JP2006096936A - α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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伸一 熊本
Kenichiro Yada
健一郎 矢田
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Abstract

【課題】 水素による分子量制御性に優れ、高活性で高立体規則性のα−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 以下の成分(A)、(B)および(C)を互いに接触させて得られるα−オレフィン重合用触媒。
(A)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)を、有機マグネシウム化合物(iii)で還元して得られる固体成分(a)、ハロゲン化化合物(b)および電子供与体(c)を互いに接触処理させて得られる固体触媒成分
(B)有機アルミニウム化合物
(C)アルキルアミノ基含有ケイ素化合物
また、該α−オレフィン重合用触媒を用いてα−オレフィンを重合するα−オレフィン重合体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法に関する。
プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィンの重合体を製造する方法として、周期表第4〜第6族遷移金属の化合物を用いて調製した固体触媒成分と、周期表第1、2、13族金属の有機金属化合物とからなるいわゆるチーグラー−ナッタ触媒を使用することはよく知られている。
α−オレフィン重合体を製造する際には、通常、工業的に利用価値の高い立体規則性α−オレフィン重合体とともに無定形重合体が副生する。この無定形重合体は工業的に利用価値が低く、α−オレフィン重合体を射出成型品、押出成形品、繊維、その他の加工品に加工して使用する際の機械的物性に大きく悪影響をおよぼす。また、無定形重合体の副生は、原料であるα−オレフィンの損失を招くとともに、無定形重合体を除去するための設備が必要となり、工業的にも極めて大きな不利益を招く。従って、α−オレフィン重合体を製造するための触媒は、このような無定形重合体の副生が全く無いか、あるいは、副生しても極めて僅かであることが望ましい。
かかるα−オレフィン重合用触媒の具体例としては、有機ケイ素化合物およびエステル化合物の存在下、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られるマグネシウム原子、チタン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体成分をエステル化合物で処理したのち、ハロゲン化化合物(例えば四塩化チタン)および電子供与体(例えば、エーテル化合物、エーテル化合物とエステル化合物の混合物)と接触処理することにより得られる3価のチタン化合物含有固体触媒成分と、助触媒の有機アルミニウム化合物と、第三成分の電子供与性化合物との組み合わせにより、α−オレフィンの高立体規則性重合が実現できることが知られている(特許文献1)。
また、有機ケイ素化合物およびエステル化合物の存在下、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られるマグネシウム原子、チタン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体成分を、ハロゲン化化合物(例えば四塩化チタン)、電子供与体(例えば、エーテル化合物、エーテル化合物とエステル化合物の混合物)、および有機酸ハライドと接触処理することにより得られる3価のチタン化合物含有固体触媒成分と、助触媒の有機アルミニウム化合物と、第三成分の電子供与性化合物との組み合わせにおいてもα−オレフィンの高立体規則性重合が実現できることが知られている(特許文献2)。
特開平7−216017号公報 特開平10−212319号公報
重合用触媒の高性能化に伴い、立体規則性重合能は飛躍的に向上したが、一方で、工業的に有利な分子量調節剤である水素に対する応答性が十分でないことがあり、その場合にはより高い剛性を発現する低分子量ポリプロピレンの製造において大量の水素が必要となりなど、様々なプロセス上の制約を受けるという問題があった。
かかる現状において、本発明の解決すべき課題、即ち本発明の目的は、水素による分子量制御性に優れ、高活性で高立体規則性のα−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の成分(A)、(B)および(C)を互いに接触させて得られるα−オレフィン重合用触媒にかかるものである。
(A)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)を、有機マグネシウム化合物(iii)で還元して得られる固体成分(a)、ハロゲン化化合物(b)および電子供与体(c)を互いに接触処理させて得られる固体触媒成分
(B)有機アルミニウム化合物
(C)アルキルアミノ基含有ケイ素化合物
また本発明は、該α−オレフィン重合用触媒を用いてα−オレフィンを重合するα−オレフィン重合体の製造方法にかかるものである。
本発明によれば、水素による分子量制御性に優れ、プロセス上の制約を低減した高活性で高立体規則性のα−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法が提供される。
以下、本発明について具体的に説明する。
(a)固体成分
本発明において使用する固体成分(a)は、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、下記一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)を、有機マグネシウム化合物(iii)で還元して得られる固体成分である。このとき任意成分としてエステル化合物(iv)を共存させると、重合活性や立体規則性重合能がさらに向上するため好ましい。
Figure 2006096936
(上記式中、aは1〜20の数を表し、R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。X2はハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのX2は同一であっても異なっていてもよい。)
Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)としては、下記の一般式で表わされるものが挙げられる。
Si(OR10t11 4-t
12(R13 2SiO)uSiR14 3、または、
(R15 2SiO)v
ここにR10は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、R11、R12、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。tは0<t≦4を満足する整数を表し、uは1〜1000の整数を表し、vは2〜1000の整数を表す。
かかる有機ケイ素化合物(i)の具体例としては、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、テトライソプロポキシシラン、ジイソプロポキシ−ジイソプロピルシラン、テトラプロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ヘキサメチルジシロヘキサン、ヘキサエチルジシロヘキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン等を例示することができる。
これらの有機ケイ素化合物(i)のうち好ましいものは一般式Si(OR10t11 4-tで表わされるアルコキシシラン化合物であり、その場合、tは好ましくは1≦t≦4を満足する数であり、特にt=4のテトラアルコキシシランが好ましく、最も好ましくはテトラエトキシシランである。
チタン化合物(ii)は下記一般式[I]で表されるチタン化合物である。
Figure 2006096936
(上記式中、aは1〜20の数を表し、R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。X2はハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのX2は同一であっても異なっていてもよい。)
2の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プロペニル基等のアリル基、ベンジル基等のアラルキル基等が例示される。
これらの炭化水素基のうち、炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基が好ましい。特に炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基が好ましい。
2 におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。特に塩素原子が好ましい。X2 における炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基は、R2 と同様に炭素原子数1〜20の炭化水素基を有する炭化水素オキシ基である。X2 として特に好ましくは、炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基を有するアルコキシ基が好ましい。
上記一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)におけるaは1〜20の数を表し、好ましくは1≦a≦5を満足する数である。
かかるチタン化合物(ii)の具体例を挙げると、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトラiso−プロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラiso−ブトキシチタン、n−ブトキシチタントリクロライド、ジn−ブトキシチタンジクロライド、トリn−ブトキシチタンクロライド、ジn−テトライソプロピルポリチタネート(a=2〜10の範囲の混合物)、テトラn−ブチルポリチタネート(a=2〜10の範囲の混合物)、テトラn−ヘキシルポリチタネート(a=2〜10の範囲の混合物)、テトラn−オクチルポリチタネート(a=2〜10の範囲の混合物)が挙げられる。また、テトラアルコキシチタンに少量の水を反応して得られるテトラアルコキシチタンの縮合物を挙げることもできる。
チタン化合物(ii)として好ましくは、上記一般式[I]で表されるチタン化合物におけるaが1、2または4であるチタン化合物である。
特に好ましくは、テトラn−ブトキシチタン、テトラn−ブチルチタニウムダイマーまたはテトラn−ブチルチタニウムテトラマーである。
なお、チタン化合物(ii)は単独で用いてもよいし、複数種を混合した状態で用いることも可能である。
有機マグネシウム化合物(iii)は、マグネシウム−炭素の結合を有する任意の型の有機マグネシウム化合物である。特に一般式R16MgX5(式中、Mgはマグネシウム原子を、R16は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、X5はハロゲン原子を表わす。)で表わされるグリニャール化合物、または一般式R1718Mg(式中、Mgはマグネシウム原子を、R17およびR18はそれぞれ炭素原子数1〜20の炭化水素基を表わす。)で表わされるジハイドロカルビルマグネシウムが好適に使用される。ここでR17およびR18は同一でも異なっていてもよい。 R16〜 R18の具体例としてはそれぞれ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基が挙げられる。特にR16MgX5で表されるグリニャール化合物をエーテル溶液で使用することが重合活性、立体規則性の点から好ましい。
上記の有機マグネシウム化合物(iii)は、炭化水素溶媒に可溶化するために他の有機金属化合物との錯体として使用することもできる。有機金属化合物の具体例としては、リチウム、ベリリウム、アルミニウムまたは亜鉛の化合物が挙げられる。
エステル化合物(iv)としては、モノまたは多価のカルボン酸エステルが挙げられ、それらの例として飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルを挙げることができる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジn−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジn−ヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル等を挙げることができる。
これらのエステル化合物のうち、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル等の不飽和脂肪族カルボン酸エステル、またはフタル酸エステル等の芳香族カルボン酸エステルが好ましく、特にフタル酸のジアルキルエステルが好ましく用いられる。
固体成分(a)は、有機ケイ素化合物(i)の存在下、あるいは有機ケイ素化合物(i)およびエステル化合物(iv)の存在下、チタン化合物(ii)を有機マグネシウム化合物(iii)で還元して得られる。具体的には、有機ケイ素化合物(i)、チタン化合物(ii)、必要に応じてエステル化合物(iv)の混合物中に、有機マグネシウム化合物(iii)を投入する方法が好ましい。
チタン化合物(ii)、有機ケイ素化合物(i)およびエステル化合物(iv)は適当な溶媒に溶解もしくはスラリー状にして使用するのが好ましい。
かかる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物が挙げられる。
還元反応温度は、通常−50〜70℃、好ましくは−30〜50℃、特に好ましくは−25〜35℃の温度範囲である。
有機マグネシウム(iii)の投入時間は特に制限はないが、通常30分〜10時間程度である。有機マグネシウムの(iii)の投入に伴い還元反応が進行するが、投入後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
また還元反応の際に、無機酸化物、有機ポリマー等の多孔質担体を共存させ、固体成分を多孔質担体に含浸させることも可能である。用いられる多孔質担体としては、公知のものでよい。具体例としては、SiO2、Al23、MgO、TiO2、ZrO2等に代表される多孔質無機酸化物、あるいはポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−エチレングリコール−ジメタクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機多孔質ポリマー等を挙げることができる。これらのうち、好ましくは有機多孔質ポリマーが用いられ、なかでもスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、またはアクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体が特に好ましい。
多孔質担体は、細孔半径20nm〜200nmにおける細孔容量が好ましくは0.3cm3/g以上、より好ましくは0.4cm3/g以上であり、かつ該細孔半径の範囲における細孔容量は、細孔半径3.5nm〜7500nmにおける細孔容量の好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。多孔質担体の細孔容量が小さいと触媒成分を有効に固定化することができないことがあり、好ましくない。また、多孔質担体の細孔容量が0.3cm3/g以上であっても、それが20nm〜200nmの細孔半径の範囲に十分存在するものでなければ触媒成分を有効に固定化することができない場合があり、好ましくない。
有機ケイ素化合物(i)の使用量は、チタン化合物(ii)中の総チタン原子に対するケイ素原子の原子数の比で、通常Si/Ti=1〜500、好ましくは1.5〜300、特に好ましくは3〜100の範囲である。
さらに、有機マグネシウム化合物(iii)の使用量は、チタン原子とケイ素原子の和とマグネシウム原子の原子数の比で通常(Ti+Si)/Mg=0.1〜10、好ましくは0.2〜5.0、特に好ましくは0.5〜2.0の範囲である。
また、固体触媒成分におけるMg/Tiのモル比の値は、通常1〜51、好ましくは2〜31、特に好ましくは4〜26の範囲となるようにチタン化合物(ii)、有機ケイ素化合物(i)、有機マグネシウム化合物(iii)の使用量を決定する。
また、任意成分のエステル化合物(iv)の使用量は、チタン化合物(ii)のチタン原子に対するエステル化合物のモル比で、通常、エステル化合物/Ti=0.05〜100、好ましくは0.1〜60、特に好ましくは0.2〜30の範囲である。
還元反応で得られた固体成分は通常、固液分離し、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の不活性炭化水素溶媒で数回洗浄を行う。
このようにして得られた固体成分(a)は3価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性もしくは極めて弱い結晶性を示す。重合活性および立体規則性の点から、特に非晶性の構造が好ましい。
(b)ハロゲン化化合物
ハロゲン化化合物としては、固体成分(a)中の炭化水素オキシ基をハロゲン原子に置換し得る化合物が好ましい。なかでも、第4族元素のハロゲン化合物、第13族元素のハロゲン化合物、または第14族元素のハロゲン化合物が好ましく、特に第4族元素のハロゲン化合物または第14族元素のハロゲン化合物が好ましい。
第4族元素のハロゲン化合物としては、一般式M1(OR9b4 4-b(式中、M1は第4族の原子を表し、R9は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、X4はハロゲン原子を表し、bは0≦b<4を満足する数を表す。)で表されるハロゲン化合物が好ましい。M1の具体例としては、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子が挙げられ、なかでもチタン原子が好ましい。R9の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、tert−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、プロペニル基等のアリル基、ベンジル基等のアラルキル基等が例示される。これらの中で炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基が好ましい。特に炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基が好ましい。また、2種以上の異なるOR9基を有する第4族元素のハロゲン化合物を用いることも可能である。
4で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。この中で、特に塩素原子が好ましい結果を与える。
一般式M1(OR9b4 4-bで表される第4族元素のハロゲン化合物のbは、0≦b<4を満足する数であり、好ましくは0≦b≦2を満足する数であり、特に好ましくは、b=0である。
一般式M1(OR9b4 4-bで表されるハロゲン化合物として具体的には、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン等のテトラハロゲン化チタン、メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、ブトキシチタントリクロライド、フェノキシチタントリクロライド、エトキシチタントリブロマイド等のトリハロゲン化アルコキシチタン、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジブトキシチタンジクロライド、ジフェノキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジブロマイド等のジハロゲン化ジアルコキシチタンが挙げられ、同様にそれぞれに対応したジルコニウム化合物、ハフニウム化合物を挙げることができる。最も好ましくは四塩化チタンである
周期表第13族元素のハロゲン化合物または第14族元素のハロゲン化合物としては、一般式M21 m-c8 c(式中、M2は第13族または第14族の原子を、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、X8はハロゲン原子を、mはM2の原子価に相当する数を表す。cは0<c≦mを満足する数を表す。)で表される化合物が好ましい。
ここでいう第13族の原子としてはホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子、インジウム原子、タリウム原子が挙げられ、ホウ素原子またはアルミニウム原子が好ましく、アルミニウム原子がより好ましい。また、第14族の原子としては炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、錫原子、鉛原子が挙げられ、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子が好ましく、ケイ素原子または錫原子がより好ましい。
mはM2の原子価に相当する数であり、例えばM2がケイ素原子のときm=4である。
cは0<c≦mを満足する数を表し、M2がケイ素原子のときcは好ましくは3または4である。
8で表されるハロゲン原子としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子が好ましい。
1の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プロペニル基等のアルケニル基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。好ましいR1はアルキル基またはアリール基であり、特に好ましいR1はメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、フェニル基またはパラトリル基である。
第13族元素のハロゲン化合物として具体的には、トリクロロボラン、メチルジクロロボラン、エチルジクロロボラン、フェニルジクロロボラン、シクロヘキシルジクロロボラン、ジメチルクロロボラン、メチルエチルクロロボラン、トリクロロアルミニウム、メチルジクロロアルミニウム、エチルジクロロアルミニウム、フェニルジクロロアルミニウム、シクロヘキシルジクロロアルミニウム、ジメチルクロロアルミニウム、ジエチルクロロアルミニウム、メチルエチルクロロアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロライド、ガリウムクロライド、ガリウムジクロライド、トリクロロガリウム、メチルジクロロガリウム、エチルジクロロガリウム、フェニルジクロロガリウム、シクロヘキシルジクロロガリウム、ジメチルクロロガリウム、メチルエチルクロロガリウム、インジウムクロライド、インジウムトリクロライド、メチルインジウムジクロライド、フェニルインジウムジクロライド、ジメチルインジウムクロライド、タリウムクロライド、タリウムトリクロライド、メチルタリウムジクロライド、フェニルタリウムジクロライド、ジメチルタリウムクロライド等が挙げられ、これら化合物名のクロロを、フルオロ、ブロモまたはヨードに置き換えた化合物も挙げられる。
第14族元素のハロゲン化合物として具体的には、テトラクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロメタン、モノクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、ノルマルブチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、パラトリルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、ジクロロシラン、メチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、モノクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、テトラクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、メチルトリクロロゲルマン、エチルトリクロロゲルマン、フェニルトリクロロゲルマン、ジクロロゲルマン、ジメチルジクロロゲルマン、ジエチルジクロロゲルマン、ジフェニルジクロロゲルマン、モノクロロゲルマン、トリメチルクロロゲルマン、トリエチルクロロゲルマン、トリノルマルブチルクロロゲルマン、テトラクロロ錫、メチルトリクロロ錫、ノルマルブチルトリクロロ錫、ジメチルジクロロ錫、ジノルマルブチルジクロロ錫、ジイソブチルジクロロ錫、ジフェニルジクロロ錫、ジビニルジクロロ錫、メチルトリクロロ錫、フェニルトリクロロ錫、ジクロロ鉛、メチルクロロ鉛、フェニルクロロ鉛等が挙げられ、これら化合物名のクロロを、フルオロ、ブロモまたはヨードに置き換えた化合物も挙げられる。
第14族元素のハロゲン化合物として好ましくは、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、ノルマルブチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、テトラクロロ錫、メチルトリクロロ錫またはノルマルブチルトリクロロ錫が用いられる。
ハロゲン化化合物(b)として、テトラクロロチタン、メチルジクロロアルミニウム、エチルジクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシランまたはテトラクロロ錫が、重合活性の観点から、特に好ましい。
ハロゲン化化合物(b)として、上記化合物の中から単独で用いてもよいし、複数種を用いてもよい。

(c)電子供与体
電子供与体(c)としては、酸素原子、窒素原子、リン原子または硫黄原子を有する化合物が好ましく、酸素原子または窒素原子を有する化合物がより好ましい。酸素原子を有する化合物としては、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、有機酸または無機酸の酸アミド類、酸ハロゲン化物類、酸無水物類等が挙げられ、窒素原子を有する化合物としては、アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等を挙げることができる。これら電子供与性化合物のうち好ましくはフタル酸誘導体(c1)、1,3−ジエーテル化合物(c2)、またはジアルキルエーテル化合物(c3)であり、上記の化合物から少なくともフタル酸誘導体(c1)を用いることが好ましい。
フタル酸誘導体(c1)としては、次の一般式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006096936
(ただし、R24〜R27はそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基、S6およびS7はそれぞれ独立にハロゲン原子であるか、または、水素原子、炭素原子、酸素原子およびハロゲン原子のうちの複数を任意に組み合わせて形成される置換基である。)
24〜R27としては、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基が好ましく、R24〜R27の任意の組み合わせは互いに結合して環を形成していてもよい。S6およびS7としては、それぞれ独立に塩素原子、水酸基、または炭素原子数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
フタル酸誘導体(c1)の具体例としては、フタル酸、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルプロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジノルマルブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジノルマルヘキシル、フタル酸ジノルマルヘプチル、フタル酸ジイソヘプチル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノルマルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジクロライドが挙げられる。
フタル酸誘導体(c1)として、上記のようなフタル酸エステル以外のものを用いても、この方法においては固体触媒成分の調製過程でフタル酸エステルが生成しうる。固体触媒成分(A)としては、上記一般式においてS6およびS7が炭素原子数6以下のアルコキシ基であるフタル酸エステルを含有することが好ましく、少なくともフタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルプロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジノルマルブチルまたはフタル酸ジイソブチルを含有することがより好ましい。
1,3−ジエーテル化合物(c2)の例としては、下記一般式
Figure 2006096936
(ただし、R5 〜R8 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは脂環式のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、R6 およびR7 はそれぞれ独立に水素原子であってもよい。)で表されるジエーテル化合物を挙げることができる。
1,3−ジエーテル化合物(c2)の具体例としては、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−ジメチルオクチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ノルマルヘプチル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等を挙げることができ、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、または2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパンが好ましく用いられる。
ジアルキルエーテル化合物(c3)としては、下記一般式
41−O−R42
(ただし、R41およびR42はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは脂環式のアルキル基である。)で表されるエーテル化合物である。
ジアルキルエーテル化合物(c3)の具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジn−アミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルn−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル等を挙げることができ、ジn−ブチルエーテルが好ましく用いられる。
固体触媒成分(A)の調製
本発明の固体触媒成分(A)は、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)を、有機マグネシウム化合物(iii)で還元して得られる固体成分(a)、ハロゲン化化合物(b)および電子供与体(c)を互いに接触処理させて得られる。これらの接触処理は通常、全て窒素ガス、アルゴンガス等の不活性気体雰囲気下で行われる。
固体触媒成分(A)を得る接触処理の具体的な方法としては、
・(a)に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(b)に、(a)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(c)に、(a)および(b)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(b)を投入し、接触処理した後に、(c)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c)を投入し、接触処理した後に、(b)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c)を投入し、接触処理した後に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c)を投入し、接触処理した後に、(b)および(c)の混合物を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b)を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b)および(c)の混合物を投入し、接触処理する方法
等が挙げられる。
なかでも、
・(a)に(c1)を投入し、接触処理した後に、(b)および(c3)の混合物を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c1)を投入し、接触処理した後、(b)、(c1)および(c3)の混合物を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)および(c1)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に、(b)を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)、(c2)および(c1)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に、(b)を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)および(c3)の混合物、ならびに(c1)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に、(b)および(c3)の混合物を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)および(c3)の混合物、(c2)ならびに(c1)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に、(b)および(c3)の混合物を投入し、接触処理する方法
が好ましい。また、これらの接触処理により得られる固体成分をさらに1回以上(b)または、(b)および(c3)の混合物と接触処理する方法が、重合活性の観点からより好ましい。
接触処理は、スラリー法やボールミルなどによる機械的粉砕手段など、各成分を接触させうる公知のいかなる方法によっても行なうことができるが、機械的粉砕を行なうと固体触媒成分に微粉が多量に発生し、粒度分布が広くなる場合があり、連続重合を安定的に実施する上で好ましくない。よって、溶媒の存在下で両者を接触させるのが好ましい。
また、接触処理後は、そのまま次の操作を行うことができるが、余剰物を除去するため、溶媒により洗浄処理を行うのが好ましい。
溶媒としては、処理対象成分に対して不活性であることが好ましく、具体例としてペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂環式炭化水素、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が使用できる。
接触処理における溶媒の使用量は、一段階の接触処理につき、固体成分(a)1gあたり通常0.1ミリリットル〜1000ミリリットルである。好ましくは1gあたり1ミリリットル〜100ミリリットルである。また、一回の洗浄操作における溶媒の使用量も同程度である。洗浄処理における洗浄操作の回数は、一段階の接触処理につき通常1〜5回である。
接触処理および/または洗浄処理温度はそれぞれ通常−50〜150℃であるが、好ましくは0〜140℃であり、さらに好ましくは60〜135℃である。
接触処理時間は特に制限はないが、好ましくは0.5〜8時間であり、さらに好ましくは1〜6時間である。洗浄操作時間は特に限定されないが、好ましくは1〜120分であり、さらに好ましくは2〜60分である。
電子供与体(c)の使用量は、固体成分(a)1gに対し、通常0.01〜100ミリモル、好ましくは0.05〜50ミリモル、さらに好ましくは0.1〜20ミリモルである。
電子供与体(c)の使用量が過度に多い場合には、固体成分(a)の粒子の崩壊が起こることがある。
特にフタル酸誘導体(c1)の使用量としては、固体触媒成分(A)中におけるフタル酸エステルの含有量が、固体触媒成分(A)全体を100重量%としたときに1〜25重量%となるように用いることが好ましく、2〜20重量%となるように用いることがより好ましい。固体成分(a)1gに対し、通常0.1〜100ミリモル、好ましくは0.3〜50ミリモル、さらに好ましくは0.5〜20ミリモルである。また、固体成分(a)中のマグネシウム原子1モルあたりのフタル酸誘導体(c1)の使用量は、通常0.01〜1.0モル、好ましくは0.03〜0.5モルである。
1,3−ジエーテル化合物(c2)の使用量は、固体触媒成分(A)中における1,3−ジエーテル化合物の含有量が、固体触媒成分(A)全体を100重量%としたときに0.5〜20重量%となるように用いることが好ましく、0.8〜15重量%となるように用いることがより好ましい。1,3−ジエーテル化合物(c2)の使用量は、固体成分(a)1gに対し、通常0.01〜100ミリモル、好ましくは0.015〜50ミリモル、さらに好ましくは0.02〜10ミリモルである。また、固体成分(a)中のマグネシウム原子1モルあたりの1,3−ジエーテル化合物(c2)の使用量は、通常0.001〜1.0モル、好ましくは0.002〜0.5モルである。
フタル酸誘導体(c1)および1,3−ジエーテル化合物(c2)の両方を用いる場合、それぞれの使用量は、固体触媒成分(A)中のフタル酸エステル化合物に対する1,3−ジエーテル化合物のモル比が0.1以上、3以下となるように調整されることが好ましい。より好ましくは0.13以上、2以下であり、さらに好ましくは0.15以上、1.5以下である。またこの場合、固体触媒成分(A)中のフタル酸エステル化合物と1,3−ジエーテル化合物の含有量の合計は、固体触媒成分(A)全体を100重量%としたときに5〜30重量%であることが、立体規則性重合能の観点から好ましく、6〜25重量%であることがより好ましい。
ハロゲン化化合物(b)の使用量は、固体成分(a)1gに対し、通常0.5〜1000ミリモル、好ましくは1〜200ミリモル、さらに好ましくは2〜100ミリモルである。
また、ハロゲン化化合物(b)の使用に際しては、ジアルキルエーテル化合物(c3)を共に用いることが好ましい。その場合の(b)1モルに対する(c3)の使用量は、通常1〜100モル、好ましくは1.5〜75モル、さらに好ましくは2〜50モルである。
なお、それぞれの化合物を複数の回数にわたって使用して接触処理をする場合には、以上に述べた各化合物の使用量はそれぞれ一回ごとかつ一種類の化合物ごとの使用量を表す。
得られた固体触媒成分(A)は、不活性な溶媒と組合せてスラリー状で重合に使用してもよいし、乾燥して得られる流動性の粉末として重合に使用してもよい。乾燥方法としては、減圧条件下揮発成分を除去する方法、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性気体の流通下で揮発成分を除去する方法が挙げられる。乾燥時の温度は0〜200℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましい。乾燥時間は、0.01〜20時間であることが好ましく、0.5〜10時間であることがより好ましい。
得られた固体触媒成分(A)は、工業的観点からその重量平均粒子径が13〜100μmであることが好ましく、15〜80μmであることがより好ましく、17〜60μmであることがさらに好ましい。特に微細粉子の割合が多い場合は、気相重合等における塊等の発生や、飛散粒子によるライン閉塞を引き起こし、生産を不安定にすることがあるため、10μm以下の粒子の割合が6重量%以下であることが好ましく、4重量%以下であることがより好ましい。
本発明の固体触媒成分(A)は、有機アルミニウム化合物(B)およびアルキルアミノ基含有ケイ素化合物(C)と接触させてα−オレフィン重合用触媒が得られる。
(B)有機アルミニウム化合物
本発明のα−オレフィン重合用触媒を形成するために使用される有機アルミニウム化合物(B)は、少なくとも分子内に一個のアルミニウム−炭素結合を有するものである。代表的なものを一般式で下記に示す。
19 wAlY3-w
2021Al−O−AlR2223
(式中、R19〜R23は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素原子またはアルコキシ基を表し、wは2≦w≦3を満足する数である。)
かかる有機アルミニウム化合物(B)の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサンが例示できる。
これらの有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、または、アルキルアルモキサンが好ましく、とりわけトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドのと混合物またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
(C)アルキルアミノ基含有ケイ素化合物
本発明において使用するアルキルアミノ基含有ケイ素化合物は、一般式(R2829N)Si(OR303で表されるケイ素化合物である。ここでR28は炭素原子数1〜12の炭化水素基、R29は炭素原子数1〜12の炭化水素基または水素、R30は炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
28の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基および2−エチルヘキシル基等が挙げられ、特に好ましくはエチル基である。
29の具体例としては、R27の具体例として挙げた置換基以外に水素が挙げられ、特に好ましくはエチル基である。
30の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基およびシクロヘキシル基などが挙げられ、特に好ましくはエチル基である。
アルキルアミノ基含有ケイ素化合物(C)の具体例としては、ジメチルアミノトリエトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジエチルアミノトリメトキシシラン、ジエチルアミノトリn−プロポキシシラン、ジn−プロピルアミノトリエトキシシラン、メチルn−プロピルアミノトリエトキシシラン、t−ブチルアミノトリエトキシシラン、エチルn−プロピルアミノトリエトキシシラン、エチルイソプロピルアミノトリエトキシシランおよびメチルエチルアミノトリエトキシシランが挙げられ、特に好ましくはジエチルアミノトリエトキシシランである。
(D)電子供与性化合物
本発明のα−オレフィン重合用触媒を形成するために、アルキルアミノ基含有ケイ素化合物(C)以外に電子供与性化合物(D)を用いてもよい。電子供与性化合物(D)としては、酸素含有化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄含有化合物が挙げられ、なかでも酸素含有化合物または窒素含有化合物が好ましい。
酸素含有化合物としては、アルキルアミノ基を含有しないアルコキシケイ素類、エーテル類、エステル類、ケトン類などが挙げられ、なかでもアルキルアミノ基を含有しないアルコキシケイ素類またはエーテル類が好ましい。
アルキルアミノ基を含有しないアルコキシケイ素類としては、一般式 R3 rSi(OR44-r (式中、R3は炭素原子数1〜20の炭化水素基、水素原子を表し、R4は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、rは0≦r<4を満足する数を表す。R3およびR4が複数存在する場合、それぞれのR3およびR4は同一であっても異なっていてもよい。)で表されるアルコキシケイ素化合物が用いられる。R3が炭化水素基の場合、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、等の分岐鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基等が挙げられる。なかでもアルコキシケイ素化合物のケイ素原子と直接結合した炭素原子が2級、もしくは3級炭素であるR3を少なくとも1つもつことが好ましい。
アルコキシケイ素化合物の具体例としては、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジtert−ブチルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルn−プロピルジメトキシシラン、tert−ブチルn−ブチルジメトキシシラン、tert−アミルメチルジメトキシシラン、tert−アミルエチルジメトキシシラン、tert−アミルn−プロピルジメトキシシラン、tert−アミルn−ブチルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、シクロブチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロブチルイソブチルジメトキシシラン、シクロブチルtert−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチルジメトキシシラン、シクロペンチルtert−ブチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルtert−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルイソプロピルジメトキシシラン、フェニルイソブチルジメトキシシラン、フェニルtert−ブチルジメトキシシラン、フェニルシクロペンチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジtert−ブチルジエトキシシラン、tert−ブチルメチルジエトキシシラン、tert−ブチルエチルジエトキシシラン、tert−ブチルn−プロピルジエトキシシラン、tert−ブチルn−ブチルジエトキシシラン、tert−アミルメチルジエトキシシラン、tert−アミルエチルジエトキシシラン、tert−アミルn−プロピルジエトキシシラン、tert−アミルn−ブチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシランが挙げられる。
エーテル類としては、電子供与体(c)として例示した1,3−ジエーテル化合物(c2)および環状エーテル化合物が挙げられる。なかでも、環状エーテル化合物を用いた場合、得られるα−オレフィン重合体の立体規則性が良好である。
環状エーテル化合物とは、環系に少なくとも一つの−C−O−C−結合を有する複素環式化合物である。
環状エーテル化合物の具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ヘキサメチレンオキシド、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、フラン、2,5−ジメチルフラン、またはs−トリオキサンが挙げられる。なかでも環系に少なくとも一つの−C−O−C−O−C−結合を有する環状ジエーテル化合物が好ましい。
窒素含有化合物としては、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの2,6−置換ピペリジン類、2,5−置換ピペリジン類、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルメチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類、1,3−ジベンジルイミダゾリジンなどの置換イミダゾリジン類などが挙げられる。なかでも2,6−置換ピペリジン類が好ましい。
電子供与性化合物(D)として特に好ましくは、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルn−プロピルジメトキシシラン、ジtert−ブチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、または2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパンである。
[オレフィンの重合]
本発明により得られるα−オレフィン重合用触媒を用いたα−オレフィン重合体の製造において、α−オレフィンは、炭素原子数3以上のα−オレフィンであり、かかるα−オレフィンの具体例としてはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、などの直鎖状モノオレフィン、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、などの分岐鎖状モノオレフィン、ビニルシクロヘキサンなどが挙げられ、これらα−オレフィンの単独重合や、2種類以上のα−オレフィンを用いた共重合を行うことができる。なかでも、本発明のα−オレフィン重合用触媒は少なくともプロピレンを用いた重合に好ましく用いられる。
プロピレンを用いた重合としては、プロピレンの単独重合以外に、例えばプロピレンランダム共重合、プロピレンヘテロブロック共重合を行うことができる。
プロピレンランダム共重合としては、エチレンおよびプロピレン以外の上記α−オレフィンから選ばれる1種以上のオレフィンと、プロピレンを共重合するものである。プロピレン以外のα−オレフィンとして好ましくは、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1である。プロピレンとそれ以外のα−オレフィンの、共重合組成比や分子量を変化させた複数種の重合体を複数の反応工程を用いて重合することも可能である。重合体に占めるプロピレン以外のα−オレフィンに由来する繰り返し単位の含有量は通常0.01〜40重量%であり、好ましくは0.1〜30重量%である。また、重合体の極限粘度は通常0.5〜15dl/g、好ましくは0.8〜10dl/gである。
プロピレンヘテロブロック共重合としては、(共)重合するオレフィン種が異なる複数種の重合体を複数の反応工程を経て重合するものである。反応工程としては、目的とする重合体を得るために2工程以上で上限は無いが、2〜10工程が好ましい。例えば、プロピレン単独重合、ブテン−1単独重合、エチレン単独重合、プロピレン−エチレンランダム共重合、プロピレン−ブテン−1ランダム共重合、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合、エチレン−ブテン−1ランダム共重合、エチレン−ヘキセン−1ランダム共重合のうち少なくともプロピレンを用いた重合工程を含む2工程以上の重合からなる。好ましくはプロピレン単独重合、プロピレン−エチレンランダム共重合を含む重合である。例えば次のような重合が好ましい。
第一工程:重合体成分(1)が、ヘテロブロック共重合体量の40〜98重量%となるまでプロピレンを単独重合する工程であって、その重合体成分(1)の極限粘度が0.5〜4dl/gであり、好ましくは0.6〜3dl/gである。
第二工程:第一工程で得られた重合体成分(1)の存在下に、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が10〜60重量%である重合体成分(2)を、プロピレンとエチレンを共重合させる工程であって、その重合体成分(2)の極限粘度が1.5dl/g以上であり、好ましくは2.0〜15dl/gである。
第一工程と第二工程との間あるいは第二工程において、第二工程の重合活性抑制、重合パウダーの粘着性改善、重合体の品質改良を目的として種々の重合活性抑制物質を投入することが可能である。重合活性抑制物質としては、触媒の重合活性を低下させうるものであれば特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素等の酸素含有気体、テトラエトキシシラン等のアルコキシケイ素類等を挙げることができる。
本発明のα−オレフィン重合用触媒は、前記の固体触媒成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)およびアルキルアミノ基含有ケイ素化合物(C)を接触させて得られるα−オレフィン重合用触媒である。また、必要に応じてさらに電子供与性化合物(D)を接触させることもできる。ここでいう接触とは、各触媒成分が接触し、触媒が形成されるならどのような手段によってもよく、あらかじめ溶媒で希釈してもしくは希釈せずに各触媒成分を混合して接触させる方法や、別々に重合槽に供給して重合槽の中で接触させる方法等を採用できる。
各触媒成分を重合槽に供給する方法としては、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性気体雰囲気下で水分のない状態で供給することが好ましい。各触媒成分(A)〜(C)のうち、いずれか2者を予め接触させて供給してもよい。
本発明においては、前記の触媒存在下にα−オレフィンの重合を行うことが可能であるが、このような重合(本重合)の実施前に以下に述べる予備重合を行うことも可能である。
予備重合は通常、固体触媒成分(A)および有機アルミニウム化合物(B)の存在下、少量のα−オレフィンを供給して実施され、スラリー状態で行うのが好ましい。スラリー化するのに用いる溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンのような不活性炭化水素を挙げることができる。また、スラリー化するに際し、不活性炭化水素溶媒の一部または全部に換えて液状のα−オレフィンを用いることもできる。
予備重合時の有機アルミニウム化合物の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モルあたり、通常0.5〜700モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、0.8〜500モルが好ましく、1〜200モルが特に好ましい。
また、予備重合されるα−オレフィンの量は、固体触媒成分1gあたり通常0.01〜1000g、好ましくは0.05〜500g、特に好ましくは0.1〜200gである。
予備重合を行う際のスラリー濃度は、1〜500g−固体触媒成分/リットル−溶媒が好ましく、特に3〜300g−固体触媒成分/リットル−溶媒が好ましい。予備重合温度は、−20〜100℃が好ましく、特に0〜80℃が好ましい。また、予備重合中の気相部でのα−オレフィンの分圧は、1kPa〜2MPaが好ましく、特に10kPa〜1MPaが好ましいが、予備重合の圧力、温度において液状であるα−オレフィンについてはこの限りではない。さらに、予備重合時間に特に制限はないが、通常30秒間から15時間が好適である。
予備重合を実施する際、固体触媒成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)およびオレフィンを供給する方法としては、固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化合物(B)を接触させておいた後、α−オレフィンを供給する方法、固体触媒成分(A)とα−オレフィンを接触させておいた後、有機アルミニウム化合物(B)を供給する方法などのいずれの方法を用いてもよい。また、α−オレフィンの供給方法としては、重合槽内が所定の圧力になるように保持しながら順次α−オレフィンを供給する方法、あるいは所定量のα−オレフィンを予めすべて供給する方法のいずれの方法を用いてもよい。また、得られる重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能である。
さらに、有機アルミニウム化合物(B)の存在下、固体触媒成分(A)を少量のα−オレフィンで予備重合するに際し、必要に応じてアルキルアミノ基含有ケイ素化合物(C)を共存させてもよい。使用される電子供与性化合物は、上記のアルキルアミノ基含有ケイ素化合物(C)の一部または全部である。その使用量は、固体触媒成分(A)中に含まれるチタン原子1モルに対し、通常0.01〜400モル、好ましくは0.02〜200モル、特に好ましくは、0.03〜100モルであり、有機アルミニウム化合物(B)に対し、通常0.003〜5モル、好ましくは0.005〜3モル、特に好ましくは0.01〜2モルである。
予備重合の際のアルキルアミノ基含有ケイ素化合物(C)の供給方法に特に制限はなく、有機アルミニウム化合物(B)と別々に供給してもよいし、予め接触させて供給してもよい。また、予備重合で使用されるオレフィンは、本重合で使用されるオレフィンと同一であっても異なっていてもよい。
上記のように予備重合を行った後、あるいは、予備重合を行うことなく、前述の固体触媒成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)およびアルキルアミノ基含有ケイ素化合物(C)からなるα−オレフィン重合用触媒の存在下に、α−オレフィンの本重合を行うことができる。
本重合時の有機アルミニウム化合物の使用量は通常、固体触媒成分(A)中のチタン原子1モルあたり、1〜1000モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、特に5〜600モルの範囲が好ましい。
また、本重合時に使用されるアルキルアミノ基含有ケイ素化合物(C)は、固体触媒成分(A)中に含まれるチタン原子1モルに対し、通常0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、特に好ましくは、0.5〜800モルであり、有機アルミニウム化合物に対し、通常0.001〜5モル、好ましくは0.005〜3モル、特に好ましくは0.01〜1モルである。
本重合は、通常−30〜300℃までにわたって実施することができるが、20〜180℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。重合圧力に関しては特に制限は無いが、工業的かつ経済的であるという点で、一般的に常圧〜10MPa、好ましくは200kPa〜5MPa程度の圧力が採用される。また、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンの如き不活性炭化水素溶媒によるスラリー重合もしくは溶液重合、重合温度において液状のオレフィンを媒体としたバルク重合または気相重合も可能である。重合形式としては、バッチ式、連続式いずれでも可能であり、重合条件の異なる複数の反応工程を経る重合が可能である。また、用いる重合反応器は1基でもよいし、2基以上を直列に結んだ形式でもよく、一つの反応器内で重合条件を連続的に変化させる形式でもよい。
本重合時には重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能である。
以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって特に限定をうけるものではない。なお実施例中、重合体の各種物性の評価方法は、次のとおりである。
(1)20℃キシレン可溶部(以下、CXSと略す。):1gの重合体を200ミリリットルの沸騰したキシレンに溶解させたのち、50℃まで徐冷し、次いで氷水に浸し撹拌しながら20℃まで冷却し、20℃で3時間放置したのち、析出した重合体を濾別した。濾液中に溶存していた重合体の重量百分率をCXS(単位=重量%)とした。
CXSの値が小さいほど、ポリプロピレンの立体規則性が高いといえる。
(2)極限粘度([η]):テトラリンを溶媒とし、温度135℃でウベローデ型粘度計を用いて測定した。また、ヘテロブロック共重合体の各成分に対して第一工程の重合体成分(1)(プロピレン単独重合体)の極限粘度を[η]P、第二工程の重合体成分(2)(プロピレン−エチレン共重合体)の極限粘度を[η]EPで表わした。[η]EPはヘテロブロック共重合体全体の極限粘度を[η]TOTALとした場合、以下の式によって算出した。
Figure 2006096936
(3)嵩密度:JIS K−6721−1966に準拠して測定した。
(4)固体触媒成分等の固体サンプルの組成分析についてはそれぞれ次のように実施した。即ち、チタン原子含有量は、固体サンプル約20ミリグラムを0.5モル/リットルの硫酸約47ミリリットルで分解、これに過剰となる3重量%過酸化水素水3ミリリットルを加え、得られた液状サンプルの410nmの特性吸収を日立製ダブルビーム分光光度計U−2001型を用いて測定し、別途作成しておいた検量線により求めた。アルコキシ基含有量は、固体サンプル約2グラムを水100ミリリットルで分解後、得られた液状サンプル中のアルコキシ基に対応するアルコール量を、ガスクロマトグラフィー内部標準法を用いて求め、アルコキシ基含有量に換算した。フタル酸エステル化合物含有量は、固体サンプル約30ミリグラムをN,N−ジメチルアセトアミド100ミリリットルに溶解後、溶液中のフタル酸エステル化合物量をガスクロマトグラフィー内部標準法で求めた。
(5)固体中のチタンの原子価はポーラログラムの測定より求めた。試料を1.5モル/リットルの濃度の酒石酸水溶液および0.5モル/リットル硫酸からなる基礎液約30ミリリットルにチタン含有固体約70ミリグラムを溶解させて調製し、柳本製作所製ポーラログラフィックアナライザP−1100を用い、直流電流法により測定した。
(6)固体触媒成分の重量平均粒子径および10μm以下の微粒子成分含有量は、超遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所製CAPA−700)を用いて測定した。分散媒体としてはデカヒドロナフタリンを用いた。
[実施例1]
(1)固体成分(a)の合成
図1に示す200リットルの円筒型反応器(直径0.35mの攪拌羽根を3対備えた撹拌機および幅0.05mの邪魔板4枚を備えた直径0.5mのもの)を窒素置換し、ヘキサン80リットル、ジイソブチルフタレート780g、テトラエトキシシラン20.6kgおよびテトラブトキシチタン2.23kgを投入、撹拌した。次に、前記混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/リットル)51リットルを反応器内の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。この時の攪拌回転数は200rpmであった。滴下終了後、20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体について室温下トルエン70リットルでの洗浄を3回行い、トルエンを加え、固体触媒成分前駆体スラリーを得た。
該固体触媒成分前駆体は、 Ti:1.7重量%、OEt(エトキシ基):34.4重量%、OBu(ブトキシ基):4.1重量%を含有していた。また、含有するチタン原子の原子価は3価であった。
(2)固体触媒成分(A)の合成
上記(1)で用いたものと同じ形状の200リットルの円筒型反応器を窒素置換し、上記(1)で得られた固体触媒成分前駆体スラリーを移送した。静置後、スラリーの体積が82リットルとなるようにトルエン量を調整、攪拌下、110℃で1時間加熱処理を行った。スラリーの温度が100℃となるまで冷却し、次に、ジイソブチルフタレート13.3kgを投入した。100℃で0.5時間攪拌後、濾過し、得られた固体についてトルエン70リットルでの洗浄を3回実施した。
トルエンを加え、スラリーとし、静置後、スラリーの嵩体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、攪拌下、テトラクロロチタン30リットルと、ジブチルエーテル1.16kgと、ジイソブチルフタレート0.87kgとの混合液を投入した。反応器内の温度を110℃として3時間攪拌した後、濾過し、得られた固体について95℃にてトルエン90リットルでの洗浄を2回実施した。
トルエンを加え、スラリーとし、静置後、スラリーの体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、攪拌下、テトラクロロチタン15リットルと、ジブチルエーテル1.16kgとの混合液を投入した。反応器内の温度を110℃として1時間攪拌した後、濾過し、得られた固体について95℃にてトルエン90リットルでの洗浄を3回、ヘキサン70リットルでの洗浄を3回実施した。得られた固体成分を乾燥し、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:2.0重量%、フタル酸エステル化合物(フタル酸ジエチル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸エチルノルマルブチルおよびフタル酸ジイソブチル):8.1重量%を含有していた。固体触媒成分の重量平均粒子径は21μmであり、10μm以下の粒子の割合は0.6重量%であった。
(3)プロピレンの重合
3リットルの内容積を持つステンレス製オートクレーブをアルゴン置換し、成分(B)としてトリエチルアルミニウム2.6ミリモル、成分(C)としてジエチルアミノトリエトキシシラン1.04ミリモルおよび成分(A)として上記(2)で合成した固体触媒成分9.22ミリグラムを仕込み、分圧0.15MPaに相当する水素を加えた。次いで780グラムの液化プロピレンを仕込み、オートクレーブの内部温度を70℃に昇温し、70℃で1時間重合を行った。重合終了後未反応モノマーをパージした。生成した重合体を減圧乾燥し、217グラムのポリプロピレンパウダーを得た。
固体触媒成分1gあたりのポリプロピレンの収量(以下、PP/catと略す)は、PP/cat=23500(g/g)であった。また、全重合体収量に占める20℃キシレンに可溶な成分の割合は、CXS=1.3(重量%)、重合体の極限粘度は、[η]=0.91(dl/g)、嵩密度は0.41g/mlであった。
[比較例1]
ジエチルアミノトリエトキシシランのかわりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを用いた以外は、実施例1(3)と同様に重合を実施し、ポリプロピレンパウダーを得た。
重合結果は、PP/cat=23800(g/g)、CXS=1.3(重量%)、[η]=1.23(dl/g)、嵩密度0.42g/mlであった。ジエチルアミノトリエトキシシランを用いた場合と比較して同水素条件下における[η]が高いことから、水素による分子量制御性が低いことがわかる。
[比較例2]
ジエチルアミノトリエトキシシランのかわりにt−ブチル−n−プロピルジメトキシシランを用いた以外は、実施例1(3)と同様に重合を実施し、ポリプロピレンパウダーを得た。
重合結果は、PP/cat=29900(g/g)、CXS=1.2(重量%)、[η]=1.51(dl/g)、嵩密度0.41g/mlであった。ジエチルアミノトリエトキシシランを用いた場合と比較して同水素条件下における[η]が高いことから、水素による分子量制御性が低いことがわかる。
[実施例2]
(1)固体成分(a)の合成
図1に示す200リットルの円筒型反応器(直径0.35mの攪拌羽根を3対備えた撹拌機および幅0.05mの邪魔板4枚を備えた直径0.5mのもの)を窒素置換し、ヘキサン54リットル、ジイソブチルフタレート400g、テトラエトキシシラン20.6kgおよびテトラブトキシチタン2.23kgを投入、撹拌した。次に、前記混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/リットル)51リットルを反応器内の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。この時の攪拌回転数は120rpmであった。滴下終了後、20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体について室温下トルエン70リットルでの洗浄を3回行い、トルエンを加え、固体触媒成分前駆体スラリーを得た。
該固体触媒成分前駆体は、 Ti:1.9重量%、OEt(エトキシ基):34.8重量%、OBu(ブトキシ基):3.3重量%を含有していた。また、含有するチタン原子の原子価は3価であった。
(2)固体触媒成分(A)の合成
上記(1)で用いたものと同じ形状の200リットルの円筒型反応器を窒素置換し、上記(1)で得られた固体触媒成分前駆体スラリーを移送した。静置後、スラリーの嵩体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、攪拌下、70℃で1時間加熱処理を行った。スラリーの温度が40℃以下となるまで冷却し、次に、テトラクロロチタン30リットルと、ジブチルエーテル1.16kgとの混合液を投入、さらにオルトフタル酸クロライド4.23kgを投入した。反応器内の温度を115℃として3時間攪拌した後、濾過し、得られた固体について95℃にてトルエン90リットルでの洗浄を3回実施した。
トルエンを加え、スラリーとし、静置後、スラリーの嵩体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、攪拌下、テトラクロロチタン15リットルと、ジブチルエーテル1.16kgと、ジイソブチルフタレート1.74kgとの混合液を投入した。反応器内の温度を110℃として1時間攪拌した後、濾過し、得られた固体について95℃にてトルエン90リットルでの洗浄を2回実施した。
トルエンを加え、スラリーとし、静置後、スラリーの体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、攪拌下、テトラクロロチタン15リットルと、ジブチルエーテル1.16kgとの混合液を投入した。反応器内の温度を110℃として1時間攪拌した後、濾過し、得られた固体について95℃にてトルエン 90リットルでの洗浄を2回実施した。
トルエンを加え、スラリーとし、静置後、スラリーの体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、攪拌下、テトラクロロチタン15リットルと、ジブチルエーテル1.16kgとの混合液を投入した。反応器内の温度を110℃として1時間攪拌した後、濾過し、得られた固体について95℃にてトルエン90リットルでの洗浄を3回、ヘキサン90リットルでの洗浄を2回実施した。得られた固体成分を乾燥し、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:2.0重量%、フタル酸エステル化合物(フタル酸ジエチル、フタル酸エチルノルマルブチル、フタル酸ジイソブチル):11.6重量%を含有していた。固体触媒成分の重量平均粒子径は35μmであり、10μm以下の粒子の割合は2.2重量%であった。
(3)プロピレンの重合
(2)で得られた固体触媒成分を用いた以外は、実施例1(3)と同様に重合を実施し、ポリプロピレンパウダーを得た。
重合結果は、PP/cat=25700(g/g)、CXS=0.7(重量%)、[η]=1.06(dl/g)、嵩密度0.39g/mlであった。
[実施例3]
(1)プロピレンの重合
実施例2(2)で得られた固体触媒成分を用い、1,3−ジオキソランを0.26ミリモルをさらに仕込んだ以外は、実施例1(3)と同様に重合を実施し、ポリプロピレンパウダーを得た。
重合結果は、PP/cat=23400(g/g)、CXS=0.5(重量%)、[η]=0.98(dl/g)、嵩密度0.40g/mlであった。
[実施例4]
(1)ブロック共重合体の重合
1リットルの内容積を持つステンレス製オートクレーブ内を真空とし、分圧0.08MPaに相当する水素を加えた。成分(B)としてトリエチルアルミニウム1.0ミリモル、成分(C)としてジエチルアミノトリエトキシシラン0.2ミリモルおよび成分(A)として実施例2(2)で合成した固体触媒成分9.6mgを仕込み、次いで150gの液化ブタン、150gの液化プロピレンを仕込み、オートクレーブの温度を80℃に昇温し、重合を開始した。70分後、オートクレーブの内圧がおよそ1.5MPaとなった時点でテトラエトキシシラン0.05ミリモルを投入し、液状成分をパージした。パージ終了後、8gのパウダーをオートクレーブ内よりサンプリングし、オートクレーブの重量を測定した。オートクレーブ内の重合体重量は120gであった。
その後、0.01MPaの分圧の水素、0.45MPaの分圧のプロピレン、0.25MPaの分圧のエチレンを仕込み、65℃で120分間重合を行った。この際、オートクレーブ内の圧力を維持するようにプロピレン/エチレン混合ガス(プロピレン含量:50重量%)をフィードした。重合後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブの重量を測定した。オートクレーブ内の重合体重量は152gであった。オートクレーブを開放したところ、オートクレーブ内壁への微粉等の顕著な付着は認められなかった。
オートクレーブの重量変化から算出した第二工程重合成分含量は21重量%、第一工程重合成分の極限粘度[η]P=1.0(dl/g)(第一工程の重合後に抜き出した少量のサンプルを用いて測定した)、第二工程重合成分の極限粘度[η]EP=3.9(dl/g)であった。
円筒型反応器の概略図
符号の説明
(a)上面図
(b)側面図
1 攪拌羽根
2 邪魔板

Claims (4)

  1. 以下の成分(A)、(B)および(C)を互いに接触させて得られるα−オレフィン重合用触媒。
    (A)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、下記一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)を、有機マグネシウム化合物(iii)で還元して得られる固体成分(a)、ハロゲン化化合物(b)および電子供与体(c)を互いに接触処理させて得られる固体触媒成分
    Figure 2006096936
    (上記式中、aは1〜20の数を表し、R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。X2はハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのX2は同一であっても異なっていてもよい。)
    (B)有機アルミニウム化合物
    (C)アルキルアミノ基含有ケイ素化合物
  2. 該電子供与体(c)がフタル酸誘導体である請求項1に記載のα−オレフィン重合用触媒。
  3. 該固体触媒成分(A)の10μm以下の粒子の割合が、固体触媒成分100重量%に対し6重量%以下である請求項1または2に記載のα−オレフィン重合用触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のα−オレフィン重合用触媒を用いたα−オレフィン重合体の製造方法。

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