以下、本発明の第1の実施の形態に係る画像合成装置を含む撮像装置について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態の画像合成装置を含む撮像装置は、第1の撮像手段即ち第1のCCD1と、この第1のCCD1に被写体像を結像する第1の光学系3と、第2の撮像手段即ち第2のCCD2と、第1の光学系3よりも結像倍率が大きく且つ第2のCCD2に被写体像を結像する第2の光学系4(図1において正確にいうと、第2の光学系は、第1の光学系3、ハーフミラー5及び光学系4で構成されるが、以下では説明の簡略化のため「第2の光学系4」と表す)と、第1のCCD1によって撮像された画像情報と第2のCCD2によって撮像された画像情報とを合成する合成手段即ち合成部10とを備えている。
第1の光学系3の光軸上には、第1のCCD1と第1の光学系3との間にハーフミラー5が配置されており、このハーフミラー5によって、第1の光学系3の光軸は、第1及び第2の光軸6,7に分割されている。
第1の光学系3からハーフミラー5を介して延出する第1の光軸6上には、第1の光学系3の第1の予定結像面8が規定されており、この第1の予定結像面8に第1のCCD1が配置されている。一方、第1の光学系3からハーフミラー5を介して延出する第2の光軸7上には、第2の光学系4及びこの第2の光学系4の第2の予定結像面9が規定されており、この第2の予定結像面9に第2のCCD2が配置されている。
また、第1及び第2のCCD1,2は、信号伝送手段(図示しない)によって合成部10に電気的に接続されている。
なお、第1及び第2の光学系3,4は、夫々、複数のレンズ等(図示しない)から構成されているが、同図では模式的に単一レンズによって表した。
次に、本実施の形態の動作について説明する。
第1の光学系3によって集光された被写体の像光は、ハーフミラー5によって透過光と反射光に分割される。
ハーフミラー5を透過した透過光は、第1の予定結像面8に配置された第1のCCD1上に結像され、この第1のCCD1によって被写体の像光全体が撮像される。
一方、ハーフミラー5から反射した反射光は、第1の光学系3よりも大きな結像倍率を有する第2の光学系4によって第2の予定結像面9に配置された第2のCCD2上に結像され、この第2のCCD2によって被写体の像光の一部が撮像される。なお、この第2のCCD2の撮像領域は、第1のCCD1の撮像領域の略中央に規定されており、第2の光学系4の結像倍率に対応して、撮像領域の大きさや解像度を定めることが可能である。
第1及び第2のCCD1,2によって撮像処理された画像データは、夫々、信号伝送手段を介して合成部10に伝送された後、この合成部10において、後述する第4の実施の形態で説明するような高解像度化や、後述する第7の実施の形態で説明するような高色再現等の目的に応じた信号合成処理が施されることによって、1枚の合成画像が作成されることになる。
本実施の形態において、この1枚の合成画像の全体の画像領域において、第1のCCD1独自の画像領域には、この第1のCCD1によって撮像処理された画像データが適用され、且つ、第1及び第2のCCD1,2の共通の画像領域には、少なくとも第2のCCD2によって撮像処理された画像データが適用される。従って、上記1枚の合成画像は、部分的に高画質化された合成画像となっている。なお、合成部10によって作成された合成画像は、図示しない記憶部に記憶されるか、或いは、即時に所定の回路ユニット(図示しない)へ出力される。
このように本実施の形態によれば、被写体の所望の画像領域に対して、高解像度及び高色再現性が維持された高画質化が実現可能な画像合成装置を含む撮像装置を提供することが可能となる。
なお、本発明は、上記第1の実施の形態の構成に限定されることはなく、新規事項を追加しない範囲で各種の変形や変更が可能である。例えば、ハーフミラー5の代わりに、プリズム等の任意の光波面分割手段を用いてもよい。また、被写体の像光をハーフミラー5によって2分割した後、2つの分割光を夫々相対的に結像倍率の異なる第1及び第2の光学系によって第1及び第2のCCD1,2に結像させるように構成してもよい。更に、ハーフミラー5によって複数の分割光に分割することも可能であり、この場合には、上記第1の実施の形態と同様の方法を用いることによって、1枚の合成画像中に複数の高画質化領域を任意に設定することが可能となる。また、第1及び第2のCCD1,2の光入射側に後述する第5の実施の形態に適用したような色フィルタを配置することも好ましい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る画像合成装置を含む撮像装置について、図2を参照して説明する。なお、本実施の形態の説明に際し、第1の実施の形態と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、本実施の形態の画像合成装置を含む撮像装置は、第2の光学系4及び第2のCCD2を第2の光軸7に沿って所定方向へ移動制御することによって、第2の予定結像面9上の結像倍率を所望の値に変更可能な駆動部11と、この駆動部11に接続され、第2の光学系4の結像倍率の調整及び第2のCCD2の位置変更を行うための制御部12とを備えている。
駆動部11は、第2の光学系4を第2の光軸7に沿って移動或いは第2の光軸7方向に調整することによって第2の予定結像面9上の結像倍率を変更すると共に、第2のCCD2を第2の光軸7方向又は第2の予定結像面9に沿って移動制御するように構成されている。
制御部12は、信号伝送手段(図示しない)によって、駆動部11及び合成部10に電気的に接続されている。また、合成部10には、液晶モニタ13が電気的に接続されており、この液晶モニタ13は、合成部10から伝送された画像信号に基づいて、所定の画像領域を液晶表示するように構成されている。なお、他の構成は、第1の実施の形態と同一であるため、その説明は省略する。
以下、本実施の形態の動作について説明する。
撮像を開始する際、駆動部11は、制御部12からの制御信号に基づいて、第2の光学系4及び第2のCCD2を所定方向へ移動することによって、第2のCCD2の予定撮像領域を設定する。
制御部12から駆動部11へ伝送する制御信号の設定方法は、液晶モニタ13上に表示された第1及び第2のCCD1,2の予定撮像領域に基づいて撮影者自身で設定する第1の方法、或いは、合成部10から出力された第1のCCD1の予定撮像画像データと目的に応じて予め設定された制御部12内のアルゴリズムに従った計算データによって自動的に設定する第2の方法等を適用することが可能である。なお、第1の方法が適用される例としては、人物像の顔等を選択する場合が該当する。第2の方法が適用される例としては、第1のCCD1の予定撮像画像を複数の領域に分割した後、最も高空間周波数成分を多く含む領域に第2のCCD2を割り当てる場合が該当する。
第2のCCD2の予定撮像領域が設定された後、第1の実施の形態と同様の撮像処理が施されることによって、所望の領域が部分的に高画質化された1枚の合成画像を得ることができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限定されることはなく、新規事項を追加しない範囲で各種の変形や変更が可能である。例えば、液晶モニタ13を所定の光学系を備えたファインダに組み込んでもよい。また、第2のCCD2を第2の予定結像面9上で0°〜45°の範囲で回転させて、CCD画素の配置を最適に調整するように構成してもよい。また、第1及び第2のCCD1,2の光入射側に後述する第5の実施の形態に適用したような色フィルタを配置することも好ましい。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る画像合成装置を含む撮像装置について、図3を参照して説明する。なお、本実施の形態の説明に際し、第1の実施の形態と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
図3に示すように、本実施の形態の画像合成装置を含む撮像装置は、互いに透過率が異なる複数の光量制限手段即ちNDフィルタ(14,15)を有しており、これら複数のNDフィルタから所望のNDフィルタを第1の光軸6及び第2の光軸7の少なくとも一方の光軸上に選択的に配置可能に構成されたフィルタ駆動部16と、第1及び第2のCCD1,2に結像する被写体の像光量を所望量に制限するように、フィルタ駆動部16を駆動制御することによって、複数のNDフィルタから所望のNDフィルタを第1の光軸6及び第2の光軸7の少なくとも一方の光軸上に選択的に配置させる制御部12とを備えている。なお、他の構成は、第1の実施の形態と同一であるため、その説明は省略する。
以下、本実施の形態の動作について説明する。
第1及び第2のCCD1,2によって画像処理された予定撮像画像は、信号伝送手段(図示しない)を介して合成部10に伝送された後、更に制御部12に伝送される。
制御部12では、第1及び第2のCCD1,2の予定撮像画像に対する最適露光量を算出すると共に、最適露光量を与える最適なNDフィルタの選択処理が行われる。
フィルタ駆動部16は、制御部12から出力された選択指令に基づいて、選択したNDフィルタを第1の光軸6及び第2の光軸7の少なくとも一方の光軸上に配置する。
本実施の形態では、その一例として、ハーフミラー5と第1のCCD1との間の光路中に第1の光軸6を横断するように第1のNDフィルタ14を配置させると共に、ハーフミラー5と第2の光学系4との間の光路中に第2の光軸7を横断するように第2のNDフィルタ15を配置させる。なお、第1のNDフィルタ14と第2のNDフィルタ15は、可視光領域において夫々異なる略一定の透過率を有している。
この後、第1及び第2のNDフィルタ14,15を配置させた状態において、再び、第1及び第2のCCD1,2によって予定撮像画像を形成して、配置された第1及び第2のNDフィルタ14,15が最適なNDフィルタか否かの検索が行われる。
この検索処理の結果、第1及び第2のNDフィルタ14,15が最適な露光量を与えるNDフィルタとして設定された後、第1の実施の形態と同様の撮像処理が施されることによって、所望の領域が部分的に高画質化された1枚の合成画像が得られる。
本実施の形態によれば、第1及び第2のCCD1,2のダイナミックレンジ(有効撮像範囲)よりも広範囲な階調画像に対する高画質化を実現することができる。
なお、図面上では、その一例として第1及び第2のNDフィルタ14,15が第1及び第2の光軸6,7上に配置されている状態を示したが、フィルタ駆動部16には、複数のNDフィルタ(図示しない)がセットされているため、撮像目的や露光量の変更仕様に対応して任意のNDフィルタを選択配置させることができる。
また、本発明は、上記各実施の形態の構成に限定されることはなく、新規事項を追加しない範囲で各種の変形や変更が可能である。例えば、第2の光軸7上に選択的に配置させるNDフィルタの配置位置としては、図面上の位置に限定されず、第2の光学系4と第2のCCD2との間の光路中でもよい。また、図面上では、第1及び第2の光軸6,7上にNDフィルタを配置させているが、いずれか一方の光軸上にのみNDフィルタを配置すると共に他方の光軸上の露光時間を制御することによって、各CCD1,2への最適露光を実現することができる。更に、第1及び第2の光軸6,7上にシャッターを配置し、それらを別々に駆動制御することによって、各CCD1,2への最適露光を実現することもできる。また、第1及び第2のCCD1,2の光入射側に後述する第5の実施の形態に適用したような色フィルタを配置することも好ましい。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る画像合成装置を含む撮像装置について、図4を参照して説明する。
図4に示すように、本実施の形態は、上記第1〜第3の実施の形態の画像合成装置を含む撮像装置に適用される第1及び第2のCCD1,2による出力画像データの処理に係り、他の構成は、上記第1〜第3の実施の形態と同一であるため、以下の説明では、相違点のみについて説明を加える。
図4(a),(b)には、第1及び第2のCCD1,2から出力された画像データが示されており、格子状に縦横に規則的に囲まれた個々の正方形領域が、各CCD1,2の1画素に対応している。また、第1及び第2のCCD1,2は、相互に同一の画素数及び画素サイズを有しており、第2のCCD2上の結像倍率は、第1のCCD1上の結像倍率の3倍に設定されている。従って、第1のCCD1の1画素は、第2のCCD2の9画素分に対応している。例えば第1のCCD1(同図(a)参照)の中央の太枠線で囲まれた9画素が、第2のCCD2 (同図(b)参照)の全撮像領域に対応している。
なお、第1のCCD1の画像データ(同図(a)参照)、第2のCCD2の画像データ(同図(b)参照)において、第1の光学系3(図1〜図3参照)及び第2の光学系4(図1〜図3参照)の光軸は、第1及び第2のCCD1,2の撮像領域の中心に位置付けられている。
また、図4(c)には、合成部10(図1〜図3参照)によって、第1のCCD1の画像データと第2のCCD2の画像データに合成処理を施した合成画像が示されている。この合成画像は、第2のCCD2の解像度を有するが、便宜上、第2のCCD2の撮像領域のみが実際の解像度で示されている。
本実施の形態では、合成画像(同図(c)参照)の解像度を第1のCCD1の解像度よりも大きく設定した状態において、合成画像のうち、第1のCCD1のみによって撮像された画像領域には、第1のCCD1の画像データのみを適用し、且つ、第1及び第2のCCD1,2によって重複撮像された画像領域には、第2のCCD2の画像データのみを適用する。
この場合、第2のCCD2の画像データを合成する際には、合成画像領域内に適用された第1のCCD1に画像データを基準に画像合成処理が行われる。この結果、全画像領域で同倍率の画像が合成されることになる。
このように本実施の形態によれば、合成画像内において、第2のCCD2により撮像された画像領域を高解像度化させることが可能となる。
なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限定されることはなく、新規事項を追加しない範囲で各種の変形や変更が可能である。例えば、第2のCCD2の結像倍率を任意に設定することが可能であり、第2のCCD2上の結像倍率を第1のCCD1上の結像倍率より小さくして、第1及び第2のCCD1,2の役割を交換することも可能である。また、第1及び第2のCCD1,2上の像の歪みに相違が生じた場合、画像合成の際、画像相互の重なり部分の相関関係を考慮することによって簡単に補正することが可能である。また、合成画像に違和感が生じない領域のみに第2のCCD2の画像データを用いることもできる。また、第2の光学系4の結像倍率を調整するか、若しくは、第2の光学系4を除去して第1及び第2のCCD1,2上の結像倍率を相互に等しくした状態において、駆動部11(図2参照)によって第1及び第2のCCD1,2の位置を被写体に対して半画素分ずらす。この結果、従来提案されていた画素ずらし法に基づく高解像度化が可能となり、部分的に高解像度化が望まれる領域がない場合でも、第2のCCD2を効果的に高画質化に用いることができる。
次に、本発明の第5の実施の形態に係る画像合成装置を含む撮像装置について、図5を参照して説明する。なお、本実施の形態は、上記第1〜第4の実施の形態の改良に係り、その主要な構成は、上記第1の実施の形態と同一であるため、以下の説明では、相違点のみについて説明を加える。
図5に示すように、ハーフミラー5(本実施の形態では、仮に、このハーフミラー5を第1のハーフミラー5と称する)を介して延出する第1の光軸6上には、第2のハーフミラー17が配置されており、この第2のハーフミラー17によって第3の光軸22が規定されている。また、この第3の光軸22上には、第3のハーフミラー18が配置されており、この第3のハーフミラー18によって第4の光軸23が規定されている。
更に、第1の光軸6上に規定される結像面には、第1のCCD20aが設けられており、この第1のCCD20aの光入射側には、その全面に青色成分を有する光を透過可能な第1の色フィルタ19aが配置されている。第3の光軸22上に規定される結像面には、第3のCCD20cが設けられており、この第3のCCD20cの光入射側には、その全面に赤色成分を有する光を透過可能な第2の色フィルタ19cが配置されている。そして、第4の光軸23上に規定される結像面には、第4のCCD20bが設けられており、この第4のCCD20bの光入射側には、その全面に緑色成分を有する光を透過可能な第3の色フィルタ19bが配置されている。
これら第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bは、信号伝送手段(図示しない)によって合成部10に電気的に接続されている。また、第2のCCD2の光入射側には、高色再現化を希望する青,赤,緑のいずれかの色成分を有する光を透過可能な第4の色フィルタ21が全面に配置されている。
以下、本実施の形態の動作について説明する。
なお、第1の光学系3から第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bまでの距離は、夫々同一であって且つ各CCD20a,20c,20b上の結像倍率も同一に設定されている。
第1の光学系3によって集光された被写体の像光は、第1のハーフミラー5によって透過光と反射光に分割される。
第1のハーフミラー5を透過した透過光は、第2のハーフミラー17によって更に透過光と反射光に分割された後、その透過光は、第1の色フィルタ19aを介して第1のCCD20a上に結像し、その反射光は、第3のハーフミラー18によって更に透過光と反射光に分割される。
第3のハーフミラー18を透過した透過光は、第2の色フィルタ19cを介して第3のCCD20c上に結像し、第3のハーフミラー18から反射した反射光は、第3の色フィルタ19bを介して第4のCCD20b上に結像する。
一方、第1のハーフミラー5から反射した反射光は、第2の光学系4によって第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bに対する倍率よりも拡大された倍率で第2の予定結像面9上に結像される。このため、高色再現化を希望する青,赤,緑のいずれかの色成分を有する光を透過可能な第4の色フィルタ21が全面に配置された第2のCCD2上には、第2の予定結像面9上に結像された拡大像の一部が結像されることになる。なお、第2のCCD2の撮像領域は、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bの撮像領域の略中央に規定されており、第2の光学系4の結像倍率に対応して、撮像領域の大きさや解像度を定めることが可能である。
第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20b並びに第2のCCD2によって撮像処理された画像データは、夫々、信号伝送手段を介して合成部10に伝送された後、この合成部10において、第2のCCD2の解像度を有する画像に合成される。
合成画像のうち、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bのみによって撮像された画像領域には、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bの画像データが適用される。しかしながら、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bは、第2のCCD2よりも解像度が低いため、各画像データに対して補間処理を施すことによって所望の解像度を有する合成画像を得ている。
一方、合成画像のうち、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20b並びに第2のCCD2によって撮像された画像領域において、高解像度化を希望する青,赤,緑のいずれかの色成分を有する光を透過可能な第4の色フィルタ21の画像データは、第2のCCD2によって撮像された画像データを適用し、その他2つの色に対応した画像データは、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bのいずれか2つの画像データに対して補間処理を施すことによって所望の解像度を有する合成画像を得ている。
このような撮像処理を施すことによって、高解像度化を希望する青,赤,緑のいずれかの色成分を有する対応した画像領域のうち、所望の領域が部分的に高解像度化された合成画像を得ることができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限定されることはなく、新規事項を追加しない範囲で各種の変形や変更が可能である。例えば、各色フィルタと各CCDとを夫々別途設ける代わりに、青,赤,緑のいずれかの色成分を有する光を透過可能な色フィルタを各画素に対して一体的に配置された色フィルタ付きCCDを用いてもよい。この場合には、部分的な高解像度化に加えて青,赤,緑のいずれかの色成分に対する更に高精度な色再現性が実現される。また、第1〜第3のハーフミラー5,17,18の代わりに、プリズム等の光路分割手段を用いてもよい。
次に、本発明の第6の実施の形態に係る画像合成装置を含む撮像装置について、図6を参照して説明する。
図6に示すように、本実施の形態は、上記第1〜第4の実施の形態の画像合成装置を含む撮像装置に適用される第1及び第2のCCD1,2による出力画像データの処理に係り、他の構成は、上記第1〜第4の実施の形態と同一であるため、以下の説明では、相違点のみについて説明を加える。
図6(a),(b)には、第1及び第2のCCD1,2から出力された画像データが示されており、格子状に縦横に規則的に囲まれた個々の正方形領域が、各CCD1,2の1画素に対応している。また、第1及び第2のCCD1,2は、相互に同一画素数及び画素サイズを有しており、第2のCCD2上の結像倍率は、第1のCCD1上の結像倍率の3倍に設定されている。従って、第1のCCD1の1画素は、第2のCCD2の9画素分に対応している。例えば第1のCCD1(同図(a)参照)の中央の太枠線で囲まれた9画素が、第2のCCD2(同図(b)参照)の全撮像領域に対応している。
なお、第1のCCD1の画像データ(同図(a)参照)、第2のCCD2の画像データ(同図(b)参照)において、第1の光学系3(図1〜図3参照)及び第2の光学系4(図1〜図3参照)の光軸は、第1及び第2のCCD1,2の撮像領域の中心に位置付けられている。
また、図6(c)には、合成部10(図1〜図3参照)によって、第1のCCD1の画像データと第2のCCD2の画像データに合成処理を施した合成画像が示されている。この合成画像は、第2のCCD2によって撮像された中央画像領域(同図(c)中、中央の格子間隔が狭まっている部分)が、第1のCCD1のみによって撮像された周辺画像領域よりも高倍率な画像となっている。
本実施の形態において、撮影者は、液晶モニタ13(図2参照)の表示画像に基づいて、第2のCCD2によって撮像された中央画像領域に現された被写体の重要部を高倍率で観察しながら、第1のCCD1によって撮像された周辺画像領域を広画角で観察することができる。この結果、撮像目的や撮像対象に対応して被写体の重要部が変わった場合でも、短時間且つ簡単に第2のCCD2の撮像領域を新たな重要部へ移動させることができる。なお、合成画像は、所定の記憶部(図示しない)に記憶させるか、或いは、即時に出力させることになる。
このように本実施の形態によれば、撮像領域が部分的に拡大された場合でも、その拡大率に対応した高解像度な合成画像を得ることができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限定されることはなく、新規事項を追加しない範囲で各種の変形や変更が可能である。例えば、重要部とその周辺部の合成は、夫々の領域で特定の解像度を用いるのではなく、合成画像内において第1及び第2のCCD1,2の画像相互の境界が連続化するように、夫々の画像の解像度を連続的に変えることによって、重要部の中心付近では最も拡大率が大きく且つ境界付近では重要部と周辺部の拡大率が等しくなるようにさせることもできる。この場合の合成方法の用途としては、例えば、無人探査ロボットのカメラ撮影やスポーツ観戦時の撮影等に好適である。
次に、本発明の第7の実施の形態に係る画像合成装置を含む撮像装置について、図7及び図8を参照して説明する。
図7に示すように、本実施の形態は、上記第1〜第3の実施の形態の画像合成装置を含む撮像装置の改良に係り、第1及び第2のCCD1,2の光入射側に第1及び第2の色フィルタ30,31(図8(a),(b)参照)を配置した点以外の他の構成は、上記第1〜第3の実施の形態と同一であるため、以下の説明では、相違点のみについて説明を加える。
図8(a),(b)に示すように、第1及び第2の色フィルタ30,31は、第1及び第2のCCD1,2の画素配列に対応して、赤(R),緑(G),青(B)の色成分を有する光を透過可能なフィルタ構成素子(同図において、符号R,G,Bで示す)が、縦横に一定の周期で規則的に配置されている。具体的には、第1及び第2のCCD1,2は、相互に同一の画素数及び画素サイズを有しているため、第1及び第2の色フィルタ30,31のフィルタ構成素子も各CCD1,2の画素数及び画素サイズと同一のフィルタ数及びフィルタサイズを有して構成されている。
また、第2のCCD2上の結像倍率は、第1のCCD1上の結像倍率の3倍に設定されているため、第1のCCD1の1画素は、第2のCCD2の9画素分に対応している。例えば第1のCCD1(同図(a)参照)の中央の太枠線で囲まれた9個のフィルタ構成素子が、第2のCCD2(同図(b)参照)の全てのフィルタ構成素子に対応している。具体的には、第1の色フィルタ30の1個のフィルタ構成素子は、第2の色フィルタ31において、赤(R),緑(G),青(B)の色成分を有する光を透過可能なフィルタ構成素子を3個ずつ組み合わせたものに対応している。この場合、赤(R),緑(G),青(B)の色成分を有する光を透過可能な3個のフィルタ構成素子は、夫々、赤、緑、青の色成分情報を得るための透過特性を有しており、各フィルタ構成素子に対応した各画素から所定の色情報(画像データ)が得られる。
次に、本実施の形態の動作について説明する。
上記第1の実施の形態と同様の画像処理によって、第1及び第2のCCD1,2から出力された画像データは、合成部10において、第1のCCD1の解像度を有する画像に合成される(同図(c)参照)。
このような合成画像において、第1及び第2のCCD1,2によって重複撮像された画像領域の色情報(仮に、重複色情報と称する)のうち、第1の色フィルタ30に対応する色情報は、第1のCCD1の出力色情報を適用し、その他の色情報は、第2の色フィルタ31に対応した第2のCCD2の出力色情報(第1のCCD1の各画素に対応した複数画素の色情報)を適用する。具体的には、上記重複色情報のうち、第1の色フィルタ30に対応する色情報(例えば、赤(R))は、この色(R)の光を透過可能なフィルタ構成素子に対応した第1のCCD1の各画素からの出力色情報(R)を適用し、その他の2色の色情報(即ち、青(B),緑(G))は、これら2つの色(B,G)の光を透過可能なフィルタ構成素子に対応した第2のCCD2の各画素からの出力色情報(B,G)の平均値を適用する。
一方、上記合成画像において、第1のCCD1のみによって撮像された画像領域の色情報は、第1の色フィルタ30に対応した第1のCCD1の出力色情報、及び、隣接した画素相互の色情報に補間処理を施して求めた出力色情報とを適用する。
このように本実施の形態によれば、第1のCCD1によって撮像された画像領域の色情報はかならずしも正確ではないが、第2のCCD2の撮像領域では、第1のCCD1の1画素に対応する領域に、赤(R),緑(G),青(B)の色成分を有する光を透過可能な3個のフィルタ構成素子が含まれるため、全ての色情報をサンプリングすることができる。この結果、高精度な色再現性を実現することが可能となるため、撮像領域が部分的に高色再現された合成画像を得ることができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限定されることはなく、新規事項を追加しない範囲で各種の変形や変更が可能である。例えば、第1及び第2の色フィルタ30,31のフィルタ構成素子の種類,配置,サイズ,画素数は、同一である必要はなく、例えば補色フィルタを使用したり、或いは、各種色フィルタをランダムに配置させる等、各種の組み合わせが可能で、画像合成の際の処理方法を変えることによって、高色再現の効果を得ることができる。この場合、例えば、図7(d)に示すように、第2の色フィルタ31の代わりに、F1からF9から成る9種類の色フィルタを縦横に並んだ3画素の領域内に規則的に配置させたフィルタを用いることが好ましい。この結果、部分領域内の各画素について近似的なマルチ色情報を得ることができる。
また、第1のCCD1に対する第2のCCD2上の結像倍率は、任意に設定することができる。この場合、例えば制御部12(図2及び図3参照)からの設定情報や第1及び第2のCCD1,2の相関情報に基づいて、各色フィルタの対応関係を求めることによって、部分画像の高色再現を実現することができる。
なお、本明細書中には、以下のような発明が含まれる。
1. 第1の撮像手段と、
この第1の撮像手段に被写体像を結像する第1の光学系と、
第2の撮像手段と、
前記第1の光学系よりも結像倍率が大きく且つ前記第2の撮像手段に前記被写体像を結像する第2の光学系と、
前記第1の撮像手段によって撮像された画像情報と前記第2の撮像手段によって撮像された画像情報とを合成する合成手段とを備えていることを特徴とする撮像装置。
(対応する発明の実施の形態)
この発明は、主に第1の実施の形態(図1参照)が対応する。
第1及び第2の撮像手段は、第1及び第2のCCD1,2が該当し、合成手段は、合成部10が該当する。
(作用・効果)
第1の光学系によって集光された被写体の像光は、第1の光学系の光軸上に配置されたハーフミラーによって透過光と反射光に分割され、その透過光は、第1の撮像手段に結像し、その反射光は、第1の光学系よりも大きな結像倍率を有する第2の光学系を介して第2の撮像手段に結像する。また、第2の撮像手段の撮像領域は、第1の撮像手段の撮像領域の略中央に規定されている。また、合成手段は、第2の撮像手段によって撮像された高解像度の部分画像と、第1の撮像手段によって撮像された全体画像とを高画質化の目的に応じた方法によって1枚の合成画像とする。
この1枚の合成画像の全体の画像領域において、第1のCCD1独自の画像領域には、この第1のCCD1によって撮像処理された画像データが適用され、且つ、第1及び第2のCCD1,2の共通の画像領域には、少なくとも第2のCCD2によって撮像処理された画像データが適用される。従って、上記1枚の合成画像は、部分的に高画質化された合成画像となっている。
本発明によれば、被写体の所望の画像領域に対して、高解像度及び高色再現性が維持された高画質化が実現可能な撮像装置を提供することが可能となる。
2. 前記第1の撮像手段が撮像する第1の画像領域内の所望位置に前記第2の撮像手段が撮像する第2の画像領域を位置付けるように、前記第2の光学系及び前記第2の撮像手段を所定方向へ移動制御する移動手段と、
前記第1の画像領域に対する前記第2の画像領域の位置設定を行う位置設定手段とを更に備え、
前記合成手段は、前記位置設定手段から出力される情報に基づいて、前記第1の撮像手段によって撮像された画像情報と前記第2の撮像手段によって撮像された画像情報とを合成することを特徴とする上記1に記載の撮像装置。
(対応する発明の実施の形態)
この発明は、主に第2の実施の形態(図2)が対応する。
移動手段は、駆動部11が該当し、位置設定手段は、制御部12が該当する。(作用・効果)
撮像を開始する際、駆動部11は、制御部12からの制御信号に基づいて、第2の光学系4及び第2のCCD2を所定方向へ移動することによって、第2のCCD2の予定撮像領域を設定する。
制御部12から駆動部11へ伝送する制御信号の設定方法は、液晶モニタ13上に表示された第1及び第2のCCD1,2の予定撮像領域に基づいて撮影者自身で設定する第1の方法、或いは、合成部10から出力された第1のCCD1の予定撮像画像データと目的に応じて予め設定された制御部12内のアルゴリズムに従った計算データによって自動的に設定する第2の方法等を適用することが可能である。なお、第1の方法が適用される例としては、人物像の顔等を選択する場合が該当する。第2の方法が適用される例としては、第1のCCD1の予定撮像画像を複数の領域に分割した後、最も高空間周波数成分を多く含む領域に第2のCCD2を割り当てる場合が該当する。
第2のCCD2の予定撮像領域が設定された後、第1の実施例と同様の撮像処理が施されることによって、所望の領域が部分的に高画質化された1枚の合成画像を得ることができる。
3. 互いに透過率が異なる複数の光量制限手段と、
これら複数の光量制限手段から所望の光量制限手段を前記第1の光学系と前記第1の撮像手段との間の第1の光路、及び、前記第1の光学系と前記第2の撮像手段との間の第2の光路の少なくとも一方の光路中に選択的に配置可能に構成された光量制限手段駆動部と、
前記第1及び第2の撮像手段に結像する前記被写体像の光量を所望量に制限するように、前記光量制限手段駆動部を駆動制御することによって、前記複数の光量制限手段のうち、所望の光量制限手段を前記第1の光路及び前記第2の光路の少なくとも一方の光路中に選択的に配置させる制御手段とを更に備えていることを特徴とする上記1又は2に記載の撮像装置。
(対応する発明の実施の形態)
この発明は、主に第3の実施の形態(図3)が対応する。
光量制限手段は、フィルタ駆動部16に収容された複数のNDフィルタが該当し、制御手段は、制御部12が該当する。
(作用・効果)
第1及び第2のCCD1,2によって画像処理された予定撮像画像は、信号伝送手段(図示しない)を介して合成部10に伝送された後、更に制御部12に伝送され、第1及び第2のCCD1,2の予定撮像画像に対する最適露光量を算出すると共に、最適露光量を与える最適なNDフィルタの選択処理が行われる。
フィルタ駆動部16は、制御部12から出力された選択指令に基づいて、選択したNDフィルタを第1の光軸6及び第2の光軸7の少なくとも一方の光軸上に配置する。
この後、第1及び第2のNDフィルタ14,15を配置させた状態において、再び、第1及び第2のCCD1,2によって予定撮像画像を形成して、配置された第1及び第2のNDフィルタ14,15が最適なNDフィルタか否かの検索が行われる。
この検索処理の結果、第1及び第2のNDフィルタ14,15が最適な露光量を与えるNDフィルタとして設定された後、第1の実施の形態と同様の撮像処理が施されることによって、所望の領域が部分的に高画質化された1枚の合成画像が得られる。
本発明によれば、第1及び第2のCCD1,2のダイナミックレンジ (有効撮像範囲)よりも広範囲な階調画像に対する高画質化を実現することができる。 4. 前記合成手段の画像合成処理に際し、合成画像の解像度を前記第1の撮像手段の解像度よりも大きく設定した状態において、前記第1の撮像手段のみによって撮像された画像領域には、前記第1の撮像手段のみによって撮像された画像データを適用し、且つ、前記第1及び第2の撮像手段によって重複撮像された画像領域には、前記第2の撮像手段によって撮像された画像データを適用して、全画像領域で同倍率の画像を合成することを特徴とする上記1ないし3のいずれか一つに記載の撮像装置。
(対応する発明の実施の形態)
この発明は、主に第4の実施の形態(図4)が対応する。
第1及び第2のCCD1,2は、相互に同一の画素数及び画素サイズを有しており、第2のCCD2上の結像倍率は、第1のCCD1上の結像倍率の3倍に設定されている。従って、第1のCCD1の1画素は、第2のCCD2の9画素分に対応している。
(作用・効果)
本発明において、合成画像の解像度を第1のCCD1の解像度よりも大きく設定した状態において、合成画像のうち、第1のCCD1のみによって撮像された画像領域には、第1のCCD1の画像データのみを適用し、且つ、第1及び第2のCCD1,2によって重複撮像された画像領域には、第2のCCD2の画像データのみを適用する。
この場合、第2のCCD2の画像データを合成する際には、合成画像領域内に適用された第1のCCD1の画像データを基準に画像合成処理が行われる。この結果、全画像領域で同倍率の画像が合成されることになる。
本発明によれば、合成画像内において、第2のCCD2により撮像された画像領域を高解像度化させることが可能となる。
5. 前記第1の撮像手段は、複数の撮像素子から構成されており、これら複数の撮像素子の光入射側には、夫々、所定の色成分を有する光に対応した透過特性を有する色フィルタが配置されており、また、前記第2の撮像手段の光入射側には、前記所定の色成分のうち所望の色成分を有する光に対応した透過特性を有する色フィルタが配置されていることを特徴とする上記4に記載の撮像装置。
(対応する発明の実施の形態)
この発明は、主に第5の実施の形態(図5)が対応する。
第1の撮像手段は、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bが該当し、この第1の撮像手段の光入射側の色フィルタは、第1〜第3の色フィルタ19a,19c,19bが該当する。第2の撮像手段は、第2のCCD2が該当し、この第2の撮像手段の光入射側の色フィルタは、第4の色フィルタ21が該当する。
(作用・効果)
第1の光学系3によって集光された被写体の像光は、第1のハーフミラー5によって透過光と反射光に分割される。
第1のハーフミラー5を透過した透過光は、第2のハーフミラー17によって更に透過光と反射光に分割された後、その透過光は、第1の色フィルタ19aを介して第1のCCD20a上に結像し、その反射光は、第3のハーフミラー18によって更に透過光と反射光に分割される。
第3のハーフミラー18を透過した透過光は、第2の色フィルタ19cを介して第3のCCD20c上に結像し、第3のハーフミラー18から反射した反射光は、第3の色フィルタ19bを介して第4のCCD20b上に結像する。
一方、第1のハーフミラー5から反射した反射光は、第2の光学系4によって第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bに対する倍率よりも拡大された倍率で第2の予定結像面9上に結像される。このため、高解像度化を希望する青,赤,緑のいずれかの色成分を有する光を透過可能な第4の色フィルタ21が全面に配置された第2のCCD2上には、第2の予定結像面9上に結像された拡大像の一部が結像されることになる。
第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20b並びに第2のCCD2によって撮像処理された画像データは、夫々、信号伝送手段を介して合成部10に伝送された後、この合成部10において、第2のCCD2の解像度を有する画像に合成される。
合成画像のうち、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bのみによって撮像された画像領域には、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bの画像データが適用される。しかしながら、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bは、第2のCCD2よりも解像度が低いため、各画像データに対して補間処理を施すことによって所望の解像度を有する合成画像を得ている。
一方、合成画像のうち、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20b並びに第2のCCD2によって撮像された画像領域において、高解像度化を希望する青,赤,緑のいずれかの色成分を有する光を透過可能な第4の色フィルタ21の画像データは、第2のCCD2によって撮像された画像データを適用し、その他2つの色に対応した画像データは、第1,第3及び第4のCCD20a,20c,20bのいずれか2つの画像データに対して補間処理を施すことによって所望の解像度を有する合成画像を得ている。
このような撮像処理を施すことによって、高解像度化を希望する青,赤,緑のいずれかの色成分を有する対応した画像領域のうち、所望の領域が部分的に高解像度化された合成画像を得ることができる。
6. 前記合成手段の画像合成処理に際し、前記第1の撮像手段によって撮像された画像領域に対して前記第2の撮像手段によって撮像された画像領域が高倍率画像となるように、画像を合成することを特徴とする上記1ないし3のいずれか一つに記載の撮像装置。
(対応する発明の実施の形態)
この発明は、主に第6の実施の形態(図6)が対応する。
第1及び第2のCCD1,2は、相互に同一画素数及び画素サイズを有しており、第2のCCD2上の結像倍率は、第1のCCD1上の結像倍率の3倍に設定されている。
(作用・効果)
合成部10(図1〜図3参照)によって、第1のCCD1の画像データと第2のCCD2の画像データに合成処理を施した合成画像は、第2のCCD2によって撮像された中央画像領域(図6(c)中、中央の格子間隔が狭まっている部分)が、第1のCCD1のみによって撮像された周辺画像領域よりも高倍率な画像となっている。
本発明において、撮影者は、液晶モニタ13(図2参照)に表示画像に基づいて、第2のCCD2によって撮像された中央画像領域に現された被写体の重要部を高倍率で観察しながら、第1のCCD1によって撮像された周辺画像領域を広画角で観察することができる。この結果、撮像目的や撮像対象に対応して被写体の重要部が変わった場合でも、短時間且つ簡単に第2のCCD2の撮像領域を新たな重要部へ移動させることができる。なお、合成画像は、所定の記憶部(図示しない)に記憶させるか、或いは、即時に出力させることになる。
本発明によれば、撮像領域が部分的に拡大された場合でも、その拡大率に対応した高解像度な合成画像を得ることができる。
7. 前記第1の撮像手段の光入射側には、前記第1の撮像手段の各画素に対応して配置され且つ複数色の光に対する透過特性を有する複数のフィルタ構成素子から成る第1の色フィルタが設けられており、
また、前記第2の撮像手段の光入射側には、前記第2の撮像手段の各画素に対応して配置され且つ複数色の光に対する透過特性を有する複数のフィルタ構成素子から成る第2の色フィルタが設けられており、
前記合成手段の画像合成処理に際し、前記第1及び第2の撮像手段によって重複撮像された画像領域の色情報のうち、前記第1の色フィルタに対応する色情報は、前記第1の撮像手段の出力色情報を適用し、その他の色情報は、前記第2の色フィルタに対応した前記第2の撮像手段の出力色情報を適用すると共に、前記第1の撮像手段のみによって撮像された画像領域の色情報は、前記第1の色フィルタに対応した前記第1の撮像手段の出力色情報、及び、隣接した画素相互の色情報に補間処理を施した出力色情報とを適用することを特徴とする上記1ないし3のいずれか一つに記載の撮像装置。
(対応する発明の実施の形態)
この発明は、主に第7の実施の形態(図7及び図8)が対応する。
本発明において、第1及び第2の色フィルタ30,31は、第1及び第2のCCD1,2の画素配列に対応して、赤(R),緑(G),青(B)の色成分を有する光を透過可能なフィルタ構成素子(同図において、符号R,G,Bで示す)が、縦横に一定の周期で規則的に配置されている。具体的には、第1及び第2のCCD1,2は、相互に同一の画素数及び画素サイズを有しているため、第1及び第2の色フィルタ30,31のフィルタ構成素子も各CCD1,2の画素数及び画素サイズと同一のフィルタ数及びフィルタサイズを有して構成されている。 また、第2のCCD2上の結像倍率は、第1のCCD1上の結像倍率の3倍に設定されているため、第1のCCD1の1画素は、第2のCCD2の9画素分に対応している。
(作用・効果)
上記第1の実施の形態と同様の画像処理によって、第1及び第2のCCD1,2から出力された画像データは、合成部10において、第1のCCD1の解像度を有する画像に合成される。
このような合成画像において、第1及び第2のCCD1,2によって重複撮像された画像領域の色情報(仮に、重複色情報と称する)のうち、第1の色フィルタ30に対応する色情報は、第1のCCD1の出力色情報を適用し、その他の色情報は、第2の色フィルタ31に対応した第2のCCD2の出力色情報(第1のCCD1の各画素に対応した複数画素の色情報)を適用する。具体的には、上記重複色情報のうち、第1の色フィルタ30に対応する色情報(例えば、赤(R))は、この色(R)の光を透過可能なフィルタ構成素子に対応した第1のCCD1の各画素からの出力色情報(R)を適用し、その他の2色の色情報(即ち、青 (B),緑(G))は、これら2つの色(B,G)の光を透過可能なフィルタ構成素子に対応した第2のCCD2の各画素からの出力色情報(B,G)の平均値を適用する。
一方、上記合成画像において、第1のCCD1のみによって撮像された画像領域の色情報は、第1の色フィルタ30に対応した第1のCCD1の出力色情報、及び、隣接した画素相互の色情報に補間処理を施した出力色情報とを適用する。 このように本実施の形態によれば、第1のCCD1によって撮像された画像領域の色情報はかならずしも正確ではないが、第2のCCD2の撮像領域では、第1のCCD1の1画素に対応する領域に、赤(R),緑(G),青(B)の色成分を有する光を透過可能な3個のフィルタ構成素子が含まれるため、全ての色情報をサンプリングすることができる。この結果、高精度な色再現性を実現することが可能となるため、撮像領域が部分的に高色再現された合成画像を得ることができる。
1…第1のCCD、2…第2のCCD、3…第1の光学系、4…第2の光学系、5…ハーフミラー、6…第1の光軸、7…第2の光軸、8…第1の予定結像面、9…第2の予定結像面、10…合成部。