JP2006103103A - インクジェット記録用媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面にインク受容層が設けられたインクジェット記録用媒体において、該インク受容層の表面のJIS−B−0601に規定される測定長さを2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定した時の中心線平均粗さRaが0.3μm以上0.8μm未満であり、該インク受容層の表面のJIS−H−8686−2に規定される写像性値が2〜40%の範囲であることを特徴とするインクジェット記録用媒体。
【選択図】 なし
Description
そして近年では、インクジェットプリンタの高解像度化やハード(装置)の発展に伴ない、インクジェット記録用の媒体も各種開発され、近年ではいわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきた。
しかしながら、前記方法は、人物画像等の瞳の輝きや髪の毛の鮮明さ、奥行き感等の点で、描写力が劣り人物等の画像記録には適しているとは言いがたいのが実情である。
前記範囲とすることにより、シャープネスに優れ、奥行き感のある人物等の画像記録に適したインクジェットプリントを与えるインクジェット記録用媒体を提供することができる。ここで人物等とは、特に限定されるものではなく、毛及び瞳を有する動物、或いは奥行き感を求める事物等をも含める意味である。
1)インク受容層内に微粒子を含有させてインク受容層表面のRaを制御する方法、2)予め、型付け処理を行った支持体を用いて、その上にインク受容層を設ける方法、3)支持体のインク受容層を設けた上で、表面を型付けする方法、4)インク受容層の上に光沢付与層を設ける方法等が挙げられる。
但し、前述したように、インク受容層の表面をエンボスカレンダーで処理した場合は、この限りではないし、たとえインク受容層の塗液処方が同じでも、粒子の分散状態等が異なっているとこの限りではない。
また、数μmオーダーの顔料粒子を用いた、写真ライク以外の所謂コンベンショナルなインクジェット受像紙においては、インク受容層の表面粗さRaはインク受容層の塗液処方(特に顔料の粒径や顔料/バインダー比)が律速となり、支持体の表面粗さRaの影響は寄与が少ない。
1)支持体の表面の中心線表面粗さRaを制御する方法、2)インク受容層表面のRaを制御する方法、3)支持体の440nmでの正反射率を制御する方法、4)インク受容層のヘイズを制御する方法等が挙げられる。
本態様のインクジェット記録用媒体は、支持体の少なくとも一方の面に、前記中心線平均粗さ(Ra)のインク受容層を設けてなる。
以下、インク受容層の構成成分等について、詳細に説明する。
インク受容層の構成成分は、特に限定されるものではなく、用途に応じて、適宜選択して用いることができる。
本発明におけるインク受容層は、微粒子を含有することが好ましい。該微粒子は有機微粒子及び無機の微粒子のいずれであっても良いが、インク吸収性、乾燥性の点から、無機微粒子が好ましい。前記第1液は、微粒子を用いて構成されることが好ましい。
該無機微粒子としては、例えば、気相法シリカや含水シリカ微粒子などのシリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等が挙げられ、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイトから選択される少なくとも1種の微粒子であることが好ましい。
これらは単独で用いるほか、二種以上を併用することができる。これら無機微粒子は、カチオン性樹脂によって分散して用いることが好ましい。
このカチオン性樹脂には特に限定はないが、後述する他の媒染剤成分の例など、第1級〜第3級アミノ基及びその塩、第4級アンモニウム塩基を有するカチオンポリマーが好適である。
また、分散剤としてシランカップリング剤を用いることも好ましい。具体的には、水溶性または水性エマルションタイプなどを好適に使用でき、例えば、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体等のポリカチオン系カチオン樹脂などが挙げられる。
本態様におけるインク受容層は、水溶性樹脂を含有することが好ましい。前記第1液は、水溶性樹脂を用いて構成されることが好ましい。水溶性樹脂は、いずれであってもよいが、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、変性ポリビニルアルコール〕、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;エーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);アミド基またはアミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP);カルバモイル基を有する樹脂、並びに、解離性基としてカルボキシル基を有する樹脂〔ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩〕、ゼラチン類、等が挙げられ、中でも、微粒子の分散性の観点から、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類より選択される少なくとも1種以上の水溶性樹脂を含有することが好ましい。
これらは単独のみならず二種以上を併用することができる。
このように多孔質構造に構成されたインク受容層は、インクジェット記録の際に毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
無機微粒子(i)と水溶性樹脂(p)との含有比〔PB比(i:p);水溶性樹脂1質量部に対する無機微粒子の質量〕は、層形成したときの膜構造に大きな影響を与える。すなわち、PB比が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、前記PB比としては、該PB比が大きすぎることに起因する膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止すると共に、PB比が小さすぎることにより空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5:1〜10:1が好ましい。
本態様におけるインク受容層は、前記インク受容層塗布液に架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤は、前記第1液に含有されることが好ましく、さらに前記第2液に含有させてもよい。
架橋剤は、上記の水溶性樹脂を架橋し得るものであり、該架橋剤を含むことによって該架橋剤と水溶性樹脂との架橋反応で硬化された多孔質層を形成することができる。
本態様におけるインク受容層は、前記インク受容層塗布液(第1液)に金属化合物を含有することができる。更に第2液に含有することができる。
第1液に含有される第1の金属化合物としては、酸性の金属化合物が好ましく、多価の水溶性金属塩や疎水性金属塩化合物が挙げられる。具体例としては、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、ジルコニウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
塩基性化合物としては、弱酸のアンモニウム塩、弱酸のアルカリ金属塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど)、弱酸のアルカリ土類金属塩(炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウムなど)、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、ヒドロキシアンモニウム、アンモニア、1〜3級アミン(エチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ポリアリルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、N−エチル−N−メチルブチルアミンなど)、1〜3級のアニリン(ジエチルアニリン、ジブチルアニリン、エチルアニリン、アニリンなど)、置換基を有してもよいピリジン(2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)−アミノピリジンなど)が挙げられるが、弱酸のアンモニウム塩が特に好ましい。
本態様におけるインク受容層は、前記インク受容層塗布液に界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤は、前記第1液に含有させることが好ましい。界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、フッ素系、シリコーン系界面活性剤のいずれも使用可能である。また、これら界面活性剤は、単独も二種以上を併用してもよい。
前記カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる。
本態様においては、既述の金属化合物と共に、画像の経時滲みおよび耐水性をより向上させる目的で、更に他の媒染剤成分を含有することができる。
前記他の媒染剤成分としては、カチオン性ポリマー(カチオン性媒染剤)等の有機媒染剤、及び水溶性金属化合物等の無機媒染剤が挙げられる。カチオン性媒染剤は、カチオン性の官能基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適であるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用できる。
本態様のインク受容層は、更に、必要に応じて下記成分を含有することができる。
色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、上記以外の界面活性剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位または6位のうち1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
本態様に使用可能な支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料で構成される不透明支持体のいずれをも使用することができる。
特に、インク受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。また、CD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、更には書き換え型光ディスクを支持体として用い、レーベル両側にインク受容層を設けることもできる。
該Raとすることにより、インク受容層のRaが容易に制御しやすくなる。
インク受容層形成後の該Raは、インク受容層を取り除くことによって測定することができる。
前記インク受容層の下側からの正反射率を前記範囲とすることにより、シャープネス(解像度)を制御することができ、奥行き感のある画像を得やすくなる傾向となる。
前記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易い点で、50〜200μmが好ましい。
原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。前記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%以上、70質量%以下が好ましい。前記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好ましく用いられ、漂白処理を行なって白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙の坪量としては、30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さとしては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度としては、JIS P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
さらにポリエチレン層上にインク受容層との密着性を付与するために下塗り層を設けることもできる。該下塗り層としては、水性ポリエステル、ゼラチン、PVAが好ましい。また、該下塗り層の厚みとしては、0.01〜5μmが好ましい。
本発明のインクジェット記録用媒体の一態様について、以下にその製造方法を詳述するが、これに限定されるものではない。ここで用いられるインクジェット記録用媒体の構成成分等は前記の通りである。
本態様のインクジェット記録用媒体の製造方法は、例えば、微粒子、水溶性樹脂、架橋剤、及び第1の金属化合物を含有する第1液(以下、「インク受容層用塗布液」ということがある。)を支持体上に塗布して塗布層を形成する工程(塗布工程)と、前記塗布層に、(1)前記第1液を塗布すると同時、(2)前記第1液を塗布して形成された塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのときに、第2の金属化合物を含む第2液(以下、「塩基性溶液」ということがある。)を付与し、前記塗布層の架橋硬化を行なう工程(硬化工程)と、で構成される方法(Wet−On−Wet法《WOW法》)であり、前記塗布工程において支持体上に塗設された塗布層を硬化工程で架橋硬化させることによって、塗布層が架橋硬化されたインク受容層が形成される。
すなわち、気相法シリカを水中に添加し、カチオン性樹脂を更に添加して高圧ホモジナイザーやサンドミル等により分散した後、これに硼酸を加え、PVA水溶液(例えばPVA量が気相法シリカの1/3程度の質量となるように)を加え、更にノニオン性若しくは両性界面活性剤および高沸点有機溶剤を加えて攪拌することで調製できる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを以下の塗布方法で支持体上に塗布することで塗布層が得られ、三次元網目構造を有する多孔質性のインク受容層を形成することができる。このとき、上記のように、硼酸を薄めた後にPVAを加えることにより、PVAの部分的なゲル化を防止することができる。
上記の空隙率および細孔メジアン径は、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。
本態様のインクジェット記録用媒体は、支持体の表面のJIS−B−0601に規定される測定長さを2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定した時の中心線平均粗さRaが0.3μm以上1.0μm未満であり、該インク受容層の表面のJIS−H−8686に規定される写像性値が2〜40%の範囲であることを特徴とする(第二の態様)。
該支持体表面のインク受容層形成面側のRaは、前記の中でも、0.35μm以上1.0μm未満であることがより好ましく、0.4μm以上1.0μm未満であることが特に好ましい。該範囲とすることにより、画像面のギラツキのない自然な高級感のあるプリントとなる。
1)支持体にエンボス加工を施してRaを制御する方法、
2)基紙上に溶融したポリオレフィン樹脂をコーティングした後、型付けローラーに圧接してRaを制御する方法等が挙げられる。
(支持体の作製)
アカシアからなるLBKP50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
サイズプレス液の濃度を5%に調整し、この液を紙の両面に乾燥塗工量1.25g/m2、塗布した。サイズプレス液の組成は、ポリビニルアルコール((株)クラレ製:KL−118)2部 、塩化ナトリウム1部である。
続いて表面をコロナ放電処理し、アナターゼ型酸化チタン20%、群青0.3%、蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」((株)日本化学工業製)を0.08%含有するように調整した、密度0.93g/cm3の低密度ポリエチレンを29g/m2となるようにコーティングした。この際、チルロールとして鉄製のロール表面をクロムメッキしたのち、サンドブラスト処理で表面に微細な凹凸をつけたロールを使用した。サンドブラスト処理の粒子種類や処理時間を表される調整してチルロールを調整し、中心線表面粗さRa=0.75μmの支持体を得た。
下記組成の(1)気相法シリカ微粒子と、(2)イオン交換水と、(3)「シャロールDC−902P」と、(4)「ZA−30」とを混合し、超音波分散機UH600S((株)エスエムテイ製)、周波数20KHzにてメジアン径0.109μmに分散させた後、分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後、これに下記(5)ホウ酸と、(6)ポリビニルアルコール溶解液と(7)「スーパーフレックス600B」と、(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテルと、(9)エタノールを30℃で加え、インク受容層用塗布液A(第1液)を調製した。
(1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 10.0部
(AEROSIL300SF75、日本アエロジル(株)製)
(2)イオン交換水 64.8部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%水溶液) 0.87部
(分散剤、第一工業製薬(株)製)
(4)ジルコゾール「ZA−30」(酢酸ジルコニウム) 0.54部
(第一稀元素化学工業(株)製)
(5)ホウ酸(架橋剤) 0.37部
(6)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液 29.4部
(溶解液の組成)
「PVA235」((株)クラレ製) 2.03部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 0.03部
EDTA−DM(三光(株)製) 0.06部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.68部
(ブチセノール20P、協和発酵(株)製)
イオン交換水 26.6部
(7)「スーパーフレックス600B」 1.24部
(第一工業製薬(株)製)
(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 0.49部
(「エマルゲン109P」(10%水溶液)、花王(株)製)
(9)エタノール 2.49部
前記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、173ml/m2の塗布量となるように流した塗布液A(第1液)に、5倍希釈のポリ塩化アルミ水溶液(アルファイン83;大明化学工業株式会社製)を10.8ml/m2の速度でインライン塗布した。熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この間は恒率乾燥速度を示した。そして、減率乾燥を示す前に、下記組成の塩基性溶液B(第2液)に3秒浸漬して前記塗布層上にその13g/m2を付着させ、更に80℃下で10分間乾燥させた(硬化工程)。これより、乾燥膜厚32μmのインク受容層が設けられた実施例1のインクジェット記録用シートを作製した。
(1)ホウ酸 0.65部
(2)炭酸ジルコニウムアンモニウム 2.5部
(ジルコゾールAC−7、第一稀元素化学工業(株)製)
(3)炭酸アンモニウム(一級;関東化学(株)製) 3.5部
(4)イオン交換水 63.3部
(5)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 30.0部
(花王(株)製、エマルゲン109P(2%水溶液))
実施例1において、中心線表面粗さRa=1.64μmの支持体を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
実施例1のインク受容層塗布液Aの調整において、超音波分散機の代わりに、ビーズミル(KD−P機;((株)シンマルエンタープライゼス製)を用い、メジアン径0.153μmに分散させた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
実施例1において、サンドブラスト処理の粒子種類や処理時間を調整してチルロールを調整し、中心線平均粗さRa=0.32μmの支持体を得た。その他は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
実施例2において、ビーズミルを用いて、メジアン径0.192μmに分散させた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
実施例2において、原紙のおもて面の樹脂被覆層で、アナターゼ型酸化チタン20%含有させる代わりに、アナターゼ型酸化チタンを5%含有させた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
実施例2において、中心線表面粗さRa=0.23μmの支持体を用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
実施例2において、中心線表面粗さRa=0.82μmの支持体を用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
実施例2において、ビーズミルの代わりに、高速回転湿式コロイドミル(クレアミックス;エム・テクニック(株)製)を用いて、1000rpmの条件下で10分間分散させ、メジアン径0.243μmに分散させた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
上記より得られた実施例1〜5、及び比較例1〜4のインクジェット記録用シートの各々について、以下の評価試験を行った。評価した結果は下記表1に示す。
TENCOR P−11機(ケーエルエー・テンコール(株)製)を用いて、インク受容層及び支持体表面をJIS−B−0601(2001年)に規定される測定長さ2.5mm、カットオフ値0.8mmにて、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
タッチパネル式写像性測定機(ICM−1T機、スガ試験機(株)製)を用いて、インク受容層表面をJIS−H−8686−2(1999年)に従って、60度の反射光で、光学くし幅2.0mmにて写像性値(C値%)を測定した。
100μmの透明なPETベースにコロナ放電処理を行なった後、実施例及び比較例の塗布液を用いて、インク受容層を形成し、ヘイズコンピューター(HGM−2DP、スガ試験機(株)製)によって測定した。
カラーアナライザー607型(日立製作所(株)製)にて440nmにおける全反射率、及び拡散反射率を測定し、全反射率から拡散反射率を減算した差を求めて正反射率(%)を求めた。なお、正反射率は値が大きいほど、画像の輝き感、シャープネスが増す。
インクジェット記録シートに正弦波チャートをプリントし、マイクロデンシトメーターで濃度測定して、変調伝達関数(MTF)を求めて、5サイクル/mmのところで比較した。値が1に近いほど優れている。
前記実施例及び比較例のインクジェット記録シートについて、インクジェットプリンター(G−800、セイコーエプソン製)を用いて、人物写真画像を印画し、画質を下記の観点より目視評価した。
(観点)
<1>瞳の輝き感<2>毛髪の鮮明さ<3>額のテカテカ感<4>奥行き感
(評価基準)
◎:非常に良好。 ○:良好。 △:やや劣る。 ×:劣る。
Claims (5)
- 支持体の少なくとも一方の面にインク受容層が設けられたインクジェット記録用媒体において、該インク受容層の表面のJIS−B−0601に規定される測定長さを2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定した時の中心線平均粗さRaが0.3μm以上0.8μm未満であり、該インク受容層の表面のJIS−H−8686−2に規定される写像性値が2〜40%の範囲であることを特徴とするインクジェット記録用媒体。
- 前記支持体の表面のJIS−B−0601に規定される測定長さを2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定した時の中心線平均粗さRaが0.3μm以上1.0μm未満であり、該インク受容層の表面のJIS−H−8686−2に規定される写像性値が2〜40%の範囲であることを特徴とするインクジェット記録用媒体。
- 前記支持体の440nmでの正反射率が2%〜10%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記インク受容層のヘイズが3%〜40%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記インク受容層が、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類より選択される少なくとも1種の水溶性樹脂を含有し、更に、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイトより選択される少なくとも1種の微粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
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