JP2006120199A - 光記録媒体の情報再生方法及び識別方法 - Google Patents

光記録媒体の情報再生方法及び識別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光記録媒体の判別からユーザー情報等の記録再生開始までのリードタイムを短くし、且つ、低コストで光ディスクの判別を可能とする識別方法を提供する。
【解決手段】 光記録媒体に記録された少なくとも識別情報を含む情報を再生する方法であって、所定のスポットサイズを有する第1光ビームを照射して情報再生が行われる第1光記録媒体に、第1光ビームより小さなスポットサイズを有する第2光ビームを照射し、第1光記録媒体からの第2光ビームに基いて第1光記録媒体の識別情報を再生する。
【選択図】 図5

Description

本発明は光記録媒体の情報再生方法に関し、より詳細には、複数のレーザ光源及び/又は光学系を備えた情報記録再生装置で光記録媒体に記録された少なくとも識別情報を含む情報を再生する方法に関する。
これまで、マルチメディア化に対応して、大量のデータを高密度で記録することができ且つ迅速に記録再生可能な情報記録媒体として、光情報記録媒体(光ディスク)が注目されてきた。実際、近年のコンパクトディスク(CD)やDVDの普及にみられるように、光ディスクが非常に一般的な記録媒体として定着している。これらの光ディスクの記録再生装置としては、CDやレーザーディスク等のようにディスク製作時に情報をディスク上にスタンピングして記録し、情報の再生のみを可能とした再生専用型ディスクに対応した記録再生装置、CD−R等のように一回だけの記録を可能とした追記型ディスクに対応した記録再生装置、並びに、光磁気記録方式や相変化記録方式を用いて何回もデータの書き換え及び消去が可能な書き換え型ディスクに対応した記録再生装置が知られている。
光ディスクにおけるデータの記録再生は、レーザ光を対物レンズを用いて回折限界にまで絞り込んだ光スポットを光ディスクの記録面に照射することにより行われる。この光スポットの径は、レーザ光の波長をλとし、対物レンズの開口数をNAとすると(λ/NA)程度となる。一般に、光ディスクの大容量化を図るためには、情報の記録再生時に、よりスポット径の小さい光ビームを用いることが有効である。それゆえ、近年の光ディスクの大容量化の要望に応えるために、光ディスク製品における高密度化が進むとともに、これらの光ディスクに情報を記録再生する記録再生装置においても、より短波長なレーザを採用したり、あるいは、より大きな開口数(NA)を有する対物レンズを採用したりして、光ディスクの記録面上に集光するスポット径を小さくする技術の開発が進められている。例えば、具体的には、レーザ光源の波長を650nmまたは635nmとして短波長化したり、対物レンズの開口数(NA)を0.6にして高NA化が図られている。また、次世代の光記録においては、一層の情報の高密度化を図るためにさらなる短波長化及び高NA化が提案されており、例えば、レーザ光源の波長を400nm程度とし、対物レンズの開口数NAを0.6以上とすることが提案されている。
光ディスクにおける情報の高密度化の流れを、より具体的に説明すると、従来、CD−R/RWではレーザ波長が780nmであり、開口数が0.45であるのに対して、DVD−R/RW/RAMではレーザ波長が650nmであり、開口数が0.6前後に設定されていた。これに対し、現在では、さらなる市場要求に応えるべく光ディスクの高性能化が進められ、より短波長の青色レーザを用いた大容量の光ディスクの開発が加速しており、レーザ波長が405nm、開口数が0.65〜0.85である光ヘッドに対応した光ディスクの規格が検討されている。
ところで、上述のように規格(種類)の異なる多種の光ディスクが製品化されると、それらの光ディスクを駆動するための各種駆動装置(記録及び/又は再生装置、以下、ドライブともいう)間における光ディスクの互換性が重要な課題となる。新しい規格の光ディスク製品は既存のドライブに装着できず、かつ既存の光ディスクは新しいドライブに装着できない形態、すなわち光ディスクの互換性を断ち切った形態をとれば、光ディスクの互換性に関する問題を考慮する必要はない。しかしながら、ユーザーの立場で考えると、既存の光ディスクを新しいドライブを装着した際にも、情報の記録や再生ができることが望ましい。それゆえ、ドライブとしては規格の異なる光ディスクに対しても駆動できるような構造にする必要がある。例えば、ドライブに規格の異なる光ディスクを判別する機能が必要になる。
現在、波長の異なる複数のレーザ光源及び/又は光学系を1つのドライブに搭載し、規格の異なる光ディスクに対応可能なドライブ、いわゆるマルチドライブが開発されている。マルチドライブでは、光ディスクがドライブに挿入されると、挿入された光ディスクの種類を判別して、その光ディスクに対応したレーザ光源及び光学系で情報の記録や再生が行われる。なお、光ディスクの種類を判別は、一般に、光ディスクに記録された識別情報を再生して光ディスクの判別を行う。ただし、規格の異なる光ディスクが略同じ光学系を使用している場合には、同じ光学系を用いて光ディスクに記録された識別情報を再生して、光ディスクの判別を行うことが可能である。
従来、光ディスクの種類を判別する方式として、フォーカスエラー信号に含まれるS字カーブの個数と振幅値に基づいてディスクの種類を判別して設定した後、実際に信号の読み取りを行い、その結果に基いて設定内容を変更する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、光学記録媒体の厚さを検出する基板厚センサの検出結果に応じて光学記録媒体への照射光の焦点距離を調節する基板厚補正手段により、光ディスクの基板厚さを識別して光ディスクの種類を判別する方法が従来提案されている(例えば、特許文献2を参照)。さらに、ピックアップをトラックが横切る方向に一定距離移動させて、トラック数をカウントすることにより、トラック密度の違いを検出して搭載されているディスクがCDであるか、DVDであるかを判別する方法も提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開2000−149392号公報(第3−6頁、第1−7図) 特開平10−334575号公報(第3−4頁、第1−6図) 特開平11−213529号公報(第3頁、第3図)
規格の異なる光ディスクの識別を行うために、上記特許文献2に記載のような基板厚センサなどの判別手段を用いた場合には、判別手段を光ヘッドとは別に設ける必要がある。それゆえ、このような方法では、ドライブのコストが上昇するという問題が生じる。また、このような方法では、判別手段で光ディスクの判別を行った後に、光ヘッドを駆動するので、情報の記録再生動作が可能になるまでのリードタイムが長くなるという問題が生じる。
また、上述のような特別な判別手段を設けずに、直接光ヘッドをアクセスして光ディスクの種類を判別する場合には、ドライブに装着された光ディスクが常にスポット径の大きい光ビームを発生する光ヘッドに対応する光ディスクであることを想定して、スポット径の大きな光ビームを用いて光ディスクの判別動作を行う必要があった。なぜならば、スポット径の大きい光ビームに対応し且つ記録可能な光ディスクがドライブに装着された際に、この光ディスクに対応する光ビームよりスポット径の小さい光ビームを発生する光ヘッドで光ディスクの判別動作を行うと、光ビームのスポット径が小さくなるほど光ビームのエネルギー密度が高くなるので、光ディスクの記録層に傷をつけたり、記録された情報を誤消去したり、あるいは記録不能にしたりするおそれがある。例えば、青色レーザを搭載したHD DVD(AOD:Advanced Optical Disc)用のドライブに赤色レーザ対応の記録可能な光ディスク(DVD−R、CD−R等)が挿入された場合に、青色レーザを照射して光ディスクの種類の判別を行うと、青色のレーザ光の方が赤色のレーザ光よりエネルギー密度が大きいので、その際に赤色レーザ対応の光ディスクに記録されたデータを破壊したり、光ディスクの未記録領域に損傷を与えたりするおそれがある。
上述のような問題を解決するため、従来のマルチドライブでは、光ディスクがドライブに装着された際に、スポット径の大きい方の光ビームを用いて装着された光ディスクの種類の判別を行う。そして、判別した結果、装着された光ディスクがスポット径の大きい方の光ビームに対応する光ディスクであったならば、光ヘッドを切り換えずにアクセスを継続し、ユーザー情報等の記録及び/又は再生を行う。一方、装着された光ディスクがスポット径の小さい方の光ビームに対応する光ディスクであったならば、光ヘッドをスポット径の小さい方の光ヘッドに切り換えてユーザー情報等の記録及び/又は再生を行う。
より具体的に説明すると、例えば、赤色レーザ対応の光ディスクDVD−Rと青色レーザ対応の光ディスクAODの両方に対応可能なマルチドライブの場合、いずれの光ディスクがドライブに装着されても、最初に赤色レーザで光ディスクの種類を判別する。そして、光ディスクがDVD−Rであるという判別結果が得られた場合には、そのまま赤色レーザを搭載した光ヘッドでアクセスを継続して情報の記録及び/又は再生を行なう。一方、光ディスクがAODであるという判別結果が得られた場合には、光ヘッドを赤色レーザを搭載した光ヘッドから青色レーザを搭載した光ヘッドに切り換えて情報の記録及び/又は再生を行う。これは上述したように、光ディスクがドライブに装着された際に、最初からエネルギー密度の高い青色レーザを照射して判別動作を行うと、装着された光ディスクがDVD−R等の記録可能な赤色レーザ対応の光ディスクであった場合には、赤色レーザ対応の記録可能な光ディスクに記録されている情報を誤って消去してしまう恐れがあるためである。
今後、さらなる大容量の光ディスクのニーズが高まるとともに、使用する光ディスクの主流は、低容量の赤色レーザ対応の光ディスクDVDから大容量の青色レーザ対応の光ディスクAODへと移行する可能性は高い。そのような状況においては、大容量の青色レーザ対応の光ディスクAODの使用頻度が増大するので、従来のドライブで光ディスクを駆動すると、上述のように、光ディスクの判別は赤色レーザを搭載した光ヘッドで行い、その後青色レーザを搭載した光ヘッドに切り換えるという動作の頻度が増大する。その結果、光ディスクの判別からユーザー情報等の記録再生開始までにかかる時間が長くなるという問題が生じる。また、青色レーザを搭載した光ヘッドのみを備えるドライブにおいては、赤色レーザ対応の光ディスクに対しても必ず青色レーザを照射して光ディスクの判別動作を行うので、上記問題、すなわち、赤色レーザ対応の記録可能な光ディスクに記録されている情報を誤って消去してしまうなどの問題は回避することができず、より重大な問題となり得る。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、規格の異なる光ディスクの記録及び/又は再生が可能なドライブにおいて、短波長レーザ(例えば、青色レーザ)対応の光ディスク(例えば、AOD等)の使用頻度が増大しても、光ディスクの判別からユーザー情報等の記録再生までの一連の動作の処理時間を短縮し、且つ、低コストで光ディスクの判別を可能とする情報再生方法及び識別方法を提供するものである。
本発明の第1の態様に従えば、光記録媒体に記録された少なくとも識別情報を含む情報を再生する方法であって、所定のスポットサイズを有する第1光ビームを照射して情報再生が行われる第1光記録媒体に、第1光ビームより小さなスポットサイズを有する第2光ビームを照射することと、第1光記録媒体からの第2光ビームに基いて第1光記録媒体の識別情報を再生することとを含む光記録媒体の情報再生方法が提供される。
本発明の光記録媒体の情報再生方法では、第1光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA及び第1光記録媒体の線速度をVとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、第1光記録媒体の線速度をV及び第2光ビームの再生パワーをPrとしたとき、
Pr≦{(λNA)/(λNA)}Pr1max(V/V1/2
の関係が満たされるように、第2光ビームの再生パワーPrを設定することが好ましい。
本発明の光記録媒体の情報再生方法では、第1光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA及び第1光記録媒体の線速度をVとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、第1光記録媒体の線速度をV及び第2光ビームの再生パワーをPrとしたとき、
≧{(λNA)/(λNA)}(Pr/Pr1max
の関係が満たされるように、第1光記録媒体の線速度Vを設定することが好ましい。
本発明の光記録媒体の情報再生方法では、第1光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ及び対物レンズの開口数をNAとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、第2光ビームの再生パワーをPr及び第1光記録媒体に照射される第2光ビームのスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率をαとしたとき、
α≧(Pr/Pr1max){(λNA)/(λNA)}
の関係が満たされるように、第2光ビームのスポット面積の拡大率αを設定することが好ましい。
上述のように、将来、主に使用する光ディスクがAOD等の大容量の光ディスクとなった場合、光ディスクの判別を赤色レーザを搭載した光ヘッドで行い、その後青色レーザを搭載した光ヘッドに切り換えて情報の記録再生を行っていたのでは、光ディスクの判別からユーザー情報等の記録再生開始までの処理時間が長くなってしまう。この問題を解決するために、光ディスクの判別を青色レーザで行うことができれば、光ディスクの判別動作からユーザー情報等の記録再生動作に移行する際に光ヘッドを切り換える頻度が低くなるので、光ディスクの判別後、記録再生操作を開始するまでの時間を平均的に短縮することができる。しかしながら、上述のように、青色レーザのレーザ光は赤色レーザのレーザ光に比べてスポット径が小さく絞られているためエネルギー密度が高い。それゆえ、ドライブに装着された光ディスクが、例えば、CD−RやDVD−Rなどの記録可能な光ディスクである場合、青色レーザで光ディスクの判別動作を行うとCD−RやDVD−Rに記録された情報を傷つけたり、光ディスクの未記録領域に欠陥を作ってしまったりするおそれがある。
本発明の光記録媒体の情報再生方法では、上記課題を解決するために、所定のスポット径を有する第1光ビームより小さなスポット径を有する第2光ビームを用いて情報記録再生装置に装着された光記録媒体を判別する際に、装着された光記録媒体が第1光ビームに対応する第1光記録媒体であっても、第1光記録媒体に記録されている情報が破壊されない再生条件で第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する。すなわち、よりスポット径の小さい第2光ビームを装着された光記録媒体に照射して装着された光記録媒体を判別する際に、装着された光記録媒体に記録されている情報が破壊されない再生条件で装着された光記録媒体の識別情報を再生して装着された光記録媒体の種類を判別する。より具体的に説明すると、本発明の識別方法では、例えば、DVD及びAODに対応可能な情報記録再生装置において、情報記録再生装置に装着された光ディスクの種類を青色レーザを搭載した光ヘッドを用いて判別する。その際、装着された光ディスクがDVDであっても、DVDに記録された情報が破壊されないような再生条件で青色のレーザ光をDVDに照射してDVDに記録された識別情報を再生する。
なお、本明細書でいう「光ヘッド」には、レーザ光源及びレンズ等の光学部材が含まれ、複数の光ヘッド間では、レンズ等の光学部材が共通であっても良いし、別個に備えていても良い。複数の光ヘッド間で、レンズ等の光学部材が共通である場合には、レーザ光源を切り換えることにより、光ビームのスポットサイズが切り換えられる。また、本発明では、光記録媒体の識別情報はBCA(Burst Cutting Area)に記録されていることが好ましい。
本発明における光記録媒体の識別情報の再生手順は、次の通りである。まず、所定のスポットサイズを有する第1光ビームを用いて第1光記録媒体の情報再生を行う際に照射可能な第1光ビームの最大再生パワーPr1max(記録データが破壊されない第1光ビームの再生レーザパワーの最大値)に基いて、第1光ビームより小さなスポットサイズの第2光ビームを情報記録再生装置に装着された光記録媒体に照射して装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の再生条件を設定する。この際、装着された光記録媒体に照射される再生パワーPrの第2光ビームのエネルギー密度が、最大再生パワーPr1maxの第1光ビームを第1光記録媒体に照射したときのエネルギー密度を超えないように、装着された光記録媒体判別時の再生条件が設定される。次いで、設定された再生条件で第2光ビームを装着された光記録媒体に照射する。次いで、装着された光記録媒体からの第2光ビーム(光記録媒体からの反射光または透過光)に基いて装着された光記録媒体の識別情報を再生し、光記録媒体の種類を判別する。
なお、第1光記録媒体の情報再生を行う際に照射可能な第1光ビームの最大再生パワーPr1maxは、情報記録再生装置に装着された光記録媒体の種類を判別する前に、予め測定しておくことが好ましい。ここで、第1光記録媒体の情報を再生する際に照射可能な第1光ビームの最大再生パワーPr1maxの測定方法について具体的に説明する。まず、波長λのレーザを搭載した第1光ヘッド(以下、λ光ヘッドともいう)でユーザー情報等の記録再生を行う第1光記録媒体、すなわち、λ光ヘッドに対応する記録可能な第1光記録媒体に対して、λ光ヘッドを用いて、第1光記録媒体の記録可能領域に所定のレーザパワーPeのレーザ光を連続照射する。次いで、λ光ヘッドを用いて、所定の再生パワー(ユーザー情報等の再生時に用いられる再生パワー)のレーザ光を、第1光記録媒体のレーザパワーPeのレーザ光を照射した位置に照射して、再生信号を検出する。上記測定をレーザパワーPeを変化させながら繰り返す。この測定により得られたレーザパワーPeに対する再生信号出力の変化量の特性の一例を図1に示す。
上述のような測定を行うと、図1から明らかなように、レーザパワーPeがある値(図1中のPr1max)より大きくなると、再生信号出力に変化が生じ、さらにレーザパワーPeを大きくすると再生信号出力の変化量が飽和する特性が得られる。レーザパワーPeを再生信号出力の変化量が立ち上がる値より大きくした場合に再生信号出力が変化する理由は、光ディスクの記録層に「記録」状態に相当する変化が生じて再生信号出力が変化したためである。すなわち、図1は、再生信号出力の変化量が立ち上がるレーザパワーPr1maxより大きいレーザパワーのレーザ光を照射すると、記録層が変質して、記録層に記録されている情報が破壊される恐れがあることを示している。それゆえ、第1光記録媒体の情報を再生する際に照射可能な第1光ビームの最大再生パワーは図1中の出力Pr1maxとなる。通常、図1のような特性を示す第1光記録媒体では、情報再生時に照射されるレーザ光の再生パワーPrは再生信号出力の変化量が立ち上がるレーザパワー、すなわち、最大再生パワーPr1max以下になるように設定される。このように再生パワーを設定することにより、第1光記録媒体に記録されたデータを破壊することなく、あるいは第1光記録媒体の未記録領域に損傷を与えることなく情報再生することが可能になる。
また、第1光ビームより小さなスポットサイズの第2光ビームを情報記録再生装置に装着された光記録媒体に照射して装着された光記録媒体の識別情報を再生する際に、装着された光記録媒体に照射される再生パワーPrの第2光ビームのエネルギー密度が、最大再生パワーPr1maxの第1光ビームを第1光記録媒体に照射したときのエネルギー密度を超えないように調整する方法としては、次の3つの方法が考えられる。
[1]装着された光記録媒体に照射される第2光ビームの再生パワーPrを低く設定する。
[2]装着された光記録媒体の線速度を速くする。
[3]装着された光記録媒体に照射される第2光ビームをデフォーカスさせる。
いずれの方法においても、装着された光記録媒体の識別情報を再生する際に、装着された光記録媒体に照射される第2光ビームのエネルギー密度を、装着された光記録媒体に記録されたデータを破壊しないように小さくすることができる。以下に、上記方法[1]〜[3]について詳細に説明する。
[1]第2光ビームの再生パワーPrを低く設定する方法
ここでは、第1光ヘッド(λ光ヘッド)に対応する第1光記録媒体の識別情報を、第1光ヘッドから照射される第1光ビームのスポット径より小さなスポット径の光ビームを発生可能な第2光ヘッド(λ光ヘッド)で再生する場合を考える。なお、λ光ヘッドから照射される第1光ビームの波長をλ及びレンズの開口数をNAとし、λ光ヘッドで第1光記録媒体の情報再生を行う際の線速度をV(図1の実験を行ったときの線速度)及び該再生条件下における第1光ビームの照射可能な最大再生パワーをPr1maxとする。ただし、λ光ヘッドで第1光記録媒体の情報再生を行う際の第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxは上述した方法で予め実測して求めておくものとする。また、λ光ヘッドから照射される第2光ビームの波長をλ及びレンズの開口数をNAとし、λ光ヘッドで第1光記録媒体の識別情報の再生する際の第1光記録媒体の線速度をV及び第2光ビームの再生パワーをPrとする。
方法[1]では、λ光ヘッドに対応する第1光記録媒体の識別情報をλ光ヘッドで再生する際に、
Pr≦{(λNA)/(λNA)}Pr1max(V/V1/2 …(1)
の関係が満たされるように、λ光ヘッドから第1光記録媒体に照射する第2光ビームの再生パワーPrを設定する。なお、一般に、光記録媒体に照射される光ビームのエネルギー密度は、光ビームのスポットサイズ、照射パワー及び光記録媒体の線速度により決定される。上記(1)式は、λ光ヘッドから照射される再生パワーPrの第2光ビームのスポット面積とλ光ヘッドから照射される最大再生パワーPr1maxの第1光ビームのスポット面積との比、並びに、λ光ヘッドで第1光記録媒体の識別情報を再生する際の線速度Vとλ光ヘッドで第1光記録媒体を情報再生する際の線速度Vとの比から算出した。
上記(1)式の関係が満たされるようにλ光ヘッドからの第2光ビームの再生パワーPrを設定すると、λ光ヘッドから再生パワーPrの第2光ビームを第1光記録媒体に照射したときのエネルギー密度は、λ光ヘッドで最大再生パワーPr1maxの第1光ビームを第1光記録媒体に照射したときのエネルギー密度以下の値となる。それゆえ、λ光ヘッドを用いて第1光記録媒体の識別情報を再生する際に、上記方法[1]を用いると、第1記録媒体に記録された情報を破壊することなく、あるいは未記録領域に損傷を与えることなく第1光記録媒体の識別情報を再生することができる。
[2]装着された光記録媒体の線速度を速くする方法
再生時の光記録媒体の線速度を変化させると、光記録媒体の所定領域に照射される光ビームの照射時間が変化するので、光記録媒体に照射される光ビームの単位時間当りの照射量を変化させることができる。再生時の光記録媒体の線速度が速い程、光記録媒体の所定領域に照射される光ビームの照射時間が短くなるので、光記録媒体に照射される光ビームの単位時間当りの照射量を小さくすることができる。それゆえ、再生時の光記録媒体の線速度を速くすることにより、光記録媒体に照射される光ビームのエネルギー密度を小さくすることができる。ここでは、λ光ヘッドに対応する第1光記録媒体の識別情報を、λ光ヘッドから照射される第1光ビームよりスポット径の小さな第2光ビームを発生可能なλ光ヘッドで再生する場合を考える。
方法[2]では、λ光ヘッドを用いて第1光記録媒体の識別情報を再生する際に、λ光ヘッドから第1光記録媒体に照射される第2光ビームのエネルギー密度を小さくするために、第1光記録媒体の線速度Vを増大させる。具体的には、λ光ヘッドを用いて第1光記録媒体の識別情報を再生する際に、上記(1)式から、
≧{(λNA)/(λNA)}(Pr/Pr1max …(2)
の関係が満たされるように、第1光記録媒体の線速度Vを増大させる。なお、方法[2]では、λ光ヘッドから照射される第2光ビームの再生パワーPrは、所定の値、例えば、λ光ヘッドに対応する光記録媒体(第2光記録媒体)をλ光ヘッドで情報再生する際に用いる再生パワーなどの値に設定し得る。
上記(2)式の関係が満たされるように第1光記録媒体の線速度Vを設定した場合も、λ光ヘッドから再生パワーPrの第2光ビームを第1光記録媒体に照射したときのエネルギー密度は、λ光ヘッドで最大再生パワーPr1maxの第1光ビームを第1光記録媒体に照射したときのエネルギー密度以下の値となる。それゆえ、λ光ヘッドを用いて第1光記録媒体の識別情報を再生する際に、上述のような方法[2]を用いても、第1記録媒体に記録された情報を破壊することなく、あるいは未記録領域に損傷を与えることなく第1光記録媒体の識別情報を再生することができる。
なお、上述のようにλ光ヘッドを用いて第1光記録媒体を識別情報を再生する際に、上記(2)式の関係が満たされるように第1光記録媒体の線速度Vを設定しても良いが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記(2)式中のλ光ヘッドで第1光記録媒体の情報再生を行う際の第1光ビームの最大再生パワーPr1maxの代わりに、通常、λ光ヘッドで第1光記録媒体の情報再生を行う際に用いられる第1光ビームの再生パワーPrを用いて、
≧{(λNA)/(λNA)}(Pr/Pr …(2’)
の関係が満たされるように、第1光記録媒体の線速度Vを調整しても良い。上記(2)式の範囲は理論的にデータ破壊を起こさない範囲であり、(2’)式の範囲は(2)式の範囲に含まれる。(2’)式を用いた場合には、第1光ビームの最大再生パワーPr1maxを実測する必要がなく、簡易な設定方式である。ただし、(2’)式を用いて光記録媒体の判別時の再生条件を設定した場合には、その設定可能な範囲が上記(2)式で求めた範囲より狭くなる。それゆえ、状況に応じて適宜(2)式または(2’)式を選択することが好ましい。
[3]第2光ビームをデフォーカスさせる方法
再生時に光記録媒体に照射する光ビームの焦点位置をずらす(デフォーカスする)ことにより、光記録媒体に照射される光ビームのエネルギー密度を小さくすることもできる。光ビームをデフォーカスすると、光記録媒体に照射される光ビームのスポットサイズが大きくなるので、光ビームのエネルギー密度を小さくすることができる。ここでは、λ光ヘッドに対応する第1光記録媒体の識別情報を、λ光ヘッドから照射される第1光ビームのスポット径より小さなスポット径の第2光ビームを発生可能なλ光ヘッドで再生する場合を考える。
方法[3]では、λ光ヘッドを用いて第1光記録媒体の識別情報を再生する際に、λ光ヘッドから第1光記録媒体に照射される第2光ビームのエネルギー密度が、λ光ヘッドで最大再生パワーPr1maxの第1光ビームを第1光記録媒体に照射した際のエネルギー密度以下の値となるように、λ光ヘッドから照射される第2光ビームをデフォーカスして第2光ビームのスポットサイズを広げる。具体的には、λ光ヘッドから第1光記録媒体に照射される第2光ビームのスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率をαとすると、
Pr/[απ{λ/(2NA)}]≦Pr1max/[π{λ/(2NA)}
となるように、すなわち、
α≧(Pr/Pr1max){(λNA)/(λNA)} …(3)
の関係を満足するように、λ光ヘッドから第1光記録媒体に照射される第2光ビームのスポット面積の拡大率をαを設定して、λ光ヘッドから第1光記録媒体に照射される第2光ビームをデフォーカスする。
λ光ヘッドを用いて第1光記録媒体の識別情報を再生する際に、上記(3)式の関係が満たされるようにλ光ヘッドから照射される第2光ビームをデフォーカスして光ビームのスポットサイズを広げると、λ光ヘッドから再生パワーPrの第2光ビームを第1光記録媒体に照射したときのエネルギー密度は、λ光ヘッドで最大再生パワーPr1maxの第1光ビームを第1光記録媒体に照射したときのエネルギー密度以下の値となる。それゆえ、λ光ヘッドを用いて第1光記録媒体の識別情報を再生する際に、上述のような方法[3]を用いても、第1記録媒体に記録された情報を破壊することなく、あるいは未記録領域に損傷を与えることなく第1光記録媒体の識別情報を再生することができる。
上述のように、方法[1]〜[3]で設定されたPr、V及びαを用いて第1光記録媒体の識別情報を再生すれば、第1光記録媒体の判別時に第1光記録媒体に記録された情報を破壊することはない。一方、上述の方法[1]〜[3]で設定された再生条件は、第2光記録媒体に対して通常の再生時に設定される再生条件より、第2光記録媒体に照射される光ビームのエネルギー密度が低くなるので、第2光記録媒体の識別情報を再生する際にも第2光記録媒体の記録情報を破壊することはない。それゆえ、上記方法[1]〜[3]のいずれかの設定条件で装着された光記録媒体の識別情報を再生しても、装着された光記録媒体の種類に関係なくその記録情報を破壊することなく装着された光記録媒体の種類を識別することができる。
また、本発明の光記録媒体の情報再生方法では、予め、第1光記録媒体に照射し得る第2光ビームの最大再生パワーPr2maxを実測しておき、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの再生パワーを上記最大再生パワーPr2max以下に設定することも可能である。具体的な方法としては、図1で説明した方法と同様の方法で第1光記録媒体に照射し得る第2光ビームの最大再生パワーPr2maxを実測することができる。ただし、この場合、図1で説明した方法において、第1光ビームの代わりに第2光ビームを第1光記録媒体に照射して同様の実験を行う。その結果、図1と同様の特性が得られるので、その特性の信号変化点をPr2maxとすることにより、第1光記録媒体に照射し得る第2光ビームの最大再生パワーPr2maxを求めることができる。
本発明の光記録媒体の情報再生方法では、予め、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生し得る第1光記録媒体の線速度Vの最小値V2minを実測しておき、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第1光記録媒体の線速度Vを上記最小値V2min以上に設定することも可能である。
本発明の光記録媒体の情報再生方法では、予め、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生し得る第2光ビームのスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率αの最小値αminを実測しておき、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームのスポット面積の拡大率αを上記最小値αmin以上となるように設定することも可能である。
また、3種類以上の規格の異なる光記録媒体に対応可能な情報記録再生装置において、より小さなスポット径の光ビームを照射して装着された光記録媒体の種類を判別する場合にも、上記方法と同様の方法で装着された光記録媒体の識別情報を再生することができる。具体的には、次のような方法で装着された光記録媒体の識別情報を再生することが好ましい。
まず、情報記録再生装置に装着し得る複数の光記録媒体(A、B、C、…)の中で、最も装着頻度が高いと考えられる光記録媒体Aを選択する。ただし、光記録媒体Aは、上記複数の光記録媒体のうち最大スポット径の光ビームに対応する光記録媒体でないものとする。この場合、光記録媒体A以外の各光記録媒体(B、C、…)は上述の方法で説明した第1光記録媒体に対応する。次いで、最も装着頻度が高いと考えられる光記録媒体Aを選択した後、上記方法[1]〜[3]に従って、光記録媒体Aの情報再生に用いられる光ヘッドa(第2光ビームを照射する光ヘッド)を用いて光記録媒体B、C、…の識別情報を再生する際の再生パワーPr、線速度Vまたはスポット拡大率αを各光記録媒体毎に求める。
次いで、光ヘッドaを用いて装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の再生条件を再生パワーPrで調整する場合には、光記録媒体B、C、…においてそれぞれ求められた再生パワーPrのうち最小値を、光ヘッドaを用いて装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の再生パワーPrとする。また、光ヘッドaを用いて装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の再生条件を線速度Vまたはスポット拡大率αで調整する場合には、光記録媒体B、C、…においてそれぞれ求められた線速度Vのうち最大値、または、スポット拡大率αのうち最大値を、光ヘッドaを用いて装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の線速度Vまたはスポット拡大率αとする。上述のように、装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の再生条件を設定した後、光ヘッドaを用いて装着された光記録媒体の種類を判別する。次いで、判別された光記録媒体の種類に対応した光ヘッドを用いて、情報の記録及び/又は再生を行う。
本発明の第2の態様に従えば、互いに異なるスポットサイズの光ビームで情報再生が行われる異なる種類の光記録媒体を装着可能な情報記録再生装置で、該光記録媒体に記録された識別情報を再生することにより該光記録媒体の種類を識別する方法であって、上記情報記録再生装置に装着された光記録媒体に、上記異なるスポットサイズの光ビームのうち最大スポットサイズを有する第1光ビームよりスポットサイズの小さな第2光ビームを照射することと、上記装着された光記録媒体の識別情報を再生することとを含む光記録媒体の識別方法が提供される。
本発明の光記録媒体の識別方法では、第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体に第1光ビームを照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA及び第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体の線速度をVとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、上記装着された光記録媒体の線速度をV及び第2光ビームの再生パワーをPrとしたとき、
Pr≦{(λNA)/(λNA)}Pr1max(V/V1/2
の関係が満たされるように、第2光ビームの再生パワーPrを設定することが好ましい。
本発明の光記録媒体の識別方法では、第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体に第1光ビームを照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA及び第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体の線速度をVとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、上記装着された光記録媒体の線速度をV及び第2光ビームの再生パワーをPrとしたとき、
≧{(λNA)/(λNA)}(Pr/Pr1max
の関係が満たされるように、上記装着された光記録媒体の線速度Vを設定することが好ましい。
また、本発明の光記録媒体の識別方法では、第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体に第1光ビームを照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ及び対物レンズの開口数をNAとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、第2光ビームの再生パワーをPr及び上記装着された光記録媒体に照射される第2光ビームのスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率をαとしたとき、
α≧(Pr/Pr1max){(λNA)/(λNA)}
の関係が満たされるように、第2光ビームのスポット面積の拡大率αを設定することが好ましい。
さらに、本発明の光記録媒体の識別方法では、予め、上記装着された光記録媒体に照射し得る第2光ビームの最大再生パワーPr2maxを実測しておき、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの再生パワーを上記最大再生パワーPr2max以下に設定することも可能である。
本発明の光記録媒体の識別方法では、予め、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して情報再生し得る上記装着された光記録媒体の線速度の最小値V2minを実測しておき、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の上記装着された光記録媒体の線速度を上記最小値V2min以上に設定することも可能である。
本発明の光記録媒体の識別方法では、予め、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して情報再生し得る第2光ビームのスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率の最小値αminを実測しておき、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームのスポット面積の拡大率を上記最小値αmin以上となるように設定することも可能である。
本発明の光記録媒体の情報再生方法及び識別方法によれば、所定のスポット径を有する第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体の識別情報を、第1光ビームより小さいスポット径を有する第2光ビームを該光記録媒体に照射して再生しても、該光記録媒体に記録された情報を破壊したり、該光記録媒体の未記録領域に損傷を与えたりすることなく該光記録媒体の種類を判別することができる。
また、本発明の光記録媒体の情報再生方法及び識別方法によれば、スポット径のより小さな光ビームを形成可能な(短波長)光ヘッドを用いて、光記録媒体の種類を判別することができるので、将来、短波長レーザ対応の光記録媒体(例えば、AOD等)の使用頻度が増大しても、判別後に光ヘッドを切り換える頻度が低くなるので、情報記録再生装置に装着された光記録媒体の判別からユーザー情報等の記録再生開始までの時間を短縮することができる。
さらに、本発明の光記録媒体の識別方法によれば、光記録媒体の情報再生を行う光ヘッドを用いて光記録媒体の判別を行うことができるので、光ヘッドとは別に、光記録媒体の判別手段を新たに設ける必要がない。それゆえ、本発明の光記録媒体の識別方法を用いることにより、情報記録再生装置の低コスト化を図ることができる。
以下に、本発明の光記録媒体の識別方法について、図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1では、青色レーザで情報の記録再生が可能なHD−DVD(以下、AODという)と、赤色レーザで情報の記録再生が可能なDVD−Rとを駆動することができる情報記録再生装置における光ディスクの識別方法について説明する。この例では、青色レーザを搭載した光ヘッド(以下、AODヘッドともいう)で情報記録再生装置に装着された光ディスクの種類を判別する。そして、光ディスクの種類を判別する際には、上記(1)式の関係を満たすように、AODヘッドから光ディスクに照射するレーザ光の出力Prを設定した。
[光ディスク]
まず、この例で用意したAOD及びDVD−R(16X)について説明する。この例で用意したAOD及びDVD−R(16X)はともに、直径120mm、厚さ0.6mmの基板上に所定の膜(記録層、反射層等)が所定の順序で積層された約1.2mm厚の光ディスクであり、両者の光ディスクは形状的に互換性を有している。なお、この例で用いた光ディスクの識別情報は、AOD及びDVD−Rともに、光ディスクの内周近傍領域に設けたBCAに記録した。
ただし、DVD−Rに記録されている識別情報はDVDヘッドで再生可能であるのはもちろん、AODヘッドでも識別情報の一部または全部が再生認識可能であるようなフォーマットで記録されていることが好ましい。また、AODに記録されている識別情報はAODヘッドで再生可能であるのはもちろん、DVDヘッドでも識別情報の一部または全部が再生認識可能であるようなフォーマットで記録されていることが好ましい。
この例で用いたAODの概略断面図を図2に示した。この例で用いたAOD20は、有機色素を含有する記録層を備えた追記型の光ディスクであり、図2に示すように、ポリカーボネート樹脂製の第1基板21上に、第1中間層22、第1記録層23、第1反射層24及び第1カバー層25を順次形成した第1ディスク20aと、第1ディスク20aと同じ構成、即ち、第2基板31上に、第2中間層32、第2記録層33、第2反射層34及び第2カバー層35を順次形成した第2ディスク20bとを備え、接着層26を介して、第1カバー層25及び第2カバー層35が向き合うように第1ディスク20aと第2ディスク20bとを貼り合わせた構造を有する。
この例で用いたAOD20は、次のようにして作製した。まず、第1基板21は、直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂製基板であり、射出成形により作製した。第1基板21の表面には所定形状の溝等を形成した。次いで、第1基板21上に、第1中間層22としてZnS−SiO膜をスパッタ法により形成した。第1中間層22は、ZnS−SiOターゲットをアルゴンガス中でスパッタリングすることにより形成した。第1中間層22の膜厚は20nmとした。なお、第1中間層22としては、SiO膜を用いても良い。
次いで、第1中間層22上に、有機色素を含有する第1記録層23を形成した。第1記録層23は次のようにして形成した。まず、カルボスチリル系化合物の中で、下記化学式で表される有機色素0.5gをオクタフルオロペンタノール40gに溶解し、これを40℃の温度で30分間超音波分散した。次いで、超音波分散した溶液を0.2μmのフィルターでろ過した。次いで、ろ過した溶液を第1基板21上に回転数1300rpmでスピンコートし、80℃に温調されたオーブンで30分乾燥して第1記録層23を形成した。
Figure 2006120199
次いで、第1記録層23上に、第1反射層24として、Ag膜をスパッタ法により約160nmの膜厚で形成した。次いで、第1反射層23上に、紫外線硬化樹脂の前駆体をスピンコートし、紫外線照射により硬化させ、厚さ10μmの第1カバー層25を形成した。上述のようにして第1ディスク20aを作製した。
次に、第2ディスク20bを第1ディスク20aと同様の方法で作製した。次いで、接着層26を介して、第1カバー層25及び第2カバー層35が向き合うように第1ディスク20aと第2ディスク20bを貼り合わせた。接着層26としては、遅効性紫外線硬化型接着剤を用いた。このようにして、この例のAOD20を作製した。
また、この例で用いたDVD−R(16X)の概略断面図を図3に示した。この例で用いたDVD−R40は、有機色素を含有する記録層を備えた追記型の光記録媒体であり、図3に示すように、ポリカーボネート樹脂製の基板41上に、記録層42、反射層43、接着層44及びダミー基板45を順次形成した構造を有する。この例で用いたDVD−R40は次のようにして作製した。
まず、基板41には帝人化成製ポリカーボネートAD5503を用い、射出成形により基板41を次のように作製した。射出成形機に所定パターンが形成されたスタンパを装着し、次いで、装着されたスタンパの所定パターンを射出成形により基板に転写して基板41にプリフォーマット領域、情報記録領域等の所定パターンを形成した。情報記録領域にはトラックピッチ0.74μm、半値幅0.32μm及び深さ170nmのグルーブを形成した。なお、基板41の形状は、内径15mm、外径120mm及び厚さ0.6mmとした。
次いで、基板41のプリフォーマット面上に、有機色素を含有する記録層42を形成した。記録層42は次のようにして形成した。まず、下記化学式で表わされるアゾ系色素1.3重量%の濃度を有するテトラフルオロプロパノール溶液を、基板41上にスピンコートした。スピンコートは、回転数100rpmで回転している基板41上に上記色素溶液0.5gをディスペンサーで供給し、その後、回転数1000rpmから3000rpmまで基板41を回転させ、最後に5000rpmで2秒間回転させた。この際、基板41に形成されたグルーブ部分での記録層42の厚さが130nmとなるように上記色素溶液を塗布した。次いで、上記色素溶液を塗布した基板41を70℃で1時間乾燥し、さらに、室温で1時間冷却した。こうして、記録層42を基板41上に形成した。
Figure 2006120199
次いで、記録層42上に、反射層43としてAg膜をスパッタ法により160nmの膜厚で形成した。次いで、反射層43上に、接着層44として紫外線硬化型樹脂材料をスピンコートし、その上にダミー基板45を載置した。ダミー基板45としては、内径15mm、外径120mm及び厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板を用いた。次いで、ダミー基板45側から紫外線を照射して接着層44を硬化し、上述の各層が形成された基板41とダミー基板45とを貼り合せた。このようにして、この例のDVD−R40を作製した。なお、基板41の記録層42側とは反対側の表面に、ハードコート材料をコートすることも可能である。
[情報記録再生装置]
この例では、波長λ=405nm(青色)のレーザ及び開口数NA=0.65の対物レンズが搭載されたAODに対応可能な光ヘッド(AODヘッド)と、波長λ=650nm(赤色)のレーザ及び開口数NA=0.60の対物レンズが搭載されたDVD−Rに対応可能な光ヘッド(DVDヘッド)とを備えた情報記録再生装置を用いた。この例の情報記録再生装置では、装着された光ディスクの種類(AODまたはDVD−R)を判別するための光ヘッドとしてAODヘッドを用いた。
[光ディスクの識別方法]
次に、この例の光ディスクの識別方法について説明する。まず、DVDヘッド(赤色レーザ)でDVD−R(16X)の情報再生を行う際に照射可能な赤色レーザの最大再生パワーPr1max(DVD−Rの記録データが破壊されない再生レーザパワーの最大値)を測定した。DVD−Rに照射可能な赤色レーザの最大再生パワーPr1maxの測定方法は次の通りである。まず、DVDヘッドでDVD−Rの情報記録領域に所定のレーザパワーPeのレーザ光を連続発光して照射した。次いで、DVD−Rの通常の情報再生時に用いる再生パワー0.7mWのレーザ光を、レーザパワーPeのレーザ光を照射した位置に照射して再生信号を検出した。上記測定をレーザパワーPeを変化させながら繰り返した。なお、この測定では、DVD−Rの線速度は3.5m/sとした。
上記測定により得られたレーザパワーPeに対する再生信号出力の変化量の特性を図1に示した。図1から明らかなように、レーザパワーPeをあるレーザパワーPeの値(図1中のPr1max)より大きくすると再生信号出力に変化が生じ、さらにレーザパワーPeを大きくすると再生信号出力の変化量が飽和する特性が得られた。この例では、再生パワーPr1maxは2.1mWであった。レーザパワーPeを再生パワーPr1maxより大きくすることにより再生信号出力が変化した理由は、再生パワーPr1maxより大きなレーザパワーでレーザ光をDVD−Rに照射すると、有機色素を含有する記録層に不可逆変化が発生して加熱された記録層の領域が「記録」に相当する状態に変化し、その領域から得られる再生信号強度に変化が生じたためである。この結果から、この例では、DVDヘッドでDVD−Rの情報再生を行う際に、レーザパワーをPr1max=2.1mWより大きくすると、DVD−Rに記録された情報が破壊されたり、未記録領域に損傷を与えたりする可能性があることが分かった。それゆえ、この例では、図1中のレーザパワーPr1max=2.1mWが、DVDヘッドでDVD−Rの情報再生時に照射可能な赤色レーザの最大再生パワーとなることが分かった。
次いで、上記方法で測定されたDVD−Rの情報再生時に照射可能な赤色レーザの最大再生パワーPr1maxを上記(1)式、すなわち、
Pr≦{(λNA)/(λNA)}Pr1max(V/V1/2=Pr2max
に代入して、AODヘッドでDVD−Rの識別情報を再生する際に照射可能な青色レーザの最大再生パワーPr2maxを求めた。なお、この例では、光ディスク判別時の線速度はV=V=3.5m/sとした。その結果、AODヘッドでDVD−Rに照射可能な青色レーザの最大再生パワーPr2max=約0.7mWとなった。すなわち、この例では、情報記録再生装置に装着された光ディスクの識別情報をAODヘッドで再生する際、青色レーザの再生パワーPrをPr2max=約0.7mW以下にすることにより、たとえ光ディスクとしてDVD−Rが装着された場合でもDVD−Rの記録情報が破壊されたり、未記録部に損傷を与えたりすることなく光ディスクの種類を判別することができる。
[記録再生方法]
次に、この例で用いた情報記録再生装置における光ディスクの判別からユーザー情報等の記録及び/又は再生までの一連の動作を図4を用いて説明する。なお、上記(1)式から求めたAODヘッドでDVD−Rの識別情報を再生する際に照射可能な青色レーザの最大再生パワーPr2maxの情報は、予め情報記録再生装置のメモリ等に記憶しておく。
まず、情報記録再生装置に光ディスクを挿入する(ステップS11)。次いで、AODヘッドを駆動させて光ディスクの識別情報が記録されている領域(BCA)上にAODヘッドを配置する(ステップS12)。次いで、情報記録再生装置のメモリ等に記憶されている照射可能な青色レーザの最大再生パワーPr2maxの情報を読み出して、判別時の再生条件(青色レーザの再生パワーPr)を設定する(ステップS13)。この際、青色レーザの再生パワーPrは照射可能な青色レーザの最大再生パワーPr2max以下の所定の値に設定される。次いで、設定された所定の再生パワーPrのレーザ光を光ディスクの識別情報が記録されている領域に照射し、光ディスクからの反射光に基いて光ディスクの識別情報を再生して光ディスクの種類(DVD−RまたはAOD)を判別する(ステップS14)。
ステップS14で装着された光ディスクがAODであると判定された場合には、AODヘッドを光ディスク上の情報を記録及び/又は再生する所定位置に配置し、AODヘッドの記録再生条件を、通常、AODにユーザー情報等を記録及び/又は再生する際の条件に設定する(ステップS15)。次いで、ステップS15で設定された記録再生条件で光ディスクの所定位置にレーザ光(青色)を照射して情報の記録及び/又は再生を行う(ステップS16)。
ステップS14で装着された光ディスクがDVD−Rであると判定された場合には、光ヘッドをAODヘッドからDVDヘッドに切り換えて、DVDヘッドを光ディスク上の情報を記録及び/又は再生する所定位置に配置する(ステップS17)。次いで、DVDヘッドの記録再生条件を、通常、DVD−Rにユーザー情報等を記録及び/又は再生する際の条件に設定する(ステップS18)。次いで、ステップS18で設定された記録再生条件でレーザ光(赤色)を光ディスクの所定位置に照射して情報の記録再生を行う(ステップS19)。
[判別試験]
実際に、この例の識別方法を用いて光ディスクの判別を行った。なお、この例では、DVD−R装着時のデータ破壊の危険性をより小さくするために、光ディスクの判別時にAODヘッドから照射するレーザ光の再生パワーPrを照射可能な最大再生パワーPr2max=0.7mW付近の値に設定せず、余裕をもたせてPr=0.35mWとした。その結果、情報記録再生装置に装着される光ディスクの種類に関係無く判別することができた。また、DVD−Rが装着された場合にもDVD−Rに記録された情報を破壊することなく光ディスクの識別情報を再生することができた。
しかしながら、AODヘッドから光ディスクに照射するレーザ光の再生パワーPrを0.8mWとして光ディスクの判別を行ったところ、情報記録再生装置にAODが装着された場合には問題なく判別することができたが、情報記録再生装置にDVD−Rが装着された場合には、DVD−Rに記録されていたデータの一部が破壊された。このデータの一部が破壊されたDVD−Rに対して、判別後にDVDヘッドを用いて情報再生を行ったがエラーが発生した。
また、この例では、再生パワーPr=0.55mWの青色レーザをDVD−Rの同一トラックに照射して10000回の情報再生を行った。その結果、ジッターの上昇は見られなかった。しかしながら、再生パワーPr=0.7mWの青色レーザを用いて、同様の測定を行ったところ、ジッターが1%上昇した。本発明のように、青色レーザで赤色レーザ対応のDVD−Rの識別情報を再生するような場合には、10000回の同一トラック再生に対する耐久性は必要ない。しかしながら、例えば、青色レーザでDVD−Rに記録されているユーザー情報等を通常再生することを考慮に入れた場合には、設計上、10000回の同一トラック再生に対する耐久性を考慮する必要があり、その場合には青色レーザの再生パワーPrを照射可能な最大再生パワーPr2maxより低めに設定することが好ましい。具体的には、上記測定結果から光ディスク判別用の青色レーザの再生パワーPrを、DVD−Rに照射可能な最大再生パワーPr2maxの約80%以下(この例では約0.55mW以下)に設定することがより好ましいことが分かった。
なお、この例のように、2つの光学系の波長が650nmと405nmで大きく離れている場合、特に、スポットの面積比が2倍以上となる場合には、各光ヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光のエネルギー密度の差が大きくなる。それゆえ、このような場合に光ディスク判別時の短波長レーザの再生条件をユーザー情報等の再生時に用いる再生条件に設定すると、長波長レーザ対応の光ディスクに記録された情報を破壊する危険が非常に高くなる。それゆえ、この例のように、波長の差が大きな複数の光ヘッドを備える情報記録再生装置では、本発明の識別方法の効果がより発揮される。
なお、理論的にはDVD−R(第1記録媒体)のデータ破壊が発生しない青色レーザ(第2光ビーム)の最大再生パワーPr2maxは、上記(1)式で求められるが、上記(1)式中の赤色レーザ(第1光ビーム)の最大再生パワーPr1maxを実測する代わりに、通常DVD−R(第1記録媒体)を赤色レーザ(第1光ビーム)で再生する際に設定される再生パワーPrを(1)式に代入して、光ディスク判別時の再生パワーPrを設定することも可能である。すなわち、
Pr≦{(λNA)/(λNA)}Pr(V/V1/2 …(1’)
として、光ディスク判別時の青色レーザ(第2光ビーム)の再生パワーPrを設定しても良い。この方法によれば、最大再生パワーPr1maxを実測することなく簡便に再生パワーPrを設定することができる。ただし、(1’)式を用いて光ディスク判別時の再生条件を設定した場合には、その設定可能な範囲は、(1)式を用いて設定した範囲に含まれるので、(1)式を用いて設定した範囲より狭くなる。それゆえ、状況に応じて適宜(1)式または(1’)式を選択することが好ましい。
例えば、本実施例のように、DVDヘッドでDVD−Rを通常再生する際の再生パワーPrを0.7mWとし、線速度V及びVをともに3.5m/sとすると、上記(1’)式の右辺は0.23mWとなる。それゆえ、本実施例では、AODヘッドのレーザ光(第2光ビーム)を用いてDVD−Rの識別情報を再生する際の再生パワーPrを0.23mW以下に設定すれば良い。実際に、この条件で光ディスクの判別を行ったところ、情報記録再生装置に装着される光ディスクの種類に関係無く光ディスクの判別を行うことができた。また、DVD−Rが装着された場合にも、DVD−Rに記録された情報を破壊することなくDVD−Rの識別情報を再生することができた。
実施例2では、AODヘッドで光ディスクの識別情報を再生する際の青色レーザの照射可能な最大再生パワーPr2maxを実測して求めた。青色レーザの照射可能な最大再生パワーPr2maxを実測した以外は、実施例1と同様の方法で光ディスクの判別を行い同様の効果が得られた。青色レーザの照射可能な最大再生パワーPr2maxは、図1で説明したDVD−Rに照射可能な赤色レーザの最大再生パワーPr1maxの測定方法と同様にして、次のように実測した。
まず、AODヘッド(波長λ=405nm、レンズの開口数NA=0.65)で、DVD−Rの情報記録領域に所定のレーザパワーPeのレーザ光を連続発光して照射した。次いで、レーザパワーPeのレーザ光を照射した位置に、再生レーザパワーを0.15mWと低めに設定した再生光を照射して信号を検出した。上記測定をレーザパワーPeを変化させながら繰り返した。この測定では、DVD−Rの線速度Vは3.5m/sとした。なお、この測定は、AODヘッドからDVD−Rにレーザ光を照射した際にDVD−Rのデータ破壊が起こる限界再生レーザパワーが不明な状態で行うので、再生光をDVD−Rに照射して信号を検出する際の再生レーザパワーは極力低く設定することが好ましい。
この測定により得られたレーザパワーPeに対する再生信号出力の変化量の特性を図5に示した。図5から明らかなように、レーザパワーPeがあるレーザパワーPeの値(図5中のPr2max)より大きくなると再生信号出力に変化が生じ、さらにレーザパワーPeが大きくなると再生信号出力の変化量が飽和する特性が得られた。この例では、レーザパワーPr2maxは0.7mWであった。この結果から、この例では、AODヘッドでDVD−Rの情報再生を行う際に、レーザパワーをPr2max=0.7mWより大きくすると、DVD−Rに記録された情報が破壊されたり、未記録領域に損傷を与えたりする可能性があることが分かった。すなわち、AODヘッドで光ディスクの識別情報を再生する際の青色レーザの照射可能な最大再生パワーPr2maxが0.7mWであることが分かった。
上述のように、図5の特性実験から得られた青色レーザの照射可能な最大再生パワーPr2maxは0.7mWとなり、実施例1の(1)式から求められた最大再生パワーPr2maxと一致した。この結果から、AODヘッドで光ディスクの識別情報を再生する際の青色レーザの照射可能な最大再生パワーPr2maxの求め方としては、実施例1及び2のいずれの方法で求めても良いことが分かった。
実施例3では、実施例1と同様に、青色レーザで情報の記録再生が可能なAODと、赤色レーザで情報の記録再生が可能なDVD−Rとを駆動することができる情報記録再生装置における、光ディスクの識別方法について説明する。また、この例では、実施例1と同様に、AODヘッドで情報記録再生装置に装着された光ディスクの種類を判別した。そして、この例では、光ディスクの種類を判別する際に、上記(2)または(2’)式の関係を満たすように、光ディスク判別時における光ディスクの線速度Vを設定した。すなわち、この例では、AODヘッドで光ディスクの識別情報を再生する際の光ディスクの線速度をV
≧{(λNA)/(λNA)}(Pr/Pr1max
または
≧{(λNA)/(λNA)}(Pr/Pr
の関係が満たされるように設定した。
AODヘッドで光ディスクの種類を判別する際に、光ディスクの線速度Vを上述のように設定したこと以外は、実施例1と同様にして、光ディスクの判別を行った。また、この例で用意したAOD及びDVD−R並びに情報記録再生装置は実施例1で用いたものと同じものを用いた。また、この例における光ディスクの判別からユーザー情報等の記録及び/又は再生までの一連の動作では、実施例1で説明した図4のフローチャート中のステップS13で、上記(2)または(2’)式を満足するように光ディスクの線速度Vを設定したこと以外は、実施例1と同じ手順で情報の記録及び/又は再生を行った。
この例の光ディスクの識別方法は、次の通りである。まず、実施例1と同様の測定方法(図1で説明した測定方法)で、DVDヘッドでDVD−Rに照射可能な赤色レーザの最大再生パワーPr1maxを求めた。その結果、Pr1maxは2.1mWであった。次いで、この最大再生パワーPr1maxを上記(2)式に代入すると、AODヘッドで光ディスクの識別情報を再生する際の光ディスクの線速度Vの最小値V2minが求められる。なお、この例では、上記(2)式から求められた光ディスク判別時の最小線速度V2minの情報は、光ディスクの判別前に予め情報記録再生装置のメモリ等に記憶しておく。また、上記(2)式から光ディスク判別時の最小線速度V2minを求める際、AODヘッドから照射されるレーザ光の再生パワーPrは、所定の値、例えば、AODのユーザー情報等を再生する際の最適パワーに設定することが好ましい。
次いで、情報記録再生装置に装着された光ディスクを判別する際に、情報記録再生装置のメモリ等に記憶されている光ディスク判別時の最小線速度V2minの情報を読み出して、光ディスクの線速度Vが最小値V2min以上になるように設定する(図5のフローチャート中のステップS13)。次いで、設定された所定の線速度Vで光ディスクを駆動し、AODヘッドから光ディスクにレーザ光(青色)を照射する。そして、光ディスクからの反射光に基いて光ディスクの識別情報を再生し、光ディスクの種類を判別する。
この例の光ディスクの識別方法では、装着された光ディスクがDVD−Rであっても、照射される青色レーザのエネルギー密度がDVD−Rに記録された情報を破壊しないエネルギー密度となるように光ディスク判別時の線速度Vが調整されているので、DVD−Rに記録された情報を破壊することなく光ディスクの判別を行うことができる。
なお、この例の識別方法では、(2’)式を用いて光ディスク判別時の最小線速度V2minを求めて、光ディスク判別時の線速度Vを設定しても良い。例えば、Pr=0.7mW、Pr=0.35mW及びV=3.5m/sとして、(2’)式からV2minを求めると、V2min=8m/sとなる。また、Pr=0.7mW、Pr=0.3mW及びV=3.5m/sとして、(2’)式からV2minを求めると、V2min=5.9m/sとなる。また、(2’)式を用いて光ディスク判別時の最小線速度V2minを求める場合には、(2’)式中のレーザパワーPr及びPrとして、実際にDVD−R及びAODのユーザー情報等を再生する際の最適なレーザパワーPr及びPrを用いることができる。この場合、光ディスクの判別後に再度、再生パワーを設定する必要が無くなるので、光ディスクの判別から情報の記録及び/又は再生開始までの時間を一層短縮することができる。
次に、実際に、この例の光ディスクの識別方法を用いて光ディスクの判別を行った。なお、ここでは、(2’)式を用いて求められた光ディスク判別時の最小線速度V2minの条件により、光ディスク判別時の青色レーザのパワーをPr=0.3mWとし、線速度Vを6.6m/sとした。その結果、情報記録再生装置に装着される光ディスクの種類に関係無く判別することができ、DVD−Rが装着された場合にもDVD−Rに記録された情報を破壊することなく光ディスクの識別情報を再生することができた。また、光ディスク判別時の青色レーザのパワーをPr=0.35mWとし、線速度Vを8m/sとした場合にも、情報記録再生装置に装着される光ディスクの種類に関係無く判別することができ、DVD−Rに記録された情報を破壊することなく判別することができた。
しかしながら、光ディスク判別時の青色レーザのパワーをPr=0.3mWとし、線速度Vを5.9m/s以下とした場合、あるいは、光ディスク判別時の青色レーザのパワーをPr=0.35mWとし、線速度Vを8.0m/s以下とした場合、情報記録再生装置にAODが装着された場合には問題なく判別することができたが、情報記録再生装置にDVD−Rが装着された場合には、DVD−Rに記録されていたデータの一部が破壊されるケースが発生した。このデータの一部が破壊されたDVD−Rに対して、判別後にDVDヘッドを用いて情報再生を行ったがエラーが発生した。
実施例4では、AODヘッドで光ディスクの識別情報を再生する際の光ディスクの線速度の最小値V2minを実測して求めた。光ディスクの線速度の最小値V2minを実測した以外は、実施例3と同様にして光ディスクの判別を行い、同様の効果が得られた。光ディスク判別時の光ディスクの線速度V2minは次のようにして測定した。
所定の情報が記録されたDVD−Rを情報記録再生装置に装着し、DVD−Rの線速度Vを変えながら、AODヘッドで所定の再生パワーPrのレーザ光をDVD−Rに照射して、再生信号の変化を調べた。ここでは、Pr=0.3mWとした。その結果、線速度をV=0.65m/sより低くすると、再生信号に変化が現れ、データの破壊が起こることが分かった。それゆえ、この例では、DVD−Rに記録された情報を破壊せずにAODヘッドで再生するための最小線速度(限界再生線速度)V2minが0.65m/sであることが分かった。
実際に、光ディスク判別時の青色レーザの再生パワーPrを0.3mWとし、線速度Vを0.65m/s以上に設定して、光ディスクの判別を行ったところ、情報記録再生装置に装着される光ディスクの種類に関係無く判別することができた。また、DVD−Rが装着された場合にもDVD−Rに記録された情報を破壊することなく光ディスクの識別情報を再生することができた。
しかしながら、光ディスク判別時の青色レーザの再生パワーをPr=0.3mWとし、線速度Vを0.65m/sより小さくすると、情報記録再生装置にAODが装着された場合には問題なく判別することができたが、情報記録再生装置にDVD−Rが装着された場合には、DVD−Rに記録されていたデータの一部が破壊された。このデータの一部が破壊されたDVD−Rに対して、判別後にDVDヘッドを用いて情報再生を行ったがエラーが発生した。
実施例5では、実施例1と同様に、青色レーザで情報の記録再生が可能なAODと、赤色レーザで情報の記録再生が可能なDVD−Rとを駆動することができる情報記録再生装置における、光ディスクの識別方法について説明する。また、この例では、実施例1と同様に、情報記録再生装置に装着された光ディスクの種類をAODヘッドで判別した。そして、この例では光ディスクの種類を判別する際に、AODヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光をデフォーカスしてスポットサイズを広げた。具体的には、上記(3)式の関係を満たすように、すなわち、
α≧(Pr/Pr1max){(λNA)/(λNA)}
の関係を満足するように、AODヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光のスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率αを設定した。
この例では、AODヘッドで光ディスクの種類を判別する際に、AODヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光のスポット面積の拡大率αを上式の関係を満足するように調整したこと以外は、実施例1と同様にして、光ディスクの判別を行った。また、この例で用意したAOD及びDVD−R並びに情報記録再生装置は実施例1で用いたものと同じものを用いた。また、この例における光ディスクの判別からユーザー情報等の記録及び/又は再生までの一連の動作では、実施例1で説明した図4のフローチャート中のステップS13で、上記(3)式を満足するようにAODヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光のスポット面積の拡大率αを設定したこと以外は、実施例1と同じ手順で情報の記録及び/又は再生を行った。
この例の光ディスクの識別方法は、次の通りである。まず、実施例1と同様の測定方法(図1で説明した測定方法)で、DVDヘッドでDVD−Rに照射可能な赤色レーザの最大再生パワーPr1maxを求めた。その結果、Pr1maxは2.1mWであった。この最大再生パワーPr1maxを上記(3)式に代入すると、光ディスク判別時にAODヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光のスポット面積の拡大率αの最小値αminが求められる。なお、この例では、上記(3)式から求められた光ディスク判別時の最小拡大率αminの情報は、光ディスクの判別前に予め情報記録再生装置のメモリ等に記憶しておく。また、上記(3)式から光ディスク判別時の最小拡大率αminを求める際、AODヘッドから照射されるレーザ光の再生パワーPrは、所定の値、例えば、AODのユーザー情報等を再生する際の最適な再生パワーに設定することが好ましい。
次いで、情報記録再生装置に装着された光ディスクを判別する際に、情報記録再生装置のメモリ等に記憶されている光ディスク判別時の最小拡大率αminの情報を読み出して、光ディスク判別時におけるAODヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光のスポット面積の拡大率αが最小値αmin以上になるように設定する(図4のフローチャート中のステップS13)。次いで、AODヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光のスポット面積の拡大率αが設定された値になるように、レーザ光をデフォーカスして光ディスクに照射する。そして、光ディスクからの反射光に基いて光ディスクの識別情報を再生し、光ディスクの種類を判別する。
この例の識別方法では、装着された光ディスクがDVD−Rであっても、AODヘッドからDVD−Rに照射されるレーザ光(青色)のエネルギー密度がDVD−Rに記録された情報を破壊しないエネルギー密度となるようにレーザ光がデフォーカスされている。それゆえ、DVD−Rに記録された情報を破壊することなく光ディスクの判別を行うことができる。
ここで、AODヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光をデフォーカスさせて、レーザ光のスポット面積の拡大率αを調整する方法について、図6を用いて具体的に説明する。従来、レーザ光の焦点を記録膜面に合わせる際、最初、レンズをディスクから最も離れた場所に位置させておき、徐々にレンズをディスクに近づけて焦点を合わせる。この際、図6に示すようなS字曲線と呼ばれるフォーカス検出信号が得られる。図6のS字曲線では、横軸がレーザ光のフォーカス位置であり、図面上のS字曲線の右から左に向かって、レーザ光の焦点位置が光ディスクから遠くなる(レンズが光ディスクから離れる)方向になる。従来の情報の記録再生時には、フォーカス検出信号がS字曲線のゼロクロスの位置(図6中の点Z)になるように光学系(レンズ)がフォーカス制御される。
しかしながら、この例の識別方法では、光ディスクの判別時に、光ディスクに照射されるレーザ光のエネルギー密度を調整するために、レーザ光をデフォーカスして光ディスクに照射する。具体的には、情報記録再生装置内の自動焦点調節回路に所定のオフセット量を与えた状態で、レーザ光の焦点位置をサーボ制御する。S字曲線のゼロクロスの位置からのオフセット量と光ディスクに照射されるレーザ光のスポットサイズには相関があり、S字曲線のゼロクロスの位置からのオフセット量が大きいほど、光ディスクに照射されるレーザ光のスポットサイズも大きくなる。それゆえ、オフセット量を調整することにより光ディスクに照射されるレーザ光のスポット面積の拡大率αを調整することができる。
なお、上記(3)式から光ディスク判別時のレーザ光の最小拡大率αminを求める際、DVD−Rに照射可能な赤色レーザの最大再生パワーPr1max及び光ディスク判別時にAODヘッドから照射される青色レーザの再生パワーPrとして、実際にDVD−R及びAODからそれぞれユーザー情報等を再生する際の最適なレーザパワーPr及びPrを用いても良い。この場合、光ディスクの判別後に再度、再生パワーを設定する必要が無くなるので、光ディスクの判別からユーザー情報等の記録及び/又は再生開始までの時間を一層短縮することができる。
例えば、Pr=0.7mW、Pr=0.35mWとして、(3)式からレーザ光のスポット面積の最小拡大率αminを求めると、αmin=約1.5となる。また、Pr=0.7mW、Pr=0.3mWとした場合には、スポット面積の最小拡大率αminはαmin=約1.3となる。
次に、実際に、この例の光ディスクの識別方法を用いて光ディスクの判別を行った。なお、この測定では、上記(3)式から光ディスク判別時のレーザ光の最小拡大率αminを求める際には、DVD−Rに照射可能な赤色レーザの最大再生パワーPr1maxの代わりに、DVD−Rからユーザー情報等を再生する際の最適なレーザパワーPr=0.7mWを代入して求め、レーザ光の拡大率αが最小拡大率αmin以上となるように調整した。具体的には、Pr=0.3mW、V=3.5m/sとして、α=1.3が得られ、この条件で光ディスクの判別を行った。その結果、情報記録再生装置に装着される光ディスクの種類に関係無く判別することができ、情報記録再生装置にDVD−Rが装着された場合でもDVD−Rに記録された情報を破壊することなく光ディスクの判別を行うことができた。また、Pr=0.35mW、V=3.5m/sとし、α=1.5が得られた場合にも、情報記録再生装置に装着される光ディスクの種類に関係無く判別することができ、DVD−Rに記録された情報を破壊することなく光ディスクの判別を行うことができた。
なお、上記(3)式で求められる拡大率αの範囲が、理論上、光ディク判別時にデータ破壊を発生させない拡大率αの範囲であるが、上述のように、(3)式中のDVD−Rに照射可能な赤色レーザの最大再生パワーPr1maxの代わりに、DVD−Rからユーザー情報等を再生する際の最適なレーザパワーPrを代入して拡大率αの範囲を求める方法は、簡便且つ安全に光ディスク判別時の再生条件を設定することができる方法である。この方法では、
α≧(Pr/Pr){(λNA)/(λNA)} …(3’)
を用いて拡大率αの設定可能な範囲を求める。この場合、最大再生パワーPr1maxを実測する必要が無くなるので、簡便に拡大率αの設定範囲を求めることができる。(3)式と(3’)式との関係は、上述した再生パワーPrを設定する際の(1)式と(1’)式との関係、あるいは、線速度Vを設定する際の(2)式と(2’)式との関係と同様の関係に相当する。
しかしながら、Pr=0.7mWより大きくし、V=3.5m/sとし、レーザ光の拡大率をα=1.0、すなわち、合焦点状態にすると、情報記録再生装置にAODが装着された場合には問題なく判別することができたが、情報記録再生装置にDVD−Rが装着された場合には、DVD−Rに記録されていたデータの一部が破壊された。このデータの一部が破壊されたDVD−Rに対して、判別後にDVDヘッドを用いて情報再生を行ったがエラーが発生した。
実施例6では、AODヘッドで光ディスクの識別情報を再生する際のレーザ光のスポット面積の拡大率αの最小値αminを実測して求めた。レーザ光のスポット面積の最小拡大率αminを実測した以外は、実施例5と同様にして光ディスクの判別を行い、同様の効果が得られた。光ディスク判別時のレーザ光のスポット面積の最小拡大率αminは、次のようにして測定した。
所定の情報が記録されたDVD−Rを情報記録再生装置に装着し、DVD−Rの記録領域にAODヘッドで所定の再生パワーPr(=0.8mW)のレーザ光をオフセット量(拡大率α)を変化させながらDVD−Rに照射し、具体的には、レーザ光の焦点位置をDVD−Rに近づけながらDVD−Rにレーザ光を照射して、DVD−Rに記録された情報を再生する。この際、レーザ光の焦点位置を徐々にDVD−Rに近づけると、ある焦点位置より近づけると、再生信号に変化が現れる。このレーザ光の焦点位置がDVD−RをAODヘッドで再生する際の限界再生焦点位置であり、この焦点位置よりレーザ光の焦点位置をDVD−Rに近づけると、DVD−Rに記録されたデータが破壊されるおそれがある。それゆえ、レーザ光の限界再生焦点位置に対応するオフセット量から光ディスク判別時のレーザ光の拡大率αの最小値αminが求められる。
実際に、AODヘッドからDVD−Rに照射するレーザ光の再生パワーPrを0.8mWとして、レーザ光の焦点位置の光ディスクへの接近限界位置を実測した。なお、この接近限界位置は、レーザ光の焦点位置を遠方より徐々に光ディスクに近づけ、再生信号に変化が現れる位置をもって検出した。その結果、検出された位置は、拡大率α=1.14に相当する位置であった。レーザ光の焦点位置がこのオフセット位置より遠方になるようにレーザ光をデフォーカス制御することにより、情報記録再生装置にDVD−Rが装着された場合にもDVD−Rに記録された情報を破壊することなく判別することができることが分かった。
上記実施例1〜6では、青色レーザを搭載した光ヘッド(AODヘッド)で光ディスクの種類を判別する際に、装着された光ディスクに記録されたデータが破壊されないように、AODヘッドから照射されるレーザパワー、レーザ光のスポットサイズまたは光ディスクの線速度を調整した例を説明したが、本発明はこれに限定されない。また、これらの調整方法を組合わせて、AODヘッドから照射されるレーザ光のエネルギー密度を調整しても良い。
上記実施例1〜6では、光ディスクの判別を行う際の課題に対する解決策を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、上述した光ディスクの判別を行う際の課題は、所定の光ディスクに対して、その光ディスクに対応しない光学系を用いて信号を再生する際には共通して発生する問題であるので、上記光ディスクの判別を行う場合以外のケース、例えば、ユーザー情報の記録再生等の場合にも本発明を適用することが可能である。
上記実施例1〜6では、光ディスク判別時に、光ディスクからの反射光に基いて光ディスクの識別情報を再生したが、本発明はこれに限定されず、光ディスクの透過光に基いて光ディスクの識別情報を再生しても良い。
[応用例]
この例では、本発明の光ディスクの識別方法を用いた記録再生システムの一例を説明する。上述の実施例1〜6では、近い将来、光ディスクの使用頻度が赤色レーザ対応のDVDより青色レーザ対応のAODの方が増大すること、すなわち、大容量規格の光ディスクの使用頻度が増大することを想定して、青色レーザを搭載したAODヘッドで光ディスクの判別を行なうシステムについて説明した。しかしながら、将来、大容量規格の光ディスクの使用頻度が増大したとしても、ユーザーによっては主に使用する光ディスクがDVDであるという場合も当然あり得る。そこで、この例では、主に使用する光ディスクがDVDであるというユーザーも考慮した記録再生システムについて説明する。
なお、この例では、青色レーザで情報の記録再生が可能なAODと、赤色レーザで情報の記録再生が可能なDVDとを駆動することができる記録再生システムについて説明する。この例の記録再生システムにおける、光ディスクの情報の記録再生手順を図7に示した。この例の記録再生システムでは、図7に示すように、光ディスク判別時にAODヘッドを用いる処理系統(図7中の破線S10のステップを行う系統)と、光ディスク判別時にDVDヘッド用いる処理系統(図7中の破線S20のステップを行う系統)とを有する。そして、この例の記録再生システムでは、光ディスクの種類を判別するために駆動する光ヘッドを選択できる切り換え手段(図7中のステップS0を行う手段、以下、光ヘッドスイッチという)を備えている。
ただし、この光ヘッドスイッチは、ユーザーが頻繁に使用する光ディスクの種類に応じて、光ディスクが情報記録再生装置に装着された際に最初に駆動する(光ディスクの判別に使用する)光ヘッドをユーザー自身により選択することができる機能を有するものであることが好ましい。例えば、光ヘッドスイッチとして、記録再生装置にディップスイッチなどの機械的な切り換え手段を設けても良いし、情報記録再生装置をパーソナルコンピュータなどの外部装置に接続して外部からソフトウェア上で最初に駆動する光ヘッドの切り換えができるような切り換え手段を用いても良い。すなわち、光ヘッドスイッチとしては、システム形態等に応じて任意の手段を用いることができる。
この例の記録再生システムでは、例えば、ユーザーがDVDを頻繁に使用するユーザーであれば、光ディスクが情報記録再生装置に装着された際に最初に駆動する光ヘッドとしては、リードタイムを短縮する点でDVDヘッドを選択した方が好ましい。それゆえ、そのようなユーザーの場合には、予め光ヘッドスイッチにより、図7中ステップS20の処理系統を選択すればよい。逆に、ユーザーが頻繁にAODを使用するユーザーである場合には、光ディスクが情報記録再生装置に装着された際に最初に駆動する光ヘッドとしては、リードタイムを短縮する点でAODヘッドを選択した方が好ましい。それゆえ、そのようなユーザーの場合には、予め光ヘッドスイッチにより、図7中ステップS10の処理系統を選択すればよい。
このように、ユーザーが頻繁に用いる光ディスクの種類に応じて、光ヘッドスイッチで光ディスクが情報記録再生装置に装着された際に最初に駆動する光ヘッドの選択を行なうことにより、光ディスクの判別からユーザー情報等の記録及び/又は再生までの一連の処理時間をユーザーの使用形態に合わせて総合的に短縮することが可能になる。
次に、この例の記録再生システムにおける光ディスクの判別からユーザー情報等の記録及び/又は再生までの一連の動作を図7を用いて説明する。
まず、予め(例えば、装置購入時等)、ユーザーが頻繁に使用する光ディスクの種類に応じて、光ディスクが情報記録再生装置に装着された際に最初に駆動する(光ディスクの判別に使用する)光ヘッドを光ヘッドスイッチにより選択しておく(ステップS0)。具体的には、DVDを頻繁に使用するユーザーであれば、光ヘッドスイッチによりS20の処理系統を選択し、AODを頻繁に使用するユーザーであれば、光ヘッドスイッチによりS10の処理系統を選択する。
ステップS0でS20の処理系統を選択した場合、光ディスクが情報記録再生装置に装着された際に光ディスクの判別に使用する光ヘッドとしてはDVDヘッドが用いられ、次の手順で光ディスクの判別、並びに、ユーザー情報等の記録及び/又は再生が行われる。まず、情報記録再生装置に光ディスクを挿入する(ステップS21)。次いで、DVDヘッドを駆動させて光ディスクの識別情報が記録されている領域(例えば、BCA)上にDVDヘッドを配置する(ステップS22)。次いで、DVDヘッドで光ディスクの識別情報を再生する際の再生条件を、DVDのユーザー情報等を再生する際に通常用いられる再生条件に設定する(ステップS23)。次いで、設定された所定の再生パワーのレーザ光(赤色)を光ディスクの識別情報が記録されている領域に照射し、光ディスクからの反射光に基いて光ディスクの識別情報を再生して光ディスクの種類(DVDまたはAOD)を判別する(ステップS24)。
ステップS24で装着された光ディスクがDVDであると判別された場合には、DVDヘッドを光ディスクのユーザー情報等の記録及び/又は再生を行う所定位置に配置し、DVDヘッドの再生条件をそのままにしてユーザー情報等の記録及び/又は再生を行う(ステップS25)。
ステップS24で装着された光ディスクがAODであると判別された場合には、光ヘッドをDVDヘッドからAODヘッドに切り換えて、光ディスクにユーザー情報等を記録及び/又は再生を行う所定位置にAODヘッドを配置する(ステップS26)。次いで、AODヘッドの記録再生条件を設定する(ステップS27)。次いで、ステップS27で設定された記録再生条件でレーザ光(青色)を光ディスクの所定位置に照射してユーザー情報等の記録及び/又は再生を行う(ステップS28)。
一方、ステップS0でS10の処理系統を選択した場合、光ディスクが情報記録再生装置に装着された際に光ディスクの判別に使用する光ヘッドとしてはAODヘッドが用いられ、次の手順で光ディスクの判別、並びに、ユーザー情報等の記録及び/又は再生が行われる。また、この例では、光ディスク判別時にAODヘッドから照射するレーザ光(青色)の再生パワーPrを調整して光ディスクの識別情報を再生する方法(実施例1の方法)を適用する。なお、光ディスクの識別情報を再生する際の青色レーザの照射可能な最大再生パワーPr2maxの情報は、予め情報記録再生装置のメモリ等に記憶しておく。
まず、情報記録再生装置に光ディスクを挿入する(ステップS11)。次いで、AODヘッドを駆動させて光ディスクの識別情報が記録されている領域(BCA)上にAODヘッドを配置する(ステップS12)。次いで、情報記録再生装置のメモリ等に記憶されている青色レーザの照射可能な最大再生パワーPr2maxの情報を読み出して、光ディスク判別時の再生条件(青色レーザの再生パワーPr)を設定する(ステップS13)。この際、AODヘッドから照射するレーザ光の再生パワーPrを最大再生パワーPr2max以下に設定する。次いで、設定された所定の再生パワーPrのレーザ光を光ディスクの識別情報が記録されている領域に照射し、光ディスクからの反射光に基いて光ディスクの識別情報を再生して光ディスクの種類(DVDまたはAOD)を判別する(ステップS14)。
ステップS14で装着された光ディスクがAODであると判別された場合には、AODヘッドを光ディスクのユーザー情報等の記録及び/又は再生を行う所定位置に配置し、AODヘッドの記録再生条件を、AODにユーザー情報等を記録及び/又は再生する際に用いる記録再生条件に設定する(ステップS15)。次いで、ステップS15で設定された記録再生条件で光ディスクの所定位置にレーザ光(青色)を照射してユーザー情報等の記録及び/又は再生を行う(ステップS16)。
ステップS14で装着された光ディスクがDVDであると判別された場合には、光ヘッドをAODヘッドからDVDヘッドに切り換えて、DVDヘッドを光ディスクのユーザー情報等の記録及び/又は再生を行う所定位置に配置する(ステップS17)。次いで、DVDヘッドの記録再生条件を設定する(ステップS18)。次いで、ステップS18で設定された記録再生条件でレーザ光(赤色)を光ディスクの所定位置に照射してユーザー情報等の記録及び/又は再生を行う(ステップS19)。
上記応用例では、AODヘッドで光ディスクの種類を判別する際に、AODヘッドからのレーザ光の再生パワーPrを調整する方法を説明したが、実施例3〜6のように、光ディスク判別時の光ディスクの線速度VまたはAODヘッドから光ディスクに照射されるレーザ光のスポット面積の拡大率αを調整する方法を用いても良い。
上記実施例1〜6及び応用例では、DVD−RとAODを判別する方法を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の光ディスクの識別方法は、CD−R等の他の光ディスクが情報記録再生装置に装着されるような場合にも同様に適用可能であり、同様の効果が得られる。
上記実施例1〜6及び応用例では、DVDヘッド及びAODヘッドを個別に備える方式について説明したが、本発明はこれに限定されず、対物レンズ等の光学部材を共通化し、レーザ光源を切り換えることによりレーザ光のスポット径を切り換える方式を用いても良い。この場合も、上記実施例1〜6及び応用例と同様の効果が得られる。
本発明の光ディスクの識別方法では、青色レーザを搭載した光ヘッドで光ディスクの判別が可能になり、さらに、装着された光ディスクがDVDのような赤色レーザ対応の光ディスクであっても、光ディスクに記録された情報を破壊することなく光ディスクの判別を行うことができる。それゆえ、情報記録再生装置に装着された光ディスクがAODのように青色レーザ対応の光ディスクである場合には、光ディスクの判別動作からユーザー情報等の記録及び/又は再生動作に移行する際に光ヘッドを切り換える必要が無くなるので、光ディスクが挿入された際の光ディスク判別からユーザー情報等の記録及び/又は再生開始までの時間を短縮することができる。それゆえ、将来、光ディスクの使用頻度が赤色レーザ対応の光ディスクより青色レーザ対応の光ディスクの方が増大した場合に、本発明の光ディスクの識別方法は、光ディスク判別からユーザー情報等の記録及び/又は再生開始までの時間を短くするという観点では有利になる。従って、本発明の光ディスクの識別方法は、大容量規格の光ディスクの使用頻度の増大が予想される次世代の情報記録再生システムに好適な識別方法である。
図1は、DVDヘッドでDVD−Rにレーザ光を照射した際のレーザパワーに対する再生信号の振幅変化を示した図である。 図2は、実施例1で用いたAODの概略断面図である。 図3は、実施例1で用いたDVD−Rの概略断面図である。 図4は、実施例1における情報の記録再生の手順を示したフローチャートである。 図5は、AODヘッドでDVD−Rにレーザ光を照射した際のレーザパワーに対する再生信号の振幅変化を示した図である。 図6は、実施例5でレーザ光をフォーカス制御する際のS字曲線である。 図7は、応用例の記録再生システムにおける情報の記録再生の手順を示したフローチャートである。
符号の説明
20 AOD
30 DVD−R

Claims (14)

  1. 光記録媒体に記録された少なくとも識別情報を含む情報を再生する方法であって、
    所定のスポットサイズを有する第1光ビームを照射して情報再生が行われる第1光記録媒体に、第1光ビームより小さなスポットサイズを有する第2光ビームを照射することと、
    第1光記録媒体からの第2光ビームに基いて第1光記録媒体の識別情報を再生することとを含む光記録媒体の情報再生方法。
  2. 第1光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA及び第1光記録媒体の線速度をVとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、第1光記録媒体の線速度をV及び第2光ビームの再生パワーをPrとしたとき、
    Pr≦{(λNA)/(λNA)}Pr1max(V/V1/2
    の関係が満たされるように、第2光ビームの再生パワーPrを設定することを特徴とする請求項1に記載の情報再生方法。
  3. 第1光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA及び第1光記録媒体の線速度をVとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、第1光記録媒体の線速度をV及び第2光ビームの再生パワーをPrとしたとき、
    ≧{(λNA)/(λNA)}(Pr/Pr1max
    の関係が満たされるように、第1光記録媒体の線速度Vを設定することを特徴とする請求項1に記載の情報再生方法。
  4. 第1光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ及び対物レンズの開口数をNAとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、第2光ビームの再生パワーをPr及び第1光記録媒体に照射される第2光ビームのスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率をαとしたとき、
    α≧(Pr/Pr1max){(λNA)/(λNA)}
    の関係が満たされるように、第2光ビームのスポット面積の拡大率αを設定することを特徴とする請求項1に記載の情報再生方法。
  5. 予め、第1光記録媒体に照射し得る第2光ビームの最大再生パワーPr2maxを実測しておき、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの再生パワーを上記最大再生パワーPr2max以下に設定することを特徴とする請求項1に記載の情報再生方法。
  6. 予め、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生し得る第1光記録媒体の線速度の最小値V2minを実測しておき、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第1光記録媒体の線速度を上記最小値V2min以上に設定することを特徴とする請求項1に記載の情報再生方法。
  7. 予め、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して情報再生し得る第2光ビームのスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率の最小値αminを実測しておき、第2光ビームを第1光記録媒体に照射して第1光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームのスポット面積の拡大率を上記最小値αmin以上となるように設定することを特徴とする請求項1に記載の情報再生方法。
  8. 互いに異なるスポットサイズの光ビームで情報再生が行われる異なる種類の光記録媒体を装着可能な情報記録再生装置で、該光記録媒体に記録された識別情報を再生することにより該光記録媒体の種類を識別する方法であって、
    上記情報記録再生装置に装着された光記録媒体に、上記異なるスポットサイズの光ビームのうち最大スポットサイズを有する第1光ビームよりスポットサイズの小さな第2光ビームを照射することと、
    上記装着された光記録媒体の識別情報を再生することとを含む光記録媒体の識別方法。
  9. 第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体に第1光ビームを照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA及び第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体の線速度をVとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、上記装着された光記録媒体の線速度をV及び第2光ビームの再生パワーをPrとしたとき、
    Pr≦{(λNA)/(λNA)}Pr1max(V/V1/2
    の関係が満たされるように、第2光ビームの再生パワーPrを設定することを特徴とする請求項8に記載の識別方法。
  10. 第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体に第1光ビームを照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA及び第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体の線速度をVとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、上記装着された光記録媒体の線速度をV及び第2光ビームの再生パワーをPrとしたとき、
    ≧{(λNA)/(λNA)}(Pr/Pr1max
    の関係が満たされるように、上記装着された光記録媒体の線速度Vを設定することを特徴とする請求項8に記載の識別方法。
  11. 第1光ビームで情報再生が行われる光記録媒体に第1光ビームを照射して情報再生する際の第1光ビームの波長をλ及び対物レンズの開口数をNAとし、該再生条件下における第1光ビームの最大再生パワーをPr1maxとし、また、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、第2光ビームの再生パワーをPr及び上記装着された光記録媒体に照射される第2光ビームのスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率をαとしたとき、
    α≧(Pr/Pr1max){(λNA)/(λNA)}
    の関係が満たされるように、第2光ビームのスポット面積の拡大率αを設定することを特徴とする請求項8に記載の識別方法。
  12. 予め、上記装着された光記録媒体に照射し得る第2光ビームの最大再生パワーPr2maxを実測しておき、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームの再生パワーを上記最大再生パワーPr2max以下に設定することを特徴とする請求項8に記載の識別方法。
  13. 予め、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して情報再生し得る上記装着された光記録媒体の線速度の最小値V2minを実測しておき、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の上記装着された光記録媒体の線速度を上記最小値V2min以上に設定することを特徴とする請求項8に記載の識別方法。
  14. 予め、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して情報再生し得る第2光ビームのスポット面積の合焦点時のスポット面積に対する拡大率の最小値αminを実測しておき、第2光ビームを上記装着された光記録媒体に照射して上記装着された光記録媒体の識別情報を再生する際の第2光ビームのスポット面積の拡大率を上記最小値αmin以上となるように設定することを特徴とする請求項8に記載の識別方法。
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