された最上位の記録媒体51が取り出され、搬送ローラ58が回転動作することで、この記録媒体51が搬送される。
記録媒体51が支持ドラム54の上部周面近傍まで到達したら、ドラム駆動機構により支持ドラム54が、記録媒体51の前端部をグリッパ55aに把持した状態で、図9において時計方向に回転動作する。支持ドラム54の回転に伴ってグリッパ55aが従動ローラ56の位置を通過すると、従動ローラ56が支持ドラム54に対して当接して、記録媒体51が支持ドラム54の周面に保持される。そして、支持ドラム54の回転に伴ってグリッパ55bが、記録媒体51の後端部位置まで移動して、記録媒体51の後端部を把持すると、従動ローラ56が支持ドラム54から離間する。
その後、支持ドラム54が図9において時計方向と反対方向に回転動作し、支持ドラム54の回転に伴って記録媒体51がレーザ光照射装置59の位置まで送られると、レーザ光照射装置59により画像情報に基づいて、記録媒体51に対してレーザ光が照射される。このとき、レーザ光照射装置59は、移動体60がリニアモータの駆動により記録媒体51の搬送方向と直交する方向(副走査方向)に往復移動するのに伴って、記録媒体51に対してレーザ光を走査させ、レーザ光の照射が完了すると、記録媒体51を搬送ローラ58により搬送経路に沿って搬送させる。
上述した画像形成時において、リニアモータによりレーザ光照射装置59を副走査方向に移動させる際に、制御部31は、駆動制御部32に対し移動体60を移動させる際の目標速度を指示する速度指令信号を出力する。駆動制御部32は、上述した第1の実施形態と同様に、制御部31から入力される速度指令信号に応じ、エンコーダから入力される移動体60の搬送時の電機子コイル2bの位置を示す位置信号と記憶部33に記憶された補正情報とに基づいて、PID制御器323から出力される電力値を補正し、この補正された電力値を、モータ駆動部34に出力する。
レーザ光照射装置59によるレーザ光の照射が完了すると、記録媒体51を搬送ローラ58により搬送経路に沿って搬送される。
記録媒体51は、剥離装置69の位置まで搬送されると、剥離装置69により第1シートと第2シートとに剥離される。そして、第1シートは回収ロール70に回収され、第2シートは、搬送ローラ58及び排出ローラ71により、排出トレイ57に排出される。
以上のように、本第3の実施形態によれば、エンコーダにより検出されるリニアモータの状態と、記憶部33に予め記憶された固定磁石2aにおける軸方向の磁束密度分布に関する補正情報と、に基づいて、移動体60の搬送速度が目標速度、つまり一定速度となるようリニアモータの駆動電力値を補正することができる。このことにより、磁束密度を検出するセンサを用いなくとも、リニアモータの磁束密度分布のムラによる推力の変動を抑制することが可能であるため、画像形成時の速度ムラを抑制することができ、高精度な搬送を行うことができる。また、画像形成装置200のコストダウンを図ることができる。
なお、本第3の実施形態では、リニアモータにより移動体60を搬送することとしたが、第2の実施形態と同様に画像を記録する記録媒体を搬送することとしてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
本発明を適用した搬送装置を示す図で、(a)は搬送装置の外観斜視図であり、(b)は搬送装置1の一端部の断面図である。 リニアモータを構成する固定磁石及び三相コイルを示す図であり、(a)は固定磁石及び三相コイルの概略図、(b)は固定磁石の磁束密度−位置線図、(c)は三相コイルの電流値−位置線図である。 本発明の搬送装置、画像読取装置、画像形成装置の制御系のブロック図である。 PID制御器のブロック図である。 リニアモータを構成する固定磁石及び三相コイルを示す図であり、(a)は固定磁石の概略図、(b)は固定磁石の磁束密度−位置線図である。 駆動電力補正処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。 本発明による画像記録装置の一実施形態の構成を示す図である リニアモータ部分の搬送機構を示す斜視図である。 リニアモータ部分の搬送機構を示す平面図である。 本発明による画像形成装置の一実施形態の構成を示す図である。 磁極間の距離が不均一な固定磁石を示す図であり、(a)は固定磁石の概略図、(b)は固定磁石の磁束密度−位置線図である。
符号の説明
1 搬送装置
2 リニアモータ
2a 固定磁石(シャフト状磁石、固定子)
2b 電機子コイル(電機子コイル)
2c 支持部材
3 制御系
31 制御部
32 駆動制御部
321 位置速度演算手段
322 差分出力器
323 PID制御器
3231 増幅器
3232 積分成分算出部
3233 増幅器
3234 微分成分算出部
3235 増幅器
3236 加算器
3237 増幅器
324 補正手段
325 加算出力器
33 記憶部
34 モータ駆動部
100 画像読取装置
10 装置本体部
11 回転搬送部
11a 支持台
11b カセッテ挟持部
11c 回動軸
11d クリップ爪
12 保持部
12a カセッテ保持板
12b 取付部材
12c 被ガイド部材
13 移動部
13a 基台
13b 支持部材
13c ガイドレール
13d リニアスケール
13e センサ部
13f 支持片
14 読取部
14a レーザ走査ユニット
14b 光ガイド
14c 集光管
15 消去部
20 カセッテ挿入排出部
21 挿入部
22 挿入ローラ
23 排出部
24 排出ローラ
4 画像読取用カセッテ
41 輝尽性蛍光体プレート
42 バック板
200 画像形成装置
51 記録媒体
52 収容トレイ
53 取出装置
54 支持ドラム
55a グリッパ
55b グリッパ
56 従動ローラ
57 排出トレイ
58 搬送ローラ
59 レーザ光照射装置
60 移動体
61 支持部材
62 ガイドレール
63 保持部
64 取付部材
65 被ガイド部材
66 支持片
67 リニアスケール
68 センサ部
69 剥離装置
70 回収ロール
71 排出ローラ

Claims (9)

  1. 複数の磁石が直線状に配列されて形成されたシャフト状磁石に電機子コイルが当該シャフト状磁石の軸方向に移動可能に嵌合されてなるリニアモータと、
    前記電機子コイルに駆動電力を供給する駆動手段と、
    前記リニアモータの搬送状態を検出する検出手段と、
    前記シャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報が予め記憶された記憶手段と、
    前記検出手段からの検出情報と前記記憶手段からの補正情報とに基づいて、前記駆動手段に補正した駆動電力を供給する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする搬送装置。
  2. 前記補正情報は、前記磁束密度分布に基づいて予め導出された前記リニアモータの推力変動を補正するための補正値であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記補正手段は、前記磁束密度分布の極である磁極の位置に基づいて、前記リニアモータの位相情報を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
  4. 画像が記録された記録媒体上から当該画像を読み取る画像読取装置において、
    前記記録媒体を保持する保持手段と、
    前記記録媒体から画像を読み取る読取手段と、
    複数の磁石が直線状に配列されて形成されたシャフト状磁石に電機子コイルが当該シャフト状磁石の軸方向に移動可能に嵌合されてなり、前記保持手段又は前記読取手段を前記シャフト状磁石の軸方向に搬送するための搬送手段として駆動されるリニアモータと、
    前記電機子コイルに駆動電力を供給する駆動手段と、
    前記リニアモータの搬送状態を検出する検出手段と、
    前記シャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報が予め記憶された記憶手段と、
    前記検出手段からの検出情報と前記記憶手段からの補正情報とに基づいて、前記駆動手段に補正した駆動電力を供給する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  5. 前記補正情報は、前記磁束密度分布に基づいて予め導出された前記リニアモータの推力変動を補正するための補正値であることを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
  6. 前記補正手段は、前記磁束密度分布の極である磁極の位置に基づいて、前記リニアモータの位相情報を補正することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像読取装置。
  7. 所定の記録媒体に画像を記録する画像形成装置において、
    前記記録媒体を保持する保持手段と、
    前記記録媒体に画像記録を行う記録手段と、
    複数の磁石が直線状に配列されて形成されたシャフト状磁石に電機子コイルが当該シャフト状磁石の軸方向に移動可能に嵌合されてなり、前記保持手段又は前記記録手段を前記シャフト状磁石の軸方向に搬送するための搬送手段として駆動されるリニアモータと、
    前記電機子コイルに駆動電力を供給する駆動手段と、
    前記リニアモータの搬送状態を検出する検出手段と、
    前記シャフト状磁石における軸方向の磁束密度分布に関する補正情報が予め記憶された記憶手段と、
    前記検出手段からの検出情報と前記記憶手段からの補正情報とに基づいて、前記駆動手段に補正した駆動電力を供給する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記補正情報は、前記磁束密度分布に基づいて予め導出された前記リニアモータの推力変動を補正するための補正値であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記補正手段は、前記磁束密度分布の極である磁極の位置に基づいて、前記リニアモータの位相情報を補正することを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
JP2004328613A 2004-11-12 2004-11-12 搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置 Pending JP2006141141A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004328613A JP2006141141A (ja) 2004-11-12 2004-11-12 搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004328613A JP2006141141A (ja) 2004-11-12 2004-11-12 搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006141141A true JP2006141141A (ja) 2006-06-01

Family

ID=36621532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004328613A Pending JP2006141141A (ja) 2004-11-12 2004-11-12 搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006141141A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009069031A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Canon Inc 変位検出方法及びモータ制御装置
JP2013040955A (ja) * 2012-10-11 2013-02-28 Canon Inc 変位検出装置、制御装置、工作機械装置、照射装置および変位検出方法
JP2016001430A (ja) * 2014-06-12 2016-01-07 旭化成エレクトロニクス株式会社 位置制御装置及び位置制御方法
JPWO2021229781A1 (ja) * 2020-05-15 2021-11-18

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009069031A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Canon Inc 変位検出方法及びモータ制御装置
JP2013040955A (ja) * 2012-10-11 2013-02-28 Canon Inc 変位検出装置、制御装置、工作機械装置、照射装置および変位検出方法
JP2016001430A (ja) * 2014-06-12 2016-01-07 旭化成エレクトロニクス株式会社 位置制御装置及び位置制御方法
JPWO2021229781A1 (ja) * 2020-05-15 2021-11-18
WO2021229781A1 (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 ヤマハ発動機株式会社 搬送装置および搬送方法
US12034349B2 (en) 2020-05-15 2024-07-09 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Transfer apparatus and transfer method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0098574B1 (en) Radiation image read-out method and apparatus
JP2006141141A (ja) 搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置
JP2006137547A (ja) 搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置
US20090078893A1 (en) Image reading apparatus
JP2007326654A (ja) 搬送装置、画像読取装置及び画像記録装置
JP4241663B2 (ja) 画像読取装置
JP2007020083A (ja) 画像読取装置、画像形成装置及び搬送制御方法。
EP0098596B1 (en) Radiation image read-out method and apparatus
JP2007325396A (ja) リニアモータ、画像読取装置及び画像形成装置
JPWO2006043425A1 (ja) 画像読取装置
JP2008122487A (ja) 画像読取装置
JP2007017870A (ja) 画像読取装置及び画像形成装置
JP2004250180A (ja) 搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置
JP2005070533A (ja) 移動装置、画像読取装置及び画像形成装置
JP2006136051A (ja) リニアモーター
JP2006141140A (ja) 搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置
JP2006136050A (ja) リニアモーター
JP2007020330A (ja) リニアモータ、画像読取装置及び画像形成装置
JP2006137544A (ja) 搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置
JP2006137545A (ja) 搬送装置、搬送方法、プログラム、画像読取装置、及び画像形成装置
JP2005073023A (ja) 画像読取装置及び画像形成装置
JPS6367859A (ja) シ−ト体搬送機構の制御方法
JP2005073042A (ja) 画像読取装置および画像記録装置
JP2005070526A (ja) 画像読取装置および画像記録装置
JP2007017869A (ja) 画像読取装置及び画像形成装置