JP2006098666A - 光学積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光透過性基材とハードコート層の界面における界面反射と干渉縞の発生を有効に防止した光学積層体の提供。
【解決手段】 光透過性基材の上にハードコート層を備えてなる光学積層体であって、
前記光透過性基材がトリアセテートセルロースであり、前記ハードコート層が、(1)4超過の官能基を有する変性ペンタエリスリトールアクリレート樹脂と、(2)3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂と、浸透性溶剤との混合物により形成されてなり、前記光透過性基材と前記ハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなるものにより達成される。
【選択図】 なし
【解決手段】 光透過性基材の上にハードコート層を備えてなる光学積層体であって、
前記光透過性基材がトリアセテートセルロースであり、前記ハードコート層が、(1)4超過の官能基を有する変性ペンタエリスリトールアクリレート樹脂と、(2)3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂と、浸透性溶剤との混合物により形成されてなり、前記光透過性基材と前記ハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなるものにより達成される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、界面反射と干渉縞を防止した光学積層体に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極管表示装置(CRT)等の画像表示装置における画像表示面は、外部光源から照射された光線による反射を少なくし、その視認性を高めることが要求される。これに対して、光透過性基材に、防眩層または反射防止層を形成させた光学積層体(例えば、反射防止積層体)を利用することにより、画像表示装置の画像表示面の反射を低減させ視認性を向上させることが一般になされている。
しかしながら、屈折率の差が大きい層を積層させた光学積層体にあっては、互いに重なり合った層の界面において、界面反射および干渉縞が生じることがしばしば見受けられた。特に、画面表示装置の画像表示面において黒色を再現した際に、干渉縞が顕著に発生し、その結果、画像の視認性が低下し、また画像表示面の美観を損ねるとの指摘がなされている。特に、光透過性基材の屈折率とハードコート層の屈折率が相違する場合、干渉縞の発生が生じやすいとされている。
これに対して、特開2003−131007号公報(特許文献1)によれば、干渉縞の発生を抑制するために、基材とハードコート層との界面近傍の屈折率が連続的に変化することを特徴とした光学フィルムが提案されている。
しかしながら、本発明者らが確認したところ、特定の光透過性基材とハードコート層とを組み合わせてなり、光透過性基材とハードコート層との界面近傍の屈折率が連続的に変化することを特徴とした光学積層体は未だ提案されていない。
特開2003−131007号公報
本発明者等は、本発明時において、ハードコート層を構成する組成物を特定の組合せにすることにより、光透過性基材とハードコート層の界面状態を改善し、かつ、ハードコート層の機械的強度と、光学積層体の耐カール性とを向上させた光学積層体が得られるとの知見を得た。よって、本発明は光透過性基材とハードコート層の界面を実質的に解消することにより、界面反射と干渉縞の発生を有効に防止し、視認性と、機械的強度と、耐カール性とを向上させた光学積層体の提供を目的とするものである。
従って、本発明による光学積層体は、
光透過性基材の上にハードコート層を備えてなるものであって、
前記光透過性基材がトリアセテートセルロースであり、
前記ハードコート層が、
(1)4超過の官能基を有する、変性ペンタエリスリトールアクリレート樹脂と、
(2)3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂と、浸透性溶剤との混合物により形成されてなり、
前記光透過性基材と前記ハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなるものである。
光透過性基材の上にハードコート層を備えてなるものであって、
前記光透過性基材がトリアセテートセルロースであり、
前記ハードコート層が、
(1)4超過の官能基を有する、変性ペンタエリスリトールアクリレート樹脂と、
(2)3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂と、浸透性溶剤との混合物により形成されてなり、
前記光透過性基材と前記ハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなるものである。
本発明の別の態様による光学積層体は、
光透過性基材の上にハードコート層を備えてなる光学積層体であって、
前記光透過性基材がポリエチレンテレフタレートであり、
前記ハードコート層が、
(1)4超過の官能基を有する、変性ペンタエリスリトールアクリレート樹脂と、
(2)3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂と、浸透性溶剤との混合物により形成されてなり、
前記光透過性基材と前記ハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなるものである。
光透過性基材の上にハードコート層を備えてなる光学積層体であって、
前記光透過性基材がポリエチレンテレフタレートであり、
前記ハードコート層が、
(1)4超過の官能基を有する、変性ペンタエリスリトールアクリレート樹脂と、
(2)3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂と、浸透性溶剤との混合物により形成されてなり、
前記光透過性基材と前記ハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなるものである。
1.光学積層体
本発明による光学積層体は、光透過性基材(TACまたはPET基材基材)とハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなることを特徴とするものである。この界面近傍の屈折率が段階的に差されてなることにより、この界面の界面反射と干渉縞とを有効に防止することができるものである。
本発明による光学積層体は、光透過性基材(TACまたはPET基材基材)とハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなることを特徴とするものである。この界面近傍の屈折率が段階的に差されてなることにより、この界面の界面反射と干渉縞とを有効に防止することができるものである。
本発明の好ましい態様によれば、光透過性基材とハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなることにより、この界面が実質的に存在しないものとされてなるものが好ましい。本発明において、「界面が実質的に存在しない」とは、二つの層面が重なり合ってはいるが実際に界面が存在しないこと、および屈折率からみて両者の面に界面が存在していないと判断される場合をも含むものをいう。
光透過性基材
光透過性基材は、トリアセテートセルロース(TAC)またはポリエチレンテレフタレート(PET)を使用する。これらの光透過性基材は透明度が高く、また後記するハードコート層を構成する樹脂との屈折率との差が少なく好ましい。光透過性基材の厚さは、30μm〜200μm程度であり、好ましくは40μm〜200μmである。
光透過性基材は、トリアセテートセルロース(TAC)またはポリエチレンテレフタレート(PET)を使用する。これらの光透過性基材は透明度が高く、また後記するハードコート層を構成する樹脂との屈折率との差が少なく好ましい。光透過性基材の厚さは、30μm〜200μm程度であり、好ましくは40μm〜200μmである。
ハードコート層
「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。ハードコート層の膜厚(硬化時)は0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが好ましい。ハードコート層は樹脂と浸透性溶剤と任意成分とにより形成されてよい。
「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。ハードコート層の膜厚(硬化時)は0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが好ましい。ハードコート層は樹脂と浸透性溶剤と任意成分とにより形成されてよい。
1)樹脂
樹脂(1)
4超過の官能基を有する変性ペンタエリスリトールアクリレート(1)の具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび、それらの変性体から選ばれる。
樹脂(2)
3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂としては、変性イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、変性イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ビスフェノールF EO変性ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性ジアクリレート、エポキシ変性ビスフェノールAジアクリレートなどから選ばれる。
樹脂(1)
4超過の官能基を有する変性ペンタエリスリトールアクリレート(1)の具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび、それらの変性体から選ばれる。
樹脂(2)
3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂としては、変性イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、変性イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ビスフェノールF EO変性ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性ジアクリレート、エポキシ変性ビスフェノールAジアクリレートなどから選ばれる。
2)浸透性溶剤
浸透性溶剤は、光透過性基材に対して浸透性のある溶剤を利用する。よって、本発明にあっては、浸透性溶剤の「浸透性」とは、光透過性基材に対して浸透性、膨潤性、湿潤性等のすべての概念を包含する意である。浸透性溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;フェノール類;またはこれらの混合物が挙げられる。
浸透性溶剤は、光透過性基材に対して浸透性のある溶剤を利用する。よって、本発明にあっては、浸透性溶剤の「浸透性」とは、光透過性基材に対して浸透性、膨潤性、湿潤性等のすべての概念を包含する意である。浸透性溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;フェノール類;またはこれらの混合物が挙げられる。
光透過性基材がトリアセテートセルロース(TAC)の場合、浸透性溶剤は、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ニトロメタン、1,4―ジオキサン、ジオキソラン、N―メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジイソプロピルエーテル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブまたはこれらの混合物が好ましくは挙げられ、より好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトンが挙げられる。
光透過性基材がポリエチレンテレフタレート(PET)の場合、浸透性溶剤は、フェノール、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、クロロフェノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ニトロメタン、1,4―ジオキサン、ジオキソラン、N―メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジイソプロピルエーテル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブまたはこれらの混合物が好ましくは挙げられ、より好ましくはフェノール、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、クロロフェノール、ヘキサフルオロイソプロパノールが挙げられる。
浸透性溶剤の添加量は混合物の総重量に対して20重量%以上、好ましくは30重量%以上である。
浸透性溶剤の添加量は混合物の総重量に対して20重量%以上、好ましくは30重量%以上である。
3)帯電防止剤および/または防眩剤
本発明によるハードコート層は、その他の剤を含んでなるものであって良く、好ましくは帯電防止剤および/または防眩剤を含んでなるものであってよい。
本発明によるハードコート層は、その他の剤を含んでなるものであって良く、好ましくは帯電防止剤および/または防眩剤を含んでなるものであってよい。
帯電防止剤(導電剤)
帯電防止層を形成する帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズおよびチタンのアルコキシドのような有機金属化合物およびそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、または金属キレート部を有し、かつ、電離放射線により重合可能なモノマーまたはオリゴマー、或いは電離放射線により重合可能な重合可能な官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
帯電防止層を形成する帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズおよびチタンのアルコキシドのような有機金属化合物およびそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、または金属キレート部を有し、かつ、電離放射線により重合可能なモノマーまたはオリゴマー、或いは電離放射線により重合可能な重合可能な官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
また、導電性超微粒子が挙げられる。導電性微粒子の具体例としては、金属酸化物からなるのものを挙げることができる。そのような金属酸化物としては、ZnO(屈折率1.90、以下、カッコ内の数値は屈折率を表す。)、CeO2(1.95)、Sb2O2(1.71)、SnO2(1.997)、ITOと略して呼ばれることの多い酸化インジウム錫(1.95)、In2O3(2.00)、Al2O3(1.63)、アンチモンドープ酸化錫(略称;ATO、2.0)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称;AZO、2.0)等を挙げることができる。微粒子とは、1ミクロン以下の、いわゆるサブミクロンの大きさのものを指し、好ましくは、平均粒径が0.1nm〜0.1μmのものである。
防眩剤
防眩剤は後記する防眩層の項で説明するものと同様であって良い。
防眩剤は後記する防眩層の項で説明するものと同様であって良い。
その他の層
本発明による光学積層体は、上記した通り光透過性基材とその上に形成されてなるハードコート層とにより基本的には構成されてなる。しかしながら、光学積層体としての機能または用途を加味してハードコート層の上に、下記する一又は二以上の層を形成してもよい。
帯電防止層
帯電防止層は、帯電防止剤と樹脂とを含んでなるものである。帯電防止剤と溶剤はハードコート層の項で説明したのと同様であって良い。
本発明による光学積層体は、上記した通り光透過性基材とその上に形成されてなるハードコート層とにより基本的には構成されてなる。しかしながら、光学積層体としての機能または用途を加味してハードコート層の上に、下記する一又は二以上の層を形成してもよい。
帯電防止層
帯電防止層は、帯電防止剤と樹脂とを含んでなるものである。帯電防止剤と溶剤はハードコート層の項で説明したのと同様であって良い。
樹脂
樹脂の具体例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂もしくは電離放射線硬化性化合物(有機反応性ケイ素化合物を含む)を使用することができる。樹脂としては、熱可塑性の樹脂も使用できるが、熱硬化性樹脂を使用することがより好ましく、もっと好ましいのが、電離放射線硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性化合物を含む電離放射線硬化性組成物である。
樹脂の具体例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂もしくは電離放射線硬化性化合物(有機反応性ケイ素化合物を含む)を使用することができる。樹脂としては、熱可塑性の樹脂も使用できるが、熱硬化性樹脂を使用することがより好ましく、もっと好ましいのが、電離放射線硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性化合物を含む電離放射線硬化性組成物である。
電離放射線硬化性組成物としては、分子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜に混合したものである。ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は、紫外線又は電子線を用いる。
電離放射線硬化性組成物中のプレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物が挙げられる。
電離放射線硬化性組成物中のモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等を挙げることができる。
通常、電離放射線硬化性組成物中のモノマーとしては、以上の化合物を必要に応じて、1種若しくは2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性組成物に通常の塗布適性を与えるために、前記のプレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記モノマー及び/又はポリチオール化合物を95重量%以下とするのが好ましい。
電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたときのフレキシビリティーが要求されるときは、モノマー量を減らすか、官能基の数が1又は2のアクリレートモノマーを使用するとよい。電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたときの耐摩耗性、耐熱性、耐溶剤性が要求されるときは、官能基の数が3つ以上のアクリレートモノマーを使う等、電離放射線硬化性組成物の設計が可能である。ここで、官能基が1のものとして、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートが挙げられる。官能基が2のものとして、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。官能基が3以上のものとして、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたときのフレキシビリティーや表面硬度等の物性を調整するため、電離放射線硬化性組成物に、電離放射線照射では硬化しない樹脂を添加することもできる。具体的な樹脂の例としては次のものがある。ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂である。中でも、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の添加がフレキシビリティーの向上の点で好ましい。
電離放射線硬化性組成物の塗布後の硬化が紫外線照射により行われるときは、光重合開始剤や光重合促進剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いる。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
電離放射線硬化性組成物には、次のような有機反応性ケイ素化合物を併用してもよい。
有機ケイ素化合物の1は、一般式RmSi(OR')nで表せるもので、RおよびR'は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rの添え字mとOR'の添え字nとは、各々が、m+n=4の関係を満たす整数である。
有機ケイ素化合物の1は、一般式RmSi(OR')nで表せるもので、RおよびR'は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rの添え字mとOR'の添え字nとは、各々が、m+n=4の関係を満たす整数である。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
電離放射線硬化性組成物に併用し得る有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤である。具体的には、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。
帯電防止層の厚さは、30nm〜1μm程度であることが好ましい。
防眩層
防眩層は、透過性基材とハードコート層または低屈折率層との間に形成されてよい。防眩層は樹脂と防眩剤とにより形成されてよく、樹脂は、ハードコート層の項で説明したものから適宜選択されてよい。
防眩層は、透過性基材とハードコート層または低屈折率層との間に形成されてよい。防眩層は樹脂と防眩剤とにより形成されてよく、樹脂は、ハードコート層の項で説明したものから適宜選択されてよい。
本発明の好ましい態様によれば、防眩層は微粒子の平均粒径をR(μm)とし、防眩層凹凸の凸部分の鉛直方向での基材面からの最大値をHmax(μm)とし、防眩層の凹凸平均間隔をSm(μm)とし、凹凸部の平均傾斜角をθaとした場合に、下記式:
8R≦Sm≦30R
R<Hmax<3R
1.3≦θa≦2.5
1≦R≦8
を全て同時に満たすものが好ましい。
8R≦Sm≦30R
R<Hmax<3R
1.3≦θa≦2.5
1≦R≦8
を全て同時に満たすものが好ましい。
また、本発明の別の好ましい様態によれば、微粒子と樹脂の屈折率をそれぞれ、n1、n2とした場合に、△n=│n1−n2│<0.1を満たすものであり、かつ、防眩層内部のヘイズ値が55%以下である防眩層が好ましい。
1)防眩剤
防眩剤としては微粒子が挙げられ、その形状は、真球状、楕円状などのものであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、微粒子は無機系、有機系のものが挙げられるが、好ましくは有機系材料により形成されてなるものが好ましい。微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものがよい。微粒子の具体例としては、プラスチックビーズが挙げられ、より好ましくは、透明性を有するものが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。微粒子の添加量は、透明樹脂組成物100重量部に対し、2〜30重量部、好ましくは10〜25重量部程度である。
防眩剤としては微粒子が挙げられ、その形状は、真球状、楕円状などのものであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、微粒子は無機系、有機系のものが挙げられるが、好ましくは有機系材料により形成されてなるものが好ましい。微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものがよい。微粒子の具体例としては、プラスチックビーズが挙げられ、より好ましくは、透明性を有するものが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。微粒子の添加量は、透明樹脂組成物100重量部に対し、2〜30重量部、好ましくは10〜25重量部程度である。
防眩層用組成物を調整する際に沈降防止剤を添加することが好ましい。沈降防止剤を添加することにより、樹脂ビーズの沈殿を抑制し、溶媒内に均一に分散させることができるからである。沈降防止剤の具体例としては、粒径が0.5μm以下、好ましくは0.1〜0.25μm程度のシリカビーズが挙げられる。
防眩層の膜厚(硬化時)は0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが好ましい。膜厚がこの範囲にあることにより、防眩層としての機能を十分に発揮することができる。
2)樹脂
樹脂としては、透明性のものが好ましく、その具体例としては、紫外線または電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げら、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
樹脂としては、透明性のものが好ましく、その具体例としては、紫外線または電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げら、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂の具体例としては、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー、反応性希釈剤が挙げられ、これらの具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は一般的に例示されるものが利用される。溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。本発明の好ましい態様によれば、透明基材の材料がTAC等のセルロース系樹脂の場合、熱可塑性樹脂の好ましい具体例として、セルロース系樹脂、例えばニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。セルロース系樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等をさらに添加して使用することができる。
低屈折率層
低屈折率層は、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有する樹脂、低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂から構成され、屈折率が1.46以下の、やはり30nm〜1μm程度の薄膜、または、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムの化学蒸着法もしくは物理蒸着法による薄膜で構成することができる。フッ素樹脂以外の樹脂については、帯電防止層を構成するのに用いる樹脂と同様である。
低屈折率層は、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有する樹脂、低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂から構成され、屈折率が1.46以下の、やはり30nm〜1μm程度の薄膜、または、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムの化学蒸着法もしくは物理蒸着法による薄膜で構成することができる。フッ素樹脂以外の樹脂については、帯電防止層を構成するのに用いる樹脂と同様である。
低屈折率層は、より好ましくは、シリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体で構成することができる。このシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体は、具体的には、フッ化ビニリデンが30〜90%、ヘキサフルオロプロピレンが5〜50%(以降も含め、百分率は、いずれも質量基準)を含有するモノマー組成物を原料とした共重合により得られるもので、フッ素含有割合が60〜70%であるフッ素含有共重合体100部と、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物80〜150部とからなる樹脂組成物であり、この樹脂組成物を用いて、膜厚200nm以下の薄膜であって、且つ耐擦傷性が付与された屈折率1.60未満(好ましくは1.46以下)の低屈折率層を形成する。
低屈折率層を構成する上記のシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体は、モノマー組成物における各成分の割合が、フッ化ビニリデンが30〜90%、好ましくは40〜80%、特に好ましくは40〜70%であり、又ヘキサフルオロプロピレンが5〜50%、好ましくは10〜50%、特に好ましくは15〜45%である。このモノマー組成物は、更にテトラフルオロエチレンを0〜40%、好ましくは0〜35%、特に好ましくは10〜30%含有するものであってもよい。
上記のモノマー組成物は、上記のシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体の使用目的および効果が損なわれない範囲において、他の共重合体成分が、例えば、20%以下、好ましくは10%以下の範囲で含有されたものであってもよく、このような、ほかの共重合成分の具体例として、フルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、α−トリフルオロメタクリル酸等のフッ素原子を有する重合性モノマーを例示することができる。
以上のようなモノマー組成物から得られるフッ素含有共重合体は、そのフッ素含有割合が60〜70%であることが必要であり、好ましいフッ素含有割合は62〜70%、特に好ましくは64〜68%である。フッ素含有割合が、このような特定の範囲であることにより、フッ素含有重合体は、溶剤に対して良好な溶解性を有し、かつ、このようなフッ素含有重合体を成分として含有することにより、種々の基材に対して優れた密着性を有し、高い透明性と低い屈折率を有すると共に十分に優れた機械的強度を有する薄膜を形成するので、薄膜の形成された表面の耐傷性等の機械的特性を十分に高いものとすることができ、極めて好適である。
このフッ素含有共重合体は、その分子量がポリスチレン換算数平均分子量で5,000〜200,000、特に10,000〜100,000であることが好ましい。このような大きさの分子量を有するフッ素含有共重合体を用いることにより、得られるフッ素系樹脂組成物の粘度が好適な大きさとなり、従って、確実に好適な塗布性を有するフッ素系樹脂組成物とすることができる。フッ素含有共重合体は、それ自体の屈折率が1.45以下、特に1.42以下、更に1.40以下であるものが好ましい。屈折率が1.45を越えるフッ素含有共重合体を用いた場合には、得られるフッ素系塗料により形成される薄膜が反射防止効果の小さいものとなる場合がある。
このほか、低屈折率層は、SiO2からなる薄膜で構成することもでき、蒸着法、スパッタリング法、もしくはプラズマCVD法等により、またはSiO2ゾルを含むゾル液からSiO2ゲル膜を形成する方法によって形成されたものであってもよい。なお、低屈折率層は、SiO2以外にも、MgF2の薄膜や、その他の素材でも構成し得るが、下層に対する密着性が高い点で、SiO2薄膜を使用することが好ましい。上記の手法のうち、プラズマCVD法によるときは、有機シロキサンを原料ガスとし、他の無機質の蒸着源が存在しない条件で行なうことが好ましく、また、被蒸着体をできるだけ低温度に維持して行なうことが好ましい。
2.光学積層体の製造方法
液体組成物の調製
ハードコート層(必要に応じて帯電防止層、防眩層、低屈折率層)用の各液体組成物は、一般的な調製法に従って、先に説明した成分を混合し分散処理することにより調整されてよい。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等で適切に分散処理することが可能となる。
液体組成物の調製
ハードコート層(必要に応じて帯電防止層、防眩層、低屈折率層)用の各液体組成物は、一般的な調製法に従って、先に説明した成分を混合し分散処理することにより調整されてよい。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等で適切に分散処理することが可能となる。
塗工
光透過性基材表面、帯電防止層の表面への各液体組成物の塗布法の具体例としては、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
光透過性基材表面、帯電防止層の表面への各液体組成物の塗布法の具体例としては、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、電子線または紫外線の照射によって硬化する。電子線硬化の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。
3.光学積層体の用途
本発明による光学積層体は、ハードコート積層体として、好ましくは反射防止積層体として利用される。また、本発明による光学積層体は、透過型表示装置に利用される。特に、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサなどのディスプレイ表示に使用される。とりわけ、CRT、液晶パネルなどのディスプレイの表面に用いられる。
本発明による光学積層体は、ハードコート積層体として、好ましくは反射防止積層体として利用される。また、本発明による光学積層体は、透過型表示装置に利用される。特に、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサなどのディスプレイ表示に使用される。とりわけ、CRT、液晶パネルなどのディスプレイの表面に用いられる。
実施例1
セルローストリアセテートフィルム(厚み40μm)の片面に、下記表1の組成表に従って調製したハードコート層用組成物をウェット重量15g/m2(乾燥重量6g/m2)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線100mJ/cm2を照射して光学積層体を調製した。
セルローストリアセテートフィルム(厚み40μm)の片面に、下記表1の組成表に従って調製したハードコート層用組成物をウェット重量15g/m2(乾燥重量6g/m2)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線100mJ/cm2を照射して光学積層体を調製した。
表1
変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(KAYARAD DPCA30;日本化薬社製)
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 5重量部
(M315;東亞合成社製)
重合開始剤 0.3重量部
(イルガキュアー184)
酢酸メチル 5重量部
メチルエチルケトン 5重量部
変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(KAYARAD DPCA30;日本化薬社製)
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 5重量部
(M315;東亞合成社製)
重合開始剤 0.3重量部
(イルガキュアー184)
酢酸メチル 5重量部
メチルエチルケトン 5重量部
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み188μmPET)の片面に、下記表2の組成表に従って調製したハードコート層用組成物をウェット重量15g/m2(乾燥重量6g/m2)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線100mJ/cm2を照射して光学積層体を調製した。
表2
変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(KAYARAD DPCA30;日本化薬社製)
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 5重量部
(M315;東亞合成製)
重合開始剤 0.3重量部
(イルガキュアー184)
メチルエチルケトン 9重量部
ヘキサフルオロイソプロパノール 1重量部
変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(KAYARAD DPCA30;日本化薬社製)
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 5重量部
(M315;東亞合成製)
重合開始剤 0.3重量部
(イルガキュアー184)
メチルエチルケトン 9重量部
ヘキサフルオロイソプロパノール 1重量部
比較例1
セルローストリアセテートフィルム(厚み40μm)の片面に、下記表3の組成表に従って調製したハードコート層用組成物をウェット重量15g/m2(乾燥重量6g/m2)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線100mJ/cm2を照射して光学積層体を調製した。
セルローストリアセテートフィルム(厚み40μm)の片面に、下記表3の組成表に従って調製したハードコート層用組成物をウェット重量15g/m2(乾燥重量6g/m2)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線100mJ/cm2を照射して光学積層体を調製した。
表3
ペンタエリスリトールトリアクリレート 5重量部
(M305;東亞合成社製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(日本化薬社製)
重合開始剤 0.3重量部
(イルガキュアー184)
酢酸メチル 5重量部
メチルエチルケトン 5重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 5重量部
(M305;東亞合成社製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(日本化薬社製)
重合開始剤 0.3重量部
(イルガキュアー184)
酢酸メチル 5重量部
メチルエチルケトン 5重量部
比較例2
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み188μmPET)の片面に、下記表4の組成表に従って調製したハードコート層用組成物をウェット重量15g/m2(乾燥重量6g/m2)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線100mJ/cm2を照射して光学積層体を調製した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み188μmPET)の片面に、下記表4の組成表に従って調製したハードコート層用組成物をウェット重量15g/m2(乾燥重量6g/m2)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線100mJ/cm2を照射して光学積層体を調製した。
表4
ペンタエリスリトールトリアクリレート 5重量部
(M305;東亞合成社製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(日本化薬社製)
重合開始剤 0.3重量部
(イルガキュアー184)
メチルエチルケトン 9重量部
ヘキサフルオロイソプロパノール 1重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 5重量部
(M305;東亞合成社製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(日本化薬社製)
重合開始剤 0.3重量部
(イルガキュアー184)
メチルエチルケトン 9重量部
ヘキサフルオロイソプロパノール 1重量部
評価試験
実施例と比較例の光学積層体について下記の試験を行い、その結果を下記表5に記載した。
評価1:干渉縞有無試験
光学積層体のハードコート層と反対面の面をサンドペーパーで擦り、その後つや消しのために黒色テープを貼り、ハードコート層の面から光学積層体を目視しで観察し、下記評価基準にて評価した。
評価基準
評価◎:干渉縞の発生はなかった。
評価×:干渉縞の発生があった。
実施例と比較例の光学積層体について下記の試験を行い、その結果を下記表5に記載した。
評価1:干渉縞有無試験
光学積層体のハードコート層と反対面の面をサンドペーパーで擦り、その後つや消しのために黒色テープを貼り、ハードコート層の面から光学積層体を目視しで観察し、下記評価基準にて評価した。
評価基準
評価◎:干渉縞の発生はなかった。
評価×:干渉縞の発生があった。
評価2:耐擦傷性評価試験
低屈折率層の表面を、#0000番のスチールウールを用いて、所定の摩擦荷重(200〜1000gの範囲内で200g毎に変化させた)で10往復摩擦し、その後の塗膜の剥がれの有無を目視し下記の基準にて評価した。
評価基準
評価◎:塗膜の剥がれが全くなかった。
評価×:塗膜の剥がれがあった。
低屈折率層の表面を、#0000番のスチールウールを用いて、所定の摩擦荷重(200〜1000gの範囲内で200g毎に変化させた)で10往復摩擦し、その後の塗膜の剥がれの有無を目視し下記の基準にて評価した。
評価基準
評価◎:塗膜の剥がれが全くなかった。
評価×:塗膜の剥がれがあった。
評価3:カール発生有無試験
防眩性フィルムを10cm×10cmにカットした際の最大カール幅(図1に沿って)を測定した。測定は、防眩性フィルムを温度25度、湿度55%の環境にて行ない、その後、光学積層体のカール発生の有無を目視し下記の基準にて評価した。
評価基準
評価◎:カールはほとんど発生しなかった。
評価×:カール発生が生じ、光学積層体がロール状になった。
防眩性フィルムを10cm×10cmにカットした際の最大カール幅(図1に沿って)を測定した。測定は、防眩性フィルムを温度25度、湿度55%の環境にて行ない、その後、光学積層体のカール発生の有無を目視し下記の基準にて評価した。
評価基準
評価◎:カールはほとんど発生しなかった。
評価×:カール発生が生じ、光学積層体がロール状になった。
表5
評価1 評価2 評価3
実施例1 ◎ ◎ ◎
実施例2 ◎ ◎ ◎
比較例1 × × ×
比較例2 × × ×
評価1 評価2 評価3
実施例1 ◎ ◎ ◎
実施例2 ◎ ◎ ◎
比較例1 × × ×
比較例2 × × ×
1 光学積層体
3 ハードコート層の中心点
4 ハードコート層の縁周部
5 ハードコート層
7 カール幅
9 光透過性基材(TACまたはPET基材)
3 ハードコート層の中心点
4 ハードコート層の縁周部
5 ハードコート層
7 カール幅
9 光透過性基材(TACまたはPET基材)
Claims (6)
- 光透過性基材の上にハードコート層を備えてなる光学積層体であって、
前記光透過性基材がトリアセテートセルロースであり、
前記ハードコート層が、
(1)4超過の官能基を有する変性ペンタエリスリトールアクリレート樹脂と、
(2)3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂と、浸透性溶剤との混合物により形成されてなり、
前記光透過性基材と前記ハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなる、光学積層体。 - 光透過性基材の上にハードコート層を備えてなる光学積層体であって、
前記光透過性基材がポリエチレンテレフタレートであり、
前記ハードコート層が、
(1)4超過の官能基を有する変性ペンタエリスリトールアクリレート樹脂と、
(2)3以下の官能基を有するイソシアヌル酸変性アクリレート樹脂またはビスフェノール変性アクリレート樹脂と、浸透性溶剤との混合物により形成されてなり、
前記光透過性基材と前記ハードコート層との界面近傍の屈折率が段階的に変化されてなる、光学積層体。 - 前記浸透性溶剤が、フェノール類、アルコール類、ケトン類、エステル類、およびハロゲン化炭化水素からなる群から選択される一種または二種以上の混合物である、請求項1または2に記載の光学積層体。
- 前記ハードコート層が、帯電防止剤および/または防眩剤を含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学積層体。
- 前記ハードコート層の上に、帯電防止層、防眩層、低屈折率層、またはこれらの二種以上の層を形成してなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学積層体。
- 反射防止積層体として利用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004283972A Withdrawn JP2006098666A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 光学積層体 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006098666A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009234059A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Konica Minolta Opto Inc | ハードコートフィルム |
JP2013045045A (ja) * | 2011-08-26 | 2013-03-04 | Konica Minolta Advanced Layers Inc | ハードコートフィルムの製造方法及びハードコートフィルム |
-
2004
- 2004-09-29 JP JP2004283972A patent/JP2006098666A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009234059A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Konica Minolta Opto Inc | ハードコートフィルム |
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