JP2006092855A - 燃料電池の背圧弁制御装置 - Google Patents

燃料電池の背圧弁制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006092855A
JP2006092855A JP2004275396A JP2004275396A JP2006092855A JP 2006092855 A JP2006092855 A JP 2006092855A JP 2004275396 A JP2004275396 A JP 2004275396A JP 2004275396 A JP2004275396 A JP 2004275396A JP 2006092855 A JP2006092855 A JP 2006092855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
back pressure
pressure
fuel cell
valve
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004275396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4786892B2 (ja
Inventor
Fumio Ito
文美男 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chino Corp
Original Assignee
Chino Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chino Corp filed Critical Chino Corp
Priority to JP2004275396A priority Critical patent/JP4786892B2/ja
Publication of JP2006092855A publication Critical patent/JP2006092855A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4786892B2 publication Critical patent/JP4786892B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 応答時間が早く、オーバーシュートを低減し、短時間で系を安定させる。
【解決手段】 背圧弁制御装置2は、燃料電池1から排出される未反応の燃料と空気による背圧を制御するもので、背圧弁5と、制御部8を具備する。背圧弁5は、燃料電池1の排出口1aに接続され、外部の設定圧力によってバルブの開度が調整可能とされる。
制御部8は、背圧弁5を閉止した状態で、目標圧力から演算された設定圧力をフィードフォワード分として背圧をフィードフォワード制御するとともに、フィードフォワード制御後の目標圧力に対するプロセス圧力の偏差量に応じた各プロセス毎の設定圧力の操作量を演算し、この演算された操作量で背圧弁5のバルブの開度を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池から排出される未反応の燃料と空気による背圧を制御するための燃料電池の背圧弁制御装置に関するものである。
燃料電池は、水素などの燃料と、空気などの酸化剤を電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ化学的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置である。この種の燃料電池の中でも、電解質に高分子イオン交換膜を用いた固体高分子型燃料電池は、出力密度が高く、作動温度が約70℃〜90℃と低いこと、構造が単純で電解質を含めて燃料電池全体を固体で構成できること、高分子膜が差圧に強いことなどの特徴がある。そして、出力密度が高いことは、コンパクトで大きな出力が得られ、低温作動であることは、起動時などの取り扱いが容易になることを意味するので、上述した固体高分子型燃料電池は、例えば自動車用、家庭用、可搬用など様々な分野での利用が可能である。
ところで、固体高分子型燃料電池では、排出される未反応の燃料と空気による背圧の制御は重要な問題であり、固体高分子型燃料電池から排出される排出燃料等に対して背圧制御弁が設けられているのが一般的である。これにより、固体高分子型燃料電池のカソード側に対するアノード側の圧力を所定圧に設定して所定の発電効率を確保するとともに、固体高分子型燃料電池に供給される燃料の流量を制御することで所定の出力が得られるようになっている。
この種の背圧制御弁を備えた固体高分子型燃料電池の発明に関連する先行技術文献情報としては、下記特許文献1に開示される燃料電池の制御装置が知られている。この特許文献1に係る燃料電池の制御装置では、燃料電池の排出燃料を制御する小流量バルブと大流量バルブの2バルブが並列に配置・接続されている。制御部は、低流量域では大流量バルブを閉止し、作動圧とオフガスの流量から小流量バルブをフィードバック制御し、高流量域では、作動圧とオフガスの流量から大流量バルブをフィードフォワード制御し、併せて小流量バルブを同様にフィードバック制御して精度を向上させている。
特開2001−338671号公報
しかしながら、上述した特許文献1に係る燃料電池の制御装置では、背圧の制御が好適に行なわれず、実際には燃料電池のカソード側に対するアノード側の圧力が良好な値に維持できず、所定の安定した背圧が確保できないという問題があった。
本願発明者等は、その原因を次のように分析した。すなわち、特許文献1では、大流量バルブのフィードフォワード制御も、小流量バルブのフィードバック制御も、共に2つの変数からバルブの開度を検索するマップ (テーブル)方式によって行なっている。すなわち、作動圧とオフガスの流量によって一義的にバルブの開度を決定している。しかし、バルブの開度の制御によって調整すべき燃料電池の背圧は、実際には作動圧とオフガスの流量のみで決定できるものではなく、燃料電池の運転状態を示す他の物性量とも相関関係にあると考えられ、これら他の物性量が変化すれば背圧も変化してしまうと予想される。
そこで、本願発明者等は、上記知見に基づき、燃料電池において未反応の燃料と空気による背圧を制御するため、単なるマップ方式ではなく、前記背圧と相関関係にある複数種類の物性量(燃料の流量、燃料の圧力、負荷電流、燃料電池の運転温度、使用する燃料の密度)を用いて所定の演算式で演算を行なうことにより流量制御手段 (背圧弁)に制御信号を与える背圧制御装置を既に出願(特願2003−91567)しているが、オーバーシュートを低減して、さらに短時間で背圧制御することができる安定性に優れた装置の提供が望まれていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、応答時間が早く、オーバーシュートを低減し、短時間で系を安定させることができる安定性に優れた燃料電池の背圧弁制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る請求項1の発明に記載された燃料電池の背圧弁制御装置は、燃料電池から排出される未反応の燃料と空気による背圧を制御する燃料電池の背圧弁制御装置において、
前記燃料電池の排出口に接続され、外部の設定圧力によってバルブの開度が調整可能な機械式の背圧弁と、
前記背圧弁を閉止した状態で、目標圧力から演算された設定圧力をフィードフォワード分として前記背圧をフィードフォワード制御するとともに、該フィードフォワード制御後の前記目標圧力に対するプロセス圧力の偏差量に応じた各プロセス毎の設定圧力の操作量を演算し、この演算された操作量で前記背圧弁のバルブの開度を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る請求項2の発明に記載された燃料電池の背圧弁制御装置は、請求項1記載の燃料電池の背圧弁制御装置において、
前記制御部は、前記フィードフォワード制御によるプロセスの変化時間を演算し、該変化時間が経過する直前で前記操作量により前記背圧弁のバルブの開度を制御することを特徴とする。
本発明の燃料電池の背圧弁制御装置によれば、従来のPID制御等のフィードバック制御と比較して、応答時間が早く、オーバーシュートを低減し、短時間で系を安定させることができ、応答性・安定性の向上とともに、調整工数の短縮が図れる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明に係る燃料電池の背圧弁制御装置の概略構成図、図2は同背圧弁制御装置に採用される背圧弁の一例を示す概略断面図、図3は背圧弁の動作時の操作信号(目標圧力)とプロセス圧力の関係を示す図、図4は同背圧弁制御装置によるプロセス圧力の変化と設定圧力の操作量の関係を示す模式図、図5は同背圧弁制御装置において圧力を一定として流量を変化させたときの試験結果の一例を示す図、図6は同背圧弁制御装置において流量を一定として圧力を変化させたときの試験結果の一例を示す図である。
なお、以下では、出力密度の高い固体高分子型燃料電池 (PEFC) を採用した場合の背圧弁制御装置を例にとって説明するが、固体高分子型燃料電池の他、例えばリン酸型燃料電池 (PAFC) 、溶融炭酸塩型燃料電池 (MCFC) 、固体酸化物型燃料電池 (SOFC) 、アルカリ型燃料電池 (AFC) 、直接メタノール型燃料電池 (DMFC)などの燃料電池の背圧弁制御装置として用いることもできる。
(1)固体高分子型燃料電池の構成
図1において、本実施の形態による固体高分子型燃料電池1 (以下、単に燃料電池1とも呼ぶ)は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセルを構成単位とし、このセルを複数積層して構成したスタックから構成されて、燃料として例えば水素が供給される水素極と、酸化剤として例えば酸素を含む空気が供給される空気極とを備えている。そして、空気極及び燃料極には、供給された燃料及び酸化剤のうち、未反応の燃料及び酸化剤を外部へ排出するための排出口1aが設けられており、各排出口1aには大気に開放される配管が接続されている。
(2)背圧弁制御装置の構成
図1において、本例における燃料電池1の背圧弁制御装置2は、燃料電池1へ燃料を供給する燃料供給部3と、燃料電池1へ空気等の酸化剤を供給する酸化剤供給部4と、未反応の燃料と空気が排出される燃料電池1の排出口1aに接続された背圧弁5と、燃料電池1が発電した直流を交流に変換して負荷に与える直流交流変換装置6と、制御部7とを有している。
(a)燃料供給部3
まず、燃料供給部3は、例えばメタノールと水の混合液等からなる液体燃料を供給する手段であり、図示はしないが、液体燃料を蒸発させて燃料蒸気を生成する蒸気発生部、蒸気発生部の暖気及び液体燃料の蒸発に利用される燃焼ガスを生成する燃焼部、燃料蒸気から水素リッチな改質燃料を生成する改質部、改質燃料中の一酸化炭素を選択的に酸化して除去するCO低減部、そして補助燃料供給部等も含む。
燃料供給部3は、例えばメタノール等のアルコール系化合物や、メタン、エタン、ガソリン等の炭化水素系化合物等からなる燃料と水とを、所定の比率で混合した混合液等の液体燃料を蒸気発生部へ供給する。蒸気発生部は、内部に液体燃料を供給するための例えばノズル等を備えており、このノズルから噴霧された液体燃料は燃焼部から供給された燃焼ガスの熱により蒸発させられる。
燃焼部は、例えば、燃料電池1の燃料極から排出された未反応水素を含む排出燃料と、空気極から排出された未反応酸素を含む排出酸化剤とを導入するためのノズルと、排出燃料及び排出酸化剤の燃焼状態を持続するための燃焼用触媒と、着火源である例えば電気ヒータとを備えている。そして、排出燃料及び排出酸化剤の燃焼により生成された燃焼ガスを蒸気発生部へ供給する。さらに、燃焼部には補助燃料供給部が備えられており、この補助燃料供給部から供給される補助燃料を燃焼させることによって、燃焼部を暖機すると共に、蒸気発生部にて液体燃料の蒸発に利用される燃焼ガスを発生させる。
改質部は、例えば改質触媒を備えており、この改質触媒により燃料蒸気から水素の含有率が高められた(水素リッチな)改質燃料が生成される。例えばメタノールと水の混合液からなる燃料蒸気の場合には、下記反応式(1)〜(3)によって、水素、二酸化炭素、一酸化炭素を含む改質燃料が生成される。
CH3 OH+H2 O→3H2 +CO2 …(1)
CH3 OH+1/2O2 →2H2 +CO2 …(2)
CH3 OH→2H2 +CO…(3)
反応式(1)は、メタノールと水による改質反応であり、燃料である水素が生成される。反応式(2)は、メタノールの酸化反応であり、吸熱反応である反応式(1)で必要とされる熱量を補給する。なお、反応式(3)は、不可避的に発生するメタノールの分解反応であり、一酸化炭素が生成される。この一酸化炭素は、燃料電池1内に含まれる、例えばPt触媒等を被毒して発電効率を低下させると共に、燃料電池1の寿命を短くするため、CO低減部にて除去する。
CO低減部は、例えばPtやRu等からなる選択酸化触媒を備えており、下記反応式(4)によって、改質燃料に含まれている一酸化炭素を選択的に酸化して除去する。
2CO+O2 →2CO2 …(4)
そして、一酸化炭素の含有量が低減された改質燃料は、燃料電池1の燃料極へ供給される。
(b)酸化剤供給部4
次に、酸化剤供給部4は、例えば図示しないエアーコンプレッサーを備えて構成され、制御部7からの制御信号に基づいて酸化剤としての酸素を含む空気等を加圧して、燃料電池1の空気極へ供給する。そして、燃料電池1では、改質燃料中の水素(燃料)と酸化剤(酸素)が電気化学反応を起こして発電が行われる。
(c)背圧弁5
次に、背圧弁5は、未反応の燃料と空気が排出される固体高分子型燃料電池1の排出口1aに接続されており、外部の設定圧力(パイロット圧力)に応じてバルブの開度が調整可能な機械式背圧弁で構成される。背圧弁5は、オペレータの手動操作、又は後述する制御部7の制御により駆動部としてのアクチュエータ8を介して開度が調整される。なお、駆動部としてのアクチュエータ8は、例えば空気圧、電磁(ソレノイド)、圧電素子(ピエゾスタック)等で構成することができる。そして、上記背圧弁5のバルブの開度を制御することにより、燃料電池1から排出された未反応の燃料ガス及び空気の圧力、すなわち燃料電池1の背圧を制御することができる。
図2は手動操作によって開度が調整可能な背圧弁5(FISHER−ROSEMOUNT社製:95 LD−1)の一構成例を示している。図2に示す背圧弁5は、例えばステンレス、ニッケル−コバルト合金などからなるダイアフラム部(金属板)11の屈曲により開閉を行うバルブで構成される。その概略構成について説明すると、背圧弁5は、一対の管体12,12に形成された流路13に臨むようにして弁14が配置されている。弁14は、上部が可動中心軸15を介してダイアフラム部11の中心と連結されている。ダイアフラム部11の上部には、付勢手段としてのコイルスプリング16が介挿された筒体17が設けられている。筒体17は、外周部が一対の管体12,12に固定され、調整手段として外周部分にネジ18aが切られたボルト18が上部に取り付けられている。この背圧弁5では、ネジ18aが切られたボルト18を上下移動させることにより、コイルスプリング16を介してダイアフラム部11に加わる圧力が調整できるようになっている。
(d)各種検出器
次に、燃料供給部3と燃料電池1を結ぶ配管の中途には流量検出器20が設けられ、燃料の流量Qを測定することができる。燃料電池1には第1の圧力検出器21が設けられ、燃料電池1の運転圧力P1を測定することができる。燃料電池1には温度検出器22が設けられ、燃料電池1の運転温度Tを測定することができる。直流交流変換装置6と負荷23の間には電流検出器24が設けられ、負荷電流Iを測定することができる。さらに、燃料電池1と背圧弁5を結ぶ配管の中途には第2の圧力検出器25 (背圧センサ)が設けられ、燃料電池1の背圧P2を測定することができる。
(e)制御部7
次に、制御部7は、例えば電気自動車等の車両におけるアクセルペダルの操作等に基づく発電要求に応じて、背圧弁5における排出燃料の流量を制御している。このため、制御部7には、運転条件(例えば目標発電量、目標流量、目標圧力、設定圧力など)や各種検出器からの検出信号(流量検出器20からの流量Qの検出信号、第1の圧力検出器21からの燃料電池1の運転圧力P1の検出信号、温度検出器22からの燃料電池1の運転温度Tの検出信号、電流検出器24からの負荷電流Iの検出信号、第2の圧力検出器25からの燃料電池1の背圧の検出信号)等が入力される。
制御部7は、上記入力に基づいて、例えば燃料噴射指令値を燃料供給部3に出力するとともに、発電電流指令値を直流交流変換装置6に出力して負荷23に対する出力を制御している。また、制御部7は、予め決められた容積と、予め設定された目標流量とに基づいて、プロセス圧力(燃料電池1と背圧弁5を結ぶ配管における実際の圧力)が目標圧力に到達するまでに要する時間(目標値到達時間)や目標圧力を中心とする各プロセス(例えば図4に示す変化(1)〜(4),(1)’〜(4)’)の変化時間を演算して時間管理している。なお、図4の各プロセスのプロセス圧力の変化((1)〜(4),(1)’〜(4)’)の変化量は適宜変えることができる。制御部7は、最初に目標圧力から演算された設定圧力(パイロット圧力)をフィードフォワード分として背圧をフィードフォワード制御し、その後、プロセス圧力が目標圧力に到達するまでの間は目標圧力とプロセス圧力との差(偏差)に基づいて背圧弁5に対する設定圧力の操作量を非線形で修正制御している。
ここで、上記修正制御の内容について説明する。背圧を制御する場合、目標圧力に対する偏差量がプロセス圧力によって異なるため、本例では、制御部7が、例えば図4に示すように、目標圧力に近くプロセス圧力の変化がない範囲を中心として、所定の±偏差量を示す各プロセス(変化(1)〜(4),(1)’〜(4)’)における設定圧力の操作量(単位時間当りの変化量)を演算し、この演算した操作量によって背圧弁5の開度を制御している。具体的に、目標圧力に対して偏差量が大きい範囲のプロセス(例えば変化(4),(4)’)では設定圧力の操作量を大きくして背圧弁5の開度を制御し、目標圧力に対する偏差量が小さい範囲のプロセス(例えば変化(1),(1)’)では設定圧力の操作量を小さくして背圧弁5の開度を制御している。
なお、背圧弁5のバルブを手動操作する場合は、制御部7が管理する時間(目標値到達時間、各プロセスの変化時間)における偏差量に基づき、オペレータが背圧弁5のバルブの開度を調整する。例えば図2に示す構成の背圧弁5を採用した場合には、ネジ18aが切られたボルト18を回してダイアフラム部11の圧力を可変し、バルブの開度を調整することができる。
このように、本例の背圧弁制御装置2では、外部のパイロット圧力が設定できる背圧弁5を採用し、フィードフォワード制御と修正制御とからなる制御方式により、今までの不具合点を一気に解決している。
圧力制御を考える時、できるだけ早く昇圧するには、背圧弁5を閉止して目的の圧力(目標圧力)になるまで昇圧する。この場合、昇圧の割合はPV=圧力×「容積A」=流量(Q1)×時間で示される。本例では、フィードフォワード制御と非線形(偏差量ゲイン可変)による修正制御とを組み合わせて背圧弁5の制御を行うことにより、制御性能の改善を実施した。
ここで、背圧弁5としてのダイアフラム弁の特性は図3に示すような概略2種類の関数で示すことができる。本例の背圧弁制御装置2では、上記関数を予め検証して、制御部7が目標圧力から設定圧力(パイロット圧力)を演算している。
そして、目標圧力に対するプロセス圧力の偏差に従って設定圧力の操作量を非線形で制御しており、この操作量の非線形化で安定時間の短縮と制御安定性を達成している。同時に、この設定圧力の操作量を非線形で操作する制御に時間的要素を加えてプロセスの安定性をより一層強化している。すなわち、フィードフォワード制御後、目標値到達(プロセス圧力の偏差量が次のプロセスの偏差量まで到達するまでの時間)が経過する直前で目標圧力に対するプロセス圧力の差(偏差)に応じて設定圧力の操作量を演算し、この演算された操作量で背圧弁5の開度を制御(修正制御)し、最終的な目標圧力を得ている。
次に、上記構成による背圧弁制御装置2の動作について説明する。例えばアクセルペダルの操作量等に応じた目標発電電流値(目標発電量)から燃料噴射量を算出し、この算出した燃料噴射量を燃料噴射指令として、例えば燃料供給部3等へ出力する。また、燃料噴射指令から発電電流指令を算出し、この算出した発電電流指令を直流交流変換装置6等に出力し、燃料電池1から出力される発電電流を制御する。
発電電流指令に基づいて目標アノード作動圧(燃料電池1の作動圧力)を算出する。なお、目標アノード作動圧は、燃料電池1の反応効率に応じて設定された所定の圧損、すなわち燃料電池1に供給される改質燃料の圧力と、燃料電池1から排出された排出燃料の圧力(背圧)との差に関する値であり、燃料電池1から出力される発電電流に対して所定の目標アノード作動圧が設定されている。また、燃料噴射指令及び発電電流指令に基づいて、排出燃料つまりオフガスの流量を算出する。
そして、本例では、図3に示す背圧弁5に関する操作信号(目標圧力)とプロセス圧力との関係に基づき、目標圧力(目標アノード作動圧)から設定圧力(パイロット圧力)を演算する。そして、背圧弁5を設定圧力に調整した後、背圧弁5のバルブを全閉した状態で、上記演算で得た設定圧力をフィードフォワード分として背圧をフィードフォワード制御する。これにより、背圧弁5は、プロセス圧力と設定圧力のバランスで制御され、流量変動に対してバルブ自身の自己平衡性を有するので、目標到達時間に近づくに連れ、プロセス圧力が設定圧力に近づく。ところが、外乱の影響により背圧弁5がヒステリシスの特性を持つため、所定時間(目標値到達時間)が経過してもプロセス圧力が目標圧力に安定せず、修正が必要となる。
そこで、本例では、プロセス圧力を目標圧力で安定させるための修正制御として、目標値到達時間の直前における偏差に応じて背圧弁5のバルブの開度を変えるための設定圧力の操作量を非線形で制御している。すなわち、フィードフォワード制御後、目標圧力に対するパイロット圧力の偏差量に従って設定圧力の操作量を演算し、この演算された操作量で背圧弁5のバルブの開度を調整している。
このように、本例の燃料電池の背圧弁制御装置では、制御ループの最短安定時間を目指して演算で算出された設定圧力(例えば図4の設定変化(1))をフィードフォワード分として出力し、その際にプロセスの変化時間を同時演算し、その時間(目標到達時間)が経過する直前で出力変更の修正制御を実施している。この制御方式の採用により、従来のPID制御等のフィードバック制御と比較して、応答時間が早く、またオーバーシュートを低減し、系を短時間で安定させることができ、応答性・安定性の向上とともに装置導入後の調整工数の短縮に大きな効果を発揮した。具体的には、以下に示すような効果を奏する。
(1)従来に比べて装置導入後の調整工数を1/10に短縮することができる。
(2)従来に比べて制御性の向上を図ることができる。具体的には、数リットル/minの低流量から数千リットル/minの大流量まで±5Kpaの安定性を確保できた。
(3)従来(特願2003−91567の制御方式)に比べてオーバーシュートを1/3から1/5に低減し、格別の性能向上を図ることができる。
ここで、上記(2)の安定性に関して実験を試みたところ、図5に示すように、圧力(カソード背圧)の目標値を30KPaに設定し、流量を30l/min→300l/min→3000l/min→4500l/min→3000l/min→300l/min→30l/minとステップ状に変化させた場合、圧力(カソード背圧)を目標値30KPaに対して±3KPaに安定させることができた。また、図6に示すように、流量の目標値を3000l/minに設定し、圧力(カソード背圧)を30KPa→100KPa→300KPa→100KPa→30KPaとステップ状に変化させた場合でも、流量を目標値3000l/minに対して低誤差で安定させることができた。
ところで、上述した形態では、外部のパイロット圧力を設定することができる自己平衡性を有する機械式背圧弁を採用しているが、この機械式背圧弁と従来のダイアフラム弁を並列接続して大流量制御する場合でも本例の背圧弁制御装置を適用することができる。
本発明に係る燃料電池の背圧弁制御装置の概略構成図である。 本発明に係る背圧弁制御装置に採用される背圧弁の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る背圧弁制御装置の背圧弁の動作時の操作信号とプロセス圧力の関係を示す図である。 本発明に係る背圧弁制御装置によるプロセス圧力の変化と設定圧力の操作量の関係を示す模式図である。 本発明に係る背圧弁制御装置において圧力を一定として流量を変化させたときの試験結果の一例を示す図である。 本発明に係る背圧弁制御装置において流量を一定として圧力を変化させたときの試験結果の一例を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池
1a 排出口
2 背圧弁制御装置
3 燃料供給部
4 酸化剤供給部
5 背圧弁
6 直流交流変換装置
7 制御部
11 ダイアフラム部
12 管体
13 流路
14 弁
15 可動中心軸
16 コイルスプリング(付勢手段)
17 筒体
18 ボルト(調整手段)
18a ネジ
20 流量検出器
21 第1の圧力検出器
22 温度検出器
23 負荷
24 電流検出器
25 第2の圧力検出器

Claims (2)

  1. 燃料電池から排出される未反応の燃料と空気による背圧を制御する燃料電池の背圧弁制御装置において、
    前記燃料電池の排出口に接続され、外部の設定圧力によってバルブの開度が調整可能な機械式の背圧弁と、
    前記背圧弁を閉止した状態で、目標圧力から演算された設定圧力をフィードフォワード分として前記背圧をフィードフォワード制御するとともに、該フィードフォワード制御後の前記目標圧力に対するプロセス圧力の偏差量に応じた各プロセス毎の設定圧力の操作量を演算し、この演算された操作量で前記背圧弁のバルブの開度を制御する制御部とを備えたことを特徴とする燃料電池の背圧弁制御装置。
  2. 前記制御部は、前記フィードフォワード制御によるプロセスの変化時間を演算し、該変化時間が経過する直前で前記操作量により前記背圧弁のバルブの開度を制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池の背圧弁制御装置。
JP2004275396A 2004-09-22 2004-09-22 燃料電池の背圧弁制御装置 Active JP4786892B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004275396A JP4786892B2 (ja) 2004-09-22 2004-09-22 燃料電池の背圧弁制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004275396A JP4786892B2 (ja) 2004-09-22 2004-09-22 燃料電池の背圧弁制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006092855A true JP2006092855A (ja) 2006-04-06
JP4786892B2 JP4786892B2 (ja) 2011-10-05

Family

ID=36233649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004275396A Active JP4786892B2 (ja) 2004-09-22 2004-09-22 燃料電池の背圧弁制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4786892B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017162690A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム及びその制御方法
DE102013221313B4 (de) * 2012-10-25 2021-06-17 GM Global Technology Operations LLC (n. d. Gesetzen des Staates Delaware) Verfahren für eine verbesserte Kathodendrucksteuerung mithilfe eines Kapazitätsmodells
DE102013221312B4 (de) 2012-10-25 2022-03-10 GM Global Technology Operations, LLC (n.d. Ges. d. Staates Delaware) Kathodenströmungsteilungs-Steuerung und Drucksteuerung für ein Fahrzeug-Brennstoffzellen-Leistungsversorgungssystem, Steuergerät und Verfahren zum Steuern der Kathodenströmungsverteilung
CN114914482A (zh) * 2022-06-28 2022-08-16 大洋电机燃料电池科技(中山)有限公司 自调节电子背压阀、燃料电池***及控制方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102013221313B4 (de) * 2012-10-25 2021-06-17 GM Global Technology Operations LLC (n. d. Gesetzen des Staates Delaware) Verfahren für eine verbesserte Kathodendrucksteuerung mithilfe eines Kapazitätsmodells
DE102013221312B4 (de) 2012-10-25 2022-03-10 GM Global Technology Operations, LLC (n.d. Ges. d. Staates Delaware) Kathodenströmungsteilungs-Steuerung und Drucksteuerung für ein Fahrzeug-Brennstoffzellen-Leistungsversorgungssystem, Steuergerät und Verfahren zum Steuern der Kathodenströmungsverteilung
JP2017162690A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム及びその制御方法
CN114914482A (zh) * 2022-06-28 2022-08-16 大洋电机燃料电池科技(中山)有限公司 自调节电子背压阀、燃料电池***及控制方法
CN114914482B (zh) * 2022-06-28 2024-04-26 大洋电机燃料电池科技(中山)有限公司 自调节电子背压阀、燃料电池***及控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4786892B2 (ja) 2011-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1770813B1 (en) Fuel cell system
JP4886170B2 (ja) 燃料電池システム
WO2008078553A1 (ja) 燃料電池システム
JP4359856B2 (ja) 燃料電池システム及び移動体
JPH09312167A (ja) 燃料電池発電装置およびその運転方法
WO2009016985A1 (ja) 燃料電池システム及びその制御方法
US7829234B2 (en) Non-linear cathode inlet/outlet humidity control
US8980489B2 (en) Fuel cell type power generation device, electronic apparatus and treatment method of fuel
US6602628B2 (en) Control system for fuel cell
EP2186154A1 (en) Fuel cell system and method of operating the fuel cell system
JP4786892B2 (ja) 燃料電池の背圧弁制御装置
JP3443237B2 (ja) 固体高分子型燃料電池発電システム
US20020160243A1 (en) Control system for fuel cell
JP2001338671A (ja) 燃料電池の制御装置
JP5411901B2 (ja) 燃料電池システム
JP2008535159A (ja) 燃料組成が変化する燃料によって動作する燃料電池システムと共に使用するためのガス流量制御構体
JP4963010B2 (ja) 燃料電池装置
JP5319160B2 (ja) 燃料電池システム
JP4686115B2 (ja) 固体高分子型燃料電池の加湿装置
JP2009043564A (ja) 燃料電池システム及び不純物濃度推定方法
JP2002056873A (ja) 燃料電池装置及び燃料電池装置の運転方法。
JP2002100387A (ja) 改質システム
CN111052472B (zh) 用于运行燃料电池装置的方法
JP2000306594A (ja) 燃料電池システム
JP3561659B2 (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110628

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4786892

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 3