JP2006096081A - 自動車構造部材用異形管及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い曲げ強度と安定した吸収エネルギー特性を有し、しかも従来のものよりも軽量化が可能な自動車構造部材用異形管を提供する。
【解決手段】 横断面の外郭がほぼ台形状を示し、台形の短辺部に内向きの湾曲縁辺部c、dが相対向して形成されるとともに、該湾曲縁辺部から連続して延びた袋部が台形内にその長辺部に対向して形成され、前記相対向する湾曲縁辺部の先端gが互いに溶接接合されている自動車構造部材用異形管。
相対向する湾曲縁辺部の先端gが互いに溶接接合されているので、当該異形管が高強度材で、弾性復元力の強い素材から形作られていても、弾性復元量を考慮することなく製造することができるばかりでなく、優れた衝撃吸収エネルギーを安定的に得ることができる自動車構造部材用素材が提供される。
【選択図】 図3
【解決手段】 横断面の外郭がほぼ台形状を示し、台形の短辺部に内向きの湾曲縁辺部c、dが相対向して形成されるとともに、該湾曲縁辺部から連続して延びた袋部が台形内にその長辺部に対向して形成され、前記相対向する湾曲縁辺部の先端gが互いに溶接接合されている自動車構造部材用異形管。
相対向する湾曲縁辺部の先端gが互いに溶接接合されているので、当該異形管が高強度材で、弾性復元力の強い素材から形作られていても、弾性復元量を考慮することなく製造することができるばかりでなく、優れた衝撃吸収エネルギーを安定的に得ることができる自動車構造部材用素材が提供される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、優れた曲げ強度と吸収エネルギー特性を有する自動車構造部材用異形管とその製造法に関する。
従来から、自動車の側面衝突時のエネルギーを吸収して運転者や同乗者の安全を確保するために、ドア補強部材であるドアインパクトビームやピラー補強材として吸収エネルギー特性に優れた鋼製の構造部材が広く使用されている。バンパーにも同様の構造部材が用いられている。鋼板をプレス成形したものも使用されているが、適宜長さに切断された鋼管が用いられる場合が多い。
特に、ドアインパクトビームには、衝突時の安全性を確保するとともに軽量化を図るために、引張強さが1400N/mm2以上の超高張力鋼管が用いられている。
特に、ドアインパクトビームには、衝突時の安全性を確保するとともに軽量化を図るために、引張強さが1400N/mm2以上の超高張力鋼管が用いられている。
自動車構造部材の軽量化のためには、肉厚の薄い材料を使用するか、断面積を小さくするか、あるいは軽量な材質に変更するか、等が考えられるが、断面積を小さくしたり、軽量な材質に変更したりすることで軽量化を図ると、吸収エネルギー特性が低下してしまう。このため、現実には設計段階で材料の強度向上と薄肉化を同時に検討している。
ところが、材料強度を向上させて薄肉化しても、薄肉化のために曲げ強度が低下するために局部的な変形や座屈が起きやすく、吸収エネルギー特性は向上しない。
ところが、材料強度を向上させて薄肉化しても、薄肉化のために曲げ強度が低下するために局部的な変形や座屈が起きやすく、吸収エネルギー特性は向上しない。
そこで、曲げ強度を高め、局部的な変形や座屈を抑制して吸収エネルギー特性をより高めるために、断面形状が円形でなく、異形形状にした構造部材も提案されている。
例えば、特許文献1では、図1の(a)に示すような、ほぼ円形管の一部に対向する内向きの彎曲縁辺部を形成し、この両彎曲縁辺部と連続一体化して管内に凹部を形成した断面形状(以下、「ターンナップ形状」と称す。)としたドア補強材が提案されている。また、特許文献2では、図1の(b)に示すような、断面形状を縦長の楕円形状(以下、「オーバル形状」と称す。)とした自動車用構造部材が提案されている。
例えば、特許文献1では、図1の(a)に示すような、ほぼ円形管の一部に対向する内向きの彎曲縁辺部を形成し、この両彎曲縁辺部と連続一体化して管内に凹部を形成した断面形状(以下、「ターンナップ形状」と称す。)としたドア補強材が提案されている。また、特許文献2では、図1の(b)に示すような、断面形状を縦長の楕円形状(以下、「オーバル形状」と称す。)とした自動車用構造部材が提案されている。
しかしながら、近年、自動車の燃費向上のために、自動車構成部材のより軽量化が求められており、補強用の構造部材にもより薄肉のものが要求されている。薄肉化すると、吸収エネルギーが低下するために、従来の円形管や、上記特許文献1,2で提案されたような断面形状を有する異形管では、単純に高強度薄肉化対応のみで、吸収エネルギー特性を向上させることには限界があった。
そこで、本発明者等は、曲げ強度と吸収エネルギー特性を高くすることができる特殊形状の異形管を、簡便かつ低コストで提供するために、図2に示すように、横断面の外郭がほぼ台形状を示し、台形の短辺部に相対向する内向きの湾曲縁辺部c〜c’,d〜d’が形成されるとともに、該湾曲縁辺部c〜c’,d〜d’から連続して延びた袋部eが台形内にその先端aを台形の長辺部bに対向するように形成されたような断面形状を有する異形管からなる自動車用構造部材とその製造方法及び製造装置を、特許文献3,4で提案した。
特開平11−278055号公報
特開2002−248941号公報
特願2004−46129
特願2004−46130
そこで、本発明者等は、曲げ強度と吸収エネルギー特性を高くすることができる特殊形状の異形管を、簡便かつ低コストで提供するために、図2に示すように、横断面の外郭がほぼ台形状を示し、台形の短辺部に相対向する内向きの湾曲縁辺部c〜c’,d〜d’が形成されるとともに、該湾曲縁辺部c〜c’,d〜d’から連続して延びた袋部eが台形内にその先端aを台形の長辺部bに対向するように形成されたような断面形状を有する異形管からなる自動車用構造部材とその製造方法及び製造装置を、特許文献3,4で提案した。
特許文献4で提案した方法では、図4に示すように、(a)高周波溶接法等で溶接された鋼管を準備し、(b)第一工程として、異形台形管の湾曲縁辺部及び袋部の周方向長さと、台形部の短辺部を除く周方向長さにほぼ適合するように円弧の半径ならびに角度を設定した大小2種類の凸曲面よりなる断面にロール成形する。(c)その後、第二工程として、前記2種類の凸曲面の内の曲率半径の大きい面の中央表面から円盤状ロールを当て前記曲率半径の大きい面を管の内側に窪ませるようにロール成形する。(d)その後さらに、第三工程として、中央が窪み樋状に湾曲した断面の両側に凹型ロールを当て樋状開口部を狭めて管外径を小さくロール成形した後、必要に応じて(e)テーパー部と湾曲部を有する左右ロールと平型上ロール及び小さい曲率半径の湾曲部を有する下ロールでロール成形する工程を挟んだ後、(f)第四工程として、上ロールで上部を支えつつ左右テーパーロールを用いて左右辺部を側方から内側に押し込むとともに下ロールで底辺部を押し上げて異形台形管の底辺及び斜辺をロール成形し,図2に示す形状の異形管を製造している。
この方法により、衝撃吸収特性に優れた特殊形状の異形管を簡便かつ低コストで製造することができるようになった。しかしながら、一方で、自動車の燃費向上のために、自動車構成部材のより軽量化が求められており、補強用の構造部材にもより薄肉で高強度のものが要求されている。
異形管製造用の素材として、590N/mm2以上の薄肉超高張力鋼管を使用すると、素管を構成する鋼材の弾性復元力が大きいために、所望の形状品が寸法精度良く製造し難くなる。すなわち、図2に示したような形状品を製造しようとすると、素管の弾性復元力が大きいために、図中、湾曲縁辺部の先端c’及びd’の間の距離が大きく、しかも不安定になる。このように、湾曲縁辺部の先端間距離が変動すると、設計通りの衝撃吸収特性を発揮でき難くなる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、自動車衝突時、特に側面衝突時において、高い曲げ強度と安定した吸収エネルギー特性を有し、しかも従来のものよりも軽量化を達成することができる、例えばドア補強部材であるドアインパクトビーム,ピラー補強部材、あるいはバンパー補強部材等の自動車構造部材に適した異形管を提供することを目的とする。
異形管製造用の素材として、590N/mm2以上の薄肉超高張力鋼管を使用すると、素管を構成する鋼材の弾性復元力が大きいために、所望の形状品が寸法精度良く製造し難くなる。すなわち、図2に示したような形状品を製造しようとすると、素管の弾性復元力が大きいために、図中、湾曲縁辺部の先端c’及びd’の間の距離が大きく、しかも不安定になる。このように、湾曲縁辺部の先端間距離が変動すると、設計通りの衝撃吸収特性を発揮でき難くなる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、自動車衝突時、特に側面衝突時において、高い曲げ強度と安定した吸収エネルギー特性を有し、しかも従来のものよりも軽量化を達成することができる、例えばドア補強部材であるドアインパクトビーム,ピラー補強部材、あるいはバンパー補強部材等の自動車構造部材に適した異形管を提供することを目的とする。
本発明の自動車構造部材用異形管は、その目的を達成するため、横断面の外郭がほぼ台形状を示し、台形の短辺部に内向きの湾曲縁辺部が相対向して形成されるとともに、該湾曲縁辺部から連続して延びた袋部が台形内にその長辺部に対向して形成された異形管からなり、前記相対向する湾曲縁辺部の先端が互いに溶接接合されていることを特徴とする。
そして、このような自動車構造部材用異形管は、円形管を、大小2種類の凸曲面よりなる断面にロール成形する第一工程と、前記2種類の凸曲面の内の曲率半径の大きい面の中央表面から円盤状ロールを当て前記曲率半径の大きい面を管の内側に窪ませるようにロール成形する第二工程と、中央が窪み樋状に湾曲した断面の両側に凹型ロールを当て樋状開口部を狭めて管外径を小さくロール成形する第三工程と、上ロールで上部を支えつつ左右テーパーロールを用いて左右辺部を側方から内側に押し込むとともに下ロールで底辺部を押し上げて異形台形管の底辺及び斜辺をロール成形する第四工程で、横断面の外郭がほぼ台形状を示し、台形の短辺部に内向きの湾曲縁辺部が相対向して形成されるとともに、該湾曲縁辺部から連続して延びた袋部が台形内にその長辺部に対向して形成された異形管をロール成形した後、前記相対向する湾曲縁辺部の先端を互いに溶接接合することにより製造される。
本発明の自動車構造部材用異形管は、横断面の外郭がほぼ台形状を示し、台形の短辺部に内向きに相対向した湾曲縁辺部とそれに連なる袋部が台形内部に入り込んで台形の長辺部と対向するように形成された異形管で構成されている。そして、相対向した湾曲縁辺部の先端部が互いに溶接接合されている。このため、異形管が高強度材で、弾性復元力の強い素材から形作られていても、弾性復元量を考慮することなく製造することができる。そして、本発明の異形管を、自動車の構造部材として前記断面台形の短辺側で荷重を受けるように配置されるとき、優れた衝撃吸収エネルギーを安定的に得ることができ、運転者や同乗者の安全性を高めることが可能となる。
本発明者等は、図2に示したような形状の異形管を製造しようとする際の、素材の弾性復元力の影響による湾曲縁辺部の先端間距離の変動を抑制する方法について検討した。その結果、相対向する湾曲縁辺部の先端を互いに溶接接合することで、先端間が弾性復元で開くことを回避できた。図2に示したような異形管からなる自動車用構造部材は、断面台形の高さ方向に荷重を受けたとき、前記相対向する湾曲縁辺部の先端がまず当接するように変形するため、図3に示すように予め先端が互いにg部で溶接接合されていても、その後の変形態様が変わるものではない。溶接接合された形状品として、設計通りの吸収エネルギー特性が発揮されると期待できる。
次に、本発明自動車構造部材用異形管の製造方法を詳しく説明する。
手順的には、複数のロール成形工程を連続的に行うことにより製造される。
図4に示すように、(a)高周波溶接法等で造管された円形管を準備し、(b)異形管の湾曲縁辺部及び袋部の周方向長さと、台形部の短辺を除いた周方向長さにほぼ適合するように円弧の半径ならびに角度を設定した大小2種類の凸曲面よりなる断面にロール成形する。(c)その後、前記2種類の凸曲面の内の曲率半径の大きい面の中央表面から円盤状ロールを当て前記曲率半径の大きい面を管の内側に窪ませるようにロール成形する。(d)その後さらに、中央が窪み樋状に湾曲した断面の両側にロールを当て樋状開口部を狭めて管外径を小さくロール成形し,(e),(f)その後に、上下ロールで上下を支えつつ、テーパーロールを用いて斜辺部分を側方から内側に押し込むとともに、下ロールにより底辺部分を押し上げることにより、異形管台形部分の底辺及び斜辺を形作る。最後の台形状へのロール成形は、図4の(e),(f)に示すように複数段に分けて行うことが好ましい。そして、所定形状にロール成形した後、ロールで前記相対向する湾曲縁辺部の先端を互いに当接させた状態で、当該当接部を溶接接合する。溶接法としては、アーク溶接法や高周波溶接法等、通常の溶接手段が採用される。
手順的には、複数のロール成形工程を連続的に行うことにより製造される。
図4に示すように、(a)高周波溶接法等で造管された円形管を準備し、(b)異形管の湾曲縁辺部及び袋部の周方向長さと、台形部の短辺を除いた周方向長さにほぼ適合するように円弧の半径ならびに角度を設定した大小2種類の凸曲面よりなる断面にロール成形する。(c)その後、前記2種類の凸曲面の内の曲率半径の大きい面の中央表面から円盤状ロールを当て前記曲率半径の大きい面を管の内側に窪ませるようにロール成形する。(d)その後さらに、中央が窪み樋状に湾曲した断面の両側にロールを当て樋状開口部を狭めて管外径を小さくロール成形し,(e),(f)その後に、上下ロールで上下を支えつつ、テーパーロールを用いて斜辺部分を側方から内側に押し込むとともに、下ロールにより底辺部分を押し上げることにより、異形管台形部分の底辺及び斜辺を形作る。最後の台形状へのロール成形は、図4の(e),(f)に示すように複数段に分けて行うことが好ましい。そして、所定形状にロール成形した後、ロールで前記相対向する湾曲縁辺部の先端を互いに当接させた状態で、当該当接部を溶接接合する。溶接法としては、アーク溶接法や高周波溶接法等、通常の溶接手段が採用される。
図5,6を参考にしながら、使用するロール形状等を含め、より詳細に説明する。
第一の成形工程にあっては、素管Mを、曲率半径の大きい凹みをもつ凹型上ロール11とそれよりも曲率半径の小さい凹型下ロール12とからなる成形スタンドを通す。
次に第二の成形工程にあっては、素管Mは、前記第一の成形工程で使用した凹型下ロール12と同じかそれよりも小さい曲率半径の凹部をもつ凹型下ロール22と端部の曲率半径が小さい円盤状の凸型上ロール21とからなる成形スタンド間を、第一の成形工程で大きい曲率半径で形成された凸曲面中央に前記円盤状の凸型上ロール21を押付けるように通す。この段階での素管の断面は、中央が窪み樋状に湾曲した断面が横長の形状となっている。
第一の成形工程にあっては、素管Mを、曲率半径の大きい凹みをもつ凹型上ロール11とそれよりも曲率半径の小さい凹型下ロール12とからなる成形スタンドを通す。
次に第二の成形工程にあっては、素管Mは、前記第一の成形工程で使用した凹型下ロール12と同じかそれよりも小さい曲率半径の凹部をもつ凹型下ロール22と端部の曲率半径が小さい円盤状の凸型上ロール21とからなる成形スタンド間を、第一の成形工程で大きい曲率半径で形成された凸曲面中央に前記円盤状の凸型上ロール21を押付けるように通す。この段階での素管の断面は、中央が窪み樋状に湾曲した断面が横長の形状となっている。
そこで、横幅を小さくすることが必要になる。第三の成形工程においては、第二工程で下ロールとして使用した凹型ロールと同程度の曲率半径の凹部を有する一対の凹型サイドロール31,32が配置されている成形スタンド間を通し、樋状開口部を狭めて管外径を小さくする。
この際、第二成形スタンドの凸型上ロール幅よりも平坦幅が狭い円盤状の平型上ロール33と第二成形スタンドの凹型下ロール22よりも小さい曲率半径の凹部をもつ凹型下ロール34が上下に配置されている成形スタンド間を通すと、素管の全外周が左右及び上下の4ロールで拘束され、割れや肉余り等を発生させることなく形状精度に優れた異形管が成形できる。
この際、第二成形スタンドの凸型上ロール幅よりも平坦幅が狭い円盤状の平型上ロール33と第二成形スタンドの凹型下ロール22よりも小さい曲率半径の凹部をもつ凹型下ロール34が上下に配置されている成形スタンド間を通すと、素管の全外周が左右及び上下の4ロールで拘束され、割れや肉余り等を発生させることなく形状精度に優れた異形管が成形できる。
最後の第四工程として、低部径よりも高部径の方が大きいテーパーロール41,42が左右に配置されるとともに、第三成形スタンドの平型上ロール33の平坦幅よりも狭い平坦幅の平型上ロール43と第三成形スタンドの凹型下ロール34よりも曲率半径が大きい凹型下ロール44を上下に配置されている成形スタンド間を通し、左右辺部を側方から内側に押し込むとともに下ロールで底辺部を押し上げて断面台形の底辺及び斜辺を形作る。上ロールで支えつつ、左右及び下からロールで押圧する形態となるので、袋部を有するほぼ台形外郭の断面形状に逐次変形される。
第三成形スタンドと第四成形スタンドの間に、中央部径よりも高部径の方が大きいテーパー部と中央部から底部にかけて湾曲した湾曲部を有するロール51,52が左右に配置配置された成形スタンド間を通して、第四工程での変形量を少なくしても良い。
この際も、第三成形スタンドと同様に、平坦幅が第三成形スタンドの平型上ロール33の平坦幅よりも狭く第四成形スタンドの平型上ロール43の平坦幅よりも広い平型上ロール53と、第三成形スタンドの凹型下ロール34と同等もしくは大きく第四成形スタンドの凹型下ロール44よりも小さい曲率半径を有する凹型下ロール54を上下に配置されている成形スタンド間を通すと、素管の全外周が左右及び上下の4ロールで拘束され、割れや肉余り等を発生させることなく形状精度に優れた異形管が成形できる。
所望形状の異形管が得られた後、ロールで前記相対向する湾曲縁辺部の先端を互いに当接させた状態で、当該当接部を溶接接合することは前記した通りである。
この際も、第三成形スタンドと同様に、平坦幅が第三成形スタンドの平型上ロール33の平坦幅よりも狭く第四成形スタンドの平型上ロール43の平坦幅よりも広い平型上ロール53と、第三成形スタンドの凹型下ロール34と同等もしくは大きく第四成形スタンドの凹型下ロール44よりも小さい曲率半径を有する凹型下ロール54を上下に配置されている成形スタンド間を通すと、素管の全外周が左右及び上下の4ロールで拘束され、割れや肉余り等を発生させることなく形状精度に優れた異形管が成形できる。
所望形状の異形管が得られた後、ロールで前記相対向する湾曲縁辺部の先端を互いに当接させた状態で、当該当接部を溶接接合することは前記した通りである。
次に、自動車のドアインパクトビームに用いられる異形管を作製した事例を説明する。
肉厚1.00mm,降伏点900N/mm2,引張強さ980N/mm2,全伸び20%の冷間圧延材をベースとして外径54.0mmの円形管を高周波溶接法で造管し、連続的の本発明法に従ってロール成形した。
第一工程では、異形台形管の湾曲縁辺部及び袋部の周方向長さと、台形部の短辺部を除く周方向長さとほぼ適合するように、上部の円周方向長さが70mm,曲率半径150mmの凹型の上ロールと、下部の円周方向長さが99.4mm,曲率半径40mmの凹型の下ロールを用いて、円弧を2つ上下に繋げた扁平な断面形状に成形した。
肉厚1.00mm,降伏点900N/mm2,引張強さ980N/mm2,全伸び20%の冷間圧延材をベースとして外径54.0mmの円形管を高周波溶接法で造管し、連続的の本発明法に従ってロール成形した。
第一工程では、異形台形管の湾曲縁辺部及び袋部の周方向長さと、台形部の短辺部を除く周方向長さとほぼ適合するように、上部の円周方向長さが70mm,曲率半径150mmの凹型の上ロールと、下部の円周方向長さが99.4mm,曲率半径40mmの凹型の下ロールを用いて、円弧を2つ上下に繋げた扁平な断面形状に成形した。
第二工程では、曲率半径50mmの凸型上ロールと、曲率半径150mmの凹型下ロールを用いて、第一工程品の断面上半分が凹形状になるようにロール成形した。
第三工程では、平坦幅が10mmの平型ロールを上ロールに、曲率半径100mmで幅が32mmの凹型ロールを下ロールにして、曲率半径150mmの凹型ロールをサイドロールとして使用して、第二工程品を上下で支えつつ、断面下半分を左右から上方向に押し上げることで、異形台形の袋部分及び異形台形の辺部分の粗形状を成形した。
第三工程では、平坦幅が10mmの平型ロールを上ロールに、曲率半径100mmで幅が32mmの凹型ロールを下ロールにして、曲率半径150mmの凹型ロールをサイドロールとして使用して、第二工程品を上下で支えつつ、断面下半分を左右から上方向に押し上げることで、異形台形の袋部分及び異形台形の辺部分の粗形状を成形した。
次に、付加工程では、平坦幅が10mmの平型ロールを上ロールに、曲率半径30mmで幅が8mmの凹型ロールを下ロールとして使用し、さらに曲率半径150mmの凹型ロールをサイドロールとして使用して異形台形の辺部分を粗成形した。
その後、第四工程として、上端部の径が145mm,下端部の径が120mmで高さが32mmのテーパーロールをサイドロールとし、平坦幅が7mmの平型ロールを上ロールに、曲率半径300mmで幅が40mmの凹型ロールを下ロールに使用して、異形台形の斜辺部分を内側に押圧しつつ底辺部分を押し上げ、断面異形台形を形作った。
そして最後に、湾曲縁辺部の先端を当接させ、アーク溶接法で溶接接合した。
その後、第四工程として、上端部の径が145mm,下端部の径が120mmで高さが32mmのテーパーロールをサイドロールとし、平坦幅が7mmの平型ロールを上ロールに、曲率半径300mmで幅が40mmの凹型ロールを下ロールに使用して、異形台形の斜辺部分を内側に押圧しつつ底辺部分を押し上げ、断面異形台形を形作った。
そして最後に、湾曲縁辺部の先端を当接させ、アーク溶接法で溶接接合した。
以上の各工程でロール成形された異形台形状管の最終的な断面形状は、底面が31.8mm,高さが31.8mm,断面線長が166.5mm(管内部の袋部分の断面線長が63mm,管外側の台形部分の断面線長が103.5mm)、底辺と斜辺の角度が75度を有するものであった。
比較のために、湾曲縁辺部の先端当接部を最後に溶接接合していない断面異形台形管を作製してその各部位の寸法を計測したところ、各線の長さは本実施例品と比べて殆ど差がなかった。しかしながら、断面台形の底辺と斜辺の角度が約89度にもなっており、湾曲縁辺部の先端間が約7mm開いていた。
本発明品及び比較品の2種類の異形台形管について曲げ評価特性試験を行った。
曲げ評価特性試験は、図7に示すように、肩R10mmでスパン1000mmの支点間に試験片を異形台形の短辺部を上にして載せ、その長手方向中央部に、R100mmで幅40mmのパンチを30mm/minの一定の速度で150mm押し込んだときの吸収エネルギー量で評価を行った。
その結果、湾曲縁辺部の先端当接部を溶接接合した本発明品では1.0〜1.2MN・mmの吸収エネルギー特性が得られているのに対して、湾曲縁辺部の先端当接部を溶接接合していない比較品では0.8MN・mmの吸収エネルギー特性しか得られなかった。
本発明品及び比較品の2種類の異形台形管について曲げ評価特性試験を行った。
曲げ評価特性試験は、図7に示すように、肩R10mmでスパン1000mmの支点間に試験片を異形台形の短辺部を上にして載せ、その長手方向中央部に、R100mmで幅40mmのパンチを30mm/minの一定の速度で150mm押し込んだときの吸収エネルギー量で評価を行った。
その結果、湾曲縁辺部の先端当接部を溶接接合した本発明品では1.0〜1.2MN・mmの吸収エネルギー特性が得られているのに対して、湾曲縁辺部の先端当接部を溶接接合していない比較品では0.8MN・mmの吸収エネルギー特性しか得られなかった。
Claims (2)
- 横断面の外郭がほぼ台形状を示し、台形の短辺部に内向きの湾曲縁辺部が相対向して形成されるとともに、該湾曲縁辺部から連続して延びた袋部が台形内にその長辺部に対向して形成された異形管からなり、前記相対向する湾曲縁辺部の先端が互いに溶接接合されていることを特徴とする自動車構造部材用異形管。
- 円形管を、大小2種類の凸曲面よりなる断面にロール成形する第一工程と、前記2種類の凸曲面の内の曲率半径の大きい面の中央表面から円盤状ロールを当て前記曲率半径の大きい面を管の内側に窪ませるようにロール成形する第二工程と、中央が窪み樋状に湾曲した断面の両側に凹型ロールを当て樋状開口部を狭めて管外径を小さくロール成形する第三工程と、上ロールで上部を支えつつ左右テーパーロールを用いて左右辺部を側方から内側に押し込むとともに下ロールで底辺部を押し上げて異形台形管の底辺及び斜辺をロール成形する第四工程で、横断面の外郭がほぼ台形状を示し、台形の短辺部に内向きの湾曲縁辺部が相対向して形成されるとともに、該湾曲縁辺部から連続して延びた袋部が台形内にその長辺部に対向して形成された異形管をロール成形した後、前記相対向する湾曲縁辺部の先端を互いに溶接接合することを特徴とする自動車構造部材用異形管の製造方法。
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JP2004281753A Withdrawn JP2006096081A (ja) | 2004-09-28 | 2004-09-28 | 自動車構造部材用異形管及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006096081A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008247280A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Kobe Steel Ltd | 自動車用複合部材および自動車用複合部材の装着方法 |
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2004
- 2004-09-28 JP JP2004281753A patent/JP2006096081A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008247280A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Kobe Steel Ltd | 自動車用複合部材および自動車用複合部材の装着方法 |
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