JP2006111674A - ゼオライト膜形成用塗料及び該塗料を用いたゼオライト膜の製造方法、ゼオライト膜 - Google Patents

ゼオライト膜形成用塗料及び該塗料を用いたゼオライト膜の製造方法、ゼオライト膜 Download PDF

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Abstract

【課題】水分吸脱着能を向上し得るゼオライト膜形成用塗料及び該塗料を用いたゼオライト膜の製造方法、ゼオライト膜を提供する。
【解決手段】本発明のゼオライト膜形成用塗料は、ゼオライト、バインダ組成物及び有機溶剤をそれぞれ含むゼオライト膜形成用塗料の改良であり、その特徴ある構成は、添加剤としてメタクリル酸エステルモノマーを更に含むところにある。バインダ組成物はシリカゾルを含むことが好適であり、有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は重量比で56〜80:3〜9:3〜24:10〜31が好ましい。また、ゼオライトの平均粒子径は0.5〜10μmが、孔径は0.2〜1nmが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、水分吸脱着能を向上したゼオライト膜形成用塗料及び該塗料を用いたゼオライト膜の製造方法、ゼオライト膜に関するものである。
ゼオライトはその結晶中に空洞を有する多孔質媒体であり、その構造により様々な物質を取り込むことができるため、触媒や吸着剤、イオン交換剤、調湿剤として広く実用化されている。
調湿剤の用途としては、表面にゼオライト等からなる水分吸着材が配置された熱交換部材の一表面に被処理空気を通流させ、他の表面に熱媒流体を通流させることを特徴とする乾式除湿装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に示される乾式除湿装置では、熱交換管に複数のアルミニウムプレートフィンが嵌合され、この熱交換管の外周面及びフィンの表面の全面にアクリル粘着性バインダを塗布し、このアクリル粘着剤バインダ膜にゼオライト粒子を埋め込むようにして、添着することにより熱交換管やフィン表面に吸着材を形成している。また、ゼオライトの粉末を水ガラスとともに混練し、この混練物を銅管外周面及びフィン表面に押し出して塗布した後、水ガラス分を乾燥焼成し、ゼオライト粉末と水ガラスをフィン表面等に固着することにより吸着材を設けている。
特開平7−265649号公報(請求項1、段落[0011])
しかし、上記特許文献1に示される乾式除湿装置の吸着材では、ゼオライトをアクリル粘着剤バインダ膜に添着させているか、水ガラスを使用して固着しているだけであるため、十分な水分吸脱着能が発揮されていなかった。
本発明の目的は、水分吸脱着能を向上し得るゼオライト膜形成用塗料及び該塗料を用いたゼオライト膜の製造方法、ゼオライト膜を提供することにある。
請求項1に係る発明は、ゼオライト、バインダ組成物及び有機溶剤をそれぞれ含むゼオライト膜形成用塗料の改良である。その特徴ある構成は、添加剤としてメタクリル酸エステルモノマーを更に含むところにある。
請求項1に係る発明では、ゼオライト膜形成用塗料に添加剤としてメタクリル酸エステルモノマーを含むことで、この塗料を塗布した基材を焼成した際に、添加剤であるメタクリル酸エステルモノマーが塗膜内から焼飛んで、この焼飛んだ箇所が膜中に膜表層に連通する連通孔(ポア)として形成される。通常のゼオライト膜形成用塗料を塗布焼成したゼオライト膜では、表層近傍のみが水分吸脱着能を発揮するが、本発明のゼオライト膜形成用塗料を塗布焼成したゼオライト膜では、表層近傍だけでなく、メタクリル酸エステルモノマーが焼飛んで形成された連通孔近傍も水分吸脱着能を発揮するため、水分吸脱着能が向上した優れたゼオライト膜が得られる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、バインダ組成物がシリカゾルを含む塗料である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合が重量比で56〜80:3〜9:3〜24:10〜31である塗料である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に係る発明であって、ゼオライトの平均粒子径が0.5〜10μmであり、孔径が0.2〜1nmである塗料である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に記載の塗料を基材に塗布する工程と、塗料を塗布した基材を20℃〜50℃で仮焼成する工程と、仮焼成した基材を塗料に含まれる添加剤の沸点以上基材の融点以下で本焼成する工程とを含むことを特徴とするゼオライト膜の製造方法である。
請求項6に係る発明は、基材を20℃〜50℃で仮焼成する工程と、請求項1ないし4いずれか1項に記載の塗料を仮焼成した基材に塗布する工程と、塗料を塗布した基材を塗料に含まれる添加剤の沸点以上基材の融点以下で本焼成する工程とを含むことを特徴とするゼオライト膜の製造方法である。
請求項5又は6に係る発明では、上記工程を経ることで、より水分吸脱着能を向上させたゼオライト膜を製造することができる。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に記載の塗料を基材表面に塗布焼成することにより形成されたゼオライト膜、或いは請求項5又は6記載の方法により製造されたゼオライト膜であって、膜中に含まれるゼオライトとシリカゾル由来のSiO2の重量比が6:4〜8:2であることを特徴とするゼオライト膜である。
本発明のゼオライト膜形成用塗料は、添加剤としてメタクリル酸エステルモノマーを含むことで、この塗料を塗布した基板を焼成した際に、添加剤であるメタクリル酸エステルモノマーが塗膜内から焼飛んで、この焼飛んだ箇所が膜中に膜表層に連通する連通孔(ポア)として形成される。その結果、通常のゼオライト膜形成用塗料を塗布焼成したゼオライト膜では、表層近傍のみが水分吸脱着能を発揮するが、本発明のゼオライト膜形成用塗料を塗布焼成したゼオライト膜では、表層近傍だけでなく、メタクリル酸エステルモノマーが焼飛んで形成された連通孔近傍も水分吸脱着能を発揮するため、水分吸脱着能が向上した優れたゼオライト膜が得られる。
本発明のゼオライト膜の製造方法は、前述した本発明のゼオライト膜形成用塗料を基材に塗布し、塗料を塗布した基材を仮焼成した後に、この仮焼成した基材を塗料に含まれる添加剤の沸点以上基材の融点以下で本焼成するか、基材を仮焼成した後に、前述した本発明のゼオライト膜形成用塗料を仮焼成した基材に塗布し、塗料を塗布した基材を塗料に含まれる添加剤の沸点以上基材の融点以下で本焼成することで、より水分吸脱着能を向上させたゼオライト膜を製造することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のゼオライト膜形成用塗料は、ゼオライト、バインダ組成物及び有機溶剤をそれぞれ含むゼオライト膜形成用塗料の改良であり、その特徴ある構成は、添加剤としてメタクリル酸エステルモノマーを更に含むところにある。ゼオライト膜形成用塗料に添加剤としてメタクリル酸エステルモノマーを含むことで、この塗料を塗布した基材を焼成した際に、添加剤であるメタクリル酸エステルモノマーが塗膜内から焼飛んで、この焼飛んだ箇所が膜中に膜表層に連通する連通孔(ポア)として形成される。通常のゼオライト膜形成用塗料を塗布焼成したゼオライト膜では、表層近傍のみが水分吸脱着能を発揮するが、本発明のゼオライト膜形成用塗料を塗布焼成したゼオライト膜では、表層近傍だけでなく、メタクリル酸エステルモノマーが焼飛んで形成された連通孔近傍も水分吸脱着能を発揮するため、水分吸脱着能が向上した優れたゼオライト膜が得られる。
本発明のゼオライト膜形成用塗料で添加剤として添加されるメタクリル酸エステルモノマーを例示すると、メタクリル酸メチルモノマー、メタクリル酸エチルモノマー、メタクリル酸ノルマルブチルモノマー、メタクリル酸セカンダリーブチルモノマー、メタクリル酸ターシャリーブチルモノマー、メタクリル酸イソブチルモノマー、メタクリル酸アリルモノマー、フェニルメタクリレートモノマー、ベンジルメタクリレートモノマー等が挙げられる。本発明で添加剤として使用されるメタクリル酸エステルモノマーの沸点を次の表1にそれぞれ示す。
Figure 2006111674
本発明のゼオライト膜形成用塗料におけるバインダ組成物には、シリカゾルが含まれる。バインダ組成物成分としてシリカゾルを用いた場合、シリカゾルにはアルキルシリケートの加水分解物又は部分加水分解物が使用される。シリカゾルを用いることにより、シリカゾルの均一混合作用により透明度を低下させることがなく、高い水分吸脱着能を得ることが出来、更にシリカゾルの作用で基材との密着性が一層向上する。バインダ組成物は、シリカゾルと任意の溶媒を所望の割合で混合して使用される。
また、本発明のゼオライト膜形成用塗料における有機溶剤は、塗布する基材等によっても異なるが、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、工業用の混合アルコールが挙げられる。
本発明のゼオライト膜形成用塗料における有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は、重量比で56〜80:3〜9:3〜24:10〜31の範囲内が好適である。特に好ましい混合割合は、重量比で60〜70:3〜7:7〜20:10〜22である。メタクリル酸エステルモノマーの混合割合を上記範囲内に規定したのは、下限値未満であると、添加剤を混合した効果が得られないためであり、上限値を越えると、塗料を塗布した後に焼成して得られるゼオライト膜に形成される連通孔が多くなりすぎてしまい、膜の強度が低下する不具合を生じるからである。また、塗料を塗布した後に焼成したとしても、塗料中に含まれるメタクリル酸エステルモノマーの一部が膜中に残留してしまい、水分吸脱着能等のゼオライトが有する諸機能が低下してしまうおそれがある。
本発明のゼオライト膜形成用塗料に使用されるゼオライトは、塗布対象となる基材や、ゼオライト膜の使用環境等によっても異なるが、その平均粒子径が0.5〜10μmであり、孔径が0.2〜1nmのゼオライトを用いることが好ましい。
次に、本発明の第1のゼオライト膜の製造方法を説明する。
先ず、前述した本発明のゼオライト膜形成用塗料を基材に塗布する。塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法等により施すことができるが、特に塗布方法は限定されない。本発明に使用される基材としては、建家や部屋の壁、エアコン等の熱交換器などが挙げられる。建家や部屋の壁にゼオライト膜を形成することで、建築物壁面の結露を防止するための壁面結露防止作用が得られる。また、エアコン等の熱交換器にゼオライト膜を形成することで、エアコンを設置した居住空間の調湿作用が得られる。
次に、本発明のゼオライト膜形成用塗料を塗布した基材を20℃〜50℃で仮焼成する。この仮焼成工程を施さないと、添加剤と有機溶剤が同時に蒸発してしまい、塗膜にポアを形成することができない。続いて、仮焼成した基材を塗料に含まれる添加剤の沸点以上基材の融点以下で本焼成する。本焼成の温度が添加剤の沸点未満では、添加剤が十分に焼飛ばないため、形成されるゼオライト膜に残留してしまう不具合を生じ、本焼成の温度が基材の融点を越えると、ゼオライト膜は形成されるが、成型加工した基材の形状を保持することができないため好ましくない。この本焼成を施すことで、ゼオライト膜が形成されるとともに、添加剤であるメタクリル酸エステルが塗膜内から焼飛んで、この焼飛んだ箇所が膜中に膜表層に連通する連通孔(ポア)として形成される。形成された連通孔により、膜の下側に埋もれて水分吸脱着に寄与していなかったゼオライトも水分吸脱着に利用することができるため、水分吸脱着能が大幅に増大する。このように上記工程を経ることで、水分吸脱着能に優れたゼオライト膜を製造することができる。なお、エアコン等の熱交換器などに使用されるアルミ基板にゼオライト膜を形成する際に、アルミ基板表面にアンダーコート層として水ガラス層を形成しておくことが好ましい。この水ガラス層をアンダーコート層として形成しておくことで、アルミ基板とゼオライト膜との密着性が向上する。具体的には、水ガラスを水で希釈した液を用意し、この水ガラス希釈液にアルミ基板を浸漬することにより基板表面に水ガラス希釈液を塗布した後、基板を焼成することで基板表面に水ガラス層を形成する。焼成後の基板は水洗しておく。この水ガラス層を形成したアルミ基板表面に前述した本発明の製造方法によりゼオライト膜を形成する。
また、本発明の第2のゼオライト膜の製造方法では、先ず、基材を20℃〜50℃で仮焼成する。次に、前述した本発明のゼオライト膜形成用塗料を仮焼成した基材に塗布する。この後に続く工程は、前述した本発明の第1のゼオライト膜の製造方法と同様である。
次に、本発明のゼオライト膜について説明する。
本発明のゼオライト膜は、前述した本発明のゼオライト膜形成用塗料を基材表面に塗布焼成することにより形成されるか、或いは前述したゼオライト膜の製造方法により製造されたゼオライト膜である。その特徴ある構成は、膜中に含まれるゼオライトとシリカゾル由来のSiO2の重量比が6:4〜8:2であるところにある。本発明のゼオライト膜中に含まれるゼオライトとシリカゲル由来のSiO2の重量比を上記重量比を規定したのは、膜中のゼオライト比率が6割未満になると、ゼオライトの水分吸着能が十分に発揮されず、膜中のゼオライト比率が8割を越えると、バインダであるSiO2比率が低くなり、膜の硬度及び密着性が悪くなるためである。特に好ましい重量比は、7:3〜8:2である。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
エタノール925gに平均粒子径4μm、細孔径0.3nmのゼオライト75gを混合し、超音波洗浄機により10分間分散して分散液を調製した。この分散液にメタクリル酸エチルモノマー250gと10重量%のエチルシリケート系シリカゾル250gをよく混合して、本発明のゼオライト膜形成用塗料を調製した。調製したゼオライト膜形成用塗料中の有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は重量比で62:5:17:17であった。このゼオライト膜形成用塗料に0.5m2のアルミ基板を浸漬することにより、アルミ基板表面に塗料を塗布し、40℃で0.25時間仮焼成した。続いて140℃で0.5時間本焼成した。アルミ基板0.5m2あたりのゼオライトの担持量が60gとなるまで、塗料への浸漬、仮焼成及び本焼成を繰返して、アルミ基板上にゼオライト膜を形成した。
<実施例2>
イソプロピルアルコール675gに平均粒子径2μm、細孔径0.45nmのゼオライト75gを混合し、ジルコニアビーズ100gにより1時間ペイントシェーカーにて分散させて分散液を調製した。この分散液にメタクリル酸ターシャリーブチルモノマー94gと10重量%のメチルシリケート系シリカゾル188gをよく混合して、本発明のゼオライト膜形成用塗料を調製した。調製したゼオライト膜形成用塗料中の有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は重量比で65:7.3:9.1:18.2であった。このゼオライト膜形成用塗料に0.5m2のアルミ基板を浸漬することにより、アルミ基板表面に塗料を塗布し、20℃で0.5時間仮焼成した。続いて150℃で0.5時間本焼成した。アルミ基板0.5m2あたりのゼオライトの担持量が60gとなるまで、塗料への浸漬、仮焼成及び本焼成を繰返して、アルミ基板上にゼオライト膜を形成した。
<実施例3>
工業用として使用される混合アルコール675gに平均粒子径1μm、細孔径0.7nmのゼオライト75gを混合し、超音波洗浄機により10分間分散して分散液を調製した。この分散液にメタクリル酸メチルモノマー80gと10重量%のエチルシリケート系シリカゾル252gをよく混合して、本発明のゼオライト膜形成用塗料を調製した。調製したゼオライト膜形成用塗料中の有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は重量比で62:7:7:23であった。このゼオライト膜形成用塗料に0.5m2のアルミ基板を浸漬することにより、アルミ基板表面に塗料を塗布し、50℃で0.5時間仮焼成した。続いて110℃で0.5時間本焼成した。アルミ基板0.5m2あたりのゼオライトの担持量が60gとなるまで、塗料への浸漬、仮焼成及び本焼成を繰返して、アルミ基板上にゼオライト膜を形成した。
<実施例4>
メタノール1425gに平均粒子径8μm、細孔径0.9nmのゼオライト75gを混合し、ジルコニアビーズ100gにより1時間ペイントシェーカーにて分散させて分散液を調製した。この分散液にメタクリル酸セカンダリーブチルモノマー525gと10重量%のメチルシリケート系シリカゾル250gをよく混合して、本発明のゼオライト膜形成用塗料を調製した。調製したゼオライト膜形成用塗料中の有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は重量比で63:3.3:23:11であった。このゼオライト膜形成用塗料に0.5m2のアルミ基板を浸漬することにより、アルミ基板表面に塗料を塗布し、30℃で0.5時間仮焼成した。続いて165℃で0.5時間本焼成した。アルミ基板0.5m2あたりのゼオライトの担持量が60gとなるまで、塗料への浸漬、仮焼成及び本焼成を繰返して、アルミ基板上にゼオライト膜を形成した。
<実施例5>
エタノール525gに平均粒子径4μm、細孔径0.3nmのゼオライト75gを混合し、超音波洗浄機により10分間分散して分散液を調製した。この分散液にメタクリル酸ノルマルブチルモノマー79gと10重量%のエチルシリケート系シリカゾル188gをよく混合して、本発明のゼオライト膜形成用塗料を調製した。調製したゼオライト膜形成用塗料中の有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は重量比で60.6:8.7:9.1:21.6であった。このゼオライト膜形成用塗料に0.5m2のアルミ基板を浸漬することにより、アルミ基板表面に塗料を塗布し、40℃で0.25時間仮焼成した。続いて185℃で0.5時間本焼成した。アルミ基板0.5m2あたりのゼオライトの担持量が60gとなるまで、塗料への浸漬、仮焼成及び本焼成を繰返して、アルミ基板上にゼオライト膜を形成した。
<実施例6>
イソプロピルアルコール925gに平均粒子径2μm、細孔径0.45nmのゼオライト75gを混合し、ジルコニアビーズ100gにより1時間ペイントシェーカーにて分散させて分散液を調製した。この分散液にメタクリル酸イソブチルモノマー150gと10重量%のメチルシリケート系シリカゾル500gをよく混合して、本発明のゼオライト膜形成用塗料を調製した。調製したゼオライト膜形成用塗料中の有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は重量比で56.1:4.5:9.1:30.3であった。このゼオライト膜形成用塗料に0.5m2のアルミ基板を浸漬することにより、アルミ基板表面に塗料を塗布し、20℃で0.5時間仮焼成した。続いて160℃で0.5時間本焼成した。アルミ基板0.5m2あたりのゼオライトの担持量が60gとなるまで、塗料への浸漬、仮焼成及び本焼成を繰返して、アルミ基板上にゼオライト膜を形成した。
<実施例7>
工業用として使用される混合アルコール925gに平均粒子径1μm、細孔径0.7nmのゼオライト75gを混合し、超音波洗浄機により10分間分散して分散液を調製した。この分散液にフェニルメタクリレートモノマー100gと10重量%のエチルシリケート系シリカゾル250gをよく混合して、本発明のゼオライト膜形成用塗料を調製した。調製したゼオライト膜形成用塗料中の有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は重量比で68.5:5.6:7.4:18.5であった。このゼオライト膜形成用塗料に0.5m2のアルミ基板を浸漬することにより、アルミ基板表面に塗料を塗布し、50℃で0.5時間仮焼成した。続いて235℃で0.5時間本焼成した。アルミ基板0.5m2あたりのゼオライトの担持量が60gとなるまで、塗料への浸漬、仮焼成及び本焼成を繰返して、アルミ基板上にゼオライト膜を形成した。
<実施例8>
メタノール1425gに平均粒子径8μm、細孔径0.9nmのゼオライト75gを混合し、ジルコニアビーズ100gにより1時間ペイントシェーカーにて分散させて分散液を調製した。この分散液にベンジルメタクリレートモノマー70gと10重量%のメチルシリケート系シリカゾル250gをよく混合して、本発明のゼオライト膜形成用塗料を調製した。調製したゼオライト膜形成用塗料中の有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合は重量比で79:4:3.5:13.5であった。このゼオライト膜形成用塗料に0.5m2のアルミ基板を浸漬することにより、アルミ基板表面に塗料を塗布し、30℃で0.5時間仮焼成した。続いて270℃で0.5時間本焼成した。アルミ基板0.5m2あたりのゼオライトの担持量が60gとなるまで、塗料への浸漬、仮焼成及び本焼成を繰返して、アルミ基板上にゼオライト膜を形成した。
<比較例1〜8>
添加剤であるメタクリル酸エステルモノマーを添加混合しない以外は実施例1〜8と同様にしてアルミ基板上にゼオライト膜を形成した。
<比較試験1>
先ず実施例1〜8及び比較例1〜8でそれぞれ得られたゼオライト膜が形成されたアルミ基板を250℃に維持された乾燥機内に入れて、3時間保持した。乾燥後は各アルミ基板をデシケーター内で放冷した。放冷後、空気中の水分が基板に吸着されないように注意しながら、各アルミ基板の重量を計測した。次いで、ゼオライト膜が形成されたアルミ基板を25℃、相対湿度90%に維持された恒温恒湿槽内に入れて12時間保持し、ゼオライト膜に水分を吸着させた。保持後はゼオライト膜が形成されたアルミ基板を恒温恒湿槽内から取出し、直ちに各アルミ基板の重量を再び測定した。次に、水分吸着前後の重量の差を求め、単位面積あたりの吸着割合を算出した。実施例1〜8及び比較例1〜8で使用したゼオライト膜形成用塗料及びゼオライト膜が形成されたアルミ基板について測定した結果を表2及び表3に示す。
Figure 2006111674
Figure 2006111674
表2及び表3より明らかなように、ゼオライト膜形成用塗料に添加剤であるメタクリル酸エステルモノマーが含まれていない比較例1〜8で形成したゼオライト膜に比べて本発明のゼオライト膜形成用塗料を用いた実施例1〜8で形成したゼオライト膜は、同量のゼオライト担持量でも水分吸着割合が高い結果が得られていることが判る。

Claims (7)

  1. ゼオライト、バインダ組成物及び有機溶剤をそれぞれ含むゼオライト膜形成用塗料において、
    添加剤としてメタクリル酸エステルモノマーを更に含むことを特徴とするゼオライト膜形成用塗料。
  2. バインダ組成物がシリカゾルを含む請求項1記載の塗料。
  3. 有機溶剤、ゼオライト、添加剤及びバインダ組成物の混合割合が重量比で56〜80:3〜9:3〜24:10〜31である請求項1又は2記載の塗料。
  4. ゼオライトの平均粒子径が0.5〜10μmであり、孔径が0.2〜1nmである請求項1ないし3いずれか1項に記載の塗料。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の塗料を基材に塗布する工程と、
    前記塗料を塗布した基材を20℃〜50℃で仮焼成する工程と、
    前記仮焼成した基材を塗料に含まれる添加剤の沸点以上前記基材の融点以下で本焼成する工程と
    を含むことを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
  6. 基材を20℃〜50℃で仮焼成する工程と、
    請求項1ないし4いずれか1項に記載の塗料を前記仮焼成した基材に塗布する工程と、
    前記塗料を塗布した基材を塗料に含まれる添加剤の沸点以上前記基材の融点以下で本焼成する工程と
    を含むことを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
  7. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の塗料を基材表面に塗布焼成することにより形成されたゼオライト膜、或いは請求項5又は6記載の方法により製造されたゼオライト膜であって、
    前記膜中に含まれるゼオライトとシリカゾル由来のSiO2の重量比が6:4〜8:2であることを特徴とするゼオライト膜。
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