JP2006110493A - 消臭性エアフィルタ濾材 - Google Patents

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栄三 川野
Hiroko Niijima
裕子 新島
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Abstract

【課題】 従来のように光触媒の使用に付随する装置の大型化や連続稼動についての問題がなく、圧力損失の上昇も抑制し、且つ、消臭性を示すエアフィルタ濾材を提供する。
【解決手段】 少なくとも1層のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜と少なくとも1層の消臭性の通気性支持材とを積層することによって、消臭性エアフィルタ濾材とする。前記エアフィルタ濾材は、例えば、流速5.3cm/秒における圧力損失が150Pa以下である。前記消臭性の通気性支持材は、消臭性化合物を保持する通気性支持材であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、消臭性エアフィルタ濾材およびこれを用いたフィルタユニットに関する。
食品、医薬品等の製造施設や病院では、製品の品質確保や衛生面の要請から、かびや細菌等の微生物が除去された清浄度の高い空間が必要とされている。一般家庭においても、生活空間に浮遊する細菌やかびの除去に対する関心が高まっている。しかし、エアフィルタで捕捉された細菌等が、臭気を発する場合があるため、エアフィルタ濾材に消臭機能を付与することが提案されている。
前記消臭機能を付与したエアフィルタ濾材としては、例えば、光触媒を含有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と支持材である不織布とを積層したエアフィルタ濾材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
WO98/31451号公報
しかしながら、前述のようなエアフィルタ濾材は、例えば、UVランプや太陽光を照射しなければ光触媒反応が起こらないため、例えば、エアフィルタ濾材を備える装置に、さらにUV発生装置のように付帯装置を装備したり、前記エアフィルタ濾材を太陽光に曝す必要がある。しかし、前記UV装置を装備すると、装置全体が大型化し、コストもかかるという問題があり、また、太陽光にさらす場合には、エアフィルタ装置からエアフィルタ濾材を取り外す必要があるため、その間、エアフィルタ装置を連続稼動できないという問題がある。また、エアフィルタ濾材における捕集機能を担っているPTFE多孔質膜に光触媒を含有させると、前記光触媒によって通気抵抗が増加するために、エアフィルタ濾材の圧力損失が高くなってしまうという問題もある。
そこで、本発明の目的は、消臭性機能の付与による圧力損失の増加を回避し、且つ、使用時に、前述のようなUV装置等が不要であって、連続稼動が可能な、消臭性エアフィルタ濾材の提供である。
前記目的を達成するために、本発明の消臭性エアフィルタ濾材は、少なくとも1層のPTFE多孔質膜と、少なくとも1層の消臭性の通気性支持材とを含むことを特徴とする。
このように本発明の消臭性エアフィルタ濾材は、PTFE多孔質膜とともに、消臭性を示す通気性支持材を使用しているため、前述のような問題が回避できる。すなわち、捕集機能を担うPTFE多孔質膜ではなく、通気性支持材に消臭性機能を付与しているため、前述のような通気抵抗の増加を抑制することができ、結果として、消臭性機能の付与によるエアフィルタ濾材の圧力損失増加を抑制できるのである。また、前述のように、光触媒を保持させたPTFE多孔質膜を使用した場合のように、装置の大型化、フィルタの取り外しによる稼動の中断等も回避できる。
本発明において、前記PTFE多孔質膜の厚みは、特に制限されないが2〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは、5〜30μmの範囲である。また、その平均孔径は、例えば、0.01〜5μmの範囲であり、平均繊維径は、例えば、0.01〜0.3μmの範囲である。
前記PTFE多孔質膜は、流速5.3cm/秒において、粒子径0.3〜0.5μmの粒子の捕集効率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは99.9%以上であり、理想的には100%である。また、流速5.3cm/秒において、圧力損失が120Pa以下であることが好ましく、より好ましくは70Pa以下であり、その下限は、特に制限されないが、例えば、10Pa以上である。なお、前記捕集効率および圧力損失は、以下の方法により測定できる。
前記圧力損失は、例えば、以下のようにして測定できる。すなわち、サンプルを有効面積100cm2の円形ホルダーにセットし、入口側から大気塵を供給しつつ、前記入口側と出口側とに圧力差を与え、空気の透過速度を流速計で5.3cm/secに調整して前記大気塵を通過させ、圧力損失(単位Pa)を圧力計(マノメーター)で測定する。測定は1サンプルにつき複数箇所(例えば、5箇所)行い、各測定値の平均をサンプルの圧力損失とすることが好ましい。なお、前記大気塵とは、雰囲気中に浮遊している塵埃をいう。
また、捕集効率は、例えば、以下のようにして測定できる。すなわち、圧力損失の測定と同一の装置を用い、空気の透過流速を5.3cm/secにして、サンプル上流側に粒径0.1μm〜0.15μmの多分散ジオクチルフタレート(DOP)粒子が107個/リットルとなるように供給し、上流側の粒子濃度とサンプルを透過してきた下流側の粒子濃度とをパーティクルカウンター(商品名KC−80、リオン社製)で測定し、下記式に基づいて捕集効率(%)を求めることができる。
捕集効率(%)=[1−(下流濃度/上流濃度)]×100
下流側の粒子濃度の単位:個/リットル
上流側の粒子濃度の単位:個/リットル
前記PTFE多孔質膜層の製造方法の一例を以下に示す。まず、未焼成のPTFEファインパウダーに液状潤滑剤を加えて均一に混和する。前記PTFEファインパウダーとしては、特に制限されず、市販のものが使用できる。前記液状潤滑剤としては、前記PTFEファインパウダーを濡らすことができ、後に除去できるものであれば特に制限されず、ナフサ、ホワイトオイル、流動パラフィン、トルエン、キシレン等の炭化水素油や、アルコール類、ケトン類およびエステル類の溶媒等が使用できる。また、これらは、単独で使用してもよく、もしくは2種類以上併用してもよい。
前記PTFEファインパウダーに対する液状潤滑剤の添加割合は、前記PTFEファインパウダーの種類、液状潤滑剤の種類および後述するシート成形の条件等により適宜決定されるが、例えば、PTFEファインパウダー100重量部に対して、液状潤滑剤5〜50重量部の範囲である。
つぎに、前記混和物を未焼成状態でシート状に成形する。前記方法としては、例えば、前記混和物をロッド状に押出した後、対になったロールにより、圧延する圧延法や、板状に押し出してシート状にする押し出し法が挙げられる。また、両方法を組み合わせてもよい。このシート状成形体の厚みは、後に行う延伸の条件等により適宜決定されるが、例えば、0.1〜0.5mmの範囲である。
なお、得られたシート状成形体に含まれる前記液状潤滑剤は、続いて行う延伸工程前に、加熱法または抽出法により除去しておくことが好ましい。前記抽出法に使用する溶媒は、特に制限されないが、例えば、ノルマルデカン、ドデカン、ナフサ、ケロシン、スモイル等が挙げられる。
つぎに、前記シート状成形体に対して延伸を行う。前記シート状成形体を、例えば、PTFEの融点(327℃)以下の温度で、一軸延伸または二軸延伸で延伸し多孔化すればよい。例えば、前記シート状成形体の長手方向において、その長さが2〜60倍の範囲となるように、温度150〜327℃で延伸し、続いて、前記シート状成形体の幅方向において、その長さが、10〜60倍の範囲となるように、温度40〜150℃で延伸する。また、二軸延伸を行う場合、一方向における延伸倍率と、前記方向に対して垂直方向における延伸倍率との積が、例えば、50〜900であることが好ましい。
前記延伸後、その延伸状態を保持して、PTFEの融点(327℃)以上の温度に加熱して焼成することにより、機械的強度の向上と寸法安定の増加を図ってもよい。以上のようにして、PTFE多孔質膜が製造できる。
つぎに、本発明における消臭性の通気性支持材は、例えば、消臭性化合物を保持させた通気性支持材であることが好ましい。
前記消臭性化合物は、例えば、有機化合物でも無機化合物でもよい。前記有機化合物としては、例えば、ポリアミン化合物、ヒドラジド化合物等があげられる。
前記消臭性化合物を保持させる通気性支持材としては、特に制限されず、従来公知の通気性支持材が使用できる。
前記通気性支持材は、特に制限されず、例えば、PTFE多孔質膜よりも通気性に優れ、補強材となり得るものが好ましい。前記通気性支持材の目付け量および厚みは、特に制限されず、求める濾材性能に応じて選択できる。目付け量は、例えば、10〜300g/m2の範囲であり、好ましくは20〜200g/m2、また、厚みは、強度の点から、例えば、0.05〜1mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5mmである。
前記通気性支持材の形状は、特に制限されず、例えば、織布、不織布、金属やプラスチックのメッシュ(網目状シート)、金属やプラスチックのネット、プラスチック発泡体、フェルト等、種々の多孔質材料が使用できる。なお、前記通気性支持材としては、例えば、強度、捕集性、柔軟性、作業性等の点から、不織布やメッシュを使用することが好ましい。また、前記通気性支持材の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、芳香族ポリアミド、アクリル、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、セルロース系ポリマー、ビスコース等のポリマーがあげられる。また、前記通気性支持材が繊維材料から形成される場合には、その繊維として、前述のようなポリマーの合成繊維あるいはこれらの複合材等を用いることができる。また、芯鞘構造のスパンボンド不織布、例えば、PE(ポリエチレン)/PET(ポリエチレンテレフタレート)スパンボンド不織布、ポリエステル/ポリエチレンスパンボンド不織布等も使用できる。
前記通気性支持材に前述の各種消臭性化合物を保持させる方法は、特に制限されないが、例えば、前記通気性支持材の表面に、ポリマーを介して付着(添着)させることができる。具体例としては、ポリマー液に前記消臭性化合物を混合し、この混合液を前記通気性支持材の表面に塗布する方法等があげられる。また、前記混合液の塗布方法も特に制限されず、例えば、コーティング法、印刷法、ディッピング法等、従来公知の方法があげられる。
この方法によれば、前記通気性支持材の表面に前記消臭性化合物を含有するポリマー層が形成される。前記通気性支持材が、例えば、不織布の場合には、前記不織布の繊維表面に前記樹脂層が形成されるが、繊維のない部分で通気性が確保される。
前記ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、シリコン系等のポリマーが使用できる。前記ポリマー液は、例えば、前記ポリマーを溶媒に溶解・懸濁することによって調製でき、前記溶媒としては、例えば、有機溶剤や水等が使用できる。また、前記ポリマー液のポリマー濃度は、特に制限されない。
また、前記消臭性化合物を通気性支持材に保持させる方法は、前記方法には制限されず、例えば、前記通気性支持材の表面にポリマー液を塗布した後、前記消臭性化合物を前記表面上のポリマー液に接触させる方法や、通気性支持材の原材料に前記消臭性化合物を混合しておき、これを用いて通気性支持材を作製する方法等もあげられる。
前記通気性支持材は、例えば、捕集した塵埃による濾材の変色を目立たなくするために、着色処理が施されていることが好ましい。一般的な空調用エアフィルタは、大気塵により汚れが蓄積し、これが原因となる変色が、使用者に不快感を与えるおそれがあるためである。前記着色処理は、特に制限されないが、例えば、顔料や染料等の着色剤によって前記通気性支持材を着色してもよいし、通気性支持材の原材料に前記着色剤を予め混合しておき、これを用いて通気性支持材を作製することによって着色することも可能である。
本発明のエアフィルタ濾材は、例えば、前記PTFE多孔質膜と消臭性の通気性支持材とを積層することによって得られるが、例えば、前記両者を重ねあわせるだけでもよいし、両者を接着一体化させてもよい。前記接着方法は、特に制限されず、例えば、熱溶融性のネットないしメッシュを両者間に挟んでラミネートする方法、前記両者の少なくとも一方に、接着剤を微細な点状ないし線状に塗布して接着する方法、ホットメルト接着剤によって接着する方法等が挙げられる。前記接着剤としては、2液混合型や熱による自己架橋型の接着剤などを用いることができる。2液混合型としてはエポキシ樹脂、熱による自己架橋型としては、酢酸ビニル−エチレン共重合体や、エチレン−塩化ビニル共重合体等が好適である。
また、不織布等の通気性支持材を加熱により一部溶融させて、前記PTFE多孔質膜に熱ラミネートすることもできる。素材の一部ないし全部が、例えば、ポリエチレンのような熱可塑性樹脂でできている通気性支持材(例えば、不織布)を、PTFE多孔質膜と適切な条件(例えば、熱、圧力)でラミネートすると、繊維の一部が溶融してPTFE多孔質膜と接着するのである。この接着は、例えば、不織布を使用した場合には、前記不織布の繊維上に限定されるため、繊維のない部分では通気性が確保される。
なお、PTFE多孔質膜と通気性支持材とは、濾材を通過するエアの方向に対しPTFE多孔質膜が上流側、通気性支持材が下流側となることが好ましい。また、PTFE多孔質膜の両面に、前記通気性支持材がそれぞれ積層されてもよいが、使用後に、捕集した塵埃を除去し易いことから、上流側の表面において、PTFE多孔質膜が露出していることが好ましい。また、本発明のエアフィルタ濾材において、PTFE多孔質膜と通気性支持材は、それぞれ少なくとも一層を含んでいればよく、その積層数は特に制限されない。
前記エアフィルタ濾材は、例えば、折りたたみ加工が施されていてもよい。フィルタユニットを形成する際に、前記エアフィルタ濾材に折りたたみ加工を施しておけば、ユニット内における濾材の面積を増加できるため、圧力損失と捕集効率を良好に設定することができる。前記折りたたみ加工としては、例えば、プリーツ加工等が挙げられ、プリーツ加工は、レシプロ式、ロータリー式等の方法を用いて行う。なお、プリーツの山数や大きさ等は、フィルタユニットの用途等に応じて適宜決定できる。
本発明のエアフィルタ濾材の全体厚みは、特に制限されないが、例えば、0.2〜1.5mmである。特に前述のようにプリーツ加工を施す場合には、例えば、0.3〜1mmの範囲であることが好ましい。
前記エアフィルタ濾材は、流速5.3cm/秒において、粒子径0.3〜0.5μmの粒子の捕集効率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは99.9%以上である。また、流速5.3cm/秒において、圧力損失が150Pa以下であることが好ましく、より好ましくは100Pa以下であり、その下限は、特に制限されないが、例えば、30Pa以上であり、好ましくは10Pa以上である。なお、前記捕集効率および圧力損失は、前述の方法により測定できる。
つぎに、本発明のフィルタユニットは、前記本発明のエアフィルタ濾材を備えていればよい。本発明のエアフィルタ濾材を備えていれば、例えば、その他の構成や構造は特に制限されず、従来公知のエアフィルタ濾材に代えて本発明のエアフィルタ濾材を使用すればよい。
以下、本発明について、以下の実施例を用いて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
消臭剤としてアジピン酸ヒドラジド5%owf、添着剤としてポリエステル系樹脂10%owfを、それぞれ添着させたポリエステル不織布(目付量190g/m2、厚み0.37mm)を準備した。なお、「owf」とは、「on weight of fiber」の略であり、不織布の繊維重量に対する重さの割合(%)を示す。
次に、面積における延伸倍率(面積延伸倍率)が600倍のPTFE多孔質膜(厚み10μm)を準備し、これを、ポリオレフィン系ホットメルト接着剤を用いて前記ポリエステル不織布と積層することによって、図1の断面図に示すように、PTFE多孔質膜10と消臭剤を含むポリエステル不織布20とからなる2層構造の消臭性エアフィルタ濾材1A(厚み0.38mm、圧力損失80Pa、捕集効率99.3%)を得た。
(比較例1)
ポリプロピレン繊維不織布をエレクトレット化した不織布(目付量20g/m2)を準備し、これを、ポリオレフィン系ホットメルト接着剤を用いてポリエステル不織布(目付量190g/m2、厚み0.37mm)と積層し、2層構造のエアフィルタ濾材(厚み0.38mm、圧力損失30Pa、捕集効率95%)を得た。なお、比較例1のエアフィルタ濾材の断面構造は、前記図1に示した実施例1のエアフィルタ濾材1におけるPTFE多孔質膜10に代えて、前記エレクトレット化したポリプロピレン繊維不織布を備え、且つ、前記実施例1の消臭性加工されたポリエステル不織布20に代えて、消臭加工されていない前記ポリエステル不織布を備えた構造となっている。
(消臭性)
前記実施例1および比較例1で得られた各エアフィルタ濾材を10cm×10cmに切り出してそれぞれ別の容器に入れた。そして、各容器にアンモニア濃度100ppmの空気3リットルを充満させて密閉し、2時間放置させた後、各容器内における空気中のアンモニア濃度を測定した。
また、前記実施例1および比較例1で得られた各エアフィルタ濾材を10cm×10cmに切り出してそれぞれ別の容器内に入れた。そして、各容器に酢酸濃度50ppmの空気3リットルを充満させて密閉し、2時間放置させた後、各容器内の空気中の酢酸濃度も測定した。これらの各試験の結果を表1に示す。
Figure 2006110493
前記表1に示すように、実施例1のエアフィルタ濾材は消臭性加工されているため、アンモニアおよび酢酸といった臭気ガスの濃度が、消臭性加工されていない比較例1のエアフィルタ濾材に比べ非常に低減されていた。この結果から、本発明のエアフィルタ濾材の消臭性能が従来に比べて優れていることがわかる。
(圧力損失および洗浄性)
前記実施例1のエアフィルタ濾材1Aおよび比較例1のエアフィルタ濾材のそれぞれに、図2の斜視図に示すように、幅116mm、山高さ20mmとなるようにプリーツ加工を行った後、116mm×116mmの範囲で山数が18となるように各エアフィルタ濾材1Bを切断した。その後、各エアフィルタ濾材1Bの周囲を20mm幅のポリエステル不織布で囲み、ホットメルト接着剤でポリエステル不織布を各エアフィルタ濾材の周囲に接着し、外枠30にセットして、図3の斜視図に示すようなフィルタユニット3を作製した。
得られたフィルタユニット3を、図4の断面図に示すように、掃除機の吸引管4内にセットして、関東ローム(8種)0.7gを掃除機で吸引した。なお、吸引の際に、フィルタユニット3を通過するエアの方向(同図において矢印方向)に対して、PTFE多孔質膜10が上流側、消臭性加工されたポリエステル不織布20が下流側となるように配置した。なお、比較例については、前記エレクトレット化したポリプロピレン繊維不織布が上流側、前記消臭加工されていない前記ポリエステル不織布が下流側とした。
次に、フィルタユニット3を吸引管4内から取り外し、粉体が捕集されたフィルタユニット3の上流側(PTFE多孔質膜10側)を下にして、フィルタユニット3自体を高さ10cmから3回自然落下させることにより、フィルタユニット3表面の粉体を払い落とした。前述の関東ローム(8種)を用いた吸引と払い落としとを10回繰り返した後、2m3/分の流量で圧力損失を測定した。なお、初期の圧力損失は、吸引試験前に測定を行った。これらの測定結果を下記表2に示す。
さらに、圧力損失を測定した後、フィルタユニット3を水道水で洗浄した。洗浄後の洗浄性を表2にあわせて示す。なお、洗浄性は、目視で観察を行い、粉体の残存がほとんど認められないものを○、粉体の残存が認められるものを×として評価した。
Figure 2006110493
表2に示すように、実施例1のエアフィルタ濾材を用いたフィルタユニットでは、比較例1のフィルタユニットに比べて、粉体の払い落とし後の圧力損失に、大きな変化は見られなかった。これは、実施例1のエアフィルタを用いたフィルタユニットでは、PTFE多孔質膜が上流側に設けられているため、払い落としによって効率よく粉体が除去されるからであると考えられる。また、水道水での洗浄後の外観も、粉体の残存がほとんど認められず、初期の状態に近い程度に粉体が洗い流されていた。一方、比較例1のエアフィルタ濾材を用いたフィルタユニットでは、圧力損失が約3.6倍程度も増加し、払い落としによっても粉体が効率的に除去されにくく、また、水道水での洗浄後の外観も粉体の残存が認められた。
これらの結果から、本発明のエアフィルタ濾材を用いたフィルタユニットでは、従来のエアフィルタ濾材を用いたフィルタユニットに比べて、消臭性能に優れ、且つ、払い落としによる粉体の除去が容易であり、洗浄性にも優れていることがわかる。
以上のように、本発明によれば、消臭性機能の付与による圧力損失の増加を回避でき、また、装置の大型化が不要であり、連続稼動が可能であるため、極めて優れた消臭性エアフィルタ濾材を提供できる。
本発明の実施例におけるエアフィルタ濾材を示す断面図である。 本発明の実施例におけるプリーツ加工後のエアフィルタ濾材を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施例におけるエアフィルア濾材を用いたフィルタユニットを示す斜視図である。 本発明の実施例におけるフィルタユニットが掃除機の吸引管に配置された状態を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1A エアフィルタ濾材
1B プリーツ加工後のエアフィルタ濾材
10 PTFE多孔質膜
20 消臭性通気性支持材
3 フィルタユニット

Claims (8)

  1. 少なくとも1層のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜と、少なくとも1層の消臭性の通気性支持材とを含むことを特徴とする消臭性エアフィルタ濾材。
  2. 流速5.3cm/秒における圧力損失が150Pa以下である請求項1記載の消臭性エアフィルタ濾材。
  3. 流速5.3cm/秒における圧力損失が100Pa以下である請求項2記載の消臭性エアフィルタ濾材。
  4. 消臭性の通気性支持材が、消臭性化合物を保持する通気性支持材である請求項1〜3のいずれか一項に記載の消臭性エアフィルタ濾材。
  5. 前記消臭性化合物が、樹脂を介して前記通気支持材に保持されている請求項4記載の消臭性エアフィルタ濾材。
  6. 前記消臭性化合物が、消臭性有機化合物および消臭性無機化合物の少なくとも一方である請求項4または5記載の消臭性エアフィルタ濾材。
  7. 少なくとも一層の前記消臭性の通気性支持材が着色処理された支持材である請求項1〜6のいずれか一項に記載の消臭性エアフィルタ濾材。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の消臭性エアフィルタ濾材を用いたフィルタユニット。

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