JP2006102140A - 弾球遊技機の遊技装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遊技装置の設計の自由度を向上させ、省資源および盤面換えのコスト低減が可能な弾球遊技機用の遊技装置を提供する。
【解決手段】 遊技盤を着脱可能に収容保持する前枠2と、遊技盤に変位可能に設けられた可動部材120と、可動部材を駆動する駆動源とを備えた遊技機において、駆動源140を前枠側に配設するとともに、駆動源と可動部材との間に駆動源が発生した駆動力を可動部材に伝達する伝達手段150を設けて遊技装置10を構成する。伝達手段150には、可動部材の入力軸の方向を変換する回動軸変換構造160と、駆動源の出力軸の方向を変換する駆動軸変換構造170と、可撓性を有して屈設可能であるとともに駆動軸の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能な伝送部材152とを備え、駆動源と可動部材とを機械的に連結して駆動源が発生した駆動力を可動部材に伝達するように構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、遊技盤とこの遊技盤を着脱可能に収容保持する枠部材を有する弾球遊技機用の遊技装置に関し、なお詳細には、遊技盤に変位可能な可動部材を有し制御装置がその変位作動を制御するように構成された弾球遊技機の遊技装置に関する。
上記のような遊技装置を備えた弾球遊技機として、例えばパチンコ機や雀球遊技機、アレンジボール機などが広く知られている。この種の遊技機の代表例とされるパチンコ機では、ベニヤと称される化粧板の前面に多数本の遊技釘とともに風車、固定入賞具、図柄表示装置、種々の可動入賞装置や可動装飾装置などの遊技装置が取り付けられた遊技盤が用いられ、この遊技盤が前枠と称される枠部材に着脱可能に収容保持されている。遊技盤の背後には裏セット盤と称される球処理機構盤が設けられるとともに、各種遊技装置の作動を制御する制御装置が設けられている。
遊技盤に設けられた可動入賞装置としては、例えば電動チューリップやアタッカー装置(大入賞口)などの可変入賞装置、入賞球振り分け装置、クルーンと称される回転盤、羽根物又はヒコーキ物と称される役物など各種の入賞装置が挙げられる。また遊技盤に設けられた可動装飾装置としては、例えば中央飾りに設けられて揺動変位等する人形や動物、魚、乗り物などの各種の模型、開閉変位する扉や窓、遊技球を案内する回転体などの装飾装置が例示される。
これらの可動入賞装置や可動装飾装置では、羽根や開閉扉、回転盤等の可動部材が設けられた入賞機構部または装飾機構部に、可動部材とともに、可動部材を駆動する駆動源(例えば直動型のソレノイドやロータリーソレノイド、モータ等)が組付けられて一体の可動装置として構成され、この一体化された可動入賞装置または可動装飾装置を遊技盤の盤面に形成されたルータ穴に挿入してビス固定することで遊技盤に取り付けられていた。これらの可動入賞装置や可動装飾装置の作動は、遊技機の作動を制御する制御装置により制御され、例えば遊技機の起動とともに作動し、あるいは所定の入賞条件のもと開閉変位するように構成されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
特開平5−293223号公報 特開平6−63225号公報 特開2004−8579号公報
しかしながら、上記のような従来の遊技装置では、可動部材とこの可動部材を駆動する駆動源とが入賞機構部(あるいは装飾機構部)に組付けられて一体の可動装置として構成されており、これを遊技盤に形成されたルータ孔に挿入してビス固定するようになっていた。このため、可動部材の駆動源は遊技装置の外形よりも小さいルータ孔の開口範囲内に収めて配設しなければならず、駆動源の選定や配置、可動部材に駆動力を伝達する機構構成に苦慮するという問題があった。
また、可動部材を大型化してダイナミックな動作を実現しようとすれば、本来的には可動部材の運動量に応じた容量の駆動源が必要である。ところが上記寸法上の制約から大型の駆動源を配設することは難しく、これを小型の駆動源で駆動しようとすれば、多段のギヤ列やリンク機構により伝達機構が複雑化したり、駆動源のパワー不足で緩慢な動作しか実現できなかったり、過剰な負荷によって駆動源が発熱したりするという問題があった。また複数の可動部材を各々独立して変位させ多様な動作を実現するには、可動部材の大きさや動きに応じた種類および数量の駆動源が必要となるが、これらを限られた範囲内に組付ける必要があり、機構構成が複雑化して部品点数、組立工数ともに増大し、生産コストが上昇するという問題があった。
また、近年では地球環境保護の見地から産業廃棄物の削減、資源リサイクルの推進が求められている。このような背景のもと弾球遊技機では遊技球の発射機構が設けられた前枠や遊技球の払出機構が設けられた裏セット盤など遊技機の主要機構部を流用しつつ、遊技盤と制御装置を交換して新機種に切り替える「盤面換え」と称される入れ替え形態が広く行われている。ところが、盤面換えでは遊技盤全体を新たな遊技盤に交換するため、遊技盤に取り付けられた遊技装置は、多くの場合その駆動源が継続使用可能な状態であり、かつ新たな遊技盤に設けられた遊技装置の駆動源と略同一仕様の電気部品であるにも拘わらず、遊技盤ごと新品に交換されており、省資源の理念に反するとともに盤面換えのコスト上昇の一因になっていた。
さらに、盤面換えにより回収された遊技盤をリサイクルするためには、基板となる積層合板に組付けられた多種多様の部品を取り外して材質ごとに分別し、材質に応じたリサイクルルートに乗せる必要があるが、可動入賞装置や可動装飾装置では、遊技盤から取り外した装置をさらに分解し、一般的に樹脂材料で形成される可動機構部から駆動源や電気配線を分別して各リサイクルルートに乗せる必要があり、リサイクルのための工数およびコストが上昇するという課題があった。このことは駆動源を多数有する遊技機ほど顕著であり、資源リサイクルを推進するうえで解決すべき重要な課題とされていた。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、可動入賞装置や可動装飾装置の設計の自由度を向上させるとともに、省資源および遊技盤のコスト低減を可能とし、併せてリサイクル性を向上させた弾球遊技機用の遊技装置を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、第1の本発明は、遊技盤を着脱可能に収容保持する枠部材(例えば、実施形態における前枠2)と、遊技盤に変位可能に設けられた可動部材(例えば、実施形態における回転盤120、チューリップ羽根220)と、可動部材を駆動する駆動源と、駆動源の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置により駆動源が駆動されたときに当該駆動源が発生した駆動力により可動部材を変位させるように構成された弾球遊技機の遊技装置である。そのうえで、本発明の遊技装置(実施形態における中央飾り10,10′、始動入賞装置20,20′)では、可動部材の駆動源を枠部材に配設するとともに、駆動源と可動部材との間に駆動源が発生した駆動力を可動部材に伝達する伝達手段を設けており、この伝達手段が、駆動源の駆動軸まわりの回動を当該駆動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する駆動軸変換構造と、可撓性を有して屈設可能であるとともに駆動軸の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能な伝送部材(例えば、実施形態におけるフレキシブルシャフト152,252)とを備え、駆動源と可動部材とを機械的に連結して駆動源が発生した駆動力を可動部材に伝達するように構成される。
また第2の本発明は、上記第1の発明と同様に、遊技盤を着脱可能に収容保持する枠部材(例えば、実施形態における前枠2)と、遊技盤に変位可能に設けられた可動部材(例えば、実施形態における回転盤120、チューリップ羽根220)と、可動部材を駆動する駆動源と、駆動源の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置により駆動源が駆動されたときに当該駆動源が発生した駆動力により可動部材を変位させるように構成された弾球遊技機の遊技装置である。そのうえで、本発明の遊技装置(実施形態における中央飾り10,10′、始動入賞装置20,20′)では、可動部材の駆動源を枠部材に配設するとともに、駆動源と可動部材との間に駆動源が発生した駆動力を可動部材に伝達する伝達手段を設けており、この伝達手段が、可動部材の回動軸まわりの回動を当該回動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する回動軸変換構造と、可撓性を有して屈設可能であるとともに駆動軸の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能な伝送部材(例えば、実施形態におけるフレキシブルシャフト152,252)とを備え、駆動源と可動部材とを機械的に連結して駆動源が発生した駆動力を可動部材に伝達するように構成される。
また第3の本発明は、上記第1および第2の発明と同様に、遊技盤を着脱可能に収容保持する枠部材(例えば、実施形態における前枠2)と、遊技盤に変位可能に設けられた可動部材(例えば、実施形態における回転盤120、チューリップ羽根220)と、可動部材を駆動する駆動源と、駆動源の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置により駆動源が駆動されたときに当該駆動源が発生した駆動力により可動部材を変位させるように構成された弾球遊技機の遊技装置である。そのうえで、本発明の遊技装置(実施形態における中央飾り10,10′、始動入賞装置20,20′)では、可動部材の駆動源を枠部材に配設するとともに、駆動源と可動部材との間に駆動源が発生した駆動力を可動部材に伝達する伝達手段を設けており、この伝達手段が、駆動源の駆動軸まわりの回動を当該駆動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する駆動軸変換構造と、可動部材の回動軸まわりの回動を当該回動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する回動軸変換構造と、可撓性を有して屈設可能であるとともに駆動軸の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能な伝送部材(例えば、実施形態におけるフレキシブルシャフト152,252)とを備え、駆動源と可動部材とを機械的に連結して駆動源が発生した駆動力を可動部材に伝達するように構成される。
ここで、上記第1〜第3の発明における、「可撓性を有して屈設可能であるとともに駆動源の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能な伝送部材」として、例えば、細径多条のワイヤを正逆交互に多層に巻き上げたインナーワイヤーとインナーワイヤーを軸方向および軸まわりに摺動自在に保持するアウターケーシングとからなるトルクロープ(ロータリケーブルとも称される)や、多条のワイヤやスパイラルチューブを正逆交互に多層に巻き上げたインナーコイルとインナーコイルを軸まわりに回動自在に保持するアウターケーシングとからなるフレキシブルシャフトなどが例示される。
また、「駆動源の回動軸まわりの回動を当該回動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する回動軸変換構造」および、「発射強度設定手段の設定軸まわりの回動を当該設定軸と交差する方向の軸回りの回動に変換する設定軸変換構造」としては、噛合する一対の傘歯車やヘリカルギヤ、ウォームとウォームホイール、ユニバーサルジョイントなど、入力軸の回転を入力軸と交差する方向(立体交差を含み入力軸の延びる方向と異なる方向)に変換して出力する種々の公知の構造を用いることができる。
このように、上記第1〜第3の発明の遊技装置では、可動部材の駆動源を可動部材と離隔して枠部材に配設するとともに、これらの間に可撓性を有して屈設可能であり駆動源の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能な伝送部材を備えた伝達手段を設けて機械的に連結し、駆動源が発生した駆動力を可動部材に伝達するように構成している。このため、例えば可動入賞装置や可動装飾装置の駆動源を枠部材の適宜な位置に配設することで、遊技盤に形成されたルータ孔の寸法的制約を受けることなく駆動源の選定や配置を設定することができ、入賞機構部または装飾機構部の設計においても余裕を持って機構設計を行うことができる。さらに可動部材の運動量に応じた容量の駆動源を採用することができるため、機構構成を複雑化することなく大型の可動部材を大きく変位させることが可能になり、従来困難とされたダイナミックな動作を実現することができる。また複数の可動部材を各々独立した駆動源で駆動するような場合にも、可動部材の大きさや動きに応じた種類および数量の駆動源を適宜な位置に配置して構成することができ、複雑かつ多様な動作を実現することができる。
また、伝達手段に備えられた伝送部材が駆動源の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能であり、駆動源の回動作動が伝送部材を介して可動部材に機械的に伝達される。従って、このような伝送部材を備えた遊技装置では、駆動源の回転駆動力(回動駆動力)を軸まわりの回動としてそのまま可動部材の駆動機構に伝送することができ、例えば回転盤などの可動部材にモータの回転駆動力を伝送して回動軸まわりに回動させ、あるいは開閉扉や羽根などの可動部材にロータリーソレノイドの回動駆動力を伝送して回動軸まわりに揺動開閉させるような遊技装置を簡明に構成することができる。
また第1の発明に係る遊技装置では、伝達手段に、駆動源の駆動軸まわりの回動を当該駆動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する駆動軸変換構造が設けられている。このため、駆動源を配設位置に応じた適宜な取付姿勢で配設できるとともに、駆動軸の出力方向をこの駆動軸と交差する適宜な方向に変換して取り出すことができ、例えば可動入賞装置の入賞機構部が配設された遊技盤の下部中央や左右側部に向かう方向、可動装飾装置の装飾機構部が配設された遊技盤の上部中央に向かう方向、あるいは周囲の構造部材との関係から取り回しの容易な方向などに変換して伝送部材を接続することができる。これにより、例えば駆動軸が前後方向に延びるような取付姿勢に設定しても伝送部材の機体後方への張り出し寸法を抑制することができ、比較的大きめの曲げ半径が必要とされる高トルク伝達型のフレキシブルシャフトを用いた場合でも、組付けを容易化し且つ弾球遊技機を薄型に構成することができる。
第2の発明に係る遊技装置においては、伝達手段に、可動部材の回動軸まわりの回動を当該回動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する回動軸変換構造が設けられている。このため、回動軸の入力方向をこの回動軸と交差する適宜な方向に変換して取り出すことができ、例えば駆動源の配設位置に向かう方向や、周囲の構造部材との関係から取り回しの容易な方向などに変換して伝送部材を接続することができる。これにより、例えば可動部材が遊技盤面と直交する前後方向の回動軸まわりに回動しあるいは揺動するような遊技装置においても、伝送部材を遊技盤の背面に沿って配設できるため伝送部材の機体後方への張り出し寸法を抑制することができ、比較的大きめの曲げ半径が必要とされる高トルク伝達型のフレキシブルシャフトを用いた場合でも、組付けを容易化し且つ弾球遊技機を薄型に構成することができる。
第3の発明に係る遊技装置においては、伝達手段に、駆動源の駆動軸まわりの回動を当該駆動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する駆動軸変換構造と、可動部材の回動軸まわりの回動を当該回動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する回動軸変換構造とが設けられている。このため、駆動源を配設位置に応じた適宜な取付姿勢で配設できるとともに、回動軸変換構造および設定軸変換構造において駆動軸および回動軸の方向をそれぞれ適宜な方向、例えば駆動源と可動部材との相対的な位置関係に合わせて向き合うような方向や、周囲の構造部材との関係から取り回しの容易な方向などに変換して伝送部材を接続することで、伝送部材の機体後方や側方等への張り出し寸法を抑制し、あるいは緩やかに屈曲する最短の経路を通して配設することができ、これにより比較的大きめの曲げ半径が必要とされる高トルク伝達型のフレキシブルシャフトを用いた場合でも、組付けを容易化し且つ弾球遊技機を薄型に構成することができる。
さらに、可動部材の駆動源が枠部材に設けられているため、遊技盤の生産コストを低減して盤面換えに要する費用を低減可能であることに加えて、盤面換えにおいて活用可能な駆動源を継続使用することで省資源に寄与することができ、また回収された遊技盤のリサイクル工数およびコストを低減することができる。
従って、本発明の遊技装置によれば、遊技装置の設計の自由度を向上させるとともに、省資源および盤面換えのコスト低減を可能とし、併せてリサイクル性を向上させた弾球遊技機用の遊技装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る遊技装置を備えた弾球遊技機の一例として、図1および図2にパチンコ機を例示しており、まずこれらの図面を参照してパチンコ機PMの全体構成について要約説明する。ここで、図1はパチンコ機全体の正面図、図2は前枠から裏セット盤を取り外しさらに遊技盤から図柄表示装置を取り外した状態で示すパチンコ機の背面図である。
パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成された開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ機構により前方に横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置を利用して常には外枠1と係合連結された閉止状態に保持される。
前枠2の前面側では、前側面域に合わせた方形状のガラス扉3および上球皿4が横開き開閉および着脱可能に組付けられ、上球皿4の下側に下球皿5、発射ハンドル6が組付けられるとともに前枠2の後面下部に遊技球発射装置7が装備されている。前枠2の上方奥部には後方に突出する方形枠状の収容枠2aが前枠2と一体に形成されており、この収容枠2aに所定のゲージ設定で構成された遊技盤8が閉鎖クランプを利用して着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉3に遊技盤正面の遊技領域を臨ませている。収容枠2aの下側には遊技補助盤と称される補助機構部9が設けられ、その前面側に遊技球発射装置7の発射レールやスピーカなどが設けられている。
遊技盤8は、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼り付けてルーター加工した化粧板を基板とし、前面側に発射機構から打ち出された遊技球をガイドする案内レールが設けられて略円形の遊技領域PAが区画形成される。遊技領域PAには、図示省略する多数本の遊技釘および風車とともに、後に詳述する中央飾り(可動装飾装置)10、遊技の展開状況に応じた図柄を表示する図柄表示装置12、遊技球が落入可能な固定入賞具15、電動チューリップ型の可動入賞装置(以下、「始動入賞装置」という)20、アタッカー型の可動入賞装置(以下、「アタッカー装置」という)30、LEDや表示ランプなどが取り付けられ、遊技領域PAの下端部にアウト口18が開口形成されている。中央飾りや各入賞装置は化粧板を前後に貫通するルータ孔に装着されて化粧板の前面側でビス固定されるとともに、入賞装置の後方には各入賞装置に落入して化粧板の裏面側に導かれたセーフ球、およびアウト口18を通って化粧板の裏面側に導かれたアウト球を、化粧板の背面に沿って裏セット盤の遊技済み球排出通路に導く球寄せカバー19が取り付けられている。
前枠2の裏面側には、詳細図示省略する裏セット盤が、前枠2の背面右側に設けられたヒンジ機構を利用して着脱および横開き開閉可能に取り付けられ、常には遊技盤8の背後を覆って閉止保持される。裏セット盤には遊技盤8から排出された遊技球を遊技施設の回収装置に導く遊技済み球排出通路や、球払出制御機構の球通路等が形成されるとともに、裏セット盤の背面各部にパチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御装置、遊技球の払い出し作動を制御する球払出制御装置、各制御装置や電子部品に電力を供給する電源ユニット、遊技施設側と信号や電力の入出力を行うターミナル基板等の各種制御装置や電子部品が取り付けられ、これらがコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成される。
パチンコ機PMは、上球皿4およびガラス扉3が閉止施錠された状態で遊技に供され、上球皿4の球受け皿に遊技球を貯留させて発射ハンドル6を操作することで遊技が開始される。発射ハンドル6において発射操作が行われると、上球皿4に貯留された遊技球が1球ずつ遊技球発射装置7に送り出され、遊技球発射装置のハンマーにより遊技領域PAに打ち出されてパチンコゲームが展開される。
このように概要構成されるパチンコ機PMにあって、遊技盤の中央部に大型の回転盤120を有する中央飾り10が設けられている。以下図3〜図7の各図を参照しながら第1構成形態の中央飾り10について説明する。ここで、図3は中央飾り10における装飾機構部100の分解斜視図、図4は遊技球の流れを説明するために上部カバーを取り外した状態で示す装飾機構部100の正面図(部分断面図)、図5は装飾機構部の裏面側上部に設けられた回動軸変換構造160の平断面図、図6は遊技補助盤9の裏面側に設けられた駆動ユニット180の背面図、図7は図6中のVII−VII矢視方向の平面図である。
中央飾り10は、大別的には、正逆方向に回転変位可能な回転盤120を有して遊技盤の中央部にネジ固定された装飾機構部100と、装飾機構部100と離隔して遊技補助盤に設けられ回転駆動力を発生する回転盤駆動モータ140と、装飾機構部100と回転盤駆動モータ140との間に設けられて回転盤駆動モータ140が発生した回転駆動力を回転盤120に伝達する伝達機構150とから構成される。
装飾機構部100は、中央に図柄表示装置12の液晶画面を視認させるための窓口を有し装飾機構部の基体となるベース部材110、ベース部材110に回動可能に取り付けられ窓口の外側を回動する大型の回転盤120、ベース部材110の前側に連結されて装飾機構部の前方ケースを構成するとともに窓口下側に遊技球の転動ステージが設けられたフロント部材130などから構成される。
ベース部材110は、中央に図柄表示装置12の液晶画面の大きさに合わせた矩形の窓口111aが開口形成された基板部111、およびこの基板部111から前方に延びる囲壁部を有し、装飾機構部の後部ケースを形成するとともに装飾機構部における機構構造の取付ベースとなっている。基板部111には、回転盤120を回動自在に支持する支持ローラ112が窓口111aを囲む対角位置に4箇所設けられるとともに、窓口上方には基板部を前後に貫通して回動入力軸113が回動自在に支持され、基板部の前面側に回転盤120を回動させる平歯車状の回動伝達ギヤ115、背面側に回動軸変換構造160が設けられている。
支持ローラ112には、次述する回転盤120のリングレール部122aを受容して支持する凹状のレール支持溝が形成されており、リングレール部122aを4箇所の支持ローラのレール支持溝に係合させて支持させることにより、対角位置にある支持ローラ112,112を相互に結ぶ交点を通って前後に延びる軸(仮想回動軸)を中心として回転盤120が鉛直面内で回動自在に支持されるようになっている。また、基板部111の前面側には回動伝達ギヤ115と隣接して回転盤120の回動角度位置を検出する位置検出器116が設けられるとともに、回転盤120の外周側に位置する各部に遊技展開状況に応じて点滅作動されるLED(発光素子)を搭載したLED基板が複数設けられている。
回転盤120は、遊技球を案内する誘導リング121、内歯のリングギヤを形成するギヤリング122、および誘導リング121とギヤリング122とを位置決めして一体に連結させるリテーナリング123からなり、これらが連結されて一体の回転盤120が形成される。
誘導リング121は、円環状の外殻リング部121aと、左右の側壁および左右の側壁間を繋ぐ座面を有して前面開放の角形スコップ状をなし外殻リング部121aから前方に突出する皿状ガイド部121b、および隣接する皿状ガイド部121b,121bの間に皿状ガイド部121bよりも幾分幅が狭く形成された溝状ガイド部121cからなり、例示する誘導リング121では皿状ガイド部121bと溝状ガイド部121cとを交互に各12箇所づつ形成した構成例を示している。皿状ガイド部121bと溝状ガイド部121cとの間を仕切る側壁は外殻リング側121aから前方に向けて先細状に形成され、皿状ガイド部121bおよび溝状ガイド部121cがともに前方に向けて広くなるように形成されるとともに、皿状ガイド部121bの座面が基端側から前方に向けてわずかに開いて(座面の内径が緩やかに拡大するように)形成されている。
ギヤリング122は、支持ローラに形成されたレール支持溝の溝幅よりも幾分小さめの前後方向厚さを有し外周側に突出して形成された円環状のリングレール部122aと、ギヤリングの内周側に形成され回動伝達ギヤ115と噛合可能な回動リングギヤ125とを主体として構成され、図3では内周向きの回動リングギヤの成型性を考慮して、ギヤリングを120度ごとの3つの円弧状部材に分割成型し、これらを連結して360度全周のギヤリングを形成した構成例を示す。
誘導リング121とギヤリング122には、相互に嵌合する位置決め突起および嵌合孔が形成されており、これらを嵌合させることで3分割された円弧状のギヤリング122が円環状に形成されるとともに、両者の相対位置が周方向およびラジアル方向に位置決めされ、これらリング121,122の後方からリテーナリング123を装着してネジ止めすることで、誘導リング121とリテーナリング123との間にギヤリング122を挟み込むように固定して一体の回転盤120が構成される。
回転盤120は、ギヤリング122のリングレール122aを4箇所の支持ローラ112のレール支持溝に係合させて支持させることにより、対角位置にある支持ローラ112,112を相互に結ぶ交点を通って前後に延びる軸(回動軸)を軸心として鉛直面内で回動自在に支持される。そして、回動伝達ギヤ115を回動リングギヤ125に噛合させて組付けることにより回動入力軸113の回転駆動力が回動伝達ギヤ115を介して回動リングギヤ125に伝達され、回転盤120が回動軸を軸心として鉛直面内で回転駆動される。
フロント部材130は、回転盤120の外側に位置して装飾機構部の前方ケースをなす装飾フレーム131、回転盤120の内側に位置して窓口111a の周囲に装飾枠を形成する中央フレーム132、装飾フレームの前面左右に設けられた導入通路133、中央フレームの下部に設けられた転動ステージ134および導出通路136、装飾フレーム131と中央フレーム132の前面上部を覆う上部カバー138などから構成される。
装飾フレーム131は、化粧板21に開口形成されたルータ孔よりも広く張り出され装飾機構部100を化粧板に取り付ける際の固定フランジの機能を備えた前面パネル部131aと、この前面パネル部131aの外周側で後方に延びる囲壁部、および前面パネルの内周側で後方に延びる円環状のガイドレール部131bなどからなり、ルータ孔内に隠れる囲壁部を除く各部には遊技盤に合わせた所定意匠が施されている。ガイドレール部131bの内径は、誘導リング121における皿状ガイド部121bの外径よりも幾分大きめに形成されるとともに、下部レール面が幾分後傾して形成され、下端中央部には遊技球を始動入賞装置20に導くガイド溝131cが形成されている。
中央フレーム132は、外周側が誘導リング121における外殻リング部121aの内径よりも幾分小さめの円形で、内周側が窓口111aの開口面域に合わせた矩形の額縁状に形成され、ベース部材に設けられた回動伝達ギヤ115や位置検出器116等を覆い隠すように形成される。中央フレーム132における窓口の下側領域には、後述する導出通路136を形成する導出通路形成部材が取り付けられている。
装飾フレーム131の前面左右に、前面パネル部131aから前方に突出して導入通路形成部材が取り付けられ、ここに導入通路133(133L,133R)が形成される。左右の各導入通路133は、それぞれ装飾フレームの左右側方に開口する導入口133aと、中央の窓口側に開口するステージ流入口133bとを有して遊技球の外形よりも幾分大きめの通路幅および高さ有する矩形の樋状に形成されており、遊技盤面から導入口133aに転入した遊技球を転動流下させて中央の転動ステージ134に導くようになっている。各導入通路133の途中にはこの通路を流下する遊技球の流下速度を緩和するための段差部133cが形成されている。
中央フレーム132の窓口下側領域には導出通路形成部材が取り付けられており、その上方に導入通路133(133L,133R)を通って窓口側に流入した遊技球を受け入れる転動ステージ134が配設される。
転動ステージ134は、平面視矩形で中央が低い椀状に形成され、中央部には平面視円形で球面状に形成された集合ステージ部134a、その外側に平面視楕円形で集合ステージ部に向けて下傾する誘導ステージ部134bが形成されている。転動ステージ134の上面には、この転動ステージに流入した遊技球がステージ上を一方向に転動する(例示する転動ステージ134では平面視において時計廻りに転動する)ように、誘導突起134cおよび誘導通路134dが形成されており、左右の導入通路133L,133Rを通って転動ステージ134に流入した遊技球が正面衝突することなく同一方向に転動して集合ステージ部134aの中心に収束するようになっている。集合ステージ部134aの中心部には、左右に並んで遊技球が落入可能な落入孔135(135L,135R)が開口形成されている。
転動ステージ下側の導出通路形成部材には、転動ステージの落入孔135を通って落下した遊技球を左右に振り分けて誘導リングに導く導出通路136が形成されている。左右の導出通路136(136L,136R)は、それぞれ左右の落入孔135L,135Rの直下に位置整合して開口する落入口136aと、落入孔の斜め下方に位置して誘導リング121の内周上方に開口する導出口136bとを有し、落入孔135L,135Rに落入した遊技球をそれぞれの落入孔に対応した導出通路136L,136Rを流下させて左右側方の導出口136b,136bから誘導リング121の内周上方に落下させるように構成されている。各導出通路136L,136Rは遊技球の外形よりも幾分大きめの通路幅および高さ有する矩形の樋状に形成され、各導出通路の前後の壁面にはこの通路を流下する遊技球の流下速度を緩和するためのリブが前後互い違いに立設されている。
フロント部材130は、回転盤120が取り付けられたベース部材110に、まず導出通路形成部材が取り付けられた中央フレーム132をネジ固定するとともに、導出通路形成部材の上方に転動ステージ134を装着して転動ステージの後端部をベース部材の受容スリット部に係合支持させ、その前方から装飾フレーム131を覆い被せるように装着して転動ステージ134の前端部を左右の導入通路形成部材に係合支持させて、ベース部材110の後面側から装飾フレーム131をネジ固定し、さらにこれらの前方から装飾フレーム131および中央フレーム133の前面上部を覆う上部カバー138を取り付けることでベース部材110に取り付けられる。そしてこれにより、ベース部材110、回転盤120、フロント部材130が一体に組み立てられて装飾機構部100が構成される。
一方、遊技盤の下方に位置する遊技補助盤9の裏面側には、遊技盤の各種可動部材を駆動する駆動機構部が駆動ユニット180として設けられており、この駆動ユニット180に装飾機構部の回転盤120を回転駆動する回転盤駆動モータ140が設けられ、装飾機構部100と回転盤駆動モータ140との間を結んで回転盤駆動モータ140が発生した回転駆動力を回転盤120に伝達する伝達機構150が設けられている(図2を参照)。
回転盤駆動モータ140は、減速機を内蔵して低速回転での回転トルクを向上させたギヤドステッピングモータであり、このモータを支持するモータ支持ブラケット146を介して駆動ユニット180の支持プレート181に取り付けられている。本構成例では支持プレート181に回転盤駆動モータ140のモータ外径よりも幾分大きめの挿通孔を形成してモータ後部を埋め込んで配設しており、回転駆動モータの駆動軸(出力軸)143の後方への突出量を抑制した構成にしている(図7を参照)。回転盤駆動モータ140は、裏セット盤に装備された主制御装置により作動が制御され、例えば発射ハンドル6に内蔵されたタッチセンサにより遊技者が発射ハンドルを把持したことが検出されたときにモータの回動を開始するように制御される。
駆動ユニット180は、回転盤120を駆動する回転盤駆動モータ140のほか、始動入賞口を拡縮駆動する始動入賞口開閉ソレノイド240や、アタッカー装置30の開閉扉を開閉駆動する開閉扉ソレノイド341、大入賞口内のシーソー部材を揺動駆動するシーソー傾動ソレノイド342等、遊技盤に設けられた各種可動入賞装置の駆動源が取り付けられた駆動ユニットであり、支持プレート181の背面にこれらの各駆動源が搭載されてユニットを形成し、遊技補助盤9の裏面に一体的に着脱可能に構成されている(図6を参照)。
伝達機構150は、回転盤120の回動入力軸113まわりの回動を当該回動入力軸と交差する左右方向の軸まわりの回動に変換する回動軸変換構造160と、前後に延びる回転盤駆動モータの駆動軸143まわりの回動を当該駆動軸と交差する上下方向の軸まわりの回動に変換する駆動軸変換構造170と、可撓性を有して屈設可能であるとともに駆動軸143の回動作動を軸まわりの回動として回動入力軸113に伝送可能なフレキシブルシャフト152とを備え、伝達機構150が回転盤駆動モータ140の駆動軸143と回転盤120の回動入力軸113とを機械的に連結して回転盤駆動モータ140が発生した駆動力を回転盤120に伝達するように構成される。
回動軸変換構造160は、装飾機構部100におけるベース部材110の裏面側に設けられており、回動入力軸113の後端部に固定された第1傘歯車161と、この第1傘歯車161と噛合する第2傘歯車162、および第2傘歯車162を第1傘歯車161に噛合させた状態で回転自在に支持するハウジング166などからなり、前後方向に延びる回動入力軸113まわりの回動を、回動入力軸113と直交する左右方向に延びる変換回動軸163まわりの回動に変換して伝達することで、前後に延びる回転盤120の回動軸(仮想回動軸)の軸方向を左右方向に変換して伝達するように構成される。
回動入力軸113の前端側にはキー溝が形成されており、同様のキー溝を有する回動伝達ギヤ115がキーを介して連結され、ベース部材110における基板部側の軸受ボスとその前方に取り付けられた支持プレート117との間に回転自在に支持される。また回転駆動軸113の後端部は外周面が平面取りされて軸直交の断面視においてD字状に形成される一方、第1傘歯車161には同様のD字状の連結孔および止めネジを螺合させるネジ孔が形成されており、第1傘歯車161を回動入力軸113の軸端に嵌入して穴付き止めネジを締め込むことで回動入力軸113の後端部に固定され、これにより伝達ギヤ115と第1傘歯車161とが回動入力軸113を介してトルク伝達可能に連結される。
変換回動軸163の右端部は、上記回動入力軸113と同様に外周面が平面取りされて軸直交の断面視においてD字状に形成され、第2傘歯車162にはD字状の連結孔および止めネジを螺合させるネジ孔が形成されており、第2傘歯車162を変換回動軸163軸端に嵌入して穴付き止めネジを締め込むことで変換回動軸163の右端部に固定される。回動変換軸163における軸中間の外周部にはスナップリング165を係止するリング溝、左端端の外周部には多条のスプライン(雄スプライン)が形成されている。
回動軸変換構造を収容するハウジング166には、変換回動軸163を回動自在に枢支する軸受ブッシュ164が設けられており、この軸受ブッシュ164に変換回動軸163を挿通させて、ハウジング外側に突出した変換回動軸163のリング溝にスナップリング165を嵌着することで、第2傘歯車162が回動自在に取り付けられる。そしてハウジング166を第1傘歯車161の後方を覆うように取り付けることで、第1傘歯車161と第2傘歯車162とが噛合し、これにより前後に延びる回動入力軸113の軸まわりの回動が、第1傘歯車161〜第2傘歯車162を介して左右に延びる変換回動軸163の軸まわりの回動に変換されて伝達される。ベース部材110の背面にはフレキシブルシャフトを固定する固定ブラケット167が設けられている。
駆動軸変換構造170は、駆動ユニット180に設けられており、回転盤駆動モータの駆動軸143の軸端に固定された第1ヘリカルギヤ171と、この第1ヘリカルギヤ171と噛合する第2ヘリカルギヤ172、および第2ヘリカルギヤ172を第1ヘリカルギヤ171に噛合させた状態で回転自在に支持する支持ブラケット176などからなり、前後方向に延びる駆動軸143まわりの回動を、駆動軸143と交差する上下方向に延びる変換駆動軸173まわりの回動に変換して伝達するように構成される。
駆動軸143の軸端部は、外周面が平面取りされて断面視D字状に形成される一方、第1ヘリカルギヤ171のボス部には止めネジを螺合させるネジ孔が形成されており、第1ヘリカルギヤ171を駆動軸143の軸端に嵌入して穴付き止めネジを螺合し、ネジ先端部を平面取り部に係合させて締結することで、第1ヘリカルギヤ171が駆動軸143の後端部に固定される。
また同様の構成を有する第2ヘリカルギヤ172を支持ブラケット176の軸受間に挿入して第1ヘリカルギヤ171と噛合させ、支持ブラケット176の上方から変換駆動軸173を嵌入して、第2ヘリカルギヤ172のボス部に螺合された穴付き止めネジを締結することで、第2ヘリカルギヤ172が変換駆動軸173の中間部に固定される。これにより、第1ヘリカルギヤ171と第2ヘリカルギヤ172とが噛合した状態で回動可能に支持され、前後に延びる駆動軸143の軸まわりの回動が、第1ヘリカルギヤ171〜第2ヘリカルギヤ172を介して上下に延びる変換駆動軸173の軸まわりの回動に変換されて伝達される。変換駆動軸173の上端外周部には上述した変換回動軸163と同様の多条のスプラインが形成され、支持ブラケット176の上部にはフレキシブルシャフトを固定する固定ブラケット177が形成されている。
駆動軸変換構造170と回動軸変換構造160との間を結んで、駆動軸143の回動作動を軸まわりの回動として回動入力軸113に伝送可能なフレキシブルシャフト152が設けられる。
フレキシブルシャフト152は、多条のワイヤを正逆交互に多層に巻き上げたインナーコイルと、このインナーコイルを軸まわりに回動自在に保持するアウターケーシングとからなり、フレキシブルシャフト152の両端には、インナコイルの端部に固着されてインナコイルとともに一体的に回動する端末金具153が設けられている。端末金具153には、前述した回動軸変換構造160の変換回動軸163の軸端部に形成されたスプライン、および駆動軸変換構造170の変換駆動軸173の軸端部に形成されたスプラインと、嵌脱自在なスプライン(雌スプライン)が形成されている。
そこで、フレキシブルシャフト152の一方の端末金具153を回動軸変換構造160の変換回動軸163に嵌合させ、他方の端末金具153を駆動軸変換構造170の変換駆動軸173に嵌合させて、アウターケーシングをそれぞれ固定ブラケット167,177に固定することで、変換回動軸163と変換駆動軸173とがフレキシブルシャフト152によりトルク伝達可能に連結されて、装飾機構部100と回転盤駆動モータ140との間を機械的に連結する伝達機構150が形成され、装飾機構部100、回転盤駆動モータ140および伝達機構150からなる中央飾り10が構成される。
これにより、駆動軸143と回動入力軸113とがフレキシブルシャフト152により機械的に連結されて、回転盤駆動モータの駆動軸143の回動が、駆動軸143〜駆動軸変換構造170〜フレキシブルシャフト152〜回動軸変換構造160〜回動入力軸113および回動伝達ギヤ115を介して回動伝達ギヤと噛合する回動リングギア125に伝達され、回転盤駆動モータ140の駆動方向に応じた回転方向(時計廻りまたは反時計廻り)および回転速度で回転盤120が回動される。
中央飾り10における回転盤駆動モータ140の作動は主制御装置により制御され、例えば前述したように、発射ハンドル6に内蔵されたタッチセンサにより遊技者が発射ハンドル6を把持したことが検出されたときに、主制御装置が回転盤駆動モータ140を起動させ、回転盤120を一定速度で時計廻りに回動させる。
具体的な遊技展開状況における中央飾りの作用について、図4を参照しながら説明すると、遊技盤8に打ち出された遊技球の多くは装飾機構部100の上部カバー138に沿って装飾機構部100の左右側方を転動落下するが、一部の遊技球が遊技釘に弾かれて左または右の導入口133aに転入し、導入通路133(133L,133R)を通ってステージ流入口133bから転動ステージ134に流入する。転動ステージ134に流入した遊技球は、誘導突起134cまたは誘導通路134dに案内されて正面衝突することなく平面視時計廻りにステージ上を転動し、集合ステージ部134aの中心に収束して左右何れかの落入孔135(135L,135R)から導出通路136(136L,136R)に転入する。
そして例えば右側の導出通路136Rに転入した遊技球は、右斜め下方に流下して右側の導出口136bから誘導リング121の内周上方に落下する。このとき回転盤120は既に時計廻りに回動されており、導出口136bから誘導リング121の内周上方に落下した遊技球は、その落下時に下方に位置する誘導リングの皿状ガイド部121bまたは溝状ガイド部121cの何れかに落下する。
ここで皿状ガイド部121bおよび溝状ガイド部121cは、ともに幅が前方に向けて広くなる(側壁が先細状に狭くなる)ように形成され、皿状ガイド部121bでは遊技球を受け止める座面が前方に向けてわずかに下傾して形成されている。一方、溝状ガイド部121cでは皿状ガイド部のような座面はなく、溝状ガイド部121cに落下した遊技球は装飾フレーム131のガイドレール部131bに支持されるが、ガイドレール部131bは後方に向けてわずかに下傾して形成されている。
このため、右側の導出口136bからから誘導リング121の内周上方に落下した遊技球のうち、皿状ガイド部121bに落下した遊技球は、皿状ガイド部121bの回動とともに時計廻りに回動しつつ、前方に下傾する座面に誘導されて前方に移動し、中央近傍の適当な位置から遊技盤面に落下する。また、溝状ガイド部121cに落下した遊技球は、後傾するガイドレール部131bに支持された状態で溝状ガイド部121cとともに時計廻りに回動し、装飾フレーム131の下部中央に形成されたガイド溝131cに落下してその直下に位置する始動入賞装置20に導かれる。
一方、左側の導出通路136Lに転入した遊技球は、左斜め下方に流下して左側の導出口136bから誘導リング121の内周上方に落下し、その落下時に下方に位置する誘導リングの皿状ガイド部121bまたは溝状ガイド部121cの何れかに落下する。ここで皿状ガイド部121bおよび溝状ガイド部121cは、ともに幅が前方に向けて広くなるように(側壁が先細のテーパ状に)形成され、皿状ガイド部121bでは遊技球を受け止める座面が前方に向けてわずかに下傾して形成されている。
このため、左側の導出口136bからから誘導リング121の内周上方に落下した遊技球のうち、皿状ガイド部121bに落下した遊技球は、皿状ガイド部121bの回動とともに時計廻りに回動しつつ、前方に下傾する座面および先細テーパ状の側壁に誘導されて前方に移動し、始動入賞装置20近傍よりも左側の適当な位置から遊技盤面に落下する。また、溝状ガイド部121cに落下した遊技球は、後傾するガイドレール部131bに支持された状態で溝状ガイド部121cとともに時計廻りに回動するが、誘導リングの回動に伴い先細テーパ状の側壁の傾斜に誘導されて前方に導かれ、始動入賞装置20よりも左側の遊技盤面に落下する。
以上は回転盤120が時計廻りに回動されている状況について説明したが、この回動方向はゲーム展開に応じて変化させることができ、例えば、一定の時間の経過とともに回転盤の回動方向を反転させ、あるいは始動入賞口に遊技球が落入して入賞が検出されたときに回転盤120の回動方向を反転させるように構成することができる。これにより、左右の転入通路133L,133Rから転動ステージ134に転入した遊技球が、左右何れの落入孔135L,135Rに転落するか、皿状ガイド部121bと溝状ガイド部121cの何れに落下するか、及び回転盤120の回動方向が時計廻りか反時計廻りか等の種々の条件により始動入賞装置20への入賞確率を多様に変化させることができる。
なお、回転盤120の回動方向を一方向(例えば時計廻り)のみに設定することもでき、このような場合に右側の導出通路136Rを左側の落入孔の下方まで延長して左右の落入孔135L,133Rに転落した遊技球を、ともに右側の導出通路136Rから右方の導出口に導いて落下させるように構成しても良い。このような構成においても左右の落入孔135に転落するタイミングに応じて、皿状ガイド部121bと溝状ガイド部121cの何れに落下するかが変化し、始動入賞装置20への入賞確率を変化させることができる。
次に、第2構成形態の中央飾り10′について、図8を参照しながら説明する。ここで、図8はベース部材の基板部111を剥離した状態で遊技盤8を斜め後方から見た斜視図である。なお既述した中央飾り10と同様部分に同一番号を付して重複説明を省略する。
中央飾り10′は、正逆方向に回転変位可能な回転盤120を有して遊技盤8の中央部にネジ固定された装飾機構部100と、装飾機構部100と離隔して遊技盤8の背面に取り付けられ回転駆動力を発生する回転盤駆動モータ140と、装飾機構部100と回転盤駆動モータ140との間に設けられて回転盤駆動モータ140が発生した回転駆動力を回転盤120に伝達する伝達機構150′とから構成される。
そして伝達機構150′は、可撓性を有して屈設可能であるとともに回転盤駆動モータ140の駆動軸143の回動作動を軸まわりの回動として回動入力軸113に伝送可能なフレキシブルシャフト152を備え、伝達機構150′が回転盤駆動モータ140の駆動軸143と回転盤120の回動入力軸113とを機械的に連結して回転盤駆動モータ140が発生した駆動力を回転盤120に伝達するように構成される。
すなわち、本構成の中央飾り10は、回転盤120の駆動源である回転盤駆動モータ140が遊技盤8の背面に取り付けられている点と、伝達機構に回動軸変換構造160および駆動軸変換構造170が設けられていない点を除き、既述した中央飾り10の構成と同様である。
そこで、以下相違点について簡潔に説明すると、装飾機構部100では、ベース部材110に回動可能に支持された回動入力軸113の後端部に、前述した変換回動軸163の軸端と同様のスプラインが形成され、ベース部材110の背面にフレキシブルシャフト152のアウターケーシングを固定する固定ブラケット167′が設けられている。
回転盤駆動モータ140は、装飾機構部100の側方に位置し、駆動軸143が回動入力軸113と同一高さで回動入力軸の方向(背面視左方)に向く取り付け姿勢で遊技盤8の背面にネジ固定されている。駆動軸143の先端部には、前述した変換駆動軸173と同様のスプラインが形成され、遊技盤8の背面にフレキシブルシャフト152のアウターケーシングを固定する固定ブラケット177′が設けられている。
そこで、フレキシブルシャフト152の一方の端末金具153を回動入力軸113の軸端にスプライン係合させ、他方の端末金具153を駆動軸143の軸端にスプライン係合させて、アウターケーシングをそれぞれ固定ブラケット167′,177′に固定することで、回動入力軸113と駆動軸143とがフレキシブルシャフト152によりトルク伝達可能に連結されて、装飾機構部100と回転盤駆動モータ140との間を機械的に連結する伝達機構150′が形成され、装飾機構部100、回転盤駆動モータ140および伝達機構150′からなる中央飾り10′が構成される。
これにより、回転盤駆動モータの駆動軸143の回動が、駆動軸143〜フレキシブルシャフト152〜回動入力軸113および回動伝達ギヤ115を介して回動リングギア125に伝達され、回転盤駆動モータ140の駆動方向に応じた回転方向(時計廻り又は反時計廻り)および回転速度で回転盤120が回動される。以降、回転盤120の具体的な作動は上述した中央飾り10と同様である。
以上説明したような中央飾り(遊技装置)10,10′では、回転盤(可動部材)120を駆動する回転盤駆動モータ140を装飾機構部100から離隔して遊技補助盤9に配設し、これらの間に可撓性を有して屈設可能なフレキシブルシャフト(伝送部材)152を備えた伝達機構150,150′を設けて機械的に連結して、回転盤駆動モータ140が発生した駆動力を回転盤120に伝達するように構成している。このため、中央飾りの設計の自由度を拡大して遊技盤に大型の装飾機構部を装備できるとともに、ルータ孔の寸法的制約を受けることなく可動部材の運動量に応じた容量の駆動源を採用できるため、回転盤120のような大型の可動部材を大きく変位させることが可能になり、従来困難とされたダイナミックな動作を実現することができる。
また、伝達機構150,150′に、可撓性を有して屈設可能であり回転駆動モータの回動作動を軸まわりの回動として伝送可能なフレキシブルシャフト152を設けているため、回転盤駆動モータ140の回動駆動力を軸まわりの回動としてそのまま伝送して回転盤120を回転作動させることができ、機構構成を簡明化可能であるとともに運動方向を変換する場合に生じる変換損失等を削減することができる。
また、回転盤駆動モータ140を前枠側に設けた中央飾り10では、遊技盤8の生産コストを低減して盤面換えに要する費用を低減可能であることに加えて、盤面換えにおいて回転盤駆動モータ140を継続使用することで省資源に寄与することができ、また回収した遊技盤のリサイクル工数およびコストを低減することができる。
さらに、伝達機構に回動軸変換構造160を備えた中央飾り10では、回転盤120を回動させる回動入力軸113の方向を回動入力軸と交差する適宜な方向に変換することができ、例示したように前後に延びる回動入力軸113の方向を回動入力軸と交差する左右方向に変換して取り出すことで、フレキシブルシャフト152を遊技盤の背面に沿って配設できるため、フレキシブルシャフト152の機体後方への張り出し寸法を抑制することができ、比較的大きめの曲げ半径が必要とされる高トルク伝達型のフレキシブルシャフトを用いた場合でも、組付けを容易化し且つ弾球遊技機を薄型に構成することができる。
また伝達機構に駆動軸変換構造170を備えた中央飾り10では、回転盤駆動モータ140を配設位置に応じた適宜な取付姿勢で配設できるとともに、回転盤駆動モータ140の出力方向をこの駆動軸と交差する適宜な方向に変換して取り出すことができる。このため、例示したように回転盤駆動モータ140を駆動軸が後方を向くように配設し、前後に延びる駆動軸の方向を装飾機構部100が配設された遊技盤に向かう方向に変換してフレキシブルシャフト152を接続することができる。これにより、回転盤駆動モータ140の配設位置及び取付姿勢の自由度を確保するとともに、フレキシブルシャフト152の曲げ半径に起因する張り出し寸法を抑制することができ、比較的大きめの曲げ半径が必要とされる高トルク伝達型のフレキシブルシャフトを用いた場合でも、組付けを容易化し且つ弾球遊技機を薄型に構成することができる。
次に、遊技盤に設けられた始動入賞装置(電動チューリップ型の可動入賞装置)20について、図9〜11を参照しながら説明する。ここで、図9 (a)(b)は第1構成形態の始動入賞装置20の概要構成および動作変位を示す説明図、図10(a)(b)は第2構成形態の始動入賞装置20′の概要構成および動作変位を示す説明図、図11(a)(b)は第3構成形態の始動入賞装置21の概要構成および動作変位を示す説明図であり、各図における(a)図と(b)図は、それぞれ始動入賞口を閉じた状態と開いた状態を示している。以下第1構成形態の始動入賞装置20から順に説明する。
始動入賞装置20は、左右に揺動開閉可能なチューリップ羽根を有して遊技盤に取り付けられた入賞機構部200と、入賞機構部200と離隔して遊技補助盤9に設けられ回転駆動力を発生する始動入賞口開閉ソレノイド240と、入賞機構部200と始動入賞口開閉ソレノイド240との間に設けられて始動入賞口開閉ソレノイド240が発生した回転駆動力を入賞機構部200のチューリップ羽根に伝達する伝達機構250とから構成される。
入賞機構部200は、この入賞機構部の基体となるベース部材210(図9ではベース部材210の支持プレート部のみを記載している)と、このベース部材210の前面側に支軸223を中心として左右に揺動開閉可能に枢支された左右のチューリップ羽根220(220L,220R)と、ベース部材210の裏面側に回動入力軸233を中心として回動可能に枢支された伝達アーム230などを有して構成される。
左右のチューリップ羽根220L,220Rには、それぞれ後方に突出する係合ピン222,222が形成される一方、ベース部材210にはこれらの係合ピンの揺動軌跡に合わせてベース部材210を前後に貫通する円弧状のピン挿通孔212,212が形成されており、チューリップ羽根220を取り付けたときに係合ピン222がピン挿通孔212を通ってベース部材210の裏面側に突出して配設され、ピン挿通孔212の形成範囲で左右に開閉可能になっている。
伝達アーム230には、左右のチューリップ羽根220L,220Rをともに閉じた状態、またはともに開いた状態にしたときの、左右の係合ピン222,222の中間に位置して回動入力軸233が設けられるとともに、左右の係合ピン222,222と位置整合してこれらの係合ピンを受容する長孔状のピン受容孔232,232が形成されており、左右のピン受容孔232に係合ピン222を係合させて、回動入力軸233をベース部材210に枢結することで、伝達アーム230が上下に揺動可能に取り付けられる。
そして、このように左右のチューリップ羽根220L,220Rおよび伝達アーム230がベース部材210に取り付けられると、伝達アーム230を回動入力軸232まわりに回動(揺動)させたときに、ピン受容孔232と係合する係合ピン222がピン受容孔内232を長孔の延びる方向にスライドしつつ上下に変位し、チューリップ羽根220が支軸223まわりに揺動されて、図9(b)に示すように始動入賞口205が拡開され、図9(a)および図1に示すように始動入賞口205が縮小される。
一方、この入賞機構部200の駆動源たる始動入賞口開閉ソレノイド240は、遊技盤8と離隔して遊技補助盤側の駆動ユニット180に設けられている(図6を参照)。本構成形態では始動入賞口開閉ソレノイド240として、リターンスプリングが内蔵されたスプリングリターン式のロータリーソレノイドを用いた構成例を示しており、主制御装置から開放指令信号が出力(ON)されたときに駆動軸(ロータ軸)243を図9(b)に付記する矢印方向に回動させ、開放指令信号がOFFされたときに、内蔵されたリターンスプリングのバネ力により駆動軸243が反対方向に回動されて回動前の角度位置に復帰される。始動入賞口開閉ソレノイド240は駆動軸243が上方を向く取り付け姿勢でソレノイド支持ブラケット248を介して駆動ユニット180に取り付けられる。
そして入賞機構部200と始動入賞口開閉ソレノイド240との間を結んで伝達機構250が設けられ、始動入賞口開閉ソレノイド240が発生した回転駆動力を入賞機構部200のチューリップ羽根に伝達するように構成される(図2を参照)。
伝達機構250は、可撓性を有して屈設可能であるとともに駆動源の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能なフレキシブルシャフト252を主体として構成される。フレキシブルシャフト252は、前述したフレキシブルシャフト152と同様に、多条のワイヤを正逆交互に多層に巻き上げたインナーコイルと、このインナーコイルを軸まわりに回動自在に保持するアウターケーシングとからなり、フレキシブルシャフト252の両端にインナコイルとともに一体的に回動する端末金具253が設けられている。
端末金具253には、入賞機構の回動入力軸233および入賞球開閉ソレノイドの駆動軸243とそれぞれ嵌脱自在で、嵌合させた状態でトルク伝達可能な嵌合構造が形成されており、例えば既述した端末金具153と同様のスプラインを用いた嵌合構造や、回動軸変換構造160において説明したような断面視D字状の軸および孔の嵌合構造などを利用することができる。入賞機構部200および駆動ユニット180には、フレキシブルシャフト252のアウターケーシングを固定保持する固定構造277が設けられている(図6を参照)。
そこで、フレキシブルシャフト252の一方の端末金具253を回動入力軸233の軸端に嵌合させ、他方の端末金具253(不図示)を駆動軸243の軸端に嵌合させて、アウターケーシングをそれぞれ固定構造に固定することで、回動入力軸233と駆動軸243とがフレキシブルシャフト252によりトルク伝達可能に連結されて、入賞機構部200と始動入賞口開閉ソレノイド240とを機械的に連結する伝達機構250が形成され、入賞機構部200、始動入賞口開閉ソレノイド240および伝達機構250からなる始動入賞装置20が構成される。
これにより、始動入賞口開閉ソレノイドの駆動軸243の回動が、駆動軸243〜フレキシブルシャフト252〜回動入力軸233を介して伝達アーム230に伝達されて伝達アームを上下に揺動させ、伝達アームのピン受容孔232とチューリップ羽根の係合ピン222との係合によりチューリップ羽根220が支軸223まわりに揺動される。
始動入賞装置20の作動は主制御装置により制御され、例えば、遊技盤8に設けられた複数の固定入賞具15のうち、いずれか特定の固定入賞具への入賞が検出されたときに、主制御装置が始動入賞口開閉ソレノイド240に開放指令信号を出力して駆動軸243を図8(b)に示す方向に回動させ、左右のチューリップ羽根220L,220Rを揺動させて始動入賞口205を所定時間拡大させる。また所定時間の経過後には開放指令信号をOFFとし、始動入賞口開閉ソレノイド240に内蔵されたリターンスプリングのバネ力により駆動軸243を反対方向に回動させて始動入賞口205を縮小させる。
次に、第2構成形態の始動入賞装置20′について、図10を参照して説明する。始動入賞装置20′は、左右に揺動開閉可能なチューリップ羽根を有して遊技盤に取り付けられた入賞機構部200′と、入賞機構部200と離隔して遊技補助盤9に設けられ回転駆動力を発生する始動入賞口開閉ソレノイド240と、入賞機構部200′と始動入賞口開閉ソレノイド240との間に設けられて始動入賞口開閉ソレノイド240が発生した回転駆動力を入賞機構部200′のチューリップ羽根に伝達する伝達機構250とから構成される。すなわち始動入賞装置20′は、図9と図10とを比較しても明らかなように、前述した始動入賞装置20と入賞機構部200′の構成のみが相違しており、以下では始動入賞装置20と同様の構成部分に同一番号を付して重複説明を省略し、入賞機構部200と相違する部分を中心に説明する。
入賞機構部200′は、この入賞機構部の基体となるベース部材210と、ベース部材210の前面側に支軸223を中心として左右に揺動開閉可能に枢支された左右のチューリップ羽根220(220L,220R)と、ベース部材210の裏面側に回動入力軸233を中心として回動可能に枢支された伝達アーム230′およびリンクアーム231などから構成される。左右のチューリップ羽根220L,220Rには、前述同様の係合ピン222,222が後方に突出成型され、またベース部材210にはこれらの係合ピンの揺動軌跡に合わせた円弧状のピン挿通孔212,212が形成されて、チューリップ羽根220を取り付けたときに係合ピン222がピン挿通孔212を通ってベース部材210の裏面側に突出して配設され、ピン挿通孔212の形成範囲で左右に開閉可能になっている。
伝達アーム230′は、前述した伝達アーム230と同様にアーム中間部に回動入力軸233を有する一方、伝達アーム230′の左右両端部にはリンクアーム231,231が相対揺動自在に枢結され、各リンクアーム231の先端に係合ピン222の軸径よりもわずかに大きめに形成された円孔状のピン受容孔232′が形成されている。そこで左右のリンクアームの各ピン受容孔232′に係合ピン222を嵌合させて、回動入力軸233をベース部材210に枢結することで、伝達アーム230′が上下に揺動可能に、左右のリンクアーム231,231がそれぞれ左右のチューリップ羽根220L,220Rと伝達アーム230′との間を連結して変位可能に配設される。
そして、このように左右のチューリップ羽根220L,220R、伝達アーム230′、およびリンクアーム231,231が取り付けられると、伝達アーム230′を回動入力軸233まわりに回動(揺動)させたときに、リンクアーム231が伝達アーム230′および係合ピン222に対して相対揺動しつつ係合ピン222を上下に変位させ、チューリップ羽根220が支軸223まわりに揺動されて、図10(b)に示すように始動入賞口205が拡開され、図10(a)および図1に示すように始動入賞口205が縮小される。
入賞機構部200′の駆動源である始動入賞口開閉ソレノイド240は、前述した入賞機構部200と同様に駆動ユニット180に設けられ、入賞機構部200′と始動入賞口開閉ソレノイド240との間を結ぶ伝達機構250が設けられて、始動入賞口開閉ソレノイド240が発生した回転駆動力を入賞機構部200のチューリップ羽根に伝達するように構成される(図2および図6を参照)。
このため、フレキシブルシャフト252の一方の端末金具253を回動入力軸233の軸端に嵌合させ、他方の端末金具253(不図示)を駆動軸243の軸端に嵌合させて、アウターケーシングをそれぞれ固定構造に固定することで、回動入力軸233と駆動軸243とがフレキシブルシャフト252によりトルク伝達可能に連結されて、入賞機構部200′と始動入賞口開閉ソレノイド240とを機械的に連結する伝達機構250が形成され、入賞機構部200′、始動入賞口開閉ソレノイド240および伝達機構250からなる始動入賞装置20′が構成される。
これにより、始動入賞口開閉ソレノイドの駆動軸243の回動が、駆動軸243〜フレキシブルシャフト252〜回動入力軸233を介して伝達アーム230′に伝達されて伝達アームを上下に揺動させ、この伝達アーム230′に枢結されたリンクアームのピン受容孔232′とチューリップ羽根の係合ピン222との係合によりチューリップ羽根220が支軸223まわりに揺動される。始動入賞装置20′の作動は、前述した始動入賞装置20と同様に主制御装置により制御され、図10(a) (b)に示すように始動入賞口205が拡縮される。
このように、以上説明した始動入賞装置(遊技装置)20,20′では、チューリップ羽根(可動部材)220を駆動する始動入賞口開閉ソレノイド240を入賞機構部200,200′から離隔して遊技補助盤9に配設し、これらの間に可撓性を有して屈設可能なフレキシブルシャフト(伝送部材)252を備えた伝達機構250を設けて機械的に連結して、始動入賞口開閉ソレノイド240が発生した駆動力をチューリップ羽根220に伝達するように構成している。このため、近年の画像表示装置の大型化に伴って画像表示装置とアウト口との間に位置する始動入賞装置の設計に苦慮する背景下でも、設計の自由度を拡大して可動式の入賞機構を装備でき、またルータ孔の寸法的制約を受けることなく可動部材の運動量に応じた容量の駆動源を採用できるため、比較的大型のチューリップ羽根を開閉作動させるような機構構成が可能になり、従来困難とされたダイナミックな動作を実現することができる。
また、伝達機構250に、可撓性を有して屈設可能であるとともに始動入賞口開閉ソレノイド240の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能なフレキシブルシャフト252を設けているため、始動入賞口開閉ソレノイド240の回動駆動力を軸まわりの回動としてそのまま伝送してチューリップ羽根220を開閉作動させることができ、機構構成を簡明化できるとともに運動方向を変換する場合に生じる変換損失等を削減することができる。
さらに、始動入賞口開閉ソレノイド240を前枠側に設けているため、遊技盤8の生産コストを低減して盤面換えに要する費用を低減可能であることに加えて、盤面換えにおいて始動入賞口開閉ソレノイド240を継続使用することで省資源に寄与することができ、また回収した遊技盤のリサイクル工数およびコストを低減することができる。
次に第3構成形態の始動入賞装置21について、図11を参照して説明する。始動入賞装置21は、左右に揺動開閉可能なチューリップ羽根を有して遊技盤に取り付けられた入賞機構部201と、入賞機構部201と離隔して遊技補助盤9に設けられて直線駆動力を発生する始動入賞口開閉ソレノイド241と、入賞機構部201と始動入賞口開閉ソレノイド241との間に設けられて始動入賞口開閉ソレノイド241が発生した駆動力を入賞機構部200のチューリップ羽根に伝達する伝達機構251とから構成される。
入賞機構部201は、この入賞機構部の基体となるベース部材211(図11ではベース部材211の支持プレート部のみを記載している)と、ベース部材211の前面側に前述した支軸223と同様の支軸を中心として左右に揺動開閉可能に枢支された左右のチューリップ羽根221(221L,221R)と、ベース部材211の裏面側に回動軸234を軸として上下に揺動可能に枢支された伝達部材235などを有して構成される。
左右のチューリップ羽根221L,221Rには、それぞれ後方に突出する係合ピン222,222が左右対称位置に形成される一方、ベース部材211にはこれらの係合ピンの揺動軌跡に合わせてベース部材211を前後に貫通する円弧状のピン挿通孔212が形成されており、チューリップ羽根221を取り付けたときに係合ピン222がピン挿通孔212を通ってベース部材211の裏面側に突出して配設され、ピン挿通孔212の形成範囲で左右に開閉可能になっている。
伝達部材235は、左右のチューリップ羽根の係合ピン222,222に対応した伝達アーム部235a,235aと、こららの左右の伝達アーム部235a,235aを左右の係合ピン222,222の配設間隔に合わせたピッチで一体に連結する連結杆235b、および連結杆235bを上方に付勢する付勢バネ(不図示)などからなり、左右の伝達アーム部235aの基端側に回動軸234、先端側に係合ピン222を上下に挟み込むように係合するY字状のピン係合子236が形成されている。伝達部材235は、左右のピン係合子236をそれぞれ係合ピン222に係合させて、回動軸234をベース部材211に枢結することでベース部材211に上下に揺動可能に取り付けられる。
そして、このように左右のチューリップ羽根221L,221Rと伝達部材235がベース部材211に取り付けられると、伝達部材235を回動軸234を支点として上下に揺動させたときに、ピン係合子236が係合ピン222を押圧して上下に変位させ、チューリップ羽根221が支軸(223)まわりに揺動されて、図11(b)に示すように始動入賞口205が拡開され、また図11(a)および図1に示す始動入賞口205が縮小される。
この入賞機構部201の駆動源である始動入賞口開閉ソレノイド241は、遊技盤8と離隔して遊技補助盤側の駆動ユニット180に設けられている。本構成形態では始動入賞口開閉ソレノイド241として、リターンスプリングが装着されたスプリングリターン式の直動ソレノイドを用いた構成例を示しており、主制御装置から開放指令信号が出力(ON)されたときに駆動軸(プランジャ)245を引き込んで縮小させ、開放指令信号がOFFされたときに、リターンスプリングのバネ力により駆動軸245を伸長させて縮小前の基準位置に復帰させる。始動入賞口開閉ソレノイド241は駆動軸245が上方を向く取り付け姿勢で駆動ユニット180に取り付けられる。
そして入賞機構部201と始動入賞口開閉ソレノイド241との間を結んで伝達機構251が設けられ、始動入賞口開閉ソレノイド241が発生した駆動力を入賞機構部201のチューリップ羽根に伝達するように構成される。
伝達機構251は、可撓性を有して屈設可能なコントロールケーブル254を主体として構成される。コントロールケーブル254は、インナーワイヤー254aとインナーワイヤーを軸方向に摺動自在に保持するアウターケーシング254bとからなるプルケーブルであり、インナーワイヤーの軸方向に直線駆動力を伝達する。インナーワイヤー254aの両端には丸形圧着端子状の端末金具255が固着されている。
一方、伝達部材235における連結杆235bの中央部には端末金具255をネジ固定するためのネジ受容ボスが形成され、始動入賞口開閉ソレノイド241における駆動軸245の先端部には端末金具255をピン結合するための受容スリットおよびピン孔を有する二山ナックル形態の連結金具246が取り付けられている。また入賞機構部201および駆動ユニット180には、ともに詳細図示省略するが、コントロールケーブル254のアウターケーシング254bを固定保持する固定構造が設けられている。
そこで、コントロールケーブル254の一方の端末金具255を連結杆のネジ受容ボスにねじ止めし、他方の端末金具255を連結金具246にスプリングピン247でピン結合して、アウターケーシング254bをそれぞれ固定構造に固定することで、伝達部材235と駆動軸245とがコントロールケーブル254により連結されて、入賞機構部201と始動入賞口開閉ソレノイド241とを機械的に連結する伝達機構251が形成され、入賞機構部201、始動入賞口開閉ソレノイド241および伝達機構251からなる始動入賞装置21が構成される。
これにより、始動入賞口開閉ソレノイドの伸縮動が、駆動軸245〜コントロールケーブル254を介して伝達部材235に伝達され、伝達部材235を回動軸234を中心として上下に揺動させて、伝達アームのピン係合子236とチューリップ羽根の係合ピン222との係合によりチューリップ羽根221が支軸(223)まわりに揺動される。
始動入賞装置21の作動は主制御装置により制御され、例えば、遊技盤8に設けられた複数の固定入賞具15のうち、いずれか特定の固定入賞具への入賞が検出されたときに、主制御装置が始動入賞口開閉ソレノイド241に開放指令信号を出力して駆動軸245を縮作動させ、伝達部材235を下方に揺動させて左右のチューリップ羽根221L,221Rを開かせ、始動入賞口205を所定時間拡大させる。また所定時間の経過後には開放指令信号をOFFにしてリターンスプリングのバネ力により駆動軸245を伸長作動させる。このとき伝達部材235は連結杆235bを上方に付勢する付勢バネのバネ力によって上方に揺動され、左右のチューリップ羽根221L,221Rを閉じさせて始動入賞口205を縮小させる。
以上説明した始動入賞装置(遊技装置)21では、チューリップ羽根(可動部材)221を駆動する始動入賞口開閉ソレノイド241を入賞機構部201から離隔して遊技補助盤9に配設し、これらの間に可撓性を有して屈設可能なコントロールケーブル254を備えた伝達機構251を設けて機械的に連結して、始動入賞口開閉ソレノイド241が発生した駆動力をチューリップ羽根221に伝達するように構成している。このため、画像表示装置の大型化に伴って画像表示装置とアウト口との間に位置する始動入賞装置の設計に苦慮する背景下でも、設計の自由度を拡大して可動式の入賞機構を装備でき、またルータ孔の寸法的制約を受けることなく可動部材の運動量に応じた容量の駆動源を採用できるため、比較的大型のチューリップ羽根を開閉作動させるような機構構成が可能になり、従来困難とされたダイナミックな動作を実現することができる。
また、始動入賞口開閉ソレノイド241を前枠側に設けているため、遊技盤8の生産コストを低減して盤面換えに要する費用を低減可能であることに加えて、盤面換えにおいて始動入賞口開閉ソレノイド241を継続使用することで省資源に寄与することができ、また回収した遊技盤のリサイクル工数およびコストを低減することができる。
次に、始動入賞装置20の下側に位置して遊技盤に設けられたアタッカー装置30について、図12〜図20の各図を参照しながら説明する。ここで、図12(a)(b)は開閉扉を開く前と後の扉開閉機構部を主として示す斜め前方からの斜視図、図13(a)(b)はシーソー部材を左傾させる前と後の球誘導機構部を主として示す斜め後方からの斜視図、図14はアタッカー装置30を斜め後方から見た分解斜視図、図15は流路形成部材を取り外した状態で扉開閉機構部および球誘導機構部を示す背面図、図16は扉開閉機構部および球誘導機構部に用いられるカップリングの平面図、図17は開閉扉との係合関係を併せて示すカップリングの分解斜視図、図18は球誘導機構部のロッカーアームとの係合関係を併せて示すカップリングの分解斜視図、図19(a)(b)は開閉扉の動作変位を説明するための説明図(扉開閉機構部の側面図)、図20(a)(b)はシーソー部材の動作変位を説明するための説明図(球誘導機構部の要部正面図および側面図)である。なお以降のアタッカー装置の説明では、装置各部を背面方向から見た各図を参照しながら説明することが多いため、左右方向については原則として背面視における左右をもって左・右と表記する。
アタッカー装置30は、その装置構成を大別すると、前後に揺動可能な開閉扉および左右に傾動可能なシーソー部材を有して遊技盤8に取り付けられた入賞機構部300、入賞機構部300と離隔して遊技補助盤9に設けられた駆動部340、および入賞機構部300と駆動部340との間に設けられて駆動源が発生した駆動力を入賞機構部300に伝達する伝達機構350から構成される。
また機能的には、開閉扉を開閉させる扉開閉機能とシーソー部材を傾動させる球誘導機能とを備えた複合可動入賞装置であり、入賞機構部300は扉開閉機構部320と球誘導機構部330、駆動部340は扉開閉機構部320の駆動源である扉開閉ソレノイド341と球誘導機構部330の駆動源であるシーソー傾動ソレノイド342、伝達機構350は扉開閉機構部320と扉開閉ソレノイド341とを連結する扉開閉伝達機構351と、球誘導機構部330とシーソー傾動ソレノイド342とを連結する球誘導伝達機構352から構成される。
入賞機構部300は、正面中央に大入賞口301を有し内部に二つの流下通路が形成されたベース部材310と、ベース部材310に揺動可能に取り付けられた開閉扉321を有して大入賞口301を開閉する扉開閉機構部320と、ベース部材310に左右に傾動可能に枢支されたシーソー部材331を有して大入賞口内に落入した遊技球を左右何れかの流下通路に誘導する球誘導機構部330等から構成される。
ベース部材310は、図14に示すように、大入賞口301を有する前面パネル311と、前面パネル311の後方に開閉扉321を挟み込むようにねじ止めされて扉開閉機構部320および球誘導機構部330の取り付けベースとなるハウジング312と、左右に遊技球を流下させる球排出路を有してハウジング312の後方にねじ止めされる球通路形成部材313とからなる。
前面パネル311の中央には、パネル面を前後に貫通して横長方形の大入賞口301が開口形成され、パネル面の裏面側には、大入賞口301の下部左右に開閉扉321の回動軸321bを支持するコの字状の軸支部311b,311bが後方に開いて形成され、大入賞口301の左右側方に、ハウジング312をねじ止めするためのネジ受容ボス311cが4箇所後方に突出成型されている。前面パネル311の上部には入賞機構部300を遊技盤8に取り付ける際の基準となる位置決め突起311pが2箇所後方に突出成型されるとともに、遊技盤にネジ固定するためのサラ孔形態の取付孔311hが前面パネルの上下左右4箇所に開口形成されている。
ハウジング312は、中央に枠状に形成された球受容部302と、背面視において球受容部の右側に形成された開閉機構収容部303、球受容部302の下側および背面視左側に形成された誘導機構収容部304の三部から構成される。球受容部302では、遊技球を受け入れる支持面の中央部が切り欠かれて球誘導機構部330のシーソー部材331を収容する収容部が形成され、その左右に後方に下傾する第1誘導通路305Rおよび第2誘導通路305Lが形成されている。開閉機構収容部303および誘導機構収容部304では、左右の壁面にカップリング360の回動軸361aを支持するコの字状の軸支溝312aが後方に開いて形成され、第2誘導通路305Lの下側には球誘導機構部330における揺動アーム332の揺動軸332bを枢支する軸受穴312bが形成され、その右側にはシーソー部材331の揺動軸331cを枢支する軸受穴312cが形成されている。
流路形成部材313には、球受容部302の後方に位置して球受容部302に流入した遊技球が流下可能な第1領域および第2領域の二つの領域が左右に分かれて形成されている。第1領域は第1誘導通路305Rの後方に位置整合して形成された第1領域流下通路306R、第2領域は第2誘導通路305Lの後方に位置整合して形成された第2領域流下通路306Lを主体として構成され、各誘導通路により誘導された遊技球をそれぞれの領域流下通路を通して後方に導き下面の排出口から排出させる。第1領域流下通路306Rおよび第2領域流下通路306Lには、遊技球の通過を検出する第1領域通過検出器307Rおよび第2領域通過検出器307Lが設けられている。なお、第1領域および第2領域は、パチンコ機の型式に応じて適宜に定義することができるが、本実施形態では第1領域をいわゆる特定領域、第2領域を非特定領域として適用する場合について説明する。
流路形成部材313の左右側部は、領域流下通路が形成された中央部よりも低く形成されており、ここに上記第1領域通過検出器307Rおよび第2領域通過検出器307Lの装着部が設けられるとともに、その前方には開閉機構収容部303および誘導機構収容部304に設けられた軸支溝312aと位置整合してカップリングの回動軸361aを後方から支持する軸支突起313aが4箇所前方に突出して形成され、またハウジング側の前面側には、シーソー部材の揺動軸331bを枢支する軸受穴およびロッカーアームの揺動軸332bを枢支する軸受穴が形成されている。
ハウジング312には、流路形成部材313を位置決めする位置決め突起312pが2箇所後方に突出成型され、流路形成部材313を固定するネジを受容するネジ受容孔312hが4箇所形成される一方、流路形成部材313には、これらと位置整合して位置決め突起を嵌合受容する突起受容孔313pおよびネジを挿通させるネジ挿通孔313hが各対応して形成されている。
扉開閉機構部320は、大入賞口301を開閉する開閉扉321と、駆動部340から伝達された直線駆動力を開閉扉321に伝達するカップリング360を主体として構成される。開閉扉321は左右に側壁部を有し大入賞口301の開口面域に合わせて形成された扉部321aと、扉部321aの左右の側壁部からそれぞれ側方に突出して形成された回動軸321b、右側の回動軸の軸端部に設けられ開閉扉321を閉じた角度姿勢で軸直交の斜め後方に開くコの字状のピン受け部321cなどからなり、ピン受け部321cの溝幅は次述するカップリング360の係合ピン361cのピン径に合わせて形成されている。扉部321aの内面側には、開閉扉321を開放した状態で受け止めた遊技球を球受容部302の中央(シーソー部材331)に導くガイド壁321wが形成されている。
球誘導機構部330は、球受容部302に揺動可能に設けられたシーソー部材331と、シーソー部材331の下側に設けられてシーソー部材331を揺動させるロッカーアーム332と、駆動部340から伝達された直線駆動力をロッカーアーム332を介してシーソー部材331に伝達するカップリング360とを主体として構成される。シーソー部材331は、第1誘導通路305Rと第2誘導通路305Lとの間に位置して遊技球を受け止める平坦な誘導床331aと、この誘導床から下方に延びるプレート部331b、およびプレート部331bの左右中央部に前後に突出成型された揺動軸331cなどからなり、揺動軸331cの左方には、次述するロッカーピン332dのピン径に合わせた溝幅で、わずかに横長の長孔状のリンク溝331dが、プレート部331bを貫通して形成されている(図20を参照)。
ロッカーアーム332は、左右に細長く延びるアーム部332aと、このアーム部332aの略中央に前後に突出成型された揺動軸332b、アーム部332aの左端側に前方上方に屈曲されたうえ後方にコの字状に開いて形成されたピン受け部332c、アーム部332aの右端側に前方に突出成型されたロッカーピン332dなどからなり、ピン受け部332cの上下片の内面には、ロッカーアーム332aの揺動角度位置によらずカップリングの係合ピン361cと滑らかに係合するように、円弧状の係合リブが前後に延びて形成されている。
一方、扉開閉機構部320および球誘導機構部330に設けられたカップリング360は、図14、図17および図18の各図に分解状態の斜視図を示し、図16に組み立てた状態の平面図を示すように、取り付け姿勢において左右に延びる回動軸361aを有しカップリングの基体となる第1軸部材361と、第1軸部材の回動軸361aに回動可能に枢支された第2軸部材362と、回動軸361aの外周部に第1軸部材361と第2軸部材362との間を結んで配設され、一方の軸部材に作用する回転トルクを他方の軸部材に伝達する捻りコイルバネ363から構成される。
第1軸部材361は、取り付け姿勢において左右に延びる回動軸361aと、この回動軸から軸直交方向(各図では前方)に延びるフランジ部361bと、フランジ部361bの先端部に回動軸361aと平行に突出成型された係合ピン361c、回動軸361aの外周面に軸に沿って突出成型され、捻りコイルバネ363の内周を支持するとともに、フランジ部361bと第2軸部材362との間隔を一定に保持するスペーサの機能を兼ね備えた支持リブ361d等から構成される。
第2軸部材362は、第1軸部材の回動軸361aと嵌脱自在な軸受孔を有して短円筒状に形成された円環部362aと、円環部362aから接線方向(各図では上方)に延びるボス部362b、およびボス部362bの先端部に形成されたネジ受容穴362cなどからなる。捻りコイルバネ363は、回動軸に形成された支持リブ361dの外径よりも大きめの内径を有して所定巻き数に巻き上げられたコイル部363aと、このコイル部の両端にフランジ部361bとボス部362bの外面間隔および相対的な角度位置に合わせて形成されたフック部363b,363bとから構成される。
カップリング360は、第1軸部材の支持リブ361dの外周に捻りコイルバネ363を装着して一端のフック部363bをフランジ部361bに係止させ、その側方から回動軸361aに第2軸部材の円環部362aを嵌合して枢支させ、他端のフック部363bをボス部362bに係止させることで、第1軸部材361、捻りコイルバネ363および第2軸部材362が連結されて一体的に構成される。そして、何れか一方の軸部材を回動軸まわりに回動させたときに、回転トルクが捻りコイルバネ363を介して他方の軸部材に伝達され、他方の軸部材が回動軸まわりに回動される。
このように第1軸部材361と第2軸部材362との間を捻りコイルバネ363で連結したカップリング360では、入力軸側の軸部材が過度に回動されたときや、出力軸側が無理に回動されたとき等のように、入出力軸間の回動角度が一致しない場合であっても、捻りコイルバネ363が撓んで過剰なトルク分を吸収し、カップリング360や入出力の軸部材に連結された各部材が損傷を受けないようになっている。なお、カップリング360では第1軸部材361および第2軸部材362の何れを入力軸としても良いが、本構成では第2軸部材362を入力軸、第1軸部材361を出力軸として用いた構成例を示す。
そして、以上説明した各部材が組み立てられてアタッカー装置30が形成される。すなわち、前面パネルの左右の軸支部311bに開閉扉の回動軸321bを支持させてその後方からハウジング312をネジ固定することで、開閉扉321が前面パネル311とハウジング312との間に揺動自在に枢支され、ハウジング312における開閉機構収容部303の左右の軸支溝312a,312aにカップリング360における回動軸361aの左右端部を支持させ、係合ピン361cを開閉扉のピン受け部321cに係合させる。
またハウジング312の軸受穴312cにシーソー部材331の揺動軸331cを嵌入して揺動軸331cの前端側を枢支させ、ハウジング312の軸受穴312bにロッカーアーム332の揺動軸332bを嵌入して揺動軸332bの前端側を枢支させるとともに、ロッカーアームのロッカーピン332dをシーソー部材のリンク溝331dに嵌入して、シーソー部材331とロッカーアーム332とを係合連結させる。次いでハウジング312における誘導機構収容部304の左右の軸支溝312a,312aにカップリング360における回動軸361aの左右端部を支持させ、係合ピン361cをロッカーアームのピン受け部361cに係合させる。
なお左右のカップリング360(以下、左右のカップリング360を区別して称するときに、背面視右側のカップリング360に添え字Rを付して360R、背面視左側のカップリング360に添え字Lを付して360Lと記載する)を装着する際に、予めカップリング360R,360Lのボス部362b,362bにそれぞれコントロールケーブル353,354の端末金具353c,354cをネジ固定しておく。
そしてこれらの後方から流路形成部材313を覆い被せ、シーソー部材の揺動軸331cおよびロッカーアーム332の揺動軸332bの各後端側をそれぞれ軸受穴を嵌入して枢支させ、また左右カップリングにおける回動軸361aの軸端部を4箇所の軸支突起313aにより後方から支持させて、流路形成部材313をハウジング312にネジ固定する。
これにより、ベース部材310に扉開閉機構部320および球誘導機構部330が設けられた入賞機構部300が構成される。入賞機構部300は、前面パネル311に形成された位置決め突起311pを利用して遊技盤8に位置決めし、上下左右4箇所の取付孔311hにサラコネジを挿通して締め込むことで遊技盤8に取り付けられる。
扉開閉機構部310では、カップリング360Rのボス部362bを後方に傾動させたときに、第2軸部材362の回動が捻りコイルバネ363を介して第1軸部材361に伝達され、第1軸部材361が回動軸361aを中心として同一方向(図19における反時計廻り)に回動する。そして回動軸361aの回動とともに係合ピン361cが上方に揺動し、係合ピン361cと係合するピン受け部321cが上動されて回動軸321bの軸まわりに回動され、開閉扉321が回動軸321bを中心として前方に揺動されて、大入賞口301が開放される(図19(b)を参照)。
この状態からカップリング360Rのボス部362bを前方に傾動させると、第2軸部材362の回動が捻りコイルバネ363を介して第1軸部材361に伝達され、第1軸部材361が回動軸361aを中心として同一方向(図19における時計廻り)に回動する。そして第1軸部材361の回動とともに係合ピン361cが下方に揺動し、係合ピン361cと係合するピン受け部321cが下動されて回動軸321bの軸まわりに回動され、開閉扉321が回動軸321bを中心として上方に揺動されて、大入賞口301が閉鎖される(図19(a)を参照)。
球誘導機構部330では、カップリング360Lのボス部362bを後方に傾動させたときに、第2軸部材362の回動が捻りコイルバネ363を介して第1軸部材361に伝達され、第1軸部材361が回動軸361aを中心として同一方向(図20中の側面図における時計廻り)に回動する。そして第1軸部材361の回動とともに上方に揺動する係合ピン361cにより、係合ピンと係合するピン受け部332cが上動されてロッカーアーム332が揺動軸332bの軸まわりに揺動され、相互に係合するロッカーピン332dおよびリンク溝331dを介してシーソー部材331が揺動軸331cの軸まわりに正面視における右傾方向に揺動される(図20(b)を参照)。
この状態からカップリング360Lのボス部362bを前方に傾動させると、第2軸部材362の回動が捻りコイルバネ363を介して第1軸部材361に伝達され、第1軸部材361が回動軸361aを中心として同一方向(図20中の側面図における反時計廻り)に回動する。そして回動軸361aの回動とともに下方に揺動する係合ピン361cにより係合ピンと係合するピン受け部332cが下動されてロッカーアーム332が揺動軸332bの軸まわりに揺動され、相互に係合するロッカーピン332dおよびリンク溝331dを介してシーソー部材331が揺動軸331cの軸まわりに正面視における左傾方向に揺動される(図20(a)を参照)。
一方、この入賞機構部300の駆動部340は、扉開閉機構部320の駆動源である扉開閉ソレノイド341と、球誘導機構部330の駆動源であるシーソー傾動ソレノイド342からなり、遊技盤8と離隔して遊技補助盤側の駆動ユニット180に設けられている(図6を参照)。
扉開閉ソレノイド341は、リターンスプリングを装備したスプリングリターン式の直動ソレノイドであり、主制御装置から扉開放指令信号が出力(ON)されたときに駆動軸(プランジャ)343を引き込んで縮小させ、扉開放指令信号がOFFされたときに、リターンスプリングのバネ力により駆動軸343を伸長させて縮小前の基準位置に復帰させる。扉開閉ソレノイド341は駆動軸343が上方を向く取り付け姿勢で駆動ユニット180に取り付けられる。
シーソー傾動ソレノイド342は、上記扉開閉ソレノイド341と同様にリターンスプリングを装備したスプリングリターン式の直動ソレノイドであり、主制御装置から第2領域誘導指令信号が出力(ON)されたときに駆動軸(プランジャ)344を引き込んで縮小させ、第2領域誘導指令信号がOFFされたときに、リターンスプリングのバネ力により駆動軸344を伸長させて縮小前の基準位置に復帰させる。シーソー傾動ソレノイド342は、扉開閉ソレノイド341と並んで、駆動軸344が上方を向く取り付け姿勢で駆動ユニット180に取り付けられる。
そして入賞機構部300と駆動部340との間を結んで伝達機構350が設けられる。伝達機構350は、扉開閉機構部320と扉開閉ソレノイド341とを連結する扉開閉伝達機構351と、球誘導機構部330とシーソー傾動ソレノイド342とを連結する球誘導伝達機構352とからなり、扉開閉伝達機構351は可撓性を有して屈設可能な扉開閉コントロールケーブル353を、球誘導伝達機構352は可撓性を有して屈設可能な球誘導コントロールケーブル354を主体として構成される。
これらのコントロールケーブル353,354は、ともにインナーワイヤー353a,354aと、インナーワイヤーを軸方向に摺動自在に保持するアウターケーシング353b,354bとからなるプッシュプルケーブルであり、インナーワイヤーの軸方向に往復方向に直線駆動力を伝達する。各インナーワイヤー353a,354aの両端部には、それぞれ丸形圧着端子状の端末金具353c,354cが固着されている。
一方、扉開閉ソレノイドの駆動軸343の先端部には、端末金具353cを装着するための受容スリット、および受容した端末金具353cを挟み込んでネジ固定するためのクランプ構造が設けられた連結金具343cが取り付けられ、シーソー傾動ソレノイドの駆動軸344の先端部には、端末金具353cを装着するための受容スリット、および受容した端末金具354cを挟み込んでネジ固定するためのクランプ構造が設けられた連結金具344cが取り付けられている。また入賞機構部300および駆動ユニット180には、扉開閉コントロールケーブル353、球誘導コントロールケーブル354のアウターケーシングを固定保持する固定構造が設けられている。
そこで、扉開閉コントロールケーブル353の一方の端末金具353cをカップリング360Rにおけるボス部のネジ受容穴362cにねじ止めし(既述)、他方の端末金具353cを扉開閉ソレノイド341の連結金具343cにネジ固定して、アウターケーシング353bを固定構造により固定することで、カップリング360Rの第2軸部材362と扉開閉ソレノイド341の駆動軸343とが扉開閉コントロールケーブル353により連結され、扉開閉機構部310と扉開閉ソレノイド341とを機械的に連結する扉開閉伝達機構351が形成される。
また球誘導コントロールケーブル354の一方の端末金具354cをカップリング360Lにおけるボス部のネジ受容穴362cにねじ止めし(既述)、他方の端末金具354cをシーソー傾動ソレノイド342の連結金具344cにネジ固定して、アウターケーシング354bを固定構造により固定することで、カップリング360Lの第2軸部材362とシーソー傾動ソレノイド342の駆動軸344とが球誘導コントロールケーブル354により連結され、球誘導機構部320とシーソー傾動ソレノイド342とを機械的に連結する球誘導伝達機構352が形成される。
そして以上により、入賞機構部300と駆動部340とが伝達機構350により連結されアタッカー装置30が構成される。
これにより、扉開閉ソレノイド341に扉開放指令信号を出力して扉開閉ソレノイド341を縮作動させたときに、ソレノイドの吸引力(直線駆動力)が連結金具343cおよび端末金具353cを介して扉開閉コントロールケーブル353のインナーワイヤー353aに伝達され、インナーワイヤー353aを引き込んでカップリング360Rのボス部362bを後方に傾動させて、第2軸部材362を図19における反時計廻りに回動させる。第2軸部材362の回動は捻りコイルバネ363を介して第1軸部材361に伝達され、第1軸部材361が回動軸361aを中心として同一方向に回動する。そして第1軸部材361の回動とともに上方に揺動する係合ピン361cにより、開閉扉321のピン受け部321cが上動されて回動軸321bの軸まわりに回動され、開閉扉321が回動軸321bを中心として前方に揺動されて、大入賞口301が開放される(図19(b)を参照)。
一方、この状態から扉開放指令信号をOFFにすると、ソレノイドに装着されたリターンスプリングのバネ力により駆動軸343が押し出され、この押し出し力(直線駆動力)が連結金具343cおよび端末金具353cを介して扉開閉コントロールケーブル353のインナーワイヤー353aに伝達されて、インナーワイヤー353aを押し出してカップリング360Rのボス部362bを前方に傾動させ、第2軸部材362を図19における時計廻りに回動させる。第2軸部材362の回動は捻りコイルバネ363を介して第1軸部材361に伝達され、第1軸部材361が回動軸361aを中心として同一方向に回動する。そして第1軸部材361の回動とともに下方に揺動する係合ピン361cにより、開閉扉321のピン受け部321cが下動されて回動軸321bの軸まわりに回動され、開閉扉321が回動軸321bを中心として上方に揺動されて、大入賞口301が閉鎖される(図19(a)を参照)。
またシーソー傾動ソレノイド342に第2領域誘導指令信号を出力してシーソー傾動ソレノイド342を縮作動させると、ソレノイドの吸引力(直線駆動力)が連結金具344cおよび端末金具354cを介して球誘導コントロールケーブル354のインナーワイヤー354aに伝達され、インナーワイヤー354aを引き込んでカップリング360Lのボス部362bを後方に傾動させて、第2軸部材362を図20中の側面図における時計廻りに回動させる。第2軸部材362の回動は捻りコイルバネ363を介して第1軸部材361に伝達され、第1軸部材361が回動軸361aを中心として同一方向に回動する。そして第1軸部材361の回動とともに上方に揺動する係合ピン361cにより、ロッカーアーム332のピン受け部332cが上動されてロッカーアーム332が揺動軸332bの軸まわりに揺動され、相互に係合するロッカーピン332dおよびリンク溝331dを介してシーソー部材331が揺動軸331cの軸まわりに正面視における右傾方向に揺動される(図20(b)を参照)。
この状態から第2領域誘導指令信号をOFFにすると、ソレノイドに装着されたリターンスプリングのバネ力により駆動軸344が押し出され、この押し出し力(直線駆動力)が連結金具344cおよび端末金具354cを介して球誘導コントロールケーブル354のインナーワイヤー354aに伝達され、インナーワイヤー354aを押し出してカップリング360Rのボス部362bを前方に傾動させて、第2軸部材362を図20中の側面図における反時計廻りに回動させる。第2軸部材362の回動は捻りコイルバネ363を介して第1軸部材361に伝達され、第1軸部材361が回動軸361aを中心として同一方向に回動する。そして第1軸部材361の回動とともに下方に揺動する係合ピン361cにより、ロッカーアーム332のピン受け部332cが下動されてロッカーアーム332が揺動軸332bの軸まわりに揺動され、相互に係合するロッカーピン332dおよびリンク溝331dを介してシーソー部材331が揺動軸331cの軸まわりに正面視における左傾方向に揺動される(図20(a)を参照)。
アタッカー装置30の作動は主制御装置により制御され、例えば、前述した始動入賞装置20に遊技球が落入して内部抽選が行われ、いわゆる大当たりに該当して特別遊技が開始されるときに、主制御装置がアタッカー装置30に扉開放指令信号を出力して開閉扉321を前方に揺動展開させ大入賞口301を開放させる。これにより開閉扉321の閉鎖状態で前方を通過していた遊技球が落入可能となり、前方に揺動展開された開閉扉321の扉部321aに受け止められて大入賞口301から球受容部302に流入する。このとき扉部321aに受け止められた遊技球は扉部321aの左右に形成されたガイド壁321wに案内されて球受容部302の中央部に導かれ、シーソー部材331の誘導床331aの上面に流入する。
特別遊技の開始時においては、第2領域誘導指令信号がOFFの状態に設定されており、第2シーソー部材331は、図13(a)および図15中の実線で示すように、誘導床331aが右傾した状態になっている。このため、球受容部302に流入した遊技球は右傾した誘導床331aに誘導されて第1誘導通路305Rを通り、後方に下傾する第1誘導通路305Rの傾斜に従って第1領域流下通路306Rに流入する。そして、この球通路を転動流下して第1領域通過検出器307Rを通過し、下端の排出口から遊技盤裏面の球寄せカバー19に排出される。
主制御装置は、例えば29秒程度の所定時間内に第1領域通過検出器307Rにより遊技球の通過が検出されたときに、ラウンド更新条件をクリアした旨のフラグを生成するとともに、アタッカー装置30に第2領域誘導指令信号を出力してシーソー部材331を反時計廻りに揺動させ、図13(b)および図15中の二点鎖線で示すように、誘導床331aを左傾した状態に設定させる。このため、以降球受容部302に流入した遊技球は左傾した誘導床331aに誘導されて第2誘導通路305Lを通り、後方に下傾する第2誘導通路305Lの傾斜に従って第2領域流下通路306Lに流入する。そして、この球通路を転動流下して第2領域通過検出器307Lを通過し、下端の排出口から遊技盤裏面の球寄せカバー19に排出される。
主制御装置は、上記所定時間が経過したとき、または所定時間内であっても第1領域通過検出器307Rおよび第2領域通過検出器307Lにより検出された遊技球の数量が、例えば10個程度の所定数量に達したときに、扉開放指令信号をOFFにして開閉扉321を閉止させるとともに、第2領域誘導指令信号をOFFにしてシーソー部材331を時計廻りに揺動させ誘導床321aが右傾した初期状態に復帰させる。そしてラウンド更新条件がクリアされている場合には、上記した開閉扉321の開放およびシーソー部材331の揺動を繰り返して行わせ、ラウンド更新条件がクリアされていない場合および所定回数のラウンドが満了したときに、扉開放指令信号および第2領域誘導指令信号をともにOFFに維持して初期状態で待機させる。
このように、以上説明したアタッカー装置(遊技装置)30では、入賞機構部300と駆動部340とを離隔して配設し、これらの間を伝達機構350により連結して駆動部340が発生した駆動力を入賞機構部300に伝達するように構成している。
すなわち、開閉扉(可動部材)321を駆動する扉開閉ソレノイド341を扉開閉機構部320から離隔して遊技補助盤9に配設し、これらの間に可撓性を有して屈設可能な扉開閉コントロールケーブル353を備えた扉開閉伝達機構351により機械的に連結して、扉開閉ソレノイド341が発生した駆動力を開閉扉321に伝達するように構成している。またシーソー部材(可動部材)331を駆動するシーソー傾動ソレノイド342を球誘導機構部330から離隔して遊技補助盤9に配設し、これらの間に可撓性を有して屈設可能な球誘導コントロールケーブル354を備えた扉開閉伝達機構352により機械的に連結して、シーソー傾動ソレノイド342が発生した駆動力をシーソー部材331に伝達するように構成している。
このため、画像表示装置の大型化に伴って画像表示装置とアウト口との間に位置するアタッカー装置の設計に苦慮する背景下でも、設計の自由度を拡大して複合的な可動式の入賞機構を装備でき、またルータ孔の寸法的制約を受けることなく可動部材の運動量に応じた容量の駆動源を採用できるため、比較的大型の開閉扉やシーソー部材を揺動作動させたり、多関節機構を設けて複雑な動きをさせるような機構構成が可能になり、限られた寸法内で実現困難とされたダイナミックな動作や斬新な動作をする複合入賞装置を実現することができる。
また、駆動部340を前枠側に設けているため、遊技盤8の生産コストを低減して盤面換えに要する費用を低減可能であることに加えて、盤面換えにおいて始動入賞口開閉ソレノイド241を継続使用することで省資源に寄与することができ、また回収した遊技盤のリサイクル工数およびコストを低減することができる。
従って、以上説明してきたような遊技装置によれば、遊技装置の設計の自由度を向上させるとともに、省資源および盤面換えのコスト低減を可能とし、併せてリサイクル性を向上させた弾球遊技機用の遊技装置を提供することができる。
本発明に係る遊技装置を備えた弾球遊技機の一例として示すパチンコ機の正面図である。 上記パチンコ機の背面図である。 上記パチンコ機に設けられた第1構成形態の中央飾りにおける装飾機構部の分解斜視図である。 上部カバーを取り外した状態で示す上記装飾機構部の正面図(部分断面図)である。 上記装飾機構部の裏面側上部に設けられた回動軸変換構造の平断面図である。 遊技補助盤の裏面側に設けられた駆動ユニットの背面図である。 図6中に付記するVII−VII矢視方向の平面図である。 第2構成形態の中央飾りを示す斜視図である。 上記パチンコ機に設けられた第1構成形態の始動入賞装置の概要構成および動作変位を示す説明図であり、(a)図および(b)図は、それぞれ始動入賞口を閉じた状態と開いた状態を示す。 第2構成形態の始動入賞装置の概要構成および動作変位を示す説明図であり、(a)図および(b)図は、それぞれ始動入賞口を閉じた状態と開いた状態を示す。 第3構成形態の始動入賞装置の概要構成および動作変位を示す説明図であり、(a)図および(b)図は、それぞれ始動入賞口を閉じた状態と開いた状態を示す。 上記パチンコ機に設けられたアタッカー装置における扉開閉機構部を主として示す斜め前方からの斜視図であり、(a)図および(b)図は、それぞれ開閉扉を閉じた状態と開いた状態を示す。 上記アタッカー装置における球誘導機構部を主として示す斜め後方からの斜視図であり、(a)図および(b)図は、それぞれシーソー部材を左傾させる前と後の状態を示す。 上記アタッカー装置を斜め後方から見た分解斜視図である。 流路形成部材を取り外した状態で扉開閉機構部および球誘導機構部を示す背面図である。 扉開閉機構部および球誘導機構部に用いられるカップリングの平面図である。 開閉扉との係合関係を併せて示すカップリングの分解斜視図である。 球誘導機構部のロッカーアームとの係合関係を併せて示すカップリングの分解斜視図である。 開閉扉の動作変位を説明するための説明図(扉開閉機構部の側面図)であって、(a)図および(b)図は、それぞれ開閉扉を閉じた状態と開いた状態を示す。 シーソー部材の動作変位を説明するための説明図(球誘導機構部の要部正面図および側面図)であって、(a)図および(b)図は、それぞれシーソー部材を左傾させる前と後の状態を示す。
符号の説明
PM パチンコ機
1 外枠
2 前枠
8 遊技盤
9 遊技補助盤
10 中央飾り(第1構成形態)
10′ 中央飾り(第2構成形態)
20 始動入賞装置(第1構成形態)
20′ 始動入賞装置(第2構成形態)
21 始動入賞装置(第3構成形態)
30 アタッカー装置
100 装飾機構部
113 回動入力軸
120 回転盤
140 回転盤駆動モータ
143 駆動軸
150 伝達機構(第1構成形態)
150′ 伝達機構(第2構成形態)
152 フレキシブルシャフト
160 回動軸変換構造
163 変換回動軸
170 駆動軸変換構造
173 変換駆動軸
180 駆動ユニット
200 始動入賞装置の入賞機構部(第1構成形態)
200′ 始動入賞装置の入賞機構部(第2構成形態)
201 始動入賞装置の入賞機構部(第3構成形態)
220(220L,220R) チューリップ羽根(第1,第2構成形態)
221(221L,221R) チューリップ羽根(第3構成形態)
233 回動入力軸
234 回動軸
240 始動入賞口開閉ソレノイド(第1,第2構成形態)
241 始動入賞口開閉ソレノイド(第3構成形態)
243 駆動軸(第1,第2構成形態)
245 駆動軸(第3構成形態)
250 伝達機構(第1,第2構成形態)
251 伝達機構(第3構成形態)
252 フレキシブルシャフト
254 コントロールケーブル
277 固定構造
300 アタッカー装置の入賞機構部
320 扉開閉機構部
321 開閉扉
330 球誘導機構部
331 シーソー部材
332 ロッカーアーム
340 駆動部
341 扉開閉ソレノイド
342 シーソー傾動ソレノイド
343 駆動軸
344 駆動軸
350 伝達機構
351 扉開閉伝達機構
352 球誘導伝達機構
353 扉開閉コントロールケーブル
354 球誘導コントロールケーブル


Claims (3)

  1. 遊技盤を着脱可能に収容保持する枠部材と、前記遊技盤に変位可能に設けられた可動部材と、前記可動部材を駆動する駆動源と、前記駆動源の作動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置により前記駆動源が駆動されたときに当該駆動源が発生した駆動力により前記可動部材を変位させるように構成された弾球遊技機において、
    前記駆動源を前記枠部材に配設するとともに前記駆動源と前記可動部材との間に前記駆動源が発生した駆動力を前記可動部材に伝達する伝達手段を設け、
    前記伝達手段は、前記駆動源の駆動軸まわりの回動を当該駆動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する駆動軸変換構造と、可撓性を有して屈設可能であるとともに前記駆動軸の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能な伝送部材とを備え、
    前記駆動源と前記可動部材とを機械的に連結して前記駆動源が発生した駆動力を前記可動部材に伝達するように構成したことを特徴とする弾球遊技機の遊技装置。
  2. 遊技盤を着脱可能に収容保持する枠部材と、前記遊技盤に変位可能に設けられた可動部材と、前記可動部材を駆動する駆動源と、前記駆動源の作動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置により前記駆動源が駆動されたときに当該駆動源が発生した駆動力により前記可動部材を変位させるように構成された弾球遊技機において、
    前記駆動源を前記枠部材に配設するとともに前記駆動源と前記可動部材との間に前記駆動源が発生した駆動力を前記可動部材に伝達する伝達手段を設け、
    前記伝達手段は、前記可動部材の回動軸まわりの回動を当該回動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する回動軸変換構造と、可撓性を有して屈設可能であるとともに前記駆動軸の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能な伝送部材とを備え、
    前記駆動源と前記可動部材とを機械的に連結して前記駆動源が発生した駆動力を前記可動部材に伝達するように構成したことを特徴とする弾球遊技機の遊技装置。
  3. 遊技盤を着脱可能に収容保持する枠部材と、前記遊技盤に変位可能に設けられた可動部材と、前記可動部材を駆動する駆動源と、前記駆動源の作動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置により前記駆動源が駆動されたときに当該駆動源が発生した駆動力により前記可動部材を変位させるように構成された弾球遊技機において、
    前記駆動源を前記枠部材に配設するとともに前記駆動源と前記可動部材との間に前記駆動源が発生した駆動力を前記可動部材に伝達する伝達手段を設け、
    前記伝達手段は、前記駆動源の駆動軸まわりの回動を当該駆動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する駆動軸変換構造と、前記可動部材の回動軸まわりの回動を当該回動軸と交差する方向の軸まわりの回動に変換する回動軸変換構造と、可撓性を有して屈設可能であるとともに前記駆動軸の回動作動を軸まわりの回動として伝送可能な伝送部材とを備え、前記駆動源と前記可動部材とを機械的に連結して前記駆動源が発生した駆動力を前記可動部材に伝達するように構成したことを特徴とする弾球遊技機の遊技装置。


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