JP2006131583A - 抗菌性付与剤 - Google Patents

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光雄 加瀬
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Abstract

【課題】 紫外光の乏しい屋内において、通常照明用に用いられる昼白色蛍光灯の光で高い抗菌活性を示す抗菌性付与剤を提供する。
【解決手段】 二酸化チタンと酸性物質および/またはその塩とから生成する二酸化チタン複合体を含有する抗菌性付与剤。二酸化チタン複合体は、二酸化チタンに酸性物質および/またはその塩を含浸、吸着もしくは混合させるか、あるいはチタン化合物の水溶液と酸性物質および/またはその塩の水溶液を共沈殿させることにより得られる。酸性物質および/またはその塩は、硫酸、タングステン酸、硫酸アンモニウム、硫酸チタン、タングステン酸アンモニウムまたはタングステン酸チタンから選ばれる。
【効果】室内照明用等に使用する昼白色蛍光灯程度の光でも、優れた抗菌性を示し、食品類や食器の除菌、医療施設や医療用品の殺菌、一般室内の除菌を行なうことができる。
【選択図】なし

Description

本発明は高い抗菌活性を有する二酸化チタン系の抗菌性付与剤に関する。更に詳しくは、本発明は紫外光の乏しい光源、例えば昼白色蛍光灯、更に言及するならば500ないし1000ルックス程度の昼白色蛍光灯の照射においてさえ優れた抗菌活性を示す二酸化チタン複合体を必須の成分として含有する抗菌性付与剤に関するものであり、食品、環境、健康、および医療などの諸分野に適用し、細菌類などの繁殖の抑制や腐敗の防止のために極めて有用なものである。
近年、環境と健康に対する意識が向上し、衣食住の各分野においても抗菌、防カビなどへの関心が高まっている。
食品の分野では、国内外の生鮮食料品、加工食品がスーパーマーケットの陳列コーナーに並び、それらの賞味期限の設定と各家庭での週末買い貯蔵のため食品類の安全が強く求められている。年々、食品の衛生管理技術は向上してきてはいるものの、O−157などによる新たな食中毒も発生している。また、近年の衛生意識の高まりにより、家庭内やその他さまざまな生活環境において、食品や食器類だけでなく家具類や衣類などにも抗菌性を付与させたものが好んで使用されるようになっている。
年々急速に進むグローバル化の流れは、新たに冬季における重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行の危険をも生じている。医療現場においては、従来より有効な防御手段を欠くMRSAによる院内感染なども依然として認められるところから、これらの病原菌に有効な抗菌性付与剤の必要性が強く求められている。
ところで、二酸化チタンは光触媒作用を有し太陽光を照射すると、殆どあらゆる有機化合物を酸化分解できることが古くから知られている、近年二酸化チタンのこのよう性質を利用した消臭、抗菌、防黴の用途への応用が検討されている。しかし、上記二酸化チタンの作用は紫外線に富む太陽光や水銀灯などを照射した場合に発揮される現象であり、従来は紫外線の乏しい屋内や、昼白色蛍光灯の光を使用する場合には十分な抗菌、防カビの効果を得ることは困難であった。
二酸化チタンの光触媒作用を紫外光の乏しい屋内、例えば昼白色蛍光灯のもとで利用するためには、二酸化チタンの光触媒作用をより高めることが必要である。そうした二酸化チタン光触媒の高活性化に関しては既に数多くの提案がなされている。その有力なひとつの手段として二酸化チタンの結晶系、結晶化度あるいは二酸化チタンを多孔質化して比表面積を高める方法が提案されている。具体的には、二酸化チタンにあって光触媒作用の優れるアナターゼ型二酸化チタンを化学蒸着法で基板上に被膜を生成させ、500〜900℃で焼成し、アナターゼ型の結晶化度を高めて光触媒作用を向上する方法(特許文献1参照)、チタンアルコキシドを多孔質セラミックに塗工、焼成し微細多孔質膜を形成して光活性を高める方法(特許文献2参照)、二酸化チタンの結晶構造を円錐型又は柱状構造とする方法(特許文献3、4参照)、あるいは柱状構造を中空化し接触面積を高めて光活性化する方法(特許文献5参照)、さらにはスパッタ法により基体上に二酸化チタンの被膜を形成、積層して触媒能を高める方法(特許文献6参照)などの一連の光触媒活性化に関する提案がなされている。しかし、これらの特許における光触媒活性の評価はアセトアルデヒドなどの化学物質を対象に、太陽光に類似した紫外線に富むキセノンランプ、殺菌灯あるいはブラックライトなどを用いてなされ、紫外線の乏しい屋内、あるいは昼白色蛍光灯程度の光源に有効な光触媒の活性化を意図するものではなく、その活性化効果も不十分であった。
二酸化チタンにおける光触媒作用の活性化を図る別の手段として、二酸化チタンとともに貴金属を併用する一連の提案がなされている。具体的には二酸化チタンの柱状結晶の表面に白金、パラジウム、金などを担持して光触媒活性を高める方法(特許文献7参照)、ルチル型酸化チタンに白金などを微粒子の形で担持して活性化をはかる方法(特許文献8参照)、酸化チタンにイットリウムを含有させ活性を高める方法(特許文献9参照)などが提案されている。また、特殊な方法としては、チタン酸バリウムにイリジウムなどの貴金属を担持させて高活性な光触媒を得る方法(特許文献10参照)などが提案されている。これらの提案も、多くの場合アセトアルデヒドなどの化合物の分解性を評価し、あるいは光源として紫外線に富む水銀ランプなどが用いられあるいは太陽光をそのまま光源に用いて検討したものであり、太陽光の乏しい屋内での利用を可能にしたものではない。
なお、前記特許文献8に記載されたルチル型二酸化チタンに白金触媒を担持した際には、ルチル型二酸化チタンでは407nm(バンドギャップ3.05eV)の波長までの光で励起し、アナターゼ型二酸化チタンの388nm(バンドギャップ3.20eV)よりも光励起する波長が可視光側(長波長)にあり白金粒子の活性化効果が加わり、昼白色蛍光灯においても活性を示しアセトアルデヒドを分解することを該明細書で述べている。しかし、白金などの貴金属は酸化チタンに比較して著しく高価でありコストの面において実用上の制約を免れ得ない。
以上のように従来の二酸化チタンの光触媒作用を活性化する方法では、その殆どが太陽光、ブラックライトなど紫外線に富む光源を対象にしたものであり、その光活性化の効果も数倍程度に留まるものであり、屋内や昼白色蛍光灯の光の下で使用するためにはその光活性効果は不十分であった。
特開2000−266902号公報(第1〜5頁) 特開2001−259435号公報(第1〜5頁) 特開2002−253974号公報(第1〜7頁) 特開2002−370034号公報(第1〜7頁) 特開2003−190810号公報(第1〜7頁) 特開平11−47609号公報(第1〜7頁) 特開2003−299965号公報(第1〜11頁) 特開2000−262906号公報(第1〜10頁) 特開平11−244706号公報(第1〜4頁) 特開平9−253486号公報(第1〜7頁) K. Tanabe, M. Misono, Y. Ono, H. Hattori, New solid acids and bases,1-25, 47-60, Elsevier (1989). 田部浩三、野依良治著、超強酸・超塩基、1-22、講談社サイエンティフィク(1980). K.Dalai, R. Sethuraman, S. P. R. Katikaneni, R. O. Idem, Ind.. Eng. Chem. Res. 37,3869-3878(1998). 日野誠、荒田一志,表面,34-2、51-61(1996) 橋本和仁、藤島昭監修、光触媒のすべて、219-221、工業調査会(2003) 清山哲郎著、「金属酸化物とその触媒作用」講談社サイエンティフィク(1980) 尾崎萃ほか編「触媒調製化学」49頁、講談社サイエンティフィク(1980) 触媒学会主催「第9回キャタリシススクールテキスト」P52、触媒学会(1998)
本発明は、紫外線に富む太陽光の下では勿論のこと、紫外光の乏しい屋内において、高い抗菌活性を示す二酸化チタン複合体を用いてなる抗菌性付与剤を提供することを目的とするものである。さらに言及するならば屋内で通常照明用に用いられる昼白色蛍光灯の光のもとで有効な抗菌活性を示す抗菌性付与剤の提供を目的とするものである。
本発明者らは、上記の状況に鑑み、紫外光の乏しい屋内で、優れた抗菌活性を有する抗菌性付与剤について鋭意研究を進めた結果、昼白色蛍光灯の照射で高い活性を示す二酸化チタン複合体を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)二酸化チタンと酸性物質および/またはその塩とから生成する二酸化チタン複合体を用いることを特徴とする抗菌性付与剤。
(2)二酸化チタン複合体が、照度2000ルクス以下の紫外光の乏しい昼白色蛍光灯の照射により活性の高い抗菌性を示すものである、前記(1)に記載の抗菌性付与剤。
(3)二酸化チタン複合体が、二酸化チタンに酸性物質および/またはその塩を含浸、吸着もしくは混合させるか、あるいはチタン化合物の水溶液と酸性物質および/またはその塩の水溶液を共沈殿させることにより得られたものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の抗菌性付与剤。
(4) 酸性物質が、次の一般式(I)
XO ・・・・・・ (I)
[式中、Xは硫黄原子またはタングステン原子を示す。]
で表わされる物質であることを特徴とする、前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の抗菌性付与剤。
(5)二酸化チタンが、アナターゼ型若しくはルチル型結晶構造、またはアナターゼ型とルチル型の混合の結晶構造を有するものであることを特徴とする、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載の抗菌性付与剤。
(6)酸性物質が、硫酸、タングステン酸、またはこれらの無水物からなる群から選ばれる1種または2種以上の物質であることを特徴とする前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の抗菌性付与剤。
(7)酸性物質の塩が、硫酸アンモニウム、硫酸チタン、タングステン酸アンモニウムまたはタングステン酸チタンからなる群から選ばれる1種または2種以上の物質であることを特徴とする前記(1)ないし(6)のいずれかに記載の抗菌性付与剤。
本発明の抗菌性付与剤は、室内照明用等に使用する昼白色蛍光灯程度の光においても、優れた抗菌活性を有する。従って、本発明の抗菌性付与剤を用いれば、特別に紫外線を含む太陽光線や紫外線ランプの光を照射する必要がなく、食品類や食器の除菌、医療施設や医療用品の殺菌、一般室内の除菌を行なうことができ、白色蛍光ランプ等の室内照明用の光の照射によっても大腸菌などの細菌や、カビなどのない状態を得ることが出来るものである。
なお、補足するならば、本発明に使用する二酸化チタン複合体は紫外線の乏しい光源においても高い抗菌性を示すが、紫外線の多い太陽光や水銀ランプの光では一層高活性化するため、二酸化チタン複合体を使用する本発明の抗菌性付与剤は紫外線の多い太陽光や水銀ランプの光の下で一層強い抗菌性を示す。
本発明の抗菌性付与剤を構成する必須成分である二酸化チタン複合体は、二酸化チタンと酸性物質および/またはその塩とから生成させたものである。具体的には、二酸化チタンと酸性物質および/またはその塩とを含浸、吸着、共沈殿または混合処理し、次いで必要に応じて乾燥、焼成して得られる、酸性物質および/またはその塩の成分元素が二酸化チタンの粒子の表面または内部に一体的に複合した二酸化チタン複合体である。
このような本発明の抗菌性付与剤に用いる二酸化チタン複合体は、その構造やメカニズムは必ずしも明確ではないが、二酸化チタンの粒子の表面または内部に酸性物質および/またはその塩に起因する例えば硫酸根やタングステン酸根、アンモニア基、あるいは酸化チタン、硫酸チタン、酸化タングステン、硫酸タングステン等が組み込まれた複合体と生成し、未だ理由は明らかではないが、昼白色蛍光灯の光によって二酸化チタンから電子が離れやすくなり、同時に正孔が発生して光触媒効果がより強く発現し、その結果、昼白色蛍光灯などの室内照明光のような弱い光エネルギーでも十分に活性化され、優れた抗菌活性を発揮するものと考えられる。
本発明に使用する酸性物質の一つとして挙げられる硫酸は、酸化チタンとの親和性に富み固体酸を形成することが知られ(非特許文献1、2参照)、金属酸化物を触媒に用いる脂肪族炭化水素の高温気相接触異性化反応などにおいて硫酸は酸化チタンとの固体酸を生成して触媒活性を高めることが指摘されている(非特許文献3参照)。本発明者らはこうした現象に着目し、酸化チタン・硫酸の複合体の特性を詳しく調べる過程において、室温で炭素・炭素二重結合を持つエチレンが極めて容易に光触媒による分解反応を生じる現象を見出し、該複合体が高活性な光触媒になり得ることを見出したものである。また、固体酸に関する周辺の調査から、タングステン酸も同様な効果を有し(非特許文献4)、驚くべきことに酸化チタンと硫酸チタンの組み合わせた複合体においても高活性光触媒を形成し、硫酸アンモニウムとの組み合わせにおいても高活性な光触媒を形成することを見出した。本発明はこのような高い光触媒活性を有する二酸化チタン複合体を利用することによって優れた抗菌性付与剤となしたものである。
本発明において用いる原料の二酸化チタン(TiO)は、アナターゼ型、ルチル型若しくはブルッカイト型の結晶系のもの、又はアモルファスのもののいずれも使用し得るが、アナターゼ型、ルチル型若しくはこれらの混合の結晶構造のものが好ましく、アナターゼ型の二酸化チタンが特に好適である。それらの粒径は、1nm(10−9m)から1μm(10−6m)程度のものまでを使用でき、より好ましくは3nm(3×10−9m)から0.1μm(10−5m)のものが使用できるが、一般には粒径の小さいものが好ましい。また、望ましくは、直径1mm程度の大きさの粒状に造粒した二酸化チタンを使用してもよい。比表面積は5m/gから400m/g程度、好ましくは50m/gから390m/gのものを使用することができるが、比較的に大きな値を有するものが好適である。本発明に用いる二酸化チタンは、製品として市販されているものを原料としてそのまま使用することができるものである。しかし、特に望むならば硫酸チタン、四塩化チタン、硝酸チタンなど無機酸のチタン塩あるいはチタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシドあるいはチタンテトラ(2−エチルヘキサノエート)などのチタン化合物を加水分解あるいは苛性ソーダなどの塩基性物質で中和、沈殿、焼成などの方法により調製することもできるものである。上記のもののうちアナターゼ型二酸化チタンは光触媒として販売されている。
市販のアナターゼ型二酸化チタンの代表的な製品としては、テイカ株式会社製のAMT−100、AMT−600、JA−1、堺化学工業株式会社製のSSP−25、A−110、CSPM、CSB、石原産業株式会社製のST01、ST−41などが知られ、これらの二酸化チタンを使用して、二酸化チタン複合体を調製することができる。また、市販のルチル型二酸化チタン製品であるテイカ株式会社製のMT−150A、MT−500B、MT−600B、JR、石原産業株式会社製のCR−EL、アナターゼとルチルの混合結晶型製品である昭和タイタニウム製F6を使用してもよい。
本発明において用いる酸性物質としては、好ましくは前記一般式(I)で表わされる無機酸であり、特に好ましくは硫酸、タングステン酸、またはこれらの無水物である。また、酸性物質の塩としては、このような酸性物質のアンモニウム塩またはチタン塩であり、好ましくは、硫酸チタン、硫酸アンモニウム、タングステン酸アンモニウム、またはタングステン酸チタンである。これらの物質以外の酸性物質またはその塩では、必ずしも十分満足すべき抗菌活性の向上が見られない。例えば、酸性物質として塩酸や硝酸、モリブデン酸を使用した場合には、焼成の際に分解したり、蒸散したりして、安定でかつ効果のある二酸化チタンとの複合体を得ることができない。
また、これらの酸性物質のうちでも、硫酸とそのアンモニウム塩、チタン塩が好ましく、硫酸アンモニウムが特に著しく優れた抗菌活性を発揮する。しかし、同じ硫酸塩であっても硫酸ナトリウム、硫酸リチウムなどの硫酸塩ではそれほど良好な抗菌活性を示さない。
太陽光を照射し、その紫外線により活性化される二酸化チタン光触媒の抗菌効果の作用機構は、菌の種類により異なると言われる。即ち、グラム陰性菌である大腸菌などの外膜を持つ菌の場合は、第一段階として細胞壁成分である外膜の部分分解、第二段階として細胞質膜の構造変化・機能破壊による二段階の機構からなり、グラム陽性菌や酵母などの場合は、細胞質膜の構造変化・機能破壊による一段階のみの機構からなる(非特許文献5参照)。二酸化チタンの抗菌効果は菌の種類や酵母などで作用機構に違いはあるものの、最終的には二酸化炭素と水にまで分解が進み、抗菌作用を表すことが一般に言われている。二酸化チタン複合体からなる本発明の抗菌性付与剤が、抗菌試験の結果、500〜1000ルクス程度の昼白色蛍光灯の短時間照射のみで大腸菌が検出されないほどに優れた抗菌性を示す結果を得たところから、細菌のみに留まらず、酵母、カビやウィルスなどに対しても同様の効果を示すものと考えている。
本発明の抗菌性付与剤は、二酸化チタンに酸性物質および/またはその酸性物質の塩を含浸・乾燥・焼成の工程を経て得て得られる二酸化チタン複合体を必須の成分としてなり、該抗菌性付与剤は、紫外線に富む太陽光などは無論のこと、紫外線の乏しい光源、例えば、通常の照明等に使用する昼白色蛍光灯の光の照射、更に言及するならばの500〜1000ルクス程度の昼白色蛍光灯を室温下での照射により高い抗菌性を示す。
光源としては市販の昼白色蛍光灯を用いることが出来るが、本発明の二酸化チタン複合体からなる抗菌性付与剤は、きわめて光触媒活性が高いので、その照度は、特別に高いものを用いる必要はなく、2000ルクス以下、さらには1000ルクス以下の照度で十分な抗菌性能を発揮する。なお、長時間の照射を行なう場合には低い照度、例えば、250ルクスあるいはそれ以下でも実用に供することができる。また、望むならば発光ダイオードなどの光源を用いても良い。
しかし、特に望むなら紫外線に富む太陽光の使用を妨げるものではない。その場合には高い抗菌性が得られる半面、周辺の基材の損傷への配慮と選択に留意を要する。
本発明の抗菌性付与剤は、単独で用いることもできるが、有機材料の基材、例えばポリエチレンなどのプラスチックに担持して用いる場合などでは予め該抗菌性付与剤の表面にシリカ材料をコーティングあるいはシランカップリング剤などでカプセル化するなどの方法により基材の劣化を防止するに有効な方法をとることもできる。また、本発明の抗菌性付与剤をプラスチックに担持したフィルム状や繊維状に加工して用いても良い。また、タイルやコンクリートまたは石材等の無機系材料に塗布、あるいは薄膜状にコーティングしても良いし、部分的に付着させた形状で使用しても良い。さらには、紙や不織布、さらにはフィルター状の形状にして用いも良い。
次に、本発明の抗菌性付与剤に使用する二酸化チタン複合体の製造方法について説明する。
本発明に使用する二酸化チタン複合体の調製は、通常は含浸法を用いるが、場合によっては共沈法を用いてもよい(非特許文献6ないし8参照)。含浸法では一般的に二酸化チタンに酸性物質および/またはその塩を含浸させ、20から200℃程度の温度で乾燥、300から700℃の温度で焼成した後粉砕して調製される。具体的に、酸性物質が硫酸の場合には、二酸化チタンに硫酸を含浸または吸着させて調製する。即ち、市販の二酸化チタンに0.1から20質量%程度の濃度の硫酸水溶液を希釈して加え、よく混合して均一化をはかり硫酸を二酸化チタンに含浸または吸着させ、20から200℃程度の温度で乾燥、焼成した後、粉砕して二酸化チタン複合体を調製すればよい。また、二酸化チタン複合体の別の調製法として二酸化チタンと鉄の酸化物を主成分とするイルメナイト鉱に硫酸を加え硫酸チタンを生成させ均一液を加水分解により水酸化チタンに変え、溶解度の差を利用して硫酸鉄を除いて精製する。その過程において、二酸化チタンは硫酸根に対して親和力の強いことが知られているため、二酸化チタンを得る際に硫酸根を残した形のものをそのまま二酸化チタン複合体として使用してもよい。二酸化チタンに含ませる硫酸根の量は、二酸化チタンに対して通常は1から20モル%程度であり、好ましくは2から15モル%程度である。1モル%以下では、活性の増大が小さく、20モル%以上では光触媒活性が減少する傾向を生じる場合もみられるため、また、用途によっては、硫酸根の溶出等の不具合を生じることも危惧されるため好ましくない。しかし、特に望むなら20モル%以上の量を用いることを妨げるものではない。なお、上記市販の二酸化チタンの中にあって、堺化学工業株式会社製のCSPMは硫酸根を含むため、含浸工程を省略してそのまま使用することも可能である。
また、二酸化チタン複合体を共沈法により調製する方法として、市販の硫酸チタンを水酸化ナトリウムやアンモニア水で中和して二酸化チタンを沈殿させ、沈殿物中に硫酸根を残したままの状態でろ過、加熱乾燥、焼成粉砕して使用することも可能である。さらに上記の酸性物質としての硫酸を含む二酸化チタンにあっては、その後、洗浄、加熱乾燥、焼成、粉砕等の諸工程で熱分解などにより化学構造変化を生じたものも含む。
酸性物質がタングステン酸の場合には、タングステン酸を、溶液の形で二酸化チタンに含浸又は吸着する方法、無機酸のチタン塩等のチタン化合物の水溶液と前記タングステン酸の溶液を共沈殿する方法、さらに特に望むなら二酸化チタンと前記タングステン酸の微粉末を混合する方法などが可能である。含浸または吸着する場合は、二酸化チタン粉末とタングステン酸溶液をよく混合して均一化をはかりタングステン酸を二酸化チタンに含浸または吸着させ、その後20から200℃程度の温度で数時間乾燥、焼成した後、粉砕してタングステン酸を含む二酸化チタンを調製すればよい。二酸化チタンに含ませるタングステン酸の量は、二酸化チタンに対して通常は1から20モル%程度であるが、好ましくは2から15モル%程度である。1モル%以下では活性が小さく、20モル%以上では光触媒活性が減少する傾向を生じる場合もみられるため、通常は20モル%以下の量に抑えるのが好ましい。しかし、特に望むなら20モル%以上の量を用いることを妨げるものではない。タングステン酸としては、市販の黄色型(WO・HO=HWO)があるが水に殆ど不溶(溶解度=約3.75mg/l)でアンモニア水やフッ化水素酸には溶解する。また、メタタングステン酸 H〔H1240〕は水に可溶であるので、含浸、吸着や共沈殿が可能である。また、本発明に使用するタングステン酸を含む二酸化チタン複合体としては、上記のように含浸、吸着、共沈殿、あるいは混合により得られるものの他に、これらのタングステン化合物を含む二酸化チタン複合体を、さらにその後、洗浄、加熱乾燥、焼成、粉砕等の諸工程で熱分解などにより化学構造変化を生じたものも含む。
二酸化チタン複合体を酸性物質の塩を用いて調製する場合であって、酸性物質の塩が硫酸アンモニウムの場合には、硫酸アンモニウムを溶液の形で二酸化チタンに含浸又は吸着する方法、無機酸のチタン塩等の水溶液と前記硫酸アンモニウムの水溶液を共沈殿する方法、さらに特に望むなら二酸化チタンと前記硫酸アンモニウムを単に混合する方法などが使用可能である。含浸または吸着させる場合は、二酸化チタンと硫酸アンモニウム水溶液をよく混合して均一化をはかり硫酸アンモニウムを二酸化チタンに含浸または吸着させ、20から200℃程度の温度で乾燥、焼成した後、粉砕して硫酸アンモニウムを含む二酸化チタン複合体を調製すればよい。
共沈殿による場合には、市販の硫酸チタンの水溶液と硫酸アンモニウムの水溶液を混合し、水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水で中和して硫酸アンモニウムを含む二酸化チタンを共沈澱により生成させ、次いで、ろ過、洗浄して得た粉体を20から200℃程度の温度で乾燥、焼成した後、粉砕して硫酸アンモニウムを含む二酸化チタンを調製すればよい。
二酸化チタンに含ませる硫酸アンモニウムの量は、二酸化チタンに対して通常は1から20モル%程度であるが、好ましくは2から15モル%程度である。1モル%以下では、活性が小さく、20モル%以上では光触媒活性が減少する傾向を生じる場合もみられるため、通常は20モル%以下の量に抑えるのが好ましい。しかし、特に望むなら20モル%以上の量を用いることを妨げるものではない。また、本発明に使用する硫酸アンモニウムを含む二酸化チタンとしては、上記のように含浸、吸着、共沈殿、あるいは混合により得られるものの他に、これらの硫酸アンモニウムを含む二酸化チタンを、さらにその後、洗浄、加熱乾燥、焼成、粉砕等の諸工程で熱分解などにより化学構造変化を生じたものも含む。
酸性物質の塩が硫酸チタンの場合には、二酸化チタンに硫酸チタンを含浸または吸着させて調製する。即ち、市販の二酸化チタンに市販の硫酸チタン(IV)溶液を0.1から20質量%程度の水溶液に希釈して加え、よく混合して均一化をはかり硫酸チタンを二酸化チタンに含浸または吸着させ、20から200℃程度の温度で数時間乾燥し、焼成した後、粉砕して硫酸チタンを含む二酸化チタン複合体を調製すればよい。二酸化チタンに含浸する硫酸チタンの量は、二酸化チタンに対して通常は1から20モル%程度であるが、好ましくは2から15モル%程度である。1モル%以下では、活性が小さく、20モル%以上では光触媒活性が減少する傾向を生じる場合もみられるため、通常は20モル%以下の量に抑えるのが好ましい。しかし、特に望むなら20モル%以上の量の使用を妨げるものではない。さらにその後、洗浄、加熱乾燥、焼成、粉砕等の諸工程で熱分解などにより化学構造変化を生じたものも含む。
酸性物質がタングステン酸アンモニウムの場合には、三酸化タングステンを含む化合物であって水やアンモニア水に溶解する化合物を、溶液の形で二酸化チタンに含浸又は吸着する方法、無機酸のチタン塩等の水溶液と前記タングステン酸または三酸化タングステンを含む化合物の水溶液を共沈殿する方法、さらに特に望むなら二酸化チタンと前記タングステン酸または三酸化タングステンを含む化合物の微粉末を混合する方法などが使用可能である。三酸化タングステンを含む化合物であって水やアンモニア水に溶解する化合物としては、タングステン酸アンモニウムパラ五水和物、メタタングステン酸アンモニウムなどがある。含浸又は吸着させる場合は、タングステン酸または、三酸化タングステンを含む化合物であって水やアンモニア水に溶解する化合物をアンモニア水溶液とし二酸化チタンとよく混合して均一化をはかりタングステン酸アンモニウムを含む化合物を二酸化チタンに含浸または吸着させ、20から100℃程度の温度で乾燥し、焼成した後、粉砕してタングステン酸アンモニウムを含む二酸化チタンを調製すればよい。
二酸化チタンに含ませるタングステン酸アンモニウムの量は、二酸化チタンに対して通常は1から20モル%程度であるが、好ましくは2から15モル%程度である。1モル%以下では、活性が小さく、20モル%以上では光触媒活性が減少する傾向を生じる場合もみられるため、通常は20モル%以下の量に抑えるのが好ましい。しかし、特に望むなら20モル%以上の使用を妨げるものではない。また、本発明に使用するタングステン成分を含む二酸化チタンとしては、上記のように含浸、吸着、共沈殿、あるいは混合により得られるものの他に、これらのタングステン成分を含む二酸化チタンを、さらにその後、洗浄、加熱乾燥、焼成、粉砕等の諸工程で熱分解などにより化学構造変化を生じたものも含む。
酸性物質がタングステン酸チタンの場合には、硫酸チタンの水溶液と三酸化タングステンを含み水やアンモニア水に溶解する化合物の溶液から共沈殿により調製する。即ち、市販の硫酸チタンの水溶液と三酸化タングステンを含み水やアンモニア水に溶解する化合物の溶液を混合し、水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水で中和して、タングステン酸チタンを含む二酸化チタン複合体を共沈殿により生成させ、次いで、ろ過、洗浄して得た粉体を20から200℃程度の温度で乾燥、焼成した後、粉砕して二酸化チタン複合体を調製すればよい。または、メタチタン酸[TiO(OH)]にタングステン酸類の水溶液を均一に混合し、蒸発乾個させた後焼成し、メタチタン酸から生じた二酸化チタン(アナターゼ)にメタチタン酸とタングステン酸類の反応で生じたタングステン酸チタンを含浸担持させてもよい。タングステン酸類としては、タングステン酸[HWO]、パラタングステン酸アンモニウムパラ五水和物[(NH)101241・5HO]、メタタングステン酸アンモニウム[(NH(H1240)]等が使用できる。さらに、市販の二酸化チタンとメタチタン酸とタングステン酸類の溶液を均一混合し、乾燥、焼成することにより市販の二酸化チタンにメタチタン酸とタングステン酸類の反応で生じたタングステン酸チタンを含浸させ、その後粉砕してもよい。
二酸化チタンに含ませるタングステン酸チタンの量は、二酸化チタンに対して通常は1から20モル%程度であるが、好ましくは2から15モル%程度である。1モル%以下では、活性が小さく、20モル%以上では光触媒活性が減少する傾向を生じる場合もみられるため、通常は20モル%以下の量に抑えるのが好ましい。しかし、特に望むなら20モル%以上の量を用いることを妨げるものではない。さらにその後、洗浄、加熱乾燥、焼成、粉砕等の諸工程で熱分解などにより化学構造変化を生じたものも含む。
含浸又は吸着による上記のタングステン酸、硫酸アンモニウム、および、タングステン酸アンモニウムを含む二酸化チタン複合体の調製は、種々の文献などに記載されている方法を参考にして行うことができる。通常の方法は、前記のタングステン酸、硫酸アンモニウム、および、タングステン酸アンモニウムの溶液を二酸化チタンに含浸又は吸着せしめ、この含浸又は吸着したものを加熱乾燥、焼成、粉砕などの工程の一部、あるいは全ての工程を経て調製される。(例えば、非特許文献4および5参照)。なお、上記のタングステン酸、硫酸アンモニウム、および、タングステン酸アンモニウムを含浸又は吸着した二酸化チタンは、タングステン酸、硫酸アンモニウムの場合、通常は20から200℃の温度で、タングステン酸アンモニウムの場合は水に可溶性のものでは20から200℃の温度で、タングステン酸アンモニウムパラ五水和物のように熱水でも溶解度が小さいものは、やや多量の熱水を用いて均一に混合、乾燥する。得られた塊状物は粉砕した後、300から700℃程度まで好ましくは300から600℃の温度で3から6時間程度に保持して焼成するが、二酸化チタンの結晶構造の変化を生じさせないように配慮して行う。
共沈殿による二酸化チタン複合体の調製も、同様に文献記載の方法を参考にして行うことができる(例えば、非特許文献4あるいは5参照)。一般的な方法としては、前記のタングステン酸、硫酸アンモニウム、およびタングステン酸アンモニウムの溶液と、チタン化合物の溶液を予め調製し、攪拌下にこれらの二つを混合した溶液に苛性ソーダなどの塩基性化合物の水溶液を加えて上記の混合溶液中で共沈殿、あるいは加水分解により共沈殿を生成せしめ、この沈殿物を加熱乾燥、焼成、粉砕などの工程の一部、あるいは全ての工程を経て二酸化チタン複合体を調製することができる。加熱乾燥は、通常20から200℃程度の温度範囲で行い、通常300から700℃で焼成し、粉砕する。ここでチタン化合物としては、四塩化チタンあるいは硫酸チタンなどの無機酸のチタン塩、あるいは上記のチタンアルコキシドなどが挙げられる。また、共沈殿のより簡便で実用的な方法として、二酸化チタンの微粒子を予め水中に分散し、そこに硫酸アンモニウム、および、タングステン酸アンモニウムの水溶液を加え、攪拌下に苛性ソーダなどの強塩基を滴下することによっても均一で比表面積の高い二酸化チタン複合体を得ることができる。
以上のような方法で得た二酸化チタン複合体を用いる本発明の抗菌性付与剤は、室内照明用の白色蛍光ランプ程度の光によっても、優れた抗菌性を示すため、食品、環境、健康、医療などさまざまな分野における抗菌、防カビ、さらにはウィルスなどに極めて有効である。この抗菌性付与剤はそのままで使用しても良いが、シリカ処理あるいはシランカップリング剤などで安定化処理を施しプラスチックフィルム、成型品、紙、シート、有機および/または無機繊維品、フィルターに担持しさまざまな形態、あるいはコーティング剤として加えて使用することができるものである。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「%」および「部」は特に別途注記しない限り質量基準である。
1.1 硫酸の含浸による二酸化チタン複合体(1-2)の調製
テイカ株式会社により提供されたアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT-100{(1-1)、比表面積 260m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、和光純薬工業株式会社製の47重量%硫酸水溶液2.1g(10mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水10mLの均一溶液を加えて、よく混合して硫酸を含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で400℃、3時間焼成し冷却した後、粉砕し硫酸根を含む二酸化チタン複合体(1-2)[MW:79.9、硫酸根は分子量の計算に含めない]の9.9g(収量:90.0%)を得た。この硫酸根を含む二酸化チタン複合体(1-2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。なお、X線回折装置(XRD)は、マックサイエンス社製、全自動回折装置、MXP3Aを用いた。以降の実施例、比較例において、X線回折の測定には全て同機を用いた。
1.2 二酸化チタン複合体(1-2)入りシャーレの調製と照射箱中の設置位置の決定
抗菌性の評価のための菌含有水としては、千葉県手賀沼で採取した水(以下、「原水」ということもある。)を用いた。上記1.1で得た二酸化チタン複合体(1-2)粉末の0.15gを内径92mmのガラス製シャーレに入れ、原水15.0gを加えて均一な懸濁液とした。
次に、20ワット昼白色蛍光灯(東芝ライテック株式会社製FL20SS・EX−N/18−Z)1本の中央部の半分をアルミホイルで巻いて遮蔽し、発光部を1/2にして照射箱上部に設置し、点灯して500ルクスになる位置を求めた。照度は、ミノルタ照度計T−10で確認した。
なお、以下の実施例、および比較例においては、光源として上記20ワット昼白色蛍光灯(東芝ライテック株式会社製FL20SS・EX−N/18−Z、発光部:1/2)を用いた。この昼白色蛍光灯の分光エネルギー分布を図1に示す。図1に示すようにこの昼白色蛍光灯は波長380nm以下の紫外領域の光エネルギーは殆ど含まれていない。
1.3 菌含有水(原水)の菌数の測定
被検水中の菌数の測定は、島久細菌検査機器株式会社の方法によって以下のように行った。この方法によれば、細菌を大腸菌と一般生菌に分けて検査し、両方の検査結果から、水中の細菌数を検査することができる。
原水の1mLを島久細菌検査機器株式会社の大腸菌培養皿に滴下し、培養皿に付属のシートを被せて35℃で24時間インキュベータ内で培養した。培養後の大腸菌のコロニー数を計数したところ64個/mLであった。また、島久細菌検査機器株式会社の一般生菌培養皿に1mLを滴下し、培養皿に付属のシートを被せて35℃で48時間インキュベータ内で培養した。培養後のコロニー数を計数したところ、一般生菌のコロニー数は、4460個/mLであった。コロニー数とは、培養後に培養皿に生存していた細菌数そのものである。なお、前記の一般生菌の場合のように、コロニー数が多いと予想される場合には(約3000個/mL以上)、菌含有液を滅菌水で10倍して10倍希釈液を作成し、その1mLを用いて培養後、コロニーの数を計数して、その計数値を10倍した数を菌数とすることもできる。
細菌の菌数の計測方法は、一般的に行われている方法と同じである。つまり、1個の菌が培養中に増殖して目視できるほどに拡大した細菌体(コロニー)の数を、約2.5倍の拡大鏡を用いて計測した。コロニーの1個が被検水中の菌数1個に対応するので、コロニー数は菌数と同一である。
1.4 二酸化チタン複合体(1−2)入りシャーレの蛍光灯照射
上記1.1で得た二酸化チタン複合体(1−2)の0.15gを内径92mmのガラス製シャーレに入れ、原水15.0gを加えて得た均一懸濁液を被検水とした。
この被検水を入れたシャーレを照射箱中の500ルクスの位置に置き、昼白色蛍光灯を500ルクスの照度で24時間照射した。
1.5 蛍光灯照射後の菌数測定
抗菌性の試験は、島久細菌検査機器株式会社製検査キットを用いて、大腸菌と一般生菌について評価した。すなわち、大腸菌の場合は、上記1.4で得た蛍光灯を照射後の被検水の上澄み液1mLを島久細菌検査機器株式会社の大腸菌培養皿に滴下し、培養皿に付属のシートを被せて35℃で24時間インキュベータ内で培養した。培養後のコロニー数を計数したところ0個/mLであった。また、一般生菌の場合は、島久細菌検査機器株式会社の一般生菌培養皿に、同様に蛍光灯を照射後の被検水1mLを滴下し、培養皿に付属のシートを被せて35℃で48時間インキュベータ内で培養した。培養後のコロニー数を計数したところ一般生菌の場合にも0個/mLであった。これらの結果を表1に示す
比較例1:市販の二酸化チタン光触媒の抗菌性試験
実施例1で使用したものと同一のテイカ株式会社製二酸化チタン光触媒AMT−100{(1-1)、比表面積260m/g}の0.15gを内径92mmのガラス製シャーレに入れ、原水15.0gを加えて得た均一懸濁液を被検水とした。この懸濁液の被検水入りシャーレを照射箱の500ルクスの位置に置き、昼白色蛍光灯を500ルクスの照度で24時間照射した。照射終了後、シャーレ中の被検水の上澄み液1mLを島久細菌検査機器株式会社の大腸菌培養皿に滴下し、培養皿に付属のシートを被せて35℃で24時間インキュベータ内で培養した。培養後のコロニー数を計数したところ10個/mLであった。また、一般生菌の場合は、島久細菌検査機器株式会社の一般生菌培養皿に同様に照射後の被検水1mLを滴下し、培養皿に付属のシートを被せて35℃で48時間インキュベータ内で培養した。培養後のコロニー数を計数したところ、一般生菌のコロニー数は667個/mLであった。これらの結果を表1に示す。
2.1 硫酸アンモニウムの含浸による二酸化チタン複合体(2−2)の調製
テイカ株式会社により提供されたアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100{(1-1)、比表面積 260 m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、和光純薬工業株式会社製の硫酸アンモニウム1.32g(10mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水10mLの均一溶液を加えて、よく混合して硫酸アンモニウムを含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で400℃、3時間焼成し冷却した後、粉砕し硫酸アンモニウムを含む二酸化チタン複合体{TiO2・((NH4)2SO4)0.08}(2−2)[MW:79.9、硫酸アンモニウムは分子量の計算に含めない]の9.5g(収量:83.9%)を得た。この二酸化チタン複合体(2−2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。
2.2 硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(2−2)の抗菌性試験
実施例1と同様に、硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体を含む被検水を用いて、昼白色蛍光灯を500ルクスで24時間照射した場合の大腸菌と一般生菌について抗菌性試験を行った。その結果は、表1に示すように、大腸菌、一般生菌のいずれの場合にも48時間培養後の細菌のコロニー数はともに0個/mLであった。
3.1 硫酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体 (3−2)の調製
テイカ株式会社により提供されたアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100{(1-1)、比表面積 260m2/g}の5.0g(62.6mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、和光純薬株式会社製の30%硫酸チタン(IV)溶液[Ti(SO4)2、MW:239.99]の4.0g(5.0mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水5mLの均一溶液を加えて、よく混合して硫酸チタンを含浸させた後、約80℃で2時間乾燥した。次いで、マッフル炉で400℃、3時間焼成し冷却した後、粉砕し硫酸チタンを含む二酸化チタン複合体{TiO2(Ti(SO4)2)0.08}(3-2)[MW:79.9、硫酸チタンは分子量の計算に含めない]の4.9g(収量:79.0%)を得た。この二酸化チタン複合体(3-2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。
3.2 硫酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体(3-2)の抗菌性試験
実施例1と同様に、硫酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体(3-2)を含む被検水を用いて、蛍光灯を24時間照射した場合の大腸菌と一般生菌について抗菌性試験を行った。その結果は、表1に示すように、大腸菌、一般生菌のいずれの場合にも48時間培養後の細菌のコロニー数はともに0個/mLであった。
Figure 2006131583
実施例1〜3と比較例1の比較
実施例1〜3と比較例1の抗菌試験の結果をまとめて表1に示す。この表からわかるように、実施例1〜3のように種々の二酸化チタン複合体を使用した本発明の抗菌性付与剤を添加した場合には、昼白色蛍光灯を用いて500ルクスの24時間の照射によって、大腸菌および大腸菌以外の一般生菌のいずれの場合にもコロニー数がゼロとなり、48時間培養後であっても大腸菌および一般生菌のいずれの場合にも細菌が完全に死滅していることが確認できた。一方、市販の光触媒である未処理の二酸化チタンAMT−100を使用した場合には、蛍光灯の照射前より減少したとはいえ、48時間培養後に大腸菌も一般生菌も生存していた。この比較から、本発明の抗菌性付与剤が著しい抗菌作用を有していることがわかる。
4.1 タングステン酸を含浸した二酸化チタン複合体(4-2)の調製
堺化学工業株式会社により提供されたアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンCSB{(4-1)、比表面積 280 m2/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、和光純薬工業株式会社製タングステン酸2.50g(10mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と和光純薬工業株式会社製25%アンモニア水20mLの均一溶液を加えて、よく混合してタングステン酸を吸着させた後、約80℃で2時間乾燥した。マッフル炉で500℃、3時間焼成し冷却後、粉砕しタングステン酸を含む二酸化チタン複合体{TiO2・(H2WO4)0.08}(4-2)[MW:79.9、タングステン酸は分子量の計算に含めない]の9.9g(収量:79.2質量%)を得た。このタングステン酸を含む二酸化チタン複合体(4-2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。
4.2 タングステン酸を含浸した二酸化チタン複合体(4−2)の抗菌性試験
実施例1と同様に、タングステン酸を含浸した二酸化チタン複合体を含む被検水を用いて、蛍光灯を24時間照射した場合の大腸菌と一般生菌について抗菌性試験を行った。その結果は、表2に示すように、大腸菌、一般生菌のいずれの場合にも48時間培養後の細菌のコロニー数はともに0個/mLであった。
5.1 タングステン酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体 (5-2)の調製
堺化学工業株式会社により提供されたアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンCSB{(4-1)、比表面積 280 m/g}10g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、タングステン酸アンモニウムパラ五水和物(和光純薬工業株式会社製、(NH4)10W12O41・5H2O、MW:3132.52)の2.6g(WO3)として10mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と約80℃の熱水約200mLの均一溶液を加えて、よく混合してタングステン酸アンモニウムを含浸させた後、約80℃で約8時間乾燥した。マッフル炉で400℃、3時間焼成し冷却後、粉砕し二酸化チタン複合体{TiO2・((NH4)10W12O41)0.08}(5-2)[MW:79.9、タングステン酸アンモニウムは分子量の計算に含めない]の11.8g(収量:93.7%)を得た。この二酸化チタン複合体(5-2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。
5.2 タングステン酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(5-2)の抗菌性試験
実施例1と同様に、タングステン酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(5-2)を含む被検水を用いて、蛍光灯を24時間照射した場合の大腸菌と一般生菌について抗菌性試験を行った。その結果は表2に示すように、大腸菌、一般生菌のいずれの場合にも48時間培養後の細菌のコロニー数はともに0個/mLであった。
比較例2:市販の二酸化チタン光触媒の抗菌性試験
実施例4で使用したものと同一の堺化学工業株式会社製のアナターゼ型二酸化チタンCSB(4-1)(比表面積280m/g)を用いて、比較例1と同様の方法で大腸菌数と一般生菌数を測定した。その結果は、表2に示すように、大腸菌のコロニー数が5個/mLと一般生菌のコロニー数が775個/mLであった。
Figure 2006131583
実施例4,5と比較例2の比較
表2の結果からわかるように、実施例4および5のようにタングステン酸またはタングステン酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体を使用した本発明の抗菌性付与剤を添加した場合には、昼白色蛍光灯を用いて500ルクスの24時間の照射によって、大腸菌および大腸菌以外の一般生菌のいずれの場合にもコロニー数がゼロとなり、48時間培養後であっても大腸菌および一般生菌のいずれの場合にも細菌が完全に死滅していることが確認できた。一方、市販の光触媒である未処理の二酸化チタンCSBを使用した場合には、蛍光灯の照射前より減少したとはいえ、48時間培養後に大腸菌も一般生菌も生存していた。この比較から、本発明の抗菌性付与剤が著しい抗菌作用を有していることがわかる。
6.1 硫酸アンモニウムの含浸による二酸化チタン複合体(6-2)の調製
テイカ株式会社により提供されたアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンJA−1{(6-1)、比表面積9m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、和光純薬工業株式会社製の硫酸アンモニウム1.32g(10mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水10mLの均一溶液を加えて、よく混合して硫酸アンモニウムを含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で500℃、3時間焼成し冷却した後、粉砕し硫酸アンモニウムを含む二酸化チタン複合体(6-2)[MW:79.9、硫酸アンモニウムは分子量の計算に含めない]の10.7g(収量:94.5%)を得た。この二酸化チタン複合体(6-2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。
6.2 硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(6-2)の抗菌性試験
実施例1と同様に、硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体を含む被検水を用いて、白色蛍光灯を照度500ルクスで24時間照射した場合の大腸菌と一般生菌について抗菌性試験を行った。その結果は、表3に示すように、48時間培養後の細菌のコロニー数は、大腸菌の場合は0個/mL、一般生菌の場合は9個/mLであった。
比較例3:市販の二酸化チタン光触媒の抗菌性試験
実施例6で使用したものと同一のテイカ株式会社により提供されたアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンJA−1{(6-1)、比表面積9m/g}を用いて、比較例1と同様の方法で昼白色蛍光灯を照度500ルクスで24時間照射した場合の大腸菌数と一般生菌数を測定した。その結果は、表3に示すように、大腸菌のコロニー数が22個/mL、一般生菌コロニー数が3000個/mL以上(密集していて測定不能)であった。
7.1 硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(6-2)の照度1000ルクスでの抗菌性試験
実施例6で調製した硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(6-2)を用いて、昼白色蛍光灯の照度を500ルクスから1000ルクスに増大させた以外は実施例6と同様の方法で抗菌性試験を行なった。その結果は、表3に示すように、大腸菌、一般生菌のいずれの場合にも48時間培養後の細菌のコロニー数はともに0個/mLであった。
比較例4:市販の二酸化チタン光触媒の照度1000ルクスでの抗菌性試験
実施例6で使用したものと同一のテイカ株式会社により提供されたアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンJA−1{(6-1)、比表面積9m/g}を用いて、昼白色蛍光灯の照度を500から1000ルクスに増大した以外は比較例3と同様の方法で大腸菌数と一般生菌数を測定した。その結果は、表3に示すように、大腸菌のコロニー数が3個/mL、一般生菌のコロニー数が393個/mLであった。
Figure 2006131583
実施例6,7と比較例3,4の比較
実施例6では、昼白色蛍光灯を用いて500ルクスの24時間の照射によって、大腸菌は0個/mLになったが、大腸菌以外の一般生菌がごくわずかに残っていた。しかし、昼白色蛍光灯の1000ルクスの照射試験では大腸菌、一般生菌ともに完全にゼロとなった。一方、市販の光触媒を使用した場合には昼白色蛍光灯の500ルクス、1000ルクスとも、照射前より減少したとはいえ、大腸菌も一般生菌も生存していた。この比較から、本発明の抗菌性付与剤が優れた抗菌作用を有していることがわかる。
実施例6と比較例1の比較
表3に示すように、実施例6では、比表面積9m/gの二酸化チタンを用いて、昼白色蛍光灯の500ルクスでの24時間照射後の一般生菌数は9であり、一方、比較例1では、比表面積260m/gの二酸化チタン光触媒を用いて、同様な条件での昼白色蛍光灯の照射後の一般生菌数は、表1に示すように667であった。
ところで、手賀沼で採取した原液の照射前の一般生菌数を培養して調べた結果は、実施例1の1.3項に記載したように4460であった。実施例6では、昼白色蛍光灯の照射後の一般生菌の数は9であり、その数は0.2%にまで減少している(9/4460=0.002)。一方、比較例1では667であり、15%(667/4460=0.15)に減少した。従って、実施例6(二酸化チタンJA―1と硫酸アンモニウムの複合体)は比較例1(二酸化チタンAMT−100単独)に較べて、計算上、75倍(0.150/0.0020=75)高い抗菌性を有する。さらに、光触媒作用は、その表面(比表面積)で発現すると推定され、その比表面積の比率も加味すると、実施例6の二酸化チタン複合体は、比較例1の二酸化チタンAMT−100のみの場合に比較して、計算上、約2000倍(75×260/9=2167)高い抗菌性を有し、非常に高い抗菌性を有することが解る。
8.1 硫酸アンモニウムの含浸による二酸化チタン複合体(8-2)の調製
テイカ株式会社により提供されたルチル型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンJR{(8-1)、比表面積6m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、和光純薬工業株式会社製の硫酸アンモニウム1.32g(10mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水10mLの均一溶液を加えて、よく混合して硫酸アンモニウムを含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。マッフル炉で500℃、3時間焼成し冷却後、粉砕し、硫酸アンモニウムを含む二酸化チタン複合体(8-2)[MW:79.9、硫酸アンモニウムは分子量の計算に含めない]の10.3g(収量:91.0%)を得た。この二酸化チタン複合体(8-2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からルチル型の結晶構造を有することが確かめられた。
8.2 硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(8-2)の抗菌性試験
実施例1と同様に、硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体を含む被検水を用いて、昼白色蛍光灯を照度500ルクスで24時間照射した場合の大腸菌と一般生菌について抗菌性試験を行った。その結果は、表4に示すように、48時間培養後の細菌のコロニー数は、大腸菌の場合は0個/mL、一般生菌の場合は11個/mLであった。
比較例5:市販の二酸化チタン光触媒の抗菌性試験
実施例8で使用したものと同一のテイカ株式会社により提供されたルチル型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンJR{(8-1)、比表面積6m/g}を用いて、比較例1と同様の方法で昼白色蛍光灯を照度500ルクスで24時間照射した場合の大腸菌数と一般生菌数を測定した。その結果は、表4に示すように、大腸菌のコロニー数が46個/mL、一般生菌コロニー数が3000個/mL以上(密集していて測定不能)であった。
9.1 硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(9-2)の照度1000ルクスでの抗菌性試験
実施例8で調製した硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(8-2)を用いて、昼白色蛍光灯の照度を500ルクスから1000ルクスに増大させた以外は実施例8と同様の方法で抗菌性試験を行なった。その結果は、表4に示すように、大腸菌、一般生菌のいずれの場合にも48時間培養後の細菌のコロニー数はともに0個/mLであった。
比較例6:市販の二酸化チタン光触媒の照度1000ルクスでの抗菌性試験
実施例8で使用したものと同一のテイカ株式会社により提供されたアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンJR{(8-1)、比表面積6m/g}を用いて、昼白色蛍光灯の照度を500から1000ルクスに増大した以外は比較例5と同様の方法で大腸菌数と一般生菌数を測定した。その結果は、表4に示すように、大腸菌のコロニー数が5個/mL、一般生菌のコロニー数が515個/mLであった。
Figure 2006131583
10.1 タングステン酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体(10-2)の調製
キシダ化学株式会社製の水酸化チタン(IV)(メタ),β型[TiO(OH)](MW:97.9)12.2g(125mmol)と日本新金属株式会社製のメタタングステン酸アンモニウム50%溶液[(NH(H1240)](MW:2656.58)4.4g(WOとして10mmol、水酸化チタンに対し約8モル%)に温水を10g加えてよく混合した後、熱風乾燥機で約80℃3時間乾燥した。マッフル炉で500℃、3時間焼成し冷却後、粉砕しタングステン酸チタンを含む二酸化チタン複合体{TiO(Ti(WO0.08}(10-2)[MW:79.9、タングステン酸チタンは分子量の計算に含めない]の10.2g(収量:70.8%)を得た。この二酸化チタン複合体(10-2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。
10.2 タングステン酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体(10-2)の抗菌性試験
実施例1と同様に、タングステン酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体を含む被検水を用いて、昼白色蛍光灯を照度500ルクスで24時間照射した場合の大腸菌と一般生菌について抗菌性試験を行った。その結果は、表5に示すように、48時間培養後の細菌のコロニー数は、大腸菌の場合は1個/mL、一般生菌の場合は12個/mLであった。
比較例7:市販の二酸化チタン光触媒の抗菌性試験
実施例10で使用したものと同一のキシダ化学株式会社製の水酸化チタン(IV)(メタ),β型[TiO(OH)](MW:97.9)12.2g(125mmol)をマッフル炉で500℃、3時間焼成し冷却後、粉砕して二酸化チタン[MW:79.9]の9.6g(収量:78.8%)を得た。この二酸化チタンは、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。この二酸化チタンを用いて、実施例1と同様に、大腸菌数と一般生菌数を測定した。その結果は、表5に示すように、大腸菌が9個/mL、一般生菌が905個/mLであった。
11.1 タングステン酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体(10-2)の照度1000ルクスでの抗菌性試験
実施例10で調製したタングステン酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体{TiO・(Ti(WO0.08}(10-2)を用いて、昼白色蛍光灯の照度を500ルクスから1000ルクスに増大させた以外は実施例10と同様に大腸菌数と一般生菌数を測定した。その結果は、表5に示すように、大腸菌、一般生菌ともに0個/mlであった。
比較例8:市販の二酸化チタン光触媒の照度1000ルクスでの抗菌性試験
比較例7で調製した二酸化チタンを昼白色蛍光灯の照度を500ルクスから1000ルクスに増大させた以外は比較例7と同様の方法で抗菌性試験を行ない、大腸菌数と一般生菌数を測定した。その結果は、表5に示すように、大腸菌が3個/mL、一般生菌が73個/mLであった。
Figure 2006131583
12.1 硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体の調製
テイカ株式会社により提供された二酸化チタンAMT−100を用いて、実施例2と同一の方法によって硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(12-2)を調製した。この二酸化チタン複合体(12−2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。
12.2硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体の抗菌性試験
抗菌性試験に使用する菌を含有する試験水として新たに採取した千葉県手賀沼の水(原水)を使用した。まず、原水の菌数を、実施例1に記載された方法と同一の方法によって測定したところ、大腸菌のコロニー数が82個/mL、一般生菌のコロニー数が5510個/mLであった。
12.3 蛍光灯照射時の菌数の測定
上記の原水1gに対して、12.1で得た硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(12-2)を10mgの割合で添加し懸濁させたものを調製し、これを被検水とした。この被検水を入れたシャーレを、実施例1と同様の方法によって500ルクスの蛍光灯に照射し、照射開始後2、4、6、8及び24時間経過した時点でのサンプルを採取し、それぞれのサンプルの菌数を実施例1と同様の方法によって測定し、蛍光灯の照射時間による菌の生育状態の経時変化を観察し、各サンプルのコロニー数を大腸菌と一般性菌について計測した。その結果を表6に示す。
比較例9:市販の二酸化チタン複合体の抗菌性の経時変化
実施例12と同じテイカ株式会社により提供された二酸化チタンAMT−100をそのまま原水に懸濁したものを被懸水として用いて、実施例12と同様に500ルクスの蛍光灯に照射し、照射開始後2、4、6、8及び24時間経過した時点でのサンプルを採取し、それぞれのサンプルの菌数を実施例1と同様の方法によって測定した。その結果を表6に示す。
Figure 2006131583
実施例12と比較例9の比較
表6から明らかなように、二酸化チタン複合体を用いた本発明の実施例12の場合には蛍光灯の照射開始後2時間で、大腸菌がすでに0個となり、一般生菌は5510個/mLであったものが13個/mLと急激に減少し、照射6時間以降はほとんど存在していない。これに対して、単なる市販の二酸化チタンを用いた比較例9の場合は、長時間蛍光灯を照射しても大腸菌も一般生菌も十分に減少せず、十分な抗菌性を示さない。この抗菌性が不十分なためか、24時間経過後には再び菌の増加傾向が見られる。
13.1.硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体の抗菌性試験
この実施例では、実施例2にて得られた硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体{TiO2・((NH4)2SO4)0.08}(2-2)を用いて抗菌性試験を行なった。
13.2. 菌液の調製
試験菌株としてEscherichia coli IFO 3972(大腸菌)を用いた。この大腸菌を、栄研化学株式会社製の普通寒天培地(NA培地)で35℃18〜24時間前培養した試験菌株を、1/500NB培地に均一に分散させ、1mL当りの菌数が約10となるように調製し、菌液とした。なお、1/500NB培地は、栄研化学株式会社製、普通ブイヨンを精製水で500倍に希釈し、pHを7.0±0.2に調製したものである。
13.3. 二酸化チタン複合体(2-2)と培地入り試験管の調製
硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体(2-2)を、その濃度が1%となるように1/500NB培地を用いて調製した懸濁液を用いた。この懸濁液10mLに上記の菌液0.1mLを添加したものを試験液(13-3)とし滅菌した試験管に注入した。
13.4. 昼白色蛍光灯の照射と菌数の測定
試験液(13-3)を入れた試験管を、室温で照度500〜1000ルクスの昼白色蛍光灯(東芝ライテック株式会社製、FL20SS・W/18.20型18W、1本)の照射下で震とう保存した。保存24時間後に試験液中の生菌数を日本製薬株式会社製のSCDLP寒天培地を滅菌水に溶解した培地を用いた混釈平板培養法(35℃、2日間)により測定した。その測定結果は表7に記した通りであった。
尚、蛍光灯の照射、生菌数の測定は次のような方法によった。即ち、昼白色蛍光灯の中央部の約半分をアルミホイルで巻いて遮蔽し、発光部を約1/2にして、試験液を入れた試験管の上部に設置した。つまり、試験管中の試験液部分の照度が500〜1000ルクスになるように昼白色蛍光灯の発光部の遮蔽量を調節した。また、生菌数の測定については、照射前の試験液のように菌数が非常に多いことが予想される場合には、試験液を10倍ごとに希釈した複数の希釈試験液を作成し、それらを培養して、コロニー数が30〜300を示すものについて、コロニー数を計数し希釈倍率を乗じて大腸菌数とした。
また対照として、二酸化チタン複合体(2-2)を添加していない1/500NB培地を用いて同様に試験し、菌液添加直後の生菌数を測定した。その測定結果は、表6の照射前の欄に記載した通りであり、大腸菌のコロニー数が6.6×10個/mLであった。
14.1.硫酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体の抗菌性試験
この実施例では、実施例3にて得られた硫酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体{TiO2(Ti(SO4)2)0.08}(3-2)を用いて抗菌性試験を行なった。
14.2. 菌液の調製
実施例13で調製した菌液を用いた。
14.3. 二酸化チタン複合体(3-2)と培地入り試験管の調製
硫酸チタンを含浸した二酸化チタン複合体(3-2)を、その濃度が1%となるように1/500NB培地を用いて調製した懸濁液を用いた。この懸濁液10mLに上記の菌液0.1mLを添加したものを試験液(14-3)とし滅菌した試験管に注入した。
14.4.昼白色蛍光灯の照射と菌数の測定
試験液(14-3)を入れた試験管を、室温で照度500〜1000ルクスの昼白色蛍光灯(東芝ライテック株式会社製、FL20SS・W/18.20型18W、1本)の照射下で震とう保存した。保存24時間後に試験液中の生菌数を日本製薬株式会社製のSCDLP寒天培地を滅菌水に溶解した培地を用いた混釈平板培養法(35℃、2日間)により測定した。
測定結果は表7に記したとおりであった。
比較例10:市販の二酸化チタン光触媒の抗菌性試験
10.1. 菌液の調製
実施例13で調製した菌液を用いた。
10.2. 市販の二酸化チタン光触媒と培地入り試験管の調製
市販の二酸化チタン光触媒として、実施例1で使用したテイカ株式会社製AMT−100(1-1)、(比表面積260m/g)を用いた。このAMT−100二酸化チタンを、その濃度が1%となるように1/500NB培地を用いて調製した。この懸濁液を用いて、懸濁液10mLに上記の菌液0.1mLを添加したものを試験液(10-3)とし滅菌した試験管に注入した。
10.3.昼白色蛍光灯の照射と菌数の測定
試験液(10-3)を入れた試験管を、室温で照度500〜1000ルクスの昼白色蛍光灯(東芝ライテック株式会社製、FL20SS・W/18.20型18W、1本)の照射下で震とう保存した。保存24時間後に試験液中の生菌数を日本製薬株式会社製のSCDLP寒天培地を滅菌水に溶解した培地を用いた混釈平板培養(35℃、2日間)により測定した。その測定結果は表7に記した通りであった。
Figure 2006131583
実施例13、14と比較例10の比較
表7に記載した通り、本発明に二酸化チタン複合体を使用した実施例13、14の場合には、当初6.6×10個/mLもの菌が存在していたものが、昼白色蛍光灯500〜1000ルクスの24時間照射程度の蛍光灯の照射によって菌が検出されないほどに菌数が減少していた。一方、比較例10の市販の光触媒を使用した場合には、照射前の菌数(6.6×10個/mL)と比較してそれほど著しい菌数の減少が認められず、実施例13、14の場合と比較すると抗菌性に大きな違いが認められた。この結果から、菌数が非常に多い場合でも、本発明の抗菌性付与剤は、おどろくべき効果を有していることがわかる。
本発明の二酸化チタン複合体を用いた抗菌性付与剤は、太陽光や水銀灯・紫外線ランプのような紫外線に富む光の照射がなくても、一般の照明用に使われる程度の蛍光灯の光で十分に活性化し、高い抗菌活性を示す。そのため、食品類やその他さまざまな物の殺菌、防腐、防かびなど、食品、環境、健康、医療などさまざまな分野における防腐剤、防かび剤などの抗菌性付与剤として有用である。
実施例に用いた昼白色の蛍光灯の分光エネルギー分布を示す図である。

Claims (7)

  1. 二酸化チタンと酸性物質および/またはその塩とから生成する二酸化チタン複合体を含有することを特徴とする抗菌性付与剤。
  2. 二酸化チタン複合体が、照度2000ルクス以下の紫外光の乏しい昼白色蛍光灯の照射により活性の高い抗菌性を示すものである、請求項1に記載の抗菌性付与剤。
  3. 二酸化チタン複合体が、二酸化チタンに酸性物質および/またはその塩を含浸、吸着もしくは混合させるか、あるいはチタン化合物の水溶液と酸性物質および/またはその塩の水溶液を共沈殿させることにより得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌性付与剤。
  4. 酸性物質が、次の一般式(I)
    XO ・・・・・・ (I)
    [式中、Xは硫黄原子またはタングステン原子を示す。]
    で表わされる物質であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の抗菌性付与剤。
  5. 二酸化チタンが、アナターゼ型若しくはルチル型結晶構造、またはアナターゼ型とルチル型の混合の結晶構造を有するものであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の抗菌性付与剤。
  6. 酸性物質が、硫酸、タングステン酸、またはこれらの無水物からなる群から選ばれる1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の抗菌性付与剤。
  7. 酸性物質の塩が、硫酸アンモニウム、硫酸チタン、タングステン酸アンモニウムまたはタングステン酸チタンからなる群から選ばれる1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の抗菌性付与剤。

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