JP2006097473A - エンジンの可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸気側の動弁系に可変機構を設けて、エンジン運転状態に応じて吸気バルブ1,2のリフトストロークを変更するようにした可変動弁装置において、常用運転域における燃費の低減と高負荷域における出力の確保とを図りながら、シフトダウンなどの過渡運転時のバルブのジャンプ/バウンスを防止することにより、エンジンの信頼性を確保し、ひいてはドライバビリティを向上する。
【解決手段】 吸気バルブ1,2のリフト特性を可変機構によって、リフト量の小さいときほど痩せたリフトカーブになるように変更する。変速機のシフトダウン作動に伴いエンジン回転速度が急上昇するときには、その上昇後のエンジン回転速度を予測して(ステップS1)、この予測回転速度N1に基づいて回転限界を越えると判定したときに(ステップS6)、スロットル弁を閉じ側に作動させて(ステップS9)、リフト量を強制的に増大させる(ステップS10)。
【選択図】 図12
【解決手段】 吸気バルブ1,2のリフト特性を可変機構によって、リフト量の小さいときほど痩せたリフトカーブになるように変更する。変速機のシフトダウン作動に伴いエンジン回転速度が急上昇するときには、その上昇後のエンジン回転速度を予測して(ステップS1)、この予測回転速度N1に基づいて回転限界を越えると判定したときに(ステップS6)、スロットル弁を閉じ側に作動させて(ステップS9)、リフト量を強制的に増大させる(ステップS10)。
【選択図】 図12
Description
本発明は、エンジンの運転状態に応じてバルブリフト量を連続的に変更するようにしたエンジンの可変動弁装置に関し、特に過渡時の制御の技術分野に属する。
従来より、一般に、エンジンの動弁系においては、予め設定した許容最高回転速度でもバルブのジャンプ/バウンスを生じないように、運動部品の慣性質量やバルブスプリングのばね定数などに対応付けてバルブのリフト特性が決定されている。すなわち、カムのプロファイルやロッカアームのレバー比などから求められるバルブのリフトカーブと前記許容最高回転速度とによってバルブの負の最大加速度(カム面に追従すると仮定したときの値)を計算し、この負の最大加速度の絶対値がバルブスプリングの圧縮反力によって生じる加速度を越えないように、前記リフトカーブを決定するのである。
また、エンジンの動弁系に可変機構を設けて、吸排気バルブの開閉時期やリフト量などのリフト特性を運転状態に応じて変更するようにした可変動弁装置は既に知られており、例えば特許文献1に開示されるものでは、カムシャフト(駆動軸)に設けた駆動カムにリンクアームを嵌合するとともに、該カムシャフトには吸気バルブをリフトさせる揺動カムも揺動自在に支持し、その上で、前記カムシャフトの回転に伴うリンクアームの動作を、リンク機構を介して前記揺動カムに伝達するようにしている。
前記の可変動弁装置では、前記リンク機構にロッカアームを備えるとともに、そのロッカアームの揺動支点の位置を変更可能な構成として、エンジンの運転状態に応じてロッカアームの揺動支点と揺動カムの軸心との距離を変化させるようにしている。すなわち、エンジンへの出力要求が比較的高いときにはロッカアームの揺動支点を揺動カム軸心に近づけることによって、バルブリフト量を大きくし、一方、出力要求が比較的低いときには前記揺動支点を離すことによって、バルブリフト量を小さくすることができる。
さらに、可変動弁装置の他の例として、カムシャフトに支持アームを回動自在に支持し、この支持アーム先端に上記ロッカアームを揺動自在に支持し、エンジン低回転低負荷時には、支持アームを回動させてロッカアームの揺動支点をカムシャフトの軸心周りに変位させることにより、バルブ開弁開始時期を遅らせることなくバルブリフト量を小さくする、という試みも知られている(特許文献2参照)。
特開平11−107725号公報
特開平11−264307号公報
ところで、前記従来例のような可変動弁装置においては、ロッカアームなどのリンクの変位によって揺動カムの揺動角などを変化させて、これによりバルブの開閉時期やリフト量を変更するようにしているので、その際にリフトカーブの形状も変化させることができ、このことを利用して、バルブのリフト量などだけでなく、リフトの速度や加速度なども変更することができる。
例えば、エンジンへの出力要求が比較的低いときには、吸気バルブのリフト量を小さくするとともに、リフトの速度や加速度は高くして、比較的高リフトで開弁期間が短い所謂痩せたリフトカーブにすれば、バルブの傘部と吸気ポートとの間での吸気の絞り損失を低減することができる。こうした痩せたリフトカーブではバルブの負の加速度も相対的に大きくなるから、回転限界が低下して許容最高回転速度以下のエンジン回転速度でバルブのジャンプ/バウンスを生じる可能性があるが、通常、出力要求が比較的低いときにはエンジン回転速度はあまり高くはならないので、通常の(定常的な)運転状態では問題はないと考えられる。
しかしながら、例えば変速機のシフトダウン作動時のような過渡運転時には、エンジンへの出力要求が殆ど変わらないか或いはむしろ低下するにも拘わらず、エンジン回転速度が急上昇することから、前記のような痩せたリフトカーブによって許容最高回転速度よりも低くなっている回転限界を越えてしまい、バルブのジャンプ/バウンスによって異音を生じたり、エンジンの信頼性を損なう虞れがある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの動弁系に可変機構を設けて、エンジン運転状態に応じてバルブのリフト量などを変更するようにした可変動弁装置において、常用運転域における燃費の低減と高負荷域における出力の確保とを図りながら、特に過渡運転時の制御手順に工夫を凝らしてバルブのジャンプ/バウンスを防止することにより、エンジンの信頼性を確保し、ひいてはドライバビリティを向上することにある。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の解決手段では、バルブのリフト特性を、リフト量が小さいときほど痩せたリフトカーブになるように変更するとともに、エンジン回転速度が急上昇する過渡運転時には強制的にバルブリフト量を増大させるようにした。
具体的に、請求項1、2の発明では、エンジンの動弁系にバルブリフト量を連続的に変更可能な可変機構を設けるとともに、該可変機構を少なくともエンジンの運転状態に応じて制御する制御手段を備えた可変動弁装置を対象として、前記可変機構を、バルブリフト量の変更範囲の少なくとも一部において、リフト量が小さいほど負の加速度が大きくなるようにバルブリフト特性を変更するものとし、また、前記制御手段は、バルブリフト量が前記少なくとも一部の変更範囲にあって、且つ、例えば変速機のシフトダウン作動時のようにエンジン回転速度が急上昇する所定の過渡運転状態において、バルブリフト量が増大するように前記可変機構を制御する過渡制御部を備えるものとする。
前記の構成により、エンジンの運転中に制御手段によって動弁系の可変機構が制御され、エンジンの運転状態に応じてバルブリフト量が変更される。これにより、エンジンへの出力要求に応じて、必要な分量の空気が気筒へ充填されるようにバルブリフト量を変更することができる。言い換えると、バルブリフト量の変更によってエンジンの出力制御が可能になるので、吸気通路のスロットル弁を廃止すれば、ポンピングロスを低減することができるとともに、全負荷域での出力の向上が図られる。
また、前記のようにバルブリフト量を変更する変更範囲の少なくとも一部において、前記可変機構によってリフト量が小さいほど負の加速度が大きくなるように、即ち痩せたリフトカーブとなるようにリフト特性が変更されることで、バルブによる吸気の絞り損失も比較的小さくなる。ここで、バルブリフト量が小さいのは相対的にエンジンへの出力要求が低いときであり、このときには通常、エンジン回転速度はあまり高くはならないので、前記の如くバルブの負の加速度が大きくなることによって回転限界が低くなっても、通常はその回転限界を超えることはない。
一方、エンジンへの出力要求が相対的に高いときにはエンジン回転速度も高いことが多いが、このときには、出力要求の増大に応じて、可変機構によりバルブリフト量が大きくなるようにリフト特性が変更され、これに伴いバルブの負の加速度が小さくなるので、その分、回転限界は高くなる。このことで十分なエンジン出力を確保することができる。
さらに、例えば変速機のシフトダウン作動に伴いエンジン回転速度が急上昇するときには、エンジンへの出力要求が殆ど同じか或いはむしろ低下するときであっても、制御手段の過渡制御部により可変機構が制御されて、強制的にバルブリフト量が増大されるので、回転限界が高くなって、エンジン回転速度が急上昇してもバルブのジャンプ/バウンスを生じることはなくなる。
つまり、あまり出力要求の高くない常用運転域においては燃費を低減できる一方、全負荷域などではエンジンの最高出力を十分に高くすることができ、さらに、シフトダウンなど過渡運転時のジャンプ/バウンスの発生を防止して、エンジンの信頼性を確保することができる。これにより、変速機のシフトダウン制御に対する制約が緩和されて、ドライバビリティも向上する。
前記構成の可変動弁装置において、好ましくは、上昇後のエンジン回転速度を予測する予測手段と、この予測手段によって予測されたエンジン回転速度がバルブリフト特性によって決まるエンジンの回転限界を越えるか否か判定する判定手段と、を備え、制御手段の過渡制御部は、前記判定手段によってエンジン回転速度が回転限界を越えると判定されたときに、可変機構の制御を行うものとすればよい(請求項3の発明)。
すなわち、前記のように過渡運転状態で強制的にバルブリフト量を大きくすると、これによりエンジン出力が増大して、運転者が違和感を覚える虞れがあるので、そのようなバルブリフト量の強制的な制御はエンジン回転速度が回転限界を超えると予想されるときにのみ、行うようにするものである。
さらに、前記バルブリフト量の強制的な制御に伴うエンジン出力の増大を打ち消すべく、エンジンパラメータの補正制御を行うようにしてもよい(請求項7の発明)。具体的には、例えば、エンジンにはアクチュエータにより作動されて吸気通路を絞る絞り弁を設けるとともに、制御手段の過渡制御部によってバルブリフト量が増大するように可変機構が制御されるときに、前記アクチュエータを、絞り弁が吸気通路を絞る側に作動するように制御する補正制御手段を備えればよい(請求項8の発明)。こうすれば、バルブリフト量の増大による気筒の吸気充填量の増大を吸気絞り弁によって抑えることができる。
また、前記構成の可変動弁装置において、好ましくは、前記制御手段には、エンジンの負荷状態及び回転速度に基づいて、少なくとも、同じ回転速度であれば高負荷側ほどバルブリフト量が大きくなるように可変機構を制御する基本制御部を備えるものとし、この制御手段の過渡制御部は、変速機のシフトダウン作動に伴うエンジン回転速度の上昇に対応して、エンジンの負荷状態が同じか又は低下するときであっても、バルブリフト量を強制的に増大させるものとすればよい(請求項4の発明)。
すなわち、前記過渡制御部は、エンジンの負荷状態及び回転速度に基づいて前記基本制御部により制御されるバルブリフト量よりもさらに大きくなるように、バルブリフト量を強制的に増大させるものとすればよく、こうすることで、上述した発明の作用が十分に得られるようになる。
次に、本発明の第2の解決手段は、エンジンの動弁系に設けた可変機構によってバルブのリフト特性を、前記過渡運転状態になり難い状況では負の加速度の大きな痩せたリフトカーブに変更する一方、頻繁に過渡運転状態になるような状況では、エンジンの回転限界が許容最高回転速度と同程度になるように、負の加速度の小さな太ったリフトカーブに変更するようにした。
具体的に、請求項5の発明では、エンジンの動弁系にバルブリフト量を連続的に変更可能な可変機構を設けるとともに、当該可変機構を少なくともエンジンの運転状態に応じて制御する制御手段を備えた可変動弁装置を対象として、前記可変機構を、バルブリフト量の変更範囲において、予め設定した中リフト量よりもリフト量の大きなときのバルブの負の最大加速度が所定値よりも小さくなる一方、その中リフト量以下のときには前記所定値よりも設定幅以上、大きくなるように、バルブリフト特性を変更するものとする。
前記の構成により、請求項1の発明と同様に、バルブのリフト特性が、相対的にリフト量の小さいときに痩せたリフトカーブとなって、出力要求の比較的低い運転状態において燃費を低減できる一方、相対的にリフト量の大きいときには負の加速度の小さな太ったリフトカーブとなり、エンジンの回転限界が高くなって十分な出力が得られるようになる。
また、通常、エンジンが中負荷中回転域にあって出力要求が中程度のときに変速機のシフトダウン作動が頻繁に起きることを考慮して、このような状況を含むように予め設定した中リフト量よりもリフト量の大きなときには、バルブの負の最大加速度が所定値よりも小さくなって、エンジンの回転限界が許容最高回転速度付近まで高くなるようにすれば、たとえシフトダウン作動に伴いエンジン回転速度が急上昇しても、回転限界を超えることはない。
一方、前記中リフト量以下のときには、バルブの負の最大加速度が前記所定値よりも設定幅以上、大きくなるように、即ち、リフトカーブができるだけ痩せたものとなるようにバルブリフト特性を変更することで、バルブによる吸気の絞り損失を可及的に低下させて、これによる燃費低減効果を最大限に得ることができる。
前記請求項5の発明に係る可変動弁装置においても、可変機構を制御する制御手段には、バルブリフト量が中リフト量以下の範囲にあって、且つエンジン回転速度が急上昇する所定の過渡運転状態において、バルブリフト量が増大するように前記可変機構を制御する過渡制御部を備えることが好ましい(請求項6の発明)。こうすれば、エンジンへの出力要求が比較的低く、バルブのリフトカーブが痩せていて回転限界の低い運転状態においてエンジン回転速度が急上昇したとしても、請求項1の発明と同様の作用によってバルブのジャンプ/バウンスが防止される。
さらに、前記請求項6の発明においても、制御手段の過渡制御部によってバルブリフト量が増大するように可変機構が制御されるときに、これに伴うエンジン出力の増大を打ち消すような補正制御を行う補正制御手段を備えることが好ましい(請求項7の発明)。その場合には、エンジンの吸気通路に配設された吸気絞り弁のアクチュエータを、該絞り弁が吸気通路を絞る側に作動するように制御するものとすればよい(請求項8の発明)。
以上、説明したように、本願の請求項1〜4、6の発明に係るエンジンの可変動弁装置によると、エンジンの運転状態に応じて変更する動弁系のバルブリフト特性を、リフト量が比較的小さいときに痩せたリフトカーブとなるようにして、バルブによる吸気の絞り損失の低減により常用運転域における燃費の低減を図る一方、リフト量が比較的大きいときには回転限界の高い太ったリフトカーブとなるようにして、十分なエンジン出力を得ることができる。その上で、例えばシフトダウン時のようにエンジン回転速度が急上昇するときには、強制的にバルブリフト量を大きくすることによって回転限界を高くし、バルブのジャンプ/バウンスを防止することができる。これにより、エンジンの信頼性を確保できるとともに、シフトダウンに対する制約を緩和して、ドライバビリティを向上することができる。
また、請求項5の発明に係るエンジンの可変動弁装置によると、シフトダウンなどの起き易い状況を含む相対的にリフト量の大ききな状態で、バルブの負の最大加速度が所定値よりも小さくて、エンジンの回転限界が高いリフト特性とすることで、エンジン回転速度の急上昇に起因するバルブのジャンプ/バウンスを防止することができる。一方、シフトダウンなどの起き難い状況ではリフトカーブをできるだけ痩せたものとして、吸気の絞り損失を可及的に低下させることによって、燃費低減効果を最大限に得ることができる。
さらに、請求項7、8の発明では、前記のように過渡運転時にバルブリフト量を強制的に増大させるときに、これに伴うエンジン出力の増大を打ち消すようにスロットル弁などを制御することで、バルブリフト量の増大に伴う過渡運転時のエンジン出力の変動を抑えることができ、これにより、運転者が違和感を覚えることを防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(可変動弁装置の基本構成)
図1は、本発明の実施形態に係る可変動弁装置を適用したエンジンの吸気側動弁系の構成を示す。同図において、3はエンジンのクランク軸の回転に同期して回転するカムシャフトである。このエンジンは、図示は省略するが、カムシャフト3の長手方向であるエンジン前後方向の前側(図の左側)から後側(同右側)に向かって4つの気筒が一列に並んだ直列4気筒エンジンであり、その各気筒毎に2つの吸気バルブ1,2と2つの排気バルブ(図示せず)とを有する4バルブのダブルオーバヘッドカム方式を採用している。
図1は、本発明の実施形態に係る可変動弁装置を適用したエンジンの吸気側動弁系の構成を示す。同図において、3はエンジンのクランク軸の回転に同期して回転するカムシャフトである。このエンジンは、図示は省略するが、カムシャフト3の長手方向であるエンジン前後方向の前側(図の左側)から後側(同右側)に向かって4つの気筒が一列に並んだ直列4気筒エンジンであり、その各気筒毎に2つの吸気バルブ1,2と2つの排気バルブ(図示せず)とを有する4バルブのダブルオーバヘッドカム方式を採用している。
前記カムシャフト3における後述の偏心カム6以外の部分(カムシャフト本体)には、各気筒毎に一対の揺動カム4,5が揺動自在に支持されている。これら一対の揺動カム4,5は、前記2つの吸気バルブ1,2にそれぞれ対応するように互いに一体に形成されている。つまり、両揺動カム4,5は、その間に設けた円筒状の連結部50によって互いに連結されていて、カムシャフト3の軸心X(カムシャフト3の回転中心:図2等参照)の回りに一体に揺動するようになっている。そして、1つの気筒における2つの吸気バルブ1,2の各々は、前記揺動カム4,5によってそれぞれリフトされる。尚、前記連結部50の外周面は、カム軸受面と摺接するカムジャーナル部とされている。
前記の如く揺動カム4,5を動作させるために、前記カムシャフト3には、その軸心Xから偏心した4つの円形の偏心カム6が互いに間隔を空けて一体に設けられている。この各偏心カム6にはそれぞれ回転自在に外輪7が外嵌めされていて、この外輪7の外周に突出するように設けられた偏心凸部に、連結リンク8を介して前記揺動カム5が連結されている。言い換えると、前記外輪7は、一端側が前記カムシャフト3の偏心カム6に回転自在に嵌合され、他端部(偏心凸部)が連結リンク8によって揺動カム5に連結されたリンク(以下、オフセットリンクという)である。
また、前記カムシャフト3の斜め上方には、これと平行にコントロールシャフト11が設けられている。このコントロールシャフト11には4つのコントロールアーム12がそれぞれ結合固定されており、該各コントロールアーム12の先端部と前記オフセットリンク7の他端部とが規制リンク13によって連結されている。この規制リンク13は、前記偏心カム6の回転に伴いオフセットリンク7の一端側がカムシャフト3の周りを公転するときに、このオフセットリンク7の変位を規制してその他端部を往復運動させるものであり、これにより、そのオフセットリンク7の他端部に連結された前記連結リンク8が揺動カム4,5を揺動させることになる。
さらに、前記コントロールシャフト11には、円周の一部のみに歯が形成されたウォーム歯車14が結合され、このウォーム歯車14の歯に、モータ15で回転駆動されるウォーム16が噛み合っている。そうして、コントローラ17(制御手段)からの制御信号の入力に応じてモータ15が作動し、コントロールシャフト11が回動してコントロールアーム12の位置が変わることによって、オフセットリンク7の他端部の往復運動の軌跡、即ち前記連結リンク8の揺動軌跡が変更され、これにより揺動カム4,5の揺動角などが変化して、吸気バルブ1,2のリフト特性が変化するようになっている。
言い換えると、前記連結リンク8及び規制リンク13は、揺動カム5とオフセットリンク7とを連結するとともに、前記偏心カム6の回転に伴う該オフセットリンク7の動作を、揺動カム5(及び揺動カム4)が揺動するように規制するリンク機構を構成している。また、そのリンク機構を含めて、前記カムシャフト3の偏心カム6、オフセットリンク7、コントロールシャフト11、コントロールアーム12等により、吸気バルブ1,2のリフト量を連続的に変更可能な可変機構が構成されている。
より具体的には、まず、図2(b)に示すように、吸気バルブ2のステム上端には直動式タペット21が設けられ、このタペット21に揺動カム5が当接している。吸気バルブ2は、タペット21内部に設けられたリテーナ22とシリンダヘッドに設けられたリテーナ23との間に配設されたバルブスプリング24によって、吸気ポート25を閉じる方向(バルブリフト方向とは反対方向)に付勢されている。尚、吸気バルブ1についても前記吸気バルブ2と同様の構成になっている。
前記連結リンク8の一端部は、揺動カム5にピン31により回動自在に連結され、一方、規制リンク13の一端部は、コントロールアーム12の先端部にピン32により回動自在に連結されている。そうして、この連結リンク8と規制リンク13とは、オフセットリンク7の両側にそれぞれ配設されて、該オフセットリンク7を中間に挟んで連係している。すなわち、連結リンク8及び規制リンク13の各々の他端部は、オフセットリンク7の他端部に連結ピン33によって同軸で回動自在に連結されている。尚、前記ピン31〜33はいずれもカムシャフト3と平行に延びている。
図示の如く、前記オフセットリンク7と連結リンク8との連結ピン33はカムシャフト3の上方に位置しており、その側方にはコントロールアーム12の回動中心(コントロールシャフト11の軸心)が位置している。コントロールアーム12の先端のピン32は規制リンク13の回動軸であり、そのピン32の位置を変更することによって規制リンク13及び連結ピン33の揺動軌跡を変化させ、これにより、吸気バルブ1,2のリフト量を変更することができる。
すなわち、各リンクやピンの具体的な動作については以下に詳述するが、モータ15によりコントロールシャフト11及びコントロールアーム12を回動させて、図2に示すようにピン32をコントロールシャフト11の下方に位置づけると、揺動カム4,5の揺動角が大きくなり、リフトピークにおけるバルブのリフト量(以下、リフトストロークともいう)が最も大きな大リフト制御状態になる。また、そこからコントロールアーム12などの回動によってピン32を上方へ移動させると、これに応じて揺動カム4,5の揺動角は小さくなり、図3に示すようにピン32をカムシャフト3の上方に位置付けると、バルブのリフトストロークが最も小さな小リフト制御状態になる。
前記図2に示す大リフト制御状態において、揺動カム5は、同図(b)に示すようにカムノーズの先端側で直動式タペット21を押圧し、該タペット21を介して吸気バルブ2を大きくリフトさせたリフトピークの状態(揺動カム4が直動式タペットを介して吸気バルブ1を大きくリフトさせた状態)と、同図(a)に示すように吸気バルブ2(吸気バルブ1)のリフト量が零になる状態との間で揺動する。小リフト制御状態である図3の場合も同様にリフトピークの状態(カムノーズの基端側でタペット21を押圧)とリフト量零の状態との間で揺動する(同図(a)及び(b)参照)。
(可変動弁装置の動作)
以下、そのようなリンクやカムの動作を、図4及び図5を参照して具体的に説明する。この両図では、コントロールアーム12、連結リンク8及び規制リンク13については簡略に直線で表しており、また、偏心カム6の中心(オフセットリンク7の外輪の中心)の回転軌跡を符号T0として示している。尚、上述の如く吸気バルブ1と揺動カム4との関係は吸気バルブ2と揺動カム5との関係と同じであって、揺動カム4は揺動カム5と同様に働くので、以下では、吸気バルブ2と揺動カム5との関係について説明する。
以下、そのようなリンクやカムの動作を、図4及び図5を参照して具体的に説明する。この両図では、コントロールアーム12、連結リンク8及び規制リンク13については簡略に直線で表しており、また、偏心カム6の中心(オフセットリンク7の外輪の中心)の回転軌跡を符号T0として示している。尚、上述の如く吸気バルブ1と揺動カム4との関係は吸気バルブ2と揺動カム5との関係と同じであって、揺動カム4は揺動カム5と同様に働くので、以下では、吸気バルブ2と揺動カム5との関係について説明する。
まず、図4を参照して揺動カム5自体のプロファイルを説明すると、この揺動カム5の周面には、曲率半径が所定角度範囲一定の基円面(ベースサークル区間)θ1と、該θ1に続いて曲率半径が漸次大きくなっているカム面(リフト区間)θ2とが形成されている。同図は、前記図2の大リフト制御状態を表しており、コントロールアーム12は大リフト制御位置にある。
同図に実線で示すのは吸気バルブ2がリフトピーク近傍にある図2(b)の状態であり、このときには、連結リンク8によってピン31が最も上方に引き上げられ、揺動カム5は、カム面θ2のカムノーズ先端側がタペット21に当接した状態になっている。一方、仮想線で示すのはリフト量零の状態(図2(a))であり、このときには揺動カム5の基円面θ1がタペット21に接していて、バルブリフト量は零(吸気バルブ2が閉)になっている。
そして、カムシャフト3(偏心カム6)が図の時計回りに回転すると、これに伴いオフセットリンク7の一端側(図の下端側)は、図に矢印で示すようにカムシャフト3の軸心X周りを公転することになるが、このオフセットリンク7の他端部の変位はそこに連結された規制リンク13によって規制される。すなわち、規制リンク13は、コントロールシャフト11の下方に位置付けられたピン32を中心に図の実線の位置と仮想線の位置との間を揺動し、これに伴い、オフセットリンク7の他端側(連結ピン33)は、偏心カム6が1回転する度に、ピン32を中心として往復円弧運動をすることになる(この連結ピン33の運動軌跡をT1として示す)。
前記連結ピン33の往復円弧運動T1に伴い、この同じ連結ピン33によって一端部がオフセットリンク7に連結されている連結リンク8の他端部(ピン31)は、図にT2として示す軌跡で往復円弧運動し、そのピン31によって連結リンク8に連結されている揺動カム5が図の実線の位置と仮想線の位置との間で揺動運動をする。すなわち、前記連結ピン33が上方に移動するときには、連結リンク8によってピン31が上方に引き上げられて、揺動カム5のカムノーズがタペット21を押し下げ、これによりバルブスプリング24(図2参照)を圧縮しながら、吸気バルブ2をリフトさせる。
一方、連結ピン33が下方に移動するときには、連結リンク8によってピン31が下方に押し下げられて、揺動カム5のカムノーズが上昇することになるので、前記の圧縮されたバルブスプリング24の反力によってタペット21が押し上げられて、前記カムノーズの上昇に追従するように上方に移動し、そのタペット21内のリテーナ22によって吸気バルブ2が引き上げられて、吸気ポート25が閉じられる。
つまり、大リフト制御状態では、揺動カム5がその周面の基円面θ1及びカム面θ2の略全体によってタペット21を押圧するように大きく揺動し、このように大きな揺動角に対応してバルブのリフトストロークが大きくなるものである。
また、前記の大リフト制御状態から、コントロールアーム12をコントロールシャフト11の軸心回りに上方へ略水平になるまで回動させて、図3や図5に示すように、規制リンク13の回動軸であるピン32を大リフト制御状態よりもカムシャフト3の回転方向の手前側に位置付けると、小リフト制御状態になる。この図5においても前記図4と同様に吸気バルブ2がリフトピーク近傍にある状態を実線で示し、リフト量零の状態を仮想線で示している。
同図において、カムシャフト3(偏心カム6)が回転すると、前記大リフト制御状態と同様にオフセットリンク7の連結ピン33は規制リンク13によって変位が規制され、コントロールシャフト11の側方に位置するピン32を中心として、往復円弧運動T3をする(規制リンク13は図の実線位置と仮想線位置との間で往復回動する)。そして、その連結ピン33の往復円弧運動T3に伴って連結リンク8のピン31が往復円弧運動T4をし、そのピン31によって連結リンク8に連結されている揺動カム5が、図の実線の位置と仮想線の位置との間で揺動運動をして、吸気バルブ2を開閉するようになる。
つまり、小リフト制御状態では、前記大リフト制御状態と比べて揺動カム5の揺動角が小さくなり、この揺動カム5が、その周面の基円面θ1及びこれに連続するカム面θ2の一部分のみによってタペット21を押圧するようになって、バルブのリフトストロークが小さくなるものである。
(バルブのリフト特性の変化)
次に、上述の如く大リフト制御状態から小リフト制御状態まで変更される吸気バルブ2のリフトカーブを、図6に示す。同図においてグラフL1は、前記揺動カム5が図4の実線位置(大リフト制御状態のリフトピーク近傍)と仮想線位置(ゼロリフト)との間で揺動する大リフト制御状態を示し、一方、グラフL2は、揺動カム5が図5の実線位置(小リフト制御状態のリフトピーク近傍)と仮想線位置(ゼロリフト)との間で揺動する小リフト制御状態を示している。
次に、上述の如く大リフト制御状態から小リフト制御状態まで変更される吸気バルブ2のリフトカーブを、図6に示す。同図においてグラフL1は、前記揺動カム5が図4の実線位置(大リフト制御状態のリフトピーク近傍)と仮想線位置(ゼロリフト)との間で揺動する大リフト制御状態を示し、一方、グラフL2は、揺動カム5が図5の実線位置(小リフト制御状態のリフトピーク近傍)と仮想線位置(ゼロリフト)との間で揺動する小リフト制御状態を示している。
そして、この実施形態では、主にエンジンの運転状態に応じて、前記大リフト制御状態と小リフト制御状態との間で、リフトピークにおけるバルブリフト量(リフトストローク)を図示の如く連続的に変化させるようにしている。すなわち、例えば図7に示すような制御マップを参照して、エンジンの目標トルク(エンジン負荷)及びエンジン回転速度に対応する適切なリフトストロークを求め、このリフトストロークになるようにコントローラ17からモータ15に制御信号を出力する。このモータ15の作動によりコントロールシャフト11が回動して、コントロールアーム12の回動位置が大リフト制御位置及び小リフト制御位置の間の適切な位置になるように制御される。
前記図7の制御マップによれば、コントローラ17は、基本的にエンジンの目標トルク及び回転速度に基づいて、同じ目標トルクであれば高回転側ほどリフト量が大きくなるように、また、同じエンジン回転速度であれば目標トルクが高いほどリフト量が大きくなるように、コントロールアーム12の回動位置を変更するようになっている。つまり、図1に仮想線で示すように、コントローラ17は、前記のようにエンジンへの出力要求に応じて基本的なリフト量の制御を行う基本制御部17aをプログラムの形態で備えている。
そのような基本的なリフト量の制御によって、吸気通路のスロットル弁(吸気絞り弁)は全開としたままで、エンジンへの出力要求に対応する必要な分量の空気を気筒へ充填することができ、この吸気充填量の制御によってエンジンの出力を制御することができる。すなわち、エンジン出力制御のためにスロットル弁によって吸気通路を絞る必要がなくなり、部分負荷域でもスロットル弁を全開とすることによって、エンジンのポンピングロスを低減することができる。
−リフトタイミングの変化−
前記図6から分かるように、この実施形態では、バルブのリフトストロークが小さくなるに従って、リフトピークとなるクランク角位置が徐々に進角している。これは、上述したように、大リフト制御状態から小リフト制御状態への移行にあたって、コントロールアーム12などの回動により規制リンク13の位置をカムシャフト3の回転方向手前側に移動させており、これにより、連結ピン33の往復円弧運動の軌跡が図4のT1の位置から図5のT3の位置へと、カムシャフト3の回転方向手前側に移動することによる。
前記図6から分かるように、この実施形態では、バルブのリフトストロークが小さくなるに従って、リフトピークとなるクランク角位置が徐々に進角している。これは、上述したように、大リフト制御状態から小リフト制御状態への移行にあたって、コントロールアーム12などの回動により規制リンク13の位置をカムシャフト3の回転方向手前側に移動させており、これにより、連結ピン33の往復円弧運動の軌跡が図4のT1の位置から図5のT3の位置へと、カムシャフト3の回転方向手前側に移動することによる。
すなわち、前記図4に示す大リフト制御状態においては、吸気バルブ2がリフトピーク近傍にあるときの偏心カム6の中心は、その回転軌跡T0上の点Taに位置するが、前記図5に示す小リフト制御状態においてはリフトピーク近傍での偏心カム6の中心位置は同図に示す点Tbに移動する。つまり、大リフト制御状態から小リフト制御状態に移行すると、吸気バルブ2のリフトピークは図5に示すように前記回転軌跡T0上の点Ta、Tbの中心角θ3だけ進角するものである。
そのように、バルブのリフトストロークが小さくなるに従って、バルブリフトのピーク時期が進角することから、前記図6に示すように、バルブリフトの大小に拘わらず吸気バルブ2の開弁開始のタイミングを略気筒の上死点付近に揃えることができる。こうすることで、バルブが開くまでのピストンの下降仕事による損失が略発生しなくなり、その分、エンジンのポンピングロスを低減することができる。
−リフトカーブの変化−
また、この実施形態では、エンジンのポンピングロスをさらに低減するために、できるだけ小さいカムシャフト3の回転角(以下、開弁角ともいう)でもって大きなバルブリフトを実現するように、即ちリフトカーブの形状で言えば、比較的高リフトで且つ開弁期間が短い所謂、痩せたリフトカーブとなるようにしている。すなわち、吸気バルブ2のリフトと開弁角との関係は、主に、上述した可変機構の幾何学的な構成によって決まる揺動カム5の動作特性(開弁角に対する揺動角の変化などであり、以下、揺動プロファイルともいう)と、該揺動カム5自体のプロファイルとによって決定されるが、この実施形態では、前記揺動プロファイルは例えば図8に示すようになっている。
また、この実施形態では、エンジンのポンピングロスをさらに低減するために、できるだけ小さいカムシャフト3の回転角(以下、開弁角ともいう)でもって大きなバルブリフトを実現するように、即ちリフトカーブの形状で言えば、比較的高リフトで且つ開弁期間が短い所謂、痩せたリフトカーブとなるようにしている。すなわち、吸気バルブ2のリフトと開弁角との関係は、主に、上述した可変機構の幾何学的な構成によって決まる揺動カム5の動作特性(開弁角に対する揺動角の変化などであり、以下、揺動プロファイルともいう)と、該揺動カム5自体のプロファイルとによって決定されるが、この実施形態では、前記揺動プロファイルは例えば図8に示すようになっている。
同図において、符号E1で示す領域では開弁角の変化に対する揺動角の変化が比較的緩やかであり、一方、符号E2で示す領域を含めてE1以外の領域では、開弁角の変化に対する揺動角の変化が急峻になっている。そして、この実施形態では、詳しい説明は省略するが、前記E2領域における揺動角の急激な切り返しを利用して、吸気バルブ2の動作を開から閉に切換えるようにしており、これにより、バルブを閉じる方向の負の加速度が大きくなり、リフトカーブにおける負の加速度区間が短くなって、前記の痩せたリフトカーブが実現されている。
また、前記E2領域において開弁角の変化に対する揺動角の変化は、リフトストロークの小さいほうが急峻になっており、このことで、吸気バルブ2のリフト特性は、リフトストロークが小さいほど痩せたリフトカーブになる。図9は、小リフト制御状態から大リフト制御状態までの各リフトカーブ(図6参照)に対応するバルブの加速度カーブを示し、同図によれば、小リフト制御状態L2近傍の一部の範囲を除いて、リフトストロークが小さいほど、バルブの負の最大加速度の値(カム面に追従すると仮定して計算した加速度の絶対値)が大きくなっていることが分かる。
前記の如く吸気バルブ2のリフトカーブを負の加速度の大きい「痩せた」ものにすれば、該吸気バルブ2の傘部と吸気ポート25の開口部との間の環状通路断面積が大きくなる時間が比較的長くなるので、吸気の絞り損失を減らしてポンピングロスを低減することができるが、痩せたリフトカーブでは、バルブの負の加速度が大きくなることによって、バルブのジャンプ/バウンスを生じるエンジン回転速度(回転限界)が低くなってしまう。
この点、前記図7の制御マップからも分かるように、基本的にバルブのリフト量(リフトストローク)はエンジンの負荷状態や回転速度に応じて制御されており、リフト量が小さくなるのは相対的にエンジンへの出力要求が低いときであって、このときには通常、エンジン回転速度はあまり高くはならないから、前記のように回転限界が低くなっていても、通常はその回転限界を超えることはない。一方、エンジンへの出力要求が相対的に高いときにはエンジン回転速度も高くなることが多いが、このときには、出力要求の増大に応じてリフト量が大きくなることに伴い、回転限界も高くなるので、通常の運転状態では問題は生じないと考えられる。
つまり、この実施形態の可変動弁装置では、オフセットリンク7や連結リンク8などの可変機構の構成により、バルブのリフトストロークが小さいときほど、バルブの負の加速度が大きな痩せたリフトカーブになるように、リフト特性が変更されることによって、エンジンへの出力要求が比較的低いときにはポンピングロスの低減によって燃費を低減できる一方、エンジンへの出力要求が高いときには回転限界も高くなって、高回転化により十分な最高出力が得られるようになっている。
図10は、この実施形態の可変動弁装置におけるバルブリフト量とエンジン回転限界との関係を示す。図の例では、小リフト制御状態に対応する最小リフト量よりも少しだけ大きなリフト量(図の例では約1.5mmくらい)のときが最も回転限界が低く、そこから図の右側に向かってリフト量が増大するに従い回転限界も上昇して、大リフト制御状態に対応する最大リフト量のときに許容最高回転速度と略同じになっている。
そして、通常の定常的な運転状態であれば、エンジンの回転速度とバルブリフト量との組合せは、同図に白抜きの矢印で模式的に示すように、相対的に出力要求が低いときには図の左側に向かってやや下向きに移動し、また、相対的に出力要求が高いときには図の右側に向かってやや上向きに移動することになり、いずれにしても図示の回転限界曲線よりも下側(低回転側)に位置して、回転限界を超えるとはないのである。
尚、図の例では、バルブリフト量が約1.5mmよりも小さいときには回転限界が高くなっているが、これは、小リフト制御状態L2近傍の一部の範囲においてはリフト量が非常に小さいが故に、図9に示すようにバルブの負の最大加速度も小さくなることに対応している。
(シフトダウン時の制御)
ところで、エンジンの運転中に変速機がシフトダウン作動するときには、ギヤ比の切換えに伴いエンジン回転速度が急上昇することになるが、この際、車速を維持するために要求されるエンジン馬力は殆ど変わらないから、吸気バルブ2のリフト量は、概ねギヤ比の切換え前と同じか、或いはむしろ小さくなるように制御される。この結果、バルブのリフト量が比較的小さくて痩せたリフトカーブになったままで、エンジン回転速度だけが急上昇し、前記図10において黒い矢印で示すように回転限界を越えてしまう(NG)虞れがあった。
ところで、エンジンの運転中に変速機がシフトダウン作動するときには、ギヤ比の切換えに伴いエンジン回転速度が急上昇することになるが、この際、車速を維持するために要求されるエンジン馬力は殆ど変わらないから、吸気バルブ2のリフト量は、概ねギヤ比の切換え前と同じか、或いはむしろ小さくなるように制御される。この結果、バルブのリフト量が比較的小さくて痩せたリフトカーブになったままで、エンジン回転速度だけが急上昇し、前記図10において黒い矢印で示すように回転限界を越えてしまう(NG)虞れがあった。
より具体的には、例えば変速機のギヤが3速から1速へシフトダウンされるときには、図11に模式的に示すようにエンジンの運転状態が、例えば前記図7の制御マップ上において等馬力線上を点Aから点Bへと移動することになり、この点Bの運転状態において、バルブリフト量及びエンジン回転速度によって決まる(図10参照)ジャンプ/バウンス限界域(図にハッチングを入れて示す領域)に入ってしまうのである。
そのようにシフトダウン時などに過渡的に発生する問題に対して、この実施形態では、例えば変速機のシフトダウン作動時のように、エンジンの目標トルクが殆ど変わらないか或いはむしろ低下するにも拘わらず、エンジン回転速度が急上昇するような過渡運転時には、強制的にバルブリフト量を増大させることによって、バルブのジャンプ/バウンスを防止するようにしている。以下、シフトダウン時の可変機構の制御手順を図12〜16に基づいて、具体的に説明する。
図12は、変速機のシフトダウン作動に対応してコントロールユニット17により行われる過渡制御の手順を示すフローチャート図であり、まず、変速機のシフトダウン作動が行われると判定してスタートした後のステップS1において、シフトダウン後のエンジン回転速度N1を予測する。すなわち、自動変速機であれば、そのコントロールユニットからの信号に基づいて、シフトダウン作動の判定やシフトダウン後のエンジン回転速度N1の予測が可能であり、また、手動変速機であれば、例えばシフトゲートに設けたセンサからの信号に基づいて、それらの判定や予測を行うことができる。
続いて、ステップS2において、前記予測したエンジン回転速度N1(以下、予測回転速度ともいう)がエンジンの許容最高回転速度NLを超えているかどうか判定し、この判定がYESであれば(N1>NL)、バルブリフト量をどのように変更しても、回転限界を超えることになるから、このときには後述のステップS11に進んで、シフトダウンの禁止など次善の対策を講じる一方、N1≦NLで判定がNOであれば、リフト量次第では回転限界を越えないようにすることができるから、ステップS3に進む。
ステップS3では、まず、現在のバルブリフト量(リフトストローク)L0及びエンジン回転速度N0に基づき、図13に一例を示すような3次元のマップを参照して、現在のエンジン馬力P1を求め、次いで、そのエンジン馬力P1を前記予測回転速度N1において得るためのバルブリフト量L1を求める(L1の計算)。尚、前記3次元のマップは、バルブリフト量、エンジン回転速度及びエンジン馬力の対応関係を、全閉から全開までの各スロットル弁開度毎に設定したものであるが、前記図13には、スロットル全開時のマップのみを示している。
ここで、前記図13に仮想線で示すように3次元マップをエンジン回転速度N1の断面上で見ると、例えば図14に示すような2次元マップが得られる。この2次元マップは、エンジン回転速度N1のときの各スロットル弁開度毎のバルブリフト量とエンジン馬力との関係を示すものであり、同図にcase1として示すように現在のエンジン馬力P1が最大リフト量(大リフト制御状態)のときのエンジン馬力を上回っていれば、シフトダウン後に現在のエンジン馬力P1を得ることはできない。言い換えると、前記ステップS3においてバルブリフト量L1を求め得ない。
そのようにバルブリフト量L1をマップから求められない場合にステップS4においてNO(L1>Lmax)と判定し、最大リフト量にしても必要な馬力が得られないことから、後述のステップS12においてシフトダウン禁止などの次善の策を講じる一方、バルブリフト量L1をマップから求められた(L1≦Lmax)のであれば、ステップS4においてYESと判定して、ステップS5に進む。
ステップS5では、今度は、前記図10のようなバルブリフト量(リフトストローク)とエンジン回転限界との関係が予め設定されたマップを参照して、図15に模式的に示すように、シフトダウン後の予測回転速度N1においてバルブのジャンプ/バウンスを生じない範囲で最大のバルブリフト量Llim(限界リフト量)を求める。続いて、ステップS6において、前記ステップS3にて求めたバルブリフト量L1を前記限界リフト量Llimと比較する。
そして、図14、15にcase2として示すようにバルブリフト量L1が限界リフト量Llimよりも大きければ(L1>LlimでNOと判定)、シフトダウン後のエンジン回転速度は回転限界を超えないから、変速機のシフトダウン作動を許容し、これによるエンジン回転速度の変化に応じて、後述のステップS10においてバルブリフト量の制御を行った後にリターンする。つまり、予測回転速度N1に基づいてシフトダウン後にエンジンが回転限界を超えないと判定したときには、通常のシフトダウン制御を行う。
これに対し、前記図14、15にcase3として示すように、バルブリフト量L1が限界リフト量Llim以下であれば(L1≦Llim)、シフトダウン後のエンジン回転速度が回転限界を超えて、バルブのジャンプ/バウンスを生じることになるから(図15にNGと示す)、前記ステップS6でYESと判定し、続くステップS7〜S10において、バルブリフト量を強制的に増大させるようにする。
すなわち、まず、ステップS7において、前記図14に示すエンジン回転速度N1の2次元マップから、限界リフト量Llimのときのスロットル全開馬力P2を計算し、続くステップS8で念のためP2、P1を比較する。そして、図14などの特性ではあり得ないが、仮にP1>P2であって、ジャンプを回避可能なリフト量では必要な馬力P1が得られない場合には、ステップS12においてシフトダウン禁止などの次善の策を講じる一方、P1≦P2であれば、ステップS9に進む。
ステップS9では、前記図14の2次元のマップから限界リフト量Llimのときにエンジン馬力P1が得られるスロットル弁の開度を求めて(図の例では約80%開度)、その開度になるようにスロットル弁を閉じ側に作動させる。こうして全開になっているスロットル弁を少し閉じて、吸気の流量を減少させることにより、目標トルクに対して必要なバルブリフト量が一時的に大きくなる。言い換えると、図16に模式的に示すように、図7の制御マップにおけるリフトストロークの特性が全体的に下側にシフトし、これに伴い、ジャンプ/バウンス限界域が高回転側にシフトすることになる。
そのため、前記のシフトした制御マップに基づいてバルブリフト量が制御されると(ステップS10)、エンジンの運転状態が図11の場合と同様に等馬力線上を点Aから点Bへと移動したとしても、その点Bの運転状態におけるバルブのリフト量は通常よりも(前記ステップS3にて求めたバルブリフト量L1よりも)大きくなり(具体的には前記限界リフト量Llimになる)、前記図16に示すように、マップ上のジャンプ/バウンス限界域には入らないようになる。
つまり、予測回転速度N1に基づいてシフトダウン後にエンジンが回転限界を超えると判定したときには、まず、全開になっているスロットル弁を少し閉じて、目標トルクに対して必要なバルブリフト量を一時的に大きくすることにより、強制的にバルブリフト量を大きくし、このことによって、バルブのジャンプ/バウンスを防止するものである。
言い換えると、この実施形態では、バルブのリフト量を強制的に増大させることによって、ジャンプ/バウンスを防止するとともに、これに伴う気筒の吸気充填量の増大をスロットル弁の閉じ側への作動による吸気流量の減少によって打ち消して、シフトダウンの前後でエンジン馬力を略一定に維持するようにしている。
尚、前記ステップS2においてYESと判定して進んだステップS11においては、自動変速機の場合にはシフトダウンを禁止し、手動変速機の場合にはシフトダウン後に燃料カット制御を行ってから前記ステップS10に進む。また、前記ステップS4、S8などでNOと判定して進んだステップS12においては、自動変速機の場合にはシフトダウンを禁止する一方、手動変速機の場合には、エンジン回転速度N1でもジャンプせず、且つエンジン馬力が最も高くなるバルブリフト量に設定して、前記ステップS10に進むようにすればよい。
前記図12に示すようにコントロールユニット17によって実行される過渡制御のフローにおいて、ステップS1により、変速機のシフトダウン作動に伴い急上昇するエンジン回転速度N1を予測する前記コントロールユニット17の予測部17b(予測手段)が、また、ステップS3〜S6により、前記予測部17bによって予測されたエンジン回転速度N1が、バルブリフト特性によって決まるエンジンの回転限界Llimを越えるか否か判定する判定部17c(判定手段)が、それぞれ構成されている。
また、前記フローのステップS10により、変速機のシフトダウン作動に伴いエンジン回転速度が急上昇するときに、前記判定部17cによってエンジン回転速度が回転限界を越えると判定されれば、エンジンの負荷状態が同じか又は低下するときであっても、強制的にバルブリフト量を増大させる過渡制御部17dが構成されている。
さらに、前記フローのステップS9により、前記過渡制御部17dによってバルブリフト量が増大するように可変機構が制御されるときに、これに伴うエンジン出力の増大を打ち消すために、スロットル弁のモータ(アクチュエータ)を該スロットル弁が吸気通路を絞る側に作動するように制御する補正制御部17e(補正制御手段)が構成されている。
したがって、この実施形態に係る可変動弁装置によると、まず、吸気側の動弁系に設けた可変機構をエンジンの運転状態に応じて制御して、吸気バルブ1,2のリフトストロークを変更することにより、各気筒に必要な分量の空気を充填することができ、これによりエンジンの出力制御が可能になる。このため、部分負荷域でもスロットル弁を全開とすることができ、ポンピングロスの低減によって燃費の低減が図られる。
また、前記可変機構の構成により、概略、吸気バルブ1,2のリフトストロークが小さいほど、当該バルブの負の加速度が大きくなるように、即ち痩せたリフトカーブとなるようにリフト特性が変更されるので、比較的リフトストロークが小さい低負荷低回転側の運転領域においてはバルブによる吸気の絞り損失も比較的小さくなり、このことによってもポンピングロスを低減できる。しかも、通常の運転状態であれば、バルブリフトの小さいときにはエンジン回転速度もあまり高くはならないので、このときに回転限界を超えることはない。
一方、比較的リフトストロークが大きな高負荷乃至高回転側の運転領域においては、エンジンへの出力要求の増大に対応して吸気バルブ1,2のリフトストロークが大きくされ、これに伴いバルブの負の加速度が小さくなるので、その分、回転限界が高くなって十分なエンジン出力を確保できるようになる。
つまり、この実施形態の可変動弁装置によれば、その基本的な特性として、あまり出力要求の高くない常用運転域において燃費を低減できる一方、全負荷域などではエンジンの最高出力を十分に高くすることができる。
さらに、例えば変速機のシフトダウン作動に伴いエンジン回転速度が急上昇するときには、エンジンへの出力要求が殆ど同じか或いはむしろ低下するときであっても、強制的にバルブリフト量(リフトストローク)を大きくすることによって回転限界を高くすることができ、これにより、吸気バルブ1,2のジャンプ/バウンスの発生を防止して、エンジンの信頼性を確保することができる。このことによって変速機のシフトダウン制御に対する制約を緩和することができ、ひいてはドライバビリティを向上できる。
加えて、前記のようにバルブのリフトストロークを強制的に増大させるときには、このことによる気筒の吸気充填量の増大をスロットル弁の閉じ側への作動によって打ち消して、シフトダウンの前後でエンジン馬力を略一定に維持することができる。これにより、運転者の違和感を防止することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態ものに限定されることなく、その他の種々の構成をも包含するものである。すなわち、例えばエンジンの動弁系に設ける可変機構の具体的な構成は、前記実施形態のものに限定されず、要するに、バルブリフトとエンジン回転限界との間に図10に示すような関係が成立するものであればよい。
また、前記実施形態の制御によれば、シフトダウン時にバルブリフト量を強制的に増大させるようにしているが、これに限らず、シフトダウン時以外でも、エンジン回転速度が急上昇する所定の過渡運転状態においてバルブリフト量を強制的に増大させるようにすればよい。
また、前記実施形態では、図12のフローのステップS1〜S6に示すように、シフトダウン後のエンジン回転速度を予測して、その予測回転速度N1がエンジンの回転限界を超えるときにのみ、バルブリフト量を強制的に増大させるようにしているが、これに限らず、例えば変速段が2段以上、シフトダウンするときなど、特定のシフトダウン作動に対してはいつでもバルブリフト量を強制的に増大させるようにすることもできる。
さらに、前記実施形態では、前記のようにバルブリフト量を強制的に増大させるときに、これによるエンジン馬力の変化を打ち消すように、スロットル弁を閉じ側に作動させるようにしているが、これに限らず、或いはこれに加えて、例えば点火時期の制御によってエンジン馬力を調整するようにしてもよい。
さらにまた、前記実施形態の可変機構は、図9や図10に示すように、概略、バルブのリフトストロークが小さいほど、その負の加速度が大きくなって回転限界が低くなるように、リフト特性を変更するものであるが、これに限らず、例えば図17や図18に示すように、予め設定した中リフト量よりもリフト量の大きなときにはバルブの負の最大加速度が所定値よりも小さくなって、回転限界が十分に高くなるように、リフト特性を変更するものとしてもよい。
すなわち、図18においては、バルブリフト量(リフトストローク)が約3〜4mmの範囲でリフト量の増大に応じて回転限界が急激に高くなっており、約4mm以上では許容最高回転速度と略同じになっている。こうするためには、図17に加速度カーブの一例を示すように、リフト量が約4mm以上でバルブの負の最大加速度が所定値以下となるように可変機構を構成すればよい。ここで、前記約3〜4mmの範囲よりも大きいとき、というのは、変速機のシフトダウン作動が頻繁に起きるエンジンの中負荷中回転領域を含むように実験的に設定すればよく、そうすれば、そのようなシフトダウン時には特別な過渡制御を行わなくても、エンジン回転限界を超えることはなくなる。
一方、前記図18においてバルブリフト量が約3mm以下のときには、エンジンの回転限界が図10のグラフと同様に低くなっている。これは、図17から分かるように、リフト量が低いときにはバルブの負の最大加速度が所定値よりも大きくなっていて、これにより非常に痩せたリフトカーブになるからであり、このことによって低負荷低回転領域では前記実施形態のものと同様にエンジンのポンピングロスを低減することができる。
そのように回転限界が低くなっていても、低負荷低回転領域では変速機のシフトダウン作動はあまり行われないので、この場合には、コントロールユニット17に過渡制御部17aを設けないことも可能であるが、過渡制御部17aを設けておけば、仮にシフトダウン作動が行われてエンジン回転速度が急上昇したとしても、前記実施形態と同様にバルブのジャンプ/バウンスを防止することができる。
本発明は、エンジンの吸排気バルブの開閉時期やバルブリフト量を変化させるようにする可変動弁装置であって、常用運転域における燃費の低減と高負荷域における出力の確保とを図りながら、シフトダウン時などのバルブのジャンプ/バウンスを防止して、エンジンの信頼性を確保することができるので、例えば自動車用エンジンの動弁装置として特に有用である。
1,2 吸気バルブ
3 カムシャフト
4,5 揺動カム(可変機構)
6 偏心カム(可変機構)
7 オフセットリンク(可変機構)
8 連結リンク(可変機構)
11 コントロールシャフト(可変機構)
12 コントロールアーム(可変機構)
13 規制リンク(可変機構)
17 コントロールユニット(制御手段)
17a 基本制御部
17b 予測部(予測手段)
17c 判定部(判定手段)
17d 過渡制御部
17e 補正制御部(補正制御手段)
3 カムシャフト
4,5 揺動カム(可変機構)
6 偏心カム(可変機構)
7 オフセットリンク(可変機構)
8 連結リンク(可変機構)
11 コントロールシャフト(可変機構)
12 コントロールアーム(可変機構)
13 規制リンク(可変機構)
17 コントロールユニット(制御手段)
17a 基本制御部
17b 予測部(予測手段)
17c 判定部(判定手段)
17d 過渡制御部
17e 補正制御部(補正制御手段)
Claims (8)
- エンジンの動弁系にバルブリフト量を連続的に変更可能な可変機構を設けるとともに、該可変機構を少なくともエンジンの運転状態に応じて制御する制御手段を備えた可変動弁装置であって、
前記可変機構は、バルブリフト量の変更範囲の少なくとも一部において、リフト量が小さいほど負の加速度が大きくなるようにバルブリフト特性を変更するものであり、
前記制御手段は、バルブリフト量が前記少なくとも一部の変更範囲にあって且つエンジン回転速度が急上昇する所定の過渡運転状態において、バルブリフト量が増大するように前記可変機構を制御する過渡制御部を備えている
ことを特徴とするエンジンの可変動弁装置。 - 請求項1の可変動弁装置において、
制御手段の過渡制御部は、変速機のシフトダウン作動に伴うエンジン回転速度の上昇に対応して、可変機構の制御を行うものであることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。 - 請求項1又は2のいずれかの可変動弁装置において、
上昇後のエンジン回転速度を予測する予測手段と、
前記予測手段によって予測されたエンジン回転速度が、バルブリフト特性によって決まるエンジンの回転限界を越えるか否か判定する判定手段と、を備え、
制御手段の過渡制御部は、前記判定手段によってエンジン回転速度が回転限界を越えると判定されたときに、可変機構の制御を行うものである
ことを特徴とするエンジンの可変動弁装置。 - 請求項2の可変動弁装置において、
制御手段は、エンジンの負荷状態及び回転速度に基づいて、少なくとも同じ回転速度であれば、高負荷側ほどバルブリフト量が大きくなるように可変機構を制御する基本制御部を備え、
過渡制御部は、変速機のシフトダウン作動に伴うエンジン回転速度の上昇に対応して、エンジンの負荷状態が同じか又は低下するときであっても、バルブリフト量を強制的に増大させるものである
ことを特徴とするエンジンの可変動弁装置。 - エンジンの動弁系にバルブリフト量を連続的に変更可能な可変機構を設けるとともに、該可変機構を少なくともエンジンの運転状態に応じて制御する制御手段を備えた可変動弁装置であって、
前記可変機構は、バルブリフト量の変更範囲において、予め設定した中リフト量よりもリフト量の大きなときのバルブの負の最大加速度が所定値よりも小さくなる一方、その中リフト量以下のときには前記所定値よりも設定幅以上、大きくなるように、バルブリフト特性を変更するものであることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。 - 請求項5の可変動弁装置において、
可変機構を制御する制御手段は、バルブリフト量が中リフト量以下の範囲にあって且つエンジン回転速度が急上昇する所定の過渡運転状態において、バルブリフト量が増大するように前記可変機構を制御する過渡制御部を備えていることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。 - 請求項1〜4、6のいずれか1つの可変動弁装置において、
制御手段の過渡制御部によってバルブリフト量が増大するように可変機構が制御されるときに、これに伴うエンジン出力の増大を打ち消すような補正制御を行う補正制御手段を備えている
ことを特徴とするエンジンの可変動弁装置。 - 請求項7の可変動弁装置において、
エンジンは、アクチュエータにより作動されて吸気通路を絞る絞り弁を備え、
補正制御手段は、前記アクチュエータを、絞り弁が吸気通路を絞る側に作動するように制御するものであることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009108722A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の可変動弁機構制御装置 |
JP2009156150A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Nissan Motor Co Ltd | ハイブリッド車両の制御装置及び制御方法 |
JP2010169005A (ja) * | 2009-01-23 | 2010-08-05 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関の可変動弁装置 |
JP2010285951A (ja) * | 2009-06-12 | 2010-12-24 | Mazda Motor Corp | エンジンのバルブタイミング制御装置 |
-
2004
- 2004-09-28 JP JP2004280952A patent/JP2006097473A/ja active Pending
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