JP2006109663A - ブラシレスモータとその回転角度検出方法 - Google Patents

ブラシレスモータとその回転角度検出方法 Download PDF

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敦 堀越
Ikunori Sakatani
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Abstract

【課題】 モータ部と別個独立の回転角度検出器を廃止する事により、部品点数の削減、小型化、低廉化、及び信頼性の向上を図る。
【解決手段】 ロータ13に筒状部材17を外嵌固定すると共に、3相の駆動コイル19a、19b、19cに対するこの筒状部材17の電気特性又は磁気特性を、円周方向に関して周期的に変化させる。これにより、上記ロータ3の回転角度に応じて、上記各駆動コイル19a、19b、19cのインダクタンスが変化する様にする。そして、このインダクタンス変化に基づいて、上記ロータ3の回転角度を検出自在とする。この構成を採用する事により、モータ部と別個独立の回転角度検出器及び配線を省略でき、且つ、永久磁石16が割れた場合に破片が周囲に飛び散るのを防止できる為、上記課題を解決できる。
【選択図】 図1

Description

本発明のブラシレスモータは、例えば電動式パワーステアリング装置の駆動源として利用する。又、本発明のブラシレスモータの回転角度検出方法は、このブラシレスモータの駆動制御を行なうべく、このブラシレスモータを構成するロータの回転角度を検出する為に利用する。
自動車の操舵力を軽減させる為にパワーステアリング装置が広く使用されているが、軽自動車等の小型自動車用パワーステアリング装置の駆動源として、ブラシレスモータ(同期モータ)が使用されている。図13は、この様なブラシレスモータを組み込んだ駆動装置の従来構造の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。この駆動装置は、ブラシレスモータ1と、回転角度検出回路2と、モータ駆動回路3とを備える。
上記ブラシレスモータ1は、モータ部4に、回転角度検出器の一種であるレゾルバ5を組み付けて成る。このうちのモータ部4は、筒状のモータケース6の内側に回転自在に支持された回転軸7と、このモータケース6の内側でこの回転軸7の中間部外周面に支持固定されたロータ(図示せず)と、このモータケース6の内周面に固定された複数相(例えば3相)の駆動コイル(図示せず)とを備える。上記ロータは永久磁石製で、外周面にS極とN極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置している。又、上記駆動コイルにより構成した磁極は、それぞれ円周方向に関して等間隔に配置すると共に、上記ロータの外周面に対して所定間隔で対向させている。
又、上記レゾルバ5は、上記モータ部4に対して軸方向に隣接する状態で(同軸上に)設けている。この様なレゾルバ5は、それぞれ上記モータケース6の内側に配置された回転子及び固定子(図示せず)を備える。そして、このうちの回転子を上記回転軸7に対し、固定子を上記モータケース6の内面に対し、それぞれ直接若しくは他の部材を介して支持固定すると共に、これら回転子と固定子とを互いに対向させている。又、この様なレゾルバ5は、上記回転角度検出回路2の一部を構成する。
上述の様なブラシレスモータ1の駆動時には、上記駆動コイルに対する上記ロータの回転角度に応じて変化する、上記レゾルバ5の出力信号を、レゾルバ配線8を通じて、上記回転角度検出回路2を構成するアナログ信号処理部9、A/D変換器10、及びマイクロコンピュータ11に順次送り込む。この結果、このマイクロコンピュータ11が上記ロータの回転角度を読み取り、更にこの回転角度を、ロータ角度信号として上記モータ駆動回路3に送り込む。この結果、このモータ駆動回路3が、モータ配線12を通じて上記各相の駆動コイルに流す電流を、上記ロータ角度信号に基づいて制御する事により、上記ブラシレスモータ1を適切に駆動回転させる。
上述の様に構成し作用するブラシレスモータ1を組み込んだ駆動装置を、パワーステアリング装置の駆動源として利用する場合には、上記モータケース6の外部に突出した上記回転軸7の先端部から回転駆動力を取り出し、この回転駆動力によって、ステアリングシャフトを回転させる。但し、この回転駆動力(トルク)の大きさTは、このステアリングシャフトを回転させる為に要する力(トルク)Fよりも小さく(T<F)して、この回転駆動力を、ステアリングホイールを操作する為に要する操舵力の軽減に利用する。又、操舵輪(一般的には自動車の前輪)に舵角を付与したままとする場合には、上記回転軸7により上記ステアリングシャフトに、上記舵角を保持する方向の力を加える。この結果、舵角保持の為にステアリングホイールに加え続けなければならない操舵力が軽減される。
ところが、上述した様な従来構造の場合には、ブラシレスモータ1を構成するロータの回転角度を検出する為に、このブラシレスモータ1を構成するモータ部4とは独立した回転角度検出器( レゾルバ5) を設けている為、コストが嵩む。又、このレゾルバ5を、上記モータ部4に対して軸方向に隣接する状態で設けている為、ブラシレスモータ1が大型化し、設置スペースが嵩む。更には、上記モータ部4を構成する駆動コイルに電流を流す為のモータ配線12の他に、上記レゾルバ5の出力信号を取り出す為のレゾルバ配線8が必要となる為、部品点数(故障要因)が増大し、信頼性を十分に確保する事が難しい。
これに対し、上述の様な不都合が生じない構造として従来から、例えば特許文献2に記載されている様な、同期モータの位置センサレス制御装置が知られている。この従来構造は、ロータを構成する永久磁石をこのロータの内部に埋め込んだ、埋め込み型(IPM型)モータを対象としている。この様なIPM型モータでは、磁気的突極性がある為に、モータのd軸(ロータの回転軸に直交する軸)インダクタンスと、q軸(ロータの回転軸に直交する軸で、上記d軸に対して周方向の位相がずれた軸)インダクタンスとが異なると言う特性がある。そこで、この様な特性を利用し、モータに印加する電圧と検出される電流とを用いてロータの回転角度を演算すると共に、演算した回転角度に基づいて上記モータの駆動電流を制御する様にしている。この様なIPM型モータを対象とする従来構造の場合には、モータ部と独立した回転角度検出器を設けていない為、上述した様な不都合が生じる事はない。
ところが、本発明が対象とするブラシレスモータは、前述の図13に示した従来構造の場合と同様、ロータを構成する永久磁石をこのロータの外周面部分に配置した(このロータの外周面にS極とN極とを円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置した)、表面磁石型(SPM型)モータである。この様なSPM型モータの場合には、上述したIPM型モータの場合と異なり、磁気的突極性が殆どない為、上述の特許文献2に記載された様な技術を適用する事ができない。
一方、上述の様なSPM型モータの場合でも従来から、例えば特許文献3に記載されている様に、ロータの回転時に発生する逆起電力を利用して、このロータの回転角度を検出するセンサレス制御方法が知られている。但し、この様なセンサレス制御方法の場合、上記ロータの停止時には、利用すべき逆起電力が発生しない為、このロータの回転角度を検出するのが困難となる。従って、この様なセンサレス制御方法は、上記SPM型モータをパワーステアリング装置の駆動源として使用する場合の様に、運転中、上記ロータの回転と停止とが頻繁に繰り返される用途では、採用するのが難しい。
又、上述の様なSPM型モータの場合には、割れ易い材料により造られた永久磁石が、ロータの外周面に露出する状態で設けられている。そして、この永久磁石が割れた場合には、この永久磁石の破片が上記ロータとステータ等との間に噛み込まれて、このロータの回転が阻止される(ロック状態となる)可能性がある。この為、用途によっては、ロック状態でも被駆動部の回転を可能にする為の安全装置が必要になり、この面からもコストが嵩む。
特開2001−264114号公報 特開2002−51580号公報 特開平5−137386号公報
本発明のブラシレスモータとその回転角度検出方法は、上述の様な事情に鑑み、SPM型モータを構成するモータ部に対し、軸方向に隣接する状態で設ける別個の回転速度検出器を廃止する事により、コスト低減、小型化、及び部品点数の削減を図ると共に、ロータの回転と停止とが頻繁に繰り返される用途でも、このロータの回転角度を適切に検出できる様にし、更には、ロータの外周面部分に配置した永久磁石が割れた場合でも、この永久磁石の破片がこのロータとステータ等との間に噛み込まれてロック状態となる事を防止できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のブラシレスモータとその回転角度検出方法のうち、請求項1に記載したブラシレスモータは、回転軸と、この回転軸の外周面に固定されたロータと、このロータを囲んで設けられた複数相の駆動コイルとを備える。そして、このロータの外周面にS極とN極とが円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置されている。
特に、請求項1に記載したブラシレスモータに於いては、上記ロータに、上記各相の駆動コイルに対する電気特性又は磁気特性を円周方向に関して変化させた筒状部材を外嵌固定する事により、上記各相の駆動コイルに対する上記ロータの回転角度に応じてこれら各相の駆動コイルのインダクタンスを変化させている。
又、請求項6に記載したブラシレスモータの回転角度検出方法は、上記ブラシレスモータを構成する各相の駆動コイルに交流励磁を行ないつつ、これら各相の駆動コイルに対するロータの回転角度に応じて変化する、これら各相の駆動コイルに流れる電流を検出する。そして、この検出した電流に基づき、これら各相の駆動コイルに対する上記ロータの回転角度を検出する。
上述の様に構成する本発明のブラシレスモータの場合には、ロータと駆動コイルとを含んで構成するモータ部に対し、軸方向に隣接する状態で別個の回転角度検出器を設けていない。この為、コスト低減及び小型化を図れる。又、この回転角度検出器専用の配線を設ける必要がなくなる為、単に部品点数を削減できるだけでなく、当該配線が断線すると言った心配がなくなる。従って、特に、ブラシレスモータを制御機器に対して頻繁に移動させながら使用する用途では、当該配線の屈曲回数寿命を考慮する必要がなくなる分、システム全体の寿命延長を図れる。
又、本発明のブラシレスモータとその回転角度検出方法の場合には、各相の駆動コイルに対するロータの回転角度を、この回転角度に応じて変化する、これら各相の駆動コイルに流れる電流に基づいて検出する。この為、上記ロータの回転中だけでなく、停止中でも、このロータの回転角度を適切に検出できる。従って、本発明のブラシレスモータ及びブラシレスモータの回転角度検出方法によれば、パワーステアリング装置の駆動源として使用する場合の様に、運転時に上記ロータの回転と停止とが頻繁に繰り返される用途でも、適切な駆動制御を行なえる。
更に、本発明のブラシレスモータの場合には、ロータに筒状部材を外嵌している為、このロータの外径側部分に配置した永久磁石が割れた場合でも、この永久磁石の破片が周囲に飛散するのを防止できる。従って、この永久磁石の破片が上記ロータ(又は筒状部材)とステータ等との間に噛み込まれて、このロータの回転が阻止される(ロック状態となる)と言った不都合が生じる事を防止できる。この結果、本発明のブラシレスモータを、重要保安部品である自動車の位置決め駆動装置として使用する場合でも、別個の安全装置を組み込まずに、信頼性を十分に確保できる。
本発明のブラシレスモータを実施する場合に、好ましくは、請求項2に記載した様に、各相の駆動コイルに対する筒状部材の電気特性又は磁気特性を円周方向に関して変化させる為、この筒状部材を導電材又は磁性材により造る。これと共に、この筒状部材の径方向の厚さを円周方向に関して変化させる手段と、この筒状部材の外周面を上記ロータの外周面に対して偏心させる手段と、この筒状部材の周面の面積を円周方向に関して変化させる手段とのうちの少なくとも1つの手段を採用する。
この様な構成を採用すれば、本発明のブラシレスモータを容易且つ適切に実施できる。
又、本発明のブラシレスモータを実施する場合に、好ましくは、請求項3に記載した様に、駆動コイルの相の数がm個であり、これら各相の駆動コイルにより構成した磁極の総数がM個であり、ロータの外周面に設けたS極及びN極の総数がP個であり、上記各相の駆動コイルに対する筒状部材の電気特性又は磁気特性が円周方向に関して周期的に変化する回数が1周当たりA回(Aは整数)であり、nが1以上の奇数である場合に、P=A・(m・n±1)、及び、M=A・m・nの関係が成立する様にする。
この様な構成を採用すれば、上記ロータの回転角度を適切に検出できると共に、上記ブラシレスモータの駆動制御を適切に行なえる。
又、この場合に、例えば、請求項4に記載した様に、m=3とし、且つ、A=1として実施する。
この様な構成を採用すれば、上記ロータの1回転で1周期の回転角度(円周方向の基準位置を原点とする絶対角度)を検出可能な、軸倍角1Xのアブソリュート角度検出器を実現できる。
尚、上述の様に、m=3、且つ、A=1として本発明を実施する場合には、上記ロータの回転角度検出を有効に行なえる様にする為のP及びMの組み合わせとして、例えば以下の表1に示すものを採用する事ができる。
Figure 2006109663
更に、m=3、且つ、A=2として本発明を実施する場合には、上記ロータの回転角度検出を有効に行なえる様にする為のP及びMの組み合わせとして、例えば以下の表2に示すものを採用する事ができる。
Figure 2006109663
更に、本発明のブラシレスモータは、各相の駆動コイルがそれぞれ磁性材製のコアに巻回された構造に対して適用するだけでなく、請求項5に記載した様に、上記各相の駆動コイルがそれぞれ磁性材製のコアに巻回されていない構造(コアレスモータ)に対して適用する事もできる。
図1〜4は、請求項1、2、3、4、6に対応する、本発明の実施例1を示している。本例のブラシレスモータ1aは、3相ブラシレスモータ(m=3)であり、図示しないモータケースの内側に回転自在に支持された回転軸7と、このモータケースの内側で、この回転軸7の中間部外周面に固定された円筒状のロータ13と、このモータケースの内周面に固定された円筒状のステータ14とを備える。
このうちのロータ13は、磁性材により円筒状に構成したヨーク15と、このヨーク15に外嵌固定した円筒状の永久磁石16とから成る。この永久磁石16の外周面にはS極とN極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置している。本例の場合、これらS極及びN極の総数Pは、8個(S極4個、N極4個の合計8極。即ち、P=8。)としている。又、本例の場合、この様なロータ13の外周面に、非磁性ステンレス鋼(非磁性導電材)により円筒状に構成した筒状部材17を外嵌固定している。本例の場合、この筒状部材17は、内周面と外周面とを互いに偏心させる事により、径方向の厚さ寸法を、円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させている。この構成により、本例の場合には、後述する様に、上記筒状部材17の電気特性(渦電流の流れ易さ)を、円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させている(A=1としている)。
又、上記ステータ14は、磁性材(積層鋼板)により全体を円筒状に構成したコア18と、3相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cとから成る。このうちのコア18の径方向内側部分には、それぞれが径方向内方に延出する状態で形成された、各相毎に3本ずつ、合計9本の心部20、20を、円周方向に関して等間隔に設けている。そして、これら各心部20、20の先端面(径方向内端面)を、それぞれ上記ロータ13の外周面に対向させている。又、これら各心部20、20の先端面と上記ロータ13の外周面との間の径方向の距離は、それぞれ等しくしている。従って、本例の場合、上記各心部20、20の先端面と上記筒状部材17の外周面との間の径方向の距離は、円周方向に関して不均一になっている(円周方向に関して周期的に変化している)。
又、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cはそれぞれ、上記コア18を円周方向に関して3等分した(互いに120度ずつ位相がずれた)各領域内に存在する3本ずつの心部20、20に巻回している。但し、上記各相(U相、V相、W相)とも、当該3本の心部20、20に対する駆動コイル19a、19b、19cの巻回方向を、円周方向に隣り合う2本の心部20、20同士の間で互いに逆にしている。これにより、上記コア18を構成する9本の心部20、20の先端部をそれぞれ磁極とし{即ち、上記各駆動コイル19a、19b、19cにより構成した磁極の総数Mを9(M=9)とし}、且つ、上記各相(U相、V相、W相)に関する3個ずつの磁極のうち、円周方向両側の2つの磁極と中央の1つの磁極との間で、互いの極性を逆にしている。尚、図示の例では、この様な円周方向に関する極性の変化を示す為、上記各心部20、20の径方向外側に、U相では「−U相、+U相、−U相」と、V相では「−V相、+V相、−V相」と、W相では「−W相、+W相、−W相」と、それぞれ表示している。又、図2の制御ブロックに示す様に、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cは、互いにスター結線している。又、これら各駆動コイル19a、19b、19cには、それぞれドライブユニット出力段21から電圧を印加自在としている。
上述の様に構成する本例のブラシレスモータ1の場合、上記ステータ14の各磁極(上記各心部20、20の先端面)と上記筒状部材17の外周面との間の径方向の距離、並びに、この筒状部材17の径方向の厚さ寸法が、それぞれ円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化している。この為、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cに交流励磁を行なうと、上記各磁極と上記筒状部材17の外周面との間の径方向の距離が小さい部分(この筒状部材17の径方向の厚さ寸法が大きい部分)で、この筒状部材17に誘導される渦電流が大きくなる。反対に当該距離が大きい部分(当該厚さ寸法が小さい部分)で、当該渦電流が小さくなる。この結果、上記渦電流が大きくなる部分に対向する駆動コイル(19a、19b、19c)のインダクタンスが小さくなり、上記渦電流が小さくなる部分に対向する駆動コイル(19a、19b、19c)のインダクタンスが大きくなる。
この為、本例の場合、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cのインダクタンスLU 、LV 、LW は、それぞれ以下の(1)〜(3)式の様に表わす事ができる。
U =L0 +Lsin θ −−−−−(1)
V =L0 +Lsin (θ+120) −−−−−(2)
W =L0 +Lsin (θ−120) −−−−−(3)
尚、これら(1)〜(3)式中、L0 は定数項を、Lはインダクタンス変化の振幅を、θは、上記ステータ14に対する前記ロータ13(上記筒状部材17)の回転角度(基準位置を原点とする1回転内での絶対角度)を、それぞれ示している。これら(1)〜(3)式で表されるインダクタンスLU 、LV 、LW を、それぞれ図3に示す。
従って、本例の場合、上記ドライブユニット出力段21から上記各駆動コイル19a、19b、19cに対し、それぞれ以下の(4)〜(6)式で表わされる各相毎の励磁電圧VU 、VV 、VW を印加すると、上記各駆動コイル19a、19b、19cには、以下の(7)〜(9)式で近似される様な、上記回転角度θの変調を受けた電流IU 、IV 、IW が流れる。但し、上記各励磁電圧VU 、VV 、VW はそれぞれ、上記各駆動コイル19a、19b、19cの中性点Nc の電位VNCを基準とする、励磁周波数f[Hz](ω=2πf)の交流電圧である。又、上記各駆動コイル19a、19b、19cのインピーダンスは、各相毎にそれぞれ、R+jω(LU 、LV 、LW )、|Z|=|R+jω(LU 、LV 、LW )|である。
U =V0 sinωt −−−−−(4)
V =V0 sin (ωt+120) −−−−−(5)
W =V0 sin (ωt−120) −−−−−(6)
U =VU (R−jωL0 −jωLsin θ)/|Z|2 −−−−−(7)
V =VV {R−jωL0 −jωLsin (θ+120)}/|Z|2
−−−−−(8)
W =VW {R−jωL0 −jωLsin (θ−120)}/|Z|2
−−−−−(9)
そこで、本例の場合には、図2に示す様に、上記各駆動コイル19a、19b、19cを流れる電流(の一部)を、それぞれバンドパスフィルタ22、22(通過帯域に上記励磁周波数fを含むもの)によりフィルタリングする事で、上記各駆動コイル19a、19b、19cを流れる電流の中から、上記励磁電圧VU 、VV 、VW の印加に伴って発生した電流IU 、IV 、IW (の一部)を取り出す。そして、この様にして取り出した電流IU 、IV 、IW (の一部)(3相分の電流信号)を、3相/2相変換器23によって、2相(sin θ、cos θ)の信号に変換する。そして更に、これら2相(sin θ、cos θ)の信号を、レゾルバ/ディジタル変換器24により変換する事で、上記ロータ13の回転角度θを具体的な数値とする。
尚、上記各電流IU 、IV 、IW (の一部)から上記回転角度θの具体的な数値を検出する方法としては、上述した様な本例の方法に限らず、例えば従来から知られている3相のシンクロの検出方法等を採用する事もできる。
何れにしても、本例の場合、前記ブラシレスモータ1aを駆動する際には、上述の様にして検出した回転角度θに応じて、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cに、それぞれ以下の(10)〜(12)式で表される(図4に示す様な)4サイクルの電流IU ´、IV ´、IW ´が流れる様に、電流制御を行なう。
U ´=√2I0 sin4θ −−−−−(10)
V ´=√2I0 sin (4θ+120) −−−−−(11)
W ´=√2I0 sin (4θ−120) −−−−−(12)
尚、これら(10)〜(12)式中、I0 は、電流の実効値である。
上述の様な電流制御を行なう為に、具体的には、図2に示す3相波形発生器25に対し、上記回転角度θに応じた電流指令を送る。これにより、この3相波形発生器25で発生した3相波形を前記ドライブユニット出力段21に送り、更にこれに基づいてこのドライブユニット出力段21から上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cに、各相毎の駆動電圧を印加する。これにより、これら各駆動コイル19a、19b、19cに、それぞれ上記4サイクルの電流IU ´、IV ´、IW ´を流す。
尚、この際に本例の場合には、上記各駆動コイル19a、19b、19cで発生した電流を電流検出器26、26で検出すると共に、この様に検出した各電流を上記ドライブユニット出力段21にフィードバックする。これにより、このドライブユニット出力段21の手前に設けた電流アンプ27、27のレベルを調節する事で、上記各駆動コイル19a、19b、19cに、それぞれ上記4サイクルの電流IU ´、IV ´、IW ´が流れる様に制御している。尚、この様な電流制御を行なう際、上記各電流検出器26、26から上記ドライブユニット出力段21にフィードバックする各電流には、それぞれ前述した回転角度θを検出する為の電流IU 、IV 、IW {(7)〜(9)式}の一部が重畳される。この為、本例の場合には、フィードバック回路の途中に図示しないフィルタを設ける事により、フィードバックする電流の中から不要な励磁電流IU 、IV 、IW を除去して、上述した電流制御を適切に行なえる様にしている。
尚、上述の様に各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cに電流IU ´、IV ´、IW ´を流すと、前記ロータ13に、以下の(13)式で表されるトルクT[N・m]が加わる。
T=Kt・I0 −−−−−(13)
尚、この(13)式中、Ktはトルク定数、I0 は各電流の実効値である。
上述した様な本例のブラシレスモータ1aの場合には、上記ロータ13と前記ステータ14とを含んで構成するモータ部に対し、軸方向に隣接する状態で別個の回転角度検出器を設けていない。この為、コスト低減及び小型化を図れる。又、この回転角度検出器専用の配線を設けていない為、単に部品点数を削減できるだけでなく、当該配線が断線すると言った心配がなくなる。従って、特に、上記ブラシレスモータ1aを制御機器に対して頻繁に移動させながら使用する用途では、当該配線の屈曲回数寿命を考慮する必要がなくなる分、システム全体の寿命延長を図れる。
又、本例のブラシレスモータ1aとその回転角度検出方法の場合には、上記ロータ13の回転角度θを、この回転角度θに応じて変化する、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cに流れる電流に基づいて検出する。この為、上記ロータ13の回転中だけでなく、停止中でも、このロータ13の回転角度θを適切に検出できる。従って、本例のブラシレスモータ1aとその回転角度検出方法によれば、このブラシレスモータ1aをパワーステアリング装置の駆動源として使用する場合の様に、運転時に上記ロータ13の回転と停止とが頻繁に繰り返される用途でも、適切な駆動制御を行なえる。
更に、本例のブラシレスモータ1aの場合には、上記ロータ13に筒状部材17を外嵌している為、このロータ13の外径側部分を構成する永久磁石16が割れた場合でも、この永久磁石16の破片が周囲に飛散するのを防止できる。従って、この永久磁石16の破片が上記ロータ13(又は上記筒状部材17)と上記ステータ14等との間に噛み込まれて、このロータ13の回転が阻止される(ロック状態となる)と言った不都合が生じる事を防止できる。この結果、本例のブラシレスモータ1aを、重要保安部品である自動車の位置決め駆動装置として使用する場合でも、特に別個の安全装置を組み込まなくても、信頼性を十分に確保できる。
次に、図5は、やはり請求項1、2、3、4、6に対応する、本発明の実施例2を示している。本例の場合、非磁性ステンレス鋼製の筒状部材17aとして、径方向の厚さ寸法が円周方向に関して均一であるものを使用している。但し、本例の場合、この様な筒状部材17aをロータ13に対し、合成樹脂28を介して外嵌固定すると共に、この様に外嵌固定した状態で、この筒状部材17aの中心軸を上記ロータ13の中心軸に対し偏心させている。これにより、この筒状部材17aの外周面とステータ14の各磁極(各心部20、20の先端面)との間の径方向の距離を、円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させている(A=1としてる)。
この様に構成する本例の場合も、各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cに交流励磁を行なうと、上記各磁極と上記筒状部材17aの外周面との間の径方向の距離が小さい部分で、この筒状部材17aに誘導される渦電流が大きくなる。反対に当該距離が大きい部分で当該渦電流が小さくなる。この結果、上記渦電流が大きくなる部分に対向する駆動コイル(19a、19b、19c)のインダクタンスが小さくなり、上記渦電流が小さくなる部分に対向する駆動コイル(19a、19b、19c)のインダクタンスが大きくなる。この為、本例の場合も、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cのインダクタンスLU 、LV 、LW を、それぞれ前記(1)〜(3)式の様に表わす事ができる。従って、本例の場合も、上述した実施例1の場合と同様の原理で、上記ロータ13の回転角度θを検出する事ができ、且つ、この回転角度θを利用して上記ブラシレスモータ1bの駆動制御を適切に行なえる。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施例1の場合と同様である。
次に、図6は、やはり請求項1、2、3、4、6に対応する、本発明の実施例3を示している。この図6は、ロータ13(図1、5参照)に外嵌固定する、非磁性ステンレス鋼製の筒状部材17bの展開図(図6の左右方向が、実際の円周方向に対応する。)である。本実施例では、上記筒状部材17bの表面積を円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させる(A=1とする)為に、上記筒状部材17bに円周方向に亙る複数のスリット29、29を形成している。又、上記筒状部材17bは、径方向(図6の表裏方向)に関する厚さ寸法を、円周方向に関して均一にするか、或は上記表面積の大小関係と同じ位相で、円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させている。
上述の様に構成する筒状部材17bを、上記ロータ13に対し、例えばこのロータ13の外周面に直接外嵌固定した状態で、各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19c(図1、5参照)に交流励磁を行なうと、円周方向に関して上記筒状部材17bの表面積が大きい部分で、この筒状部材17bに誘導される渦電流が大きくなる。反対に当該表面積が小さい部分で当該渦電流が小さくなる。この結果、上記渦電流が大きくなる部分に対向する駆動コイル(19a、19b、19c)のインダクタンスが小さくなり、上記渦電流が小さくなる部分に対向する駆動コイル(19a、19b、19c)のインダクタンスが大きくなる。この為、本実施例の場合も、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cのインダクタンスLU 、LV 、LW を、それぞれ前記(1)〜(3)式の様に表わす事ができる。従って、本実施例の場合も、前述した実施例1の場合と同様の原理で、上記ロータ13の回転角度θを検出する事ができ、且つ、この回転角度θを利用してブラシレスモータの駆動制御を適切に行なえる。その他の部分の構成及び作用は、前述した実施例1の場合と同様である。
次に、図7は、やはり請求項1、2、3、4、6に対応する、本発明の実施例4を示している。この図7は、ロータ13(図1、5参照)に外嵌固定する、非磁性ステンレス鋼製の筒状部材17cの展開図(図7の左右方向が、実際の円周方向に対応する。)である。本実施例では、上記筒状部材17cの表面積を円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させる(A=1とする)為に、上記筒状部材17cに円周方向に亙る1対のくさび形の透孔30、30を形成している。又、上記筒状部材17cは、径方向(図7の表裏方向)に関する厚さ寸法を、円周方向に関して均一にするか、或は上記表面積の大小関係と同じ位相で、円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させている。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施例3の場合と同様である。
次に、図8は、やはり請求項1、2、3、4、6に対応する、本発明の実施例5を示している。この図8は、ロータ13(図1、5参照)に外嵌固定する、非磁性ステンレス鋼製の筒状部材17dの展開図(図8の左右方向が、実際の円周方向に対応する。)である。本実施例では、上記筒状部材17dの表面積を円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させる(A=1とする)為に、上記筒状部材17dに多数の楕円形の透孔31、31を形成している。又、上記筒状部材17dは、径方向(図8の表裏方向)に関する厚さ寸法を、円周方向に関して均一にするか、或は上記表面積の大小関係と同じ位相で、円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させている。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施例3の場合と同様である。
尚、上述した実施例1〜5の場合と同様、筒状部材として非磁性導電材製のものを使用し、且つ、この筒状部材の電気特性(渦電流の流れ易さ)を円周方向に関して変化させる手段としては、上述した各手段の他、例えば、上記筒状部材を構成する材料の抵抗率を円周方向に関して変化させる手段や、或は、ロータの永久磁石の外周面に形成する防錆用のニッケルメッキを上記筒状部材とすると共に、このニッケルメッキの厚さを円周方向に関して変化させる手段を採用する事もできる。
次に、図9は、やはり請求項1、2、3、4、6に対応する、本発明の実施例6を示している。前述の図1に示した実施例1のブラシレスモータ1が、筒状部材17を非磁性ステンレス鋼(非磁性導電材)製としていたのに対し、本例のブラシレスモータ1cでは、同構造の筒状部材17eを、磁性ステンレス鋼(磁性材)製としている。これにより、本例の場合には、次述する様に、上記筒状部材17eの磁気特性(磁束の流れ易さ)を、円周方向に関して周期的に(1周当たり1回)変化させている(A=1としている)。
この様に構成する本例のブラシレスモータ1cの場合、各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cに交流励磁を行なうと、これら各駆動コイル19a、19b、19cの起磁力によって上記筒状部材17eの内部を流れる磁束の量は、この筒状部材17cの径方向の厚さ寸法によって異なる。即ち、この磁束の量は、この厚さ寸法が大きい部分で多くなり、同じく小さい部分で少なくなる。この結果、上記磁束の量が多くなる部分に対向する駆動コイル(19a、19b、19c)のインダクタンスが大きくなり、上記磁束の量が少なくなる部分に対向する駆動コイル(19a、19b、19c)のインダクタンスが小さくなる。この為、本例の場合も、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cのインダクタンスLU 、LV 、LW を、それぞれ前記(1)〜(3)式の様に表わす事ができる。従って、本例の場合も、前述した実施例1の場合と同様の原理で、ロータ13の回転角度θを検出する事ができ、且つ、この回転角度θを利用して上記ブラシレスモータ1cの駆動制御を適切に行なえる。その他の部分の構成及び作用は、前述した実施例1の場合と同様である。
尚、上述した実施例6の場合と同様、筒状部材として磁性材製のものを使用し、且つ、この筒状部材の内部を流れる磁束の量を円周方向に関して変化させる手段としては、上述した手段の他、ステータ側の磁極と筒状部材との間の距離を円周方向に関して変化させる手段や、この筒状部材の表面積を円周方向に関して変化させる手段や、更には、この筒状部材を母材に磁性体粉末を混入した材料により造ると共に、この磁性体粉末の混入量(密度)を円周方向に関して変化させる手段を採用する事もできる。
次に、図10は、請求項1〜6に対応する、本発明の実施例7を示している。上述した実施例1〜7は何れも、各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cを、それぞれ磁性材製のコア18を構成する心部20、20(図1、5、9参照)に巻回した、コア付モータを対象とするものであった。これに対し、本例では、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cを、それぞれ磁性材製のコアに巻回していない、コアレスモータを対象とする。
即ち、本例のブラシレスモータ1dの場合、ステータ14aは、磁性材(積層鋼板)製で円筒状のステータヨーク32と、このステータヨーク32の内周面に円周方向に関して等間隔に添設した、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cとから成る。そして、上記ステータ14aの径方向に関する、これら各駆動コイル19a、19b、19cの内端開口部を、それぞれ上記ステータ14aの磁極としている。又、本例の場合、ロータ13の外周面には、前述の図1に示した実施例1の場合と同様の筒状部材17を外嵌固定している。但し、本例の場合も、上記ロータ13に外嵌固定する筒状部材としては、上記筒状部材17の他、上述の他の実施例で示した各種のものを使用する事もできる。
上述の様に構成する本例のブラシレスモータ1dの場合も、上述した実施例1〜6と同様の原理で、上記ロータ13の回転角度θを検出し、且つ、この回転角度θに基づいて上記ブラシレスモータ1dの駆動制御を適切に行なえる。特に、本例の場合には、上記ブラシレスモータ1dを、コアレスモータとしている。この為、上記ロータ13に外嵌固定する筒状部材(17)が非磁性材であると磁性材であるとに拘らず、コギング力(ステータとロータとの互いの歯の相互作用によるトルクむら)を低く抑えられる。又、上記ブラシレスモータ1dをコアレスモータとすると共に、上記ステータヨーク32を積層鋼板により造っている為、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cに交流励磁を行なった場合に、上記ステータヨーク32に発生する渦電流を小さくする事ができる。従って、本例の場合には、上記交流励磁の周波数fを高くした場合でも、上記各駆動コイル19a、19b、19cが上記筒状部材17に渦電流を発生させる寄与度を十分に高くできる為、上記ロータ13の回転角度を高感度で検出する事ができる。
次に、図11は、やはり請求項1〜6に対応する、本発明の実施例8を示している。前述の図2に示した実施例1の場合には、互いにスター結線した3相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cの中性点Nc を、他の部分に接続していなかった。これに対し、本例の場合には、この中性点Nc を、ドライブユニット出力段21に接続している。そして、この状態で、このドライブユニット出力段21から上記各駆動コイル19a、19b、19cに、それぞれ各相ごとの励磁電圧VU 、VV 、VW {(4)〜(6)式}を印加する事により、上記各駆動コイル19a、19b、19cに各相ごとの励磁電流IU 、IV 、IW {(7)〜(9)式}を発生させる。そして、上記実施例1の場合と同様にして、上記各励磁電流IU 、IV 、IW に基づき、ロータの回転角度θを検出する。
尚、本例の様に、中性点Nc とドライブユニット出力段21とを接続する場合には、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cに印加する励磁電圧VU 、VV 、VW の位相を、必ずしも異ならせる必要はない。即ち、同位相(VU =VV =VW =V0 sin ωt)とした場合でも、上記各相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cのインダクタンス変化に基づいて発生する電流IU 、IV 、IW を利用して、ロータの回転角度θを検出する事ができる。
次に、図12は、やはり請求項1〜6に対応する、本発明の実施例9を示している。前述の図2に示した実施例1、並びに、上述の図11に示した実施例8では、3相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cの交流励磁を、ドライブユニット出力段21(図2、11参照)により行なっていた。これに対し、本例の場合には、このドライブユニット出力段21とは別個の装置であって、1個の励磁コイル33と3個の(3相分の)出力コイル34、34とを内蔵した、1組のトランス35により、上記各駆動コイル19a、19b、19cの交流励磁を行なう様にしている。そして、この交流励磁により上記各駆動コイル19a、19b、19cで発生した全電流(=IU +IV +IW )を、中性点Nc から発信器36にフィードバックする事により、上記各駆動コイル19a、19b、19cに印加する励磁電圧(VU =VV =VW =V0 sin ωt)を調整する様にしている。そして、この結果得られた上記各駆動コイル19a、19b、19c毎の電流IU 、IV 、IW を利用して、ロータの回転角度θを検出する様にしている。
尚、上述した実施例9では、3相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cの交流励磁を、1組のトランス35により行なったが、本発明を実施する場合には、上記3相(U相、V相、W相)の駆動コイル19a、19b、19cの交流励磁を、それぞれが1個の励磁コイルと1個の出力コイルとを内蔵した、3組のトランスにより行なう事もできる。
又、上述した各実施例では、各相とも、回転角度θを検出する為の検出用コイルと、ロータを回転駆動する為の駆動用コイルとを、1つのコイルとしていたが、本発明を実施する場合には、これら検出用コイルと駆動用コイルとを互いに別々のコイルとすると共に、上記各相毎に、これら両コイルを重ねて巻く構造を採用する事もできる。この様な構造を採用する場合、上記回転角度θの検出方法としては、例えば従来から知られている、シンクロの3相励磁による位相検出方法や、3コイル直列検出による位相検出方法等を採用できる。
又、前述した様に、本発明が対象とするブラシレスモータは、表面磁石型(SPM型)モータであり、この様なSPM型モータの場合には従来から、ロータの回転時に発生する逆起電力を利用して、このロータの回転角度を検出する、センサレス検出技術が知られている。従って、例えば、上記ロータの停止時(更には低速回転時)には本発明の方法により、同じく回転時(好ましくは十分な速度を持った回転時)には上記従来技術により、それぞれ上記ロータの回転角度を検出すると言った様に、このロータの回転速度を検出する方法を、この回転速度の大きさによって切り換える事もできる。
又、本発明は、上述した各実施例に限定されず、例えば、駆動コイルの相の数mや、筒状部材の電気特性又は磁気特性を円周方向に関して周期的に変化させる回数Aは、(m=3、A=1以外でも)適宜決定する事ができる。又、例えば、ステータを構成する巻線を軸倍角2Xの巻線とする場合、上記回数Aは、必ずしも2(A=2)にする必要はなく、1(A=1)にする事もできる。この場合には、ステータを構成する各駆動コイルのうち、互いに対向する同相の(1対の)駆動コイルの中点を取り出して、これら両駆動コイルのインダクタンスの差を検出すれば、ロータの回転角度を適切に検出する事ができる。
本発明の実施例1を示す、ブラシレスモータの中心軸と直交する方向の断面図。 同例の制御回路を示すブロック図。 回転角度θと3相の駆動コイルのインダクタンスとの関係を示す線図。 回転角度θと3相の駆動コイルに流されるべき電流との関係を示す線図。 本発明の実施例2を示す、図1と同様の図。 同実施例3を示す、筒状部材の展開図。 同実施例4を示す、図6と同様の図。 同実施例5を示す、図6と同様の図。 同実施例6を示す、図1と同様の図。 同実施例7を示す、図1と同様の図。 同実施例8を示す、図2と同様の図。 同実施例9を示す、各相の駆動コイルの励磁部を示す回路図。 従来構造の1例を示す、ブラシレスモータの駆動回路を示すブロック図。
符号の説明
1、1a〜1d ブラシレスモータ
2 回転角度検出回路
3 モータ駆動回路
4 モータ部
5 レゾルバ
6 モータケース
7 回転軸
8 レゾルバ配線
9 アナログ信号処理部
10 A/ D変換器
11 マイクロコンピュータ
12 モータ配線
13 ロータ
14、14a ステータ
15 ヨーク
16 永久磁石
17、17a〜17e 筒状部材
18 コア
19a〜19c 駆動コイル
20 心部
21 ドライブユニット出力段
22 バンドパスフィルタ
23 3相/2相変換器
24 レゾルバ/ディジタル変換器
25 3相波形発生器
26 電流検出器
27 電流アンプ
28 合成樹脂
29 スリット
30 透孔
31 透孔
32 ステータヨーク
33 励磁コイル
34 出力コイル
35 トランス
36 発信器

Claims (6)

  1. 回転軸と、この回転軸の外周面に固定されたロータと、このロータを囲んで設けられた複数相の駆動コイルとを備え、このロータの外周面にS極とN極とが円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置されているブラシレスモータに於いて、上記ロータに、上記各相の駆動コイルに対する電気特性又は磁気特性を円周方向に関して変化させた筒状部材を外嵌固定する事により、上記各相の駆動コイルに対する上記ロータの回転角度に応じてこれら各相の駆動コイルのインダクタンスを変化させている事を特徴とするブラシレスモータ。
  2. 各相の駆動コイルに対する筒状部材の電気特性又は磁気特性を円周方向に関して変化させる為、この筒状部材を導電材又は磁性材により造ると共に、この筒状部材の径方向の厚さを円周方向に関して変化させる手段と、この筒状部材の外周面を上記ロータの外周面に対して偏心させる手段と、この筒状部材の周面の面積を円周方向に関して変化させる手段とのうちの少なくとも1つの手段を採用している、請求項1に記載したブラシレスモータ。
  3. 駆動コイルの相の数がm個であり、これら各相の駆動コイルにより構成した磁極の総数がM個であり、ロータの外周面に設けたS極及びN極の総数がP個であり、上記各相の駆動コイルに対する筒状部材の電気特性又は磁気特性が円周方向に関して周期的に変化する回数が上記ロータの1回転当たりA回であり、nが1以上の奇数である場合に、P=A・(m・n±1)、及び、M=A・m・nの関係が成立する、請求項1〜2の何れかに記載したブラシレスモータ。
  4. m=3であり、且つ、A=1である、請求項3に記載したブラシレスモータ。
  5. 各相の駆動コイルがそれぞれ磁性材製のコアに巻回されていない、請求項1〜4の何れかに記載したブラシレスモータ。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載したブラシレスモータを構成する各相の駆動コイルに交流励磁を行ないつつ、これら各相の駆動コイルに対するロータの回転角度に応じて変化する、これら各相の駆動コイルに流れる電流を検出し、この検出した電流に基づいてこれら各相の駆動コイルに対する上記ロータの回転角度を検出する、ブラシレスモータの回転角度検出方法。
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