JP2006111577A - 植物精油成分を含む殺菌剤と該殺菌剤を用いた感染症予防方法 - Google Patents

植物精油成分を含む殺菌剤と該殺菌剤を用いた感染症予防方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 感染症予防等に効果があり、かつ安全に対人使用もできる薬剤を提供すること。
【解決手段】 ティーツリー精油成分とミント精油成分が、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌のすべてに殺菌作用を示すように配合された殺菌剤、少なくともレジオネラ菌に対する殺菌作用を発揮又は増強できるように、ラベンダー精油成分が所定量以上添加された殺菌剤、さらにローズマリー精油成分を添加するなど、防カビにも有効であるように配合成分を工夫した殺菌剤を提供する。そして、以上の殺菌剤を、対人、対象空間、対象物のいずれかへ噴霧することを特徴とする感染症予防方法を提供する。

Description

本発明は、植物精油成分を有効成分とした殺菌技術に関する。より詳しくは、ティーツリー精油成分、ミント精油成分、ラベンダー精油成分、ローズマリー精油成分などを用いた殺菌技術に関する。
現在、病院等における院内感染が大きな問題となっている。この院内感染は、看護者の各病室における行動と大きく関係すると言われている。これを防止する方策に留まらず、各個々人の生活環境、例えば国内外の旅行やトレッキング等で水による手洗いが出来ないときや救急車、保健施設、福祉施設等の医療現場で活動する人々の感染防止、浴場やスポーツジム、レジャー施設等多くの場所や施設を利用する人々の感染予防においても、確実に感染症予防の実効を上げることができる技術が求められている。
この技術の有力候補として、除菌剤溶液等を所望の場所や空間に噴霧したり、塗布したりする技術を挙げることができる。噴霧技術では、従来から除菌だけでなく、消臭やアロマセラピー等を目的とするものもある。
薬剤を所望の場所や空間に噴霧したり、塗布したりする技術を想定すると、この薬剤の成分を吸気したときの粘膜刺激、気道刺激などの人体への影響や皮膚接触時の肌荒れなどの心配が少ない成分が望ましいことから、種々の天然成分が検討されている。例えば、植物精油成分の殺菌効能が検討されている。以下、植物精油成分の殺菌あるいは消臭効能に係わる先行技術を述べる。
特許文献1には、ティートリー油、ペパーミント油の精油成分を含む薬剤を寝具や衣類用の制菌消臭システムに用いることを要旨とする技術が開示されている。
特許文献2には、ペパーミント精油成分、タイム精油成分、オークモス精油成分などから選ばれる成分を含有する抗菌剤が開示され、かかる抗菌剤は、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌に有効であることが開示されている。
特許文献3には、セージオイル、タイムオイル、バジルオイル、ペパーミントオイル、ハッカオイル、ローズマリーオイルなどから選ばれる成分を含有する消臭洗浄剤が開示されている。
特許文献4には、ティートリー油、ラベンダー油、バラ油などの精油成分を有効成分とする口腔カンジタ症を予防又は治療するための組成物が開示されている。
特許文献5には、ラベンダー、バラ属植物などの抽出物が抗菌性植物抽出成分として機能することが開示され、これらを皮膚外用剤として使用する技術が開示されている。
特許文献6には、シソ、ラベンダーなどのシソ科植物の溶媒抽出物を抗菌剤として用いた低刺激性抗菌化粧料が開示され、皮膚・粘膜刺激性がほとんどなく安全性が高い旨が記載されている。
特許文献7には、ディル種子やパセリ種子などの植物種子やローズマリー葉、ペペーミント葉などから抽出した精油を有効成分とする口腔用消臭剤が開示されている。
特許文献8には、ローズマリー、ヒマワリ種子などの天然抽出物とフェノール性化合物を酸化する酸素とを少なくとも含有する消臭剤組成物が開示されている。
特開2000−271197号公報。 特開平05−271064号公報。 特開2000−212597号公報。 特開2003−089652号公報。 特開2000−044419号公報。 特開2001−172159号公報。 特開平10−263064号公報。 特開平10−212221号公報。
本発明は、植物精油成分と当該成分が殺菌有効成分として機能し得る微生物種(主に、細菌、カビ)との関係を明らかにすることによって、感染症予防等に効果があり、かつ安全に対人使用もできる薬剤を提供することを目的とする。
本発明は、植物精油成分を殺菌有効成分とする薬剤であって、ティーツリー精油成分とペパーミント精油成分が、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌のすべてに殺菌作用を示すように配合された殺菌剤を提供する。この殺菌剤では、ティーツリー精油成分とペパーミント精油成分が、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌との関係において主要な有効成分として機能する。これに他の種類の植物精油成分や植物精油成分以外のその他の殺菌成分又は/及び防かび成分を配合するのは自由である。なお、本発明において「殺菌」とは、抗菌、制菌、除菌の概念も含む概念として用いる。
例えば、ティーツリー精油成分とペパーミント精油成分に加え、少なくともレジオネラ菌に対して殺菌作用を増強できるように、ラベンダー精油成分が所定量以上添加された殺菌剤を提供する。さらに、防カビにも有効であるように配合に工夫した殺菌剤、例えば、防カビ有効成分として、ローズマリー精油成分が添加された殺菌剤を提供する。その他、消臭作用やリラクゼーション作用を強化することを主な目的に、ローズ精油成分を配合してもよい。
また、本発明では、ラベンダー精油成分がレジオネラ菌に強い殺菌作用を示すことを新規に見出したことに基づいて、少なくともラベンダー精油成分がレジオネラ菌に殺菌作用を示す程度の量で含有されている殺菌剤を提供する。なお、この殺菌剤は、ラベンダー精油成分がレジオネラ菌との関係において主要な有効成分であって、これに他の種類の植物精油成分(例えば、ティーツリー精油成分、ペパーミント精油成分、ローズマリー精油成分、ローズ成分など)や植物精油成分以外のその他の殺菌成分又は/及び防かび成分を配合するのは自由である。
本発明において採用する植物からの精油(エンセンシャルオイル)の抽出方法は、特に限定されない。例えば、水蒸気蒸留法、圧搾法、溶媒抽出法などの公知の方法を適宜採用可能である。
次に、本発明では、上記したいずれかの殺菌剤を、対人、対象空間、対象物のいずれかへ噴霧することを特徴とする感染症予防方法を提供する。
殺菌剤を噴霧するために用いるスプレー器具や噴霧装置は、目的に応じて選択すればよく、特に限定されない。また、噴霧の対象空間や対象部位も特に限定されない。医療・介護現場や各個々人の生活環境、例えば国内外の旅行やトレッキング等で水による手洗いが出来ないときや浴場、スポーツジム、レジャー施設等多くの場所や施設を利用する人々の感染予防等、様々な場所や部位を挙げることができ、その噴霧範囲についても、目的又は必要に応じて決定すればよい。また、噴霧の対象物も特に限定されない。例えば、医療用器具その他感染の原因になる可能性のある器具、衣類、清拭用具、靴やスポーツ用品などの物品などを挙げることができる。
本発明に係る殺菌剤は、ティーツリー精油成分とペパーミント精油成分の作用によって、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌のすべてに殺菌作用を示す。また、ラベンダー精油成分を主要有効成分として用いたり、付加的な配合成分として用いたりすることにより、レジオネラ菌に対する優れた殺菌作用を確実に得ることができる。
本発明に係る殺菌剤を、所定の場所、部位に噴霧したりすることによって、感染症の発生や蔓延を有効に防ぐことができる。例えば、殺菌有効成分を含む微細霧を所定の場所、部位に噴霧することにより、感染症予防に有効となる。さらに、微細霧中の有効成分として吸入毒性の少ない天然成分(植物精油成分)を用いているので、対人除菌も安全に実施でき、また、植物精油成分の潤い効果によって手指等の肌の荒れが少ない。
まず、本願発明者らは、本発明の効果を検証するために、一成分系の検証試験(試験1)を行なった。手順は次の通りである。
<1.大腸菌、黄色ブドウ球菌の準備等>。
普通寒天培地(LB寒天培地)で培養した大腸菌(Escherichia coli)と黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のコロニーを採取し、LB培養液にて1晩浸透培養した。各菌液を10個/mlとし、10μlを採って5mlの培地で希釈した。この希釈液を10μl分取して5mlの培地で希釈した。さらにこの希釈液(4,000個/ml)を50μl分取し、予め用意したLB寒天培地(5cmシャ−レ)にコンラ−ジ棒を用いて塗布した。
<2.レジオネラの塗布培地作製等>。
レジオネラ(Legionella sp.)の培養にはBCYEα(一般に使われる培地、カ−ボン入り)とBSYE(抗生剤の試験用培地)を用いた。口径90mmのシャ−レにBCYEαとBSYEに予め、レジオネラを培養して低温に保存に保存しておいた。口径50mmシャ−レにBCYEαとBSYEの各培地を準備し、保存してあるレジオネラのコロニーを各一つずつ採取し、白金耳を用いて培地表面に塗布した。
<3.一成分系殺菌剤の作製>。
予め、精油用の溶媒として、75%エタノ−ル水溶液、消毒用80%エタノール、70%イソプロパノ−ル水溶液を準備した。ティーツリー精油(略記Tea)、ペパーミント精油(略記Mint)、ローズマリー精油(略記RM)、ラベンダー精油(略記LA)のそれぞれを所定の濃度になるように、所定量の各精油を75%エタノ−ル水溶液、消毒用80%エタノール、または70%イソプロパノ−ル水溶液に注入し、振とうによって混和した。各精油成分はこれらの溶剤に僅かな白濁をもちつつ溶解し、各精油を含む一成分系殺菌剤を得た(設定濃度は、後掲する「表1」を参照)。そして、これらの一成分系殺菌剤をガラス製の小型噴霧容器にそれぞれ入れて、噴霧の準備をした。
実施例1A〜1Gは、ティーツリー精油を濃度違いで含む一成分系殺菌剤、実施例1H〜1Kは、ペパーミント精油を濃度違いで含む一成分系殺菌剤、実施例1L〜1Oは、ローズマリー精油を濃度違いで含む一成分系殺菌剤、実施例1P〜1Tは、ラベンダー精油を濃度違いで含む一成分系殺菌剤である。なお、対照区として、上記3種の溶媒を用いた。対照区1は75%エタノ−ル水溶液、対照区2は消毒用80%エタノール、対照区2は70%イソプロパノ−ル水溶液である。
<4.殺菌試験>。
各種細菌(大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌)を、それぞれシャ−レに塗布し(各2枚準備)、その1時間後に各一成分系殺菌剤と対照区である溶媒3種を15〜20cm離れた位置からシャ−レ表面に直接噴霧した。各シャ−レを37℃で1晩培養し、翌日コロニー形成の有無を観察した。また、レジオネラの場合については、37℃で5〜6日間培養した。また、シロカビ1とシロカビに対する効果についても検証した。使用したシロカビ1は、室内におかれた観葉植物の根本から、またシロカビ2は食品ゼリ−の表面に生えたものを採取し、普通寒天培地(LB寒天培地)に移しかえ、増殖させ、その一部をLB培地に塗布した。
殺菌効果の判定は、◎(効果大:コロニーが全く認められない)、○(効果中:多少のコロニーが認められる)、△(効果小:コロニー化が認められる)、×(効果無し:多数のコロニーが認められる)、以上の四段階で行った。
本試験の結果を、次の「表1」に示す。なお、表1において、「Tea」はティーツリー精油、「Mint」はペパーミント精油、「RM」はローズマリー精油、「LA」は「ラベンダー精油」を、それぞれ示している(他の表でも同様。)。
前掲の「表1」に示された結果からわかるように、ティーツリー精油は、2.0%以上の濃度で、大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌のすべてに顕著な殺菌効果を示し、シロカビ1とシロカビ2の増殖を抑制した。また、大腸菌に関しては、0.5%以上で殺菌効果が認められた。
また、ペパーミント精油は、3.0%以上の濃度で、大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌のすべてに顕著な殺菌効果を示し、2.0%以上の濃度で、シロカビ1とシロカビ2の増殖を抑制した。ローズマリー精油は、3.0%以上の濃度で、大腸菌のみに殺菌効果を示し、5.0%程度の濃度で、シロカビ1とシロカビ2の増殖を抑制した。
ラベンダー精油は、2.0%以上の濃度で、レジオネラ菌に対して極めて顕著な殺菌効果を示すことが明らかになり、3.0%以上の濃度では、大腸菌、黄色ブドウ球菌にも殺菌効果を示すことがわかった。また、3.0%程度の濃度では、シロカビ1とシロカビ2の増殖を抑制した。
なお、対照区1〜3の結果からわかるように、アルコール系溶媒それ自体の殺菌効果は、非常に小さいか、全くないに等しいので、この「試験1」において認められた殺菌効果は、植物精油成分によってもたらされたものと言える。
なお、対照区1〜3の結果からわかるように、アルコ−ル系溶媒それ自体の殺菌効果は、非常に小さいか、全くないに等しいので、この「試験1」において認められた殺菌効果は、植物精油成分によってもたらされたものと言える。
次に、二種類の植物精油成分を含む殺菌剤(二成分系殺菌剤)を用いた効果検証試験(試験2)を行なった。この「試験2」の手順は、上記実施例1に係る「試験1」の手順に準じて行なった。
この「試験2」では、大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌に加えて、シロカビに対する効果についても検証した。使用したシロカビは、自家製の餅に生えたものを採取し、普通寒天培地(LB寒天培地)に移しかえ、増殖させ、その一部をLB培地に塗布した。
この「試験2」で用いた二成分系殺菌剤は、実施例21(ティーツリー精油5%、ペパーミント精油2.5%)、実施例22(ティーツリー精油5.0%、ローズマリー精油2.5%)、実施例23(ティーツリー精油5.0%、ラベンダー精油2.5%)、実施例24(ティーツリー精油3.0%、ペパーミント精油2.0%)である。なお、この「試験2」でも、上記した「試験1」と同様に、対照区1〜3(溶媒のみ)についての噴霧殺菌試験を行なった。
本試験の結果を、次の「表2」に示す。判定方法は、実施例1に係る「試験1」と同様である。
前掲の「表2」に示された結果からわかるように、実施例21から24では、大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌に対する充分な殺菌効果を示すとともに、シロカビに対する殺菌効果も確認できた。また、ローズマリー精油成分を配合した実施例22では、シロカビに対する防カビ効果の向上を期待できる。
なお、対照区1〜3の結果からわかるように、溶媒それ自体の殺菌効果は非常に小さいか、全くないに等しいので、この「試験2」において認められた殺菌効果は、植物精油成分によってもたらされたものと言える。
次に、選択された三種類又は四種類の植物精油成分を含む殺菌剤(多成分系殺菌剤)を用いた効果検証試験(試験3)を行なった。この「試験3」の手順は、実施例1に係る「試験1」の手順に準じて行なった。
この「試験3」では、大腸菌、黄色ブドウ球菌(四成分系に関してはメシチリン耐性黄色ブドウ球菌、MRSAを使用)、レジオネラ菌に加えて、院内感染菌として知られている緑濃菌(Pseudomonas aeruginosa)とバンコマイシン耐性菌(vancomycin-resistant Enterococci:VRE)、更には、シロカビ(試験2と同様)、クロカビ、酵母(Saccharomyces cerevisiae、出芽酵母、D452-2株)に対する効果についても検証した。
各細菌の培養手順は、実施例1に係る「試験1」に準じて行った。なお、VREについては、Todd Hewitt Broth 培地を用いた。また、前記酵母は、TPD培地で液体培養した後、一成分系の「試験1」に準じてTPD寒天培地の塗布し試験した。
この「試験3」の結果を、次の「表3」に示す。判定方法は、実施例1に係る「試験1」と同様である。実施例31〜37は三成分系、実施例41〜44は四成分系の殺菌剤を示している。
前掲の「表3」に示された結果からわかるように、ティーツリー精油を2〜3%、ペパーミント精油を2〜3%を含む殺菌剤は、大腸菌、黄色ブドウ球菌(MRSAをも含む)に安定した殺菌効果を充分及び確実に示し、さらには、緑濃菌、VRE、レジオネラ菌、シロカビ、クロカビ、酵母に至るまで、顕著な殺菌効果を確実に発揮する。ラベンダー精油を含む系では、一成分系の「試験1」の結果をも考慮すれば、レジオネラ菌に対する殺菌効果がより確実にできる。
以上の試験1〜3の結果を踏まえると、ティーツリー精油とペパーミント精油とを組み合わせた基本配合組成により、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌のすべてに殺菌作用を示すように配合された殺菌剤を提供することが可能であり、これにラベンダー精油成分を加えることで、レジオネラ菌に対する殺菌作用を増強でき、ローズマリー精油成分を加えることで、防カビ効果を増強できる。なお、これを踏まえて、各種精油成分の選択や濃度設定は、必要目的やコストを考慮して、殺菌効果、防カビ効果が発揮される範囲で適宜設計すればよい。
感染症の原因となり得る病原を、所望の空間や場所から除去あるいは増殖抑制又は防止を確実に行うことができるので、現在、病院等において問題となっている院内感染を防止する方策に留まらず、各個々人の生活環境、例えば国内外の旅行やトレッキング等で水による手洗いが出来ないときや救急車、保健施設、福祉施設等の医療現場で活動する人々の感染防止、浴場やスポーツジム、レジャー施設等多くの場所や施設を利用する人々の感染予防においても、確実に感染症予防の実効を上げることができる技術として利用できる。また、クリーンルームその他で現在汎用されているアルコ−ル系溶剤の殺菌力が弱いことが実証されたことから、この技術は、人体除菌技術や種々の物品の除菌や防カビ技術としても有効である。さらには、殺菌作用だけでなく、精油成分の香気を生かした消臭技術や香気噴霧によるリラクゼーションやアロマテラピー等に係る技術としても広く利用できる。

Claims (6)

  1. 植物精油成分を殺菌有効成分とする薬剤であって、
    ティーツリー精油成分とミント精油成分が、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌のすべてに殺菌作用を示すように配合された殺菌剤。
  2. 少なくともレジオネラ菌に対する殺菌作用を増強できるように、ラベンダー精油成分が所定量以上添加されたことを特徴とする請求項1記載の殺菌剤。
  3. 防カビにも有効であることを特徴とする請求項1又は2に記載の殺菌剤。
  4. 防カビ有効成分として、ローズマリー精油成分が添加されたことを特徴とする請求項3記載の殺菌剤。
  5. 植物精油成分を殺菌有効成分とする薬剤であって、
    少なくともラベンダー精油成分が、レジオネラ菌に殺菌作用を示す程度の量で含有されていることを特徴とする殺菌剤。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の殺菌剤を、対人、対象空間、対象物のいずれかへ噴霧することを特徴とする感染症予防方法。
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