JP2006131180A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒として二酸化炭素を用いた車両用空調装置において、ヒータコアの出入口温度差のばらつきを少なくしてエアーミックス性を改善し、左右独立温調が容易にできるようにする。
【解決手段】供給空気が導入される通風路17内に、昇温された水により供給空気を加熱するヒータコア7を設置して、圧縮機1で高圧高温となった冷媒と水との間で熱交換させる水冷媒熱交換器8から、昇温された水をヒータコア7に供給するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二酸化炭素などの冷媒を用いた車両用空調装置に関し、詳しくはエンジンなどの熱源を持たない電気自動車や燃料電池車、あるいはハイブリッド車など(以下、電気自動車等)に搭載される車両用空調装置に関する。
車両用空調装置においては、乗員が個別に温調を行える左右独立温調の機能を備えたものがある。例えば、ヒータユニット内に左右2つの通風路を形成し、エンジン冷却水を温媒にしたヒータコア及び冷却器を2つに区分する仕切板を設け、各通風路につながる2つのエアーミックスドアの開度をそれぞれ調整して、ヒータコアを通過する空気とバイパス路(ヒータコアを通過しない通路)に流れる空気との比率を調整することにより、左右を個別に温調するようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
エンジン冷却水を冷媒とするヒータコアでは、エンジン冷却水の出入口温度差が10℃程度であるため、上記のような左右独立温調のヒータユニットにおいて、2つのエアーミックスドアを同開度にして、仕切板によって区分されるヒータコアの左右に同じ風量の空気を通過させた場合(左右同一温調)に、ヒータコアの左右における空気出口温度差はほとんど生じない。また、一方のエアーミックスドアの開度を固定して、他方のエアーミックスドアの開度を調整した場合(左右独立温調)に、固定した側の温度はほとんど変わることはない。すなわち、一方の空気出口温度を一定に保ちつつ、温調したい他方の空気出口温度のみを調整することができるため、左右で個別の温調が可能となる。
このほか、左右同一温調が設定されているときは、運転席側と助手席側のそれぞれのエアーミックスドア開度を同一に制御(運転席側と助手席側で吹き出し温度は一定)し、左右独立温調が設定されているときは、設定温度、室温、外気温、日射に基づいて、運転席側と助手席側のエアーミックスドア開度を制御するようにしたものが知られている(特許文献2参照)。
特開平9−328011号公報 特開平9−323529号公報
従来より車両用空調装置の冷凍サイクルには、おもにフロン冷媒が用いられてきたが、これらが大気中に放出されるとオゾン層の破壊による地球温暖化といった環境問題が懸念されるため、脱フロン対策として、二酸化炭素、エチレン、エタン酸化窒素など(以下、二酸化炭素を代表例とする)を使用した冷凍サイクルが提案されている(例えば、特開2002−130849号公報)。
このような二酸化炭素を冷媒とした冷凍サイクルは、原理的にフロンを使用した従来の冷凍サイクルと同じである。しかしながら、二酸化炭素の臨界温度は約31℃と従来のフロンの臨界温度(例えば、R−12は112℃)に比べて著しく低いため、放熱器側での二酸化炭素温度が二酸化炭素の臨界温度よりも高くなり、冷媒である二酸化炭素がガス状態のまま入口から出口へ温度低下していく点が相違する。
一方、車両用空調装置の冷凍サイクルは、エンジン車ではエンジン冷却水を温媒として用いているが、電気自動車等ではエンジン冷却水がないため、代わりに冷凍サイクルの放熱器をサブガスクーラ(エンジン車ではヒータコアに相当)として使用して暖房することが考えられている。このような二酸化炭酸を冷媒とした冷凍サイクルの放熱器をサブガスクーラとして左右独立温調方式のヒータユニットに組み込んで暖房を行うように構成した場合でも、サブガスクーラの左右で空気出口温度差がほとんどないことが求められる。
しかしながら、二酸化炭素を冷媒とするサブガスクーラでの温度変化は顕熱変化のため、冷媒の出入口温度差のばらつきが非常に大きく、サブガスクーラの下流でのエアーミックスが難しくなるという課題があった。
このようにエアーミックスが難しくなると、仕切板により区分されたサブガスクーラの左右に同じ風量の空気を通過させても、サブガスクーラの左右で熱交換量の差が大きくなるために、例えば運転席と助手席のそれぞれの吹き出し口における空気出口温度差が大きくなってしまう。
また、左右独立温調方式のヒータユニットで左右同一温度にしたい場合に、2つのエアーミックスドアを同開度にして、仕切板により区分されたサブガスクーラの左右に同じ風量の空気を通過させたとしても、サブガスクーラのそれぞれの吹き出し口では左右の空気出口温度差が生じてしまうことになる。
さらに、左右独立温調方式のヒータユニットにおいて、例えば助手席側のみ温度を調整する場合は、運転席側のエアーミックスドアの開度を固定して、助手席側のエアーミックスドアの開度を調整することになるが、二酸化炭素を冷媒とするサブガスクーラでは冷媒の出入り口温度差が大きいため、左右の熱交換量に差が生じ、エアーミックスドアの開度を固定しても運転席側の空気出口温度を一定に保つことができなくなってしまう。
また、出入口温度差のばらつきを改善するためにはサブガスクーラの下流側に大きなチャンバースペースやミックスリブ等を設ける必要があり、ユニットサイズが大きくなるためにコンパクト化が困難となる。
以上説明したように、二酸化炭素を冷媒とする車両用空調装置では、サブガスクーラでの出入り口温度差が大きくなるためにエアーミックス性が悪く、また空調風の温度にムラが生じてしまうために左右独立温調が難しいものとなっていた。したがって、エンジンのような熱源を持たない電気自動車等において、サブガスクーラ下流でのエアーミックス性を改善し、左右独立温調を容易なものとすることが技術的な課題となっていた。
本発明の目的は、二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルにおいて、サブガスクーラの出入口温度差のばらつきを少なくしてエアーミックス性を改善し、左右独立温調を容易に成立することができる車両用空調装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、少なくとも、冷媒を圧縮、昇温する圧縮機と、冷媒と外気との間で熱交換させる放熱器と、供給空気と冷媒との間で熱交換させる蒸発器と、前記圧縮機で圧縮、昇温された冷媒又は前記放熱器で冷却された冷媒と前記圧縮機に戻る低圧の冷媒との間で熱交換する内部熱交換器と、前記蒸発器へ送られる冷媒を減圧する第1減圧手段と、前記放熱器へ送られる冷媒を減圧する第2減圧手段とを備え、前記内部熱交換器を通過した冷媒を前記圧縮機へ戻して循環させる冷凍サイクルを実行する車両用空調装置であって、供給空気が導入される通風路内において前記蒸発器の下流側に設置され、前記蒸発器を通過した供給空気と、昇温された水との間で熱交換させるヒータコアと、前記圧縮機で圧縮、昇温した冷媒と、前記ヒータコアに供給される水との間で熱交換させる水冷媒熱交換器とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、暖房モードでは、前記圧縮機で圧縮、昇温された冷媒を前記水冷媒熱交換器に導入して前記ヒータコアに供給される水との間で熱交換させることにより前記ヒータコアを通過する供給空気を加熱し、また前記水冷媒熱交換器で熱交換した媒体を前記内部熱交換器で低圧側の冷媒と熱交換し、この冷媒を前記第2膨張弁で減圧させて前記放熱器に導入することにより外気と熱交換させて吸熱することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2のいずれかにおいて、除湿暖房モードでは、前記圧縮機で圧縮、昇温された冷媒を前記水冷媒熱交換器に導入して前記ヒータコアに供給される水との間で熱交換させることにより前記ヒータコアを通過する供給空気を加熱し、また前記水冷媒熱交換器で熱交換した冷媒を前記第1減圧手段で減圧させて前記蒸発器に導入し、前記通風路内に導入される供給空気との間で熱交換させることにより前記蒸発器を通過する供給空気を除湿することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、冷房モードでは、前記圧縮機で圧縮、昇温された冷媒を前記放熱器で外気と熱交換させて冷却し、この冷媒を前記第1減圧手段で減圧させて前記蒸発器に導入し、前記通風路内に導入される供給空気との間で熱交換させることにより前記蒸発器を通過する供給空気を冷却することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ヒータコアで供給空気と熱交換する冷媒として比熱の高い水を用いているため、炭酸ガスを用いた場合に比べてヒータコア7における出入口温度差のばらつきが少なく、ヒータコアの下流でのエアーミックス性を改善することができる。また、供給空気の温度ムラがほとんどなくなるために左右独立温調を容易なものとすることができる。さらに、出入口温度差のばらつきを改善するためにヒータコアの下流側に大きなチャンバースペースやミックスリブ等を設ける必要がないので、ユニットのコンパクト化を実現することができる。
請求項2の発明によれば、ヒータコアで供給空気と熱交換した冷媒を内部熱交換器で低圧側の冷媒と熱交換し、さらに放熱器で外気から吸熱して、再び内部熱交換器で熱交換するサイクルを循環することにより、低温の冷媒により外気から熱を汲み上げることでヒートポンプとしての暖房を行うことができる。
請求項3の発明によれば、圧縮機で高圧高温となった冷媒と水とを熱交換することによりヒータコアで供給空気を加熱し、また、この冷媒を蒸発器に導入することによりヒータコアで加熱前の供給空気を冷却して除湿することができる。
請求項4の発明によれば、放熱器で温度を下げた冷媒を、さらに内部熱交換器で低圧側の冷媒と熱交換するようにしているため、成績効率を向上させることができる。また、放熱器が霜や着氷によって凍結している場合に、圧縮機で高圧高温となった冷媒を放熱器へ導入することにより、放熱器の凍結を解除することができる。
以下、本発明に係わる車両用空調装置を実施するための最良の形態となる実施例について説明する。
図1は、本実施例に係わる車両用空調装置の構成を示す系統図である。本実施例の車両用空調装置は冷媒として炭酸ガスを用いている。そして、本実施例の車両用空調装置は、冷媒を圧縮、昇温する圧縮機1と、冷媒と外気との間で熱交換させる放熱器2と、供給空気と冷媒との間で熱交換させる蒸発器3と、圧縮機1で圧縮、昇温された冷媒又は放熱器2で吸熱した冷媒と前記圧縮機に戻る低圧の冷媒との間で熱交換する内部熱交換器4と、蒸発器3へ送られる冷媒を減圧する第1膨張弁5と、放熱器2へ送られる冷媒を減圧する第2膨張弁6と、蒸発器3を通過した供給空気と昇温された水との間で熱交換させるヒータコア7と、圧縮機1で圧縮、昇温された冷媒とヒータコア7に供給される水との間で熱交換させる水冷媒熱交換器8と、ヒータコア7と水冷媒熱交換器8との間で水を循環させるウォーターポンプ9と、冷媒を気液分離するアキュームレータ10と、放熱器2への冷媒の逆流を防止する逆止弁11,12と、蒸発器3への冷媒の逆流を防止する逆止弁13と、放熱器2から吐出される冷媒と放熱器2へ流入する冷媒の流れ方向を切り換える三方弁14と、水冷媒熱交換器8からの冷媒の流れを切り替える電磁弁15と、図示しないブロアファンから送られてくる供給空気の量を調節するエアーミックスドア16と、蒸発器3,ヒータコア7およびエアーミックスドア16が設置される空調ダクト(通風路)17と、車両用空調装置におる運転モードの切替を制御する制御部18とを備えて構成されている。
圧縮機1は、図示しないモータまたは車両駆動装置からの駆動力を得て気相状態の炭酸ガスを圧縮、昇温して、高圧高温の冷媒として吐出している。
放熱器2は、暖房モードでは第2膨張弁6から出力された低圧の冷媒と外気とを熱交換させて、低圧の冷媒に外気の熱を吸熱させている。また、冷房モードでは水冷媒熱交換器8から出力された高圧高温の冷媒と外気とを熱交換させて、高圧高温の冷媒を外気に放熱させている。
蒸発器3は、空調ダクト17内に設置され、第1膨張弁5で減圧された低圧低温の冷媒と、ブロアファンからの供給空気とを熱交換させて、供給空気を冷却、除湿している。
内部熱交換器4は、アキュームレータ10から出力された気相状態の冷媒と、水冷媒熱交換器8または放熱器2を通過した高圧の冷媒とを熱交換して圧縮機1に送り出している。
第1膨張弁(第1減圧手段)5は、内部熱交換器4から送られてきた高圧の冷媒を減圧(膨張)させて蒸発器3へ出力している。
第2膨張弁(第2減圧手段)6は、内部熱交換器4から送られてきた高圧の冷媒を減圧させて放熱器2へ出力している。
ヒータコア7は、空調ダクト17内に設置され、水冷媒熱交換器8から送られてきた昇温された水により、蒸発器3を通過した供給空気を加熱している。このヒータコア7は、例えば扁平チューブとフィンとを積層配置したコア部で熱交換が行われるように構成され、入口側から導入された水はコア部内を複数回ターンしながら出口側へ導かれる。
水冷媒熱交換器8は、圧縮機1で圧縮、昇温された冷媒により、ヒータコア7に供給される水を昇温している。
ウォーターポンプ9は、図示しないモータなどから駆動力を得て水を吸引、吐出することにより、ヒータコア7と水冷媒熱交換器8との間で水を循環させている。
アキュームレータ10は、放熱器2または蒸発器3から排出された冷媒を気液分離して、気相状態の冷媒のみを内部熱交換器4へ送り出し、液相状態の冷媒を一時的に貯留している。
三方弁14は、制御部18により切り替えが制御され、暖房モードでは放熱器2からアキュームレータ10へ冷媒を流し、冷房モードでは内部熱交換器4から放熱器2へ冷媒を流すように弁を切り替えている。
電磁弁15は、制御部18により開閉が制御され、暖房モードおよび除湿暖房モードでは開栓して水冷媒熱交換器8から内部熱交換器4へ冷媒を流し、冷房モードでは閉栓して水冷媒熱交換器8から放熱器2へ冷媒を流すように弁を切り替えている。
エアーミックスドア16は、ヒータコア7の前面に設置され、制御部18によりドアの開度(混合比)が制御されている。そして、ブロアファンから送られてくる供給空気をヒータコア7で加熱するときには、その加熱度に応じてドアを下方に回動し(混合比〜100%)、供給空気を加熱しないときはドアを上方に回動する(混合比0%)。図1では、ドアを下方に回動して混合比100%としたときの状態を示している。
制御部18は、CPU,ROM,RAMなどを含むマイクロコンピュータで構成され、図示しない各種センサやタイマーなどから送られてくる各種信号やデータを定期的または必要に応じて取り込むとともに、ROMに記憶された各種の制御プログラムとデータに基づいて演算処理を実行し、三方弁14,電磁弁15における弁の切り替え制御やブロアファンの風量、エアーミックスドア16の開度などを制御している。これらの制御は、おもに運転モードの切り替えに応じて実行される。
次に、本実施例の車両用空調装置における各運転モードでの動作について説明する。
[1]除湿暖房モード
図2は、除湿暖房モードにおける冷媒と水の流れを示す系統図である。なお図中において、実線は冷媒または水が流れる部分、破線は冷媒が流れない部分を示している。
本実施例では、三方弁14を閉栓し且つ電磁弁15を開栓して、冷媒を内部熱交換器4側に流すことにより、圧縮機1−水冷媒熱交換器8−電磁弁15−内部熱交換器4−第1膨張弁5−蒸発器3−アキュームレータ10−内部熱交換器4の順に冷媒が循環する第1循環経路L1を設定している。また、ヒータコア7−水冷媒熱交換器8−ウォーターポンプ9の順に水が循環する水循環流路W1を設定している。
図2において、冷媒は圧縮機1により圧縮、昇温されて高圧高温となり、水冷媒熱交換器8において水循環流路W1の水と熱交換される。この水冷媒熱交換器8で昇温された水はヒータコア7に導かれ、ここでブロアファンから送られてくる供給空気と熱交換して供給空気を加熱し、温度の上がった供給空気は暖房風として車室内へ送風される。このとき、エアーミックスドア16は設定温度に応じて回動量が制御される。そして、ヒータコア7で供給空気を熱交換した水は、ウォーターポンプ9に戻り、ここから所定の水圧で再び水冷媒熱交換器8へ吐出される。
また、水冷媒熱交換器8で水と熱交換した冷媒は、電磁弁15を通過して内部熱交換器4へ送られ、ここで低圧側の冷媒と熱交換して、さらに第1膨張弁5で減圧されて低圧低温となり、蒸発器3に送られる。そして、低圧低温の冷媒はブロアファンから送られてくる供給空気と熱交換して供給空気を冷却して除湿し、除湿された供給空気はヒータコア7で加熱されて車室内へ送風される。
さらに、蒸発器3で熱交換した冷媒はアキュームレータ10に送られる。ここで、冷媒は気液分離されて気相状態の冷媒が内部熱交換器4の低圧側に出力され、液相状態の冷媒は一時的にアキュームレータ10に貯留される。
そして、内部熱交換器4で熱交換した冷媒は、再び圧縮機1で圧縮、昇温されて高圧高温となり、水冷媒熱交換器8へ送り出される。
本実施例によれば、圧縮機1において高圧高温となった冷媒と水とを水冷媒熱交換器8との間で熱交換させるとともに、ここで昇温された水とブロアファンから送られてくる供給空気とをヒータコア7で熱交換することにより供給空気を加熱して車室内へ送風するようにしている。このように、ヒータコア7で供給空気と熱交換する冷媒として比熱の高い水を用いているため、炭酸ガスを用いた場合に比べてヒータコア7における出入口温度差のばらつきが少なく、ヒータコア7の下流でのエアーミックス性を改善することができる。また、供給空気の温度ムラがほとんどなくなるために左右独立温調を容易なものとすることができる。さらに、出入口温度差のばらつきを改善するためにヒータコアの下流側に大きなチャンバースペースやミックスリブ等を設ける必要がないので、ユニットのコンパクト化を実現することができる(請求項1の効果)。
また、図2に示す除湿暖房モードでは、圧縮機1で高圧高温となった冷媒と水とを熱交換することによりヒータコア7で供給空気を加熱し、また、この冷媒を蒸発器3に導入することにより、ヒータコア7で加熱前の供給空気を冷却して除湿することができる(請求項3の効果)。
ここで、水冷媒熱交換器8を備えた本実施例の車両空調装置と、ブライン回路を備えた従来例の車両用空調装置との相違点について説明する。特開平9−169207号公報には、ブライン回路においてHFC134aや可燃性のHCなどの二次冷媒と水とを熱交換させることにより熱交換効率を高めた車両用空調装置が提案されている。
ここに提案された車両用空調装置はエンジン車のエンジン冷却水を用いることを前提としたものであるため、これを熱源を持たない電気自動車等に適用しても動作が成立せず、例えば暖房モードにおいて除湿を同時に行うことは不可能であった。しかしながら、本実施例の車両空調装置では、暖房と同時に除湿を行うことができ、さらには冷房を行うこともできる。
[2]暖房モード
図3は、暖房モードにおける冷媒と水の流れを示す系統図である。
本実施例では、三方弁14を切り替えて放熱器2からアキュームレータ10への流路を連通させるとともに、電磁弁15を開栓して、冷媒を内部熱交換器4側へ流すことにより、圧縮機1−水冷媒熱交換器8−電磁弁15−内部熱交換器4−第2膨張弁6−逆止弁13−放熱器2−三方弁14−逆止弁12−アキュームレータ10−内部熱交換器4の順に冷媒が循環する第2循環経路L2を設定している。また、ヒータコア7−水冷媒熱交換器8−ウォーターポンプ9の順に水が循環する水循環流路W1を設定している。
図3において、冷媒は圧縮機1により圧縮、昇温されて高圧高温となり、水冷媒熱交換器8において水と熱交換される。この水冷媒熱交換器8で昇温された水はヒータコア7に導かれ、ここでブロアファンから送られてくる供給空気と熱交換して供給空気を加熱し、温度の上がった供給空気は暖房風として車室内へ送風される。このとき、エアーミックスドア16は設定温度に応じて回動量が制御される。そして、ヒータコア7で供給空気を熱交換した水は、ウォーターポンプ9から所定の水圧で再び水冷媒熱交換器8へ送られる。
また、水冷媒熱交換器8で水と熱交換した冷媒は、電磁弁15を通過して内部熱交換器4へ送られ、ここで低圧側の冷媒と熱交換して、第2膨張弁6で減圧され、さらに逆止弁13を通過して放熱器2へ送られる。そして、外気と熱交換して吸熱し、その後、三方弁14、逆止弁12を通過してアキュームレータ10に導かれる。アキュームレータ10では気液分離されて気相状態の冷媒が内部熱交換器4の低圧側に出力され、液相状態の冷媒は一時的にアキュームレータ10に貯留される。
そして、内部熱交換器4で熱交換した冷媒は、再び圧縮機1で圧縮、昇温されて高圧高温となり、水冷媒熱交換器8へ送り出される。
図3に示す暖房モードでは、圧縮機1で高圧高温となった冷媒が水とを熱交換してヒータコア7で供給空気を加熱する。その後、内部熱交換器4で低圧側の冷媒と熱交換し、第2膨張弁6で減圧されて放熱器2で外気から吸熱し、再び内部熱交換器4で熱交換して圧縮機1へ戻る。このサイクルによれば、低温の冷媒により外気から熱を汲み上げることでヒートポンプとしての暖房を行うことができる(請求項2の効果)。
[3]冷房モード
図4は、冷房モードにおける冷媒と水の流れを示す系統図である。
本実施例では、三方弁14を切り替えて水冷媒熱交換器8から放熱器2への流路を連通させるとともに、電磁弁15を閉栓して、冷媒を放熱器2側へ流すことにより、圧縮機1−水冷媒熱交換器8−三方弁14−放熱器2−逆止弁11−内部熱交換器4−第1膨張弁5−蒸発器3−アキュームレータ10−内部熱交換器4の順に冷媒が循環する第3循環経路L3を設定している。
図4において、冷媒は圧縮機1により圧縮、昇温されて高圧高温となり、水冷媒熱交換器8において水循環流路W1の水と熱交換される。この水冷媒熱交換器8で昇温された水はヒータコア7に導かれるが、このときエアーミックスドア16は上方に回動しているため、供給空気との間で熱交換は行われない。
また、水冷媒熱交換器8で水と熱交換した冷媒は、三方弁14を通過して放熱器2へ送られ、ここで外気と熱交換して放熱して温度を下げる。そして、温度の下がった冷媒は逆止弁11を通過して内部熱交換器4へ送られ、ここでも熱交換して温度を下げ、さらに第1膨張弁5で減圧されて低圧低温となり、蒸発器3へ送られる。そして、低圧低温の冷媒はブロアファンから送られてくる供給空気と熱交換して供給空気を冷却し、温度の下がった供給空気は冷房風として車室内へ送風される。
さらに、蒸発器3で熱交換した冷媒はアキュームレータ10に送られる。ここで、冷媒は気液分離されて気相状態の冷媒が内部熱交換器4の低圧側に出力され、液相状態の冷媒は一時的にアキュームレータ10に貯留される。
そして、内部熱交換器4で熱交換した冷媒は、再び圧縮機1で圧縮、昇温されて高圧高温となり、水冷媒熱交換器8へ送り出される。
図4に示す冷房モードでは、圧縮機1で高圧高温となった冷媒は放熱器2で外気と熱交換して温度が下がり、さらに内部熱交換器4において蒸発器3から吐出した低圧冷媒との間で熱交換し、その後、蒸発器3で供給空気から吸熱して、再び内部熱交換器4で熱交換して圧縮機1へ戻される。
この冷房サイクルによれば、放熱器2で温度を下げた冷媒を、さらに内部熱交換器4で低圧側の冷媒と熱交換するようにしているため、成績効率を向上させることができる。また、放熱器2が霜や着氷によって凍結している場合に、圧縮機1で高圧高温となった冷媒を放熱器2へ導入することにより、放熱器2の凍結を解除することができる(請求項4の効果)。
上記各実施例では、水循環流路W1に循環させる冷媒として水を例にして示したが、比熱の高い媒体であれば他の液体、ガスを用いることができる。
本発明は、二酸化炭素などの冷媒を用いた車両用空調装置に関するものであり、とくにエンジンなどの熱源を持たない電気自動車等に搭載される車両用空調装置として有用である。
実施例に係わる車両用空調装置の構成を示す系統図。 除湿暖房モードにおける冷媒と水の流れを示す系統図。 暖房モードにおける冷媒と水の流れを示す系統図。 冷房モードにおける冷媒と水の流れを示す系統図。
符号の説明
1…圧縮機
2…放熱器
3…蒸発器
4…内部熱交換器
5…第1膨張弁
6…第2膨張弁
7…ヒータコア
8…水冷媒熱交換器
9…ウォーターポンプ
10…アキュームレータ
11,12,13…逆止弁
15…電磁弁
16…エアーミックスドア
17…空調ダクト
18…制御部

Claims (4)

  1. 少なくとも、冷媒を圧縮、昇温する圧縮機(1)と、冷媒と外気との間で熱交換させる放熱器(2)と、供給空気と冷媒との間で熱交換させる蒸発器(3)と、前記圧縮機(1)で圧縮、昇温された冷媒又は前記放熱器(2)で冷却された冷媒と前記圧縮機(1)に戻る低圧の冷媒との間で熱交換する内部熱交換器(4)と、前記蒸発器(3)へ送られる冷媒を減圧する第1減圧手段(5)と、前記放熱器(2)へ送られる冷媒を減圧する第2減圧手段(6)とを備え、前記内部熱交換器(4)を通過した冷媒を前記圧縮機(1)へ戻して循環させる冷凍サイクルを実行する車両用空調装置であって、
    供給空気が導入される通風路(17)内において前記蒸発器(3)の下流側に設置され、前記蒸発器(3)を通過した供給空気と、昇温された水との間で熱交換させるヒータコア(7)と、
    前記圧縮機(1)で圧縮、昇温した冷媒と、前記ヒータコア(7)に供給される水との間で熱交換させる水冷媒熱交換器(8)と、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 暖房モードでは、前記圧縮機(1)で圧縮、昇温された冷媒を前記水冷媒熱交換器(8)に導入して前記ヒータコア(7)に供給される水との間で熱交換させることにより前記ヒータコア(7)を通過する供給空気を加熱し、また前記水冷媒熱交換器(8)で熱交換した媒体を前記内部熱交換器(4)で低圧側の冷媒と熱交換し、この冷媒を前記第2膨張弁6で減圧させて前記放熱器(2)に導入することにより外気と熱交換させて吸熱することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 除湿暖房モードでは、前記圧縮機(1)で圧縮、昇温された冷媒を前記水冷媒熱交換器(8)に導入して前記ヒータコア(7)に供給される水との間で熱交換させることにより前記ヒータコア(7)を通過する供給空気を加熱し、また前記水冷媒熱交換器(8)で熱交換した冷媒を前記第1減圧手段(5)で減圧させて前記蒸発器(3)に導入し、前記通風路(17)内に導入される供給空気との間で熱交換させることにより前記蒸発器(3)を通過する供給空気を除湿することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  4. 冷房モードでは、前記圧縮機(1)で圧縮、昇温された冷媒を前記放熱器(2)で外気と熱交換させて冷却し、この冷媒を前記第1減圧手段(5)で減圧させて前記蒸発器(3)に導入し、前記通風路(17)内に導入される供給空気との間で熱交換させることにより前記蒸発器(3)を通過する供給空気を冷却することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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