JP2006103306A - 熱転写受容シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記熱転写受容シート全体の含水率が2〜8質量%であり、かつ受容シート全体の透湿度が400g/m2・day以下であることを特徴とする熱転写受容シートおよびその製造方法。
【選択図】 なし
Description
この問題を解決するために支持体として、発泡フィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体(例えば、特開昭61−197282号公報(第1頁)(特許文献1)を参照されたい。)、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とし、ボイド(空隙)構造を含む2軸延伸フィルム(合成紙)を紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体等が提案されている(例えば、特開昭62−198497号公報(第1頁)(特許文献2)を参照されたい。)。これらの支持体を使用した受容シートは断熱性、平滑性に優れるが、プリンターでの搬送時及び印画時の熱及び圧力により、受容シートに凹みが生じ外観を損なう問題がある。
また、発泡フィルムは高価であり、受容シート全体の厚さを所定の厚さに制御する為には、厚い発泡フィルムを使用する必要があり、経済的に不利であるという問題や、得られる受容シートの質感が銀塩写真の印画紙とは異なるという問題もあった。
これらの問題を改善する為に、紙支持体と受容層の間に中空粒子を含有する中間層を設けた受容シートが開示されている(例えば、特開昭63−87286号公報(第1−2頁)(特許文献3)、特開平1−27996号公報(第1−3頁)(特許文献4)を参照されたい。)。この受容シートは中空粒子を含有した中間層の断熱性、クッション性向上効果により感度や画質は改善されるが、発泡フィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体等を使用した場合と比較し、プリント時に受容層とインクリボンの離型性が悪い、すなわち融着を起こしやすい、という現象が発生する。
これは、一般に受容層中にはインクリボンの染料層との融着を防止するために離型剤や熱可塑性樹脂を三次元架橋させる目的でポリイソシアネートが配合されているが(例えば、特開平10−129128号公報(第2−4頁)(特許文献5)を参照されたい。)、紙類中に含有される水分がポリイソシアネートと選択的に反応するため、受容層樹脂に対して所望の三次元架橋が得られず、十分な融着防止効果が得られないためであると考えられており、改善が要望されている。
(1)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記熱転写受容シート全体の含水率が2〜8質量%であり、かつ受容シート全体の透湿度が400g/m2・day以下であることを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記画像受容層が、染料染着性樹脂および当該樹脂を架橋する水反応性官能基を有する架橋剤を主成分として含有する、(1)の熱転写受容シート。
(3)前記水反応性官能基を有する架橋剤がポリイソシアネート化合物である、(2)の熱転写受容シート。
(4)前記中間層が、水溶性高分子と水分散性樹脂とを含有し、かつ前記水分散性樹脂の最低造膜温度が0℃以下である、(1)から(3)のいずれかの熱転写受容シート。
(5)前記中間層が、水溶性高分子と水分散性樹脂とを含有し、かつ前記水分散性樹脂の最低造膜温度が0℃以下である、(1)から(3)のいずれかの熱転写受容シート。
(6)前記水溶性高分子が鹸化度65〜90%、かつ重合度200〜1000のポリビニルアルコール系樹脂である、(5)の熱転写受容シート。
(7)前記中間層のダイナミック硬度が3.0以下である、(1)から(6)のいずれかの熱転写受容シート。
(8)前記中間層が、水銀圧入式ポロシメーターによる細孔分布の測定で、細孔直径が0.01〜10μmの範囲にピークを有する、(1)から(7)のいずれかの熱転写受容シート。
(9)前記ピーク領域の細孔容積が0.01〜0.7cc/gの範囲にある、(1)から(8)のいずれかの熱転写受容シート。
(10)前記中間層と画像受容層の間にさらにバリア層が形成され、前記バリア層が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分として含有する、(1)から(9)のいずれかの熱転写受容シート。
(11)前記支持体の他の面に裏面層が設けられている、(1)から(10)のいずれかの熱転写受容シート。
(12)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成する熱転写受容シートの製造方法において、前記シート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層および画像受容層を順次形成した後、受容シート全体の含水率を1〜8質量%に調整し、しかる後にエージングすることを特徴とし、ここで当該受容シート全体の透湿度は400g/m2・day以下とする、熱転写受容シートの製造方法。
(13)前記画像受容層が、染料染着性樹脂および当該樹脂を架橋する水反応性官能基を有する架橋剤を主成分として含有する、(12)の熱転写受容シートの製造方法。
(14)前記水反応性官能基を有する架橋剤がポリイソシアネート化合物である、(13)の熱転写受容シートの製造方法。
(15)前記中間層と画像受容層の間にさらにバリア層を形成する工程を含み、前記バリア層が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分として含有する、(12)から(14)のいずれかの熱転写受容シートの製造方法。
(16)前記シート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、任意のバリア層、および画像受容層を順次形成した後、前記支持体の他の面に裏面層を設ける工程をさらに含む、(12)から(15)のいずれかの熱転写受容シートの製造方法。
(17)前記エージング前のシート状支持体全体の透湿度を400g/m2・day以下に調整する、(12)から(16)のいずれかの熱転写受容シートの製造方法。
エージング条件としては、受容層がブロッキングしない温度範囲であればよく、一般には40℃〜60℃程度の温度で24時間以上であり、50時間程度で十分な効果が得られる。
(シート状支持体)
本発明の受容シートに使用するシート状支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙類である。具体的な紙類の例としては、上質紙、中質紙等の非塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の塗工紙、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙、合成樹脂含浸紙、板紙等が挙げられる。また高平滑化の為にカレンダー処理を施すことも可能である。
本発明において、シート状支持体上に設けられる中間層は、特定の物性を有する中空粒子と接着剤を含有する。
中間層に中空粒子を分散・分布させることにより、受容シートの圧縮弾性率を低下させることができ、受容シートに適度の変形自由度を与え、サ−マルヘッド形状及びインクリボン形状に対する受容シートの追従性、密着性等が向上するので、低エネルギー状態でも受容層に対するサーマルヘッドの熱効率が向上し、印画される画像の印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加状態において、インクリボンに発生するインクリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
本発明の中間層に用いられる中空粒子としては、重合体材料により形成されたシェルと、それにより包囲されている1個以上の中空(気孔)部とからなるものであり、その製造方法は格別の制限はないが、例えば下記のようにして製造されたものから選ぶことができる。
(イ)熱膨張性物質を含む熱可塑性重合体材料を加熱発泡させて製造された発泡中空粒子(以下単に、「既発泡中空粒子」と記す。)。
(ロ)重合体形成性材料をシェル形成用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子(以下単に、「マイクロカプセル状中空粒子」と記す)。
なお、中空粒子の平均粒子径は、一般的な粒径測定装置を使用して測定可能であり、例えばレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:SALD2000、島津製作所製)等を用いて測定される。
なお、中空粒子の体積中空率とは粒子体積に対する中空部分の体積の割合を示したものであり、具体的には中空粒子と貧溶媒からなる中空粒子分散液の比重、前記分散液における中空粒子の質量分率及び中空粒子のシェル(壁)を形成する重合体樹脂の真比重、及び貧溶媒の比重から求めることができる。なお、貧溶媒とは中空粒子の壁を形成する樹脂を溶解及び/又は膨潤させない溶媒であり、例えば水、イソプロピルアルコール等が挙げられる。また、中空粒子の平均粒子径や体積中空率については、例えば小角X線散乱測定装置(商品名:RU−200、リガク社製)等を用いて中空粒子を含む中間層の断面写真から求めることも可能である。
中間層には、中間層の塗膜強度を高めるために、接着剤樹脂を配合することが必要である。接着剤樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、セルロース系樹脂及びその誘導体等の水溶性高分子が成膜性、耐熱性の点から好ましく使用される。またスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等の水分散性樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等、その他一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤樹脂が低粘度高固形分の水分散性樹脂として使用される。なお、上記の水溶性高分子および水分散性樹脂は、それぞれ単独あるいは2種以上を併用することも可能である。
また、中間層の厚さは中間層に含有される中空粒子平均粒子径の3倍以上の厚さであることが好ましく、更に好ましくは4倍以上の厚さである。中間層の厚さが中間層に含有される中空粒子平均粒子径の3倍未満の厚さであると、粗大中空粒子が中間層面から突出し、画像均一性及び光沢性の低下を招くことがあり、好ましくない。
ダイナミック硬度DHT115=3.7838×P/h2
P:荷重(mN)、h:押し込み深さ(μm)
(1)中間層に含まれる中空粒子として隔壁の厚さが薄いものを使用する方法。中空粒子が荷重を受けたとき中空を維持したまま変形する。中空粒子の隔壁の厚さは10μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。
(2)中間層に中空粒子を含有するとともに、軟化点が常温以下の樹脂を添加する方法。柔らかい樹脂が中間層の層全体の硬度を低減させる効果がある。樹脂の軟化点は、30℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましい。
一般的に細孔容積が大きい程、中間層の断熱性や、クッション性が増し、記録感度が向上すると考えられる。しかし、中間層の細孔分布におけるピークの細孔直径が10μmより大きい場合、あるいはピーク領域における累積の細孔容積が0.7cc/gより大きい場合には、中間層上に受容層(もしくはバリア層等)を形成する際に、塗工液が中間層に浸込み過ぎて製膜し難くなり、均一な塗工層が得られないことがある。一方、ピークの細孔直径が0.01μmより小さい場合、あるいは累積の細孔容積が0.01cc/gより小さい場合には、塗工液が中間層に適度に浸込むことができず、塗工層が、不均一になることや接着強度が不足することがあり、例えばインクリボンの融着等により塗工層剥れが生じることがある。
(1)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体、および上記支持体に中間層まで塗工した中間層塗工品の2種類につき、水銀圧入式ポロシメーターを用いて細孔分布を測定し、得られた2つの細孔分布の差し引きから中間層塗工層の細孔分布を特定する方法。
(2)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体に中間層まで塗工した中間層塗工品の塗工層をカミソリ等で削り取り得た粉体につき、水銀圧入式ポロシメーターを用いて細孔分布を測定する方法。
(3)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体に中間層、必要に応じバリア層、受容層を順次積層した本発明の受容シートにおいて、受容層、バリア層の各塗工層をカミソリ等で取り除き、中間層を剥き出しにする。剥き出しの中間層塗工層をカミソリ等で削り取り得た粉体につき、水銀圧入式ポロシメーターを用いて細孔分布を測定する方法。この場合、断面拡大写真観察などで、受容層およびバリア層が取り除かれ、中間層が剥き出しになっていることを確認できる。
また、中空粒子を含有する中間層用塗工液の調製において、塗工液の比重は、通常0.8g/cm3以下に調製するのが好ましく、0.7g/cm3以下がより好ましい。
本発明において、中間層と受容層の間にバリア層が設けられることが好ましい。一般に、受容層用塗工液の溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が使用されるため、バリア層は、有機溶剤浸透による中間層の中空粒子の膨潤、溶解による、変形、破壊を防ぐための障壁として有効である。
これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
本発明の受容シートにおいて、前記バリア層上に受容層が設けられる。受容層それ自体は既知の染料熱転写受容層であってもよい。受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料に対する親和性が高く、従って染料染着性の良好な樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
本発明の受容シートはシート状支持体の裏面(受容層が設けられる側とは反対側の面)に高分子樹脂を主成分とする裏面層が設けられていてもよい。この高分子樹脂は裏面層と支持体との接着強度向上、受容シートのプリント搬送性、受容層面の傷付き防止、受容層面と接触する裏面層への染料の移行防止に有効なものである。このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また裏面層には、シート状支持体と裏面層との接着性を向上させるため、適宜ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を含有してもよい。
本発明において、中間層、バリア層、受容層及びその他の塗工層は、常法に従って形成され、各々、所要成分を含む塗工液を調製し、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコータ−、及びスライドビードコーターなど公知のコーターを使用して、シート状支持体の所定の面上に塗工し、乾燥して形成することができる。
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m2、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用塗工液−1を、中間層形成後の厚さが51μmになるように、グラビアコーターを用いて塗工し中間層を形成した。
中間層用塗工液−1
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、
体積中空率70%) 60部
水分散性アクリル樹脂(商品名:AE337、JSR製、
最低造膜温度0℃以下) 20部
部分ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製、
鹸化度88%、重合度500) 20部
水 1000部
更に上記中間層上に下記組成のバリア層用塗工液−1を固形分塗工量が2g/m2になるように塗工乾燥してバリア層を形成した。バリア層形成後の透湿度は341g/m2・dayであった。
バリア層用塗工液−1
エチレンビニルアルコール共重合体(商品名:RS4103、クラレ製) 100部
スチレン・アクリル共重合樹脂(商品名:ポリマロン326、荒川化学製) 100部
水 1000部
更に上記バリア層上に下記組成の受容層用塗工液−1を固形分塗工量が5g/m2になるように塗工乾燥した。
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、三井武田ケミカル製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
次に、シート状支持体の受容層が設けられていない側の面に下記組成の裏面層用塗工液−1を固形分塗工量が3g/m2、受容シート水分率5%になるように塗工乾燥して裏面層を形成した。さらにこのシートを50℃で48時間エージングし受容シートを得た。得られた受容シート全体の透湿度は314g/m2・dayであり、表1に示した。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 40部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 20部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、神東塗料製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
中間層の形成において、下記中間層用塗工液−2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は323g/m2・dayであった。
「中間層の形成」
中間層用塗工液−2
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、
体積中空率70%) 60部
水分散性アクリル樹脂(商品名:FK402S、中央理化製、
最低造膜温度0℃以下) 20部
部分ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 20部
水 1000部
バリア層の形成において、下記バリア層用塗工液−2を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は232g/m2・dayであった。
バリア層用塗工液−2
エチレンビニルアルコール共重合体(商品名:RS4103、クラレ製) 100部
スチレン・アクリル共重合樹脂(商品名:ポリマロン326、荒川化学製) 100部
膨潤性無機層状化合物ナトリウム四珪素雲母(商品名:NTO−5、トピー工業製)
100部
水 1000部
バリア層の形成において、下記バリア層用塗工液−3を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は320g/m2・dayであった。
バリア層用塗工液−3
完全ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、クラレ製、
鹸化度98.5%、重合度1000) 100部
スチレン・アクリル共重合樹脂(商品名:ポリマロン326、荒川化学製) 100部
水 1000部
中間層の形成において、下記中間層用塗工液−3を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は315g/m2・dayであった。
中間層用塗工液−3
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、
体積中空率70%) 60部
水分散性アクリル樹脂(商品名:AE337、JSR製、
最低造膜温度0℃以下) 20部
低ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA505、クラレ製、
鹸化度73%、重合度500) 20部
水 1000部
中間層の形成において、前記中間層用塗工液−3(実施例5で調製)を使用し、更にバリア層の形成において、前記バリア層用塗工液−2(実施例3で調製)を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は220g/m2・dayであった。
中間層の形成において、下記中間層用塗工液−4を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は450g/m2・dayであった。
「中間層の形成」
中間層用塗工液−4
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、
体積中空率70%) 60部
水分散性アクリル樹脂(商品名:SX1706、日本ゼオン製、
最低造膜温度>0℃) 20部
部分ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 20部
水 100部
裏面層の形成において、塗工乾燥後の受容シート水分率が10%になるように乾燥を調節した以外は、実施例1と同様して受容シートを得た。
裏面層の形成において、エージング処理後の受容シート水分率が1%になるように乾燥を調節した以外は、実施例1と同様して受容シートを得た。
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
「水分測定」
エージング処理前後における受容シートの水分測定としては、JIS P 8127に準じて含水率(%)を測定した。乾燥前の試験片の質量を、試験片容器のふたをしたまま、容器とともに測定し、次に試験片を容器に入れたまま105℃に調整した乾燥機に入れ、容器のふたを取って60分以上乾燥した。乾燥後、乾燥機中でふたをして、これをデシケータに移し、室温になるまで冷却した後、試験片の質量を測った。含水率(%)は、
〔(乾燥前の試験片質量−乾燥後の試験片質量)/(乾燥前の試験片質量)〕×100で計算される。
「透湿度測定」
受容シートの透湿度は、JIS K 7129に準じて、透湿度自動測定機(商品名:L80−4000、リッシー製)を用いて、感湿センサー法により測定を行った。エージング後の受容シート全体の透湿度を表1に示す。
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、23℃、50%RH雰囲気下、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンの各色のインク層を、順次に受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施す事により、所定の画像を受容シートに熱転写させ、色重ねの画像をプリントした。更に光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分の記録画像の均一性を、濃淡むら及び白抜けの有無について目視評価した。
評価結果の優秀なものを○、濃淡むら或は白抜けが若干あるものを△、濃淡むら及び白抜けが多いものを×と表示した。評価が○であれば実用に十分適する。
厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンを作成し、市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて受容シート上にインクリボンを転写させた。転写されたインクリボンを100mm幅に切り落とし、インクリボンを23℃、50%雰囲気下で30mm/secのスピードで水平方向に剥離し、電子ばね秤で剥離力を測定した。
この測定方法で剥離力が100gf未満であれば、実印画においても融着のおそれはないが、100gf以上では高温高湿下での印画等で、受容シートとインクリボンが融着を起こす可能性がある。
超微小硬度計(商品名:DUH−201H、島津製作所社製)を用いて、受容シートの中間層のダイナミック硬度を測定した。圧子は115°三角錐圧子を使用し、受容層面からの押し込み深さが、受容層厚さを超えて中間層まで達するように荷重を設定した。
水銀圧入式ポロシメーター(商品名:ポアサイザー9320、島津製作所社製)を用いて、シート状支持体と中間層形成品の2種類の細孔分布を測定した。双方の結果を比較することにより、中間層塗工層の細孔に基づくピークを特定し、細孔直径の値、および、中間層塗工層に基づく細孔容積の値を得た。
Claims (17)
- セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記熱転写受容シート全体の含水率が2〜8質量%であり、かつ受容シート全体の透湿度が400g/m2・day以下であることを特徴とする熱転写受容シート。
- 前記画像受容層が、染料染着性樹脂および当該樹脂を架橋する水反応性官能基を有する架橋剤を主成分として含有する、請求項1に記載の熱転写受容シート。
- 前記水反応性官能基を有する架橋剤がポリイソシアネート化合物である、請求項2記載の熱転写受容シート。
- 前記中間層が、鹸化度65〜90%、かつ重合度200〜1000のポリビニルアルコール系樹脂を含有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 前記中間層が、水溶性高分子と水分散性樹脂とを含有し、かつ前記水分散性樹脂の最低造膜温度が0℃以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 前記水溶性高分子が鹸化度65〜90%、かつ重合度200〜1000のポリビニルアルコール系樹脂である、請求項5に記載の熱転写受容シート。
- 前記中間層のダイナミック硬度が3.0以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 前記中間層が、水銀圧入式ポロシメーターによる細孔分布測定で、細孔直径が0.01〜10μmの範囲にピークを有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 前記ピーク領域の細孔容積が0.01〜0.7cc/gの範囲にある、請求項1から8のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 前記中間層と画像受容層の間にさらにバリア層が形成され、前記バリア層が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分として含有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 前記支持体の他の面に裏面層が設けられている、請求項1から10のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成する熱転写受容シートの製造方法において、前記シート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層および画像受容層を順次形成した後、熱転写受容シート全体の含水率を1〜8質量%に調整し、しかる後にエージングすることを特徴とし、ここで当該受容シート全体の透湿度は400g/m2・day以下とする、熱転写受容シートの製造方法。
- 前記画像受容層が、染料染着性樹脂および当該樹脂を架橋する水反応性官能基を有する架橋剤を主成分として含有する、請求項12に記載の熱転写受容シートの製造方法。
- 前記水反応性官能基を有する架橋剤がポリイソシアネート化合物である、請求項13に記載の熱転写受容シートの製造方法。
- 前記中間層と画像受容層の間にさらにバリア層を形成する工程を含み、前記バリア層が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分として含有する、請求項12から14のいずれか1項に記載の熱転写受容シートの製造方法。
- 前記シート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、任意のバリア層、および画像受容層を順次形成した後、前記支持体の他の面に裏面層を設ける工程をさらに含む、請求項12から15のいずれか1項に記載の熱転写受容シートの製造方法。
- 前記エージング前のシート状支持体全体の透湿度を400g/m2・day以下に調整する、請求項12から16のいずれか1項に記載の熱転写受容シートの製造方法。
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