JP2006093844A - 輪郭強調回路、表示装置及び輪郭強調方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トランジェント補正及びシャープネス補正の2つの輪郭強調補正を行うに際してそれぞれ適切なエッジ検出信号を用い、鮮鋭感のある輪郭強調を行う。さらに、輪郭強調度合いを抑えても鮮鋭感がなくならないようにする。
【解決手段】 入力映像信号をエッジ検出回路6に入力し、該エッジ検出回路6によるエッジ成分検出結果7をトランジェント補正回路8及びシャープネス補正回路9に入力する。トランジェント補正回路8ではトランジェント補正信号10を生成し、シャープネス補正回路9ではシャープネス補正信号11を生成する。さらに、トランジェント補正信号10に乗算係数α、シャープネス補正信号11に乗算係数(1−α)を乗算し、乗算結果17、18を加算して出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】 入力映像信号をエッジ検出回路6に入力し、該エッジ検出回路6によるエッジ成分検出結果7をトランジェント補正回路8及びシャープネス補正回路9に入力する。トランジェント補正回路8ではトランジェント補正信号10を生成し、シャープネス補正回路9ではシャープネス補正信号11を生成する。さらに、トランジェント補正信号10に乗算係数α、シャープネス補正信号11に乗算係数(1−α)を乗算し、乗算結果17、18を加算して出力する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、映像の輪郭強調回路、それを備える表示装置及び輪郭強調方法に関する。
一般的に、映像の輪郭を強調する方法として、トランジェント補正とシャープネス補正の2つがある。
このうちトランジェント補正は、映像のエッジ成分の傾きを急峻にすることにより輪郭強調を行う。
また、シャープネス補正は、映像のエッジ成分にオーバーシュートとアンダーシュートとを付加することにより輪郭強調を行う。
従来、輪郭強調回路は、入力映像信号を、高域通過フィルタや微分回路に入力してエッジ成分を検出し、エッジ成分に対してトランジェント補正、又はシャープネス補正を独立して行う回路構成であった。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1、2がある。
特許第3494888号
特許第3538074号
従来の輪郭強調回路では、トランジェント補正とシャープネス補正との両方の補正を映像信号に対して施す場合、それぞれの補正回路が独立して存在するため、例えば、トランジェント補正を先に施し、次にシャープネス補正を施す場合では、トランジェント補正結果をシャープネス補正回路に入力するため、シャープネス補正回路によるエッジ検出の段階では、既にトランジェント補正が施された映像信号のエッジ成分を検出するため、入力映像信号に対してシャープネス補正を施した場合と比較して、鮮鋭な画像が得られないという問題があった。
さらに、輪郭強調の補正度合いを強めると、ノイズ成分が強調されて輪郭強調回路の出力のS/N比が劣化してしまうという問題もあった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、トランジェント補正とシャープネス補正との2つの輪郭強調補正を行う場合に、鮮鋭感のある画像を得ることができ、さらに、輪郭強調度合いを抑えても鮮鋭感がなくならないようにすることが可能な輪郭強調回路、それを備える表示装置及び輪郭強調方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の輪郭強調回路は、入力映像信号におけるエッジ成分信号を検出し、該検出したエッジ成分信号を出力するエッジ検出回路と、前記エッジ検出回路からのエッジ成分信号と、前記入力映像信号と、に基づきトランジェント補正信号を生成し、該生成したトランジェント補正信号を出力するトランジェント補正回路と、前記エッジ検出回路により検出されたエッジ成分信号と、前記入力映像信号と、に基づきシャープネス補正信号を生成し、該生成したシャープネス補正信号を出力するシャープネス補正回路と、前記トランジェント補正回路から出力される前記トランジェント補正信号と、前記シャープネス補正回路から出力される前記シャープネス補正信号と、を合成して出力する合成回路と、を備えることを特徴としている。
この場合、前記合成回路は、前記トランジェント補正回路から出力される前記トランジェント補正信号に第1の乗算係数α(αは1以下の正の数)を乗算して出力する第1のゲイン回路と、前記シャープネス補正回路から出力される前記シャープネス補正信号に第2の乗算係数(1−α)を乗算して出力する第2のゲイン回路と、前記第1のゲイン回路からの出力信号と、第2のゲイン回路からの出力信号と、を加算して出力する加算回路と、を備えて構成されていることが好ましい。
また、本発明の輪郭強調回路は、入力映像信号におけるエッジ成分信号を検出し、該検出したエッジ成分信号を出力するエッジ検出回路と、前記エッジ検出回路からのエッジ成分信号に基づきトランジェント補正信号を生成し、該生成したトランジェント補正信号を出力するトランジェント補正回路と、前記エッジ検出回路により検出されたエッジ成分信号に基づきシャープネス補正信号を生成し、該生成したシャープネス補正信号を出力するシャープネス補正回路と、前記トランジェント補正回路から出力される前記トランジェント補正信号と、前記シャープネス補正回路から出力される前記シャープネス補正信号と、前記入力映像信号と、を合成して出力する合成回路と、を備えることを特徴としている。
この場合、前記合成回路は、前記トランジェント補正回路から出力される前記トランジェント補正信号に第1の乗算係数α(αは1以下の正の数)を乗算して出力する第1のゲイン回路と、前記シャープネス補正回路から出力される前記シャープネス補正信号に第2の乗算係数(1−α)を乗算して出力する第2のゲイン回路と、前記第1のゲイン回路からの出力信号と、第2のゲイン回路からの出力信号と、前記入力映像信号と、を加算して出力する加算回路と、を備えて構成されていることが好ましい。
本発明の表示装置は、本発明の輪郭強調回路と、前記輪郭強調回路から出力される映像信号に基づき映像表示を行う表示部と、を備えることを特徴としている。
本発明の表示装置は、例えば、前記表示部として固定画素表示デバイスを備える固定画素表示装置であるを好ましい一例としている。このような固定画素表示装置の具体例としては、例えば、固定画素表示デバイスとしてプラズマディスプレイパネルを備えるプラズマ表示装置や、固定画素表示デバイスとして液晶表示パネルを備える液晶表示装置などが挙げられる。
また、本発明の輪郭強調方法は、入力映像信号におけるエッジ成分信号を検出するエッジ検出工程と、前記エッジ検出工程により検出されたエッジ成分信号と、前記入力映像信号と、を用いてトランジェント補正を行うトランジェント補正工程と、前記エッジ検出工程により検出されたエッジ成分信号と、前記入力映像信号と、を用いてシャープネス補正を行うシャープネス補正工程と、前記トランジェント補正工程により得られたトランジェント補正結果と、前記シャープネス補正工程により得られたシャープネス補正結果と、を合成して出力する合成工程と、を備えることを特徴としている。
前記合成工程では、前記トランジェント補正工程により得られたトランジェント補正結果に第1の乗算係数α(αは1以下の正の数)を乗算した第1の乗算結果と、前記シャープネス補正工程により得られたシャープネス補正結果に第2の乗算係数(1−α)を乗算した第2の乗算結果と、の加算結果を出力することが好ましい。
また、本発明の輪郭強調方法は、入力映像信号におけるエッジ成分信号を検出するエッジ検出工程と、前記エッジ検出工程により検出されたエッジ成分信号を用いてトランジェント補正を行うトランジェント補正工程と、前記エッジ検出工程により検出されたエッジ成分信号を用いてシャープネス補正を行うシャープネス補正工程と、前記トランジェント補正工程により得られたトランジェント補正結果と、前記シャープネス補正工程により得られたシャープネス補正結果と、前記入力映像信号と、を合成して出力する合成工程と、を備えることを特徴としている。
前記合成工程では、前記トランジェント補正工程により得られたトランジェント補正結果に第1の乗算係数α(αは1以下の正の数)を乗算した第1の乗算結果と、前記シャープネス補正工程により得られたシャープネス補正結果に第2の乗算係数(1−α)を乗算した第2の乗算結果と、前記入力映像信号と、の加算結果を出力することが好ましい。
本発明によれば、入力映像信号におけるエッジ成分信号を検出し、その検出結果に対し、それぞれトランジェント補正とシャープネス補正とを施すので、トランジェント補正とシャープネス補正とは、それぞれ輪郭強調が施されていないエッジ成分信号を用いて行うことができるので、映像の鮮鋭感が損なわれることがない。
また、トランジェント補正結果とシャープネス補正結果とを合成して出力するので、出力される輪郭強調映像信号は、シャープネス補正とトランジェント補正との2つの補正が施された映像信号とすることができる。
更に、トランジェント補正回路とシャープネス補正回路とで1つのエッジ検出回路を共有しており、従来の、トランジェント補正回路とシャープネス補正回路とが独立して存在しエッジ検出回路を各々備えている場合と比較して、回路規模を小さくすることができる。
ここで、図1において、波形1は従来のシャープネス補正を施した場合における波形、波形2は従来のトランジェント補正を施した場合における波形、波形3a、3bは、シャープネス補正を施した場合に、入力映像信号に対する輪郭強調補正度合いを変化させる場合において、エッジのオーバーシュート及びアンダーシュートの大きさを小さくした場合におけるオーバーシュート及びアンダーシュートの波形、波形4は本発明による波形である。図1に示すように、従来のオーバーシュート及びアンダーシュートの大きさを小さくさせる場合の波形(オーバーシュートは波形3a、アンダーシュートは波形3b、それらの中間部分は波形1)と本発明の波形4とを比較すると、本発明では、シャープネス補正結果とトランジェント補正結果とを合成して出力しているので、オーバーシュートとアンダーシュートは、トランジェント補正との混合により波形1よりは小さくなるが、エッジの傾きがトランジェント補正との混合により急峻になる。従って、本発明によれば、オーバーシュートと、アンダーシュートを小さくしても映像の鮮鋭感が失われることがない。
また、トランジェント補正結果にα(αは1以下の正の数)を乗算し、シャープネス補正結果に(1−α)を乗算し、トランジェント補正結果の乗算結果と、シャープネス補正結果の乗算結果とを加算して出力するようにした場合、αの値を変化させることにより、シャープネス補正とトランジェント補正の混合比率を任意に変化させることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図2は本発明の第1の実施形態に係る輪郭強調回路100を示すブロック図であり、図3は輪郭強調回路100の動作を説明するためのフローチャートである。
図2は本発明の第1の実施形態に係る輪郭強調回路100を示すブロック図であり、図3は輪郭強調回路100の動作を説明するためのフローチャートである。
図2に示すように、本実施形態に係る輪郭強調回路100は、映像信号が入力される映像信号入力端子5と、入力される映像信号(以下、入力映像信号)におけるエッジ成分信号を検出するエッジ検出回路6と、入力映像信号に対してトランジェント補正を施すトランジェント補正回路8と、入力映像信号に対してシャープネス補正を施すシャープネス補正回路9と、これらトランジェント補正回路8及びシャープネス補正回路9から出力された信号を合成して出力する合成回路12と、この合成回路12から出力された信号を外部出力する輪郭強調映像信号出力端子20と、を備えて構成されている。
このうち映像信号入力端子5には、A/D変換された映像信号が入力され(ステップS1)、該入力映像信号は、エッジ検出回路6、トランジェント補正回路8及びシャープネス補正回路9にそれぞれ入力される。
このうちエッジ検出回路6は、映像信号入力端子5からの入力映像信号に基づき、映像信号のエッジ成分7を検出する(ステップS2)。
エッジ検出回路6により検出されたエッジ成分7は、トランジェント補正回路8及びシャープネス補正回路9にそれぞれ入力される。
また、トランジェント補正回路8及びシャープネス補正回路9には、それぞれ映像信号入力端子5からの入力映像信号も入力される。
トランジェント補正回路8では、エッジ検出回路6からのエッジ成分7に基づきトランジェント補正信号10の元となるトランジェント補正原信号を生成し、更に、この生成したトランジェント補正原信号と入力映像信号とを合成することによりトランジェント補正信号10を生成し、該トランジェント補正信号10を合成回路12に対して出力する(ステップS4)。
他方、シャープネス補正回路9では、エッジ検出回路6からのエッジ成分7に基づきシャープネス補正信号11の元となるシャープネス補正原信号を生成し、更に、この生成したシャープネス補正原信号と入力映像信号とを合成することによりシャープネス補正信号11を生成し、該シャープネス補正信号11を合成回路12に対して出力する(ステップS3)。
ここで、シャープネス補正原信号は、シャープネス補正信号11におけるオーバーシュートとアンダーシュートである。
合成回路12は、図2に示すように、乗算係数入力端子13,14、乗算器15,16及び加算器19を備えて構成されている。
このうち乗算係数入力端子13からは第1の乗算係数が、乗算係数入力端子14からは第2の乗算係数が、それぞれ入力される。
ここで、第1及び第2の乗算係数の総和は1である。つまり、第1の乗算係数をα(0≦α≦1)とすると、第2の乗算係数は(1−α)で表される。
また、乗算器15では、入力端子13からの乗算係数αを、トランジェント補正回路8からのトランジェント補正信号10に乗算し、該乗算後のトランジェント補正信号17を加算器19に出力する(ステップS5)。
他方、乗算器16では、入力端子15からの乗算係数(1−α)を、シャープネス補正回路9からのシャープネス補正信号11に乗算し、該乗算後のシャープネス補正信号18を加算器19に出力する(ステップS6)。
加算器19では、乗算器15からの信号、すなわち第1の乗算係数αが乗算されたトランジェント補正信号17と、乗算器16からの信号、すなわち第2の乗算係数(1−α)が乗算されたシャープネス補正信号18と、を加算し、該加算後の映像信号(輪郭強調映像信号)を、輪郭強調映像信号出力端子20を介して輪郭強調回路100の外部に出力する(ステップS7)。
以上のような第1の実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
(1)本実施形態に係る輪郭強調回路100では、入力映像信号がエッジ検出回路に入力され、エッジ検出回路から出力されるエッジ検出信号が、トランジェント補正回路とシャープネス補正回路に入力される。従って、トランジェント補正回路とシャープネス補正回路に入力されるエッジ検出信号は、輪郭強調の補正が施されていないオリジナルの映像信号から検出されたものとなり、映像の鮮鋭感が失われない。
(2)トランジェント補正回路とシャープネス補正回路で、一つのエッジ検出回路を共有しており、従来の、トランジェント補正回路と、シャープネス補正回路が独立して存在し、エッジ検出回路を各々備えている場合と比較して、回路規模を小さくすることができる。
(3)図1において、波形1は従来のシャープネス補正を施した場合における波形、波形2は従来のトランジェント補正を施した場合における波形、波形3a、3bは、シャープネス補正を施した場合に、入力映像信号に対する輪郭強調補正度合いを変化させる場合において、エッジのオーバーシュート及びアンダーシュートの大きさを小さくした場合におけるオーバーシュート及びアンダーシュートの波形、波形4は本実施形態に係る輪郭強調回路100による補正を行うことにより得られる波形である。図1に示すように、従来のオーバーシュート及びアンダーシュートの大きさを小さくさせる場合の波形(オーバーシュートは波形3a、アンダーシュートは波形3b、それらの中間部分は波形1)と本実施形態の場合の波形4とを比較すると、本実施形態では、シャープネス補正結果とトランジェント補正結果とを合成して出力しているので、オーバーシュートとアンダーシュートは、トランジェント補正との混合により波形1よりは小さくなるが、エッジの傾きがトランジェント補正との混合により急峻になる。従って、本実施形態の場合、オーバーシュートと、アンダーシュートを小さくしても映像の鮮鋭感が失われることがない。
(4)トランジェント補正結果にα(αは1以下の正の数)を乗算し、シャープネス補正結果に(1−α)を乗算し、トランジェント補正結果の乗算結果と、シャープネス補正結果の乗算結果とを加算して出力するので、αの値を変化させることにより、シャープネス補正とトランジェント補正の混合比率を任意に変化させることができる。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した輪郭強調回路100の動作において、シャープネス補正のみを行うかトランジェント補正のみを行うかを判定する処理を追加して行うことにより、映像信号に対してシャープネス補正又はトランジェント補正のうちの何れか一方を行う例について説明する。
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した輪郭強調回路100の動作において、シャープネス補正のみを行うかトランジェント補正のみを行うかを判定する処理を追加して行うことにより、映像信号に対してシャープネス補正又はトランジェント補正のうちの何れか一方を行う例について説明する。
すなわち、図2のトランジェント補正信号10に対する乗算係数αの値を「1」に設定し、シャープネス補正信号11に対する乗算係数(α−1)の値を「0」に設定することにより、シャープネス補正側の乗算器16でシャープネス補正信号11が除かれる結果、輪郭強調映像信号出力端子20からトランジェント補正信号10が出力されるので、図2の回路をトランジェント補正回路として動作させることができる。
また、図2の回路において、シャープネス補正信号11に対する乗算係数(α−1)の値を「1」に設定し、トランジェント補正信号10に対する乗算係数αを「0」に設定することにより、トランジェント補正側の乗算器15でトランジェント補正信号10が除かれる結果、輪郭強調映像信号出力端子20からシャープネス補正信号11が出力されるので、図2の回路をシャープネス補正回路として動作させることができる。
図4は第2の実施形態の場合の動作を説明するためのフローチャートである。
図4に示すように、ステップS1〜S4を上記の第1の実施形態と同様に行った後で、シャープネス補正のみを行うのか否かを判定する(ステップS8)。
なお、シャープネス補正のみを行うか、又はトランジェント補正のみを行うかは、例えば、ユーザの設定操作により決定されることが挙げられるが、入力映像信号に応じて何れの補正を行うのかを決定するようにしても良い。
ステップS8では、シャープネス補正のみを行うのか否かを判定する。シャープネス補正のみを行うと判定された場合(ステップS8のYES)、ステップS10及びステップS11に移行し、ステップS10では乗算器16がシャープネス補正信号11に係数「1」を乗算する一方で、ステップS11では乗算器15がトランジェント補正信号10に係数「0」を乗算する。続くステップS7では、加算器19が乗算器15,16による乗算後の2つの信号を加算して、輪郭強調出力映像信号として出力する。つまり、ステップS11によりトランジェント補正信号10は除かれるので、ステップS7では、シャープネス補正信号11を輪郭強調出力映像信号として出力することとなり、図2の回路はシャープネス補正回路として機能する。
他方、ステップS8にて、トランジェント補正のみを行うと判定された場合(ステップS8のNO)、ステップS9に移行し、トランジェント補正のみを行うのか否かを判定する。トランジェント補正のみを行うと判定された場合(ステップS9のYES)、ステップS12及びステップS13に移行し、ステップS12では乗算器15がトランジェント補正信号10に係数「1」を乗算する一方で、ステップS13では乗算器16がシャープネス補正信号11に係数「0」を乗算する。続くステップS7では、加算器19が乗算器15,16による乗算後の2つの信号を加算して、輪郭強調出力映像信号として出力する。つまり、ステップS13によりシャープネス補正信号11は除かれるので、ステップS7では、トランジェント補正信号10を輪郭強調出力映像信号として出力することとなり、図2の回路はトランジェント補正回路として機能する。
以上のような第2の実施形態によれば、第1の実施形態で説明した輪郭強調回路100をシャープネス補正回路又はトランジェント補正回路として動作させることができる。
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態では、トランジェント補正回路8が、トランジェント補正信号10の代わりに、トランジェント補正信号10と入力映像信号との差分信号であるトランジェント補正原信号を出力する一方で、シャープネス補正回路9が、シャープネス補正信号11の代わりに、シャープネス補正成分であるシャープネス補正原信号、すなわちオーバーシュート信号及びアンダーシュート信号を出力する例について説明する。
第3の実施形態では、トランジェント補正回路8が、トランジェント補正信号10の代わりに、トランジェント補正信号10と入力映像信号との差分信号であるトランジェント補正原信号を出力する一方で、シャープネス補正回路9が、シャープネス補正信号11の代わりに、シャープネス補正成分であるシャープネス補正原信号、すなわちオーバーシュート信号及びアンダーシュート信号を出力する例について説明する。
図5は、第3の実施形態の場合における輪郭強調回路の回路構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、第3の実施形態に係る輪郭強調回路200は、入力端子5からの入力映像信号と、加算器19からの信号と、が入力される加算器21を合成回路12が更に備える点でのみ上記の第1の実施形態で説明した輪郭強調回路100と異なり、その他の点では輪郭強調回路100と同様に構成されているため、同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6は、第3の実施形態の場合の動作を説明するためのフローチャートである。
第3の実施形態の場合、図6に示すように、先ず、ステップS1〜S4を上記第1の実施形態と同様に行う。
ステップS3に続いては、シャープネス補正回路9から、シャープネス補正信号11のうちのシャープネス補正成分、すなわちオーバーシュート信号及びアンダーシュート信号のみを乗算器16に出力する(ステップS14)。
ステップS14に続いては、乗算器16にて、オーバーシュート信号及びアンダーシュート信号に対してそれぞれ乗算係数(1−α)を乗算し、該乗算後の信号を加算器19に出力する(ステップS16)。
他方、ステップS4に続いては、トランジェント補正回路8から、トランジェント補正信号10のうち、該トランジェント補正信号10と入力映像信号との差分信号のみを乗算器15に出力する(ステップS15)。
ステップS15に続いては、乗算器15にて、トランジェント補正信号10と入力映像信号との差分信号に対して乗算係数αを乗算し、該乗算後の信号を加算器19に出力する(ステップS17)。
次に、加算器19では、乗算器15,16による乗算後の2つの信号を加算し、該加算後の信号を加算器21に出力する(ステップS18)。
次に、加算器21では、加算器19からの信号と入力映像信号とを加算し、該加算後の信号(輪郭強調映像信号)を、輪郭強調映像信号出力端子20を介して輪郭強調回路100の外部に出力する(ステップS19)。
以上のような第3の実施形態によれば、上記の第1の実施形態又は第2の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上記の各実施形態で説明した輪郭強調回路100、200は、例えば、表示部としてプラズマディスプレイパネルを備えるプラズマ表示装置に適用することができるが、表示部として液晶表示パネルを備える液晶表示装置、或いは、その他の表示装置にも同様に適用することができる。
1 従来のシャープネス補正によるエッジ部分の波形
2 従来のトランジェント補正によるエッジ部分の波形
3a、3b 従来のシャープネス補正の補正量を弱めた(オーバーシュート・アンダーシュートを弱めた)エッジ部分の波形
4 本発明による出力波形(シャープネス補正とトランジェント補正を混合したエッジ部分の波形)
5 映像信号入力端子
6 エッジ検出回路
7 エッジ成分
8 トランジェント補正回路
9 シャープネス補正回路
10 トランジェント補正信号
11 シャープネス補正信号
12 合成回路
13 乗算係数入力端子
14 乗算係数入力端子
15 乗算器
16 乗算器
17 乗算係数が乗算されたトランジェント補正信号
18 乗算係数が乗算されたシャープネス補正信号
19 加算器
20 輪郭強調映像信号出力端子
2 従来のトランジェント補正によるエッジ部分の波形
3a、3b 従来のシャープネス補正の補正量を弱めた(オーバーシュート・アンダーシュートを弱めた)エッジ部分の波形
4 本発明による出力波形(シャープネス補正とトランジェント補正を混合したエッジ部分の波形)
5 映像信号入力端子
6 エッジ検出回路
7 エッジ成分
8 トランジェント補正回路
9 シャープネス補正回路
10 トランジェント補正信号
11 シャープネス補正信号
12 合成回路
13 乗算係数入力端子
14 乗算係数入力端子
15 乗算器
16 乗算器
17 乗算係数が乗算されたトランジェント補正信号
18 乗算係数が乗算されたシャープネス補正信号
19 加算器
20 輪郭強調映像信号出力端子
Claims (10)
- 入力映像信号におけるエッジ成分信号を検出し、該検出したエッジ成分信号を出力するエッジ検出回路と、
前記エッジ検出回路からのエッジ成分信号と、前記入力映像信号と、に基づきトランジェント補正信号を生成し、該生成したトランジェント補正信号を出力するトランジェント補正回路と、
前記エッジ検出回路により検出されたエッジ成分信号と、前記入力映像信号と、に基づきシャープネス補正信号を生成し、該生成したシャープネス補正信号を出力するシャープネス補正回路と、
前記トランジェント補正回路から出力される前記トランジェント補正信号と、前記シャープネス補正回路から出力される前記シャープネス補正信号と、を合成して出力する合成回路と、
を備えることを特徴とする輪郭強調回路。 - 前記合成回路は、
前記トランジェント補正回路から出力される前記トランジェント補正信号に第1の乗算係数α(αは1以下の正の数)を乗算して出力する第1のゲイン回路と、
前記シャープネス補正回路から出力される前記シャープネス補正信号に第2の乗算係数(1−α)を乗算して出力する第2のゲイン回路と、
前記第1のゲイン回路からの出力信号と、第2のゲイン回路からの出力信号と、を加算して出力する加算回路と、
を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の輪郭強調回路。 - 入力映像信号におけるエッジ成分信号を検出し、該検出したエッジ成分信号を出力するエッジ検出回路と、
前記エッジ検出回路からのエッジ成分信号に基づきトランジェント補正信号を生成し、該生成したトランジェント補正信号を出力するトランジェント補正回路と、
前記エッジ検出回路により検出されたエッジ成分信号に基づきシャープネス補正信号を生成し、該生成したシャープネス補正信号を出力するシャープネス補正回路と、
前記トランジェント補正回路から出力される前記トランジェント補正信号と、前記シャープネス補正回路から出力される前記シャープネス補正信号と、前記入力映像信号と、を合成して出力する合成回路と、
を備えることを特徴とする輪郭強調回路。 - 前記合成回路は、
前記トランジェント補正回路から出力される前記トランジェント補正信号に第1の乗算係数α(αは1以下の正の数)を乗算して出力する第1のゲイン回路と、
前記シャープネス補正回路から出力される前記シャープネス補正信号に第2の乗算係数(1−α)を乗算して出力する第2のゲイン回路と、
前記第1のゲイン回路からの出力信号と、第2のゲイン回路からの出力信号と、前記入力映像信号と、を加算して出力する加算回路と、
を備えて構成されていることを特徴とする請求項3に記載の輪郭強調回路。 - 請求項1乃至4の何れか一項に記載の輪郭強調回路と、
前記輪郭強調回路から出力される映像信号に基づき映像表示を行う表示部と、
を備えることを特徴とする表示装置。 - 当該表示装置は、前記表示部として固定画素表示デバイスを備える固定画素表示装置であることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
- 入力映像信号におけるエッジ成分信号を検出するエッジ検出工程と、
前記エッジ検出工程により検出されたエッジ成分信号と、前記入力映像信号と、を用いてトランジェント補正を行うトランジェント補正工程と、
前記エッジ検出工程により検出されたエッジ成分信号と、前記入力映像信号と、を用いてシャープネス補正を行うシャープネス補正工程と、
前記トランジェント補正工程により得られたトランジェント補正結果と、前記シャープネス補正工程により得られたシャープネス補正結果と、を合成して出力する合成工程と、
を備えることを特徴とする輪郭強調方法。 - 前記合成工程では、
前記トランジェント補正工程により得られたトランジェント補正結果に第1の乗算係数α(αは1以下の正の数)を乗算した第1の乗算結果と、
前記シャープネス補正工程により得られたシャープネス補正結果に第2の乗算係数(1−α)を乗算した第2の乗算結果と、
の加算結果を出力することを特徴とする請求項7に記載の輪郭強調方法。 - 入力映像信号におけるエッジ成分信号を検出するエッジ検出工程と、
前記エッジ検出工程により検出されたエッジ成分信号を用いてトランジェント補正を行うトランジェント補正工程と、
前記エッジ検出工程により検出されたエッジ成分信号を用いてシャープネス補正を行うシャープネス補正工程と、
前記トランジェント補正工程により得られたトランジェント補正結果と、前記シャープネス補正工程により得られたシャープネス補正結果と、前記入力映像信号と、を合成して出力する合成工程と、
を備えることを特徴とする輪郭強調方法。 - 前記合成工程では、
前記トランジェント補正工程により得られたトランジェント補正結果に第1の乗算係数α(αは1以下の正の数)を乗算した第1の乗算結果と、
前記シャープネス補正工程により得られたシャープネス補正結果に第2の乗算係数(1−α)を乗算した第2の乗算結果と、
前記入力映像信号と、
の加算結果を出力することを特徴とする請求項9に記載の輪郭強調方法。
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