JP2006121579A - ループアンテナ回路及びそれを用いた送受信装置 - Google Patents

ループアンテナ回路及びそれを用いた送受信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006121579A
JP2006121579A JP2004309520A JP2004309520A JP2006121579A JP 2006121579 A JP2006121579 A JP 2006121579A JP 2004309520 A JP2004309520 A JP 2004309520A JP 2004309520 A JP2004309520 A JP 2004309520A JP 2006121579 A JP2006121579 A JP 2006121579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
loop antenna
transmission
reception
series
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004309520A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Kawai
寿 河合
Yasufumi Yamada
恭文 山田
Noritoshi Furuta
典利 古田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004309520A priority Critical patent/JP2006121579A/ja
Publication of JP2006121579A publication Critical patent/JP2006121579A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transceivers (AREA)

Abstract

【課題】一つのループアンテナを使用して双方向同時通信を行なうのに適したループアンテナ回路及びそれを用いた送受信装置を提供する。
【解決手段】ループアンテナ(2)に直列に第1のコンデンサ(C1)を接続した直列回路に並列に第2のコンデンサ(C2)を接続し、該第2のコンデンサの両端を信号の入出力端子(3、4)としたループアンテナ回路(1)を構成する。入出力端子に送信回路(7)と受信回路(8)を並列に接続する。送信周波数において直列共振、受信周波数において並列共振を起こすようにループアンテナ回路の回路定数を定める。
【選択図】図2

Description

本発明は、一つのループアンテナにより双方向同時通信を行なうのに適したループアンテナ回路、及びそれを用いた送受信装置に関する。
従来より一つのループアンテナにコンデンサやインダクタを接続して複数の周波数で同調をとり、受信アンテナあるいは送信アンテナとして使用する試みがある。図11は、特許文献1に開示されているループアンテナ回路である。この回路はループアンテナ100に一対の給電点112、113を設けると共にループアンテナ100に直列に可変コンデンサC11を接続し、これにインダクタL12とコンデンサC12からなる直列共振回路を直列に接続して閉回路を構成している。そして、更にその直列共振回路に並列にリアクタンスXを接続した構成となっている。
インダクタL12とコンデンサC12との直列共振回路は、その共振周波数が可変コンデンサC11により同調されるようなアンテナの第1共振周波数にほぼ等しくなるように構成されている。その第1共振周波数では直列共振回路のインピーダンスはゼロとなるためリアクタンスXは第1共振周波数に何ら影響を与えない。その第1共振周波数以外では直列共振回路のインピーダンスはゼロ以外の値となるため、リアクタンスXの値を調整することにより別の周波数で同調をとることができる。従って、給電点112、113に受信回路又は送信回路を接続することにより2つの周波数での受信又は送信が可能となる。また、ダイプレクサ(分周器)を併用すれば別々の周波数で送信と受信を同時に行なうこともできる。
しかし、この図11の回路の場合、ループアンテナ100のリアクタンスが主体的に関与する共振は何れも給電点112、113から見て直列共振となる。直列共振ではインピーダンスが低くなるため図11の回路は出力インピーダンスの低い送信回路とのマッチングを取るのに都合がよい。しかし受信には一般に入力インピーダンスの高い電圧入力回路が使われるため、図11の回路はマッチングを取りにくくて都合が悪い。
また、図11の回路ではループアンテナ100に直列に直列共振回路を接続しているが、直列共振回路はQの値が高いと温度変化等により共振周波数にずれを生じ易い。図11中の直列共振回路も屋外に設置される。そのため温度変化等により共振周波数にずれが生じ、ループアンテナ100を流れる送信電流が大幅に減少して通信に支障をきたす恐れがある。
また、特許文献2には一つのループアンテナを使用して送信時には直列共振を、受信時には並列共振をさせる回路が開示されている。しかし、この回路の場合には直列共振と並列共振とをリレーによる回路切り換えで行なっているため双方向の同時通信はできない。
特開平6−177636号公報 実開昭63−85931号公報 電子情報通信学会編「電子情報通信ハンドブック」オーム社出版、1988年、P.525 E.F.Sartori:"Hybrid Transformers",IEEE TRANSACTIONS ON PARTS,MATERIALS AND PACKAGING,VOL.PMP-4,NO.3 (Sept.1968)
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その課題は一つのループアンテナを使用して双方向同時通信を行なうのに適したループアンテナ回路、及びそれを用いた送受信装置を提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、ループアンテナ(2)と第1のコンデンサ(C1)との直列回路に第2のコンデンサ(C2)を並列に接続し、該第2のコンデンサの両端を信号の入出力端子(3、4)としたことを特徴とするループアンテナ回路である。
このようなループアンテナ回路を送信周波数において直列共振するように回路定数を定めておけば、低い出力インピーダンスを持つ送信回路によりループアンテナに大きな電流を流すことができ効率良く電波を放射させることができる。また、受信周波数において並列共振をするように回路定数を定めておけば入出力端子に大きな受信電圧が発生するため、入力インピーダンスの高い受信回路により高い受信感度を確保することができる。そして入出力端子にそのような送信回路、受信回路を並列接続することにより双方向同時通信を効率良く行なうことができる。
また、請求項2に記載の発明は、ループアンテナ(2)と第3のコンデンサ(C5)との並列回路に第4のコンデンサ(C6)を直列に接続し、該直列接続した回路の両端を信号の入出力端子(3、4)としたことを特徴とするループアンテナ回路である。
このようなループアンテナ回路も送信周波数において直列共振、受信周波数において並列共振するように回路定数を定めることにより、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のループアンテナ回路であって、該回路を使用する送受信装置の送信周波数において直列共振、受信周波数において並列共振を起こすように回路定数を定めたことを特徴とする。
送信周波数において直列共振すれば低い出力インピーダンスを持つ送信回路によりループアンテナに大きな電流を流すことができ効率良く電波を放射させることができる。また、受信周波数において並列共振をすれば入出力端子に大きな受信電圧が発生するため、入力インピーダンスの高い受信回路を使用することで高い受信感度を確保することができる。そして入出力端子にそのような送信回路、受信回路を並列接続することにより双方向同時通信を効率良く行なうことができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載のループアンテナ回路において、前記入出力端子(3、4)の一端に直列に抵抗(R2)を追加接続したことを特徴とする。
直列共振回路をその共振周波数に一致する送信周波数で励振する場合、回路定数が温度変化等により僅かでも変化すると共振周波数がずれて回路インピーダンスが大きな割合で変化する。本構成のように直列に抵抗を接続すれば回路のQの値が低下して送信効率は若干低下するが、回路インピーダンスの変化割合は逆に減少する。従って、送信出力の変化を小さくすることができる効果を奏する。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のループアンテナ回路の前記入出力端子間に、低出力インピーダンスの送信回路(7)と高入力インピーダンスの受信回路(8)とを並列接続したことを特徴とする送受信装置である。
このような構成の送受信装置によれば、送信周波数においてはループアンテナ回路は直列共振して回路インピーダンスが低くなる。このため低い出力インピーダンスを持つ送信回路からループアンテナに大きな電流を流すことができ、効率良く電波を放射させることができる。また、受信周波数においてはループアンテナ回路が並列共振して入出力端子間に大きな受信電圧が発生する。このため入力インピーダンスの高い受信回路を使用すれば高い受信感度で電波を受信できる。また、ループアンテナ回路は線形回路となっており異なる周波数での同時動作が可能であるため、異なる送信周波数と受信周波数を用いて双方向同時通信を効率良く行なうことができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の送受信装置において、前記送信回路と受信回路とを並列接続する代わりにハイブリッドトランス(31)を使用した2線4線変換回路(32)を設け、2線側に前記ループアンテナ回路を、4線側に前記送信回路と受信回路とを接続したことを特徴とする。
このような構成とした場合には送信回路と受信回路とのアイソレーションを図ることができ、送信回路からの送信周波数による信号が受信回路に到達しないようにすることができる。そのようにすれば受信回路にはループアンテナで受信した受信周波数の信号のみが入力されるため信号受信が容易となる。また、ループアンテナで受信した受信周波数の信号は送信回路と受信回路の双方に分配されるがハイブリッドトランスの巻線比を変えることにより送信回路の方により多くの電力を分配することができる。従って、そのようにすることで受信感度の向上を図ることができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の送受信装置において、前記ループアンテナ回路の入出力端子の近くにインピーダンス・マッチング用のトランス(11)を設けたことを特徴とする。
このようなインピーダンス・マッチング用のトランスを設けて送信周波数におけるループアンテナ回路のインピーダンスと、並列接続された送信回路、受信回路側とのインピーダンス・マッチングを図れば、送信回路の出力を効率良くループアンテナに導くことができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7の何れかに記載の送受信装置において、前記送信回路には送信周波数で直列共振する共振回路(26)を出力側に直列に、前記受信回路には受信周波数で直列共振する共振回路(27)を入力側に直列に追加接続したことを特徴とする。
このような構成とした場合、送信周波数においては送信回路の出力端子に接続した直列共振回路はインピーダンスがゼロとなるため送信回路からの出力の妨げとはならない。一方、この送信周波数においては受信回路の入力端子に接続した直列共振回路は高いインピーダンスを示すので送信回路からの出力電力が受信回路で消費されることが阻止される。このため送信回路からの出力電力の効率が向上する効果を奏する。受信周波数においては、受信回路の入力端子に接続した直列共振回路はインピーダンスがゼロとなるため受信の妨げとはならない。一方、この受信周波数においては送信回路の出力端子に接続した直列共振回路は高いインピーダンスを示すので、アンテナで受信した電力が送信回路で消費されることが阻止される。その分、受信回路の受信電力が増加するため受信感度が向上する効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。図1は本発明に係るループアンテナ回路の第1の実施形態の回路構成を示したものである。ループアンテナ回路1は、ループアンテナ2と第1のコンデンサC1、第2のコンデンサC2により構成される。コンデンサC1はループアンテナ2に直列に接続され、コンデンサC2はその直列回路に並列に接続される。コンデンサC2の両端は入出力端子3、4に接続されている。
ループアンテナ2の等価回路はインダクタンスL1との抵抗r1の直列回路で表わされる。抵抗r1はループアンテナ2の抵抗であり小さな値である。入出力端子3、4より見たループアンテナ回路1のインピーダンスZは次のように表わされる。
Z={(1/ωC2)・(ωL1−1/ωC1)−jr1/ωC2}
/{j(ωL1−1/ωC1−1/ωC2)+r1} (1)式
インピーダンスZの値は、ω2=1/(L1・C1)と、r1≪1/(ωC2)の双方が満足されるωの値のときに抵抗r1に等しくなる。即ち、図1のループアンテナ回路1は、
ω2=1/(L1・C1) (2)式
を満足する角周波数ω1で直列共振を起こし、そのときのインピーダンスZは小さな抵抗値r1に等しくなる。この状態では並列接続されたコンデンサC2は回路の動作に殆ど影響を与えない。
また、(1)式によれば
ωL1=1/ωC1+1/ωC2 (3)式
が満足される角周波数ωにおいて r1≪1/(ωC2) が満足される場合には、インピーダンスZの値は非常に大きな値となる。即ち、図1のループアンテナ回路1は(3)式を満足する角周波数ω2で並列共振を起こしそのインピーダンスは非常に大きな値となる。
このように角周波数ω1にて直列共振、角周波数ω2にて並列共振を起こすループアンテナ回路1は、双方向同時通信を行なう送受信装置のアンテナ回路として使用した場合にその効果が発揮される。次に、それについて説明する。
図2は、送受信装置の第1の実施形態の構成図である。本実施形態の送受信装置6は、送信回路7と受信回路8とをループアンテナ回路1の入出力端子3、4に並列接続したものである。送信回路7の出力インピーダンスはZ1で、送信周波数f1(角周波数はω1=2πf1)の交流電圧E1を出力する。受信回路8の入力インピーダンスはZ2である。
送信回路7の出力インピーダンスZ1は電力効率を高めるために一般に低い値に設計される。一方、受信回路8は回路設計の容易な電圧入力とされることが多く、その入力インピーダンスZ2は非常に高い値に設計される。
送信周波数f1(角周波数ω1)における動作を考えると、入出力端子3、4からループアンテナ2側を見たインピーダンスは直列共振により抵抗r1に等しい。従って、ループアンテナ2には、E1/|Z1+r1|の大きな電流が流れる。コンデンサC1、C2が取り付けられていない場合の電流は E1/|Z1+r1+jωL1| で表わされる値であり、コンデンサC1、C2が取り付けてある場合と比べて非常に小さい。即ち、コンデンサC1、C2を取り付け送信周波数f1にて直列共振を起こさせるようにしたことによりループアンテナ2には大きな電流が流れ、強い電波が放射される効果を生ずる。
次に、受信周波数f2(角周波数はω2=2πf2)における動作を考える。受信電波は、ループアンテナ2のインダクタンスL1に直列に電圧E2を生成する。送信回路7と受信回路8との並列接続点12、13から送信回路7と受信回路8側を見たインピーダンス、即ち、送信回路7の入力インピーダンスZ1と受信回路8の入力インピーダンスZ2の並列接続インピーダンスをZ3とし、受信回路8の受信電圧をV2とする。受信周波数f2において(3)式が満足されるとすると、即ち、受信周波数f2においてループアンテナ回路1が並列共振を起こすように回路定数が設定してあるとすると、そのときの受信電圧V2は次式で表わされる。
V2=E2・|Z3|/{1/(ω2・C2)} (4)式
これに対し、コンデンサC1、C2が取り付けてない場合の受信電圧V2は次のようになる。
V2=E2・|Z3|/|Z3+jω2・L1| (5)式
(3)式より、
ω2・L1−1/(ω2・C1)=1/(ω2・C2)>0
これより、
ω2・L1>1/(ω2・C1)
インピーダンスZ3は抵抗と考えてよいので(4)式の分母の値は(5)式の分母の値よりかなり小さい。従って(4)式で計算される受信電圧V2の値は(5)式で計算される受信電圧V2の値よりかなり大きな値となる。即ち、コンデンサC1、C2を取り付けて受信周波数f2にて並列共振を起こさせるようにしたことにより送信回路7の受信電圧V2に大きな電圧が得られる効果を生ずる。
このようにループアンテナ2に図1に示すようにコンデンサC1、C2を追加する。コンデンサC1、C2の容量は送信周波数f1にて(2)式が満足されて直列共振を起こすように、また受信周波数f2にて(3)式が満足されて並列共振を起こすように決定する。そのように回路定数を決めたループアンテナ回路1を用いて図2に示すような送受信装置6を構成する。そのように構成すればループアンテナ2には送信周波数f1の大きな送信電流が流れて強い電波が放射され、受信回路8には受信周波数f2の大きな受信電圧V2が得られる効果を奏する。
図3は、図1に示した第1の実施形態のループアンテナ回路1の変形実施形態である。本ループアンテナ回路1aは、入出力端子3、4の一端である端子3とコンデンサC2の一端との間に抵抗R2を追加したものである。コンデンサC1、C2の容量は図1のループアンテナ回路1と同じように、送信周波数f1にて直列共振、受信周波数f2にて並列共振を起こすように決める。
図1のループアンテナ回路1の入出力端子3、4に送信周波数f1の送信電圧を印加した場合、直列共振を起こして入出力端子3、4から見たインピーダンスZはリアクタンス分はゼロで抵抗値がr1となる。しかし、温度変化等でインダクタンスL1、コンデンサC1の値が変化すると(1)で計算されるインピーダンスZのリアクタンス分はゼロにならず、|Z|>r1 となる。
受信回路の入力インピーダンスZ2は十分に大きいとするとループアンテナ2に流れる電流はE1/|Z1+Z|で表わされるので、リアクタンス分が現れ |Z|>r1 となると電流は減少する。直列共振のQ(Quality factor)の値が大きい場合には共振周波数と送信周波数f1とに僅かの差が生じただけでインピーダンス|Z|は大きく変化する。インピーダンス|Z|の変化率が大きいとループアンテナ2に流れる電流の変化率も大きく送信電波の強度は大きく変化する。
送信回路7が生成する電圧E1と送信周波数f1が一定にも関わらず温度変化等によりループアンテナ回路1の直列共振周波数が変化し、それにより送信電波の強度が大きく変化することは安定した通信の障害となる。そこで、図3のループアンテナ回路1aでは直列に抵抗R2を追加して直列共振時のQの値を下げている。抵抗R2を追加すればQの値が下がって送信電波の強度は減少する。反面、直列共振周波数が送信周波数f1からずれた場合の入出力端子3、4から見たインピーダンスZの変化割合は小さくなるので送信電波の強度の変化割合は逆に小さくなる。即ち、送信電波の強度を少し犠牲にして送信電波の強度の安定化を図ったのが図3のループアンテナ回路1aである。従って、送信電波の強度の安定性を重視する場合には、図1のループアンテナ回路1の代わりに図3のループアンテナ回路1aを採用することが好ましい。
図4は、図2に示した送受信装置6の変形実施形態である。ループアンテナ回路として図3のループアンテナ回路1aを採用しているが、図1のループアンテナ回路1を用いてもよい。本実施形態の送受信装置10は送信回路7と受信回路8の並列接続点12、13とループアンテナ回路1aとの間の距離が長く、その間をケーブル17で接続する必要がある場合に適した実施形態である。
図2の送受信装置6と異なる点は、ループアンテナ回路1aの近くにインピーダンス・マッチング用のトランス11が追加してある点である。ケーブル17の特性インピーダンスをZ0とする。トランス11の一次巻線数n1と二次巻線数n2との比は、一次側からループアンテナ2側を見たインピーダンスが特性インピーダンスZ0に等しくなるように決定する。即ち、
Z0=(n1/n2)2・(R2+r1) (6)式
となるように決める。
また、並列接続点12、13から並列接続された送信回路7と受信回路8側を見たインピーダンスZ3とし、その値が特性インピーダンスZ0に等しくなるようにする。受信回路8の入力インピーダンスZ2は送信回路7の出力インピーダンスZ1より十分に高くしてあるので、インピーダンスZ3はインピーダンスZ1に等しい。従って、送信回路7の出力インピーダンスZ1の値が特性インピーダンスZ0に等しくなるように設計する。こうすることでインピーダンス・マッチングがとれ、ループアンテナ回路1aには送信回路7が外部に供給することのできる最大電力が供給される。
図5は、図4に示した送受信装置10の他の変形実施形態である。本実施形態の送受信装置20は、送信回路7の出力と並列接続点12、13との間にインピーダンス・マッチング用のトランス14を追加取り付けしたものである。この回路構成は、送信回路7の出力インピーダンスZ1がケーブル17の特性インピーダンスZ0より低くてマッチングがとれない場合に適している。追加したトランス14の二次側(ケーブル17側)から送信回路7を見たインピーダンスがケーブル17の特性インピーダンスZ0に等しくなるように巻線比を決定する。即ち、トランス14の一次巻線数n3と二次巻線数n4との比が次の式を満たすように決める。
Z0=(n4/n3)2・Z1 (7)式
巻線比をこのようにした場合には送信回路7からは最大の電力が供給され、その電力は全てループアンテナ回路1aに供給されて強い送信電波が放射される。また、この回路構成の場合、トランス14の二次側端子から送信回路7を見たインピーダンスが送信回路7の出力インピーダンスZ1より高くなるため、受信回路8の受信電圧V2はトランス14を取り付けない場合に比べて大きくなる効果もある。
図6は、図4に示した送受信装置10の更に別の変形実施形態を示したものである。本実施形態の送受信装置25は、図4に示した送受信装置10の送信回路7の出力に直列にコンデンサC3とインダクタンスL2とからなる直列共振回路26を、受信回路8の入力に直列にコンデンサC4とインダクタンスL3とからなる直列共振回路27を追加したものである。直列共振回路26の共振周波数は送信周波数f1に、直列共振回路27の共振周波数は受信周波数f2に一致するように回路定数を設定しておく。
送信周波数f1では直列共振回路26は短絡状態となる。従って、送信回路7の出力に対しては直列共振回路26は何の妨げにもならない。他方の直列共振回路27は、この送信周波数f1では高いインピーダンスを示す。従って、並列接続点12、13から受信回路8を見たインピーダンスは直列共振回路27の追加により追加前よりも高くなる。これにより送信回路7の出力電力の内、受信回路8で消費される電力が減少してその分だけループアンテナ回路1aに供給される電力が増加する効果がもたらされる。
また、受信周波数f2では直列共振回路27は短絡状態となるため、直列共振回路27の存在は受信回路8による受信と妨げにならない。一方、この受信周波数f2では直列共振回路26は高いインピーダンスを示す。従って、並列接続点12、13から送信回路7を見たインピーダンスは直列共振回路26の追加により追加前よりも著しく高くなる。これにより受信された電力の内、送信回路7に流れる電力が減少してその分だけ受信回路8に流れる電力が増加し、受信電圧V2が大きくなる効果がもたらされる。
このようにして直列共振回路26、27を追加することにより送信電力効率が高まり、受信感度も高まる効果がもたらされる。なお、図5に示した送受信装置20の場合も、図6と同じように直列共振回路26、27を追加することにより同じ効果を得ることができる。
図7は、図4に示した送受信装置10の更に別の変形実施形態を示したものである。本実施形態の送受信装置30は、図4に示した送受信装置10の送信回路7、受信回路8側にハイブリッドトランス31を使用した2線4線変換回路32を追加取り付けしたものである。
2線4線変換回路は公衆電話網でよく採用される回路で、上り/下りの回線を共用する2線式区間と、上りと下りに個別の2線を採用する4線式区間との接続部分に取り付けられる。2線式線路には送受話器が、4線式の内の2線には送信回路、他の2線には受信回路が接続される。そして、2線4線変換回路は、送信回路が接続される2線式線路と受信回路が接続される2線式線路との間に相互干渉がないように構成されている点に特徴がある。
このような特徴を有する2線4線変換回路には様々な回路構成が提案されている。図7中に示した2線4線変換回路32はその一例であり、「背景技術」に記載した非特許文献1、2に紹介されている回路構成である。この2線4線変換回路32は、ハイブリッドトランス31と抵抗R3により構成される。ハイブリッドトランス31は、一次巻線、二次巻線を有する絶縁トランスである。一次巻線が2線回路側で、その両端端子33、34にはケーブル17が接続される。
二次巻線が4線回路側で中間タップが設けられている。中間タップには抵抗R3が接続され、抵抗R3の他端は共通に接続された端子36、38に接続されている。二次巻線の一端35と端子36との間には送信回路7の出力信号線が接続され、二次巻線の他端37と端子38間には受信回路8の入力信号線が接続される。
一次巻線の巻数をn5、二次巻線の端子35と中間タップ間の巻数をn6、端子37と中間タップ間の巻数をn7とし、一次巻線の両端33、34よりケーブル17側を見たインピーダンスは抵抗と見なしてその値をR4とする。また、送信回路7の出力インピーダンスZ1、受信回路8の入力インピーダンスZ2は共に抵抗とする。この2線4線変換回路32は、各抵抗、各巻線間に次のような関係が成立するように回路定数を設定すると、送信回路7と受信回路8間に相互干渉が生じなくなる(例えば、非特許文献1参照)。
p=n6/n5
q=n7/n5
Z1=p(p+q)・R4
Z2=q(p+q)・R4
R3=pq・R4
即ち、上記5式が成立するように抵抗R3の値、ハイブリッドトランス31の巻数n5、n6、n7を決定すると、受信回路8の受信電圧V2には送信回路7の出力する送信信号が現れなくなる。送信回路7から出力された電力は、ループアンテナ回路1a内の抵抗r1、R2と、2線4線変換回路32内の抵抗R3により消費される。反対にループアンテナ2が受信してハイブリッドトランス31の一次巻線に入力した電力は、巻線比 n6:n7 の比率で送信回路7側と受信回路8側に分配される。
このような動作をすることから、図7に示す送受信装置30では受信回路8の受信電圧V2には受信周波数f2の信号しか現れなくなる。従って、受信回路8による信号受信が容易となる効果を奏する。また、巻数比 n7/n6 を高めることにより受信電圧V2を大きくすることができる。
なお、この送受信装置30の場合も図5中の送信回路7のように、出力側にインピーダンス・マッチング用のトランス14を追加してインピーダンス・マッチングを図れば送信電力効率を高めることができる。また、図6に示したような直列共振回路26を送信回路7の出力側に追加すれば、受信電圧V2の値を大きくすることができる。
図8は本発明に係るループアンテナ回路の第2の実施形態の回路構成を示したものである。このループアンテナ回路1bは、ループアンテナ2と第3のコンデンサC5、第4のC6により構成される。コンデンサC5はループアンテナ2に並列に接続され、コンデンサC6は入出力端子3、4の一端3とコンデンサC5の一端との間に接続される。
入出力端子3、4より見たループアンテナ回路1bのインピーダンスZは次のように表わされる。但し、抵抗r1の値は小さく、ωL1≫r1 と仮定する。
Z=−j(ωC5+ωC6−1/ωL1)/{ωC6・(ωC5−1/ωL1)}
(8)式
このインピーダンスZの値は、角周波数ωが次式を満足するときにゼロとなる。
ω2=1/{L1・(C5+C6)} (9)式
しかし、実際には完全にゼロとはならず、r1に殆ど等しい小さな値となる。即ち、ループアンテナ回路1bは、(9)式を満足する角周波数ωにて直列共振を起こす。
また、(8)式によればインピーダンスZの値は、角周波数ωが次式を満足するときに分母がゼロとなって非常に大きな値となる。
ω2=1/(L1・C5) (10)式
即ち、ループアンテナ回路1bは、(10)式を満足する角周波数ωにて並列共振を起こす。
次に、このように(3)式を満たす角周波数ωにて直列共振、(10)式を満たす角周波数ωにて並列共振を起こすループアンテナ回路1bを、前と同じように双方向同時通信を行なう送受信装置のアンテナ回路として使用する場合について説明する。図9は、そのような第2の実施形態の送受信装置の例で、前述した図2に相当する回路である。
ループアンテナ回路1bの回路定数は、送信回路7の送信周波数f1にて直列共振、受信周波数f2において並列共振を起こすようにコンデンサC5、C6の値を設定しておく。送信周波数f1においては、直列共振によりループアンテナ回路1bのインピーダンスはr1に等しい小さい値となるため、図2の送受信装置6の場合と同様にループアンテナ2にはコンデンサC5、C6がない場合よりも大きな電流が流れる。従って、強い電波が放射される効果を生ずる。
受信周波数f2においてはループアンテナ回路1bは並列共振を起こし、受信回路8の受信電圧V2は次のようになる。
V2=E2・|Z3/(ω2・L1)| (11)式
ここでZ3は、並列接続点12、13から送信回路7と受信回路8側を見たインピーダンスである。コンデンサC5、C6が取り付けてない場合の受信電圧V2は次のように表わされる。
V2=E2・|Z3/(Z3+ω2・L1)| (12)式
インピーダンスZ3は殆ど抵抗と考えられるので(11)式の分母は(12)式の分母よりも明らかに小さい。従って、コンデンサC5、C6を接続したことにより受信電圧V2は非常に大きな値となる効果を生ずる。
図10は、図8に示した第2の実施形態のループアンテナ回路1bの変形実施形態であり、図1の第1の実施形態のループアンテナ回路1の変形実施形態である図3のループアンテナ回路1aに相当するものである。本ループアンテナ回路1cは、コンデンサC6に直列に抵抗R2を追加したものである。コンデンサC5、C6の値は、図8のループアンテナ回路1bと同じで送信周波数f1にて直列共振、受信周波数f2にて並列共振を起こすように設定する。
抵抗R2を追加した理由は図3のループアンテナ回路1aの場合と同様であり、直列共振のQの値を下げて共振周波数が送信周波数f1からずれた場合の送信電波の強度変化を少なくするためである。
これらのループアンテナ回路1b、1cは、図2、図4、図5、図6、図7に示した送受信装置6、10、20、25、30中のループアンテナ回路1、1a等の代わりに使用することができる。そして、各図の送受信装置について前に説明したと同様の効果を奏する。
第1の実施形態に係るループアンテナ回路1の回路構成である。 第1の実施形態に係る送受信装置6の回路構成である。 第1の実施形態に係るループアンテナ回路1の変形実施形態である。 第1の実施形態に係る送受信装置6の変形実施形態である。 第1の実施形態に係る送受信装置6の他の変形実施形態である。 第1の実施形態に係る送受信装置6の更に他の変形実施形態である。 第1の実施形態に係る送受信装置6の更に他の変形実施形態である。 第2の実施形態に係るループアンテナ回路1bの回路構成である。 第2の実施形態に係る送受信装置35の回路構成である。 第2の実施形態に係るループアンテナ回路1bの変形実施形態である。 従来技術に係る図1相当図である。
符号の説明
図面中、1、1a、1b、1cはループアンテナ回路、2はループアンテナ、3、4は入出力端子、6、10、20、25、30、35は送受信装置、7は送信回路、8は受信回路、11はトランス、26、27は共振回路(直列共振回路)、31はハイブリッドトランス、32は2線4線変換回路、C1は第1のコンデンサ、C2は第2のコンデンサ、C5は第3のコンデンサ、C6は第4のコンデンサ、R2、R3は抵抗を示す。

Claims (8)

  1. ループアンテナ(2)と第1のコンデンサ(C1)との直列回路に第2のコンデンサ(C2)を並列に接続し、該第2のコンデンサの両端を信号の入出力端子(3、4)としたことを特徴とするループアンテナ回路。
  2. ループアンテナ(2)と第3のコンデンサ(C5)との並列回路に第4のコンデンサ(C6)を直列に接続し、該直列接続した回路の両端を信号の入出力端子(3、4)としたことを特徴とするループアンテナ回路。
  3. 請求項1又は2に記載のループアンテナ回路であって、該回路を使用する送受信装置の送信周波数において直列共振、受信周波数において並列共振を起こすように回路定数を定めたことを特徴とするループアンテナ回路。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のループアンテナ回路において、前記入出力端子(3、4)の一端に直列に抵抗(R2)を追加接続したことを特徴とするループアンテナ回路。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のループアンテナ回路の前記入出力端子間に、低出力インピーダンスの送信回路(7)と高入力インピーダンスの受信回路(8)とを並列接続したことを特徴とする送受信装置。
  6. 請求項5に記載の送受信装置において、前記送信回路と受信回路とを並列接続する代わりにハイブリッドトランス(31)を使用した2線4線変換回路(32)を設け、2線側に前記ループアンテナ回路を、4線側に前記送信回路と受信回路とを接続したことを特徴とする送受信装置。
  7. 請求項5又は6に記載の送受信装置において、前記ループアンテナ回路の入出力端子の近くにインピーダンス・マッチング用のトランス(11)を設けたことを特徴とする送受信装置。
  8. 請求項5乃至7の何れかに記載の送受信装置において、前記送信回路には送信周波数で直列共振する共振回路(26)を出力側に直列に、前記受信回路には受信周波数で直列共振する共振回路(27)を入力側に直列に追加接続したことを特徴とする送受信装置。
JP2004309520A 2004-10-25 2004-10-25 ループアンテナ回路及びそれを用いた送受信装置 Pending JP2006121579A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004309520A JP2006121579A (ja) 2004-10-25 2004-10-25 ループアンテナ回路及びそれを用いた送受信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004309520A JP2006121579A (ja) 2004-10-25 2004-10-25 ループアンテナ回路及びそれを用いた送受信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006121579A true JP2006121579A (ja) 2006-05-11

Family

ID=36539020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004309520A Pending JP2006121579A (ja) 2004-10-25 2004-10-25 ループアンテナ回路及びそれを用いた送受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006121579A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010083224A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Hitachi Ltd 送受信装置および列車制御用送受信装置
JP2010200061A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Panasonic Corp アンテナ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010083224A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Hitachi Ltd 送受信装置および列車制御用送受信装置
JP2010200061A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Panasonic Corp アンテナ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2143160C1 (ru) Симметрирующее устройство, устройство радиосвязи и способ конструирования антенной системы
US10128815B2 (en) Branching device
US9667304B2 (en) RF duplexing device
US6956535B2 (en) Coaxial inductor and dipole EH antenna
US7403403B2 (en) Noise suppressor
KR20090121461A (ko) 발룬 회로 및 노치 필터를 포함하는 수신회로 및 동작 방법
US20140070898A1 (en) Low Phase Noise Voltage Controlled Oscillators
KR101249242B1 (ko) 자계 공진 무선전력전송을 위한 다중 루프를 갖는 자기 공진코일
TW201409954A (zh) 收發器前端
JP6100445B1 (ja) トランスフィードバック電圧制御発振器(vco)
US9853623B2 (en) High-selectivity low-loss duplexer
JPWO2014050482A1 (ja) インピーダンス変換回路の設計方法
JP2008005182A (ja) バンドパスフィルタ回路
TW201409951A (zh) 收發器前端
CN103050787B (zh) 天线
CN116569482A (zh) 具有串联变压器组合器和谐波调谐的功率放大器
JPS61265905A (ja) 二周波共用アンテナ
JP2006121579A (ja) ループアンテナ回路及びそれを用いた送受信装置
US7242361B2 (en) Antenna structure with filter effect
JP2012089924A (ja) 雑音除去フィルタ
CN109450381B (zh) 一种无源宽带混频器
US20140043113A1 (en) Duplexer with phase shifter circuit
JP2004248119A (ja) Plcモデム
RU2342782C1 (ru) Устройство передачи информации по линиям наружного освещения
Shivaanivarsha et al. Design and implementation of 40m band LSB mode home brew HAM radio for emergency applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20061213

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080624

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20080822

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080924

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02