JP2006133488A - プラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

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JP2006133488A JP2004322108A JP2004322108A JP2006133488A JP 2006133488 A JP2006133488 A JP 2006133488A JP 2004322108 A JP2004322108 A JP 2004322108A JP 2004322108 A JP2004322108 A JP 2004322108A JP 2006133488 A JP2006133488 A JP 2006133488A
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三千男 藤井
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好宏 塚本
Yasushi Fujishige
泰志 藤重
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Abstract

【課題】100℃以上の高温環境下で長期間伝送損失の増加を防止する。
【解決手段】コアと、該コアの外周に形成された少なくとも1層以上のクラッドを有するプラスチック光ファイバの外周に、少なくとも1層以上の被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、前記被覆層のうち少なくとも1層がモノマーおよびオリゴマーの含有量が0.5質量%以下のポリアミド系樹脂からなることを特徴とするプラスチック光ファイバケーブル。

Description

本発明は、自動車内LAN等の高温環境下で光情報通信に用いられるプラスチック光ファイバケーブルに関するものであり、特に、長期の耐熱性に優れたプラスチック光ファイバケーブルに関するものである。
従来、光ファイバとしては、広い波長領域にわたって優れた光伝送を行うことができる石英系光ファイバが幹線系を中心に実用化されているが、この石英系光ファイバは高価で加工性が低い。そのため、より安価、軽量、大口径であり、端面加工や取り扱いが容易である等の長所を有するプラスチック光ファイバ(以下、POFと略する。)が開発され、ライティング用途やセンサー用途、あるいはFA、OA、LAN等の屋内配線、自動車内LAN等の移動体内配線等の短・中距離通信用途の分野で実用化されている。
上記POFの大部分は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーカーボネート系樹脂をコア材とし、低屈折率の含フッ素オレフィン系共重合体をクラッド材とするコア−クラッド構造からなるステップインデックス型(SI型)光ファイバである。さらに、POFが屋内配線や移動体内配線として敷設使用される場合は、その外周を被覆材により被覆したPOFケーブルの形態で用いられる。
近年、自動車内LANの通信用配線として、PMMAをコア材とするPOFケーブルが、高速データ通信が可能でかつ配線量削減による軽量化や通信システムの低コスト化、電磁ノイズ対策等に優れる観点からすでに実用化されてきている。
このように自動車内LAN通信用配線として、エンジン近傍のような高温環境下に敷設される場合には、POFケーブルとして優れた耐熱性が要求されている。さらに、このような敷設場所にはオイルや電解液、ガソリン等の引火性物質が存在するため、特にPOFケーブルの被覆材には、耐熱性に優れることに加えて、耐薬品性に優れることも要求されており、このような要求を満たすPOFケーブルの被覆材としてナイロン11やナイロン12、ナイロン612等のポリアミド系樹脂を用いることが提案されている。
例えば、特許文献1〜3には、コア材にPMMA、クラッド材に結晶性の低い特定組成のフッ化ビニリデン(VdF)系の共重合体を用い、被覆材にナイロン12樹脂を用いたPOFケーブルが提案されている。
特開平11-101915号公報 特開2001-324626号公報 特開2002―148451号公報
上記の特許文献1〜2に記載のPOFケーブルは、105℃環境下に1000時間保存した後の、伝送損失の増加量が5〜6dB/kmとの記載があり、一定期間においては優れた耐熱性を示している。また、特許文献3に記載のPOFケーブルは、85℃環境下に500時間保存した後、伝送損失の増加量が7.7〜26dB/km(換算値)との記載がある。
しかし、自動車内で実際にPOFケーブルが使用される場合、105℃環境下で5000時間という長期間にわたって伝送損失の増加量が小さいことが要求されているが、上記特許文献1〜3で提案されているPOFケーブルは、この要求性能を満たすものではなく、エンジン近傍などの高い耐熱性が要求される場所で使用することができなかった。
以上のような背景から、本発明の目的は、高温環境下で長期間伝送損失の増加量が小さい耐熱性に優れたPOFケーブルを提供することにある。
本発明は、コアと、該コアの外周に形成された少なくとも1層以上のクラッドを有するプラスチック光ファイバの外周に、少なくとも1層以上の被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、前記被覆層のうち少なくとも1層がモノマーおよびオリゴマーの含有量が0.5質量%以下のポリアミド系樹脂からなることを特徴とするプラスチック光ファイバケーブルに関する。
また、本発明は、アルコール抽出法を用いてポリアミド系樹脂中のモノマーおよびオリゴマーの含有量を0.5質量%以下とするプラスチック光ファイバ用被覆材の製造方法に関する。
本発明によれば、高温環境下での伝送損失の増加量が小さく、長期耐熱性に優れたPOFケーブルを提供することができ、特に自動車内LANの通信配線に好適なPOFケーブルを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明のPOFケーブルは、コア−クラッド構造をしたPOFの外周に、少なくとも1層以上の被覆層を配設して形成されるものであり、前記被覆層のうち少なくとも1層がポリアミド系樹脂によって構成される。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66等の単独重合体や、ナイロン612、ナイロン1010、ナイロン1012等のこれらの組み合わせからなる共重合体、柔軟なセグメントを導入したナイロン系エラストマー等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても良く、また必要に応じて、50質量%以下の範囲であれば、ポリアミド系樹脂以外の重合体や化合物を添加して使用することもできる。
上記のポリアミド系樹脂のなかでも、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン612、あるいはこれらの組み合わせからなる共重合体は、被覆工程における成形性が良好でかつ適度な融点を有しているため、POFの伝送性能を低下させることなく容易にPOFを被覆することができるとともに、POFとの密着性および寸法安定性にも優れることから、POFケーブルの熱収縮やピストニングの発生を効果的に防止することができることから好ましい。
上記のポリアミド系樹脂は、アミンとカルボン酸の重縮合反応により得られるが、化学平衡により、生成ポリマー中には高濃度でポリアミド系樹脂原料に由来する低分子化合物(モノマーあるいはオリゴマー)が含まれる。本発明は、このようなモノマーおよびオリゴマーの存在がPOFケーブルの耐熱性を低下させることを見出し、ポリアミド系樹脂中に含まれるこれらモノマーおよびオリゴマーを低減させることによってなし得たものである。
原料に由来するモノマーとは、ポリアミド系樹脂を構成する脂肪族ジアミノ酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物、アミノ脂肪族カルボン酸化合物のことであり、具体的には、ナイロン11では11−アミノウンデカン酸、ナイロン12では12−アミノドデカン酸、ナイロン612では、ヘキサメチレンジアミンとドデカンニ酸塩、ナイロン610ではヘキサメチレンジアミンとセバシン酸塩、ナイロン6ではε−アミノカプロン酸、ナイロン66ではヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、ナイロン1010では1,10−デカンジアミンと1,12−ドデカンジアミン、ナイロン1012では1,12−デカンジアミン、1,12−ドデカン二酸である。また、アミノカルボン酸化合物の分子鎖末端が分子内でエステル環化結合して、環内にアミド結合(−CONH−)を有する環状ラクタム化合物も挙げられ、具体的には、ナイロン6ではε−カプロラクタム、ナイロン12ではω―ラウロラクタムが挙げられる。さらに上記に挙げた化合物以外にも、原料合成時に副生成物として生成した低分子化合物も挙げられる。
一方、オリゴマーとしては、ポリアミド系樹脂の縮重合反応の過程で、前述した原料モノマー(脂肪族ジアミノ酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物、アミノ脂肪族カルボン酸化合物)の2分子以上の分子鎖末端が分子間でエステル結合し、分子鎖末端にアミノ基(−NH)とカルボキシル基(−COOH)の両方、またはどちらか一方の官能基を有する化合物、該化合物の分子鎖末端が分子内でエステル環化結合して、環内にアミド結合(−CONH−)を有する環状ラクタム化合物、上記の分子間エステル結合した化合物が、さらに分子内/分子間で副反応(脱アミノ化反応あるいは脱カルボキシル化反応)を起こし生成した化合物などが挙げられる。
上述のモノマーおよびオリゴマーは分子鎖中に極性の強い末端アミノ基またはアミド基(アミド結合)を有し、これらがポリアミド系樹脂中に多く残存すると、POFケーブルが温度100℃以上の高温環境下に長期間曝された場合、被覆層内部のクラッドあるいはコア内部にこれらモノマーおよびオリゴマーが溶解・拡散した後に、凝集または結晶化して粒子状構造体を形成し、POFの散乱損失の増大を引き起こしたり、コアあるいはクラッドを形成する樹脂と化学反応し、その結果コアあるいはクラッドが着色して吸収損失の増大を引き起こして、結果としてPOFケーブルの伝送損失の増大に繋がる。ここで、モノマーおよびオリゴマーがPOF中に溶解・拡散するとは、具体的には、クラッド最外層や、前記クラッド最外層の内側の層(コアあるいはクラッドが2層からなる場合には第1クラッド)との界面付近、さらにはそれらの内部にモノマー・オリゴマーが移行することを意味する。
上記の理由により、100℃以上の高温環境下においてPOFケーブルの伝送損失の増大を長期化にわたって十分小さく抑制するには、これらの樹脂中に含まれるモノマーおよびオリゴマーの含有量を0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下に低減する必要がある。
モノマーおよびオリゴマーのPOF内部への移行は、クラッドの最外層が含フッ素オレフィン系共重合体からなる場合、特に該共重合体がVdF単位またはHFP単位の少なくとも一方を含有する場合に顕著であるため、このようなPOFの外周にポリアミド系樹脂を被覆したPOFケーブルに本発明は特に好適であり、伝送損失の増加をより顕著に抑制することができる。
また、前記モノマーおよびオリゴマーのうち大部分が環状ラクタム化合物である場合には、クラッド最外層とその内層との界面付近、例えばクラッドが1層からなる場合にはコアとの界面、クラッドが2層からなる場合には第1クラッドとの界面付近に移行して粒子状構造体を形成する傾向が高いため、界面の構造不整が増大してPOFケーブルの伝送損失が著しく悪化する傾向があり、好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
また前記モノマーおよびオリゴマーのうち、より分子量が低いモノマーおよびオリゴマーほど高温環境下でPOF中への溶解・拡散が容易に起こる傾向にあり、特に分子量が2000以下のものを低減することによって伝送損失の増加を確実に抑制することができる。
ポリアミド系樹脂中の前記モノマーおよびオリゴマーを低減する方法としては、重縮合反応時の温度、水分率、反応系内の原料/生成物濃度を制御する方法や、重合後のポリアミド系樹脂を熱水抽出塔に供給して、熱水で向流抽出する方法や、溶融したポリアミド樹脂を高温・高真空下で脱モノマー処理する方法や、アルコール抽出法などを挙げることができる。なかでもモノマーおよびオリゴマーを効率よく低減できることから、アルコール抽出法が好ましい。
アルコール抽出法とは、ポリアミド系樹脂を沸点以上の温度に保ったアルコール(メタノールあるいはエタノール等)中で、所定時間、還流しながら攪拌することによって、ポリアミド系樹脂中のモノマーおよびオリゴマーをアルコール中に抽出・除去する方法である。
上記のような還流抽出操作を行う場合、ポリアミド系樹脂とアルコールを重量比で、ポリアミド系樹脂/アルコール=1/1〜1/10の範囲にあることが好ましい。抽出温度は、特に制限されるものではないが、抽出効率を高める観点から、抽出に使用するアルコールの沸点より5〜10℃程高い温度に設定することが好ましい。抽出時間は、ポリアミド系樹脂とアルコールの配合比に従ってポリアミド樹脂中のモノマー・オリゴマーが0.5質量%以下になるように適宜設定すれば良い。例えば、アルコールとしてメタノール(沸点が約65℃)を用いる場合には、ポリアミド系樹脂/メタノール=1/4〜1/5として、抽出温度70〜80℃で5〜72時間還流操作を行う。また、抽出操作の途中で、アルコール溶液を新たなアルコール溶液に交換することで、モノマーおよびオリゴマーをより短時間で抽出、除去することが可能である。
なお、ポリアミド系樹脂に対して上記のアルコール抽出を行った場合、あらかじめ添加されていた酸化防止剤、潤滑剤などが、モノマーおよびオリゴマーと一緒に抽出除去されるおそれがある。その場合には、抽出処理を行ったポリアミド系樹脂に、酸化防止剤、潤滑剤などを再度加えて、被覆工程の前に二軸押出機を用いて予め溶融混錬しておいたり、又は被覆工程中に押出機のホッパーにペレットを投入する段階や、押出機の途中から直接酸化防止剤、潤滑剤などを供給する方法をとればよい。
ここで酸化防止剤としては、ポリアミド系樹脂で一般的に用いられている、フェノ−ル系酸化防止剤(例えば、商品名:イルガノックスシリーズ、日本チバガイギー(株)製)やリン系酸化防止剤(例えば、商品名:アデカスタブシリーズ、旭電化(株)製)などを挙げることができる。潤滑剤としては、同じくステアリン酸、パルミチン酸、オクタデカン酸、ヘキサドデカン酸などの脂肪族酸、該脂肪族酸の金属塩、具体的にはステアリン酸マグネシウムなどを挙げることができる。
本発明のPOFケーブルは、被覆層が複数層で形成されていてもよく、例えば、モノマーおよびオリゴマーを低減したポリアミド系樹脂を用いた被覆層を第一被覆層とし、その外周に、前記ポリアミド系樹脂とは特性の異なるポリアミド系樹脂あるいはそれ以外の熱可塑性樹脂を使用すれば各被覆層に異なる機能を付与することができ、これにより、1層の被覆層では達成できない複数の機能をPOFケーブルに付与できる。例えば、POFケーブルに難燃性を付与するには、前述のポリアミド系樹脂からなる被覆層に加えて難燃性にすぐれた樹脂(塩化ビニル樹脂等)を被覆層の最外層に用いればよい。また、POFケーブルの柔軟性をさらに向上させるには、被覆層の最外層により柔軟な樹脂を用いることで、POFケーブルに曲げ癖が付き難くなり、取り扱い性が向上する。ポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂や、架橋ポリエチレン系樹脂、架橋ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物などを用いることができる。
中でも、前記モノマーおよびオリゴマーを低減したポリアミド系樹脂からなる被覆層の外周に、架橋ポリエチレン系樹脂、架橋ポリプロピレン系樹脂からなる被覆層を用いることで、より耐熱性を向上させることができる。
本発明のPOFケーブルでは、POFへの外光の入射を防止するために、POFケーブルの最内層の被覆材にカーボンブラックなどの遮光剤を含有させることもできる。また、POFケーブルの識別性、意匠性を高めるために、最外層の被覆材に着色剤を含有させることもできる。着色剤としては、染料系や無機系などの公知のものが用いられるが、耐熱性の観点から無機顔料を用いることが好ましい。
その他、被覆材に難燃性を付与あるいは向上するために、難燃剤を含有させてもよい。難燃剤としては、金属水酸化物、燐化合物、トリアジン系化合物などの公知の難燃剤を用いることができる。ポリアミド系樹脂に添加する場合には、トリアジン系化合物が好ましく、特にシアヌル酸メラミンが好ましい。
被覆層の形成方法としては、POFのケーブル化方法として一般的に使用されている方法により行うことができるが、クロスヘッドダイを用いて被覆層を形成する方法が、本発明の効果を十分に発現したPOFケーブルを得ることができることから好ましい。
また、POFケーブルとして長期の耐熱性を確保するには上記のような被覆層を用いるとともにPOF自体の耐熱性としても高いものを用いることが好ましいい。そのようなPOFとして好ましい形態を以下に説明する。
コアを構成する材料としては、PMMAまたは1種類以上のビニル系単量体とメタクリル酸メチル(MMA)単量体との共重合体(以下、これらをPMMA系樹脂という。)が好ましく用いられる。なかでも透明性と機械的強度のバランスに優れたPMMAを用いることが特に好ましい。コアが後者の共重合体からなる場合には、透明性を十分に確保する点から、MMA単位の含有量は50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。MMA単位の共重合成分としては、メタクリル酸エステル単位、アクリル酸エステル単位等の、POF用コア材としてこれまでに提案されている単量体単位を適宜選択する事ができる。
また、POFケーブルにさらに高温での耐熱性を付与する場合には、ポリカーボネート系樹脂や環状ポリオレフィン系樹脂をコアに用いても良い。ポリカーボネート系樹脂や環状ポリオレフィン系樹脂は、公知のものを使用できる。
POFを構成するクラッドは、1層で形成されていても、2層以上の複数層から形成されても良いが、少なくともその最外層は、テトラフルオロエチレン(TFE)の単位を含む含フッ素オレフィン系樹脂からなることが好ましい。TFE単位を含む含フッ素オレフィン系樹脂は、POFの内層クラッドあるいはコアの保護材として、特にクラッドが2層からなる場合には第1クラッドの保護材として、耐薬品性、耐衝撃性に優れるとともに、低屈折率で耐熱性に優れている点で好ましい。
このような含フッ素オレフィン系樹脂としては、例えば、VdF単位とTFE単位との共重合体、VdF単位とTFE単位とHFP単位との共重合体、VdF単位とTFE単位とHFP単位とパーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル単位との共重合体、VdF単位とTFE単位とパーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル単位との共重合体、エチレン単位とTFE単位とHFP単位との共重合体、TFE単位とHFP単位との共重合体、VdF単位とTFE単位とヘキサフルオロアセトン単位との共重合体等が挙げられるが、これに限定されるものではない。中でもTFE単位の共重合成分として、VdF単位、HFP単位、パーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル単位は低コストであり、これらうち少なくとも1種類とTFE単位とから形成される共重合体が、透明性が高く、耐熱特性に優れる。TFE単位を含む含フッ素オレフィン系樹脂としては、特にVdF単位とHFP単位のうち少なくとも1種類を用いることが、透明性が高く、かつPOFの溶融紡糸時の安定性に優れた樹脂を得ることができることから好ましい。
より具体的には、
VdF単位60〜90質量%とTFE単位10〜40質量%からなる2元共重合体、
VdF単位10〜60質量%と、TFE単位20〜70質量%と、HFP単位5〜35質量%とからなる3元共重合体、
VdF単位5〜25質量%と、TFE単位50〜80質量%と、パーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル単位5〜25質量%からなる3元共重合体、
エチレン単位5〜60質量%と、TFE単位25〜70質量%と、HFP単位5〜45質量%とからなる3元共重合体、
VdF単位10〜30質量%と、TFE単位40〜69質量%と、HFP単位21〜40質量%と、パーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル単位1〜15質量%とからなる4元共重合体、
TFE単位40〜90質量%と、パーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル単位10〜60質量%とからなる2元共重合体、
TFE単位30〜75質量%とHFP単位25〜70質量%からなる2元共重合体、等を挙げることができる。
TFEを含む含フッ素オレフィン系樹脂に上記のパーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル単位(以下、FVE単位という。)を含む場合には、下記一般式(I)
CF2=CF−(OCF2CF(CF3))aO-Rf2 (I)
(式中、Rf2は炭素原子数が1〜8個のアルキル基もしくはフルオロアルキル基又はアルコキシルアルキル基もしくはフルオロアルコキシルアルキル基を示し、aは0〜3の整数である。)
で示される構造単位が挙げられる。
なかでも、FVE単位としては、下記一般式(II)〜(V)
CF2=CFO(CF2n−OCF3 (II)
(式中、nは1〜3の整数)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))nO(CF2mCF3 (III)
(式中、nは0〜3の整数、mは0〜3の整数)
CF2=CFO(CH2n(CF2mCF3 (IV)
(式中、nは1〜3の整数、mは0〜3の整数)
CF2=CFO(CH2nCH3 (V)
(式中、nは0〜3の整数)
の何れかで表わされる単位であることが好ましい。
上記のFVE単位としては、特にCF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3、CF2=CFOCH2CF3、CF2=CFOCH2CF2CF3、CF2=CFOCH2CF2CF2CF3、CF2=CFOCH3、CF2=CFOCH2CH3及びCF2=CFOCH2CH2CH3からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物の単位を用いることが、原料が低コストである点から好ましい。
しかし、上記のようなTFE単位を含む含フッ素オレフィン系樹脂の結晶性が高い場合は透明性が低下する傾向にあるため、結晶融解熱が60mJ/mg以下であるものを用いることが好ましい。
含フッ素オレフィン系樹脂の結晶性は、示差走査熱量測定(DSC)で測定した結晶融解熱を指標として表すことができる。結晶融解熱は、含フッ素オレフィン系樹脂のTFE単位およびVdF単位に由来する結晶成分の熱融解に起因して発生する熱量であって、値が大きい程樹脂の結晶性が高くなる傾向がある。
特にこの結晶融解熱が60mJ/mgより大きいと著しく白濁する傾向があり、POFケーブルの初期の伝送損失および高温環境下に長期間放置された場合の伝送損失の増加が著しくなる傾向がある。
結晶融解熱が60mJ/mgより小さければ、含フッ素オレフィン系樹脂は比較的低い結晶性を有し、長時間高温環境下に置かれてもPOFケーブルの伝送損失の増加を抑えることができる。より好ましくは40mJ/mg以下であり、15mJ/mg以下であればさらに好ましい。
また、POFを構成するクラッドを複数層から形成する場合には、製造コストを低減する観点からは、第1クラッドの外周に第2クラッドを同心円状に設けた2層構造とすることが好ましい。
クラッドがこのような2層構造からなる場合、コアの屈折率n1、第1クラッドの屈折率n2、第2クラッドの屈折率n3は、下記の関係式(1)
1>n2>n3 (1)
または下記の関係式(2)および(3)
1>n2 (2)
2<n3 (3)
を満たす必要がある。
なお、本発明における屈折率は、ナトリウムD線による25℃における屈折率をいう。
特に、上記の関係式(1)を満たす場合には、POFケーブルが屈曲されて第1クラッドから光が漏れても、その漏れた光を第2クラッドで反射させることができるため、曲げ損失を低減できる。
第1クラッドを形成する樹脂としては、フッ素化メタクリレート系重合体、フッ化ビニリデン系重合体等POFのクラッド材として提案されている材料を適宜選択することができる。特にフッ素化メタクリレート系重合体は、屈折率の調整が容易で、良好な透明性及び耐熱性を有しながら、屈曲性及び加工性に優れる重合体であるため好適である。
第1クラッドに用いられるフッ素化メタクリレート系重合体としては、例えば、良好な透明性及び耐熱性を有しながら、屈曲性及び加工性に優れる重合体として、
下記一般式(VI)
CH2=CX−COO(CH2m−R (VI)
(式中、Xは水素原子、フッ素原子、又はメチル基、R は炭素数1〜12の(フルオロ)アルキル基、mは1又は2の整数を示す。)
で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位15〜90質量%と、他の共重合可能な単量体の単位10〜85質量%からなり、屈折率が1.39〜1.475の範囲にある共重合体を用いることができる。
フルオロアルキル(メタ)クリレートの単位としては、
下記一般式(VII)
CH2=CX−COO(CH2m(CF2nY (VII)
(式中、Xは水素原子又はメチル基、Yは水素原子又はフッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜12の整数を示す。)
あるいは、
下記一般式(VIII)
CH2=CX−COO(CH2m−(C)R2 1 (VIII)
(式中、Xは水素原子又はメチル基を示し、R2 及びR は同一又は相異なるフルオロアルキル基、R1は水素原子又はメチル基、又はフッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜12の整数を示す。)
を挙げることができる。
より具体的には、一般式(VII)の例として、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル(3FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(4FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(5FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(6FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(8FM)、(メタ)アクリル酸―2−(パーフルオロブチル)エチル(9FM)、(メタ)アクリル酸―2−(パーフルオロヘキシル)エチル(13FM)、(メタ)アクリル酸―1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(16FM)、(メタ)アクリル酸―2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FM)、(メタ)アクリル酸―1H,1H,11H−(イコサフルオロウンデシル)(20FM)、(メタ)アクリル酸―2−(パーフルオロデシル)エチル(21FM)等の、直鎖状フッ素化アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸フッ素化エステル、一般式(VIII)の例として、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロネオペンチルや、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロイソブチル等の、分岐状フッ素化アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸フッ素化エステル等を挙げることができる。
一方、他の共重合可能な単量体単位として、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸(1−メチルトリシクロヘプチル)、(メタ)アクリル酸(1−メチルヘキサシクロドデシル)等の、脂環式基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸脂環式エステルや、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミドや、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ、γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−エチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−シクロヘキシル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β、β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β−エチル−γ−ブチロラクトン、等を挙げることができる。
このような、フルオロアルキル(メタ)クリレートの単位と、他の共重合可能な単量体の単位の中から少なくとも1種類以上を選択し、共重合体の屈折率が前述の範囲を満たすと同時に、透明性、機械的強度、耐熱分解性等が、POFの使用用途に要求される物性を損なわないような共重合比によって共重合すれば良い。
以下、実施例により本発明のPOFケーブルを説明する。なお、本発明の実施例における評価結果は、下記の評価方法により実施して得られたものである。
(結晶融解熱:△H)
示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメンツ社製、DSC−220)を使用した。サンプルを、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温し5分間保持して溶融させた後、10℃/分で0℃まで降温し、再度昇温速度10℃/分で昇温、5分間保持、10℃/分で降温を行い、この時の結晶融解熱(△H)を求めた。
(屈折率)
溶融プレスにより厚さ200μmのフィルム状の試験片を形成し、アッベの屈折計を用い、室温23℃におけるナトリウムD線の屈折率(nD 25)を測定した。
(伝送特性)
測定波長650nm、励振NA=0.1の条件で、25−5mのカットバック法により測定した。
(耐熱試験)
POFケーブルを、温度105℃のオーブンに5000時間放置した時の伝送損失(dB/m)を、測定波長が650nm、励振NAが0.1の光を用い25m−5mカットバック法により測定した。
(延伸率評価)
POF約10cmを150℃の乾燥機内でつり下げ、20分後に取り出した。POFの熱処理前の糸直径をd、熱処理後の糸直径をdとして、(d/dの値を延伸率とした。
(ポリアミド系樹脂中の低分子化合物の定量および定性分析)
ポリアミド系樹脂のペレット50gとメタノール100mlを300mlナスフラスコに入れ24時間、攪拌しながら還流した。還流後、メタノールをビーカーに移し、新たなメタノールをナスフラスコに入れて更に24時間還流操作を繰り返した。抽出後のメタノール溶液200mlを乾固させて、得られた乾固物の重量(Xg)を測定した。また、該乾固物について核磁気共鳴スペクトル測定(NMR)(日本電子(株)製、EX−270)、質量分析計(MS)(日本電子(株)製、SX−102)、熱抽出GC−MS(Agilent社製、HP5890/5972)による定性分析を行った。また、該乾固物をメタノールに適当量溶解して、分取型サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(日本分析工業(株)製、LC−10)により、乾固物を分子量別に分けて採取、秤量した。さらに採取物のNMR測定を行った。
なお、ポリアミド系樹脂のペレット中に含まれるモノマーおよびオリゴマーの含有量を下記式(4)から、計算した。
〔含有量〕=X/50 ×100 (%) (4)
[実施例1]
・ 被覆材の作製
ナイロン12樹脂(ダイセル・デグッサ社製、ダイアミドL1640)とメタノールを重量比で1:4となるように熱媒加熱式の釜内に仕込み、温度70℃に設定して、攪拌しながら還流操作を24時間行った。その後、メタノールを一旦除去した後に、新たなメタノールを加え、同様の手順で還流操作を24時間繰り返した。その後、メタノールを除去し、ナイロン12樹脂を温度70℃で12時間減圧乾燥して、被覆材用のナイロン12樹脂を得た。
ここで抽出後のメタノール溶液から得られた採取物の定性分析を行ったところ、抽出物は、ナイロン12樹脂の原料であるモノマー単量体(12−アミノドデカン酸およびω―ラウロラクタム)及び該モノマーの二量体、三量体、四量体、さらにそれ以上の多量体(アミノ脂肪族カルボン酸化合物と環状ラクタム化合物)であった。
また、モノマーおよびオリゴマーの含有量は、0.15質量%であった。
・ POFの作製
コア材としてPMMA(屈折率1.492)、第1クラッド材として、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)/2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(17FM)/メタクリル酸メチル/メタクリル酸(51/31/17/1(質量部))の共重合体(屈折率1.416)、第2クラッド材として、VdF/TFE/HFP(43/48/9質量%、屈折率1.375)を用いた。これらの重合体を溶融して、220℃の紡糸ヘッドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて複合紡糸した後、140℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、各クラッドの厚み10μm、直径1mmのPOFを得た。
・ POFケーブルの作製
上記のメタノール抽出操作を行ったナイロン12樹脂を、酸化防止剤(イルガノックス1010;商品名、日本チバガイキー(株))、潤滑剤(ステアリン酸の金属塩)と二軸混練押出機でブレンドした後、210℃に設定したクロスヘッドダイにてクロスヘッドケーブル被覆装置を用いて上記POFに被覆して、1次被覆層のみからなる外径1.5mm(被覆層の厚み250μm)のPOFケーブルを得た。なお、1次被覆層を形成するナイロン12樹脂には、カーボンブラックを0.3質量%添加した。
このようにして得られたPOFケーブルの評価を行い、その結果を表2に示した。得られたPOFケーブルは、初期の伝送性能が良好で、しかも105℃の高温環境下での伝送特性の安定性も良好であった。
[実施例2]
ナイロン11樹脂(アトフィナ社製、リルサンBMF−0)に実施例1と同様にしてメタノール抽出処理を施した。このナイロン11樹脂のモノマーおよびオリゴマー含有量は、0.12質量%であった。このナイロン11を被覆層に用いた以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを作成した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例3]
ナイロン12樹脂(EMS昭和電工(株)製、Grilamide L16A)に実施例1と同様してメタノール抽出処理を施した。このナイロン12樹脂のモノマーおよびオリゴマー含有量は、0.21質量%であった。このナイロン12を被覆層に用いた以外は実施例1と同様にしてPOFケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例4]
ナイロン612樹脂(ダイセル・デグッサ社製、ダイアミド N1901)に実施例1と同様にしてメタノール抽出処理を施した。このナイロン612樹脂のモノマーおよびオリゴマー含有量は0.25質量%であった。その後、ナイロン612 100質量部に対して、メラミンシアヌレート(日産化学社製、MCN−440)15質量部、酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010、日本チバガイキー(株))、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム)、顔料としてレアメタルベースの無機顔料(商品名:ネオロールオレンジS、セリウム無機顔料、ローデイア社製)を加え、二軸混練押出機でブレンドした。
水架橋ポリエチレン樹脂(三菱化学、リンクロンXHM―611N)を触媒マスターバッチとブレンドした水架橋ポリエチレン前駆体樹脂を1次被覆層に用いた以外は実施例1と同様にして、外径1.5mmのPOFケーブルを得た。このPOFケーブルを、98℃の熱水中に3時間浸漬して、水架橋処理を行った。次に、このPOFケーブルに、さらに2次被覆層として上記のナイロン612を実施例1と同様にして被覆し、POFケーブルを作製した。作成したPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
[比較例1]
ナイロン12樹脂(ダイセル・デグッサ社製、ダイアミドL1640)を抽出処理を施さずにそのまま被覆層に用いた以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。なお、このナイロン12樹脂のモノマーおよびオリゴマー含有量は1.2質量%であった。
[比較例2]
ナイロン11樹脂(アトフィナ社製、リルサンBMF−0)を抽出処理を施さずにそのまま被覆層に用いた以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。なお、このポリアミド樹脂のモノマーおよびオリゴマー含有量は0.95質量%であった。
[比較例3]
ナイロン12樹脂(EMS昭和電工(株)製、Grilamide L16A)を抽出処理を施さずにそのまま用いた以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。なお、このポリアミド樹脂のモノマーおよびオリゴマー含有量は1.7質量%であった。
[比較例4]
2次被覆層に抽出処理を施していないナイロン612樹脂(ダイセル・デグッサ社製、ダイアミド N1901)を用いた以外は、実施例4と同様にしてPOFケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
なお、このナイロン612樹脂のモノマーおよびオリゴマー含有量は2.1質量%であった。
表2から明らかなように、実施例1〜2のPOFケーブルは、初期の伝送特性が良好(135dB/km以下)であるだけではなく、被覆層にメタノール抽出でモノマー・オリゴマーの除去を施さなかったポリアミド系樹脂を用いたPOFケーブル(比較例1〜2)と比較して、105℃、3000時間後の伝送損失の増加(50dB/km以下)が極めて小さく抑えられていた。また、5000時間後の伝送損失の増加(100dB/km以下)も、実用上問題ない程度に小さく抑えられていた。
また、実施例4のPOFケーブルは、比較例4のPOFケーブルと比較して、105℃、3000時間後の伝送損失の増加(50dB/km以下)が極めて小さく抑えられていた。また、5000時間後の伝送損失の増加(100dB/km以下)も、実用上問題ない程度に小さく抑えられていた。
Figure 2006133488
表1中の略号は下記の化合物を示す。
VdF:フッ化ビニリデン
TFE:テトラフルオロエチレン
HFP:ヘキサフルオロプロピレン
MMA:メタクリル酸メチル
MAA:メタクリル酸
3FM:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
17FM:2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート
水架橋PE:水架橋ポリエチレン(三菱化学社製、リンクロンXHM―611N)
PA12:ナイロン12(ダイセル・デグッサ社製、ダイアミド-L1640)
PA12(b):ナイロン12(EMS昭和電工(株)製、Grilamide L16A)
PA11:ナイロン11(アトフィナ社製、リルサンBMF−0)
PA612:ナイロン612(ダイセル・デグッサ社製、ダイアミド N1901)
Figure 2006133488

Claims (4)

  1. コアと、該コアの外周に形成された少なくとも1層以上のクラッドを有するプラスチック光ファイバの外周に、少なくとも1層以上の被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、前記被覆層のうち少なくとも1層がモノマーおよびオリゴマーの含有量が0.5質量%以下のポリアミド系樹脂からなることを特徴とするプラスチック光ファイバケーブル。
  2. 前記クラッドのうち最外部に位置するクラッド層が、少なくともテトラフルオロエチレン単位を含む含フッ素オレフィン系共重合体からなり、示差走査熱量測定(DSC)で測定した結晶融解熱が60mJ/mg以下であることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  3. アルコール抽出法を用いてポリアミド系樹脂中のモノマーおよびオリゴマーの含有量を0.5質量%以下とするプラスチック光ファイバ用被覆材の製造方法。
  4. コアと、該コアの外周に形成された少なくとも1層以上のクラッドを有するプラスチック光ファイバの外周に、少なくとも1層以上の被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、前記被覆層のうち少なくとも1層が、環状ラクタム化合物の含有量が0.5質量%以下のポリアミド系樹脂からなることを特徴とするプラスチック光ファイバケーブル。



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